JP4720146B2 - 分光装置および分光システム - Google Patents

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Description

本発明は、分光装置、および分光装置と共焦点顕微鏡とから成る分光システムに関する。
共焦点顕微鏡は、従来型の顕微鏡と比較して標本の2次元的な分解能が高いだけでなく光軸に沿った第3次元方向にも高い分解性能を得ることができ、生物観察分野を中心に利用が広がっている。特に、レーザ光源を備え、レーザ光を被検物である標本上で走査することで観察を行う方式の共焦点顕微鏡では、顕微鏡の光検出部がピンホールと光検出器(光電子増倍管:PMT)との組み合わせになっており、分光装置への接続が容易である。そのため、被検物の3次元形状観察だけでなく分光情報も得ることができる顕微鏡を、比較的容易に構成できるという特徴を備えている。
分光装置に設けられた波長分散素子は、入射した光を光波長毎に異なる方向に出射するものである。そのため、複数の検出セルを有する光検出器を備えて、異なる波長の光を同時に検出することによって被検物の分光情報を短時間に取得するような装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
共焦点顕微鏡による分光では蛍光を捉えて分光を行うが、被検物により反射されたり、カバーガラスによって反射されたりした励起レーザ光(以下では、この励起レーザ光を迷光と呼ぶことにする。)も分光装置に入ってくる。蛍光の強度は迷光の強度に比べて極めて弱く、例えば、蛍光の強度に対して迷光の強度が数10倍〜100倍程度となる場合もある。
そのため、蛍光の強度に光検出器(PMT)の検出感度を合わせると、励起レーザ光の強度が極めて大きいため検出器を破損してしまうおそれがある。逆に、励起レーザ光の強度に光検出器の検出感度を合わせてしまうと、検出すべき発光・蛍光の強度が小さすぎて検出がほとんどできなくなる。そこで、上述した従来の装置では、励起レーザ光の輝線位置に合わせてラインフィルタ(短冊状の遮光板)を固設し、固定遮光板により励起レーザ光を遮ることにより励起レーザ光が光検出器に入射しないようにしている。
米国特許出願公開2002/0020819号公報
ところで、分光装置に設けられた光分散素子の角度を変えたり、光分分散素子を交換した場合や、励起レーザ光の波長を変えた場合には、光検出器上における励起レーザ光の入射位置が変わる。そのため、上述した従来の分光装置では、異なる条件毎に固定遮光板を用意する必要がある。しかしながら、このように複数の固定遮光板を設けると、検出すべき光を遮ってしまうおそれがあり、検出精度を低下を招くことになる。
請求項1の発明による分光装置は、複数の波長から選択された所定の波長の照射光を被検物へ照射する照射手段と、前記照射手段によって照射された前記被検物からの光に含まれる検出対象光と前記被検物で反射された照射光とを波長毎に分散させる分散特性の異なる複数の回折格子を有する波長分散素子と、前記複数の回折格子のいずれか一つを、前記被検物からの光の光路中に選択的に配設する素子切換手段と、前記選択的に配設された回折格子によって分散された光を検出する複数の光検出セルから成る光検出器と、前記選択的に配設された回折格子によって分散された前記被検物で反射された照射光は前記光検出器で検出されないように、前記光検出器の所定の光検出セルを遮光する遮光手段と、前記選択された所定の波長の情報と、前記選択的に配設された回折格子の分散特性の情報とに基づき、前記遮光手段の遮光位置を変更する位置変更手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、不要光の波長特性により遮光手段を変更手段により変更するようにしたので、検出すべき光が遮光されてしまうのを極力抑えることができ、検出精度の低下を防止することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明による分光システムの一実施の形態を示す図であり、走査型共焦点顕微鏡を用いた分光システムの概略構成を示すブロック図である。図1の分光システムでは、顕微鏡は落射型顕微鏡で構成されており、光学的な反応のうちの反射光,蛍光,散乱光などを捉えることができる。以下では、蛍光観察を例に説明する。また、透過型顕微鏡で構成した場合には、蛍光,散乱光および透過光量による吸収の程度を捉えることができる。
