JP2022030995A - 白色干渉顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーカスを合わせる際のユーザビリティを向上させる。【解決手段】白色干渉顕微鏡1は、白色光源51と、干渉画像を撮像する撮像部58と、レーザ光源61と、サンプルSPからのレーザ光の反射光を、共焦点光学系を介して受光するとともに、該反射光の受光強度に応じた受光信号を生成する受光部66と、ステージ23または対物レンズ54の各高さ位置で受光部66によって生成された受光信号に基づいて、対物レンズ54の焦点がサンプルSPの表面に一致する合焦位置Zpを算出する合焦演算部8eと、合焦位置Zpに一致させるようにステージ23または対物レンズ54の高さ位置を調整する焦点調整部8fと、合焦位置Zpを含んだ高さ範囲内に定められる複数の高さ位置において撮像部58により撮像された複数の干渉画像に基づいて、サンプルSPの表面形状を測定する第1測定部8kと、を備える。【選択図】図7A

Description

ここに開示する技術は、白色干渉顕微鏡に関する。
例えば特許文献1には、白色干渉の原理を用いた形状測定装置が開示されている。具体的に、この特許文献1に開示されている形状測定装置は、白色光を測定光と参照光とに分岐させた上で、分岐させた各々が重なり合った干渉光を生成する干渉部と、その干渉光に起因する干渉縞に基づいて、測定対象物の表面形状データを取得する表面形状取得部と、を備える。
前記特許文献1に係る形状測定装置はまた、表面形状の測定を行う前に前記干渉部をZ方向に移動させることで、予め、干渉縞の輝度を示す曲線が最大値を示すときのz座標値を検出するように構成されている。この構成によれば、干渉縞の輝度が最大となるz座標値を予め探索しておくことで、測定対象物の表面に対し、干渉部を適切にフォーカスすることが可能になる。
特開2018-146496号公報
ところで、白色干渉の原理を用いる場合、参照光がフレア成分(図6Aのバックグラウンド成分Ibを参照)となるため、干渉光の受光量、ひいては干渉縞の輝度は、合焦位置から外れた状態にあってもなお、比較的大きな値となる。
一方、測定対象物の反射率が低い場合、測定対象物からの反射光の受光強度が小さくなるため、干渉縞の明暗に対応する受光量の変動量(図6AのIpとIbとの差分|Ip-Ib|を参照)は、前記フレア成分の受光量と比較して相対的に小さくなる。この場合、前記特許文献1に記載されているような構成を用いたときに、精度よくオートフォーカスを行うためには、例えば、受光素子のゲインを上げて信号強度を高めることが求められる。
しかしながら、白色干渉の原理を用いる場合、前述したようにフレア成分の受光量が比較的大きいため、ゲインの増加に伴って信号強度が飽和してしまい、干渉縞の明暗に対応する信号(前述の|Ip-Ib|を参照)を精度よく検知することができない可能性があることに、本願発明者らは気づいた。
このような問題に対応するには、予め、ある程度フォーカスを合わせた上で、受光素子のゲインを調整しながらオートフォーカスを行う方法が考えられるものの、手間および時間がかかる上に容易ではなく、ユーザビリティに改善の余地があった。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、白色干渉顕微鏡において、フォーカスを合わせる際のユーザビリティを向上させることにある。
本開示の第1の態様は、測定対象物を載置するためのステージと、前記ステージ上に載置された前記測定対象物に、対物レンズを介して白色光を照射する白色光源と、前記白色光源から照射された白色光を、所定の参照面に向かう参照光と、前記測定対象物に向かう測定光と、に分岐させる分岐光学系と、前記参照面によって反射された参照光と、前記測定対象物によって反射された測定光と、を受光して干渉画像を撮像する撮像部と、前記干渉画像に基づいて、前記測定対象物の表面形状を測定する測定部と、を備える白色干渉顕微鏡に係る。
そして、本開示の第1の態様によれば、前記白色干渉顕微鏡は、前記対物レンズと同一のまたは異なる対物レンズを介して前記測定対象物に向けてレーザ光を照射するレーザ光源と、前記測定対象物からのレーザ光の反射光を、前記対物レンズを有する共焦点光学系を介して受光するとともに、該反射光の受光強度に応じた受光信号を生成する受光部と、前記対物レンズに対する前記ステージの相対的な高さ位置を変化させる駆動部と、前記ステージまたは前記対物レンズの各高さ位置で前記受光部によって生成された受光信号に基づいて、前記対物レンズの焦点が前記測定対象物の表面に一致する合焦位置を算出する演算部と、前記駆動部を作動させることで前記ステージまたは前記対物レンズの高さ位置を調整することによって、該高さ位置を前記演算部によって算出された前記合焦位置に一致させる焦点調整部と、を備え、前記測定部は、前記合焦位置を含んだ高さ範囲内に定められる複数の高さ位置において前記撮像部により撮像された複数の干渉画像に基づいて、前記測定対象物の表面形状を測定する。
前記第1の態様によると、前記白色干渉顕微鏡は、測定光と参照光との干渉を反映した干渉画像を撮像することで、白色干渉の原理(白色干渉法)に基づいて表面形状を測定することができる。
ここで、表面形状を精度よく測定するためには、干渉対物レンズ等のフォーカスが合った位置である合焦位置を予め探索しておくことが求められるものの、従来知られた手法にはユーザビリティに改善の余地が残る。
そこで、前記第1の態様に係る白色干渉顕微鏡は、合焦位置を探索する際に、白色干渉法ではなく、レーザ光による共焦点の原理(レーザ共焦点法)を利用する。
レーザ光共焦点法を利用した場合、合焦位置においては比較的高い受光強度が実現される一方、非合焦位置においては、受光強度が著しく減少することになる。これにより、ある程度フォーカスさせた状態から探索を開始せずとも、受光素子のゲインを十分に高めておくことができるようになる。その結果、手間および時間等の観点で有利になり、ひいては、フォーカスを合わせる際のユーザビリティを向上させることが可能となる。
なお、「前記対物レンズと同一のまたは異なる対物レンズを介して前記測定対象物に向けてレーザ光を照射する」なる記載は、レーザ共焦点法を用いて合焦位置を探索する際に、対物レンズとして、白色干渉法用の干渉対物レンズを流用してレーザ光を照射してもよいし、その干渉対物レンズとは異なる対物レンズに変更した上でレーザ光を照射してもよい、との旨を意味する。また、対物レンズと分岐光学系とを一体的に構成してもよいし、必要に応じて分岐光学系を移動させるべく、対物レンズと分岐光学系とを別体に構成してもよい。
すなわち、本開示は、レーザ共焦点法を用いて合焦位置を探索するときと、白色光を用いて干渉画像を撮像するときと、で測定対象物に対峙する対物レンズを一時的に切り替えるような構成を排除しない。
また、本開示の第2の態様によれば、前記白色干渉顕微鏡は、前記レーザ光源から照射されるレーザ光を、前記測定対象物の表面上で走査するレーザ光走査部と、前記レーザ光走査部を作動させる走査制御部と、前記走査制御部が前記レーザ光走査部を制御することによって走査されたレーザ光の反射光の受光強度に基づいて、前記測定対象物の表面形状を測定する第2の測定部と、を備え、前記走査制御部は、前記ステージの各高さ位置において前記レーザ光走査部を作動させることで、前記演算部による前記合焦位置の算出に際して前記レーザ光を走査し、前記レーザ光走査部によるレーザ光の走査範囲は、前記演算部が前記合焦位置を算出する場合には、前記第2の測定部が前記表面形状を測定する場合に比して狭く設定される。
前記第2の態様によると、前記白色干渉顕微鏡は、レーザ共焦点法を用いて合焦位置を探索する場合には、レーザ共焦点法を用いて表面形状を測定する場合に比して、より狭い範囲をレーザ光で走査する。走査範囲を狭くした分だけ、合焦位置をより速やかに探索することができるようになる。
また、本開示の第3の態様によれば、前記レーザ光走査部は、所定の第1方向と、該第1方向に直交する第2方向と、の少なくとも一方に沿ってレーザ光を走査し、前記レーザ光走査部によるレーザ光の走査範囲は、前記演算部が前記合焦位置を算出する場合には、前記第2の測定部が表面形状を測定する場合に比して、前記第1および第2方向のうちの一方における寸法が短く設定される、としてもよい。
前記第3の態様によると、レーザ共焦点法を用いて合焦位置を探索する場合に、レーザ光が、例えば、一次元的なライン状に走査される。これにより、合焦位置をより速やかに探索することができるようになる。
また、本開示の第4の態様によれば前記ステージの相対的な高さ位置を変化させるときの各高さ位置同士の間隔は、前記演算部が前記合焦位置を算出する場合には、前記測定部が前記測定対象物の表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定される、としてもよい。
一般に、レーザ共焦点法を通じて得られる受光強度は、ステージの相対的な高さ位置を変化させたときに、白色干渉法を通じて得られる受光強度(特に、フレア成分に起因した受光強度に対する、干渉縞に起因した受光強度の相対的な大きさ)の変化に比して、より緩やかに変化する。換言すれば、レーザ共焦点法を通じて得られる受光強度のピーク幅は、白色干渉法に係るピーク幅に比して、相対的に幅広となる。また、レーザ共焦点法を通じて得られる受光強度のピーク数は通常1つであり、白色干渉法に係るピーク数に比して少ない。
そのため、レーザ共焦点法を用いて合焦位置を探索する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合に比して、探索、測定等に用いる高さ位置同士の間隔(高さ方向のピッチ)をより広くすることが許容される。
前記第4の態様によると、レーザ共焦点法を用いて合焦位置を探索する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合に比して、高さ方向のピッチを相対的に粗く(広く)設定する。このように設定することで、合焦位置をより高速で探索することができるようになる。
また、本開示の第5の態様によれば、前記白色干渉顕微鏡は、前記演算部によって前記合焦位置が演算された後に、前記撮像部により撮像された前記干渉画像に基づいて前記高さ範囲を設定する測定範囲設定部を備え、前記測定範囲設定部は、前記合焦位置を基準として設定される開始位置から前記ステージの相対的な高さ位置を変化させた状態で前記撮像部を介して干渉画像を生成するとともに各高さ位置で生成された干渉画像から干渉縞のピーク位置を算出し、該ピーク位置の算出に成功した画素数が所定の第1閾値を上回る範囲として、前記高さ範囲を設定する、としてもよい。
前記第5の態様によると、測定範囲設定部は、白色干渉法を用いることで、表面形状の測定に用いる高さ範囲を設定する。干渉画像から干渉縞が見出される場合にあっても、その干渉縞のピーク位置が画面内の極一部を占める場合には、白色干渉法による測定を行うには不都合であると考えられる。そこで、前記第5の態様のように、干渉縞のピーク位置の算出に成功した画素数に基づいた設定を行うことで、より適切に高さ範囲を設定することができるようになる。
またそもそも、前記第5の態様のように、合焦位置を探索した後に高さ範囲を設定するように構成することで、その合焦位置を含んだ高さ範囲を、精度よくかつ高速に設定することが可能になる。このことは、高さ範囲等の各種設定をスムースに行う上で、極めて有用である。
さらに、前記第5の態様のように、合焦位置を基準とした開始位置から高さ範囲の設定を開始することで、ある程度フォーカスを合わせた状態から高さ範囲を設定することができるようになる。これにより、高さ範囲を高速で設定することができるようになる。
また、本開示の第6の態様によれば、前記白色干渉顕微鏡は、前記演算部によって前記合焦位置が演算された後に、前記受光部によって生成される受光信号に基づいて前記高さ範囲を設定する測定範囲設定部を備え、前記測定範囲設定部は、前記合焦位置を基準として設定される開始位置から前記ステージの相対的な高さ位置を変化させた状態で前記受光信号に基づいて画像を生成し、前記測定範囲設定部は、各高さ位置で生成される画像中の複数の画素について、前記受光部において生成される受光信号に対応した画素データを生成し、前記測定範囲設定部は、前記複数の画素データの全ての値が所定の第2閾値を下回る範囲として、前記高さ範囲を設定する、としてもよい。
ここで、「画素データ」の語は、前記受光部の出力信号(受光信号)をA/D変換することで得られるデジタル信号を意味する。この画素データは、各画素に対応するデジタル信号として出力することができる。
前記第6の態様によると、第2の測定範囲設定部は、レーザ共焦点法を用いることで、表面形状の測定に用いる高さ範囲を設定する。画素データの値(特にピーク値)が過度に大きい場合、画素データの飽和が懸念される。そこで、前記第6の態様のように画素データに基づいた設定を行うことで、より適切に高さ範囲を定めることができるようになる。
またそもそも、前記第6の態様のように、合焦位置を探索した後に高さ範囲を設定するように構成することで、その合焦位置を含んだ高さ範囲を、精度よくかつ高速に設定することが可能になる。このことは、高さ範囲等の各種設定をスムースに行う上で、極めて有用である。
さらに、前記第6の態様のように、合焦位置を基準とした開始位置から高さ範囲の設定を開始することで、ある程度フォーカスを合わせた状態から高さ範囲を設定することができるようになる。これにより、高さ範囲を高速で設定することができるようになる。
また、本開示の第7の態様によれば、前記ステージの相対的な高さ位置を変化させるときの各高さ位置同士の間隔は、前記測定範囲設定部が前記高さ範囲を設定する場合には、前記測定部が前記測定対象物の表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定される、としてもよい。
高さ範囲を設定する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合ほど、干渉画像の精密に解析する必要はない。そのため、探索、測定等に用いる高さ位置同士の間隔(高さ方向のピッチ)をより広くすることが許容される。
前記第7の態様によると、高さ範囲を設定する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合に比して、高さ方向のピッチを相対的に粗く(広く)設定する。このように設定することで、高さ範囲をより高速で設定することができるようになる。
また、本開示の第8の態様によれば、前記測定範囲設定部は、前記合焦位置を前記開始位置に設定する、としてもよい。
前記第8の態様は、高さ範囲を適切に設定する上で有効である。
また、本開示の第9の態様によれば、前記高さ範囲は、前記合焦位置以上となるように設定される上限位置と、前記合焦位置以下となるように設定される下限位置と、によって区画される範囲として設定され、前記測定範囲設定部は、前記下限位置を設定した後に、前記上限位置を設定する、としてもよい。
前記第9の態様は、高さ範囲を適切に設定する上で有効である。
また、本開示の第10の態様によれば、前記測定範囲設定部は、前記上限位置と前記下限位置とが設定された状態で、前記上限位置と前記下限位置との間隔を等間隔で分割することで、前記測定部が前記測定対象物の表面形状を測定する場合における前記ステージの各高さ位置を設定する、としてもよい。
前記第10の態様によると、表面形状の測定に用いるピッチ幅を高速で設定することが可能になる。このことは、各種設定をスムースに行う上で有効である。
また、本開示の第11の態様によれば、前記白色干渉顕微鏡は、前記演算部によって前記合焦位置が演算された後に、前記撮像部により撮像された前記干渉画像に基づいて前記白色光源の明るさを調整する明るさ調整部を備え、前記明るさ調整部は、前記合焦位置を基準として設定される開始位置から前記ステージの相対的な高さ位置を変化させた状態で前記撮像部を介して干渉画像を生成し、前記明るさ調整部は、前記撮像部によって各高さ位置で生成された干渉画像のうち、相対的に明るい画素を含んだ干渉画像を選択し、該干渉画像中の各画素の明るさが非飽和となる範囲内で、前記白色光源の明るさを調整する、としてもよい。
前記第11の態様によると、合焦位置を基準とした開始位置から明るさの調整を開始することで、ある程度フォーカスを合わせた状態から明るさを調整することができるようになる。これにより、フレア成分等に起因した飽和を招くことなく、明るさを適切に調整することができる。
さらに、前記第11の態様に係る構成は、レーザ共焦点法によるフォーカス合わせに係る処理と、白色干渉法による形状測定に係る処理と、をスムースに繋ぐことができるという点においても極めて有用である。
また、本開示の第12の態様によれば、前記明るさ調整部は、前記合焦位置を前記開始位置に設定する、としてもよい。
前記第12の態様は、白色光源の明るさを適切に設定する上で有効である。
以上説明したように、本開示によれば、白色干渉顕微鏡において、フォーカスを合わせる際のユーザビリティを向上させることができる。
