JP2005257909A - レーザ走査顕微鏡および設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定して高精度に分光検出ができるレーザ走査顕微鏡および設定方法を提供する。
【解決手段】 レーザ光源1から発せられるレーザ光が照射された試料6が発する検出光を共焦点検出するための共焦点光学系7、共焦点検出された検出光をスペクトル分解するグレーティング801、スペクトル分解された光から測定すべきスペクトル成分を選択するスリット802を有する波長選択手段8、波長選択手段8により選択された波長光を検出する光検出器9を有し、予めレーザ光源1のレーザ光の波長を基準波長として試料に代わる反射ミラーから発せられる検出光に対する波長選択手段8での最適設定条件を求め、この最適設定条件に基づき波長選択手段8でのグレーティング801の角度調整、スリット802の幅調整を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分光検出機能を備えたレーザ走査顕微鏡および設定方法に関するものである。
従来、レーザ走査顕微鏡として、蛍光色素を標識した標本に対し対物レンズを介してレーザ光を照射することで蛍光色素を励起し、この励起により標本から発せられる蛍光を検出してスペクトル分解し、選択された蛍光に基づいて任意の波長領域の分光データを検出するものが知られている。
このようなレーザ走査顕微鏡では、標本からの光を検出する光検出器の前段に配置される共焦点光学系との間に波長選択手段を配置することにより、光検出器で検出する光の波長範囲を決定できるようにしている。ここで、波長選択手段として、最近では、グレーティングやプリズムなどの波長分散素子が用いられ、これらによって波長ごとに分散された光をスリットを用いて選択する方式や、音響光学素子を用いる方式など、検出光の波長範囲を連続的に、且つ任意に選択できるものが実用化されている。
特許文献1は、このようなレーザ走査顕微鏡の一例を示すもので、受光する波長域の基準(開始波長、中心波長、終了波長)をグレーティングの設定角度の変更により調整可能とし、また、受光する波長域の幅をスリットの幅を変えることで調整可能とすることが開示されている。また、特許文献1には、グレーティングにより光を波長分散させた後、その光に対して配置されたスリットの幅を変更可能とすることが開示されている。
また、特許文献2は、受光する波長域の基準をスリットと検出器の位置を動かすことによって調整可能とし、さらに受光する波長域の幅をスリットの幅を変えることによって調整可能とすることが開示されている。
ところで、このようなレーザ走査顕微鏡により蛍光観察を行う場合、できるだけ明るい画像を、試料の腿色が少ない状態で取得することが望ましい。このため、試料の退色を極力小さく抑えるには、照明光の強度を下げる必要があり、この状態で明るい画像を取得するには、蛍光の波長域をできるだけ広い範囲で検出する必要がある。
ところが、このような条件では、照明光の波長と蛍光の波長域が近接しているか、もしくは一部重なってしまうことがあり、ユーザーは、検出する蛍光の波長範囲を照明光の波長に重ならないぎりぎりの位置まで広げるなどの調整をする必要がある。
このような場合、仮に、波長選択手段での波長域の基準の調整がずれていると、当然検出する波長範囲がずれてしまい、蛍光だけでなく、試料で反射した照明光も検出してしまい、正確な分光データが取得できないことがあるという問題を生じる。
また、波長選択手段として、上述したプリズムやグレーティングのような波長分散素子を使用する場合、これら波長分散素子に入射する光の角度がずれたり、波長分散素子とスリットの相対的な位置関係がずれても、光検出器で検出できる波長範囲が変化してしまう。
図9(a)(b)は、波長選択手段としてグレーティング101とスリット102を用いた例を示すもので、グレーティング101の角度がずれることによって、光検出器103へ入射する光の範囲が変化することを示している。
例えば、図9(a)に示すようにグレーティング101に対し400nm、450nm、600nmの波長成分を持つ光が入射したような場合、それぞれの波長成分の光は、グレーティング101によって扇形のスペクトル光線へと分光される。この図では、450nm光がスリット102を介して光検出器103に入射している。
ところが、仮に、同図(b)に示すようにグレーティング101の角度が図示矢印方向にずれると、これまで光検出器103へ入射していた450nmの光線の位置がずれてスリット102によって遮られ、光検出器103に入射できなくなってしまう。
このことからも、波長選択手段は、常に正確に調整されている必要があり、光路もしくは波長選択手段の位置にずれが生じたような場合は、その都度、面倒な調整を行なわなければならない。