図1に示す分光システムは、顕微鏡部1、光源部2,走査光学系3および分光部4で構成されている。光源部2と走査光学系3とは光ファイバ5で接続されており、同様に、走査光学系3と分光部4とは光ファイバ6で接続されている。光源部2には出力波長の異なるレーザ光源21a,21bが設けられている。なお、図1に示す例では、レーザ光源を2つ備えているが、3つ以上備えていても良い。レーザ光源21a,21bから出射された各レーザ光は全反射ミラー22およびダイクロイックミラー23を用いて同一光軸に合わせられた後に、集光レンズ24により集光されて光ファイバ5に入射する。
光ファイバ5により走査光学系3に伝送されたレーザ光はファイバ端面から所定のNAで出射され、走査光学系3内のコリメータレンズ31により平行光に変換される。コリメータレンズ31からの平行光はダイクロイックミラー32により反射され、ガルバノメータ等で構成される走査ユニット33に入射する。走査ユニット33は一対の可動式ミラーを備えていて、それらを連動して傾けることにより入射したレーザ光を対物レンズ12の光軸と直交する2方向に2次元的に走査することができる。
走査ユニット33から出射されたレーザ光は、走査レンズ34により一次像面に結像された後に、第2対物レンズ11および対物レンズ12によって被検物である試料7上に結像される。試料7上に結像されたレーザ光の像は点像となっており、対物レンズ12のNAで決まる大きさに集光されている。レーザ光を走査ユニット33により走査すると、試料7上に結像されたレーザ光L(点像)が2次元的に走査される。
試料7にレーザ光が照射されると、試料7の光学的な特性によって反射、吸収、蛍光、散乱などが照射領域において生じる。生物組織を蛍光観察する場合には、試料7の組織を複数の蛍光試薬で染色して観察する場合がある。そして、レーザ光源21a,21bを切り換えることによって、蛍光試薬に応じたレーザ光を照射してそれぞれの蛍光を観察する。
試料7の照射領域で発生した反射光,蛍光、散乱光などは、対物レンズ12および第2対物レンズ11により一次像面に結像された後に、走査レンズ34で平行光とされて走査ユニット33に入射する。試料7からの光は走査ユニット33で再び走査されることによりデスキャンされ、ダイクロイックミラー32(反射率20%のハーフミラーでも良い)から走査ユニット33に入射したレーザ光と同一の光路を逆行することになる。
走査ユニット33からダイクロイックミラー32に入射した試料7からの光はダイクロイックミラー32を透過し、レンズ35によりピンホール遮光板36のピンホール36a上に集光される。このピンホール遮光板36は試料7上のスポット状レーザ光(点像)と共役な位置関係にあり、ピンホール36a上の集光点は上記スポット光の像となっている。そのため、試料7上の他の領域から光が発生しても、その光はピンホール36a上では像を結ばないため、ほとんどがピンホール遮光板36で遮られてピンホール36aを通過することがない。
ピンホール36aを通過した光は、レンズ37により集光されて光ファイバ6に入射し、光ファイバ6により分光部4に伝達される。光ファイバ6の一方のファイバ端は分光部4の入射スリット41に対向するように接続されており、試料7からの光は光ファイバ6のNAで決まる放射角で出射され、入射スリット41から分光部4内に入射する。
図2は、分光部4の拡大詳細図である。入射スリット41から入射した光は、入射光学系を構成する反射ミラー42に入射する。反射ミラー42は入射スリット41を焦点とする凹面ミラーであり、反射ミラー42に入射した光は反射ミラー42によって反射されて平行光となり、波長分散素子である回折格子43Aに入射する。なお、回折格子43Aが固定されている回転ステージ46には、分散特性の異なる4つの回折格子43A〜43Dが設けられている。
回折格子43Aに入射した光は、光波長に応じた回折角度で回折格子43Aから出射される。入射光の波長をλ、入射角をα、出射角をβとすると、これらの間には次式(1)に示す関係が成り立っている。ただし、mは回折次数、dは回折格子43Aの格子間隔である。
sinα+sinβ=mλ/d …(1)
図2には、波長の異なる2種類の回折光L1,L2を図示した。蛍光観察を行う場合、ピンホール26aを通過して分光部4に入射する光Lはほとんどが蛍光であるが、試料7で反射されたりカバーガラスで反射されたりした励起レーザ光も若干含まれている。