図1は、白色干渉顕微鏡のシステム構成を例示する模式図である。 図2は、観察ユニットの斜視図である。 図3Aは、観察ユニットの白色光学系を例示する模式図である。 図3Bは、観察ユニットのレーザ光学系を例示する模式図である。 図4は、白色干渉顕微鏡の構成を例示するブロック図である。 図5は、ユニット制御系の構成を例示するブロック図である。 図6Aは、1つの画素において、サンプルのZ方向の相対位置と、白色光の干渉光に起因する受光強度と、の関係を例示する図である。 図6Bは、1つの画素において、サンプルのZ方向の相対位置と、レーザ光の反射光に起因する受光強度と、の関係を例示する図である。 図6Cは、第2ピッチの大きさを例示する図である。 図6Dは、第4ピッチおよび第1ピッチの大きさを比較する図である。 図6Eは、第3ピッチおよび第4ピッチの大きさを比較する図である。 図6Fは、第3ピッチおよび第4ピッチの大きさを比較する図である。 図7Aは、白色干渉顕微鏡が実行可能な工程と、その工程に用いられる使用原理と、を並べて例示した図である。 図7Bは、オートフォーカス時における走査範囲を例示する図である。 図7Cは、オートフォーカス時における走査範囲を例示する図である。 図7Dは、オートフォーカス時における走査範囲を例示する図である。 図7Eは、高さ範囲の設定手順について説明する図である。 図8は、白色干渉顕微鏡の基本的な使用手順を例示するフローチャートである。 図9は、白色干渉顕微鏡によるパラメータの設定手順を例示するフローチャートである。 図10は、白色干渉顕微鏡によるオートフォーカスの実行手順を例示するフローチャートである。 図11は、オートフォーカス後の明るさ調整の実行手順を例示するフローチャートである。 図12は、白色干渉法を用いた高さ範囲の設定手順を例示するフローチャートである。 図13は、レーザ共焦点法を用いた高さ範囲の設定手順を例示するフローチャートである。 図14は、白色干渉顕微鏡による表面形状の測定手順を例示するフローチャートである。 図15は、簡単設定時における表示画面を例示する図である。 図16は、白色干渉法による測定時の表示画面を例示する図である。 図17は、基本設定時における表示画面を例示する図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は例示である。
<白色干渉顕微鏡1>
図1は、本開示の実施形態に係る白色干渉顕微鏡1のシステム構成を例示する模式図である。図1に例示される白色干渉顕微鏡1は、観察対象物および測定対象物としてのサンプルSPを拡大して観察可能にするとともに、該サンプルSPの表面形状(三次元形状)を測定するための装置である。
白色干渉顕微鏡1は、白色光を用いた2光束干渉計として構成される。すなわち、この白色干渉顕微鏡1は、サンプルSPの表面形状を測定する際に、白色光の2光束干渉を利用した白色干渉法を実施することができる。特に、本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、白色光を同軸落射照明として用いることで、これをサンプルSPの観察にも利用することができる。
白色干渉顕微鏡1はまた、サンプルSPの測定に際し、レーザ光を利用したレーザ共焦点法も実施することができ、ユーザのニーズに応じて、白色干渉法による測定と、レーザ共焦点法による測定と、を使い分けることができる。
白色干渉顕微鏡1は、その観察機能に着目した場合、拡大観察装置と呼称したり、単に顕微鏡と呼称したり、デジタルマイクロスコープと呼称したりすることができる一方、その測定機能に着目した場合、三次元形状測定装置と呼称したり、表面形状測定装置と呼称したりすることもできる。白色干渉顕微鏡1はまた、その測定原理に着目した場合、白色干渉計と呼称したり、レーザ共焦点顕微鏡と呼称したりすることも可能である。
図1に示すように、本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、観察ユニット2と、外部ユニット3と、を備える。観察ユニット2は、白色干渉による観察および測定を実行するための光学部品をユニット化してなる。一方、外部ユニット3は、通信機能、電源機能等を実現するためのユニットである。なお、外部ユニット3を観察ユニット2に組み込んで一体化することもできる。図例のように、観察ユニット2と外部ユニット3とで白色干渉顕微鏡1を構成する場合は、外部ユニット3に、観察ユニット2に対して電力を供給する電力供給装置3aを設けることができる。観察ユニット2と外部ユニット3とは、配線2aによって接続されている。
また、白色干渉顕微鏡1には、操作用端末4を接続することができる。外部ユニット3に内蔵されている通信部3b(図4を参照)によって、操作用端末4の接続が可能になる。なお、操作用端末4と外部ユニット3とを接続する代わりに、または、操作用端末4と外部ユニット3との接続に加えて、操作用端末4と観察ユニット2とを接続することもできる。その場合、観察ユニット2には、通信部3bに相当する機器が内蔵されることになる。
図1に示すように、本実施形態に係る操作用端末4は、表示部41と、キーボード42と、マウス43と、記憶装置44と、を有する。操作用端末4は、観察ユニット2または外部ユニット3に組み込んで一体化することで、白色干渉顕微鏡1の構成部材とすることができる。この場合、操作用端末4は、「操作用端末」ではなく、コントロールユニット等と呼ぶことができるが、この実施形態では、観察ユニット2および外部ユニット3とは別体の場合を例示している。
また、表示部41、キーボード42、マウス43および記憶装置44のうちの1つ以上についても、観察ユニット2、外部ユニット3等に組み込んで一体化することで、白色干渉顕微鏡1の構成部材とすることができる。つまり、操作用端末4全体、または、操作用端末4の各構成要素を白色干渉顕微鏡1の一部とすることができる。例えば、表示部41付きの白色干渉顕微鏡1、キーボード42及びマウス43(操作部)付きの白色干渉顕微鏡1とすることもできる。
キーボード42およびマウス43は、周知のコンピュータ操作用の機器であり、操作用端末4を操作するための操作部をなす。これらがユーザによる操作入力を受け付けるとともに、その操作入力に対応した信号を操作用端末4に入力することで、この操作用端末4を介して白色干渉顕微鏡1を操作することができる。具体的に、キーボード42およびマウス43を操作することで、各種情報の入力、選択操作、画像の選択操作、領域指定、位置指定等を行うことができる。
なお、キーボード42およびマウス43は、操作部の一例に過ぎない。キーボード42およびマウス43の代わりに、または、キーボード42およびマウス43に加えて、例えば、各種ポインティングデバイス、音声入力機器、タッチパネル等の機器を利用することもできる。
表示部41は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELパネルによって構成される。この表示部41は、記憶装置44における記憶内容等、ユーザに対して情報を表示することができる。なお、表示部41に対し、操作部としてのタッチパネルを組み込んでもよい。
また、後述する各部材、手段、素子、ユニット等は、観察ユニット2、外部ユニット3および操作用端末4のいずれに設けてもよい。
白色干渉顕微鏡1には、前述した機器および装置以外にも、様々な操作および制御を行うための装置、プリンタ、その他の各種処理を行うためのコンピュータ、記憶装置、周辺機器等を有線または無線によって接続することもできる。
<観察ユニット2の全体構成>
図2は、観察ユニット2の斜視図である。観察ユニット2の外観形状は、図2に示すようになっている。この観察ユニット2は、作業台等に載置されるベース20と、ベース20の奥側部分から上側へ向かって延びる支持部21と、支持部21の上部に設けられたヘッド部22と、測定対象物としてのサンプルSPを載置するためのステージ23と、を備える。
なお、観察ユニット2の手前側とは、ユーザが観察ユニット2に対して通常の操作姿勢で向かい合ったときに、そのユーザに近接する一側を指す。一方、観察ユニット2の奥側とは、ユーザが観察ユニット2に対して通常の操作姿勢で向かい合ったときに、そのユーザから離間する他側を指す。これらは、説明の便宜を図るために定義するものに過ぎず、実際の使用状態を限定するものではない。
以下の記載では、観察ユニット2の手前側と奥側とを結んだ奥行き方向(ヘッド部22の長手方向)を「X方向」と呼称し、観察ユニット2の左右方向(ヘッド部22の短手方向)を「Y方向」と呼称する。そして、X方向とY方向の双方に沿った方向を「水平方向」と呼称し、その水平方向に沿った平面を「水平面」と呼称する。
さらに、観察ユニット2の高さ方向を「Z方向」と呼称する。このZ方向は、X方向とY方向の双方に直交することになる。以下の記載における「高さ位置」とは、Z方向に沿った座標軸(Z軸)で見たときの位置を指す。高さ位置は、「Z位置」と呼称される場合もある。
もちろん、本開示は、これらの定義に限られるものではなく、X方向、Y方向およびZ方向等の定義を任意に変更することができる。
観察ユニット2を構成する部材のうち、ステージ23は、電動式の載置台として構成される。ステージ23は、図1および図2等に示す昇降ダイヤル23aを回転操作することで、Z方向に移動させることができる。
観察ユニット2は、ベース20等、観察ユニット2の外観形状に係る部材に加え、白色光を用いた観察および測定等に関連した部品の集合である白色光学系5と、レーザ光を用いた測定等に関連した部品の集合であるレーザ光学系6と、ステージ23等を駆動させるユニット駆動系7と、白色光学系5、レーザ光学系6およびユニット駆動系7を介して各種処理を実行するユニット制御系8と、を備える。
白色光学系5は、白色光を観察用の照明または干渉光の生成源として用いる観察光学系(非共焦点観察光学系)であり、白色光によって照らされたサンプルSPを観察したり、サンプルSPの表面形状を特徴付ける干渉画像を生成したりするための光学系である。なお、ここでいう「光学系」の語は、広義で用いる。すなわち、白色光学系5は、レンズ等の光学部品に加え、光源、撮像素子等を包括したシステムとして定義される。レーザ光学系6についても同様である。
レーザ光学系6は、いわゆるレーザ共焦点法を用いる観察光学系(共焦点観察光学系)であり、レーザ光を2次元走査したり、フォーカスされた状態でレーザ光を照射することで、レーザ光の反射光に基づく画像(以下、「レーザ画像」という)を生成したりするためのシステムである。
ユニット駆動系7は、ステージ23を動作させるZ方向駆動部71、第1及びレーザ光学系5,6において対物レンズを切り替える電動レボルバ(電動の変倍機構)74等によって構成される。ユニット駆動系7は、ユニット制御系8から入力される電気信号に基づいて、白色干渉顕微鏡1を構成する各種部材を動作させるようになっている。
ユニット制御系8は、白色光学系5、レーザ光学系6およびユニット駆動系7と電気信号を送受可能に接続されており、干渉画像およびレーザ画像等を表示部41上に表示させたり、レーザ画像に基づいて白色干渉顕微鏡1のオートフォーカスを実行したり、干渉画像およびレーザ画像の少なくとも一方に基づいてサンプルSPの表面形状を測定したりすることができるよう構成される。
具体的に、本実施形態に係るユニット制御系8は、主たる構成要素として、レーザ光の2次元走査を制御する走査制御部8aと、白色光学系5によって生成された干渉画像に基づいてサンプルSPの表面形状を測定する第1測定部8kと、レーザ光学系6によって生成されたレーザ画像に基づいてサンプルSPの表面形状を測定する第2測定部8lと、を有してなる。ここで、第1測定部8kは、本実施形態における「測定部」の例示であり、第2測定部8lは、本実施形態における「第2の測定部」の例示である。これらの詳細は、後述する。
なお、本実施形態に係るユニット制御系8は、図4に例示されるように、白色光学系5とレーザ光学系6とユニット駆動系7で共有されるように構成されているが、この構成には限定されない。例えば、白色光学系5、レーザ光学系6およびユニット駆動系7のそれぞれに、専用の制御系を接続してもよい。
また、白色光学系5、レーザ光学系6、ユニット駆動系7およびユニット制御系8という分類は、系統的な説明を行うための便宜上の分類に過ぎず、本開示の構成を限定するものではない。本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、第1ビームスプリッタ57等、白色光学系5とレーザ光学系6とで共有される部品を有する。
(白色光学系5)
図3Aは、観察ユニット2の光学系のうち、特に白色光学系5を例示する模式図である。観察ユニット2の白色光学系5は、従来から白色干渉計に使用されている光学系と同様に構成することができ、観察および測定用の光源として、後述の白色光源51を利用するものである。この白色光学系5は、白色光源51から照射される白色光をサンプルSPに照射し、その反射光を撮像部58に集光するように構成される。
具体的に、白色光学系5は、白色光源51と、第1ミラー52と、第1ハーフミラー53と、対物レンズ54と、この対物レンズ54とともに干渉対物レンズOcを構成する分岐光学系55と、第1レンズ56と、第1ビームスプリッタ57と、撮像素子58aを有する撮像部58と、を備える。このうちの撮像部58は、ユニット制御系8の一要素である第1測定部8kと電気的に接続されている。なお、図3Aに示す例では、干渉対物レンズOcに分岐光学系55が内蔵されるように構成されているが、本開示は、そうした構成には限定されない。後述のように、分岐光学系55と対物レンズ54とを独立した部材としてレイアウトし、必要に応じて分岐光学系55を動作させるように構成することもできる。
-白色光源51-
白色光源51は、ステージ23に載置されたサンプルSPに、対物レンズ54(白色干渉法を用いる場合は、干渉対物レンズOc)を介して白色光を照射する(図3Aの符号L1参照)。この白色光源51は、観察用の照明として用いられる際には、撮像部58の光軸(特に、撮像素子58aの光軸)と同軸化された同軸落射照明として機能する。
具体的に、本実施形態に係る白色光源51は、例えば、ハロゲンランプまたは白色LED(Light Emitting Diode:LED)によって構成可能な発光体51aと、その発光体51aから発せられた白色光が入射する不図示の光学部品と、を有する。
白色光源51から発せられた白色光は、第1ミラー52と第1ハーフミラー53とによって反射された後、対物レンズ54および分岐光学系55を介してサンプルSPに照射される。
-第1ミラー52-
第1ミラー52は、白色光源51の発光体(不図示)に対し、該第1ミラー52の鏡面を傾斜させた状態で向かい合うように配置される。第1ミラー52は、白色光源51から発せられた白色光を反射し、これを第1ハーフミラー53に入射させる。
-第1ハーフミラー53-
第1ハーフミラー53は、撮像素子58aの光軸上に配置される。第1ハーフミラー53は、第1ミラー52によって反射された白色光を再度反射することで、該白色光の光軸と、撮像素子58aの光軸と、を同軸化する。そうして同軸化された白色光は、対物レンズ54を介してサンプルSPに照射される。
サンプルSPによって反射された白色光は、対物レンズ54を介して第1ハーフミラー53に戻る。第1ハーフミラー53は、そうして反射された白色光を透過させ、第1レンズ56と第1ビームスプリッタ57を介して撮像部58に導く。
-対物レンズ54および分岐光学系55-
対物レンズ54は、分岐光学系55と一体化された干渉対物レンズOcとして構成される。この干渉対物レンズOcは、二光束干渉用の対物レンズとして構成可能である。
すなわち、干渉対物レンズOcは、集光用の対物レンズ54と、対物レンズ54を通過した光(白色光またはレーザ光)を2つの光束(参照光および測定光)に分割し、分割させた2つの光束それぞれの光路長を異ならせた状態で重なり合わせる分岐光学系55と、を備える。
特に、本実施形態に係る干渉対物レンズOcは、二光束干渉用の対物レンズとして区分される対物レンズのうち、特に、図3Aに例示されるようなミラウ型の干渉対物レンズOcとして構成することができる。
詳しくは、分岐光学系55は、干渉用ビームスプリッタ55aと、参照ミラー55bと、を有する。ミラウ型の干渉対物レンズOcとして構成した場合、干渉用ビームスプリッタ55aと参照ミラー55bは、図3Aに例示されるように、対物レンズ54の光軸に対して双方とも同軸に配置される。
さらに詳しくは、干渉用ビームスプリッタ55aは、白色光源51から照射されて対物レンズ54を通過した白色光を、所定の参照面(本実施形態では、参照ミラー55bの鏡面)に向かう参照光(図3Aの符号Lr参照)と、測定対象物としてのサンプルSPに向かう測定光と、に分岐させる。後者の測定光は、サンプルSPによって反射された後、干渉用ビームスプリッタ55aに再び入射することになる(図3Aの符号L2参照)。一方、参照ミラー55bは、干渉用ビームスプリッタ55aによって生成された参照光を反射して、これを干渉用ビームスプリッタ55aに向けて伝搬させる。
したがって、測定光の反射光(サンプルSPによって反射された測定光)は、参照ミラー55bによって反射された参照光と合流し、双方が重なり合った状態で伝搬する。以下、互いに重なり合った状態で伝搬する参照光および測定光それぞれの反射光を、「干渉光」と総称する場合がある。そうして形成された干渉光は、対物レンズ54、第1ハーフミラー53、第1レンズ56および第1ビームスプリッタ57を順次通過して、撮像部58に至る。
なお、干渉対物レンズOcは、前述のようなミラウ型には限定されない。例えば、マイケルソン型の干渉対物レンズを用いることもできる。その場合、参照ミラー55bは、対物レンズ54の光軸から外れた位置(対物レンズ54の光軸に対して非同軸となる位置)に配置される。