特開平8−43739号公報 特開2002−122787号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2には、検出する波長域の精度を長期にわたって確保するために必要とする波長選択手段の調整方法について、具体的な開示がなされておらず、仮に、波長選択手段の位置にずれが生じた場合は、安定して高精度に分光検出ができなくなり、その都度、面倒な調整を行なう必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、安定して高精度に分光検出ができるレーザ走査顕微鏡および設定方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光が照射された試料が発する検出光を共焦点検出するための共焦点検出手段と、前記共焦点検出手段より共焦点検出された検出光をスペクトル分解するとともに、該スペクトル分解された光から測定すべきスペクトル成分を選択する波長選択手段と、前記波長選択手段により選択された波長の光を検出する検出手段と、を具備し、前記試料に代わる反射部材を配置するとともに、前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対する前記波長選択手段での最適設定条件を求め、前記最適設定条件に基づいて前記波長選択手段の設定を行なうことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、波長選択手段は、検出光をスペクトル分解するスペクトル分解手段とスペクトル成分を選択するスペクトル選択手段を具備し、前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対し前記スペクトル分解手段と前記スペクトル選択手段の最適設定条件を求めることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、波長選択手段は、検出光をスペクトル分解するグレーティングとスペクトル成分を選択するスリットを具備し、前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対し前記グレーティングの角度と前記スリットの幅の最適設定条件を求めることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記波長選択手段での最適設定条件は、前記レーザ光の波長との関係をテーブルにして記憶されることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、反射部材は、前記試料側に導かれる前記レーザ光源のレーザ光の光路に挿脱可能にしたことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光が照射された試料が発する検出光を共焦点検出するための共焦点検出手段と、前記共焦点検出手段より共焦点検出された検出光をスペクトル分解するとともに、該スペクトル分解された光から測定すべきスペクトル成分を選択する波長選択手段と、前記波長選択手段により選択された波長の光を検出する検出手段とを具備したレーザ走査顕微鏡の設定方法において、前記試料に代わる反射部材を配置し、前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対する前記波長選択手段での最適設定条件を求め、前記最適設定条件に基づいて前記波長選択手段の設定を行なうことを特徴としている。
本発明によれば、レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として求められる波長選択手段での最適設定条件に基づいて、レーザ光源に用いられるレーザ光に対し波長選択手段の設定を行なうようにできるので、常に精度の高い波長選択を行なうことができ、安定して高精度の分光検出が実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるレーザ走査顕微鏡の概略構成を示している。
図1において、1はレーザ光源で、このレーザ光源1は、458nm、488nm、514.5nmの複数波長の同時発振光源であるマルチラインArレーザ光源1aと、これらの発振波長について照射制御可能なAOTF(音響光学同調可能フィルタ)1bにより構成されている。
レーザ光源1からのレーザ光の光路上には、励起用のダイクロイックミラー2が配置されている。このダイクロイックミラー2は、レーザ光源1からのレーザ光を反射し、後述する試料6から戻ってくる検出光を透過するような特性を有している。
