JP4818634B2 - 走査型蛍光観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走査型蛍光観察装置に関するものである。
従来、白色光観察を行うための顕微鏡の対物レンズにおいて発生する種々の収差を補正するために、反射面形状を可変としたアダプティブミラーが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。アダプティブミラーによれば、対物レンズに入射させる光の波面を調節して対物レンズの焦点位置が収差によって変動することを防止できる。
特開平11−101942号公報
しかしながら、特許文献1の顕微鏡は、白色光観察を行うためのものであり、その波長範囲は比較的狭い範囲に限定されている。
これに対して、レーザ走査型共焦点蛍光顕微鏡のように、対物レンズに入射させるレーザ光の波長帯域が広い範囲にわたる場合には、特許文献1のように、対物レンズに入射する光の波面を調節するだけでは、色収差による分解能の低下を十分に抑制することが困難であり、鮮明な蛍光画像を取得することができないという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、紫外線領域から赤外線領域までの広い波長帯域の励起光を試料に照射しても、鮮明な蛍光画像を取得することを可能とする走査型蛍光観察装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、複数の異なる波長の励起光を出射可能な光源装置と、該光源装置から出射された励起光を走査する走査装置と、該走査装置により走査された励起光を試料に集光する対物光学系と、励起光を照射された試料において発生し、対物光学系、走査装置を介して戻る蛍光を集光する集光光学系と、該集光光学系により集光された蛍光を検出する光検出装置と、前記励起光の光路上に配置され、励起光の波面を調節する第1の波面調節装置と、前記蛍光の光路上に配置され、蛍光の波面を調節する第2の波面調節装置と、前記光源装置から出射される励起光の波長に基づいて、前記第1および第2の波面調節装置を連動させる制御装置とを備え、前記第1の波面調節装置および前記第2の波面調節装置が、形状可変ミラーまたは液晶光学素子のいずれかからなる走査型蛍光観察装置を提供する。
本発明によれば、光源装置から出射された励起光は、走査装置により走査された後に対物光学系を経て試料に集光される。励起光を照射された試料からは、試料内に含有される蛍光物質および励起光の波長に応じた蛍光が発生する。試料において発生した蛍光は、対物光学系および走査装置を経て戻り、集光光学系により集光されて光検出装置により検出される。これにより、試料の蛍光画像を取得することができる。
この場合において、励起光の光路上には第1の波面調節装置が配置されているので、第1の波面調節装置の作動により、励起光の波面が調節される。光源装置から出射される励起光の波長が異なる場合、光源装置から対物光学系までの種々の光学要素の色収差に基づいて、試料に照射される励起光の試料における集光位置が変動するため、励起光の波長に応じて第1の波面調節装置を作動させることにより、励起光の波長が変化しても同一位置に集光させることが可能となる。
また、蛍光の光路上には第2の波面調節装置が配置されているので、第2の波面調節装置の作動により、蛍光の波面が調節される。試料から発せられる蛍光が励起光の波長の相違に基づいて変化する場合、試料から光検出装置までの種々の光学要素の色収差に基づいて、光検出装置に検出される蛍光の強度が変動するため、蛍光の波長に応じて第2の波面調節装置を作動させることにより、蛍光の波長が変化しても、蛍光を同一位置に集光させることができる。
例えば、集光光学系の集光位置に共焦点ピンホールを有する共焦点観察装置の場合、蛍光の波長に関わらず、共焦点ピンホールの位置に蛍光を集光させることができる。したがって、試料の同一位置から発生した蛍光が、その蛍光の波長に依存して検出されたりされなかったりする不都合を防止でき、試料の同一位置における複数色の蛍光画像を精度よく取得することができる。
また、本発明によれば、制御装置の作動により第1の波面調節装置および第2の波面調節装置が連動させられる。第1の波面調節装置により励起光の波面が調節され、第2の波面調節装置により蛍光の波面が調節されるが、励起光の波長によって発生する蛍光の波長が異なるため、制御装置が励起光の波長に基づいて第1および第2の波面調節装置を連動させることにより、試料における励起光の集光位置および光検出装置における蛍光の集光位置の両方が自動的に調節されることになる。