蛍光は回折格子43Aにより回折されて、蛍光に含まれる波長に応じて所定の角度範囲に出射される。図2において、回折光L1は回折された蛍光の内の所定方向に出射されるものを示したものである。一方、回折光L2は励起レーザ光の回折光を示したものである。回折光L1,L2の出射方向には、出射光学系である反射ミラー44が設けられている。反射ミラー44は、分光された光を検出する光検出器45の光検出面を焦点とした凹面ミラーである。回折格子43Aで回折された光の内の所定の波長範囲の光が反射ミラー44に入射し、反射ミラー44によって光検出器45の光検出面上に集光される。
回折角の異なる回折光L1,L2はそれぞれ反射ミラー44で反射されて、光検出器45の光検出面上の異なる位置に集光される。後述するように、本実施の形態では移動可能な遮光板404が光検出器45の入射面前方(図示上方)に設けられており、この遮光板404が回折光L2の入射位置に配設される。そのため、励起レーザ光の回折光L2は遮光板404により遮られて、光検出器45に入射しないような構成となっている。
一方、回転ステージ46の角度を変更して回折格子43Aの傾きを変えると、反射ミラー44方向に回折される光の波長域が変化する。すなわち、回折格子43Aの傾きを変更することにより、光検出器45で検出される蛍光の波長帯域を変えることができる。また、上述したように回転ステージ46には分散特性の異なる複数の回折格子43A〜43Dを固定することができるので、例えば、図2で回転ステージ46を180度回転すると、回折格子43Aに代えて回折格子43Cが使用可能状態となる。
このように、回折格子43A〜43Dを切り換えて分散特性を変更することにより、例えば、光検出器45の検出波長帯域の幅を変えて分解能を変えることができる。ここでは、回転ステージ46には回折格子を4つまで装着することができるが、装着可能個数は4に限らない。
図3は光検出器45の外観を示す斜視図である。光検出器45は、複数の光検出セル(32チャンネルのPMT)400から成る光検出器アレイ45aと、遮蔽機構45bとを備えている。光検出器アレイ45aの受光面には各光検出セル400の受光面が図示左右方向に一次元的に配設されており、各光検出セル400により回折角の異なる(すなわち波長の異なる)光をそれぞれ検出する。そして、各光検出セル400から出力される検出信号を計測することで、入射した光の光強度分布を得ることができる。尚、光検出器45はPMTに限らず、CCD等のセンサでも良い。
遮蔽機構45bは、光検出器アレイ45aの前方の左右方向に沿って延在する送りネジ401と、その送りネジ401を回転駆動するステッピングモータ402と、送りネジ401の回転により光検出器アレイ45aの前方を左右方向に移動するスライダ403と、スライダに立設された遮光板404とを備えている。遮光板404には黒つや消し処理が施された金属板が用いられるが、ミラーを用いても良い。ミラーを用いた場合、反射した先で光をトラップするように構成する。遮光板404の幅寸法は、出射光学系(反射ミラー44)によるスポット投影像よりわずかに大きくしておく。
一般的に、ステッピングモータは、(a)回転角度誤差が少ない上に誤差が累積されにくい、(b)励磁電流を流すことで位置決め時に高トルクを発生させることができる、(c)フィードバック制御を行わなくても速度制御および位置制御が可能である、という利点を有しており、遮光板404の駆動の際にこれらの長所を生かすことができる。特に、オープンループの制御でも、遮光板404を高い精度で励起レーザ光入射位置に移動させることができる。もちろん、ステッピングモータ402に代えてDCサーボモータを利用しても良いが、その場合、DCサーボモータの位置決めのためのセンサとフィードバック回路が必要となり、装置が大型化するとともに高価なものとなってしまう。
図2に示すように、遮光板404は、不要光である励起レーザ光の回折光L2が光検出セル400に入射するのを防止している。不要光の入射位置である遮光板404の配設位置は、レーザ光の波長、回折格子の種類、回折格子の傾きによって決定される。なお、回折格子43Aの傾きを変えることにより光検出器アレイ45aに入射する波長帯域が変化するので、逆に検出したい波長帯域を決定することにより回折格子43Aの傾きが定まる。
図1に戻って、分光システムに設けられた顕微鏡部1,光源部2,走査光学系3および分光部4は、制御部8によってそれぞれコントロールされる。制御部8には、設定条件等を入力する入力部9が接続されている。遮光板404の位置決定に必要なユーザ入力情報は上述したようにレーザ波長、回折格子の種類、検出すべき波長帯域であり、これらの情報は入力部9から制御部8のCPU81に入力される。