ダイクロイックミラー2の反射光路上には、ガルバノスキャナ3が配置されている。このガルバノスキャナ3は、直交する2方向に光を偏向するための2枚のミラー3a、3bを有し、これらのミラー3a、3bによりレーザ光を2次元方向に走査するようになっている。
ガルバノスキャナ3で2次元走査されたレーザ光の光路上には、対物レンズ4を介して試料6を載置したステージ5が配置されている。この場合、ガルバノスキャナ3から出射される光は、対物レンズ4を通り、ステージ5上の試料6に集光され、また、試料6から発せられる検出光は、対物レンズ4およびガルバノスキャナ3を通り、ダイクロイックミラー2まで戻るようになっている。
ダイクロイックミラー2の透過光路上には、共焦点検出手段としての共焦点光学系7が配置されている。共焦点光学系7は、共焦点レンズ701、この共焦点レンズ701の集光位置に配置された共焦点ピンホール702およびコリメートレンズ703から構成されている。
共焦点ピンホール702は、共焦点絞り径を対物レンズ4の瞳径により決まるスポット径に適したものに設定されている。また、コリメートレンズ703は、共焦点ピンホール702を通過した蛍光を再び平行光束とするためのものである。
共焦点光学系7を出射した光路上には、波長選択手段8が配置されている。波長選択手段8は、共焦点光学系7から入射してきた光をスペクトル光線に分解するスペクトル分解手段としてのグレーティング801、スペクトル成分選択手段としてのスリット802により構成されている。グレーティング801は、図示矢印方向に回転可能になっていて、角度設定を可能にしている。また、スリット802は、グレーティング801でスペクトル分解された光から測定すべきスペクトル成分を選択するもので、ここでは、片側(長波長側)だけスペクトル光線の波長方向(幅方向)へ移動設定が可能になっている。
スリット802を通過した光路には、検出手段としての光検出器9が配置されている。この光検出器9には、ホトマルチプライヤが用いられ、スリット802を透過した微弱な検出光を受光できるようになっている。
レーザ光源1、共焦点光学系7、波長選択手段8および光検出器9には、制御手段としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する。)10が接続されている。PC10は、レーザ光源1のオンオフ制御、グレーティング801の角度調整、スリット802の幅調整のそれぞれの制御を実行するとともに、光検出器9で検出される検出光の光量を取得するようにしている。また、PC10には、記憶手段11が接続されている。この記憶手段11は、PC10からアクセス可能であり、ここでは、PC10に内蔵されているハードディスクが用いられている。さらに、PC10には、実行プログラムとして、波長選択手段調整プログラムと検出波長域設定プログラムがプログラミングされている。この実施の形態では、波長選択手段調整プログラムとして、グレーティング調整プログラムとスリット調整プログラムがプログラミングされている。
このような構成において、検出波長域の精度を長期にわたって確保するために必要とする波長選択手段の調整方法について説明する。
この場合、試料6には、反射率が高く、蛍光などの発生のない反射ミラーが用いられる。
この状態から、PC10が波長選択手段調整プログラムを指示すると、まず、グレーティング調整プログラムによる処理が実行される。
この場合、図2に示すフローチャートにおいて、まず、ステップ201で、スリット802の幅を0以外の最小幅に設定する。次に、ステップ202で、レーザ光源1に対して基準波長の光を照射するように設定する。例えば、マルチラインArレーザ1aの488nmの発振波長を基準波長に設定し、この基準波長のみの照明光を照射させる。
レーザ光源1からの基準波長の光は、ダイクロイックミラー2で反射し、ガルバノスキャナ3を介して対物レンズ4に入射し、ステージ5上の試料6に集光される。そして、試料6面で反射した光は、対物レンズ4およびガルバノスキャナ3を通り、ダイクロイックミラー2まで戻る。この場合、ダイクロイックミラー2には、レーザ光源1からの基準波長の光がそのまま戻るため、その大部分が反射するが、一部の光が透過し、共焦点光学系7を介してグレーティング801に入射する。
この状態から、ステップ203で、グレーティング801の角度を変更しながら光検出器9にて検出光の光量検出を行う。この場合、仮に、検出光の光量が大きく、光検出器9の出力が許容値を超えたような場合は、レーザ光源1の出力レベルや光検出器9の入力ゲインを下げるなどの調整をして、もう一度測定をやりなおす。