また、第1の波面調節装置および第2の波面調節装置を、形状可変ミラーまたは液晶光学素子のいずれかから構成することで、簡易に、励起光の波長に基づいて励起光および蛍光の波面を調節することができる
上記発明においては、前記励起光の光路から、前記光検出装置に向かう蛍光を分岐する蛍光分岐手段を備え、前記第1の波面調節装置が、前記光源装置と前記蛍光分岐手段との間に配置され、前記第2の波面調節装置が、前記蛍光分岐手段と前記光検出装置との間に配置されていることが好ましい。
このように構成することで、光源装置と蛍光分岐手段との間および蛍光分岐手段と光検出装置との間に、それぞれ励起光のみおよび蛍光のみの光路が設けられる。これにより、第1の波面調節装置が励起光のみの光路において励起光の波面を調節し、第2の波面調節装置が蛍光のみの光路において蛍光の波面を調節することができる。したがって、励起光の波面調節と蛍光の波面調節とを独立して行うことが可能となり、両者の調節を容易にすることができる。蛍光分岐手段としては、例えば、ダイクロイックミラーが用いられる。
また、上記発明においては、前記蛍光を波長毎に分岐する蛍光波長分岐手段を備え、前記第2の波面調節装置が、前記蛍光波長分岐手段と前記光検出装置との間に配置されていることとしてもよい。
このように構成することで、試料から複数波長の蛍光が発生する場合に、蛍光波長分岐手段の作動により、蛍光を波長毎に分岐することができる。したがって、複数の波長の蛍光を波長毎に波面調節して、同一位置に集光させることが可能となる。この場合に、全ての蛍光に対して第2の波面調節装置を配置してもよいが、基準となる波長以外の波長の蛍光に対して第2の波面調節装置を配置してもよい。また、色収差が同等の波長の蛍光に対しては、第2の波面調節装置を共通化することにしてもよい。なお、蛍光波長分岐手段としては、例えば、ダイクロイックミラーが用いられる。
また、上記発明においては、前記励起光を波長毎に分岐する励起光波長分岐手段を備え、前記第1の波面調節装置が、前記励起光波長分岐手段と前記蛍光分岐手段との間に配置されていることとしてもよい。
このように構成することで、光源装置から複数波長の励起光が出射される場合に、励起光波長分岐手段の作動により、励起光を波長毎に分岐し、第1の波面調節装置により波長毎に波面調節することができる。この場合に、全ての波長の励起光に対して第1の波面調節装置を配置してもよいが、基準となる波長以外の波長の励起光に対して第1の波面調節装置を配置してもよい。また、色収差が同等の波長の励起光に対しては、第1の波面調節装置を共通化することにしてもよい。なお、励起光波長分岐手段としては、例えば、ダイクロイックミラーが用いられる。
また、上記発明においては、前記第1の波面調節装置および/または前記第2の波面調節装置が、前記対物レンズの入射瞳位置またはこれと共役な位置に配置されていることが好ましい。
このように構成することで、波面を調節する第1の波面調節装置および/または第2の波面調節装置に入射させる励起光および/または蛍光の光束径の変動を最小限に抑えることができる。したがって、励起光および/または蛍光の波面調節を容易にすることができる。
本発明によれば、異なる波長の励起光を光源装置から出射しても、励起光の波長にかかわらず、試料の同一位置に励起光を集光させることができ、また、光検出装置の同一位置に蛍光を集光させることができる。その結果、波長の異なる励起光を光源装置から出射しても、光学要素の色収差に基づく集光位置の変動が防止され、試料の同一位置における鮮明な蛍光画像を精度よく取得することができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る走査型蛍光観察装置1について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る走査型蛍光観察装置1は、図1に示されるように、光学ユニット2と、観察装置本体3と、これらを制御する制御装置4とを備えている。
光学ユニット2は、光源装置5と、光検出装置6と、光源装置5からの光路と光検出装置6への光路とを分岐するダイクロイックミラー7とを備えている。
光源装置5は、例えば、波長の異なる3つのレーザ光源8と、各レーザ光源8から発せられたレーザ光(励起光)Lを略平行光にするコリメートレンズ9と、これら3つのレーザ光源8から出射された3種類の波長のレーザ光Lを同一光路に合流させるミラー10およびダイクロイックミラー11とを備えている。