CPU81は入力情報に基づいて、レーザ光源21a,21bのいずれかを光源として選択し、ステージコントローラ83を介して回転ステージ46を駆動するとともに、遮光板コントローラ84を介して遮光板404を所定の位置へと移動させる。回転ステージ46にはロータリエンコーダ等の回転センサが設けられており、そのセンサ信号はステージコントローラ83へと入力される。また、85は光検出器45を制御駆動する検出器コントローラであり、光検出器45の出力信号は検出器コントローラ85を介してCPU81へと出力される。制御部8のメモリ82には、制御に必要なデータが予め記憶されている。
《遮光板移動動作の説明》
図4は、分光システムによる検出動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1では、遮蔽機構45bの動作に必要なユーザ入力情報が入力部9により入力され、メモリ82に記憶される。ユーザ入力情報としては、レーザ波長(レーザ光源)の選択情報、回折格子43A〜43Dの選択情報および波長帯域の選択情報がある。ユーザは、これらの情報を入力部9から入力する。
ステップS2では、ステップS1のユーザ入力情報に基づいて回転ステージ46を回転駆動して、指定された回折格子を図2の回折格子3Aのように使用位置へと移動し、その後、波長帯域に応じた所定の角度に位置決めする。ステップS3では、入力されたユーザ入力情報に基づいて遮光板404を移動させるべき位置、すなわち遮光板位置を算出する。本実施形態では、レーザ波長,回折格子種類および波長帯域に応じた遮光板位置がデータ化された遮光板位置参照表(ルックアップテーブル)を予めメモリ82に格納しておき、入力されたユーザ入力情報と遮光板位置参照表とから遮光板位置(すなわち励起レーザ光入射位置)を求める。
ステップS4では、ステップS3で算出された遮光板位置まで駆動するために必要なパルス数をステッピングモータ402へ与えてステッピングモータ402を駆動し、ステップS3で求められた遮光板位置へと遮光板404を移動する。例えば、1回転360パルスのステッピングモータ204と1mmあたり2山の細目ねじの送りネジ401を用いた場合には、移動距離が10mmであれば、10×2×360=7200パルスをステッピングモータ402に送出することにより、遮光板404を所定位置へ移動させる。
そして、遮光板404を所定遮光板位置に移動したならば、ステッピングモータ402の励磁電流を停止する。続くステップS5では、入力部9から入力されたレーザ波長の選択情報に基づいて対応するレーザ光源を発光させ、試料7からの蛍光を光検出器45により検出して蛍光分光測定を行う。
なお、ステップS4においてステッピングモータ402の励磁電流を停止するのは、以下のような理由からである。分光部4においては、出射光学系である反射ミラー44の主面と光検出器45との距離が分光測定における分解能および分光範囲を決める重要な要素となっている。回折格子43Aにおける光の分散をdβ/dλとすると、光検出器45の検出面上では(距離)×(dβ/dλ)に広がる。従って、分光測定の再現性を高めるためには「距離」の再現性を高める必要がある。そのため、分光装置では低熱膨張材料を使って装置のベースを構成するのが一般的であり、さらに分光装置を恒温状態下で使用するのが原則である。
ところで、一般的に行われているステッピングモータの回転を止めておくための励磁電流は、モータ温度上昇により分光部4の温度上昇を招くことになり、分光部4に狂いを生じさせる可能性がある。そこで、本実施の形態では、遮光板404を駆動した後の停止中は、励磁電流を停止するようにした。そのため、停止位置が維持されるように粘度の高い硬めのグリスを送りネジ401に用いたり、送りネジ401の単位長さあたりの山数を多くしたり、クリック機構のような位置決め機構を用いるようにしても良い。
このように、本実施の形態では、遮光板404が移動できるので、レーザ光源21a,21bを切り換えるなどして設定条件が変化して不要光である励起レーザ光の入射位置が変化した場合でも、設定条件に応じて遮光板404を移動することにより、励起レーザ光が光検出器45に入射するのを防止することができる。その結果、光検出器45の感度を上げることにより、より精度良く蛍光測定を行うことが可能なる。
一方、前述した従来の分光装置では遮光板が固定されているため、複数のレーザ光源を用いる場合には、各レーザ光源の波長によって決まる各励起レーザ光入射位置の各々に、遮光板を配置する必要がある。そのように複数の固定遮光板を配置した場合、使用していないレーザ光源用の遮光板が検出すべき蛍光回折光の一部を遮光してしまうことになり、その結果、測定誤差が発生してしまう。