このような測定により、図4(a)のような検出データを得ることができる。ここで、基準波長として488nmの光が検出されるグレーティング801の角度が、ある程度の幅を持っているのは、グレーティング801へ入射する光線がある程度の径(この径の大きさは共焦点光学系7の共焦点ピンホール702の径によって決定される)を有しているためである。
そして、ステップ204で、図4(a)に示す検出データから光検出器9の出力が最大となっているときのグレーティング801の角度設定値を最適設定条件として求める。この値が、検出波長を488nmに設定したときのグレーティング801の最適設定条件となる。
以下、同様にして、すべての基準波長でのグレーティング角度設定値を取得するため、レーザ光源1のマルチラインArレーザ101の発振波長458nmと514.5nmに順に切換え、ステップ201〜205の動作を繰り返す。
その後、ステップ205で、すべての基準波長についての検出データの取得が終了したと判断されると、ステップ206に進み、レーザ光源1をオフにする。
次に、ステップ207で、これらの処理で求められた3つのグレーティング角度設定値を補間したり、近似処理を行ない、458nm〜514.5nmの範囲において、種々の検出波長とグレーティング801の角度設定値のテーブル(グレーティング角度調整テーブル)を算出する。そして、ステップ208で、この算出したテーブルを記憶手段11に保存し、処理を終了する。
上述では、458nm、488nm、514.5nmのそれぞれの基準波長を順に切換えながらグレーティング角度設定値を求めるようにしたが、これらの基準波長を同時に発生させることによって、一気に3波長分のグレーティング角度設定値を求めることも可能である。この場合、図4(b)に示すように各基準波長ごとに光検出器9の出力が最大となるので、これら光検出器9の出力が最大値となるグレーティング角度をグレーティング801の角度設定値として求めることができる。
次に、スリット調整プログラムによる処理が実行される。
この場合、図3に示すフローチャートにおいて、まず、ステップ301で、グレーティング801の角度を、ある検出波長に対応したものに設定する。例えば、検出波長を458nmとすると、この458nmに最適なグレーティング角度設定値をグレーティング801の角度として設定する。
次に、ステップ302で、レーザ光源1に対して基準波長の光を照射するように設定する。例えば、マルチラインArレーザ1aの488nmの発振波長を基準波長に設定し、この基準波長のみの照明光を照射させる。
この場合も、レーザ光源1からの基準波長の光は、ダイクロイックミラー2で反射し、ガルバノスキャナ3を介して対物レンズ4に入射し、ステージ5上の試料6に集光される。そして、試料6面で反射した光は、対物レンズ4およびガルバノスキャナ3を通り、ダイクロイックミラー2まで戻る。
また、ダイクロイックミラー2を透過した光は、共焦点光学系7を介してグレーティング801に入射し、グレーティング801で反射してスリット802に入射する。
この状態から、ステップ303で、スリット802の幅を変更しながら光検出器9にて検出光の光量検出を行う。この場合、仮に、検出光の光量が大きく、光検出器9の出力が許容値を超えたような場合は、レーザ光源1の出力レベルや光検出器9の入力ゲインを下げるなどの調整をして、もう一度測定をやりなおす。
このような測定により、図5(a)のような検出データを得ることができる。次に、ステップ304で、光検出器9の出力値を微分し、図5(b)に示すようなデータを得る。図5(b)は、縦軸に光検出器9の出力値の微分値、つまり変化量を示しており、この変化量が最大となっているときのスリット802の幅設定値を最適設定条件として求める。この値が検出波長の範囲を458nm〜488nmに設定したとき、つまり、検出波長範囲を30nmとしたときのスリット802の最適設定条件となる。
以下、同様にして、すべての基準波長でのスリット幅設定値を取得するため、検出波長が458nmで最適なグレーティング801の角度のままで、基準波長を514.5nmに変更し、ステップ301〜305の動作を繰り返す。これにより、検出波長の範囲を458nm〜514.5nmに設定したとき、つまり、検出波長範囲を56.5nmとしたときのスリット802のスリット幅設定値を得ることができる。
その後、ステップ305で、すべての基準波長についての検出データの取得が終了したと判断されると、ステップ306に進み、レーザ光源1をオフにする。
次に、ステップ307で、これらの処理で求められた2つのスリット幅設定値を補間したり近時処理を行ない、検出波長範囲とスリット802の幅設定値のテーブル(スリット幅調整テーブル)を算出する。そして、ステップ308で、この算出したテーブルを記憶手段11に保存し、処理を終了する。
