JP2005163677A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パージされる燃料蒸気の濃度を空燃比フィードバック補正係数に基づいて学習するとともに、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数をリッチ側に大きく補正する内燃機関の制御装置において、燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 電子制御装置40は、内燃機関10の実空燃比が目標空燃比となるように空燃比フィードバック補正係数を算出し、燃料噴射量を補正する。また、パージされる燃料蒸気の濃度を空燃比フィードバック補正係数に基づいて学習する。また、燃料カットからの復帰直後に空燃比フィードバック補正係数を増大させて燃料噴射量を増量補正する。ここで、電子制御装置40は燃料カットからの復帰後、所定期間が経過するまで燃料蒸気の濃度学習についてその更新程度を小さく設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関では、排気通路に設けられた排気浄化触媒によって排気成分の浄化が行われている。この排気浄化触媒による排気成分の浄化は、内燃機関で燃焼される混合気の空燃比が所定の範囲内にある場合に効率よく行われる。そこで、混合気の実空燃比を目標空燃比にするための空燃比フィードバック補正係数を求め、この補正係数に基づいて燃料噴射量を補正する空燃比制御が一般的には行われている。
また、内燃機関が搭載された車両では、燃料タンク内に発生する燃料蒸気を一旦捕集器に集め、その後、この捕集された燃料蒸気を内燃機関の吸気通路に導入して燃焼処理するパージ処理が行われる。このパージ処理が実行されるときには吸気中に燃料蒸気が付加されるため、この燃料蒸気の付加分を考慮して上記空燃比制御を行う必要がある。
そこで、特許文献1に記載の装置では、パージ処理が実行されているときの燃料噴射量の算出に際して、空燃比フィードバック補正係数に基づく燃料噴射量の補正に加え、燃料蒸気の濃度から算出される吸気中の燃料分だけ燃料噴射量を減量するようにもしている。ここで、同特許文献1に記載のものでは、燃料蒸気の濃度を空燃比フィードバック補正係数に基づいて学習・更新するようにしている。より具体的には、空燃比フィードバック補正係数が予め設定された所定値よりも大きく変化した場合には燃料蒸気の濃度が変化したものとして、同空燃比フィードバック補正係数に基づき、燃料蒸気の濃度を学習・更新するようにしている。
他方、内燃機関の燃料噴射制御について、その一態様として実施される燃料カットの復帰直後では、三元触媒などのように酸素を貯蔵・放出することができる排気浄化触媒の酸素貯蔵量が飽和状態あるいは飽和に近い状態となっている。このような状態で燃焼が開始されて燃焼室からNOx(窒素酸化物)が排出されると、排気浄化触媒によるNOxの還元が十分にできなくなるおそれがある。
そこで特許文献2に記載のものでは、燃料カットからの復帰直後において、上述したような空燃比フィードバック補正係数をリッチ側に大きく補正して燃料噴射量を増量させ、実空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に大きくシフトさせるようにしている。この実空燃比のリッチ化により、排気浄化触媒は還元雰囲気に曝され、同排気浄化触媒に吸蔵された酸素が放出される。そしてこれにより、排気浄化触媒のNOx浄化能力はすみやかに回復される。
特開2000−73885号公報 特開2003−172176号公報
ここで、上述したような燃料蒸気の濃度学習を実施するものにあって、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数をリッチ側に大きく補正するようにした場合には、以下のような不具合が生じるおそれがある。
すなわち、燃料カットからの復帰直後では空燃比フィードバック補正係数がリッチ側に大きく補正されるため、燃料蒸気の濃度が変化していなくても、空燃比フィードバック補正係数は大きく変化する。ここで、上記特許文献1に記載のものでは、空燃比フィードバック補正係数が大きく変化すると、そのときの空燃比フィードバック補正係数に基づいて燃料蒸気の濃度が算出される。そのため、燃料カットからの復帰後においては、燃料蒸気の濃度が変化していないにもかかわらず、増大補正された空燃比フィードバック補正係数に基づいて燃料蒸気の濃度が学習・更新されてしまい、燃料蒸気の濃度が誤って学習されるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものである。そしてその目的は、パージされる燃料蒸気の濃度を空燃比フィードバック補正係数に基づいて学習するとともに、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数をリッチ側に大きく補正する内燃機関の制御装置において、燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の実空燃比が目標空燃比となるように空燃比フィードバック補正係数を算出し同空燃比フィードバック補正係数に基づいて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御手段と、パージされる燃料蒸気の濃度を前記空燃比フィードバック補正係数に基づいて学習する濃度学習手段と、燃料カットからの復帰直後に前記空燃比フィードバック補正係数を増大させて燃料噴射量を増量補正する増量補正手段とを備える内燃機関の制御装置において、前記濃度学習手段は前記燃料カットからの復帰後、所定期間が経過するまで前記燃料蒸気の濃度の学習についてその更新程度を小さく設定することをその要旨とする。
