JP2005188327A - 車両冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる車両冷却装置を提供すること。
【解決手段】 車両冷却装置1は、サーモエレメント30を駆動源としてラジエータ10から流入する冷媒流量とエンジン2からラジエータ10を迂回して流入する冷媒流量との流量配分を変化させるサーモスタット20と、サーモエレメント30を加熱するヒータ41と、ヒータ41へ供給する電力量を決定するECU43とを備え、ECU43は、サーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両冷却装置1は、サーモエレメント30を駆動源としてラジエータ10から流入する冷媒流量とエンジン2からラジエータ10を迂回して流入する冷媒流量との流量配分を変化させるサーモスタット20と、サーモエレメント30を加熱するヒータ41と、ヒータ41へ供給する電力量を決定するECU43とを備え、ECU43は、サーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両冷却装置に関するものである。
車両冷却装置は、熱交換器を有する冷却回路と該冷却回路に冷媒としての冷却水を循環させる循環手段とを備え、ラジエータに熱源としてのエンジンを通過した冷却水を通過させることにより該冷却水に蓄熱された熱量を外気に放出する。
一般に、このような車両冷却装置には、ラジエータを迂回するバイパス経路が設けられており、ラジエータが設けられた排熱経路とバイパス経路との接続点には、ラジエータから流入する冷却水の流量とラジエータを迂回して流入する冷却水の流量との流量分配を行うサーモスタットが設けられている。そして、該サーモスタットの作動により、エンジン内に導入される冷却水の温度がエンジン制御範囲内に維持されるようになっている。
従来、サーモスタットには、冷却水の温度に応じて膨張するサーモエレメント(ワックス等)を駆動源としてバルブ開度を可変させる感温型のサーモスタットがある。そして、近年では、サーモエレメント近傍に該サーモエレメントを電気的に加熱可能なヒータを設けることにより、該ヒータへの通電を通じてサーモスタットの作動を制御する車両冷却装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、エンジンの運転状態量/周囲状態量(エンジンのスロットル開度、回転数、エンジン水温、車速、吸気温等)に応じてヒータへの通電の有無を決定する車両冷却装置が、特許文献2には、ヒータによる加熱出力を可変可能とする車両冷却装置が開示されている。そして、このような車両冷却装置を採用すれば、車両状態に応じたより精密な水温制御を行うことができる。
特許第2662187号公報
特開平11−62584号公報
ところが、サーモスタットのバルブを作動させるためサーモエレメントに加える必要がある熱量は、サーモエレメントの温度と開弁温度の差が大きい場合には大きくなり、その差が小さい場合には小さくなる。そして、サーモエレメントの温度は冷却水温に依存して大きく変化し、また、サーモエレメント周辺における外気への放熱量も常に変化する。従って、ヒータによる加熱出力とサーモスタットにおけるバルブ開度とは必ずしも一定の関係とはならない。
しかし、上記従来の車両冷却装置では、駆動源であるサーモエレメントの温度は何ら考慮されていないため、ヒータによる加熱出力の過剰、或いはその不足が発生しやすい。これにより、加熱出力の過剰時にはバルブ開度の過剰に伴う冷却水温のハンチングが発生し、或いは加熱出力の不足時にはバルブ開度がほとんど変化しないという問題があり、結果として、燃費の悪化やノッキングの発生を招くおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる車両冷却装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、冷媒の温度に応じて膨張するサーモエレメントを駆動源としてラジエータから流入する冷媒流量と熱源からラジエータを迂回して流入する冷媒流量との流量配分を変化させるサーモスタットと、前記サーモエレメントを加熱するヒータと、該ヒータへ供給する電力量を決定する制御手段とを備えた車両冷却装置であって、冷媒の温度に前記制御手段は、少なくとも前記サーモエレメントの温度に基づいて前記ヒータに供給する電力量を決定することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、車両状態量に基づいて前記サーモエレメントの温度を推定する推定手段を備え、該推定されたサーモエレメントの温度に基づいて前記供給する電力量を決定することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、前記推定手段は、少なくとも熱源出口の冷媒温度、ラジエータ出口の冷媒温度、又は外気温に基づいて前記サーモエレメントの温度を推定することを要旨とする。