上述では、488nm、514.5nmのそれぞれの基準波長を切換えてスリット幅設定値を求めるようにしたが、これらの基準波長を同時に発生させることによって、一気に2波長分のスリット幅設定値を求めることも可能である。この場合、図6(a)に示すように各基準波長に対応して光検出器9の出力が急激に変化し、これら光検出器9の出力値を微分することで、図6(b)に示すようなデータが得られるので、これらの微分結果を用いることで、それぞれの波長について出力の変化量が最大となるスリット802の幅設定値を求めることができる。
その後、実際に蛍光観察を行なう場合、記憶手段11に記憶されたグレーティング角度調整テーブルとスリット幅調整テーブルに基づいて、グレーティング801の角度調整とスリット802の幅調整が行われる。
この場合、ユーザが蛍光観察に使用する検出波長と検出波長範囲を設定し、PC10により検出波長域設定プログラムの実行を指示する。
まず、記憶手段11の中に記憶されているグレーティング角度調整テーブルから、検出波長に対応するグレーティング801の角度設定値を取得し、この値に基づいてグレーティング801の角度を最適条件として設定する。また、これと同時に、記憶手段11の中に記憶されているスリット幅調整テーブルから、検出波長範囲に対応するスリット802の幅設定値を取得し、この値に基づいてスリット802の幅を最適条件として設定する。
この状態から、実際に蛍光色素を標識した試料6に対し対物レンズ4を介して励起光としてレーザ光を照射することで蛍光色素を励起し、試料6から発せられる蛍光を波長選択手段8にてスペクトル分解し波長選択が行われるようになるが、ここでの波長選択手段8は、予めグレーティング801の角度とスリット802が幅が最適条件に設定されているので、常に最良の条件で波長選択を行なうことができ、精度の高い分光データを取得することができる。
従って、このようにすれば、PC10により、波長選択手段調整プログラムを実行するのみで、複雑な作業を必要とすることなく、自動的に検出波長とグレーティング801の角度設定値のグレーティング角度調整テーブルと、検出波長範囲とスリット802の幅設定値のスリット幅調整テーブルを生成することができ、これらのテーブルに基づいてグレーティング801の角度調整とスリット802の幅調整を行なうことができるので、常に精度の高い波長選択を行なうことができ、安定して高精度の分光検出が実現できる。
また、これらのテーブルは、定期的、あるいは顕微鏡の移動などで大きく変動する可能性のある度に、波長選択手段調整プログラムを実行してテーブル内容を修正することにより、光検出器9で検出する波長範囲の精度を長期にわたって保証することが可能である。
さらに、予め生成されたテーブルが用いられるので、グレーティング801の角度調整とスリット802の幅調整には、特別な治具や、複雑な操作を必要とすることなく簡単に設定することができる。
さらに、グレーティング角度調整テーブルとスリット幅調整テーブルは、蛍光観察の際の試料6からの蛍光光を検出するのと同じ光路を通る検出データを用いて生成されるので、実際の使用条件と同じ環境でグレーティング801とスリット802の調整を行うことが可能となる。
(第1の実施の形態の変形例)
上述した第1の実施の形態では、試料6に反射ミラーを使用したが、例えば、照明光反射スイッチを用いて調整基準とする光を得るようにしたり、調整のための基準光を発生する別の光源からの光を用いて調整処理を行うことも可能である。
また、上述した第1の実施の形態では、複数の基準波長を用いて調整を行うものであるが、基準波長が1つだけであったとしても、グレーティング801の角度変化量と検出開始波長の変化量の関係が1次関数によって近似可能な場合や、スリット802の幅の変化量と検出波長幅の変化量の関係が1次関数によって近似可能な場合は、それぞれの変化量の比が明らかであれば、その近似式を用いてグレーティング角度調整テーブルやスリット幅調整テーブル算出することが可能である。
さらに、上述した第1の実施の形態で述べたグレーティング801に代えてプリズムを用い、グレーティングの角度調整をプリズムの角度調整に置き換えて実施することも可能である。
さらに、上述した第1の実施の形態で述べたグレーティング801やスリット802ではなく、例えばAOTFやAOBSのような音響光学素子を用いて検出する波長の選択を行うレーザ走査顕微鏡である場合、グレーティングの角度やスリットの位置調整を、音響光学素子への設定値の調整に置き換えることも可能である。