同構成によれば、上記所定期間の燃料蒸気の濃度学習についてその濃度の更新量が同所定期間外の更新量と比較して減少される。そのため、上記増量補正手段による空燃比フィードバック補正係数の増大が燃料蒸気の濃度学習に与える影響を抑えることができ、燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制することができるようなる。
なお、請求項2に記載の発明によるように、前記濃度学習手段は前記所定期間が経過するまで前記濃度学習を停止する、といった構成を採用することにより、燃料蒸気の濃度の誤学習を確実に抑制することができるようなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記所定期間は前記燃料カットからの復帰直後に増大される前記空燃比フィードバック補正係数に基づいて設定されることをその要旨とする。
同構成によれば、燃料カットからの復帰直後に増大される空燃比フィードバック補正係数に応じて、燃料蒸気の濃度学習についてその更新程度を小さく設定する期間、すなわち上記所定期間が設定される。そのため同所定期間を好適な期間に設定することができるようになる。なお、同構成においては、燃料カットからの復帰直後に増大される空燃比フィードバック補正係数が大きい値に設定されるほど上記所定期間を長く設定するようにするとよい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、前記増量補正手段は排気通路に設けられる排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定するとともに、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数を増大させる補正値を、この推定された酸素吸蔵量に基づいて設定することをその要旨とする。
同構成によれば、空燃比フィードバック補正係数を増大させる補正値が排気浄化触媒の酸素吸蔵量に応じて設定される。そのため、排気浄化触媒の浄化機能を回復させるために行われる空燃比フィードバック補正係数の増大処理を好適に実施することができる。特に請求項3に記載の構成にこの構成が適用される場合には、このように空燃比フィードバック補正係数に対する補正値が可変設定される場合であっても、その設定されたフィードバック補正係数に応じて上記所定期間は設定される。そのため、排気浄化触媒の機能を回復させつつ、燃料蒸気の濃度の誤学習も好適に抑制することができるようになる。
なお、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が多くなるほど、同触媒から酸素を放出させるために必要な還元剤、すなわち燃料の量もより多く必要になる。そこで、上記補正値の設定態様として、請求項5に記載の発明によるように、前記補正値は前記酸素吸蔵量が多いほど大きい値に設定される、といった態様を採用することにより、排気浄化触媒の浄化機能を好適に回復させることができるようになる。
また、燃料カット実行中の排気浄化触媒は酸素分圧の高い排気に曝されるため、その酸素吸蔵量は増大するようなる。そこで、請求項6に記載の発明によるように、前記酸素吸蔵量は前記燃料カットの実行期間に基づいて推定される、といった構成を採用することにより、排気浄化触媒の酸素吸蔵量を実際に推定することができる。
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図10を併せ参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる内燃機関の制御装置が適用される内燃機関10の概略構成を示している。
同図1に示されるように、内燃機関10には、燃料タンク21に接続された燃料供給経路を介してその燃焼室11に燃料を噴射供給する燃料噴射弁12と、この噴射された燃料と吸入空気と混合体である混合気に点火を行う点火プラグ13とがそれぞれ設けられている。また、燃焼室11には、吸気系の一部を構成する吸気通路14及び排気系の一部を構成する排気通路15がそれぞれ接続されている。この吸気通路14の途中には、サージタンク16が設けられており、更にその上流側には、吸入空気量を調量するスロットルバルブ17が設けられている。また、排気通路15の途中には、燃焼室11から排出される排気の成分を浄化する排気浄化触媒が担持された触媒装置60が設けられている。この触媒装置60による排気の浄化は、燃焼室11内の混合気の実空燃比が理論空燃比近傍の値になっているときに最も効率よく行われる。