また、干渉対物レンズOcは、白色光源51を単なる照明として用いる場合には必須ではない。その場合、分岐光学系55を有する干渉対物レンズOcの代わりに、図3に例示されるように、対物レンズ54を単体で用いることができる。以下、分岐光学系55を非具備とした対物レンズ54を「通常の対物レンズ」と呼称する場合がある。
また、干渉対物レンズOcは、レーザ光を各種処理に用いる場合にも必須ではない。その場合、基本的には通常の対物レンズ54が用いられることになるが、後述のオートフォーカスのように、レーザ光を用いる処理であっても、干渉対物レンズOcを使用することができる。
また、詳細は省略するが、図3Bに模式的に例示したように、対物レンズ54にリング照明54aを装着し、このリング照明54aを観察用の照明(非同軸落射照明)として用いることもできる。
-第1レンズ56-
第1レンズ56は、撮像素子58aの光軸と同軸になるように配置される。第1レンズ56は、サンプルSPによって反射された白色光を集光し、第1ビームスプリッタ57を介して撮像素子58aに入射させる。
-第1ビームスプリッタ57-
第1ビームスプリッタ57は、撮像素子58aの光軸上に配置される。第1ビームスプリッタ57は、例えばキューブミラーとして構成されており、特定の波長域に収まる光、特に、レーザ光学系6で用いられるレーザ光を反射させる。
第1ビームスプリッタ57は、図3Aに例示されるように、第1レンズ56によって集光された白色光等を透過させて撮像部58へと導く。第1ビームスプリッタ57はまた、図3Bに例示されるように、レーザ光源61から出射されたレーザ光(図3Bの符号L3参照)と、サンプルSPからのレーザ光の反射光(図3Bの符号L4参照)と、をそれぞれ反射する。
-撮像部58-
撮像部58は、参照ミラー55bの鏡面(参照面)によって反射された参照光と、測定対象物としてのサンプルSPによって反射された測定光とを受光して、参照光と測定光との干渉を反映した干渉画像を撮像する。撮像部58はまた、白色光源51を単なる照明として用いる場合には、サンプルSPの表面を撮像するためのカメラとして機能するようになっている。
詳しくは、撮像部58は、白色光等、第1レンズ56によって集光された光を受光するための撮像素子58aを有する。この撮像素子58aは、その受光面に配置された複数の画素によって、第1レンズ56等を通じて入射した光を光電変換し、被写体の光学像に対応した電気信号に変換する。
撮像素子58aは、受光面に沿って複数の受光素子を並べたものとすればよい。この場合、各受光素子が画素に対応することになる。具体的に、本実施形態に係る撮像素子58aは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)からなるイメージセンサによって構成されているが、この構成には限定されない。撮像素子58aとしては、例えばCCD(Charged-Coupled Device)からなるイメージセンサを使用することもできる。
そして、撮像部58は、撮像素子58aによって変換された電気信号に基づいて、被写体の光学像に対応した画像を生成し、これをユニット制御系8等に入力する。撮像部58によって生成される画像(カメラ画像)のうち、白色干渉法に用いる干渉縞を撮像したものが前述の「干渉画像」に相当する。もちろん、撮像部58によって生成される画像には、サンプルSPの表面を観察するための画像も含まれる。
-白色干渉法の基本原理について-
前述のように、撮像部58は、参照ミラー55bの鏡面(参照面)によって反射された参照光と、測定対象物としてのサンプルSPによって反射された測定光とを受光する。ここで、参照光および測定光の反射光は、干渉対物レンズOcから出射された後は同一光路を伝搬するものの、分岐光学系55を通過するときに光路長に差異が生じるため、相互に重なり合ったときに干渉が起きる。
ここで、参照光と測定光の位相が一致している場合、干渉によって双方が強め合うことになる。この場合、撮像素子58aが受光する光量(受光量)は、位相が不一致の場合に比して大きくなるため、その受光強度、すなわち各画素で検出される輝度値は大きくなる。
一方、参照光と測定光の位相が一致しておらず、特に半波長分だけずれていれる場合、干渉によって双方が弱め合うことになる。この場合、撮像素子58aの受光量は、位相が一致する場合に比して小さくなるため、その受光強度、すなわち各画素で検出される輝度値は小さくなる。
ゆえに、干渉対物レンズOcを介した白色光の照射領域のうち、参照光と測定光の位相が合った部位については明るく、そうでない部位については暗くなり、明暗の縞模様(干渉縞)が形成される。撮像部58は、その干渉縞を撮像することで、その明暗が反映された干渉画像を撮像する。
ここで、参照光と測定光の位相差は、両者の光路長の差異に由来するものである。そのため、干渉縞のコントラストおよび明暗の配置は、サンプルSPと干渉対物レンズOcとの距離に応じて変化することになる。
したがって、サンプルSPに対する干渉対物レンズOcの相対的な高さ位置を変化させつつ、各高さ位置で干渉画像を撮像し、各干渉画像の間で干渉縞が如何に変化するかを解析することで、凹凸形状等、サンプルSPの表面形状を測定することが可能になる。
そうした測定を実行するために、撮像部58は、各高さ位置で撮像された干渉画像を示す電気信号を、前述した第1測定部8kに入力する。第1測定部8kは、入力された電気信号に対応した複数の干渉画像に基づいて、サンプルSPの表面形状を測定するように構成されている。
このように、白色光学系5は、白色干渉法による形状測定を実行可能な光学系である。干渉縞の明暗の間隔、および、各明暗に対応した受光強度のピーク幅は、マイクロメートルはおろか、ナノメートルのオーダーまで狭くなる。また、これらの間隔、ピーク幅の大きさは、あくまでも光路長の差に由来するため、対物レンズ54等の倍率に依存せずに一定となる。そのため、この手法は、対物レンズ54等の性能によらずに、高さ数ナノメートルのオーダーで測定を行うことができ、フォーカス合成、レーザ共焦点等の手法と比較し、高さ方向(Z方向)の精度、および、同方向における分解能に関し、極めて優れた測定を実行することができる。
(レーザ光学系6)
図3Bは、観察ユニット2のレーザ光学系を例示する模式図である。レーザ光学系6は、従来から共焦点顕微鏡に使用されている光学系と同様に構成することができ、測定用の光源として、後述のレーザ光源61を利用するものである。このレーザ光学系6は、レーザ光源61から照射されるレーザ光をサンプルSPに照射し、その反射光を受光部66に集光するように構成される。
具体的に、レーザ光学系6は、レーザ光源61と、第2ビームスプリッタ62と、レーザ光走査部63と、第1ビームスプリッタ57と、第1レンズ56と、第1ハーフミラー53と、対物レンズ54または干渉対物レンズOcと、第2レンズ64と、ピンホール65aが形成されたピンホール板65と、受光素子66aを有する受光部66と、を備える。このうちの受光部66は、ユニット制御系8の一要素である第2測定部8lと電気的に接続されている。レーザ光学系6は、本実施形態における「共焦点光学系」の例示である。
すなわち、共焦点光学系としてのレーザ光学系6は、サンプルSPの表面にレーザ光がフォーカスされたとき、そのレーザ光の反射光が、ピンホール65aないし受光素子66a付近で焦点を結ぶようにレイアウトされている(より詳細には、対物レンズ54の焦点面と“共役”になる位置に、ピンホール65aがレイアウトされている)。
-レーザ光源61-
レーザ光源61は、ステージ23に載置されたサンプルSPに向けて、干渉対物レンズOcと同一の又は異なる対物レンズ54を介してレーザ光を照射する。すなわち、図3AAに例示したように、対物レンズ54と分岐光学系55を介してレーザ光を照射してもよいし、図3Bに例示したように、分岐光学系55を非介在とした状態で、対物レンズ54のみを介してレーザ光を照射してもよい。以下の説明では、簡単のため、分岐光学系55を非介在とした状態でレーザ光が照射される場合について説明する。このレーザ光源61は、いわゆる点光源として機能する。
また、レーザ光源61としては、例えば、He-Neガスレーザや半導体レーザ等を使用することができる。また、レーザ光源61の代わりに、点光源を生成することができる各種光源を利用することができ、その場合、例えば高輝度ランプとスリットとの組み合わせ等であってもよい。
レーザ光源61から出力されたレーザ光は、第2ビームスプリッタ62を通過してレーザ光走査部63に到達し、そのレーザ光走査部63から第1ビームスプリッタ57、第1レンズ56、第1ハーフミラー53および対物レンズ54を介してサンプルSPに照射される。
-第2ビームスプリッタ62-
第2ビームスプリッタ62は、レーザ光源61の光軸上に配置され、このレーザ光源61とレーザ光走査部63との間に位置する。第2ビームスプリッタ62は、レーザ光源61から出力されたレーザ光を透過させ、これをレーザ光走査部63へ導く。第2ビームスプリッタ62はまた、サンプルSPによって反射されたレーザ光を反射して、これを受光部66へ導く。第2ビームスプリッタ62としては、周知のビームスプリッタを用いることができる。
-レーザ光走査部63-
レーザ光走査部63は、レーザ光源61から照射されるレーザ光を、サンプルSPの表面上で2次元走査することができる。なお、ここでいう「2次元走査」とは、レーザ光の照射位置をサンプルSPの表面上で走査する2次元的な動作を指す。
図3B等に示すように、レーザ光走査部63は、いわゆる2軸式のガルバノスキャナとして構成されており、第2ビームスプリッタ62と第1ビームスプリッタ57との間に配置されている。
レーザ光走査部63は、所定の第1方向と、該1方向に直交する第2方向と、の少なくとも一方(図例では両方)に沿ってレーザ光を走査することができる。具体的に、本実施形態に係るレーザ光走査部63は、第2ビームスプリッタ62から入射したレーザ光を第1方向に走査するための第1スキャナ63aと、この第1スキャナ63aによって走査されたレーザ光を、第2方向に走査しつつ第1ビームスプリッタ57に向けて反射する第2スキャナ63bと、を有する。
本実施形態では「第1方向」とは、前述のように定義されたX方向に一致する。また、「第2方向」とは、X方向と同様に定義されたY方向に一致する。もちろん、これらの定義に限られるものではなく、第1方向および第2方向の定義を任意に変更することができる。
また、レーザ光走査部63は、サンプルSPの表面上でレーザ光を2次元走査できるように構成されたユニットであればよく、前述したような2軸式のガルバノスキャナには限定されない。例えば、ガラスからなる音響光学媒体に圧電素子を接着し、この圧電素子に電気信号を入力して超音波を発生させることで、音響光学媒体中を通るレーザ光を回折させて光を偏向させる光音響素子方式(レゾナント方式)を用いたり、一列ないし多数列のピンホールを螺旋状に持つ円盤を回転させることで、そのピンホールを通過した光がサンプルSPの表面上を2次元的に走査するように構成されたニポウディスク方式を用いたりしてもよい。
レーザ光走査部63を通過したレーザ光は、第1ビームスプリッタ57によって反射され、第1レンズ56と、第1ハーフミラー53と、対物レンズ54と、を介してサンプルSPに照射される。
サンプルSPに照射されたレーザ光は、該サンプルSPによって反射され、観察ユニット2に戻る。具体的に、サンプルSPからのレーザ光の反射光は、対物レンズ54、第1ハーフミラー53、第1レンズ56、レーザ光走査部63を通った後、第2ビームスプリッタ62により反射されて第2レンズ64に至る。
また、レーザ光走査部63は、前述した走査制御部8aが作動させるようになっている。詳しくは、レーザ光走査部63は、走査制御部8aと電気的に接続されており、この走査制御部8aから入力される電気信号を受けて作動するように構成されている。
-第2レンズ64-
第2レンズ64は、受光部66における受光素子66aの光軸と同軸になるように配置され、第2ビームスプリッタ62とピンホール板65との間に位置する。第2レンズ64は、第2ビームスプリッタ62からのレーザ光の反射光を集光し、ピンホール板65を介して受光素子66aに入射させる。
-ピンホール板65-
ピンホール板65は、受光素子66aの光軸に直交するように配置された板状部材であり、該板状部材を板厚方向に貫くピンホール65aを有する。ピンホール板65は、第2レンズ64と受光部66との間に配置される。第2レンズ64によって集光されたレーザ光の反射光は、ピンホール65aを通過して受光素子66aに入射する。
前述のように、ピンホール65aは、対物レンズ54の焦点面と共役な位置に配置されており、レーザ光学系6を共焦点光学系として機能させることができる。
-受光部66-
受光部66は、サンプルSPからのレーザ光の反射光を、共焦点光学系(レーザ光学系6)におけるピンホール65aを介して受光するとともに、該反射光の受光強度に応じた受光信号を生成する。
詳しくは、受光部66は、第2レンズ64によって集光された反射光を受光するための受光素子66aを有する。この受光素子66aは、その入射窓に形成された光電面によって、ピンホール65aを通じて入射した光を光電変換し、その受光強度に対応した電気信号に変換する。
受光素子66aは、撮像素子58aに比してフレームレートが高いものとすれば好ましい。さらに好ましくは、受光素子66aは、撮像素子58aに比して感度が高いものとすればよい。具体的に、本実施形態に係る受光素子66aは、PMT(PhotoMultiplier Tube)からなる光センサによって構成されているが、この構成には限定されない。受光素子66aとしては、前述したような撮像素子58aを使うこともできるし、例えば、アバランシェダイオードを用いたHPD(Hybrid Photo Dector)、MPPC(Multi-Pixel Photon Counter)等の光検出器を使用することもできる。
そして、受光部66は、受光素子66aによって変換された電気信号と、レーザ光の照射位置と、を関連付けることで、被写体の光学像に対応した画像を生成し、これをユニット制御系8等に入力する。受光部66によって生成される画像(レーザ画像)は、レーザ共焦点法による形状測定に使用したり、サンプルSPの表面を観察するために使用したりすることができる。
-レーザ共焦点法の基本原理について-
前述のように、ピンホール65aは、対物レンズ54の焦点面と共役になる位置に配置される。したがって、レーザ光源61から出射されたレーザ光がサンプルSPの表面上で焦点を結ぶと、その表面からの反射光は、ピンホール65a付近で収束し、受光素子66a上で焦点を結ぶ。この場合(合焦時)、受光素子66aが受光する光量(受光量)は、非合焦時に比して著しく大きくなるため、その受光強度、すなわち各画素で検出される輝度値が大きくなる。
一方、レーザ光がサンプルSP上で焦点を結ばない場合(非合焦時)、サンプルSPの表面からの反射光は、ピンホール65a付近で収束せずに拡散し、ピンホール板65によって大部分が遮光される。この場合、受光素子66aが受光する光量(受光量)は、合焦時に比して著しく小さくなるため、その受光強度、すなわち各画素で検出される輝度値が小さくなる。
ゆえに、走査制御部8aがレーザ光走査部63を作動させることで実現されるレーザ光の走査領域のうち、サンプルSPの表面上で焦点が合った部位については明るく、一方、それ以外の高さについては暗くなる。そのため、レーザ光の反射光の明暗に基づいて、サンプルSPの表面形状(特に、サンプルSPの高さを特徴付ける情報)を測定することが可能になる。
そうした測定を実行するために、受光部66は、走査制御部8aおよびレーザ光走査部63によって2次元走査されたレーザ光の反射光の受光強度を示す電気信号を、前述した第2測定部8lに入力する。第2測定部8lは、入力された電気信号が示す受光強度(具体的には、反射光の明暗)に基づいて、サンプルSPの表面形状を測定するようになっている。
このように、レーザ光学系6は、レーザ共焦点法による形状測定を実行可能な光学系であり、実質的に焦点の合った光のみを検出することから、白色干渉法には及ばないものの、フォーカス合成等の他の手法と比較して、高さ方向(Z方向)の精度、および、同方向における分解能に優れた輝度情報を提供することができる。
また、レーザ共焦点法による形状測定は、スポット状に照射されるレーザ光を2次元走査して行うものであるから、白色干渉法に比して、水平方向における解像度に優れた輝度情報を提供することができる。
(ユニット駆動系7)
図4は、白色干渉顕微鏡1の構成を例示するブロック図である。ユニット駆動系7は、白色干渉顕微鏡1の各部を駆動するものであり、対物レンズ54を変更したり、対物レンズ54に対するステージ23の高さ位置を調整したり、そのステージ23を水平方向に沿って移動させたりするシステムとして構成される。ユニット駆動系7の各構成要素は、それぞれ、ユニット制御系8と電気的に接続されており、ユニット制御系8から入力される電気信号を受けて作動する。
具体的に、ユニット駆動系7は、図1、図2、図4等に例示されるように、Z方向駆動部71と、高さ位置検知部72と、XY方向駆動部73と、電動レボルバ74と、を備える。Z方向駆動部71は、本実施形態における「駆動部」の例示である。
-Z方向駆動部71-