前記光検出装置6は、ダイクロイックミラー7によって分岐された蛍光Fを集光する集光レンズ12と、該集光レンズ12による蛍光Fの集光位置に配置されるピンホール13と、ピンホール13を通過した蛍光Fを検出する光検出器14とを備えている。前記集光レンズ12は、該集光レンズ12を光軸方向に沿って移動させる移動装置12aを備えている。光検出器14は、例えば、光電子増倍管(PMT:Photo Multiplier Tube)である。
前記観察装置本体3は、光源装置5から発せられたレーザ光Lを集光して、第1の中間像を結像させる第1のリレーレンズ15と、第1の中間像を結像したレーザ光Lを集光して略平行光にする第2のリレーレンズ16と、略平行光にされたレーザ光Lを2次元的に走査する走査装置17と、2次元的に走査されたレーザ光Lを集光して第2の中間像を結像させる瞳投影レンズ18と、第2の中間像を結像したレーザ光Lを略平行光にする結像レンズ19と、略平行光にされたレーザ光Lを集光して試料Aに照射する対物レンズ20とを備えている。図中、符号21はミラー、符号22は、シャーレ23内に収容した生体試料等の試料Aを載置するステージである。
また、観察装置本体3は、ダイクロイックミラー7と第1のリレーレンズ15との間に配置された形状可変ミラー24を備えている。形状可変ミラー24は、図示しない複数のアクチュエータを備え、与えられる電気信号に応じて各アクチュエータを駆動させることにより、所望の反射面形状を達成することができるようになっている。これにより、反射するレーザ光Lの波面を調節することができるようなっている。また、形状可変ミラー24は、前記対物レンズ20の入射瞳位置と略共役な位置関係に配置されている。
前記走査装置17は、例えば、一対のガルバノミラーにより構成されている。一対のガルバノミラーの角度をそれぞれ変化させることにより、レーザ光Lを2次元的に走査させることができるようになっている。
前記制御装置4は、光源装置5から出射されるレーザ光Lの波長と、形状可変ミラー24の反射面形状とを対応づけて記憶しており、波長が与えられたときに、その反射面形状を達成するための電気信号を形状可変ミラー24に入力するように構成されている。また、制御装置4は、光源装置5から出射されるレーザ光Lの波長と、集光レンズ12の位置とを対応づけて記憶しており、レーザ光Lの波長が与えられたときに、その位置に集光レンズ12を移動させるべく移動装置12aを駆動するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る走査型蛍光観察装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る走査型蛍光観察装置1を用いて試料Aを蛍光観察する場合に、光源装置5から出射させるレーザ光Lの波長を選択すると、制御装置4の作動により、形状可変ミラー24の反射面形状および集光レンズ12の位置が設定される。この状態で、選択された波長のレーザ光Lがレーザ光源8から出射されると、レーザ光Lは、ダイクロイックミラー7によって反射された後に、形状可変ミラー24によって反射される。
その後、第1のリレーレンズ15および第2のリレーレンズ16を介してリレーされたレーザ光Lは、走査装置17によって2次元的に走査される。走査されたレーザ光Lは、瞳投影レンズ18、結像レンズ19および対物レンズ20を介して試料Aに集光される。試料Aにおいては、レーザ光Lを照射されることにより、内部に含有されている蛍光物質が励起されて、レーザ光Lの波長に対応した波長の蛍光Fが発せられる。
発生した蛍光Fは、対物レンズ20、結像レンズ19、瞳投影レンズ18、走査装置17、第2のリレーレンズ16および第1のリレーレンズ15を介して戻り、形状可変ミラー24によって反射された後にダイクロイックミラー7を透過させられることによって、レーザ光Lから分岐させられる。そして、集光レンズ12によって、ピンホール13の位置に集光させられた後に、光検出器14によって検出されることになる。
次に、他の波長のレーザ光Lを発生するレーザ光源8が選択されたときには、同様にして制御装置4の作動により、該レーザ光Lの波長に対応する反射面形状に形状可変ミラー24が設定されるとともに、これと連動して、集光レンズ12の位置が設定される。
