JP2023008411A - 蛍光顕微鏡装置、観察条件最適化方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】観察する蛍光色素の波長域全域に亘って波長感度が最も高い光検出器を備えていなくても、その波長域全域に亘って高感度の光検出を可能にする技術を提供する。【解決手段】蛍光顕微鏡装置は、波長感度特性が異なる複数の光検出器と、各光検出器の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、観察対象とする蛍光色素又は波長範囲を入力する入力装置と、各光検出器の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリと、入力装置により入力された観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、メモリに記憶された第1情報とに基づいて、複数の光検出器の中から観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び検出波長変更部を観察対象の観察に最適化することを行う観察条件最適化部と、を備え、観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に各光検出器で検出された蛍光の強度信号を合算する。【選択図】図1

Description

本明細書の開示は、蛍光顕微鏡装置、観察条件最適化方法、及びプログラムに関する。
従来、複数の光検出器を備えた蛍光顕微鏡装置において、観察する蛍光色素(蛍光試薬、蛍光染料)の情報に基づいて、観察に使用する光検出器等を自動選択する機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、波長感度特性が異なる複数の光検出器を備えた蛍光顕微鏡装置において、観察する蛍光色素の波長域の情報と光検出器の波長感度特性の情報とに基づいて、観察に使用する光検出器等を自動選択する機能を備えたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許第4145421号公報 特許第5011076号公報 特許第6456617号公報
波長感度特性が異なる複数の光検出器を備えた蛍光顕微鏡装置では、観察する蛍光色素の波長域における短波長側と長波長側とで、観察に最適な光検出器が異なる場合がある。例えば、波長感度特性が異なる光検出器Aと光検出器Bとを備えた蛍光顕微鏡装置において、観察する蛍光色素の波長域が500~600nmであるときに、500~545nmの波長域は光検出器Aの方が光検出器Bよりも感度が高く、545~600nmの波長域は光検出器Bの方が光検出器Aよりも感度が高い、といった場合である。この場合は、光検出器Aと光検出器Bのいずれも、この蛍光色素の観察に最適な光検出器とは言えないが、現状では、いずれかの光検出器(この例では、感度が高い波長域がより広い光検出器B)を使用して観察が行われることになる。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、波長感度特性が異なる複数の光検出器を備えた蛍光顕微鏡装置において、観察する蛍光色素の波長域全域に亘って波長感度が最も高い光検出器を備えていなくても、その波長域全域に亘って高感度の光検出を可能にする技術を提供することである。
本発明の一態様に係る蛍光顕微鏡装置は、波長感度特性が異なる複数の光検出器と、前記複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、観察対象とする蛍光色素又は波長範囲を入力する入力装置と、前記複数の光検出器の各々の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリと、前記入力装置により入力された前記観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行う観察条件最適化部と、を備え、前記観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算する。
本発明の他の一態様に係る方法は、波長感度特性が異なる複数の光検出器と、前記複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、前記複数の光検出器の各々の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリとを備えた蛍光顕微鏡装置の観察条件最適化方法であって、入力された観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行い、前記観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算する。
本発明の他の一態様に係るプログラムは、波長感度特性が異なる複数の光検出器と、前記複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、前記複数の光検出器の各々の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリとを備えた蛍光顕微鏡装置のコンピュータに、入力された観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行い、前記観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算する、という処理を実行させる。
上記の態様によれば、波長感度特性が異なる複数の光検出器を備えた蛍光顕微鏡装置において、観察する蛍光色素の波長域全域に亘って波長感度が最も高い光検出器を備えていなくても、その波長域全域に亘って高感度の光検出を可能にする技術を提供することができる。
一実施の形態に係る蛍光顕微鏡装置100の構成を例示する図である。 一実施の形態に係る蛍光顕微鏡装置100で行われる観察条件最適化処理を例示するフローチャートである。 ステップS20の処理の詳細を例示するフローチャートである。 蛍光色素入力画面を例示する図である。 設定入力画面を例示する図である。
図1は、一実施の形態に係る蛍光顕微鏡装置100の構成を例示する図である。蛍光顕微鏡装置100は、図1に例示したように、レーザ光を2次元的に走査させるスキャンユニット1と、レーザ光が照射されることにより試料Aにおいて発生してスキャンユニット1を介して入射する蛍光を検出する第1検出ユニット2及び第2検出ユニット3とを備えている。