一方、この内燃機関10には蒸発燃料処理機構30が設けられている。この蒸発燃料処理機構30は、ベーパ通路32を介して上記燃料タンク21に接続されたキャニスタ31、このキャニスタ31と上記吸気系を構成するサージタンク16とを接続するパージ通路33、キャニスタ31内に大気を導入する大気導入通路34、並びにパージ通路33を開閉するパージ制御弁35を備えて構成されている。
ここで、燃料タンク21に発生する蒸発燃料(以下、ベーパという)は、同燃料タンク21からベーパ通路32を通じてキャニスタ31内に導入され、その内部に設けられた吸着材に一旦吸着される。そして、パージ制御弁35が開かれ、キャニスタ31内に大気導入通路34を通じて大気が導入されることによって、このキャニスタ31内に吸着されているベーパがパージ通路33を通じてサージタンク16内に導入される。このベーパに含まれる燃料は、燃料噴射弁12から噴射される燃料と共に、燃焼室11において燃焼される。また、このようにして吸気系(サージタンク16)にパージ処理されるベーパの燃料量は、パージ制御弁35の開度に基づいて調節される。このパージ制御弁35は電気信号に基づいて開度調節される電磁弁であり、デューティ信号を受けてその開度が制御される。
そして内燃機関10に対するこうしたパージ制御、並びに燃料噴射弁12の燃料噴射量を補正する空燃比制御等は電子制御装置40によって行われる。電子制御装置40は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、外部入力回路、及び外部出力回路等から構成されている。そして、上述したような各種制御を実行するために、内燃機関10の運転状態等を検出する各種センサが接続されており、これらセンサからの検出信号が適宜電子制御装置40に取り込まれる。
例えば電子制御装置40には、排気通路15に設けられて排気中の酸素濃度(混合気の空燃比)を検出するための排気センサ51や、燃焼室11に導入される吸入空気量Qを検出するエアフロメータ52の検出信号がそれぞれ入力されている。また、クランクシャフトの回転角を検出し、この検出信号に基づいて機関回転速度NEを検出するクランク角センサ53、スロットルバルブ17の開度を検出するスロットルセンサ54、内燃機関10の冷却水温THWを検出する水温センサ55等の検出信号も電子制御装置40にはそれぞれ入力されている。
これら各センサ51〜55等によって検出される内燃機関10の運転状態や車両の走行状態に基づいて、パージ制御や空燃比制御等の各制御が電子制御装置40によって実行される。なお、吸入空気中にパージされる燃料蒸気は、内燃機関10における混合気の空燃比に影響を及ぼすため、上記空燃比制御は、空燃比とパージされる燃料蒸気との相関関係を十分に考慮して実行しなければならない。
次に、電子制御装置40によって実行されるこれら空燃比制御及びパージ制御について説明する。
図2は、前回の爆発・燃焼時における排気の空燃比A/Fと目標空燃比とのずれ量から空燃比の空燃比フィードバック補正係数FAFを算出するために実行される「空燃比フィードバック制御処理」の手順を示すフローチャートである。本処理は、所定時間毎の割り込み処理として実行される。なお、本実施の形態では理論空燃比(=14.7)を目標空燃比としている。また、本処理は空燃比フィードバック制御手段を構成する。
本処理が開始されるとまず、現在の内燃機関10の運転状態に照らし合わせて空燃比のフィードバック制御の実行条件(以下、F/B条件という)が成立しているか否かが判定される(ステップS201)。このF/B条件は、例えば以下に列記する(a1)〜(a5)の条件が全て満たされている場合に成立する。
(a1)始動時でないこと。
(a2)燃料カット中でないこと。
(a3)冷却水温THWが所定値以上であること、すなわち内燃機関10が暖機されていること。
(a4)排気センサ51が活性化されていること。
(a5)内燃機関10が高負荷、高回転運転状態でないこと。
内燃機関10の始動時あるいは冷間運転時には、運転を安定とするため燃料噴射量を増量し、理論空燃比よりも小さい空燃比で運転が行われる。また、高負荷、高回転運転時には排気温度の上昇を抑制するため、同様に燃料を増量する。また、燃料カット中は、燃料噴射そのものが実行されない。そして、排気センサ51が活性化されていなければ空燃比を検出することができないため、フィードバック制御を実行することができない。故に、上記(a1)〜(a5)の条件は設定されている。
そして、F/B条件が成立していない旨判定された場合には(ステップS201:NO)、空燃比フィードバック補正係数FAFは「1.0」に設定され(ステップS204)、本処理は一旦終了される。すなわち、この場合には、空燃比のフィードバック制御は実行されない。
一方、F/B条件が成立している旨判定された場合には(ステップS201:YES)、排気センサ51によって検出される空燃比A/Fの最新値と理論空燃比とのずれ量、及び前回行った空燃比フィードバック補正係数FAF算出時の履歴とに基づいて、今回の空燃比フィードバック補正係数FAFが算出される(ステップS202)。このときの空燃比フィードバック補正係数FAFの算出は、基本的には次のように行われる。