(作用効果)
請求項1に記載の発明によれば、ヒータに対してサーモエレメントの温度に応じた電力量を供給することが可能になり、ヒータによる加熱出力の過剰、或いはその不足を防止することができる。即ち、車両状態の変化に伴いサーモエレメントの温度が変化しても安定的にサーモスタットを制御することが可能となり、バルブ開度の過剰に伴う冷媒温度のハンチングの発生やバルブ開度の不応答等を防止することができる。その結果、燃費の悪化やノッキングの発生を防止して安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる。
請求項1に記載の発明によれば、ヒータに対してサーモエレメントの温度に応じた電力量を供給することが可能になり、ヒータによる加熱出力の過剰、或いはその不足を防止することができる。即ち、車両状態の変化に伴いサーモエレメントの温度が変化しても安定的にサーモスタットを制御することが可能となり、バルブ開度の過剰に伴う冷媒温度のハンチングの発生やバルブ開度の不応答等を防止することができる。その結果、燃費の悪化やノッキングの発生を防止して安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、サーモエレメントの温度を検出するための温度センサを新たに設ける必要がないので、従来のヒータ内蔵型のサーモスタットを使用することができる。従って、製造コストの上昇を招くことなく安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、従来の車両冷却装置の制御に用いられる制御パラメータに基づいてサーモエレメントの温度を推定するので、製造コストの上昇を招くことなく安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる。
本発明によれば、安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる車両冷却装置を提供することができる。
以下、本発明を車両冷却装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両冷却装置1は、熱源としてのエンジン2を通過した冷却水(冷媒)が循環される冷却回路3と、該冷却回路3内に冷却水を循環させるウォーターポンプ(W/P)4とを備えている。
図1に示すように、車両冷却装置1は、熱源としてのエンジン2を通過した冷却水(冷媒)が循環される冷却回路3と、該冷却回路3内に冷却水を循環させるウォーターポンプ(W/P)4とを備えている。
本実施形態では、W/P4は、エンジン2内に冷却水を導入するための導入口2a近傍に設けられている。W/P4は、エンジン2に駆動される機械駆動式のウォーターポンプであり、冷却回路3内を循環した冷却水を導入口2aからエンジン2内に圧送する。そして、エンジン2内を通過する際に加温された冷却水は、エンジン出口2bから再び冷却回路3内に循環される。
冷却回路3は、外気との熱交換により冷却水に蓄熱された熱量を外気に放出するラジエータ10が設けられた排熱経路11を備え、排熱経路11は、エンジン出口2bとラジエータ10とを接続する第1流路13と、ラジエータ10と導入口2aとを接続する第2流路15とを有している。そして、エンジン2により加温された冷却水は、ラジエータ10を通過することにより冷却されて第2流路15内に流入する。
また、冷却回路3は、ラジエータ10を迂回して第1流路13と第2流路15とを接続するバイパス経路17を有しており、バイパス経路17と第2流路15との接続点には、サーモスタット20が設けられている。
図2に示すように、サーモスタット20は、ラジエータ10を通過した冷却水が流入するメイン流路21と、バイパス経路17を介してラジエータ10を迂回した冷却水が流入するバイパス流路22と、これらメイン流路21及びバイパス流路22をそれぞれ開閉可能なメインバルブ25及びバイパスバルブ26とを備えている。
本実施形態のサーモスタット20は、冷却水の温度に応じて膨張するサーモエレメント30を備えた感温型のサーモスタットであり、上記メインバルブ25及びバイパスバルブ26は、該サーモエレメント30に駆動されることによりそのバルブ開度が可変する。そして、サーモスタット20は、これらメインバルブ25及びバイパスバルブ26にて、ラジエータ10から流入する冷却水とラジエータ10を迂回して流入する冷却水との流量分配を行うことにより、流出流路28から導入口2aへと流出する冷却水の温度を所定の制御温度範囲内に維持している。