Z方向駆動部71は、対物レンズ54に対するステージ23の高さ位置を相対的に変化させるものである。具体的に、Z方向駆動部71は、例えばステッピングモータと、該ステッピングモータにおける出力軸の回転運動を、上下方向(Z方向)の直線運動に変換する運動変換機構と、を有する。Z方向駆動部71は、ヘッド部22に内蔵される。
Z方向駆動部71のステッピングモータを回転させることにより、電動レボルバ74と、その電動レボルバ74に装着された対物レンズ54と、がZ方向に沿って一体的に移動する。
例えば、ステージ23が固定された状態で対物レンズ54をZ方向に移動させることで、結果的に、対物レンズ54に対するステージ23の高さ位置を相対的に変更することができる。なお、対物レンズ54が固定された状態でステージ23をZ方向に移動させるように構成してもよい。
なお、Z方向駆動部71は、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置(以下、「相対距離」と呼称したり、或いは、単に「高さ位置」と呼称したりする)を、最小で1nm程度のピッチサイズで調整することができる。
-高さ位置検知部72-
高さ位置検知部72は、対物レンズ54とステージ23との間の相対距離を検出し、その相対距離に対応した電気信号を出力することができる。この電気信号は、ユニット制御系8に入力される。
具体的に、高さ位置検知部72は、例えばリニアスケール(リニアエンコーダ)等で構成することができる。高さ位置検知部72は、対物レンズ54とステージ23との間の相対距離の変化が1nm程度であっても検知可能である。
本実施形態では、ステージ23が固定された状態で対物レンズ54をZ方向に移動させることで、前述の相対距離を変化させる。そのときの移動量をリニアスケールで検出することで、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置を検知することができる。同様に、対物レンズ54が固定された状態でステージ23をZ方向に移動させる場合にあっても、同様に高さ位置を検知することができる。
-XY方向駆動部73-
XY方向駆動部73は、ステージ23を水平方向に移動させるための機構である。すなわち、ステージ23は、図1に例示されるステージ支持部材24とは別体とされており、このステージ支持部材24に対して水平方向に移動可能に支持されている。
具体的に、XY方向駆動部73は、例えばリニアモータ等のアクチュエータで構成することができる。このアクチュエータは、ステージ支持部材24に対するステージ23の相対的な位置を、X方向およびY方向に沿って所定の範囲内で移動させることができる。
-電動レボルバ74-
電動レボルバ74は、電動式の変倍機構として構成されており、所定の中心軸Arまわりに回転する。この電動レボルバ74は、中心軸Arを取り囲むように、複数の対物レンズ54を着脱可能に構成される。ここで、電動レボルバ74に装着可能な対物レンズ54には、リング照明54aが装着された対物レンズ54と、リング照明54aを非装着とした対物レンズ54と、分岐光学系55と一体化されて干渉対物レンズOcを構成する対物レンズ54と、が含まれる。
電動レボルバ74を回転させることで、複数の対物レンズ54のうちの1つを選択し、これをステージ23上に載置されたサンプルSPと対峙させることができる。なお、複数の対物レンズ54のうち、どの対物レンズ54が選択されているかを示す情報は、ユニット制御系8の記憶装置82に記憶される。
電動レボルバ74を制御することで、白色光学系5およびレーザ光学系6の倍率を変更したり、白色干渉法に必要な干渉対物レンズOcをサンプルSPに対峙させたりすることができる。電動レボルバ74に加えて、または電動レボルバ74に代えて、電動ズームレンズからなる単レンズ式の対物レンズ(図示せず)を用いてもよい。
電動レボルバ74は、表示部41上に表示される画面(後述の図15~図17を参照)を介して操作することもできるし、観察ユニット2等に設けられたスイッチを介して操作することもできる。
(ユニット制御系8)
図5は、ユニット制御系8の構成を例示するブロック図である。ユニット制御系8は、観察ユニット2における白色光学系5、レーザ光学系6およびユニット駆動系7の各部に制御信号を出力し、それらの動作を制御したり、各部からの検出信号を受けて、サンプルSPの表面形状を測定したりするものである。
ユニット制御系8はまた、観察ユニット2に加えてさらに、操作用端末4とも電気的に接続されており、表面形状の測定結果を表示部41上に表示する一方、キーボード42、マウス43等に対する操作入力に基づいて、観察ユニット2の各部に入力する制御信号を生成することもできる。
なお、図4に示す例では、ユニット制御系8は、観察ユニット2に設けられているが、その構成には限定されない。ユニット制御系8は、外部ユニット3に設けられてもよいし、操作用端末4に設けられてもよい。
具体的に、本実施形態に係るユニット制御系8は、CPU、システムLSI、DSP等からなる処理装置81と、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等からなる記憶装置82と、入出力バス83と、を有する。また、ユニット制御系8は、論理回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。
詳しくは、図4に例示されるように、ユニット制御系8には、少なくとも、白色光源51、リング照明54a、撮像素子58a、レーザ光源61、レーザ光走査部63、受光素子66a、Z方向駆動部71、高さ位置検知部72、XY方向駆動部73および電動レボルバ74が電気的に接続されている。ユニット制御系8によって、白色光源51、リング照明54a、レーザ光源61、レーザ光走査部63、Z方向駆動部71、XY方向駆動部73および電動レボルバ74が制御される。また、撮像素子58a、受光素子66aおよび高さ位置検知部72の出力信号は、ユニット制御系8に入力される。
具体的に、本実施形態に係るユニット制御系8は、図5に例示されるように、主たる構成要素として、走査制御部8aと、駆動制御部8bと、表示制御部8cと、モード切替部8dと、合焦演算部8eと、焦点調整部8fと、明るさ調整部8gと、傾き調整部8hと、第1測定範囲設定部8iと、第2測定範囲設定部8jと、第1測定部8kと、第2測定部8lと、を有する。
-走査制御部8a-
走査制御部8aは、前述のようにレーザ光走査部63と電気的に接続されており、その作動を制御する。レーザ光走査部63は、走査制御部8aから入力された制御信号に従って、サンプルSPの表面上に定められた走査範囲Rsc内を2次元的または1次元的に走査することができる。走査範囲Rscの設定は、白色干渉顕微鏡1が果たす機能に応じて、適宜変更可能である。この走査範囲Rscについては、図7B~図7Dを参照して後述する。
-駆動制御部8b-
駆動制御部8bは、ユニット駆動系7の各部を制御する。具体的に、駆動制御部8bは、Z方向駆動部71を制御することでステージ23の高さ位置を変更したり、XY方向駆動部73を制御することでステージ23の水平位置を変更したり、電動レボルバ74を制御することで対物レンズ54を切り替えたりすることができる。
-表示制御部8c-
表示制御部8cは、操作用端末4の表示部41と電気的に接続されており、表示部41上での表示態様を制御する。具体的に、本実施形態に係る表示制御部8cは、第1測定部8k、第2測定部8l等による測定結果を表示させたり、撮像部58によって生成されたカメラ画像を表示させたり、その他、各種インターフェースを表示させたりすることができる。
-モード切替部8d-
ここまでに説明したように、白色干渉顕微鏡1は、主たる機能として、レーザ光または白色光を光源としたサンプルSPの観察、レーザ共焦点法または白色干渉法を用いたサンプルSPの測定等を実行することができる。
モード切替部8dは、キーボード42およびマウス43を介したユーザの操作入力に基づいて、これらの機能を使い分けることができる。具体的に、本実施形態に係るモード切替部8dは、ユーザの操作入力に基づいて、例えば、サンプルSPの表面形状を測定する第1モードと、サンプルSPの膜厚を測定する第2モード(詳細は省略)と、サンプルSPを観察するための第3モードと、を含んだモード群の中から1つのモードを選択し、これを実行させることができる。後述のように、ユーザの操作入力は、表示部41上に表示させたインターフェースを介して行われるようになっている。なお、前記3つの動作モードのうち、第2モードと第3モードは必須ではない。白色干渉顕微鏡1は、少なくとも第1モードのみを実行可能に構成すればよい。
-合焦演算部8e-
合焦演算部8eは、レーザ光学系6によるレーザ共焦点法を用いることで、対物レンズ54のフォーカスをサンプルSPの表面上に一致させる(換言すれば、レーザ共焦点法による「オートフォーカス」を実行する)。レーザ共焦点法によって調整されたフォーカスは、レーザ共焦点法による表面形状の測定と、白色干渉法による表面形状の測定と、の双方に用いられる。
すなわち、図7Aに示すように、本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、白色干渉法を用いてサンプルSPの表面形状を測定する場合であっても、レーザ共焦点法を用いてフォーカスを合わせるように構成されている。
なお、フォーカスを合わせる際には、対物レンズ54として、白色干渉用の干渉対物レンズOc(第1対物レンズ)を使用してもよいし、その干渉対物レンズOcとは異なる非白色干渉用の対物レンズ54を使用してもよい。
具体的に、本実施形態に係る合焦演算部8eは、ステージ23または対物レンズ54の各高さ位置で、レーザ光学系6の受光部66によって生成された受光信号に基づいて、対物レンズ54の焦点がサンプルSPの表面に一致する合焦位置を算出する。合焦演算部8eは、本実施形態における「演算部」の例示である。
ここで、「ステージ23または対物レンズ54の各高さ位置」とは、高さ位置検知部72によって検知可能な、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置を指す。この高さ位置は、対物レンズ54の先端面(Z方向における先端面)と、ステージ23の上面との間の距離とすることができるが、これに限られるものではなく、対物レンズ54の所定部位と、ステージ23の所定部位とのZ方向の離間距離とすることができる。前述のように、高さ位置は「Z位置」とも呼称される。
また、以下の記載において、「高さ位置同士の間隔(Zピッチ)」とは、オートフォーカス、明るさ調整、測定時の高さ範囲(測定範囲)の設定、表面形状の測定等、白色光学系5において干渉画像を生成する場合、および、レーザ光学系6においてレーザ光を受光する場合における高さ位置の間隔(Z方向における対物レンズ54またはステージ23の移動間隔)を指す。
さらに、以下の記載において、「Z位置を上方に移動させる」とは、ステージ23およびサンプルSPに対して対物レンズ54を上方に移動させるか、あるいは、対物レンズ54に対してステージ23およびサンプルSPを下方に移動させること、すなわち、ステージ23およびサンプルSPと、対物レンズ54とをZ方向において離間させることをいう。
同様に、「Z位置を下方に移動させる」とは、ステージ23およびサンプルSPに対して対物レンズ54を下方に移動させるか、あるいは、対物レンズ54に対してステージ23およびサンプルSPを上方に移動させること、すなわち、ステージ23およびサンプルSPと、対物レンズ54とをZ方向において接近させることをいう。
詳しくは、合焦演算部8eは、駆動制御部8bを介して前記高さ位置を変化させながら、各高さ位置でレーザ光を照射させて受光信号を取得する。前述したように、レーザ光がサンプルSPの表面上で焦点を結ぶと、受光素子66aが受光する光量(受光量)は、非合焦時に比して著しく大きくなり、その受光強度が相対的に大きくなる。
そのため、合焦演算部8eは、図6Bに例示されるように、高さ位置(Z位置)に対する受光強度の変化を示す曲線(以下、「Z-Iカーブ」と呼称する)をモニターし、受光強度がピークを迎える高さ位置を探索する。そうした探索された高さ位置が、合焦位置Zpとして決定される。この合焦位置Zpは、記憶装置82に一時的にまたは継続的に記憶され、焦点調整部8fに入力される。
また、合焦位置Zpの探索に用いられる高さ位置は、離散的なものとなる。この高さ位置同士の間隔(Zピッチ)は、Z-Iカーブの半値幅に応じて設定される。具体的に、Z-Iカーブの半値幅が狭いと想定される場合には、それが広いと想定される場合に比して、Zピッチはより狭く設定される。ここで、Z-Iカーブの半値幅は、対物レンズ54の開口数が大きいときには、それが小さいときに比して狭くなる。対物レンズ54の開口数は、一般的に、そのレンズ倍率が高倍率になるにしたがって、大きくなる。
以上の知見を踏まえ、本実施形態に係る合焦演算部8eは、対物レンズ54の拡大倍率が高くなるにしたがって、前述のように定義したZピッチをより狭く設定するように構成される。具体的に、合焦演算部8eは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を作動させることでステージまたは対物レンズ54の高さ位置を調整する際に、その高さ位置をより狭いZピッチで変更し、各高さ位置で受光信号を取得する。このように、対物レンズ54の拡大倍率に応じて、受光信号が取得されるZピッチを変更することができる。
本願発明者らは、Zピッチに係る検討をさらに進めた結果、白色干渉顕微鏡1が実行する機能に応じて、Zピッチの大きさを調整することを新たに見出した。
具体的に、本実施形態では、ステージ23の各高さ位置同士の間隔(Zピッチ)は、合焦演算部8eが合焦位置Zpを算出する場合には、第2測定部8lがレーザ共焦点法を用いてサンプルSPの表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定される。
つまり、合焦演算部8eが合焦位置Zpを探索するときは、第2測定部8lが表面形状を測定するときほど、受光強度の測定精度が要求されない。そこで、図7Aをはじめとする各図に例示されるように、合焦位置Zpが探索されるとき(合焦演算部8eが合焦位置Zpを探索するとき)には、表面形状が測定されるとき(第1測定部8kまたは第2測定部8lがサンプルSPの表面形状を測定するとき)に比して、Zピッチをより粗く設定することが許容される。以下、合焦位置Zpが探索される際に用いるZピッチを「第1ピッチ」と呼称する場合がある。
例えば図6Dにおいて、黒色で塗り潰されたプロットは合焦位置Zpが探索されるとき(オートフォーカス時)に用いられる高さ位置を指し、クロス状のプロットは表面形状の測定時に用いられる高さ位置を指す。図6Dに示されるように、本実施形態に係る第1ピッチは、表面形状が測定されるときに用いられるZピッチである後述の第4ピッチに比して粗く(広く)設定することができる。
また、合焦位置Zpの探索は、放物線、ガウス関数等によって、各高さ位置で測定された受光強度をフィッティングすることで実行することができる。フィッティングの詳細は省略する。
また、前述のように、合焦位置Zpを探索するときには、各高さ位置でレーザ光が出射される。そのときのレーザ光の走査範囲Rscは、合焦位置Zpの探索に適した範囲に設定することができる。
ここで、図7B~図7Dは、オートフォーカス時における走査範囲Rscを例示する図である。各図において、走査範囲Rscは、サンプルSPの表面上に設定される範囲であって、特に第1スキャナ63aおよび第2スキャナ63bによるレーザ光の照射範囲を模式化したものである。第1方向および第2方向に沿ってレーザ光が離散的に照射されるように構成されているところ、各レーザ光の照射位置Psは、各図に例示される走査範囲Rsc内に収まるように設定される。
具体的に、走査制御部8aは、ステージ23の各高さ位置においてレーザ光走査部63を作動させることで、合焦演算部8eによる合焦位置Zpの算出に際してレーザ光を走査する。そのとき、レーザ光の走査範囲Rscは、合焦演算部8eが合焦位置Zpを算出する場合には、第2測定部8lがレーザ共焦点法に基づいて表面形状を測定する場合に比して狭く設定することができる(図7Aの第4列も参照)。
詳しくは、レーザ光の走査範囲Rscは、合焦演算部8eが合焦位置Zpを算出する場合には、第2測定部8lが表面形状を測定する場合に比して、第1および第2方向のうちの一方における寸法が短く設定され得る。例えば図7Bに示されるように、表面形状の測定時には第1方向において5通り、かつ、第2方向において5通りの計25箇所にレーザ光を照射する一方、オートフォーカス時(合焦位置Zpの算出時)には第1方向において3通り、かつ、第2方向において5通りの計15箇所にレーザ光を照射するように構成することができる。
さらに詳しくは、本実施形態では、合焦演算部8eが合焦位置Zpを算出する場合、走査制御部8aは、第1方向としてのX方向に沿ってレーザ光をライン状に走査する。この場合、第2方向としてのY方向における寸法が短くなるように走査範囲が設定されることになる。ここで、互いに平行に並んだ数列にわたってレーザ光を走査してもよい。例えば図7Cに示されるように、表面形状の測定時には第1方向において5通り、かつ、第2方向において5通りの計25箇所にレーザ光を照射する一方、オートフォーカス時(合焦位置Zpの算出時)には第1方向に沿ってレーザ光を走査することで、第1方向において5通り、かつ、第2方向において1通りの計5箇所にレーザ光を照射するように構成することができる。