すなわち、排気センサ51によって検出される混合気の空燃比A/Fがリッチの場合には空燃比フィードバック補正係数FAFは所定量ずつ減少され、リーンの場合には同空燃比フィードバック補正係数FAFは所定量ずつ増加される。また、排気センサ51の信号がリッチからリーンへ、あるいはリーンからリッチへ切り替わったときには、階段状に空燃比フィードバック補正係数FAFは増減(スキップ)される。このスキップは、フィードバックの応答性を高め、制御精度を高めることを目的として行われる。
以上のようにして空燃比フィードバック補正係数FAFが求められた後、同空燃比フィードバック補正係数FAFの上下限チェックが行われる(ステップS203)。これは空燃比フィードバック補正係数FAFの値を所定の下限値から上限値までの範囲内にガードするための処理である。こうして空燃比フィードバック補正係数FAFが算出された後、本処理は一旦終了される。
図3は、パージ制御弁35の開度にかかる制御デューティDPGを算出する「パージ制御処理」の手順を示すフローチャートである。本処理は、吸入空気中にパージされる燃料蒸気の量(パージ量)を内燃機関10の運転状態に応じて適宜調整すべく、電子制御装置40によって所定時間毎の割り込み処理として実行される。なお本実施形態では、制御デューティDPG=0%のときパージ制御弁35は全閉とされ、DPG=100%のとき全開とされる構成になっている。
本処理が開始されると、パージ制御、すなわちキャニスタ31から吸気通路14への燃料蒸気のパージを実行するための条件(パージ条件)が成立しているか否かが判定される(ステップS301)。このパージ条件は、例えば以下に列記する(b1)〜(b3)の条件が全て満たされることで成立する。
(b1)燃料カット中でないこと。
(b2)空燃比のフィードバック制御を実施中であること。
(b3)空燃比の学習が終了していること。
そして、これらパージ条件が成立していない旨判定された場合には(ステップS301:NO)、パージ制御弁35の制御デューティDPGが0%に設定、すなわちパージ制御弁35が全閉状態にされて(ステップS306)、本処理は一旦終了される。
一方、パージ条件が成立している旨判定された場合には(ステップS301:YES)、前述した「空燃比フィードバック制御ルーチン」の処理によって算出されている空燃比フィードバック補正係数FAFが読み込まれる(ステップS302)。
次に、現在の吸入空気量Qと機関回転速度NEとに基づき、図示しない周知のマップから最大パージ率PGRMXが算出される(ステップS303)。なお、パージ率とは、吸入空気量Qに対するパージ量の割合(流量比)を示している。そして最大パージ率PGRMXは、パージ制御弁35を制御デューティDPG=100%で駆動、すなわちパージ制御弁35を全開としたときの吸入空気量Qに対するパージ量の流量比である。
次に、読み込まれた空燃比フィードバック補正係数FAF等に基づいて、内燃機関10の運転状態に応じた燃料蒸気のパージを実施すべく、目標パージ率PGR(吸入空気量Qに対するパージ量の流量比の目標値)が算出される(ステップS304)。なお、燃料蒸気を吸着するキャニスタ31の吸着能力を速やかに回復させるために、目標パージ率PGRはパージの実行時間が長くなるほど、その値が大きくなるようにも設定される。また、このようにパージの実行時間に応じて増大される目標パージ率PGRは、後述するベーパ濃度学習値FGPGが更新されると、増大される前の値に一旦戻される。
次に、次式(1)に基づき、目標パージ率PGRを確保するのに必要なパージ制御弁35の制御デューティDPGが算出される(ステップS305)。

DPG=(PGR/PGRMX)×100 [%] …(1)

こうしてパージ制御弁35の制御デューティDPGが算出された後、本処理は一旦終了される。そして、内燃機関10の運転状態に応じて適切な燃料蒸気のパージが実施されるようにパージ制御が行われる。
次に、適切な空燃比制御を行う上で必要な情報を学習するために実施される学習処理について説明する。本実施形態では、空燃比制御において2つの情報、すなわち空燃比学習値KGとベーパ濃度学習値FGPGとを学習するようにしている。
空燃比学習値KGは、基本燃料噴射時間TAUbにかかる空燃比と理論空燃比とのずれを修正するための補正係数である。この空燃比学習値KGは、空燃比フィードバック補正係数FAFの中心値を1.0とすべく設定される。空燃比学習値KGを設定することで、内燃機関10の吸気系及び燃料噴射弁12の経時変化や個体差等によって生じる偏差が吸収され、空燃比制御の制御精度や応答性の向上が図られるようになる。
また、ベーパ濃度学習値FGPGは、パージされる燃料蒸気中に含まれる燃料成分の濃度に対応する情報である。パージされる燃料蒸気が空燃比に及ぼす影響は、パージ量とその中に含まれる燃料成分の量(濃度)とによって決まる。ここで本実施形態では、パージ量に関してはパージ制御弁35の開度制御というかたちで直接制御しているため、パージ量については直接的に把握することができるものの、燃料成分の量(濃度)に関しては直接的に把握することはできない。そのため本実施形態では、燃料蒸気中の燃料成分の濃度に関する情報、すなわちベーパ濃度を間接的に把握し、学習値として記憶するようにしている。こうして学習したベーパ濃度学習値FGPGによって、空燃比に対するパージの影響を把握し、空燃比制御の精度向上を図っている。なお、以下では燃料蒸気の濃度を「ベーパ濃度」という。