図5の(a)〜(c)はそのような蛍光回折光の遮光を説明する図であり、レーザ光源21aを用いた場合の、光検出器45の検出面上における励起レーザ光および蛍光の強度分布を模式的に示したものである。図5の(a)〜(c)において横軸は光検出セル400(図3参照)の配列方向の位置(および波長)を表しており、縦軸は回折光強度を表している。
図5(a)に示す分布曲線C1はレーザ光源21aを試料7に照射した場合の励起レーザ光の回折光を表しており、分布曲線C2はそのときの蛍光回折光を表している。また、分布曲線C3は、レーザ光21bを用いた場合の励起レーザ光の回折光を比較のために示したものである。実際には、分布曲線C2に対する分布曲線C1,C3の高さは数10倍〜100倍程度である。
従来の装置の場合、レーザ光源21a,21bの両方に対応させて、固定式遮光板を分布曲線C1および分布曲線C3の両方の位置x1,x2に配置しておく必要がある。この場合、光検出器45では、図5(b)に示すような分布曲線C21で表される蛍光回折光が計測されることになる。すなわち、位置x1,x2に配置された固定式遮光板によって励起レーザ光だけでなく蛍光回折光も遮光されるので、符号A1,A2で示す領域の蛍光回折光が計測されないことになる。そのため、分光測定に影響を与えてしまい、固定式遮光板の数が増えるほどその影響が大きくなる。
一方、本実施の形態では遮光板404を設定条件に応じて移動可能としたので、遮光板404の数は1つで十分である。レーザ光源21aを使用する場合には遮光板404を位置x1へ移動し、レーザ光源21bを使用する場合には遮光板404を位置x2へと移動する。そのため、レーザ光源21aを使用した場合に計測される蛍光回折光の分布曲線はC22のようになる。この場合、遮光板404が配置される位置x1の領域A1のみに影響が出るだけで、この影響の出る領域の数は、レーザ光源の数や回折格子の種類や回折格子の傾き角度によって決まる設定条件の数によらず一つである。このように、本実施の形態では、一つの遮光板404を移動して励起レーザ光入射位置に配置するようにしたので、遮光板404による分光計測への影響を従来より低減することができる。
従来の装置では、走査光学系3のピンホール36aと分光部4の入射スリット41とを兼ねるような構成となっている。そのため、ピンホール36aを変更すると光検出器45上に結像されるスポット光の大きさも変化する。そのため、使用される複数のピンホールの全てに対応するように、遮光板の幅を大きめに設定する必要がある。
一方、本実施の形態の分光システムでは、走査光学系3と分光部4とを光ファイバ6で接続し、ピンホール36aを通過した光を分光部4へと伝送するようにしている。そのため、走査光学系3の分解能を変えるためにピンホール36aの大きさを変更しても、光は光ファイバ6で決まる径で入射スリット41から分光部4に入射する。その結果、ピンホール36aを変更しても光検出器45上のスポット光の大きさは変化せず、遮光板404の幅を不必要に大きく設定する必要がない。
上述した実施の形態では、遮蔽機構45bを一組だけ設けたが、複数組設けて遮光板404を複数としても良い。例えば、遮蔽機構45bを二組設けて、一方の遮光板404は図3に示す受光面の図示左側半分の領域の遮光を分担し、他方の遮光板404が図示右側半分の領域の遮光を担当するように構成する。
また、ピンホール36aを通過した光を分光部4に直接入射させる構成とした場合に、ピンホール36aの径の種類に応じた数だけの遮蔽機構45bを設けて、各々の遮光板404の幅を各ピンホール径に応じた幅に設定しておくようにしても良い。そして、ピンホール36aの径を変更した場合には、その径に対応した遮光板404を用いて励起レーザ光の回折光を遮光するようにする。遮光に用いない遮光板404については、計測の邪魔にならないように検出面の前方を避けて遮光範囲外へと待避させておく。
さらに、各光検出セル400の出力停止や感度低下を独立に行える光検出器45であれば、遮光板404で光検出セルに入射する励起レーザ光を遮光する代わりに、励起レーザ光入射位置の光検出セル400の出力を停止したり感度を低下させるようにしても良い。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、回折格子43A〜43Dは波長分散素子を、試料7は被検物を、遮光板404は遮光手段を、送りネジ401,ステッピングモータ402およびスライダ403およびCPU81は変更手段を、回転ステージ46は素子切換手段を、検出器セルコントローラ85はセル制御手段を、顕微鏡部1,光源部2および走査光学系2は共焦点顕微鏡をそれぞれ構成する。