スキャンユニット1は、レーザ光を出射するレーザ光源11と、レーザ光源11からのレーザ光を試料Aに導く照明光学系12とを備えている。レーザ光源11は、例えば405nm、488nm、543nmといった発振波長の異なるものが複数種備えられ、それぞれの発振波長のレーザ光を出射制御可能なAOTF(Acousto―Optics tunable Filter)を備えている。照明光学系12は、レーザ光源11からのレーザ光を導光する光ファイバ13と、コリメートレンズ14とを備えている。
また、スキャンユニット1は、試料Aからの蛍光を集光する対物レンズ15と、対物レンズ15により集光された蛍光を結像させる結像レンズ16と、スキャナ17と、結像レンズ16により結像された蛍光を略平行光にする瞳投影レンズ18と、略平行光にされた蛍光をレーザ光の光路から分岐する励起ダイクロイックミラー19と、分岐された蛍光を集光する共焦点レンズ20と、集光された蛍光のうち、対物レンズ15の焦点位置から発生した蛍光のみを通過させる共焦点ピンホール21とを備えている。
励起ダイクロイックミラー19は、回転可能な励起ターレット22にスペクトル(分光特性)の異なるものが複数固定されており、励起ターレット22の回転により、光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19を変更することができるようになっている。
第1検出ユニット2は、スキャンユニット1から入射する蛍光(共焦点ピンホール21を通過した蛍光)を波長域に応じて2つの光路に分解(分光)する2つの測光ダイクロイックミラー31A、31Bと、測光ダイクロイックミラー31Bにより分解された一方の光路の蛍光から検出する波長を選択する波長選択機構32Aと、波長選択機構32Aにより選択された波長を検出する光検出器33Aと、測光ダイクロイックミラー31Bにより分解された他方の光路の蛍光から検出する波長を選択する波長選択機構32Bと、波長選択機構32Bにより選択された波長を検出する光検出器33Bとを備えている。
測光ダイクロイックミラー31A、31Bは、それぞれ回転可能な測光ターレット34A、34Bにスペクトルの異なるものが複数固定されており、測光ターレット34A、34Bの回転により、光路に挿入する測光ダイクロイックミラー31A、31Bを変更することができるようになっている。
測光ダイクロイックミラー31Aは、スキャンユニット1からの蛍光を波長域に応じて第2検出ユニット3に向けて透過または測光ダイクロイックミラー31Bに向けて反射させるようになっている。測光ダイクロイックミラー31Bは、測光ダイクロイックミラー31Aからの蛍光を波長域に応じて波長選択機構32Aに向けて透過または波長選択機構32Bに向けて反射させるようになっている。
波長選択機構32Aは、蛍光をスペクトル成分に分光する回折格子(VPH(Volume Phase Holographic))35Aと、回折格子35Aにより分光された蛍光を反射する搖動ミラー36Aと、搖動ミラー36Aにより反射された蛍光を光検出器33Aの受光面上に集光させる結像レンズ37Aと、結像レンズ37Aにより集光された蛍光を部分的に遮断するスリット(遮光スリット)38Aとを備えている。
回折格子35Aは、測光ダイクロイックミラー31Bを透過した蛍光のスペクトル成分を一方向に分光するようになっている。搖動ミラー36Aは、回折格子35Aにより分光されたスペクトル列の配列方向に直交する搖動軸回りに揺動可能に設けられている。この搖動ミラー36Aは、搖動角度に応じて、スリット38Aを通過させるスペクトル成分を変更することができるようになっている。
スリット38Aは、固定部材39Aと、固定部材39Aに対してスペクトル列の配列方向に隙間をあけて配される可動部材40Aとを備えている。可動部材40Aは、固定部材39Aに対してスペクトル列の配列方向に移動可能に設けられており、固定部材39Aとの間の隙間、すなわち、蛍光を通過させる開口を広げたり狭めたりすることができるようになっている。光検出器33Aは、後述する光検出器33C及び光検出器33Dよりも短波長側で感度が高い波長感度特性を有している。
波長選択機構32Bは、波長選択機構32Aと同様の構成を有している。すなわち、波長選択機構32Bは、回折格子(VPH)35Bと、搖動ミラー36Bと、結像レンズ37Bと、スリット(遮光スリット)38Bとを備えている。
回折格子35Bは、測光ダイクロイックミラー31Bにより反射された蛍光のスペクトル成分を一方向に分光するようになっている。搖動ミラー36Bは、回折格子35Bにより分光されたスペクトル列の配列方向に直交する搖動軸回りに揺動可能に設けられており、搖動角度に応じて、スリット38Bを通過させるスペクトル成分を変更することができるようになっている。スリット38Bは、固定部材39Bと、可動部材40Bとを備えている。光検出器33Bは、光検出器33Aと同一の波長感度特性を有している。
第2検出ユニット3は、第1検出ユニット2と同様の構成を有している。すなわち、第2検出ユニット3は、2つの測光ダイクロイックミラー31C、31Dと、波長選択機構32Cと、光検出器33Cと、波長選択機構32Dと、光検出器33Dとを備えている。
測光ダイクロイックミラー31C、31Dは、測光ダイクロイックミラー31A、31Bと同様に、それぞれ回転可能な測光ターレット34C、34Dにスペクトルの異なるものが複数固定されており、測光ターレット34C、34Dの回転により、光路に挿入する測光ダイクロイックミラー31C、31Dを変更することができるようになっている。
測光ダイクロイックミラー31Cは、第1検出ユニット2の測光ダイクロイックミラー31Aからの蛍光を波長域に応じて透過または測光ダイクロイックミラー31Dに向けて反射させるようになっている。測光ダイクロイックミラー31Dは、測光ダイクロイックミラー31Cからの蛍光を波長域に応じて波長選択機構32Cに向けて透過または波長選択機構32Dに向けて反射させるようになっている。
波長選択機構32Cは、測光ダイクロイックミラー31Dを通過した蛍光から検出する波長を選択するようになっている。この波長選択機構32Cは、回折格子(VPH)35Cと、搖動ミラー36Cと、結像レンズ37Cと、スリット(遮光スリット)38Cとを備えている。
回折格子35Cは、測光ダイクロイックミラー31Dからの蛍光のスペクトル成分を一方向に分光するようになっている。搖動ミラー36Cは、回折格子35Cにより分光されたスペクトル列の配列方向に直交する搖動軸回りに揺動可能に設けられており、搖動角度に応じて、スリット38Cを通過させるスペクトル成分を変更することができるようになっている。