詳述すると、本実施形態では、サーモエレメント30としてワックスを用いており、該サーモエレメント30は、ワックスケース31内に封入されている。ワックスケース31には、サーモエレメント30の膨張又は収縮によりその軸線方向に沿って往復移動するピストン34が設けられており、該ピストン34の先端は、メイン流路21及びバイパス流路22から冷却水が流入するバルブ室35内に突出されている。そして、ピストン34の先端には、上記メインバルブ25及びバイパスバルブ26が固定されたメインシャフト36が連結されている。
また、サーモスタット20は、バイパス経路17に接続された感温流路37を有しており、ワックスケース31は、その一部が感温流路37内に露出されている。即ち、サーモエレメント30は、ラジエータ10を迂回してエンジン出口2bから流入する冷却水の温度上昇に伴って膨張する。そして、ピストン34は、このサーモエレメント30の膨張によりバルブ室35内に突出する方向に移動し、メインシャフト36は、ピストン34に押圧されることによりバルブ室35内を移動する。
メインバルブ25は、サーモエレメント30が収縮した状態においてメイン流路21の出口21aを閉塞するようにメインシャフト36に固定されており、メインバルブ25及びメインシャフト36は、コイルバネ38の弾性力により出口21a側に向かって付勢されている。
本実施形態では、コイルバネ38の弾性力は、冷却水の圧力を考慮した上で、感温流路37内の冷却水の温度が上記所定の制御温度範囲の下限にある場合において、サーモエレメント30の膨張によりピストン34がメインシャフト36を押圧する力と等しく設定されている。
即ち、サーモスタット20は、感温流路37内の冷却水の温度が上記所定の制御温度範囲の下限よりも低い場合にはそのメインバルブ25が閉状態となり、その下限よりも高くなった場合には、メインシャフト36がコイルバネ38の弾性力に抗して移動することによりメインバルブ25が開状態となる。これにより、メインバルブ25が閉状態のときには、ラジエータ10を通過した低温の冷却水がバルブ室35内に流入しない。一方、メインバルブ25が開状態のときには、ラジエータ10を通過した低温の冷却水がバルブ室35内に流入する。そして、冷却水の温度上昇に応じてそのバルブ開度が大きくなることによりメイン流路21からバルブ室35に流入する低温の冷却水の流量を増加させる。
一方、バイパスバルブ26は、感温流路37内の冷却水の温度が上記所定の制御温度範囲の上限となった場合に、バイパス流路22の出口22aを閉塞するようにメインシャフト36に固定されている。即ち、バイパスバルブ26は、感温流路37内の冷却水の温度が上記上限に近づくにつれて、そのバルブ開度が小さくなるように設定されている。そして、バイパスバルブ26からバルブ室35に流入する高温の冷却水の流量が減少するようになっている。
また、本実施形態のサーモスタット20では、ワックスケース31の一端には、サーモエレメント30を加熱するためのヒータ41が設けられている。そして、コネクタ42を介してヒータ41に通電することにより、積極的にメインバルブ25のバルブ開度を大きくすることが可能となっている。
図1に示すように、ヒータ41は、コネクタ42(図2参照)に接続された図示しない電源配線を介して制御手段及び推定手段としてのECU43に接続されている。ECU43は、複数の車両状態量を逐次検出しており、該検出された車両状態量に基づいて車両状態を監視している。そして、ECU43は、車両状態に応じてヒータ41へ電力供給を行うことにより、導入口2aからエンジン2内に導入される冷却水の温度が最適な値となるようサーモスタット20の作動を制御している。
詳述すると、第1流路13のエンジン出口2b近傍、及び第2流路15のラジエータ出口10b近傍には、それぞれ水温センサ45,46が設けられており、各水温センサ45,46は、ECU43に接続されている。そして、ECU43は、各水温センサ45,46から入力される信号に基づいてエンジン出口水温Tew及びラジエータ出口水温Trwを検出している。また、ECU43は、図示しないエンジン制御ECUと接続されており、該エンジン制御ECUからエンジン2の制御に関連する車両状態量が逐次入力されている。具体的には、スロットル開度Rth、回転数NE、吸気温Tia、車速V及びアイドル信号Siが入力されている。
ECU43は、これらの車両状態量に基づいて車両状態(冷間始動時、高負荷時等)を判断し、該車両状態に応じた最適な冷却水の温度、即ち目標冷却水温Twtを決定する。そして、ヒータ41への電力供給を行うことにより、エンジン2内に導入される冷却水の温度がこの目標冷却水温Twtとなるようサーモスタット20を制御する。