本発明による分光システムの一実施の形態を示す図である。 分光部4の拡大詳細図である。 光検出器45の外観を示す斜視図である。 分光システムによる検出動作の一例を示すフローチャートである。 蛍光回折光の遮光を説明する図であり、(a)は分布曲線C1〜C3を、(b)は固定式遮光板の場合の分布曲線C2を、(c)は本発明の場合の分布曲線C2をそれぞれ示す。
符号の説明
1 顕微鏡部
2 光源部
3 走査光学系
4 分光部
5,6 光ファイバ
7 試料
8 制御部
9 入力部
21a,21b レーザ光源
36 ピンホール遮光板
36a ピンホール
42,44 反射ミラー
43A〜43C 回折格子
45 光検出器
45a 光検出アレイ
45b 遮蔽機構
81 CPU
85 検出器セルコントローラ
400 光検出セル
401 送りネジ
402 ステッピングモータ
403 スライダ
404 遮光板

Claims (6)

  1. 複数の波長から選択された所定の波長の照射光を被検物へ照射する照射手段と、
    前記照射手段によって照射された前記被検物からの光に含まれる検出対象光と前記被検物で反射された照射光とを波長毎に分散させる分散特性の異なる複数の回折格子を有する波長分散素子と、
    前記複数の回折格子のいずれか一つを、前記被検物からの光の光路中に選択的に配設する素子切換手段と、
    前記選択的に配設された回折格子によって分散された光を検出する複数の光検出セルから成る光検出器と、
    前記選択的に配設された回折格子によって分散された前記被検物で反射された照射光は前記光検出器で検出されないように、前記光検出器の所定の光検出セルを遮光する遮光手段と、
    前記選択された所定の波長の情報と、前記選択的に配設された回折格子の分散特性の情報とに基づき、前記遮光手段の遮光位置を変更する位置変更手段と、を備えたことを特徴とする分光装置。
  2. 請求項1に記載の分光装置において、
    前記照射手段は、前記所定の波長の照射光として励起光を前記被検物へ照射し、
    前記検出対象光は、蛍光色素を含む被検物に前記励起光が照射されて発生する蛍光であることを特徴とする分光装置。
  3. 請求項1または2に記載の分光装置において、
    前記遮光手段は、前記被検物で反射された照射光が前記光検出器の光検出セルに入射するのを阻止する遮光板であり、
    前記位置変更手段は、前記遮光板をアクチュエータにより移動駆動して遮光位置を変更することを特徴とする分光装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の分光装置において、
    前記遮光手段に代えて、前記光検出器に設けられた各光検出セルの感度低下または動作停止を光検出セル毎に行うセル制御手段を備え、
    前記セル制御手段は、前記選択された所定の波長の情報と、前記選択的に配設された回折格子の分散特性の情報とに基づき、前記被検物で反射された照射光が入射する位置にある前記光検出セルの感度低下または動作停止を行わせることを特徴とする分光装置。
  5. 対物レンズにより被検物上に集光された励起光を走査照射し、前記被検物からの蛍光を検出する共焦点顕微鏡と、前記共焦点顕微鏡に用いられる請求項1に記載の分光装置とからなる分光システムにおいて、
    前記複数の光検出セルは、アレイ状に配置され、
    前記遮光手段は、前記被検物で反射された照射光の光束の幅より幅広い板状部材から成り、
    前記位置変更手段は、前記選択された所定の波長の情報と、前記選択的に配設された回折格子の分散特性の情報とに応じて、前記被検物で反射された照射光が前記光検出セルに入射する位置へ前記板状部材を移動させることを特徴とする分光システム。
  6. 対物レンズにより被検物上に集光された励起光を走査照射し、前記被検物からの蛍光を検出する共焦点顕微鏡と、前記共焦点顕微鏡に用いられる請求項1に記載の分光装置とからなる分光システムにおいて、
    前記複数の光検出セルは、アレイ状に配置され、
    前記遮光手段は、前記被検物で反射された照射光の光束の幅より幅広い板状部材を前記光束の幅の種類に応じて複数備えて成り、
    前記位置変更手段は、前記選択された所定の波長の情報と、前記選択的に配設された回折格子の分散特性の情報とに応じて、前記被検物で反射された照射光が前記光検出セルに入射する位置へ前記光束の幅の種類に応じた前記板状部材を移動させることを特徴とする分光システム。
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