スリット38Cは、固定部材39Cと、可動部材40Cとを備えている。光検出器33Cは、波長選択機構32Cにより選択された波長を検出するようになっている。この光検出器33Cは、光検出器33A及び光検出器33Bよりも長波長側で感度が高い波長感度特性を有している。
波長選択機構32Dは、測光ダイクロイックミラー31Dにより反射された蛍光から検出する波長を選択するようになっている。この波長選択機構32Dは、回折格子(VPH)35Dと、搖動ミラー36Dと、結像レンズ37Dと、スリット(遮光スリット)38Dとを備えている。
回折格子35Dは、測光ダイクロイックミラー31Dからの蛍光のスペクトル成分を一方向に分光するようになっている。搖動ミラー36Dは、回折格子35Dにより分光されたスペクトル列の配列方向に直交する搖動軸回りに揺動可能に設けられており、搖動角度に応じて、スリット38Dを通過させるスペクトル成分を変更することができるようになっている。
スリット38Dは、固定部材39Dと、可動部材40Dとを備えている。光検出器33Dは、波長選択機構32Dにより選択された波長を検出するようになっている。この光検出器33Dは、光検出器33Cと同一の波長感度特性を有している。
なお、光検出器33A又は光検出器33Bと、光検出器33C又は光検出器33Dは、波長感度特性が異なる複数の光検出器の一例である。スペクトルが異なる複数の励起ダイクロイックミラー19が固定された励起ターレット22、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Aが固定された測光ターレット34A、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Bが固定された測光ターレット34B、波長選択機構32A、32B、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Cが固定された測光ターレット34C、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Dが固定された測光ターレット34D、及び波長選択機構32C、32Dは、波長感度特性が異なる複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部の一例である。以下において、検出波長変更部と言った場合には、これらの励起ターレット22、測光ターレット34、及び波長選択機構32を指すものとする。励起ダイクロイックミラー19、測光ダイクロイックミラー31A、31B、31C、31Dは、分光光学素子の一例である。
蛍光顕微鏡装置100は、また、入力装置4、表示装置5、及び制御装置6を備えている。入力装置4は、ユーザの入力操作に応じて、観察対象とする蛍光色素又は波長範囲の入力や、観察対象の観察に使用する光検出器33等に関する設定の入力など、各種の入力を行う。入力装置4は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルである。
表示装置5は、観察対象とする蛍光色素の入力を可能にする蛍光色素入力画面の表示や、観察対象の観察に使用する光検出器33等に関する設定の入力を可能にする設定入力画面の表示や、画像の表示など、各種の表示を行う。表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
制御装置6は、蛍光顕微鏡装置100の各部を制御する。例えば、制御装置6は、スキャンユニット1のレーザ光源11、スキャナ17、及び測光ターレット22や、第1検出ユニット2の測光ターレット34A、34B、波長選択機構32A、32B、及び光検出器33A、33Bや、第2検出ユニット3の測光ターレット34C、34D、波長選択機構32C、32D、及び光検出器33C、33Dや、表示装置5を制御する。
また、制御装置6は、観察条件最適化部及び画像構築部としての機能を有する。観察条件最適化部としての機能は、波長感度特性が異なる複数の光検出器33の中から観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器33を判定して選択すること及び検出波長変更部を観察対象の観察に最適化することを行う機能である。なお、光検出器33の選択において、第1検出ユニット2内では第2検出器33Bよりも第1検出器33Aを優先して選択し、第2検出ユニット3内では第4検出器33Dよりも第3検出器33Bを優先して選択するようにしてもよい。画像構築部としての機能は、観察条件最適化部としての機能により選択された1つ又は複数の光検出器33で検出された蛍光の強度信号に基づいて画像構築を行う機能であり、選択された光検出器33が複数である場合は、その各々で検出された蛍光の強度信号を合算した結果に基づいて画像構築を行う。
制御装置6は、例えば、PC(Personal Computer)であり、プロセッサ6a及びメモリ6bを含む。制御装置6の上述の制御や機能は、例えば、プロセッサ6aがメモリ6bに記憶されたプログラムを実行すること(所謂ソフトウェア処理)により実現されてもよいし、ハードウェア処理により実現されてもよいし、ソフトウェア処理及びハードウェア処理の組み合わせにより実現されてもよい。プロセッサ6aは、例えば、1つ又は複数の集積回路を含む。集積回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などであってもよい。
メモリ6bは、プロセッサ6aが実行するプログラムを記憶する。また、メモリ6bは、第1情報、第2情報、及び第3情報を記憶する。第1情報は、光検出器33A、33B、33C、及び33Dの各々の波長感度特性に関する情報である。第2情報は、各励起ダイクロイックミラー19のスペクトル、各測光ダイクロイックミラー31Aのスペクトル、各測光ダイクロイックミラー31Bのスペクトル、各測光ダイクロイックミラー31Cのスペクトル、及び各測光ダイクロイックミラー31Dのスペクトルに関する情報である。第3情報は、観察対象とされ得る蛍光色素のスペクトルに関する情報である。また、メモリ9は、レーザ光源11が出射し得る各レーザ光の発振波長(スペクトル)に関する情報も記憶する。また、メモリ9は、画像も記憶される。
メモリ6bは、プロセッサ11が実行するプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでいる。メモリ6bは、例えば、1つ又は複数の任意の半導体メモリ、1つ又は複数のその他の記憶装置、を含むことができる。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)、プログラマブルROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいる。RAMには、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが含まれてもよい。その他の記憶装置には、例えば、コンピュータ可読媒体として例えば磁気ディスクを含む磁気記憶装置、コンピュータ可読媒体として例えば光ディスクを含む光学記憶装置などが含まれてもよい。