更に詳述すると、本実施形態の車両冷却装置1では、通常時(部分負荷時)におけるエンジン2の摺動抵抗の低下を図るべく、上述したサーモスタット20の制御温度範囲は、加熱手段を持たない感温型サーモスタットの場合(例えば80℃〜90℃)よりも高く設定されている(例えば100℃〜110℃)。
ECU43は、エンジン2が高負荷状態であると判断した場合には、通常時よりも低い目標冷却水温Twtを決定する(例えば80℃程度)。そして、ヒータ41への電力供給を行い該ヒータ41にてサーモエレメント30を加熱することにより、メインバルブ25のバルブ開度が大となるようにサーモスタット20を制御する。そして、ラジエータ10を通過した冷却水の分配比率を高めてエンジン2内に導入される冷却水の温度を下げることにより、ノッキング発生の防止、及びエンジン2の出力向上を図っている。
また、本実施形態では、ECU43は、サーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定する。具体的には、ECU43は、上記車両状態量に基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する。そして、該推定されたサーモエレメント30の温度Tteに基づいて、ヒータ41に供給する電力量Pを決定する。
詳述すると、ECU43は、車両状態量として検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaに基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する。尚、本実施形態では、吸気温Tiaを外気温の代理パラメータとして利用するが、「外気温」とは、サーモスタット20を取り巻く空気の温度、即ちサーモスタット20が配置されるエンジンルーム内の温度である。
図3に示すように、ECU43は、メモリ47を備えており、該メモリ47には、上記検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaとサーモエレメント30の温度Tteとが関係付けられたマップ48が記憶されている。尚、エンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaとサーモエレメント30の温度Tteとの関係は予め実験やシミュレーション等により求められマップ48に格納されている。そして、ECU43は、このマップ48を参照することにより、サーモエレメント30の温度Tteを推定する。
そして、ECU43は、該推定されたサーモエレメント30の温度Tteに基づいて、ヒータ41に供給する電力量Pを決定する。具体的には、推定されたサーモエレメント30の温度Tteが高い場合ほど電力量Pを小さくし、サーモエレメント30の温度Tteが低い場合ほど電力量Pを大きくする。そして、ECU43は、該決定された電力量Pをヒータ41に供給することにより、サーモスタット20の作動を制御する。
尚、サーモエレメント30の温度Tteとヒータ41に供給する電力量Pとの関係は、上記マップ48と同様のマップ形式でメモリ47に記憶されており、ECU43は、該マップを参照することにより電力量Pを決定する。また、本実施形態では、ECU43は、電圧一定で電流をDUTY可変することによりヒータ41に供給する電力量Pを可変させるが、電流一定で電圧可変させる等、その他の方法であってもよい。
次に、ECU43によるサーモスタット20の制御態様について説明する。
図4に示すように、先ず、ECU43は、各水温センサ45,46から入力される信号、及びエンジン制御ECUからの入力に基づいてエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaを検出する(ステップ101)。次に、ECU43は、上記ステップ101において検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaとマップ48とを参照することにより、サーモエレメント30の温度Tteを推定する(ステップ102)。そして、ECU43は、上記ステップ102において推定されたサーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定し(ステップ103)、該決定された電力量Pをヒータ41に供給することによりサーモスタット20の作動を制御する(ステップ104)。