あるいは、前述の構成を実施する代わりに、レーザ光のスキャン間隔(レーザ光の照射位置Ps同士の間隔)は、合焦演算部8eが合焦位置Zpを算出する場合には、第2測定部8lが表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定することもできる(間引きスキャン)。これにより、オートフォーカスを高速で行うことができる。例えば図7Dに示されるように、表面形状の測定時には第1方向において5通り、かつ、第2方向において5通りの計25箇所にレーザ光を照射する一方、オートフォーカス時(合焦位置Zpの算出時)には、走査範囲Rscの面積こそ保持されているものの、照射位置Ps同士の間隔を広げることで、第1方向において3通り、かつ、第2方向において3通りの計9箇所にレーザ光を照射するように構成することができる。
-焦点調整部8f-
焦点調整部8fは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を作動させてステージ23または対物レンズ54の高さ位置を調整することによって、該高さ位置を合焦演算部8eによって算出された合焦位置Zpに一致させる。
焦点調整部8fが高さ位置を調整することで、対物レンズ54のフォーカスをサンプルSP上に合わせることができ、そのサンプルSPの測定に適した状態が実現される。
なお、焦点調整部8fによる高さ位置の調整は、第1測定部8kまたは第2測定部8lによる表面形状の測定時に加えて、レーザ画像またはカメラ画像による観察、後述の明るさ調整部8gによる明るさ調整、傾き調整部8hによる傾き調整、並びに、第1および第2測定範囲設定部8i,8jによる高さ範囲の設定等に際して実行される。これにより、フォーカスを合わせた状態から各種処理を開始させることができ、その高速化を図ることができる。
-明るさ調整部8g-
合焦演算部8eおよび焦点調整部8fによる処理は、レーザ光を用いた処理となるため、焦点調整部8fがフォーカスを合わせた時点では、適切な露光時間等、白色光の設定は不明である。レーザ共焦点法によるオートフォーカスと、白色干渉法による形状測定と、をスムースに組み合わせるためには、オートフォーカス後に、白色光の設定を行う必要がある。
そこで、明るさ調整部8gは、焦点調整部8fによって高さ位置が調整された状態で、白色光源51から照射される白色光の明るさの調整を開始する。ここでの調整対象は、白色光源51そのものの制御パラメータに加えて、白色光を受光するための撮像素子58aを特徴付けるパラメータも含む。例えば、明るさ調整部8gは、白色光の明るさを調整するべく、撮像素子58aの露光時間とゲインの少なくとも一方を調整することができる。「白色光の明るさ」の語には、「干渉画像の明るさ」という意味も含まれる。
具体的に、本実施形態に係る明るさ調整部8gは、合焦演算部8eによって算出された合焦位置Zpを基準とした開始位置を設定し、その開始位置からステージ23または対物レンズ54の高さ位置を上方または下方に向かって所定のZピッチ(第2ピッチ)で変化させる。明るさ調整部8gは、第2ピッチで変化させた各高さ位置で白色光源51から白色光を照射させる。その際の第2ピッチの大きさは、対物レンズ54の開口数等には依存せず、白色光の波長に基づいて決定される。
例えば図6Cにおいて、黒色で塗り潰されたプロットは明るさ調整部8gが白色光の明るさを調整するとき(明るさ調整時)に用いられる高さ位置を指す。図6Cに示されるように、明るさ調整時に用いられる高さ位置は、合焦位置Zpを含んだ所定範囲内に設定することができる。
なお、本実施形態に係る明るさ調整部8gは、合焦位置Zpを開始位置に設定するように構成されているが、この構成には限定されない。例えば、合焦位置Zpから所定の高さ位置だけ上方または下方に変位させた高さ位置を開始位置とし、その開始位置からステージ23または対物レンズ54を下方または上方に向かって第2ピッチで移動させることで高さ位置を変化させてもよい。
明るさ調整部8gは、高さ位置を異ならせた状態で生成した複数の干渉画像に基づいて、白色光の明るさを調整する。具体的に、明るさ調整部8gは、撮像部58を介して生成された干渉画像のうち、相対的に明るい画素(特に、本実施形態では最も明るい画素)を含んだ干渉画像を選択する。干渉画像の選択は、例えば、各干渉画像の生成に用いた受光強度を画素毎に比較することで行うことができる。
明るさ調整部8gは、選択された干渉画像(最も明るい干渉画像)中の各画素が非飽和となる範囲内で白色光源51の明るさを調整する。詳しくは、明るさ調整部8gは、選択された干渉画像中の各画素が所定の上限値を下回る範囲内で、干渉画像が可能な限り明るくなるように撮像素子58aの露光時間とゲインを調整し、最適なパラメータを決定する。決定されたパラメータは、記憶装置82等に入力され、一時的にまたは継続的に記憶される。
-傾き調整部8h-
傾き調整部8hは、ステージ23の傾きを算出し、これを補正するものである。詳細は省略するが、傾きの補正方法としては、電動式ステージを用いた自動調整等、任意の方法を用いることができる。
傾きの補正は、好ましくは、白色光を用いた観察または測定時に行うことができる。
-第1測定範囲設定部8i-
図7Eは、合焦位置Zpと、その合焦位置Zpを基準として設定される開始位置を用いた高さ範囲の設定手順と、そうして設定された高さ範囲を分割することで取得される第4ピッチと、の関係を模式化した図である。
表面形状の測定は、合焦位置Zpの周辺で、ステージ23または対物レンズ54の高さ位置を変化させることで行うことができる。このときに用いられる高さ位置の範囲(以下、「高さ範囲」という)は、白色干渉法およびレーザ共焦点のうちの一方を用いて設定することができる。
本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、白色干渉法を用いて高さ範囲を設定する第1測定範囲設定部8iと、レーザ共焦点法を用いて高さ範囲を設定する第2測定範囲設定部8jと、を備える。
ここで、図7Eに示されるように、第1測定範囲設定部8iまたは第2測定範囲設定部8jによって設定される高さ範囲は、少なくとも合焦位置Zpを含むように設定される。すなわち、高さ範囲は、合焦位置Zp以上となるように設定される上限位置と、合焦位置Zp以下となるように設定される下限位置と、によって区画される範囲として設定される。
本実施形態では、第1測定範囲設定部8iまたは第2測定範囲設定部8jは、下限位置を設定した後に上限位置を設定するが、その設定には限定されない。上限位置を設定した後に下限位置を設定してもよい。
さらに、本実施形態に係る第1測定範囲設定部8iまたは第2測定範囲設定部8jは、上限位置と下限位置とが設定された状態で、上限位置と下限位置との間隔を等間隔で分割することで、第1測定部8kまたは第2測定部8lがサンプルSPの表面形状を測定する場合における、ステージ23の各高さ位置を設定する。
なお、第1測定範囲設定部8iと第2測定範囲設定部8jは、いずれか一方が備えられていればよい。また、白色干渉法を用いた表面形状の測定に先だって、第2測定範囲設定部8jがレーザ共焦点法を用いて高さ範囲を設定してもよいし、レーザ共焦点法を用いた表面形状の測定に先だって、第1測定範囲設定部8iが白色干渉法を用いて高さ範囲を設定してもよい。
具体的に、第1測定範囲設定部8iは、合焦演算部8eによって合焦位置Zpが演算された後、焦点調整部8fによってステージ23の相対的な高さ位置が調整された状態(高さ位置が合焦位置Zpに調整された状態)で、撮像部58により撮像された干渉画像に基づいた高さ範囲の設定を開始する。
ここで、第1測定範囲設定部8iは、ステージ23または対物レンズ54の高さ位置を変化させた状態で撮像部58を介して干渉画像を生成するとともに、各高さ位置で生成された干渉画像から干渉縞のピーク位置を算出し、そのピーク位置の算出に成功した画素数が、画面内で所定の第1閾値を上回るか否かを判定する。そして、第1測定範囲設定部8iは、第1閾値を上回る範囲(特に、Z方向に沿った範囲)として、高さ範囲を設定する。第1測定範囲設定部8iは、本実施形態における「測定範囲設定部」の例示である。
すなわち、干渉画像から干渉縞が見出される場合にあっても、その干渉縞のピーク位置が画面内の極一部を占める場合には、白色干渉法による測定を行うには不都合であると考えられる。そこで、干渉縞のピーク位置の算出に成功した画素数に基づいた設定を行うことで、より適切に高さ範囲を設定することができるようになる。
なお、干渉画像を構成する画素の数は、高さ範囲を設定するときには、表面形状を測定するときに比して削減してもよい。これにより、高さ範囲を高速で設定することができる。また、判定の指標となる第1閾値は、基本的には記憶装置82に記憶されているものの、外部からの操作入力等に基づいて、適宜変更することができる。
また、図7Eに示されるように、第1測定範囲設定部8iは、高さ範囲の設定に際してステージ23または対物レンズ54の高さ位置を変化させるときには、合焦演算部8eによって算出された合焦位置Zpを基準とした開始位置を設定し、その開始位置からステージ23または対物レンズ54を上方または下方に向かって所定のZピッチ(第3ピッチ)で移動させる。
なお、図7Eの中央図に示されるように、本実施形態に係る第1測定範囲設定部8iは、合焦位置Zpを開始位置に設定するように構成されている。しかしながら、本開示は、そうした構成には限定されない。例えば、合焦位置ZpからZ方向に沿って上方または下方に変位させた高さ位置を開始位置(この場合、開始位置≠合焦位置Zpとなる)とし、その開始位置からステージ23または対物レンズ54を下方または上方に向かって第3ピッチで移動させることで高さ位置を変化させてもよい。
また、ステージ23の各高さ位置同士の間隔は、第1測定範囲設定部8iが高さ範囲を設定する場合には、第1測定部8kがサンプルSPの表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定することができる。すなわち、図7Aの第3列と、図7Eの各図の比較と、から示されるように、高さ範囲が設定されるとき(第1測定範囲設定部8iが高さ範囲を設定するとき)には、表面形状が測定されるとき(第1測定部8kまたは第2測定部8lがサンプルSPの表面形状を測定するとき)に比して、Zピッチ(第3ピッチ)をより粗く設定することが許容される。高さ範囲の設定に際して用いられるZピッチである第3ピッチは、第1ピッチと同様に粗めに設定することができる。
例えば図6Eにおいて、白抜きのサークル状のプロットは高さ範囲の設定時に用いられる高さ位置を指し、クロス状のプロットは、前述のように表面形状の測定時に用いられる高さ位置を指す。図6Eに示されるように、本実施形態に係る第3ピッチは、前述した第1ピッチと同様に、表面形状が測定されるときに用いられるZピッチ(第4ピッチ)に比して粗く(広く)設定することができる。
第1測定範囲設定部8iによって設定された高さ範囲と、その高さ範囲を分割することで得られた各高さ位置は、第1測定部8kまたは第2測定部8lに入力される。
-第2測定範囲設定部8j-
一方、第2測定範囲設定部8jは、合焦演算部8eによって合焦位置Zpが演算された後、焦点調整部8fによってステージ23の相対的な高さ位置が調整された状態(高さ位置が合焦位置Zpに調整された状態)で、第2の撮像部としての受光部66により生成された画像(レーザ画像)に基づいた高さ範囲の設定を開始する。
ここで、第2測定範囲設定部8jは、ステージ23または対物レンズ54の高さ位置を変化させた状態で受光部66を介してレーザ画像を生成する。次いで、第2測定範囲設定部8jは、各高さ位置で生成されたレーザ画像中の複数の画素について、受光部66において生成される受光信号に対応した画素データを画素単位で生成する。そして、第2測定範囲設定部8jは、複数の画素データの全ての値が所定の第2閾値を下回る範囲として高さ範囲を設定する。第2測定範囲設定部8jは、本実施形態における「第2の測定範囲設定部」の例示である。
ここで、画素データは、受光部66の出力信号(受光信号)をA/D変換することで得られるデジタル信号である。そのため、画素データの値は、受光素子66aのゲインが大きくなるほど大きく、受光素子66aのゲインが小さくなるほど小さい。また、画素データは、不図示のA/D変換器から出力される。
また、第2閾値は、例えば、A/D変換器の出力レンジの上限値(以下、「出力上限値」ともいう)とすることができる。画素データのピーク値が出力上限値よりも小さい場合、画素データが出力上限値で飽和しない。したがって、第2閾値としての出力上限値に基づいた判定を行うことで、画素データのピーク値を容易に検出することができる。
また、レーザ画像を生成する際には、走査制御部8aを介してレーザ光を走査することが求められる。その際、第1方向および第2方向における走査範囲Rsc及びスキャン間隔(例えば、図7Dにおけるレーザ光の照射位置Ps同士の間隔(特に、第1方向および第2方向それぞれの間隔))は、前述のような高さ範囲を設定する場合には、表面形状を測定する場合に比して広くしてもよい(間引きスキャン)。これにより、高さ範囲を高速で設定することができる。また、判定の指標となる第2閾値は、基本的には記憶装置82に記憶されているものの、外部からの操作入力等に基づいて、適宜変更することができる。
また、高さ範囲の設定に際してステージ23または対物レンズ54の高さ位置を変化させるときには、合焦演算部8eによって算出された合焦位置Zpを基準とした開始位置を設定し、その開始位置からステージ23または対物レンズ54を上方または下方に向かって所定のZピッチ(第3ピッチ)で移動させる。
なお、本実施形態に係る第2測定範囲設定部8jは、合焦位置Zpを開始位置に設定するように構成されているが、この構成には限定されない。例えば、合焦位置Zpから上方または下方に変位させた高さ位置を開始位置とし、その開始位置からステージ23または対物レンズ54を下方または上方に向かって第3ピッチで移動させることで高さ位置を変化させてもよい。
また、ステージ23の各高さ位置同士の間隔は、第2測定範囲設定部8jが高さ範囲を設定する場合には、第1測定部8kがサンプルSPの表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定される。すなわち、図7Aに例示されるように、高さ範囲が設定されるときには、表面形状が測定されるときに比して、Zピッチ(第3ピッチ)をより粗く設定することが許容される。
例えば図6Fにおいて、白抜きのサークル状のプロットは高さ範囲の設定時に用いられる高さ位置を指し、クロス状のプロットは、前述のように表面形状の測定時に用いられる高さ位置を指す。図6Fに示されるように、本実施形態に係る第3ピッチは、前述した第1ピッチと同様に、表面形状が測定されるときに用いられるZピッチ(第4ピッチ)に比して粗く(広く)設定することができる。
なお、第2測定範囲設定部8jに係る「第3ピッチ」については、その技術的な意義を明確にすべく、第1測定範囲設定部8iに係る「第3ピッチ」と同一の名称を付して説明したが、この名称は便宜上に設定されたものに過ぎない。すなわち、第2測定範囲設定部8jに係る「第3ピッチ」と第1測定範囲設定部8iに係る「第3ピッチ」とは、同じ長さに設定する必要はなく、互いに相違させることができる。第4ピッチについても同様である。
-第1測定部8k-
図6Aは、1つの画素において、サンプルSPのZ方向の相対位置と、白色光の干渉光に起因する受光強度と、の関係を例示する図である。第1測定部8kは、前述のように白色干渉法を使用してサンプルSPの表面形状を測定する。具体的に、第1測定部8kは、合焦位置Zpを含んだ高さ範囲内に定められる複数の高さ位置において撮像部58により撮像された複数の干渉画像に基づいて、サンプルSPの表面形状を測定する。
なお、サンプルSPの表面形状は、サンプルSPの三次元形状、テクスチャと呼ぶこともできる。このことは、第2測定部8lによって測定される表面形状についても同様である。
詳しくは、第1測定部8kは、白色干渉の原理を使用することで、サンプルSPの表面形状を把握できる干渉画像(第1画像データ)を取得する。この第1画像データは、撮像部58による撮像範囲毎に取得される。この撮像範囲は、対物レンズ54の拡大倍率等に応じて定まる。
まず、ステージ23ひいてはサンプルSPの高さ位置が固定された状態で、撮像範囲内に白色光が照射される。この白色光は、干渉対物レンズOc内に設けた分岐光学系55において、参照ミラー55bによって反射される参照光と、サンプルSPによって反射される測定光とに分岐する。このうち、測定光の反射光は、参照光とともに撮像部58に照射され、その撮像素子58aによって受光される。撮像素子58aによって受光された測定光および参照光は、互いに重なり合って干渉画像を生成する。このとき、干渉画像に対応した受光強度が取得されるが、その受光強度は、干渉画像の画素毎に取得される。
次に、Z方向駆動部71によって、干渉対物レンズOcの高さ位置を所定の第4ピッチで変化させる。これにより、干渉対物レンズOcの高さ位置が前回とは異なる状態になり、その高さ位置を異ならせた状態でサンプルSPに白色光が照射される。これにより、高さ位置を異ならせた干渉画像が生成される。この干渉画像の画素毎に、受光強度がモニターされる。これが、高さ位置毎に繰り返される。