このような構成の蛍光顕微鏡装置100では、観察に先立って、ユーザが入力装置4を用いて観察対象とする蛍光色素又は波長範囲を入力すると、波長感度特性が異なる複数の光検出器33の中から観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器33が判定されて選択されると共に検出波長変更部が観察対象の観察に最適化される。そして、観察の際には、選択されている1つ又は複数の光検出器33で検出された蛍光の強度信号に基づいて画像構築が行われる。例えば、選択されている光検出器33が複数である場合は、その複数の光検出器33の各々で検出された蛍光の強度信号が合算された結果に基づいて画像構築が行われる。そして、その画像が表示装置5に表示されたり、メモリ6bに記憶されたりする。このような蛍光顕微鏡装置100で行われる処理について、以下、詳細に説明する。
図2は、蛍光顕微鏡装置100で行われる観察条件最適化処理を例示するフローチャートである。図3は、ステップS20の処理の詳細を例示するフローチャートである。
観察条件最適化処理では、図2に例示したように、ユーザが入力装置4を用いて観察対象とする蛍光色素を入力すると(ステップS10)、制御装置6は、その観察対象とする蛍光色素の観察に最適な観察条件を導出する(ステップS20)。具体的には、その観察条件として、使用する1つ又は複数の光検出器33と、レーザ光源11が出射するレーザ光の発振波長と、試料Aから使用する1つ又は複数の光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31と、使用する1つ又は複数の光検出器33が検出する波長を選択する波長選択機構32が選択する波長とを導出する。
ステップS20の処理は、より詳しくは、例えば、図3に例示した処理により行われる。まず、制御装置6は、1つの光検出器33を使用して観察を行うとした場合に、その1つの光検出器33でどの程度の強度信号が得られるかを、考えられ得る全ての組み合わせでシミュレートする(ステップS21)。ここで、考えられ得る全ての組み合わせとは、使用する1つの光検出器33と、レーザ光の発振波長と、試料Aから使用する1つの光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31と、使用する1つの光検出器33が検出する波長を選択する波長選択機構32が選択する波長との組み合わせである。但し、このときの波長選択機構32が選択する波長は、観察対象とする蛍光色素に予め対応付けられている波長範囲(観察する蛍光色素の波長域)とされる。
ステップS21のシミュレートは、メモリ6bに記憶された第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて行うことができる。より詳しくは、各組み合わせで得られる強度信号は、観察対象とする蛍光色素の蛍光スペクトル(第3情報に含まれる)と、使用する1つの光検出器33の波長感度特性(第1情報に含まれる)と、試料Aから使用する1つの光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31のそれぞれのスペクトル(透過スペクトル又は反射スペクトル)(第2情報に含まれる)の、波長毎の積の総和により求めることができる。また、これに、レーザ光の発振波長での、観察対象とする蛍光色素の励起効率をさらに乗算したものを、得られる強度信号としてもよい。
なお、ステップS21のシミュレートの際に、観察対象とする蛍光色素の励起効率が一定レベル以下となるレーザ光の発振波長を使用する組み合わせや、レーザ光の発振波長を反射することができない励起ダイクロイックミラー19を使用する組み合わせなど、蛍光観察できないことが初めから分かっている組み合わせについては、シミュレートの対象から除外してもよい。これにより、ステップS21のシミュレートに係る処理時間をより短縮することができる。
ステップS21のシミュレートが終了すると、制御装置6は、そのシミュレート結果から、得られる強度信号が最大となる組み合わせと、そのときの強度信号を取得する(ステップS22)。なお、シミュレート結果において、得られる強度信号が最大となる組み合わせが複数ある場合は、その何れかの組み合わせを取得すればよい。
次に、制御装置6は、波長感度特性が異なる複数(本例では2つ)の光検出器33を使用して観察を行うとした場合に、その各光検出器33で検出される蛍光の強度信号を合算することでどの程度の強度信号が得られるかを、考えられ得る全ての組み合わせでシミュレートする(ステップS23)。ここで、考えられ得る全ての組み合わせとは、使用する2つの光検出器33と、レーザ光の発振波長と、試料Aから使用する2つの光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31と、使用する2つの光検出器33の各々が検出する波長を選択する波長選択機構32が選択する波長との組み合わせである。
但し、このときの各波長選択機構32が選択する波長は、観察対象とする蛍光色素に予め対応付けられている波長範囲を、使用する2つの光検出器33間を分光する測光ダイクロイックミラー31のスペクトルにおける透過率(又は反射率)が50%になる波長で切り分けた波長範囲とされる。例えば、観察対象とする蛍光色素に予め対応付けられている波長範囲が500~600nmであって、使用する2つの光検出器33間を分光する測光ダイクロイックミラー31が530nm以下の波長の光を反射し(反射率80%以上)、550nm以上の波長の光を透過し(透過率80%以上)、スペクトルにおける透過率(又は反射率)が50%になる波長が540nmである場合、その測光ダイクロイックミラー31の反射側の波長選択機構32が選択する波長は500~540nmとされ、透過側の波長選択機構32が選択する波長は540~600nmとされる。
このように、各波長選択機構32が選択する波長は重複させないが、測光ダイクロイックミラー31のスペクトルにおける透過率(又は反射率)の立ち上がり区間(又は立ち下がり区間)の波長域分だけ、選択する波長を重複させるようにしてもよい。例えば、上述の例において、その立ち上がり区間の波長域が530~550mである場合、反射側の波長選択機構32が選択する波長を500~550nmとし、透過側の波長選択機構32が選択する波長を530~600nmとしてもよい。これにより、その立ち上がり区間(又は立ち下がり区間)の波長域の蛍光も2つの光検出器33で漏れなく検出することができる。