図4に示すように、先ず、ECU43は、各水温センサ45,46から入力される信号、及びエンジン制御ECUからの入力に基づいてエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaを検出する(ステップ101)。次に、ECU43は、上記ステップ101において検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaとマップ48とを参照することにより、サーモエレメント30の温度Tteを推定する(ステップ102)。そして、ECU43は、上記ステップ102において推定されたサーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定し(ステップ103)、該決定された電力量Pをヒータ41に供給することによりサーモスタット20の作動を制御する(ステップ104)。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)車両冷却装置1は、サーモエレメント30を駆動源としてラジエータ10から流入する冷媒流量とエンジン2からラジエータ10を迂回して流入する冷媒流量との流量配分を変化させるサーモスタット20と、サーモエレメント30を加熱するヒータ41と、ヒータ41へ供給する電力量を決定するECU43とを備えている。そして、ECU43は、サーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定する。
(1)車両冷却装置1は、サーモエレメント30を駆動源としてラジエータ10から流入する冷媒流量とエンジン2からラジエータ10を迂回して流入する冷媒流量との流量配分を変化させるサーモスタット20と、サーモエレメント30を加熱するヒータ41と、ヒータ41へ供給する電力量を決定するECU43とを備えている。そして、ECU43は、サーモエレメント30の温度Tteに基づいてヒータ41に供給する電力量Pを決定する。
このような構成とすれば、ヒータ41に対してサーモエレメント30の温度Tteに応じた電力量Pを供給することが可能になり、ヒータ41による加熱出力の過剰、或いはその不足を防止することができる。即ち、車両状態の変化に伴いサーモエレメント30の温度が変化しても安定的にサーモスタット20を制御することが可能となり、バルブ開度の過剰に伴う冷却水温のハンチングの発生やバルブ開度の不応答等を防止することができる。その結果、燃費の悪化やノッキングの発生を防止して安定的に冷媒温度の精密制御を行うことができる。
(2)ECU43は、検出された車両状態量に基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する。このような構成とすれば、ワックスケース31にサーモエレメント30の温度Tteを検出するための温度センサを設ける必要がないので、従来のヒータ内蔵型のサーモスタットを使用することができる。従って、製造コストの上昇を招くことなく安定的に冷却水温の精密制御を行うことができる。
(3)ECU43は、車両状態量として検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaに基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する。即ち、従来の車両冷却装置の制御に用いられる制御パラメータに基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する。従って、製造コストの上昇を招くことなく安定的に冷却水温の精密制御を行うことができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、ECU43は、上記車両状態量に基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定することとしたが、温度センサによりサーモエレメント30の温度Tteを直接検出する構成としてもよい。
・本実施形態では、ECU43は、上記車両状態量に基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定することとしたが、温度センサによりサーモエレメント30の温度Tteを直接検出する構成としてもよい。
・本実施形態では、吸気温Tiaを外気温の代理パラメータとして利用したが、外気温センサを設けて直接外気温を検出する構成としてもよい。
・本実施形態では、ECU43は、車両状態量として検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaに基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定することとした。しかし、これに限らず、少なくともエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw又は吸気温Tiaに基づいて、即ちこれらのパラメータのうちの少なくとも一つと車両状態量として検出されたその他のパラメータ(回転数NEや車速V等)とを組み合わせてサーモエレメント30の温度Tteを推定することとしてもよい。