このとき、Z方向における干渉対物レンズOcの移動範囲は、第1測定範囲設定部8iまたは第2測定範囲設定部8jが設定した高さ範囲に等しく、高さ位置の変化幅である第4ピッチは、その高さ範囲を等間隔で分割したものに等しい(図7Eを参照)。図6D、図6E及び図6Fを用いて説明したように、第4ピッチは、オートフォーカス時に用いられるZピッチである第1ピッチと、高さ範囲の設定時に用いられるZピッチである第3ピッチと、の双方に比して細かく(狭く)設定することができる。
干渉画像の画素数は、撮像素子58aの受光面に配置された画素の数によって定まるが、両者の数を一致させる必要はない。デジタルズームの有無、データ容量の削減等の観点から、撮像素子58aを構成する画素のうちの一部を干渉画像の生成に使用してもよい。
また、撮像部58の画角よりも広範囲内にわたって撮像された干渉画像が望まれる場合、駆動制御部8bがXY方向駆動部73を制御することで、ステージ23をX方向またはY方向に移動させる。そして、前回とは異なる撮像範囲に白色光を照射して、その撮像範囲に対応した干渉画像を撮像する。この処理を各高さ位置で実行し、得られた干渉画像を継ぎ合わせることで一体的な第1画像データが生成される。
ここで、図6Aに例示されるように、サンプルSPの表面が干渉対物レンズOcの焦点と一致するとき(合焦位置Zpにあるとき)、その表面によって反射された測定光と参照ミラー55bによって反射された参照光は、互いに強め合った状態で撮像素子58aに入射する。その結果、撮像素子58aにおける受光強度が最大になる。
一方、サンプルSPの表面が干渉対物レンズOcの焦点と一致しないとき(非合焦位置にあるとき)、撮像素子58aにおける受光強度は、増減を繰り返しつつも、合焦位置Zpから離れるにしたがって徐々に減衰する。その結果、干渉縞を示す明暗模様は、干渉画像から消失することになる。換言すれば、合焦位置Zp付近においてのみ、干渉画像中に干渉縞が現れるようになっている。
このように、サンプルSPの表面が干渉対物レンズOcの焦点と一致するときに、撮像素子58aの受光強度分布がピークを迎える(図6Aの強度Ipを参照)。受光強度分布はまた、合焦位置から離れるに従って、フレア成分としての参照光に起因した値に収束する(図6Aの強度Ibを参照)。第2画像データとしての干渉画像に基づいて、Z方向に対する受光強度の変化を示す曲線(Z-Iカーブ)を画素毎に得ることができる。
受光強度のピーク位置(Z方向の位置、Z座標)を示すデータを画素毎に取得することで、サンプルSPの表面と、干渉対物レンズOcと、の間の距離を示す情報(高さ情報)を画素毎に取得することができるようになる。この高さ情報に基づいて、サンプルSPの表面形状を測定することができる。
ここで、「焦点が一致しないとき」というのは、隣接画素間の輝度差がなくなること(輝度比が1に近づくこと)であり、逆に、「焦点が一致しているとき」というのは、隣接画素間の輝度差(輝度比)が、焦点が合っていないときに比べ大きい状態と換言することもできる。
また、実際の測定の際は、Z方向に干渉対物レンズOcを動かして、その際に現れる干渉縞のコントラスト変化、位相変化等を解析することで、サンプルSP表面の凹凸等を示すデータを取得することができる。
第1測定部8kによって生成された第1画像データは、表示制御部8cによって、表示部41に表示される。ユーザは、表示された第1画像データを目視することで、サンプルSPの表面形状を把握することができる。
-第2測定部8l-
図6Bは、1つの画素において、サンプルSPのZ方向の相対位置と、レーザ光の反射光に起因する受光強度と、の関係を例示する図である。第2測定部8lは、前述のようにレーザ共焦点法を使用してサンプルSPの表面形状を測定する。具体的に、第2測定部8lは、走査制御部8aがレーザ光走査部63を制御することによって走査されたレーザ光の反射光の受光強度に基づいて、サンプルSPの表面形状を測定する。
詳しくは、第2測定部8lは、レーザ共焦点の原理を使用することで、サンプルSPの表面形状を把握できるレーザ画像(第2画像データ)を取得する。この第2画像データは、サンプルSP上の単位領域毎に取得される。この単位領域は、対物レンズ54の倍率等に応じて定まる。単位領域毎の第2画像データは、前述の画素データに基づいて生成される。
まず、ステージ23ひいてはサンプルSPの高さ位置が固定された状態で、レーザ光走査部63により単位領域内でレーザ光がX方向に走査される。X方向の走査が終了すると、レーザ光の照射位置が、レーザ光走査部63によりY方向に一定の間隔だけ移動する。その移動後に、レーザ光がX方向に走査される。単位領域でのレーザ光のX方向の走査及びY方向の移動が繰り返されることにより、単位領域のX方向及びY方向の走査が終了する。
その際、2次元的に走査されたレーザ光の反射光は、ピンホール65a等からなる共焦点光学系(レーザ光学系6)を介して受光部66に照射され、その受光素子66aによって受光される。
次に、Z方向駆動部71によって、対物レンズ54の高さ位置を変化させる。これにより、対物レンズ54の高さ位置が前回とは異なる状態になり、その高さ位置を異ならせた状態で、単位領域のX方向及びY方向の走査が行われる。その後、対物レンズ54の高さ位置を所定ピッチ(第4ピッチ)で移動させて、単位領域のX方向及びY方向の走査が行われる。これが、単位領域毎に繰り返される。既に説明したように、第4ピッチは、オートフォーカス時に用いられるZピッチ(第1ピッチ)と、高さ範囲の設定時に用いられるZピッチ(第3ピッチ)と、よりも細かく(狭く)設定することができる(図6D~図6Fおよび図7Aの第3列を参照)。
第2画像データのX方向の画素数はレーザ光走査部63によるレーザ光のX方向の走査速度と、サンプリング周期と、によって定まる。1回のX方向の走査(1本の走査線)におけるサンプリング数がX方向の画素数となる。また、Y方向の画素数は、X方向の走査の終了毎の、レーザ光走査部63によるレーザ光のY方向の変移量により定まる。Y方向における走査線の数が、Y方向の画素数となる。
単位領域のX方向及びY方向の走査が終了すると、駆動制御部8bがXY方向駆動部73を制御することで、ステージ23をX方向またはY方向に移動させる。そして、前回とは異なる別の単位領域において、同様にX方向及びY方向の走査を行う。これを繰り返して複数の単位領域についてX方向及びY方向の走査を行う。得られた各単位領域の第2画像データを連結することで、一体的な第2画像データにすることができる。
ここで、図6Bを参照して説明したように、サンプルSPの表面が対物レンズ54の焦点と一致するとき(合焦位置Zpにあるとき)、その表面によって反射された反射光は、ピンホール65a付近で収束した状態で受光素子66aに入射する。その結果、受光素子66aにおける受光強度が最大になる。
一方、サンプルSPの表面が対物レンズ54の焦点と一致しないとき(非合焦位置にあるとき)、その表面によって反射された反射光は、その大部分がピンホール65aによって遮蔽された状態で受光素子66aに入射する。その結果、受光素子66aにおける受光強度は、合焦位置Zpに比して大幅に小さくなる。
このように、サンプルSPの表面が対物レンズ54の焦点と一致するときに、受光素子66aの受光強度分布に急峻なピークが表れる(図6Bの強度Ipを参照)。各単位領域での第1画像データに基づいて、Z方向に対する受光強度の変化を示す曲線(Z-Iカーブ)を画素毎に得ることができる。
受光強度のピーク位置(Z方向の位置、Z座標)を示すデータを画素毎に取得することで、サンプルSPの表面と、対物レンズ54と、の間の距離を示す情報(高さ情報)を画素毎に取得することができるようになる。各画素の配置に従って高さ情報を並べることで、サンプルSPの表面形状を把握可能な第2画像データが生成される。
第2測定部8lによって生成された第2画像データは、表示制御部8cによって、表示部41に表示される。ユーザは、表示された第2画像データを目視することで、サンプルSPの表面形状を把握することができる。
<測定手順の具体例>
-基本フロー-
図8は、白色干渉顕微鏡1によるサンプルSPの測定手順を例示するフローチャートである。まず、白色干渉顕微鏡1が起動されると、ステップS1では、白色干渉顕微鏡1の動作内容(動作モード)と、その動作時に用いる使用原理と、が選択される。
ここで、動作モードとは、前述したように、サンプルSPの表面形状を測定する第1モードと、サンプルSPの膜厚を測定する第2モード(詳細は省略)と、サンプルSPを観察するための第3モードと、に相当する。ユーザは、表示部41上に表示された画面に対してクリック操作等を行うことで、白色干渉顕微鏡1に実行させるべき動作内容を選択する。モード切替部8dは、ユーザによって選択された動作内容に対応する画面を表示部41上に表示させる。
後述のように、表示部41上に表示される画面は、レーザ画像、干渉画像、表面形状の測定結果等、ユーザに各種情報を伝える一方、キーボード42、マウス43等の操作入力を受け付けるユーザインターフェース(User Interface:UI)として機能する。このUIについては後述する。
また、ステップS1で選択可能な使用原理には、少なくとも、白色干渉法と、レーザ共焦点法と、が含まれる。この他、フォーカス合成等、他の原理をユーザに選択させてもよい。
続くステップS2では、前述した画面をユーザが操作することで、各動作モードに用いられるパラメータの設定モードが選択される。本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、パラメータの設定モードとして、ユニット制御系8が自動的にパラメータを設定する自動設定モード(「簡単設定」ともいう)と、ユーザ自らがキーボード42等を操作してパラメータを設定する手動設定モード(「基本設定」ともいう)と、を実行することができる。モード切替部8dは、ユーザによって選択された設定モードに対応する情報を表示部41上に表示させる。
続くステップS3では、電動レボルバ74に装着された複数の対物レンズ54のうち、拡大倍率が最も低い対物レンズ54に切り替えられる。この切替は、設定モードが選択され次第、駆動制御部8bが自動的に行ってもよいし、ユーザが手動で行ってもよい。
続くステップS4では、ステージ23にサンプルSPが載置される。
なお、前記ステップS1~S4の順番は、前述したフローには限定されない。例えば、ステップS1とステップS2の順番を入れ替えてもよいし、ステップS1よりも早いタイミングでステップS4を実行してもよい。図8に示すフローは、例示に過ぎない。
続くステップS5では、サンプルSP上の測定箇所が探索され、その測定箇所にフォーカスを大まかに合わせる(大まかなピント合わせ)。このピント合わせは、ユーザが手動で行ってもよいし、焦点調整部8f等が自動で行ってもよい。
続くステップS6では、測定に用いる対物レンズ54が選択される。この選択は、表示部41上に表示されるUIを介してユーザが手動で行うようになっている。
ここで、ステップS1において白色干渉法が選択されている場合は、対物レンズ54として、対物レンズ54と分岐光学系55とを組み合わせてなる干渉対物レンズOcが選択される。しかしながら、本開示は、そうした構成には限定されない。前述のように、白色干渉法を用いて測定を行う場合にあっても、その測定に先だって、レーザ共焦点法を用いたオートフォーカスが実行されるようになっている。そのため、白色干渉法が選択された場合にあっても、一時的に、分岐光学系55を非具備とした通常の対物レンズ54が選択されるように構成してもよい。
一方、ステップS1においてレーザ共焦点法が選択されている場合、ステップS6において、対物レンズ54として、分岐光学系55を非具備とした通常の対物レンズ54が選択される。
ステップS6において対物レンズ54が選択されると、駆動制御部8bが電動レボルバ74を作動させ、サンプルSP上の前記測定箇所に対し、選択された対物レンズ54の先端面を対峙させる。
続くステップS7では、ユニット制御系8が、使用原理として白色干渉法が選択されているか否かを判定する。白色干渉法が選択されていると判定された場合(ステップS7:YES)、制御プロセスはステップS8に進み、傾き調整部8hがサンプルSPの傾きを調整する。一方、レーザ共焦点法が選択されていると判定された場合(ステップS7:NO)、制御プロセスは、ステップS8をスキップしてステップS9に進む。なお、レーザ共焦点法が選択されている場合にも、傾き調整部8hによる傾きの調整を実行してもよい。
続くステップS9では、ステップS1およびステップS2での選択に基づいて、各種パラメータの設定、サンプルSPの表面形状の測定等が実行される。以下、第1モード(サンプルSPの表面形状を測定するための動作モード)が選択された場合についてのみ説明する。
-ユーザインターフェースの具体例-
図15~図17は、表示部41上に表示されるUIの具体例を示す図である。
具体的に、図15は、各種パラメータの簡単設定時における表示画面を例示する図である。また、図16は、白色干渉法による測定時の表示画面を例示する図であり、図17は、各種パラメータの基本設定時における表示画面を例示する図である。
ここで、第1表示領域R1は、サンプルSPの表面(観察面)を一部拡大して表示するための領域であり、第2表示領域R2は、サンプルSPの表面全体を俯瞰的に捉えて表示するための領域である。
また、第2表示領域R2中に表示される矩形状の枠Rgは、第1表示領域R1として拡大表示された領域を示すための枠である。図15等に示す例では、マーキングパターンPtのうちの一部(特に、矩形部分の角部)が、第1表示領域R1内に表示されている。
ここで、ボタンB2は、画面上に表示される画像を取得する手段を選択するためのUIである。このボタンB2をクリック操作することで、撮像部58によって撮像されるカメラ画像を第1および第2表示領域R1,R2に表示させたり(カメラ)、サンプルSPの表面上でレーザ光を走査することで生成されるレーザ画像を第1および第2表示領域R1,R2に表示させたり(レーザ)することができる。図例では、前者の「カメラ」が表示された状態にある。
また、ボタンB2の周辺には、カメラ画像の生成に際し、白色光源51から照射される白色光を用いるか、前述したリング照明54aから照射される光を用いるかをユーザに選択させるためのUIが表示されていたり、各光源の明るさを調整するためのUIが表示されていたりする。図例では、前者の白色光源51が選択された状態にある(図中では「同軸」と表示)。
白色干渉顕微鏡1が起動されて、動作モードとして第1モードが選択されると、図15に例示される画面が表示される。ここで、タブT1~T3は、白色干渉顕微鏡1の動作モードを切り替えるためのUIである。
例えば、タブT1をクリック操作すると第3モード(サンプルSPを観察するための動作モード)が選択され、タブT2をクリック操作すると第1モードが選択され、タブT3をクリック操作すると第2モード(サンプルSPの膜厚を測定するための動作モード)が選択される。図15~図17のいずれにおいても、第1モードが選択された状態にある。
また、ボタンB3は、各種パラメータの設定モードを選択するためのUIである。図例では、ボタンB3をクリック操作することで、前述の自動設定モード(簡単設定)と、手動設定モード(基本設定)と、のうちの一方を選択することができる。なお、図15では自動設定モードが選択された状態にあり、図17では手動設定モードが選択された状態にある。
また、ボタンB1は、測定に用いる使用原理を選択するためのUIである。図15と図17との比較から示されるように、ボタンB1は、自動設定モードが選択されたときと、手動設定モードが選択されたときと、の双方で表示される。このボタンB1をクリック操作することで、レーザ共焦点法と、白色干渉法と、のうちの一方を選択することができる。フォーカス合成等、他の原理を実行可能に構成した場合、ボタンB1の周辺には、他の原理を選択するためのボタンが追加で表示される。図例では、白色干渉法が選択された状態にある。
また、ボタンB4は、複数の対物レンズ54の中から、サンプルSPに対峙させる対物レンズ54を選択するためのUIである。図例では、レーザ共焦点法に適した5つの対物レンズ54と、白色干渉法に適した1つの干渉対物レンズOcと、が並んだ状態で表示されている。このうちのいずれか1つをクリック操作することで、対物レンズ54が選択される。図例では、干渉対物レンズOcが選択された状態にある。
この他、自動設定モードが選択された場合は、視野の合わせ方をガイドするためのボタンB5と、傾き調整をガイドするためのボタンB6と、が画面上に表示され、手動設定モードが選択された場合は、各種パラメータを手動で調整するためのボタン群B8が画面上に表示される。
また、図15~図17の画面右下に配置された測定開始ボタンBsが押下されると、サンプルSPの表面形状の測定が開始されるようになっている。測定開始ボタンBsが押下されるタイミングについては後述する。
-各種処理の具体例-
以下、各種パラメータの設定に係る処理と、設定されたパラメータに基づいた測定に係る処理と、について順番に説明する。図9は、白色干渉顕微鏡によるパラメータの設定手順を例示するフローチャートである。図9に示すステップS11~S18は、図8のステップS9に示す処理の詳細を例示するものである。
まず、図9のステップS11において、パラメータの設定モードとして、自動設定モードが選択されているか否かを判定する。この判定は、例えばモード切替部8dが行うようになっている。