ステップS23のシミュレートは、ステップS21と同様に、メモリ6bに記憶された第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて行うことができる。より詳しくは、各組み合わせで得られる強度信号は、観察対象とする蛍光色素の蛍光スペクトル(第3情報に含まれる)と、使用する2つの光検出器33のうちの一方の波長感度特性(第1情報に含まれる)と、試料Aからその一方の光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31のそれぞれのスペクトル(透過スペクトル又は反射スペクトル)(第2情報に含まれる)の、波長毎の積の総和を求めると共に、観察対象とする蛍光色素の蛍光スペクトル(第3情報に含まれる)と、使用する2つの光検出器33のうちの他方の波長感度特性(第1情報に含まれる)と、試料Aからその他方の光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31のそれぞれのスペクトル(透過スペクトル又は反射スペクトル)(第2情報に含まれる)の、波長毎の積の総和を求め、それぞれの総和を合算することにより求めることができる。また、それぞれの総和に、レーザ光の発振波長における、観察対象とする蛍光色素の励起効率をさらに乗算してから合算したものを、得られる強度信号としてもよい。
なお、ステップS23のシミュレートの際も、ステップS21と同様に、観察対象とする蛍光色素の励起効率が一定レベル以下となるレーザ光の発振波長を使用する組み合わせや、レーザ光の発振波長を反射することができない励起ダイクロイックミラー19を使用する組み合わせなど、蛍光観察できないことが初めから分かっている組み合わせについては、シミュレートの対象から除外してもよい。これにより、ステップS23のシミュレートに係る処理時間もより短縮することができる。
ステップS23のシミュレートが終了すると、制御装置6は、そのシミュレート結果から、得られる強度信号が最大となる組み合わせと、そのときの強度信号を取得する(ステップS24)。なお、そのシミュレート結果において、得られる強度信号が最大となる組み合わせが複数ある場合は、その何れかの組み合わせを取得すればよい。
次に、制御装置6は、ステップS22で取得した組み合わせ(使用する光検出器33を1つとする組み合わせ)での強度信号と、ステップS24で取得した組み合わせ(使用する光検出器33を2つとする組み合わせ)での強度信号とを比較し、ステップS22で取得した組み合わせでの強度信号に対する、ステップS24で取得した組み合わせでの強度信号の比率が、所定比率(例えば110%)以上であるか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25の判定結果がYESの場合、制御装置6は、ステップS24で取得した組み合わせを観察に最適な観察条件として選択する(ステップS26)。一方、ステップS25の判定結果がNOの場合、制御装置6は、ステップS22で取得した組み合わせを観察に最適な観察条件として選択する(ステップS27)。
なお、ステップS25~S27の判定及び選択において、単純に比較して強度信号が高い方の組み合わせを選択するとしていないのは、使用する光検出器33を複数とする場合は、使用する光検出器を1つとする場合よりも使用する光検出器が増えるため、その分、ノイズ成分も合算されることが想定されるからである。
このようにして観察対象とする蛍光色素の観察に最適な観察条件を導出すると(図2のステップS20が終了すると)、制御装置6は、その観察条件に従って、使用する1つ又は複数の光検出器33を設定すると共に、レーザ光源11と、励起ターレット22と、測光ターレット34と、波長選択機構32とを制御して、レーザ光源11が出射するレーザ光の発振波長と、試料Aから使用する1つ又は複数の光検出器33に至る光路に挿入する励起ダイクロイックミラー19及び測光ダイクロイックミラー31と、使用する1つ又は複数の光検出器が検出する波長を選択する波長選択機構32が選択する波長とを設定する(ステップS30)。これにより、観察対象とする蛍光色素の観察に最適な観察条件が設定される。
そして、設定された観察条件の下で観察対象とする蛍光色素の観察を行う場合は、次のようにして行われる。使用する光検出器33として1つの光検出器33が設定(選択)されている場合は、スキャナ17が、レーザ光源11から出射したレーザ光で試料Aを走査し、1つの光検出器33が、試料Aからの蛍光を検出する。そして、1つの光検出器33で検出された蛍光の強度信号と、スキャナ17による走査位置とが、制御装置6に出力される。制御装置6は、1つの光検出器33で検出された蛍光の強度信号をAD変換し、そのAD変換後の強度信号と、対応する走査位置とに基づいて画像を構築(生成)する。そして、構築した画像を、表示装置8に表示したり、メモリ6bに記憶したりする。
一方、使用する光検出器33として複数の光検出器33が設定(選択)されている場合は、スキャナ17が、レーザ光源11から出射したレーザ光で試料Aを走査し、複数の光検出器33が、試料Aからの蛍光を検出する。そして、複数の光検出器33の各々で検出された蛍光の強度信号と、スキャナ17による走査位置とが、制御装置6に出力される。制御装置6は、複数の光検出器33の各々で検出された蛍光の強度信号をAD変換した後に合算し、その合算後の強度信号と、対応する走査位置とに基づいて画像を構築する。そして、構築した画像を、表示装置5に表示したり、メモリ6bに記憶したりする。
なお、上述のAD変換は、強度信号が制御装置6に入力される前に行われてもよい。この場合、AD変換は、各光検出器33内に設けたAD変換回路で行われてもよいし、各光検出器33と制御装置6との間に接続されたAD変換回路により行われるようにしてもよい。また、上述のAD変換及び合算は、順序が逆でもよい。すなわち、強度信号を合算してからAD変換をするようにしてもよい。この場合、信号の合算は、AD変換回路より光検出器側に設けた合算回路で行うことになる。