図4は、上記「空燃比学習処理」の手順を示すフローチャートであり、電子制御装置40によって所定時間毎の割り込み処理として実行される。なお、パージ実施中には、パージされる燃料蒸気が空燃比に影響を与えるため、パージの影響を排除した空燃比学習値KGを直接的に求めることは困難である。従って本処理は、パージが実施されていないとき(パージカット時)に実行される。
また、空燃比学習値KGは、例えば吸入空気量Q等の内燃機関10の運転状態を示すパラメータに基づき分割された複数の領域(KG領域)毎に個別に記憶される。
本処理が開始されると、現在の運転領域がチェックされ(ステップS501)、更に先述した「空燃比フィードバック制御処理」によって算出されている空燃比フィードバック補正係数FAFが読み込まれる(ステップS502)。そして、空燃比学習値KGの更新条件が成立しているか否かが判断される(ステップS503)。この更新条件は、例えば以下の(c1)〜(c7)の条件が全て満たされたときに限り成立するものとする。
(c1)空燃比フィードバック制御を実行中であること。
(c2)燃料噴射の始動後増量が「0」であること。
(c3)燃料噴射の暖機増量が「0」であること。
(c4)冷却水温THWが所定温度以上であること。
(c5)始動後、学習しようとするKG領域の空燃比学習値KGの更新が終了していないこと。
(c6)現在の運転領域に入った後、スキップ(空燃比A/Fのリッチ・リーン反転時に空燃比フィードバック補正係数FAFを階段状に増減させること)の実行回数が所定回数以上行われていること。
(c7)空燃比フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが「1.00」から所定値以上、例えば本実施形態の場合には、0.02以上ずれていること。
そして、以上の(c1)〜(c7)の条件の内、いずれか1つでも満たされていない場合には(ステップS503:NO)、空燃比学習値KGの更新を行うことなく、本処理は一旦終了される。
一方、上記(c1)〜(c7)の条件が全て満たされている場合には(ステップS503:YES)、空燃比学習値KGの更新が行われる(ステップS504)。この空燃比学習値KGの更新は、具体的には次のように行われる。
空燃比フィードバック補正係数の平均値FAFAVが「1.02」以上であるのか「0.98」以下であるかを判断し、1.02以上であれば空燃比学習値KGに対して所定値(徐変値)αを加算し、0.98以下であれば同空燃比学習値KGから同値αを減算する。
次に、今回更新しようとする空燃比学習値KGが予め設定された上下限を超えていないかがチェックされる(ステップS505)。そして今回更新しようとする空燃比学習値KGが上下限値を超えていなければ、その値がそのまま学習値として記憶、更新される。
一方、今回更新しようとする空燃比学習値KGが上限値を超えていれば上限値が学習値として記憶、更新される。また、今回更新しようとする空燃比学習値KGが下限値を超えていれば下限値が学習値として記憶、更新される。
こうして空燃比学習値KGが更新された後、本処理は一旦終了される。
図5は、「ベーパ濃度学習処理」の手順を示すフローチャートであり、電子制御装置40によって所定時間毎の割り込み処理として実行される。なお本処理は、パージが実施されているときに実行される。また、本処理は上記濃度学習手段を構成する。
本処理が開始されると、今回の内燃機関10の始動後において前記「パージ制御処理」で説明した燃料蒸気のパージを実行した履歴があるか否かを判断する(ステップS601)。そして、パージを実行した履歴がない旨判定された場合には(ステップS601:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、パージを実行した履歴がある旨判定された場合には(ステップS601:YES)、ベーパ濃度の学習条件が成立しているか否かが判断される(ステップS602)。この学習条件は、例えば以下の(d1)〜(d4)の条件が全て満たされたときに成立する。
(d1)空燃比学習値KGの更新中でないこと。
(d2)冷却水温THWが所定値以上であること。
(d3)バッテリ電圧が所定値以上であること。
(d4)空燃比フィードバック補正係数FAFの中心値が「1.00」から所定値以上ずれていないこと。換言すれば空燃比学習値KGの値が安定していること。
さらに、ベーパ濃度学習値FGPGの更新条件が成立しているか否かも判断される(ステップS603)。この更新条件は、以下の(e1)〜(e8)の条件が全て満たされるときに成立する。
(e1)始動時でないこと。
(e2)燃料カット中でないこと。
(e3)冷却水温THWが所定値以上であること、すなわち内燃機関10が暖機されていること。
(e4)排気センサ51が活性化されていること。
(e5)内燃機関10が高負荷、高回転運転状態でないこと。
(e6)目標パージ率PGRの最新値が所定範囲内であること。