さらに、上述した第1の実施の形態では、光検出器9の検出データに基づいてグレーティング角度調整テーブルとスリット幅調整テーブルを生成するようにしているが、光検出器9の検出データを用いて、その都度、演算によりグレーティングの角度とスリットの位置調整を行なうようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるレーザ走査顕微鏡の概略構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付している。
この場合、ダイクロイックミラー2とガルバノスキャナ3の間の光路上に照明光反射スイッチ12が配置されている。この照明光反射スイッチ12は、オンオフの2つの状態が設定可能であり、オン状態では光路上に照明光を折り返すための反射部材としての反射板121を挿入し、オフ状態では光路上から反射板121を退避させるようになっている。
その他は、図1と同様である。
このような構成において、グレーティング801とスリット802の調整を行なう場合、照明光反射スイッチ12をオンして光路上に反射板121を挿入する。
この状態から、上述したと同様に、グレーティング調整プログラムとスリット調整プログラムを実行し、検出波長とグレーティング801の角度設定値のグレーティング角度調整テーブルと、検出波長範囲とスリット802の幅設定値のスリット幅調整テーブルを生成する。
その後、実際に蛍光観察を行なう場合、照明光反射スイッチ12をオフして光路から反射板121を退避させ、グレーティング角度調整テーブルから、検出波長に対応するグレーティング801の角度設定値を取得し、この値に基づいてグレーティング801の角度を設定し、また、スリット幅調整テーブルから、検出波長範囲に対応するスリット802の幅設定値を取得し、この値に基づいてスリット802へ設定する。
従って、このようにしても第1の実施の形態と同様な効果を得られる。また、照明光反射スイッチ12を用いることで、簡単な操作により同じ結果を繰り返し得ることができる。さらに、グレーティング801とスリット802の調整のために、試料6を交換したり、焦点位置を調整し直すなどの必要がないので、例えば蛍光観察の途中で波長選択手段8の調整を行い、直ちに蛍光観察へ復帰するようなことも簡単にできる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図8は、本発明の第3の実施の形態にかかるレーザ走査顕微鏡の概略構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付している。
この場合、ガルバノスキャナ3と対物レンズ4との間の光路上に瞳投影レンズ13と結像レンズ14が配置されている。また、瞳投影レンズ13の結像位置に照明光反射スイッチ15が配置されている。この照明光反射スイッチ15も、オンオフの2つの状態が設定可能であり、オン状態では光路上に照明光を折り返すための反射部材としての反射板151を挿入し、オフ状態では光路上から反射板151を退避させるようになっている。
その他は、図1と同様である。
このような構成において、グレーティング801とスリット802の調整を行なう場合、照明光反射スイッチ15をオンして光路上に反射板151を挿入する。
この状態から、上述したと同様に、グレーティング調整プログラムとスリット調整プログラムを実行し、検出波長とグレーティング801の角度設定値のグレーティング角度調整テーブルと、検出波長範囲とスリット802の幅設定値のスリット幅調整テーブルを生成する。
その後、実際に蛍光観察を行なう場合、照明光反射スイッチ15をオフして光路から反射板151を退避させ、グレーティング角度調整テーブルから、検出波長に対応するグレーティング801の角度設定値を取得し、この値に基づいてグレーティング801の角度を設定し、また、スリット幅調整テーブルから、検出波長範囲に対応するスリット802の幅設定値を取得し、この値に基づいてスリット802へ設定する。
従って、このようにしても第1および第2の実施の形態と同様な効果を得られる。また、照明光反射スイッチ15の反射板151を瞳投影レンズ13の結像位置に配置しているので、レーザ光源1からの光をより効率よく反射させ、グレーティング801へ導くことができ、テーブル作成のための安定した検出データを取得できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
本発明の第1の実施の形態にかかるレーザ走査顕微鏡の概略構成を示す図。 第1の実施の形態に用いられるグレーティング調整プログラムを説明するフローチャート。 第1の実施の形態に用いられるスリット調整プログラムを説明するフローチャート。 第1の実施の形態の動作を説明するための図。 第1の実施の形態の動作を説明するための図。 第1の実施の形態の動作を説明するための図。 本発明の第2の実施の形態にかかるレーザ走査顕微鏡の概略構成を示す図。 本発明の第3の実施の形態にかかるレーザ走査顕微鏡の概略構成を示す図。 グレーティングの角度ずれによる影響を説明するための図。