以上に説明した蛍光顕微鏡装置100によれば、観察する蛍光色素の波長域全域に亘って波長感度が最も高い光検出器33を備えていなくても、その波長域全域に亘って高感度の光検出が可能になる。例えば、観察する蛍光色素の波長域が500~600nmであるときに、500~545nmの波長域は光検出器33A(又は33B)の方が光検出器33C(又は33D)よりも感度が高く、545~600nmの波長域は光検出器33c(又は33D)の方が光検出器33A(又は33B)よりも感度が高い、といった場合において、従来では、何れか一方の光検出器33(例えば、感度が高い波長域がより広い光検出器33C(又は33D))を使用して光検出が行われるために、観察する波長域全域に亘って高感度の光検出を行うことができなかった。これに対し、本実施形態では、500~545nmの波長域は光検出器33A(又は33B)を使用し、545~600nmの波長域は光検出器33c(又は33D)を使用して光検出を行い、各々の光検出器33で得られた強度信号を合算するようにしたことで、観察する波長域全域に亘って高感度の光検出を行うことができる。
なお、上述の図2に例示した処理において、ステップS10の観察対象とする蛍光色素の入力は、例えば、制御装置6が表示装置5に表示した蛍光色素入力画面から行われるようにしてもよい。図4は、蛍光色素入力画面を例示する図である。
蛍光色素入力画面は、図4に例示したように、ユーザが観察対象として選択可能な蛍光色素のリストが表示されるリスト表示欄201と、観察対象とする蛍光色素が表示される観察対象表示欄202と、「Add」ボタン203等を有する。
蛍光色素入力画面では、ユーザが入力装置4を用いて、リスト表示欄201に表示されている所望の蛍光色素をダブルクリックするか、又は、選択して「Add」ボタン203を押下することで、所望の蛍光色素を観察対象表示欄202に追加(観察対象として入力)することができる。
このように、蛍光色素入力画面から観察対象とする蛍光色素の入力が行われる場合は、観察対象表示欄202に蛍光色素が追加されると、観察対象表示欄202に表示されている蛍光色素を観察対象とする蛍光色素として上述のステップS20の処理(最適な観察条件の導出)が行われる。但し、観察対象表示欄202に蛍光色素が追加された結果、観察対象表示欄202に表示されている蛍光色素が複数になった場合は、その蛍光色素それぞれについて、上述のステップS20の処理が行われる。この場合は、その複数の蛍光色素の同時観察を想定して、各蛍光色素に最適な観察条件の導出が行われてもよい。そして、観察対象表示欄202には、観察対象とする蛍光色素毎に、チャンネルと、ステップS20の処理で得られた観察に使用する1つ又は複数の光検出器33の機器IDとが追加表示される。図4の例示では、蛍光色素「DAPI」について、チャンネル「CH1」と機器ID「SD1」とが追加表示され、蛍光色素「Alexa Fluor 488」について、チャンネル「CH2」と機器ID「SD2,HSD3」とが追加表示されている。
その後、ユーザが入力装置4を用いて、蛍光色素入力画面の「OK」ボタン204を押下すると、上述のステップS30の処理(最適な観察条件の設定)が行われる。但し、観察対象表示欄202に表示されている蛍光色素が複数である場合は、例えば、その複数の蛍光色素の同時観察を想定して導出された、各蛍光色素に最適な観察条件が設定されてもよい。
また、蛍光色素入力画面の「OK」ボタン204が押下されると、さらに、制御装置6が表示装置5に設定入力画面を表示するようにしてもよい。設定入力画面は、観察対象の観察に使用する光検出器33等に関する設定の入力を可能にする入力画面であり、各チャンネルの明るさ調整画面でもある。図5は、設定入力画面を例示する図である。
設定入力画面には、図5に例示したように、各チャンネルの観察対象とする蛍光色素と、使用する1つ又は複数の光検出器33の機器IDとが表示される。図5の例示では、チャンネル「CH1」についての蛍光色素「DAPI」と機器ID「SD1」とが表示され、チャンネル「CH2」についての蛍光色素「Alexa Fluor 488」と機器ID「SD2,HSD3」とが表示されている。
設定入力画面では、ユーザが各チャンネルの蛍光色素を観察する波長範囲を設定(変更)することができる。この設定は、設定入力欄301から入力装置4を用いて、数値の直接入力等により、行うことができる。例えば、チャンネル「CH2」の蛍光色素「Alexa Fluor 488」を観察する波長範囲として設定されている500~600nmを、510~600nmに変更することができる。但し、このときに、機器ID「SD2」の光検出器33(例えば33B)が検出する波長範囲が500~540nmとされ、機器ID「HSD3」の光検出器33(例えば33C)が検出する波長範囲が540~600nmとされていた場合は、機器ID「SD2」の光検出器33が検出する波長範囲が510~540nmに変更され、機器ID「HSD3」の光検出器33が検出する波長範囲はそのままとされる。あるいは、観察する波長範囲が540~600nmに変更された場合は、機器ID「SD2」の光検出器33は使用されず、機器ID「HDS3」の光検出器33だけが使用されるようになる。
また、設定入力画面では、ユーザが各チャンネルの、観察に使用するレーザ光の発振波長及び光量と、光検出器33であるPMTのHV(High Voltage)、強度信号のゲイン(Gain)、及び強度信号のオフセット(Offset)とを設定(変更)することができる。この設定は、設定入力欄302から入力装置4を用いて、スライドバー(例えば302a)の移動、左右ボタン(例えば302b)の押下、又は数値の直接入力等により、行うことができる。
設定入力欄302での光検出器33に関する設定では、図5に例示したチャンネル「CH2」のように、使用する光検出器33が複数であっても、1つの光検出器33に関する設定として行われる。すなわち、疑似的な1つの光検出器33に関する設定として行われる。そして、その疑似的な1つの光検出器33に関する設定が行われると、その設定が、使用する複数の光検出器33の各々に対して同じように設定される。従って、使用する光検出器33が複数である場合に、ユーザは個別に光検出器33に関する設定を行う必要が無い。
また、設定入力画面には、観察する蛍光色素の蛍光スペクトル、使用するレーザ光の発振波長(スペクトル)、蛍光色素を観察する波長範囲も表示される。これらは、表示欄303に表示される。
なお、使用する光検出器33が複数である場合に、それぞれの光検出器33で感度に差がある場合がある。このような場合は、それぞれの光検出器33で感度が一致するように、使用する複数の光検出器33の内の1つ以上の光検出器33の感度を補正するようにしてもよい。
例えば、使用する複数の光検出器33に関する設定を同じにしても、それぞれの光検出器33で、入射フォトン1つ当たりの出力強度信号に差がある場合は、入射フォトン1つ当たりの出力強度信号が一致するように、使用する複数の光検出器33の内の1つ以上の光検出器33の感度(HVやゲイン)を補正するようにしてもよい。