(e7)空燃比フィードバック補正係数FAFが増大されている過程においてその値が所定の更新許可上限値DMAX以上である、及び空燃比フィードバック補正係数FAFが減少されている過程においてその値が所定の更新許可下限値DMIN以下であるといった各条件のいずれかを満たしていること。ちなみに更新許可上限値DMAXは、空燃比フィードバック補正係数FAFの基準値「1.0」よりも所定量だけ大きい値が設定されている。また、更新許可下限値DMINは、空燃比フィードバック補正係数FAFの基準値「1.0」よりも所定量だけ小さい値が設定されている。
(e8)各種センサの検出信号に異常がないこと。
なお、上記(e7)の条件は次のような理由により設定されている。すなわち、空燃比フィードバック補正係数FAFが増大されている過程においてその値が更新許可上限値DMAX以上となる場合には、燃料噴射量がある程度増量されているにもかかわらず、実空燃比がリーンであり、これはベーパ濃度が変化してその濃度が低くなったためであると推定することができるためである。同様に、空燃比フィードバック補正係数FAFが減少されている過程においてその値が更新許可下限値DMIN以下となる場合には、燃料噴射量がある程度減量されているにもかかわらず、実空燃比がリッチであり、これはベーパ濃度が変化してその濃度が高くなったためであると推定することができるためである。
そして、上記学習条件及び更新条件の少なくとも一方の条件が満たされない場合には(ステップS602あるいはステップS603:NO)、本処理は一旦終了される。
他方、これら学習条件及び更新条件が両方共満たされる場合には(ステップS602及びステップS603:YES)、空燃比フィードバック補正係数FAF、空燃比フィードバック補正係数の平均値FAFAV及び目標パージ率PGRの最新値に基づき、ベーパ濃度学習値FGPGの更新が実行される(ステップS604)。更新されるベーパ濃度学習値FGPGは次式(2)に基づき算出される。

FGPGの更新値=前回のFGPG+(FAFAV−1)/PGR …(2)

こうしてベーパ濃度学習値FGPGの更新がなされると、本処理は一旦終了される。
図6は、上述した処理で求められ、あるいは学習された空燃比フィードバック補正係数FAF、空燃比学習値KG、目標パージ率PGR、ベーパ濃度学習値FGPG等に基づいて燃料噴射弁12による1回あたりの燃料噴射量(時間)を算出するための「燃料噴射制御処理」についてその手順を示すフローチャートである。本処理は内燃機関10内の各気筒における吸気行程に対応して所定のクランク角毎の割り込み処理として実行される。
本処理が開始されると、各種センサの検出結果に基づき算出される内燃機関10の運転状態にかかる各種パラメータが読み込まれる。例えば、スロットルセンサ54の検出結果から把握されるスロットル開度TAやエアフロメータ52の検出結果から把握される吸入空気量Q、水温センサ55の検出結果から把握される冷却水温THW、クランク角センサ53の検出結果から把握される機関回転速度NE等が読み込まれる(ステップS101)。そしてこれら各パラメータに基づき、予め定められたマップを参照して基本燃料噴射時間TAUbが算出される(ステップS102)。
次に、吸入空気量Qに基づいて現在の内燃機関10の運転領域が判断される(ステップS103)。なお、ここで判断される内燃機関10の運転領域は、先述した図4に示す「空燃比学習処理」において、空燃比学習値KGを記憶する個別の領域(KG領域)である。
そして現在の内燃機関10の運転状態が把握された後、前述した各種処理によって算出されている空燃比フィードバック補正係数FAFや現在のKG領域に対応した空燃比学習値KG、目標パージ率PGR、ベーパ濃度学習値FGPG等が読み込まれる(ステップS104)。
そして、これら各パラメータに基づき、最終燃料噴射時間TAUfが算出される(ステップS105)。この最終燃料噴射時間TAUfは、具体的には次式(3)に基づき算出される。

TAUf=TAUb×(FAF+KG)×{1+PGR×(FGPG−1)}
×K1×K2×…×Kn …(3)

ここでK1〜Knは、例えば燃料噴射の暖機増量や加減速、出力増量等の各種運転状態に対応した別の補正係数であり、別処理において別途算出される。これらは上記RAM内に一時記憶されており、その最新値がTAUfの算出時に読み込まれ、反映される。
なお上記式(3)中における右辺の{1+PGR×(FGPG−1)}で示される項は、パージされる燃料蒸気が空燃比A/Fに及ぼす影響分に相当する。前記「ベーパ濃度学習処理」の実行により、ベーパ濃度学習値FGPGが正しく求められていれば、パージ量、すなわち目標パージ率PGRの大きさに関わらず、燃料蒸気が空燃比A/Fに及ぼす影響分を正しく補正することができる。
さて、こうして最終燃料噴射時間TAUfが算出された後、同最終燃料噴射時間TAUfに基づく燃料噴射弁12の燃料噴射を実行させ(ステップS106)、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施形態では、パージカット中に空燃比学習値KGを更新し、パージ実行中にベーパ濃度学習値FGPGを更新することによって、内燃機関10の運転状態に応じた適切な空燃比制御を実行している。