符号の説明
1…レーザ光源、1a…マルチラインArレーザ光源
1b…AOTF、2…ダイクロイックミラー
3…ガルバノスキャナ、3a.3b…ミラー
4…対物レンズ、5…ステージ、6…試料
7…共焦点光学系、701…共焦点レンズ、702…共焦点ピンホール
703…コリメートレンズ、8…波長選択手段
801…グレーティング、802…スリット、9…光検出器
10…PC、11…記憶手段、12…照明光反射スイッチ
121…反射板、13…瞳投影レンズ
14…結像レンズ、15…照明光反射スイッチ、151…反射板

Claims (6)

  1. レーザ光を発生するレーザ光源と、
    前記レーザ光が照射された試料が発する検出光を共焦点検出するための共焦点検出手段と、
    前記共焦点検出手段より共焦点検出された検出光をスペクトル分解するとともに、該スペクトル分解された光から測定すべきスペクトル成分を選択する波長選択手段と、
    前記波長選択手段により選択された波長の光を検出する検出手段と、を具備し、
    前記試料に代わる反射部材を配置するとともに、前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対する前記波長選択手段での最適設定条件を求め、前記最適設定条件に基づいて前記波長選択手段の設定を行なうことを特徴とするレーザ走査顕微鏡。
  2. 波長選択手段は、検出光をスペクトル分解するスペクトル分解手段とスペクトル成分を選択するスペクトル成分選択手段を具備し、
    前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対し前記スペクトル分解手段と前記スペクトル選択手段の最適設定条件を求めることを特徴とする請求項1記載のレーザ走査顕微鏡。
  3. 波長選択手段は、検出光をスペクトル分解するグレーティングとスペクトル成分を選択するスリットを具備し、
    前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対し前記グレーティングの角度と前記スリットの幅の最適設定条件を求めることを特徴とする請求項1記載のレーザ走査顕微鏡。
  4. 前記波長選択手段での最適設定条件は、前記レーザ光の波長との関係をテーブルにして記憶されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザ走査顕微鏡。
  5. 前記反射部材は、前記試料側に導かれる前記レーザ光源のレーザ光の光路に挿脱可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザ走査顕微鏡。
  6. レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光が照射された試料が発する検出光を共焦点検出するための共焦点検出手段と、前記共焦点検出手段より共焦点検出された検出光をスペクトル分解するとともに、該スペクトル分解された光から測定すべきスペクトル成分を選択する波長選択手段と、前記波長選択手段により選択された波長の光を検出する検出手段とを具備したレーザ走査顕微鏡の設定方法において、
    前記試料に代わる反射部材を配置し、
    前記レーザ光源のレーザ光の波長を基準波長として前記反射部材で発せられる検出光に対する前記波長選択手段での最適設定条件を求め、
    前記最適設定条件に基づいて前記波長選択手段の設定を行なうことを特徴とするレーザ走査顕微鏡の設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009074866A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Hamamatsu Photonics Kk 分光測定装置、分光測定方法、及び分光測定プログラム
JP2012037834A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Olympus Corp レーザ顕微鏡用照明装置およびレーザ顕微鏡
CN104267505A (zh) * 2014-10-13 2015-01-07 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种光楔延迟消偏振的光栅转动分光装置及方法

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