この場合は、例えば、各光検出器33についての入射フォトン1つ当たりの出力強度信号(又は入射フォトン数と出力強度信号の比率でもよい)に関する第4情報をメモリ6bに予め記憶しておき、使用する複数の光検出器33の各々についての入射フォトン1つ当たりの出力強度信号が一致するように、第4情報に基づいて、使用する複数の光検出器33の内の1つ以上の光検出器33の感度(HVやゲイン)を補正するようにしてもよい。あるいは、第4情報に基づいて、上述の合算前に強度信号を補正するようにしてもよい。例えば、使用する光検出器33が光検出器33Aと光検出器33Cであるときに、入射フォトン1つ当たりの出力強度信号が光検出器33Aよりも光検出器33Cの方が2倍大きい場合は、合算前の光検出器Aの出力強度信号を2倍にするか、合算前の光検出器33Cの出力強度信号を2分の1にすればよい。
また、例えば、フォトンが入射していないときの光検出器33ひとつ当たりが出力する強度信号に関する第5情報をメモリ6bに予め記憶しておき、使用する光検出器33が複数(N個)であって、そのN個の光検出器33の各々で検出された蛍光の強度信号を合算した結果に基づいて画像構築を行う場合に、そのN個の光検出器33の各々で検出された蛍光の強度信号を合算してから、第5情報に基づいて、フォトンが入射していないときの光検出器33ひとつ当たりが出力する強度信号をN-1倍した信号を差し引いて画像構築を行うようにしてもよい。これにより、合算によって強度信号のオフセットのレベルが上がってしまうこと防止することができる。
また、上述の図2に例示したステップS10では、ユーザが観察対象とする蛍光色素を入力する代わりに、観察対象とする波長範囲を入力するようにしてもよい。この場合、制御装置6は、観察対象とする波長範囲の入力を可能にする入力画面を表示装置5に表示し、その入力画面から、観察対象とする波長範囲の入力が行われるようにしてもよい。この場合は、ステップS20において、観察対象とする蛍光色素の蛍光スペクトルの代わりに、観察対象とする波長範囲の全域で強度が最大(100%)となるスペクトルが用いられる。また、その入力画面を、観察対象とする蛍光色素の入力を可能にする入力欄と、観察対象とする波長範囲の入力を可能にする入力欄とを有する入力画面として、いずれの入力にも対応できるようにしてもよい。
なお、蛍光顕微鏡装置100において、波長感度特性が異なる複数の光検出器33の具体例としては、例えば、短波長側に高い感度を有し、光電面にGaAsP(ガリウム砒素リン)を使用したPMT(Photomultiplier-Tube)と、長波長側に高い感度を有し、光電面にGaAs(ガリウム砒素)を使用したPMTとの組合せでもよい。また、例えば、波長感度特性が異なる複数のSiPM(Silicon Photomultiplier)であってもよい。波長感度特性が異なる複数のSiPMでは、波長感度特性が異なっても各SiPMの出力強度信号に定量性がある(入射フォトン数と出力強度信号の比率を一定にできる)ことから、各SiPMでの出力強度信号を合算しても定量性が失われないという点でより効果的である。
また、蛍光顕微鏡装置100において、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Aが固定された測光ターレット34A、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Bが固定された測光ターレット34B、スペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Cが固定された測光ターレット34C、及びスペクトルが異なる複数の測光ダイクロイックミラー31Dが固定された測光ターレット34Dの各々の代わりに、グラデーションダイクロイックミラーを備えるようにしてもよい。グラデーションダイクロイックミラーは、蛍光が入射する入射面に沿う方向に移動可能に設けられ、入射面における蛍光の入射位置を変えることにより、分解する波長域を無制限に変更することができるようになっている。この場合は、例えば、各測光ターレット34で使用される測光ダイクロイックミラー31の組み合わせの代わりに、各グラデーションダイクロイックミラーで使用される蛍光の入射位置の組み合わせが用いられてもよい。
また、蛍光顕微鏡装置100は、1つ以上の検出ユニットを第2検出ユニット3に隣接するように増設して、波長感度特性が異なる3つ以上の光検出器を備えるようにしてもよい。この場合、増設される検出ユニットは、第1検出ユニット2(又は第2検出ユニット3)と同様の構成を有するが、増設される検出ユニットが備える2つの光検出器の波長感度特性は、他の検出ユニットが備える2つの光検出器の波長感度特性と異なるものとされる。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
1 スキャンユニット
2 第1検出ユニット
3 第2検出ユニット
4 入力装置
5 表示装置
6 制御装置
6a プロセッサ
6b メモリ
11 レーザ光源
12 照明光学系
13 光ファイバ
14 コリメートレンズ
15 対物レンズ
16 結像レンズ
17 スキャナ
18 瞳投影レンズ
19 励起ダイクロイックミラー
20 共焦点レンズ
21 共焦点ピンホール
22 励起ターレット
31A、31B、31C、31D 測光ダイクロイックミラー
32A、32B、32C、32D 波長選択機構
33A、33B、33C、33D 光検出器
34A、34B、34C、34D 測光ターレット
35A、35B、35C、35D 回折格子
36A、36B、36C、36D 搖動ミラー
37A、37B、37C、37D 結像レンズ
38A、38B、38C、38D スリット
39A、39B、39C、39D 固定部材
40A、40B、40C、40D 可動部材
100 蛍光顕微鏡装置
201 リスト表示欄
202 観察対象表示欄
203、204 ボタン
301、302 設定入力欄
303 表示欄

Claims (12)

  1. 波長感度特性が異なる複数の光検出器と、
    前記複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、
    観察対象とする蛍光色素又は波長範囲を入力する入力装置と、
    前記複数の光検出器の各々の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリと、
    前記入力装置により入力された前記観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行う観察条件最適化部と、
    を備え、
    前記観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算する、