他方、内燃機関10では、その燃料噴射制御の一態様として減速時の燃料カットが実行される。これはスロットルバルブ17が全閉状態にあり、かつ機関回転速度NEが所定の燃料カット回転速度以上の場合に燃料噴射を停止させる制御である。なお、燃料カット実行後に機関回転速度NEが所定の復帰回転速度以下にまで落ち込むと、燃料噴射は再開される。ここで、燃料カット中は排気通路15に空気が導入されるため、触媒装置60に担持された排気浄化触媒は空気に曝される。そのため同排気浄化触媒は空気中の酸素を吸収し、その酸素貯蔵量が増大していく。従って燃料カットの復帰直後では、排気浄化触媒の酸素貯蔵量が飽和状態あるいは飽和に近い状態となっている。このような状態で燃焼が開始され、燃焼室からNOx(窒素酸化物)が排出されると、排気浄化触媒によるNOxの還元が十分にできなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、このようなNOxの浄化不足を抑制するために、燃料カットからの復帰直後において、上述したような空燃比フィードバック補正係数FAFをリッチ側に大きく増大させて燃料噴射量を増量補正する燃料増量処理を実施するようにしている。この処理を実行することにより、実空燃比が理論空燃比よりもリッチ側に大きくシフトされて排気浄化触媒は還元雰囲気に曝され、これによりNOx浄化能力をすみやかに回復させることができる。
この燃料増量処理では、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数FAFをリッチ側に大きく増大させるための補正値としてリッチスキップ補正量RSが算出される。このリッチスキップ補正量RSは燃料カットが実施された時間(燃料カット時間FCT)に基づいて設定され、図7に示すように、燃料カット時間FCTが長くなるほどその値は大きく設定される。これは、次のような理由による。
すなわち燃料カット時間FCTが長くなるほど排気浄化触媒に吸収される酸素量も増大する傾向にあるため、本実施形態ではこの燃料カット時間FCTに基づいて排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定している。そして、燃料カット復帰後において排気浄化触媒に吸蔵されている酸素を十分に放出させ、その酸素吸蔵量を減少させるためには、この処理に必要な還元剤、すなわち内燃機関10の燃料についてその噴射量を酸素吸蔵量に応じて増大させる必要があるためである。なお、このリッチスキップ補正量RSによる補正によって空燃比フィードバック補正係数FAFは階段状に、換言すればスキップ的に増大される。また、燃料カット時間FCTに応じてリッチスキップ補正量RSが設定されることにより、排気浄化触媒から酸素を放出させる際に必要となる燃料噴射量についてその過不足を極力抑えることができ、排気浄化触媒の浄化機能を効率よく回復させることができるようになる。ちなみに、この燃料増量処理は上記増量補正手段を構成する。また、本実施形態では酸素吸蔵量と相関関係にある燃料カット時間FCTに基づいてリッチスキップ補正量RSを設定するようにしているが、酸素吸蔵量に基づいてリッチスキップ補正量RSを設定するようにしてもよい。
ここで、上述したような燃料蒸気の濃度学習を実施する場合において、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数FAFをリッチ側に大きく補正するようにした場合には、以下のような不具合が生じるおそれがある。
すなわち、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数FAFがリッチ側に大きく補正されると、このときの空燃比フィードバック補正係数FAFは上記更新許可上限値DMAXを超えてしまい、燃料蒸気の濃度学習が実行されてしまう場合がある。また、空燃比フィードバック補正係数FAFがリッチ側に大きく補正される場合にあって実空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定するためには、空燃比フィードバック補正係数FAFを、同空燃比フィードバック補正係数FAFがリッチ側に大きく補正される場合と比較して、より小さくする必要がある。この場合には空燃比フィードバック補正係数FAFは上記更新許可下限値DMINを下回ってしまい、燃料蒸気の濃度学習が実行されてしまう場合がある。これらの場合には、燃料蒸気の濃度が変化していないにもかかわらず、上記条件(e7)を満たすほど大きく変化した空燃比フィードバック補正係数FAFに基づいて燃料蒸気の濃度が学習・更新されてしまい、燃料蒸気の濃度について誤った学習が行われるおそれがある。
そこで燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数をリッチ側に大きく補正する場合において、本実施形態における上記ベーパ濃度学習処理では、燃料カットからの復帰後、所定期間が経過するまで燃料蒸気の濃度の学習についてその更新程度を小さく設定することにより、燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制するようにしている。具体的には、先述した図5のステップS603におけるベーパ濃度学習値FGPGの更新条件として、更に次の(e9)の条件を追加するようにしている。

(e9)燃料カットからの復帰が実施された後、所定期間が経過していること。