自動設定モードが選択されていると判定された場合(ステップS11:YES)、制御プロセスは、ステップS11からステップS12に進む。この場合、図15等に例示した測定開始ボタンBsが押下され次第、ユニット制御系8は、各種パラメータの自動設定と、自動で設定されたパラメータに基づいた測定と、を続けて実行する。
一方、自動設定モードが選択されていないと判定された場合(ステップS11:NO)、制御プロセスは、ステップS11からステップS17へ進む。この場合、ステップS17において、図17に例示したボタン群B8がユーザによって操作され、各種パラメータが手動で設定される。それに続いて、ステップS18において測定開始ボタンBsが押下されると、ステップS16において白色干渉法またはレーザ共焦点法を用いた表面形状の測定が実行されてリターンするようになっている。
ステップS12に戻ると、同ステップにおいて測定開始ボタンBsが押下されると、制御プロセスはステップS12からステップS13へ進む。ステップS13においては、表面形状の測定に用いられる原理にかかわらず、レーザ共焦点法を用いたオートフォーカス(自動的なフォーカス合わせ)が実行される。
図10は、図9のステップS13で行われる具体的な処理を例示した図である。すなわち、図10は、白色干渉顕微鏡1によるオートフォーカスの実行手順を例示するフローチャートである。
まず、図10のステップS101において、受光素子66aのゲインが一時的に増大される。これにより、サンプルSPに対してレーザ光を照射したときに、合焦位置Zpに対応する反射光をより確実に捉えることが可能となる。レーザ共焦点法を用いたオートフォーカスの場合、合焦位置Zpから外れた状態であっても、受光素子66aのゲインを大幅に高めることが許容される。
続くステップS102において、駆動制御部8bがZ方向駆動部71を制御することで、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置(Z位置)が、所定の第1ピッチで変化する。そして、ユニット制御系8がレーザ光源61を制御することで、各Z位置でサンプルSPにレーザ光を照射する。前述したように、この第1ピッチは、レーザ共焦点法による測定時に用いられるZピッチ(第4ピッチ)に比して、粗めに設定される(図7Aも参照)。
続くステップS103において、走査制御部8aがレーザ光走査部63を制御することで、レーザ光をX方向に沿った数列分だけ直線状に走査する。すなわち、X方向については略全域にわたって走査される一方、Y方向については数画素分だけ走査されることになる。そうして走査されたレーザ光の反射光は、ピンホール65a等からなるレーザ光学系6(共焦点光学系)を介して受光素子66aに向かう。前述のように、対物レンズ54の焦点がサンプルSPの表面と一致する場合は受光素子66aに到達する一方、一致しない場合はピンホール65aによって遮断されるようになっている。
続くステップS104においては、記憶装置82が、Z位置毎に受光強度を記憶する。
続くステップS105においては、合焦演算部8eが、複数のZ位置の中から、受光強度が最大となるZ位置(合焦位置Zp)を探索する。既に説明したように、合焦位置Zpの探索は、各Z位置と関連付けて記憶された受光強度を、放物線、ガウス関数等を用いてフィッティングすることで実行可能となる。
続くステップS106において、焦点調整部8fがZ方向駆動部71を制御することで、前記ステップS105で探索された合焦位置Zpを実現するように、ステージ23または対物レンズ54の高さ位置を調整する。これにより、対物レンズ54のフォーカス合わせが完了する(オートフォーカスが完了する)。
ところで、公知の構成の場合、レーザ共焦点法を用いたオートフォーカスは、通常の対物レンズ54を用いて行うことが想定されている。しかしながら、前述のように、本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、通常の対物レンズ54の代わりに、干渉対物レンズOcを選択した状態でオートフォーカスを行うこともできる。通常の対物レンズ54を用いて得られる合焦位置Zpと、干渉対物レンズOcを用いて得られる合焦位置Zpとの間には、レンズ等の光学部品の光学特性(具体的には、色収差)と、各光学部品を通過する光の波長とが相まって生じるズレが存在する。
言い換えると、合焦位置Zpのズレは、レーザ特性、走査領域のレイアウト、サンプルSPの凹凸等、測定の度に変化するものではなく、レンズの光学特性に依存するものに過ぎない。したがって、合焦位置Zpのズレを予め測定し、記憶装置82等に記憶させておくことができる。本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、干渉対物レンズOcを用いて合焦位置Zpが測定された場合に、記憶装置82の記憶内容に基づいて、合焦位置Zpのズレを補正するように構成されている。
具体的に、ステップS106から続くステップS107において、ユニット制御系8は、合焦演算部8eが合焦位置Zpを演算したときに、干渉対物レンズOcが使用されたか否かを判定する。そして、干渉対物レンズOcが使用されたと判定された場合(ステップS107:YES)、制御プロセスはステップS108へ進む。この場合、記憶装置82に記憶されたズレの分だけ、合焦位置Zpが補正される。一方、干渉対物レンズOcが使用されていないと判定された場合(ステップS107:NO)、制御プロセスは、ステップS108をスキップしてリターンする。
図10に示すフローが終了すると、制御プロセスは、図9のステップS13からステップS14へ進む。図11は、図9のステップS14で行われる具体的な処理を例示した図である。すなわち、図11は、オートフォーカス後の明るさ調整の実行手順を例示するフローチャートである。
なお、図9のステップS14および図11に示すフローは、白色干渉法を用いてサンプルSPの表面形状が測定される場合に行われる処理である。例えば、測定用の使用原理としてレーザ共焦点法が選択されている場合は、それらの処理は実行されずにスキップされるようになっている。
まず、図11のステップS201において、駆動制御部8bがZ方向駆動部71を制御することで、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置(Z位置)が、所定の第2ピッチで変化する。前述したように、この第2ピッチの大きさは、対物レンズ54の開口数等には依存せず、白色光の波長に基づいて決定される。また、高さ位置を変化させる際の初期位置は、合焦位置Zpとしてもよいし、合焦位置Zpに基づいて設定された他の高さ位置としてもよい。
いずれにせよ、明るさ調整に先だって合焦位置Zpを探索しておくことで、ある程度フォーカスが合った状態から白色光の明るさを調整することができる。これにより、受光強度の飽和の発生を抑制することができる。図11に例示される処理は、レーザ共焦法によるオートフォーカスと、白色干渉法による形状測定と、をスムースに繋げることができるという点で有効である。
そして、ユニット制御系8が白色光源51を制御することで、各Z位置でサンプルSPに白色光を照射する。白色光を照射することで、各Z位置に関連付いた干渉画像を撮像することができる。本実施形態では、初期位置としての合焦位置Zpから対物レンズ54を第2ピッチで2回上昇させた各Z位置と、合焦位置Zpから対物レンズ54を第2ピッチで2回下降させた各Z位置と、で干渉画像の撮像が実行される。
続くステップS202において、明るさ調整部8gは、各Z位置で撮像された複数枚の干渉画像のうち、最も明るい画素を含んだ干渉画像を選択する。この選択は、画素毎に受光強度(輝度)を解析することで行うことができる。
続くステップS203において、明るさ調整部8gは、ステップS203で選択された干渉画像について、各画素の受光強度が非飽和となる範囲内で、その干渉画像のゲインと露光時間を設定する。ステップS203で設定されたパラメータは、白色干渉法を用いた測定時に用いられる。
図11に示すフローが終了すると、制御プロセスは、図9のステップS14からステップS15へ進む。図12は、図9のステップS15で行われる具体的な処理を例示した図である。すなわち、図12は、白色干渉法を用いた高さ範囲の設定手順を例示するフローチャートである。
まず、図12のステップS301において、第1測定範囲設定部8iが駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置(Z位置)を所定の開始位置まで移動させる。この開始位置は、合焦位置Zpとしてもよいし、合焦位置Zpに基づいて設定された他の高さ位置としてもよい。ここでは、開始位置を合焦位置Zpとした場合について例示する。
続くステップS302において、第1測定範囲設定部8iが駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、ステップS301で移動させた開始位置から、所定の第3ピッチで対物レンズ54のZ位置を上方に移動させる(ステージ23と対物レンズ54との間隔が広がるように移動させる)。そして、第3ピッチ毎に移動させた各Z位置で、第1測定範囲設定部8iが、白色光学系5による干渉画像の生成を実行する。前述したように、この第3ピッチは、レーザ共焦点法による測定時に用いられるZピッチ(第4ピッチ)に比して、粗めに設定される(図7Aも参照)。
前述のように、干渉画像中に干渉縞が存在しない場合、フォーカスが合っておらず、白色干渉法およびレーザ共焦点法を用いるには不適切なZ位置であると考えられる。換言すれば、干渉画像から干渉縞が消失するようなZ位置を探索することで、表面形状の測定に用いられる高さ範囲の境界とすることができる。
具体的に、ステップS303において、第1測定範囲設定部8iは、ステップS302で生成された干渉画像から干渉縞のピーク位置を算出し、そのピーク位置の算出に成功した画素数が、画面内で所定の第1閾値以下になるか否かを判定する。制御プロセスは、ステップS303の判定がYESの場合(例えば、干渉画像中に干渉縞が存在しない場合)にはステップS304へ進む一方、NOの場合にはステップS302へ戻る。
続くステップS304において、第1測定範囲設定部8iは、現在のZ位置が予め定めた探索範囲から外れたか否かを判定し、この判定がYESの場合(探索範囲外にある場合)にはステップS305へ進む一方、NOの場合(探索範囲内にある場合)には、探索範囲内での撮像を取りこぼしなく行うべく、ステップS302へ戻る。
続くステップS305において、第1測定範囲設定部8iは、現在のZ位置を、高さ範囲の上限位置に設定する。第1測定範囲設定部8iは、設定された上限位置を記憶装置82に記憶させる。
続くステップS306において、第1測定範囲設定部8iが駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、Z位置を開始位置(合焦位置Zp)まで戻す。
続くステップS307において、第1測定範囲設定部8iは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、ステップS306移動させた開始位置から、ステップS302とは反対方向へ移動するように、所定の第3ピッチで対物レンズ54のZ位置を下方に移動させる(ステージ23と対物レンズ54との間隔が狭くなるように移動させる)。そして、第3ピッチ毎に移動させた各Z位置で、第1測定範囲設定部8iは、白色光学系5による干渉画像の生成を実行する。
続くステップS308において、第1測定範囲設定部8iは、ステップS307で生成された干渉画像中に干渉縞が存在するか否かを判定し、この判定がYESの場合(干渉縞が消失した場合)にはステップS309へ進む一方、NOの場合(干渉縞が存在する場合)にはステップS307へ戻る。
続くステップS309において、第1測定範囲設定部8iは、現在のZ位置が予め定めた探索範囲から外れたか否かを判定し、この判定がYESの場合(探索範囲外にある場合)にはステップS310へ進む一方、NOの場合(探索範囲内にある場合)には、探索範囲内での撮像を取りこぼしなく行うべく、ステップS307へ戻る。
続くステップS310において、第1測定範囲設定部8iは、現在のZ位置を、高さ範囲の下限位置に設定する。第1測定範囲設定部8iは、設定された下限位置を記憶装置82に記憶させる。
続くステップS311において、第1測定範囲設定部8iは、上限位置と下限位置との間隔を等間隔で分割することで測定用の第4ピッチを設定する。前述のように、第4ピッチは、オートフォーカス用の第1ピッチ、および高さ範囲設定用の第3ピッチよりも狭くなるように設定される。
なお、白色干渉法を用いた高さ範囲の設定は、一例に過ぎない。白色干渉法を用いる代わりに、レーザ共焦点法を用いて設定することもできる。その場合、図12に例示したフローの代わりに、図13に例示されるフローが実行される。すなわち、図13は、レーザ共焦点法を用いた高さ範囲の設定手順を例示するフローチャートである。
まず、図13のステップS401において、第2測定範囲設定部8jが駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置(Z位置)を所定の開始位置まで移動させる。この開始位置は、図12のステップS301と同様に設定される。ここでは、開始位置を合焦位置Zpとした場合について例示する。
続くステップS402において、ステップS401で移動させた開始位置から、所定の第3ピッチで対物レンズ54のZ位置を上方に移動させる。そして、第3ピッチ毎に移動させた各Z位置で、第2測定範囲設定部8jが、レーザ光学系6によるレーザ画像の生成を実行する。第2測定範囲設定部8jはまた、各Z位置(高さ位置)で生成されたレーザ画像中の複数の画素について、受光部66にて生成される受光信号に対応した画素データを画素単位で生成する。画素データのピーク値が出力上限値よりも大きい場合、画素データが出力上限値(第2閾値)で飽和する可能性がある。換言すれば、レーザ画像中に所定以上に明るい箇所が存在する場合、表面形状を測定するためのZ位置として用いるには不適切と考えられる。画素データが飽和しないような高さ範囲を探索することで、その高さ範囲を表面形状の測定に用いることができる。
具体的に、ステップS403において、第2測定範囲設定部8jは、ステップS402で生成された複数の画素データの全ての値が第2閾値を下回るか否かを判定し、この判定がYESの場合(所定以上の明るさの箇所が存在しない場合)にはステップS404へ進む一方、NOの場合(所定以上の明るさの箇所が存在する場合)にステップS402へ戻る。
続くステップS404において、第2測定範囲設定部8jは、現在のZ位置が予め定めた探索範囲から外れたか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS405へ進む一方、NOの場合には、ステップS402へ戻る。
続くステップS405において、第2測定範囲設定部8jは、現在のZ位置を、高さ範囲の上限位置に設定する。それに続くステップ406において、第2測定範囲設定部8jは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、Z位置を開始位置(合焦位置Zp)まで戻す。
続くステップS407において、第2測定範囲設定部8jは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を制御することで、ステップS401で移動させた開始位置から、ステップS402とは反対方向へ移動するように、所定の第3ピッチで対物レンズ54のZ位置を下方に移動させる(ステージ23と対物レンズ54との間隔が狭くなるように移動させる)。そして、第3ピッチ毎に移動させた各Z位置で、第2測定範囲設定部8jが、レーザ光学系6によるレーザ画像の生成を実行する。
続くステップS408において、第2測定範囲設定部8jは、ステップS403と同様の判定を実行し、その判定がYESの場合にはステップS409へ進む一方、NOの場合にはステップS407へ戻る。
続くステップS409において、第2測定範囲設定部8jは、ステップS404と同様の判定を実行し、その判定がYESの場合にはステップS410へ進む一方、NOの場合にはステップS407へ戻る。
続くステップS410において、第2測定範囲設定部8jは、現在のZ位置を、高さ範囲の下限位置に設定する。それに続くステップS411において、第2測定範囲設定部8j、上限位置と下限位置との間隔を等間隔で分割することで測定用の第4ピッチを設定する。前述のように、第4ピッチは、オートフォーカス用の第1ピッチ、および高さ範囲設定用の第3ピッチよりも狭くなるように設定される。
図12または図13に示すフローが終了すると、制御プロセスは、図9のステップS15からステップS16へ進む。図14は、図9のステップS16で行われる具体的な処理を例示した図である。すなわち、図14は、白色干渉顕微鏡1による表面形状の測定手順を例示するフローチャートである。
まず、図14のステップS501において、駆動制御部8bがZ方向駆動部71を制御することで、対物レンズ54に対するステージ23の相対的な高さ位置(Z位置)を、第1または第2測定範囲設定部8i,8jが設定した高さ範囲内に移動させる。