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡装置。
  2. 前記メモリは、前記検出波長変更部に含まれる分光光学素子のスペクトルに関する第2情報を更に記憶し、
    前記観察条件最適化部は、前記入力装置により入力された前記観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報及び前記第2情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光顕微鏡装置。
  3. 前記メモリは、観察対象とされ得る蛍光色素のスペクトルに関する第3情報を更に記憶し、
    前記観察条件最適化部は、前記入力装置により入力された前記観察対象とする蛍光色素と、前記メモリに記憶された前記第1情報及び前記第3情報とに基づいて、又は、前記入力装置により入力された前記観察対象とする蛍光色素と、前記メモリに記憶された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光顕微鏡装置。
  4. 前記観察条件最適化部により選択された1つ又は複数の光検出器で検出された蛍光の強度信号に基づいて画像構築を行う画像構築部を更に備え、
    前記画像構築部は、前記観察条件最適化部により複数の光検出器が選択された場合は、当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算した結果に基づいて画像構築を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  5. 前記観察条件最適化部により選択された1つ又は複数の光検出器に関する設定を前記入力装置により入力可能にする設定入力画面を表示する表示装置を更に備え、
    前記観察条件最適化部により複数の光検出器が選択された場合において、前記表示装置により表示される前記設定入力画面には、前記観察条件最適化部により選択された複数の光検出器に関する設定を入力可能にする入力欄として、疑似的な1つの光検出器に関する設定を入力可能にする入力欄が表示され、当該入力欄に入力された前記疑似的な1つの光検出器に関する設定に基づいて、前記観察条件最適化部により選択された複数の光検出器に関する設定が行われる、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  6. 前記波長感度特性が異なる複数の光検出器の各々は、SiPM(Silicon Photomultiplier)である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  7. 前記観察条件最適化部は、前記観察対象の観察に使用する光検出器を複数とする場合に、前記検出波長変更部の最適化において、使用する光検出器間を分光する分光光学素子のスペクトルの立上がり部分又は立下り部分の波長域を、検出波長の一部として前記光検出器間で重複させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  8. 前記観察条件最適化部は、前記観察対象の観察に使用する光検出器を1つとする場合に得られる最大の強度信号に対する、前記観察対象の観察に使用する光検出器を複数とする場合に合算により得られる最大の強度信号の比率が、所定比率以上である場合に、合算により最大の強度信号が得られるときの複数の光検出器を、前記観察対象の観察に使用する最適な光検出器として判定して選択する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  9. 前記メモリは、前記波長感度特性が異なる複数の光検出器の各々についての入射フォトン1つ当たりの出力強度信号に関する第4情報を更に記憶し、
    前記観察条件最適化部により複数の光検出器が選択された場合は、当該複数の光検出器の各々についての入射フォトン1つ当たりの出力強度信号が一致するように、前記メモリに記憶された前記第4情報に基づいて、当該複数の光検出器の1つ以上の感度を補正する、
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  10. 前記メモリは、フォトンが入射していないときの光検出器1つ当たりが出力する強度信号に関する第5情報を更に記憶し、
    前記観察条件最適化部により複数の光検出器であるN個の光検出器が選択された場合に、前記画像構築部は、前記N個の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算してから、前記メモリに記憶された前記第5情報に基づいて、前記フォトンが入射していないときの光検出器1つ当たりが出力する強度信号をN-1倍した信号を差し引いて画像構築を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の蛍光顕微鏡装置。
  11. 波長感度特性が異なる複数の光検出器と、前記複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、前記複数の光検出器の各々の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリとを備えた蛍光顕微鏡装置の観察条件最適化方法であって、
    入力された観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行い、
    前記観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算する、
    ことを特徴とする観察条件最適化方法。
  12. 波長感度特性が異なる複数の光検出器と、前記複数の光検出器の各々の検出波長を変更可能な検出波長変更部と、前記複数の光検出器の各々の波長感度特性に関する第1情報を記憶するメモリとを備えた蛍光顕微鏡装置のコンピュータに、
    入力された観察対象とする蛍光色素又は波長範囲と、前記メモリに記憶された前記第1情報とに基づいて、前記複数の光検出器の中から前記観察対象の観察に使用する最適な1つ又は複数の光検出器を判定して選択すること及び前記検出波長変更部を前記観察対象の観察に最適化することを行い、
    前記観察対象の観察に複数の光検出器を使用する場合に当該複数の光検出器の各々で検出された蛍光の強度信号を合算する、
    という処理を実行させることを特徴とするプログラム。
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