これにより、レーザ光Lの波長が変化しても、形状可変ミラー24の作動によって、レーザ光Lの波面が調節されるので、レーザ光Lは、その波長にかかわらず、試料Aの同一位置に集光させられる。
また、レーザ光Lの波長が変化することによって、試料Aにおいて発生する蛍光Fの波長が変化しても、移動装置12aの作動によって集光レンズ12の位置が調節されるので、蛍光Fは、その波長にかかわらず、同一位置に配置されているピンホール13を通過させられて光検出器14により検出されることになる。
本実施形態に係る走査型蛍光観察装置1においては、試料Aにおける焦点位置と、ピンホール13の位置とは互いに共役な位置関係に配置されるので、試料Aの焦点位置において発生した蛍光Fのみがピンホール13を通過して光検出器14により検出されることになる。したがって、高い空間的分解能を有する蛍光画像を取得することができる。
この場合において、本実施形態に係る走査型蛍光観察装置1によれば、レーザ光源8が切り替えられることにより、試料Aに照射されるレーザ光Lの波長が変化しても、形状可変ミラー24の作動によって、色収差が補正されるので、試料Aの深さ方向の同一位置にレーザ光Lを集光させることができる。また、レーザ光Lの波長が変化させられることにより、試料Aにおいて発生する蛍光Fの波長も変化するが、光検出器14に至るまでの光学系において色収差が発生しても形状可変ミラー24および集光レンズ12によって補正される。
したがって、複数の波長のレーザ光Lを用いて試料Aの深さ方向の同一の観察位置の蛍光画像を取得することができる。
特に、本実施形態に係る走査型蛍光観察装置1においては、形状可変ミラー24が対物レンズ20の入射瞳位置と共役な位置に配置されているので、形状可変ミラー24の位置におけるレーザ光Lの光束径の変化が抑制される。したがって、形状可変ミラー24によるレーザ光Lの波面の調節を、簡易かつ精度よく行うことができる。
なお、本実施形態においては、3つのレーザ光源8を備える光源装置5を例示したが、これに限定されるものではなく、2以上の異なる波長のレーザ光Lを出射可能な2以上のレーザ光源8を備えていてもよい。また、出射するレーザ光Lの波長を連続的に、あるいは断続的に変更可能な波長可変のレーザ光源8を採用してもよい。この場合に、レーザ光源8から出射するレーザ光Lの波長をレーザ光源8に指示するとともに、制御装置4に入力することとしてもよく、また、レーザ光源8から出射されるレーザ光Lの波長を実際に測定し、測定された波長を制御装置4に入力することにしてもよい。
また、波面調節装置として形状可変ミラー24および光軸方向に移動可能な集光レンズ12を例示したが、これに代えて、液晶光学素子を採用してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る走査型蛍光観察装置30について、図2を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る走査型蛍光観察装置1と構成を共通とする箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る走査型蛍光観察装置30は、図2に示されるように、ダイクロイックミラー11によって同一光路に合流されたレーザ光Lを集光するカップリングレンズ31と、該カップリングレンズ31による集光位置に一端を配置された光ファイバ32と、該光ファイバ32により伝播され、他端から出射されるレーザ光Lを略平行光にするコリメートレンズ33とを備えている。
また、本実施形態においては、レーザ光Lの波面を調節する形状可変ミラー34が、コリメートレンズ33とダイクロイックミラー7との間に配置されている。また、蛍光Fの波面を調節する形状可変ミラー35がダイクロイックミラー7と集光レンズ12との間に配置されている。
このように構成された本実施形態に係る走査型蛍光観察装置30によれば、形状可変ミラー34,35が、それぞれレーザ光Lのみおよび蛍光Fのみの光路上に配置されているので、レーザ光Lおよび蛍光Fの波面を独立に調節することができる。したがって、試料Aにおける集光位置と、ピンホール13への集光位置とを個別に調節でき、調節を簡易に、かつ精度よく行うことができる。
なお、本実施形態に係る走査型蛍光観察装置30においては、レーザ光Lを伝播する光ファイバ32を用いているが、レーザ光Lの波長の変化による色収差の発生により、光ファイバ32への集光位置も変動する場合がある。このため、図3に示されるように、光ファイバ32の端面への集光位置の変動を防止するために、光ファイバ32の端面とレーザ光源8との間に形状可変ミラー36を配置して、レーザ光Lの波長に基づいて光ファイバ32に入射させるレーザ光Lの波面を調節することとしてもよい。