・本実施形態では、ECU43は、車両状態量として検出されたエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaに基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定することとした。しかし、これに限らず、少なくともエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw又は吸気温Tiaに基づいて、即ちこれらのパラメータのうちの少なくとも一つと車両状態量として検出されたその他のパラメータ(回転数NEや車速V等)とを組み合わせてサーモエレメント30の温度Tteを推定することとしてもよい。
・本実施形態では、メモリ47にエンジン出口水温Tew、ラジエータ出口水温Trw及び吸気温Tiaとサーモエレメント30の温度Tteとが関係付けられたマップ48を記憶し、ECU43は、このマップ48を参照することにより、サーモエレメント30の温度Tteを推定することとした。しかし、これに限らず、上記検出された車両状態量に基づいてサーモエレメント30における放受熱量を算出し該放受熱量に基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する構成であってもよい。
例えば、図5に示すように、ECUは、車両状態量を検出した後(ステップ201)、先ず、エンジン出口水温Tewと冷却水の流量(エンジン2の回転数NE×係数α)とに基づいてサーモエレメントと前記冷媒との間の第1熱交換量Q1を演算する(ステップ202)。次に、外気温(吸気温Tia)及び車速Vに基づいてサーモエレメント30と外気との間の第2熱交換量Q2を演算する(ステップ203)。そして、上記ステップ202,203において演算した第1熱交換量Q1と第2熱交換量Q2との総和をサーモエレメント30における放受熱量Q0とし(ステップ204)、該放受熱量Q0に基づいてサーモエレメント30の温度Tteを推定する(ステップ205)構成であってもよい。
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項2に記載の車両冷却装置において、前記推定手段は、前記車両状態量に基づいて前記サーモエレメントにおける放受熱量を算出する算出手段を備え、該算出された放受熱量に基づいて前記サーモエレメントの温度を推定すること、を特徴とする車両冷却装置。
(イ)請求項2に記載の車両冷却装置において、前記推定手段は、前記車両状態量に基づいて前記サーモエレメントにおける放受熱量を算出する算出手段を備え、該算出された放受熱量に基づいて前記サーモエレメントの温度を推定すること、を特徴とする車両冷却装置。
(ロ)前記(イ)に記載の車両冷却装置において、前記算出手段は、前記サーモエレメントと前記冷媒との間の第1の熱交換量、及び前記サーモエレメントと外気との間の第2の熱交換量を演算し、該第1の熱交換量及び第2の熱交換量の総和を前記放受熱量とすること、を特徴とする車両冷却装置。
(ハ)前記(ロ)に記載の車両冷却装置において、前記算出手段は、前記熱源出口の冷媒温度と前記冷媒の流量とに基づいて前記第1の熱交換量を演算すること、を特徴とする車両冷却装置。
(ニ)前記(ロ)に記載の車両冷却装置において、前記推定手段は、前記外気温及び車速に基づいて前記第2の熱交換量を演算すること、を特徴とする車両冷却装置。
1…車両冷却装置、2…エンジン、10…ラジエータ、11…排熱経路、20…サーモスタット、30…サーモエレメント、41…ヒータ、43…ECU、Tte…サーモエレメントの温度、Tew…エンジン出口水温、Trw…ラジエータ出口水温、Tia…吸気温、P…ヒータに供給する電力量。
Claims (3)
- 冷媒の温度に応じて膨張するサーモエレメントを駆動源としてラジエータから流入する冷媒流量と熱源からラジエータを迂回して流入する冷媒流量との流量配分を変化させるサーモスタットと、前記サーモエレメントを加熱するヒータと、該ヒータへ供給する電力量を決定する制御手段とを備えた車両冷却装置であって、
前記制御手段は、少なくとも前記サーモエレメントの温度に基づいて前記ヒータに供給する電力を決定すること、を特徴とする車両冷却装置。 - 請求項1に記載の車両冷却装置において、
前記制御手段は、車両状態量に基づいて前記サーモエレメントの温度を推定する推定手段を備え、該推定されたサーモエレメントの温度に基づいて前記供給する電力を決定すること、を特徴とする車両冷却装置。 - 請求項2に記載の車両冷却装置において、
前記推定手段は、少なくとも熱源出口の冷媒温度、ラジエータ出口の冷媒温度、又は外気温に基づいて前記サーモエレメントの温度を推定すること、
を特徴とする車両冷却装置。
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