続くステップS502において、ユニット制御系8が、使用原理として白色干渉法が選択されているか否かを判定する。ここで、白色干渉法が選択されていると判定された場合(ステップS502:YES)、制御プロセスは、ステップS502からステップS503へ進む。この場合、白色干渉法を用いた測定が実行される。
一方、ステップS502において白色干渉法が選択されておらず、例えばレーザ共焦点法が選択されていると判定された場合(ステップS502:NO)、制御プロセスは、ステップS502からステップS508へ進む。この場合、図例ではレーザ共焦点法を用いた測定が実行される。
ステップS502からステップS503に進んだ場合、第1測定部8kは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を作動させることで、前述の第4ピッチでZ位置を変化させる。そして、第1測定部8kは、第4ピッチ毎に移動させた各Z位置で、白色光源51から白色光を照射させる。
続くステップS504においては、測定光の反射光と参照光とを干渉させてなる干渉光が撮像素子58a上に照射され、画素毎の受光強度を示す信号が、第1測定部8kに入力される。
続くステップS505では、ステップS504で入力された信号に基づいて、Z位置毎に干渉画像が生成される。この場合、図16に示すように、干渉画像中には、干渉縞S1,S2,S3が現れることになる。それに続くステップS506では、Z位置を異ならせた複数の干渉画像に基づいて、第1測定部8kがサンプルSPの表面形状を測定する。
対して、ステップS502からステップS508に進んだ場合、第2測定部8lは、駆動制御部8bを介してZ方向駆動部71を作動させることで、第4ピッチでZ位置を変化させる。そして、第2測定部8lは、第4ピッチ毎に移動させた各Z位置で、レーザ光源61からレーザ光を照射させる。
続くステップS509においては、前述のように単位領域毎にレ-ザ光を2次元走査し、そのレーザ光の反射光を、共焦点光学系をなすピンホール65aを介して受光する。これにより、レーザ光の反射光が受光素子66a上に照射され、画素毎の受光強度を示す信号が、第2測定部8lに入力される。
続くステップS510では、ステップS509で入力された信号に基づいて、Z位置毎にレーザ画像が生成される。それに続くステップS511では、Z位置を異ならせた複数のレーザ画像に基づいて、第2測定部8lがサンプルSPの表面形状を測定する。
最終的に、ステップS506またはステップS511から続くステップS507において、表示制御部8cが表示部41を制御することで、この表示部41上に、第1測定部8kまたは第2測定部8lによる表面形状の測定結果が表示される。
(レーザ共焦点法と白色干渉法とを組み合わせた測定手法について)
以上説明したように、本実施形態に係る白色干渉顕微鏡1は、図7Aに例示したように、合焦位置Zpを探索する際に、白色干渉法ではなく、レーザ光による共焦点の原理(レーザ共焦点法)を利用する。これにより、ある程度フォーカスさせた状態から合焦位置Zpを探索せずとも、撮像素子58aのゲインを十分に高めておくことができるようになる。その結果、手間および時間等の観点で有利になり、ひいては、フォーカスを合わせる際のユーザビリティを向上させることが可能となる。
また、図7Aに例示したように、白色干渉顕微鏡1は、レーザ共焦点法を用いて合焦位置Zpを探索する場合には、レーザ共焦点法を用いて表面形状を測定する場合に比して、より狭い範囲をレーザ光で走査する。走査範囲を狭くした分だけ、合焦位置Zpをより速やかに探索することができるようになる。特に、合焦位置Zpの探索に際してライン状にレーザ光を走査することで、合焦位置Zpをより速やかに探索することができるようになる。
一般に、レーザ共焦点法を通じて得られる受光強度は、ステージ23の相対的な高さ位置を変化させたときに、白色干渉法を通じて得られる受光強度(特に、フレア成分に起因した受光強度Ibに対する、干渉縞に起因する成分|Ip-Ib|の相対的な大きさ)に比して、より緩やかに変化する。換言すれば、レーザ共焦点法を通じて得られる受光強度のピーク幅は、白色干渉法に係るピーク幅に比して、相対的に幅広となる。
そのため、レーザ共焦点法を用いて合焦位置Zpを探索する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合に比して、探索、測定等に用いる高さ位置同士の間隔(高さ方向のピッチ)をより広くすることが許容される。
そこで、図6D及び図7Aに例示したように、レーザ共焦点法を用いて合焦位置Zpを探索する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合に比して、高さ方向のピッチを相対的に粗く(広く)設定する。このように設定することで、合焦位置Zpをより高速で探索することができるようになる。
また、図12に例示したように、第1測定範囲設定部8iは、白色干渉法を用いることで、表面形状の測定に用いる高さ範囲を設定する。干渉画像に干渉縞が含まれていないときには、測定光と参照光とが干渉しておらず、白色干渉法を用いることができない。そこで、図12のステップS303に例示したように、干渉縞の数に基づいた設定を行うことで、より適切に高さ範囲を定めることができるようになる。
またそもそも、図9に例示したように、合焦位置Zpを探索した後に高さ範囲を設定するように構成することで、その合焦位置Zpを含んだ高さ範囲を、精度よくかつ高速に設定することが可能になる。このことは、高さ範囲等の各種設定をスムースに行う上で、極めて有用である。
さらに、合焦位置Zpを基準とした開始位置から高さ範囲の設定を開始することで、ある程度フォーカスを合わせた状態から高さ範囲を設定することができるようになる。これにより、高さ範囲を高速で設定することができるようになる。
また、図13に例示したように、第2測定範囲設定部jは、レーザ共焦点法を用いることで、表面形状の測定に用いる高さ範囲を設定する。画像が過度に暗い場合、レーザ光のフォーカスが合っていないと考えられる。そこで、図13のステップS403に例示したように、画像の明るさに基づいた設定を行うことで、より適切に高さ範囲を定めることができるようになる。
また、高さ範囲を設定する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合ほど、干渉画像の精密に解析する必要はない。そのため、探索、測定等に用いる高さ位置同士の間隔(高さ方向のピッチ)をより広くすることが許容される。
そこで、図7Aに例示したように、高さ範囲(測定範囲)を設定する場合には、白色干渉法を用いて表面形状を測定する場合に比して、高さ方向のピッチを相対的に粗く(広く)設定する。このように設定することで、高さ範囲をより高速で設定することができるようになる。
また、合焦位置Zpを基準とした開始位置から高さ範囲の設定を開始することで、ある程度フォーカスを合わせた状態から明るさを調整することができるようになる。これにより、フレア成分等に起因した飽和を招くことなく、明るさを適切に調整することができる。この構成は、レーザ共焦点法によるフォーカス合わせに係る処理と、白色干渉法による形状測定に係る処理と、をスムースに繋ぐことができるという点においても極めて有用である。
《他の実施形態》
前記実施形態では、合焦演算部8eによる合焦位置Zpの探索に際し、各Z位置でレーザ光をライン状に走査するように構成されていたが、本開示は、そうした構成には限定されない。レーザ光を走査せずに、特定の箇所にのみ照射してもよい。
また、図8等、各種フローチャートの構成は、適宜、変更することができる。例えば、図8のステップS1とステップS2の順番を入れ替えたり、ステップS2とステップS3の順番を入れ替えたりしてもよいし、図9のステップS14とステップS15の順番を入れ替えてもよい。
また、前記実施形態では、干渉対物レンズOcに分岐光学系55が内蔵されている構成を例示したが、本開示は、そうした構成には限定されない。干渉対物レンズOc内に配置する代わりに、観察ユニット2内に分岐光学系55を配置してもよい。そのように配置した場合、分岐光学系55は、観察ユニット2の各光学部品を結ぶ光路に対して挿抜可能な光学素子として構成することができる。
前述のように挿抜可能な光学素子が用いられる場合、その光学素子は、白色干渉法による測定が実行される場合には光路上に挿入される一方、レーザ共焦点法による測定が実行される場合には光路から退避されることになる。また、この光学素子は、測定が実行されるタイミングに限らず、白色光源51を単なる照明として用いる場合、レーザ光を用いた種々の処理を行う場合等に必要に応じて挿抜することもできる。
1 白色干渉顕微鏡
23 ステージ
5 白色光学系
51 白色光源
54 対物レンズ
55 分岐光学系
55b 参照ミラー
58 撮像部
6 レーザ光学系(共焦点光学系)
61 レーザ光源
63 レーザ光走査部
65a ピンホール
66 受光部
7 ユニット駆動系
71 Z方向駆動部(駆動部)
8 ユニット制御系
8a 走査制御部
8e 合焦演算部(演算部)
8f 焦点調整部
8g 明るさ調整部
8i 第1測定範囲設定部(測定範囲設定部)
8j 第2測定範囲設定部(測定範囲設定部)
8k 第1測定部(測定部)
8l 第2測定部(第2の測定部)
Oc 干渉対物レンズ
SP サンプル(測定対象物)
Zp 合焦位置

Claims (12)

  1. 測定対象物を載置するためのステージと、
    前記ステージ上に載置された前記測定対象物に、対物レンズを介して白色光を照射する白色光源と、
    前記白色光源から照射された白色光を、所定の参照面に向かう参照光と、前記測定対象物に向かう測定光と、に分岐させる分岐光学系と、
    前記参照面によって反射された参照光と、前記測定対象物によって反射された測定光と、を受光して干渉画像を撮像する撮像部と、
    前記干渉画像に基づいて、前記測定対象物の表面形状を測定する測定部と、を備える白色干渉顕微鏡であって、
    前記対物レンズと同一のまたは異なる対物レンズを介して前記測定対象物に向けてレーザ光を照射するレーザ光源と、
    前記測定対象物からのレーザ光の反射光を、前記対物レンズを有する共焦点光学系を介して受光するとともに、該反射光の受光強度に応じた受光信号を生成する受光部と、
    前記対物レンズに対する前記ステージの相対的な高さ位置を変化させる駆動部と、
    前記ステージまたは前記対物レンズの各高さ位置で前記受光部によって生成された受光信号に基づいて、前記対物レンズの焦点が前記測定対象物の表面に一致する合焦位置を算出する演算部と、
    前記駆動部を作動させることで前記ステージまたは前記対物レンズの高さ位置を調整することによって、該高さ位置を前記演算部によって算出された前記合焦位置に一致させる焦点調整部と、を備え、
    前記測定部は、前記合焦位置を含んだ高さ範囲内に定められる複数の高さ位置において前記撮像部により撮像された複数の干渉画像に基づいて、前記測定対象物の表面形状を測定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  2. 請求項1に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記レーザ光源から照射されるレーザ光を、前記測定対象物の表面上で走査するレーザ光走査部と、
    前記レーザ光走査部を作動させる走査制御部と、
    前記走査制御部が前記レーザ光走査部を制御することによって走査されたレーザ光の反射光の受光強度に基づいて、前記測定対象物の表面形状を測定する第2の測定部と、を備え、
    前記走査制御部は、前記ステージの各高さ位置において前記レーザ光走査部を作動させることで、前記演算部による前記合焦位置の算出に際して前記レーザ光を走査し、
    前記レーザ光走査部によるレーザ光の走査範囲は、前記演算部が前記合焦位置を算出する場合には、前記第2の測定部が前記表面形状を測定する場合に比して狭く設定される
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  3. 請求項2に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記レーザ光走査部は、所定の第1方向と、該第1方向に直交する第2方向と、の少なくとも一方に沿ってレーザ光を走査し、
    前記レーザ光走査部によるレーザ光の走査範囲は、前記演算部が前記合焦位置を算出する場合には、前記第2の測定部が表面形状を測定する場合に比して、前記第1および第2方向のうちの一方における寸法が短く設定される
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記ステージの相対的な高さ位置を変化させるときの各高さ位置同士の間隔は、前記演算部が前記合焦位置を算出する場合には、前記測定部が前記測定対象物の表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定される
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記演算部によって前記合焦位置が演算された後に、前記撮像部により撮像された前記干渉画像に基づいて前記高さ範囲を設定する測定範囲設定部を備え、
    前記測定範囲設定部は、前記合焦位置を基準として設定される開始位置から前記ステージの相対的な高さ位置を変化させた状態で前記撮像部を介して干渉画像を生成するとともに各高さ位置で生成された干渉画像から干渉縞のピーク位置を算出し、該ピーク位置の算出に成功した画素数が所定の第1閾値を上回る範囲として、前記高さ範囲を設定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記演算部によって前記合焦位置が演算された後に、前記受光部によって生成される受光信号に基づいて前記高さ範囲を設定する測定範囲設定部を備え、
    前記測定範囲設定部は、前記合焦位置を基準として設定される開始位置から前記ステージの相対的な高さ位置を変化させた状態で前記受光信号に基づいて画像を生成し、
    前記測定範囲設定部は、各高さ位置で生成される画像中の複数の画素について、前記受光部において生成される受光信号に対応した画素データを生成し、
    前記測定範囲設定部は、前記複数の画素データの全ての値が所定の第2閾値を下回る範囲として、前記高さ範囲を設定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  7. 請求項5または6に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記ステージの相対的な高さ位置を変化させるときの各高さ位置同士の間隔は、前記測定範囲設定部が前記高さ範囲を設定する場合には、前記測定部が前記測定対象物の表面形状を測定する場合に比して広くなるように設定される
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  8. 請求項5から7のいずれか1項に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記測定範囲設定部は、前記合焦位置を前記開始位置に設定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  9. 請求項5から8のいずれか1項に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記高さ範囲は、前記合焦位置以上となるように設定される上限位置と、前記合焦位置以下となるように設定される下限位置と、によって区画される範囲として設定され、
    前記測定範囲設定部は、前記下限位置を設定した後に、前記上限位置を設定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  10. 請求項9に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記測定範囲設定部は、前記上限位置と前記下限位置とが設定された状態で、前記上限位置と前記下限位置との間隔を等間隔で分割することで、前記測定部が前記測定対象物の表面形状を測定する場合における前記ステージの各高さ位置を設定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記演算部によって前記合焦位置が演算された後に、前記撮像部により撮像された前記干渉画像に基づいて前記白色光源の明るさを調整する明るさ調整部を備え、
    前記明るさ調整部は、前記合焦位置を基準として設定される開始位置から前記ステージの相対的な高さ位置を変化させた状態で前記撮像部を介して干渉画像を生成し、
    前記明るさ調整部は、前記撮像部によって各高さ位置で生成された干渉画像のうち、相対的に明るい画素を含んだ干渉画像を抽出し、該干渉画像中の各画素の明るさが非飽和となる範囲内で、前記白色光源の明るさを調整する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
  12. 請求項11に記載された白色干渉顕微鏡において、
    前記明るさ調整部は、前記合焦位置を前記開始位置に設定する
    ことを特徴とする白色干渉顕微鏡。
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