特に、CARS顕微鏡(Coherent Anti-stokes Raman Spectroscopy)のように、異なる波長の2つのレーザ光を試料Aに照射して、試料A内において可干渉的に相互作用したストークス・ラマン散乱により、単一の非ストークス波長で強い蛍光を得る用途には適している。
また、図4に示されるように、複数の波長のレーザ光Lの内、特定の波長のレーザ光L1については色収差の補正を必要とせず、他の波長のレーザ光L2についてのみ波面を調節するために、レーザ光L2をダイクロイックミラー37によって波長毎に分岐し、色収差の補正が必要な波長のレーザ光L2についてのみ、形状可変ミラー38によって波面を調節することとしてもよい。
また、図5に示されるように、複数の波長のレーザ光Lを同時に試料Aに照射して、試料Aにおいて発生する複数の波長の蛍光F1,F2を同時に取得する用途においては、レーザ光Lから分岐された蛍光Fを、ダイクロイックミラー39によって、さらに波長毎に蛍光F1,F2に分岐し、分岐された蛍光F1,F2を波長毎に別個の形状可変ミラー35によって波面調節することにしてもよい。
[第1実施例]
次に、本発明に係る走査型蛍光観察装置の第1実施例について、図6〜図12および表1〜表10を参照して以下に説明する。
本実施例に係る走査型蛍光観察装置は、ほぼ第1の実施形態に対応するもので、図6に示されるように、集光レンズ12に代えて形状可変ミラーDMF2を用いている点において第1の実施形態と相違している。図6においては、光源装置5を省略している。
各光学要素間の距離は表1に示される通りである。
Figure 0004818634
対物レンズのレンズデータを図7および表2に示す。
Figure 0004818634
また、結像レンズのレンズデータを図8および表3に示す。
Figure 0004818634
また、瞳投影レンズのレンズデータを図9および表4に示す。
Figure 0004818634
また、リレーレンズR1,R2のレンズデータを図10および表5に示す。リレーレンズR1,R2は同一のレンズデータを有する。
Figure 0004818634
さらに、集光レンズのレンズデータを図11および表6に示す。
Figure 0004818634
また、形状可変データの形状例を図12〜図14に示す。本実施例においては、光の入射および出射がYZ平面内において行われるように設定されている。図中実線Bは、光の当たる領域を示している。
本実施例においては、形状可変ミラーの反射面の形状Z(x,y)を以下の数1の通りに定義する。また、2つの形状可変ミラーDFM1,DFM2の数1における変形パラメータCj(j=4,6,11,13,15)は表7および表8の通りに定義する。
Figure 0004818634
Figure 0004818634
Figure 0004818634
このように構成された本実施例に係る走査型蛍光観察装置によれば、表9に示されるように、形状可変ミラーDFM1の作用により、レーザ光Lの波長を変化させても、試料Aにおける焦点位置のずれ量ΔZを極めて小さく抑えることができることがわかる。表9には、形状可変ミラーDFM1による補正をしない場合を比較例として併せて示している。
Figure 0004818634
また、本実施例に係る走査型蛍光観察装置によれば、表10に示されるように、主として形状可変ミラーDFM2の作用により、レーザ光Lの波長を変化させても、光検出器における検出位置での蛍光のずれ量ΔZを極めて小さく抑えることができることがわかる。表10には、形状可変ミラーDFM2による補正を行わない場合を比較例として併せて示している。比較例においては、波長542nmを基準とした数値を記載している。
Figure 0004818634
[第2実施例]
次に、本発明に係る走査型蛍光観察装置の第2実施例について、図15および表11〜表13を参照して以下に説明する。
本実施例は上述した第2の実施形態に対応するものである。各レンズのレンズデータは第1実施例と同じである。また、形状可変ミラーDFM1の変形パラメータも第1実施例と同じである。図15において、各光学要素間の距離を表11に示す。図示しない距離は、第1実施例と同じである。
Figure 0004818634
表12に形状可変ミラーDFM2の変形パラメータを示す。
Figure 0004818634
本実施例に係る走査型蛍光観察装置によれば、表13に示されるように、形状可変ミラーDFM2の作用により、レーザ光Lの波長を変化させても、光検出器における検出位置での蛍光のずれ量ΔZを極めて小さく抑えることができることがわかる。表13には、形状可変ミラーDFM2による補正を行わない場合を比較例として併せて示している。比較例においては、波長542nmを基準とした数値を記載している。
Figure 0004818634

本発明の第1の実施形態に係る走査型蛍光観察装置を示す全体構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る走査型蛍光観察装置を示す全体構成図である。 図2の走査型蛍光観察装置の第1の変形例を示す全体構成図である。 図2の走査型蛍光観察装置の第2の変形例を示す全体構成図である。 図2の走査型蛍光観察装置の第3の変形例を示す全体構成図である。 本発明に係る走査型蛍光観察装置の第1実施例を示す全体構成図である。 図6の走査型蛍光観察装置の対物レンズのレンズ構成を示す図である。 図6の走査型蛍光観察装置の結像レンズのレンズ構成を示す図である。 図6の走査型蛍光観察装置の瞳投影レンズのレンズ構成を示す図である。 図6の走査型蛍光観察装置のリレーレンズのレンズ構成を示す図である。 図6の走査型蛍光観察装置の集光レンズのレンズ構成を示す図である。 図6の走査型蛍光観察装置の形状可変ミラーの反射面の形状例を示す斜視図である。 図12の形状可変ミラーの反射面のXY断面形状を示すグラフである。 図12の形状可変ミラーの反射面のYZ断面形状を示すグラフである。 本発明に係る走査型蛍光観察装置の第2実施例を示す全体構成図である。
符号の説明
A 試料
F 蛍光
L,L1,L2 レーザ光(励起光)
1,30 走査型蛍光観察装置
4 制御装置
5 光源装置
6 光検出装置
7 ダイクロイックミラー(蛍光分岐手段)
12 集光光学系
12a 移動装置(第2の波面調節装置)
17 走査装置
20 対物レンズ(対物光学系)
24,34 形状可変ミラー(第1の波面調節装置)
35 形状可変ミラー(第2の波面調節装置)
37 ダイクロイックミラー(励起光波長分岐手段)
39 ダイクロイックミラー(蛍光波長分岐手段)

Claims (5)

  1. 複数の異なる波長の励起光を出射可能な光源装置と、
    該光源装置から出射された励起光を走査する走査装置と、
    該走査装置により走査された励起光を試料に集光する対物光学系と、
    励起光を照射された試料において発生し、対物光学系、走査装置を介して戻る蛍光を集光する集光光学系と、
    該集光光学系により集光された蛍光を検出する光検出装置と、
    前記励起光の光路上に配置され、励起光の波面を調節する第1の波面調節装置と、
    前記蛍光の光路上に配置され、蛍光の波面を調節する第2の波面調節装置と、
    前記光源装置から出射される励起光の波長に基づいて、前記第1および第2の波面調節装置を連動させる制御装置とを備え
    前記第1の波面調節装置および前記第2の波面調節装置が、形状可変ミラーまたは液晶光学素子のいずれかからなる走査型蛍光観察装置。
  2. 前記励起光の光路から、前記光検出装置に向かう蛍光を分岐する蛍光分岐手段を備え、
    前記第1の波面調節装置が、前記光源装置と前記蛍光分岐手段との間に配置され、
    前記第2の波面調節装置が、前記蛍光分岐手段と前記光検出装置との間に配置されている請求項1に記載の走査型蛍光観察装置。
  3. 前記蛍光を波長毎に分岐する蛍光波長分岐手段を備え、
    前記第2の波面調節装置が、前記蛍光波長分岐手段と前記光検出装置との間に配置されている請求項2に記載の走査型蛍光観察装置。
  4. 前記励起光を波長毎に分岐する励起光波長分岐手段を備え、
    前記第1の波面調節装置が、前記励起光波長分岐手段と前記蛍光分岐手段との間に配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の走査型蛍光観察装置。
  5. 前記第1の波面調節装置および/または前記第2の波面調節装置が、前記対物レンズの入射瞳位置またはこれと共役な位置に配置されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の走査型蛍光観察装置。
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