このような条件を追加することにより、燃料カットからの復帰後、所定期間が経過するまで燃料蒸気の濃度の学習についてその更新程度が小さく設定される。特に本実施形態では、上記所定期間が経過するまでベーパ濃度の学習が禁止される。そのため、上述したような空燃比フィードバック補正係数FAFの増大補正が燃料蒸気の濃度学習に与える影響を抑えることができ、もって燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制することができるようなる。
図8は条件(e9)が満たされているか否かを判定する更新許可判定処理について、その手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、図5に示したステップS603の処理が行われるときに、併せて実行される。
本処理が開始されると、まず、燃料カットの復帰直後が否かが判断される(ステップS701)。そして、燃料カット復帰直後ではない旨判断されると(ステップS701:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、燃料カット復帰直後である旨判断されると(ステップS701:NO)、上述したリッチスキップ補正量RSが読み込まれる(ステップS702)。
次に、燃料カットからの復帰後において、所定期間、ベーパ濃度学習値FGPGの更新を禁止する時間(更新抑制時間)BTがリッチスキップ補正量RSに基づいて算出される(ステップS703)。この更新抑制時間BTは、図9に示すように、リッチスキップ補正量RSが大きくなるほど、より長い時間が設定される。これは、リッチスキップ補正量RSが大きくなるほど、増大補正された空燃比フィードバック補正係数FAFが通常の空燃比フィードバック補正係数に収束する時間が長くなる、換言すれば燃料蒸気の濃度学習に影響を与える時間が長くなるためである。
次に、以下の条件式(4)が満たされているか否かが判断される(ステップS704)。

空燃比反転後時間RT>更新抑制時間BT …(4)

ここで、空燃比反転後時間RTは、リッチスキップ補正量RSによって増大補正された空燃比フィードバック補正係数FAFが初めて減少側に転じたときからの経過時間である。これは、燃料カットからの復帰後において排気センサ51の信号がリーンからリッチに切り替わり、空燃比フィードバック補正係数FAFが階段状に減少された時からの経過時間と同一である。
そして、条件式(4)が満たされている場合には(ステップS705:YES)、次のように判断することができる。すなわち、リッチスキップ補正量RSによって、一時的に、かつ階段状に増大補正された空燃比フィードバック補正係数FAFが通常の空燃比フィードバック補正係数FAFに収束しており、燃料蒸気の濃度学習に対してリッチスキップ補正量RSが与える悪影響は十分に抑制されていると判断することができる。そして、(e9)の条件が肯定判定され(S705)、本処理は一旦終了される。そして、他のベーパ濃度学習値FGPGの更新条件である上記(e1)〜(e8)の各条件が全て満たされていることを確認した場合には、先の図5に示したステップS604の処理が実行され、ベーパ濃度学習値FGPGが更新される。換言すれば、ベーパ濃度学習値FGPGの学習が許可される。
一方、条件式(4)が満たされていない場合には(ステップS705:NO)、次のように判断することができる。すなわち、リッチスキップ補正量RSによって、一時的に、かつ階段状に増大補正された空燃比フィードバック補正係数FAFが通常の空燃比フィードバック補正係数FAFに未だ収束しておらず、燃料蒸気の濃度学習に対してリッチスキップ補正量RSが与える悪影響を十分に抑制することができないと判断することができる。そこで、(e9)の条件が否定判定され(S706)、本処理は一旦終了される。この場合には、ベーパ濃度学習値FGPGの更新条件である上記(e1)〜(e8)の各条件が全て満たされている場合であっても、先の図5に示したステップS603の処理において、ベーパ濃度学習値FGPGの更新条件が満たされていない旨判定される。そのため、ベーパ濃度学習値FGPGの更新が行われることなく、ベーパ濃度学習処理は一旦終了される。換言すれば、ベーパ濃度学習値FGPGの学習が禁止される。
図10は、本実施形態にかかる内燃機関の制御装置によって算出されるベーパ濃度学習値FGPG、ベーパ濃度学習値FGPGに応じた燃料噴射補正量、及び空燃比フィードバック補正係数FAFについて、燃料カットからの復帰後における変化態様を例示している。なお、この図10において、二点鎖線で示すものは、上記「更新許可判定処理」を実施しない場合の上記各値の変化態様を示している。
まず、時刻t1において燃料カットが実行され、機関回転速度NEが復帰回転速度まで低下すると燃料噴射が再開される(時刻t2)。時刻t1〜時刻t2の間は、触媒装置60の排気浄化触媒が空気に曝されるため、同排気浄化触媒の酸素吸蔵量は増大する。また、時刻t2における燃料噴射量は、燃料カット時間FCTに応じて設定されるリッチスキップ補正量RSによって増大補正された空燃比フィードバック補正係数FAFより増量補正される。この燃料噴射量の増量補正により、排気浄化触媒の酸素吸蔵量は減少し、NOx等の浄化作用が早期に回復される。時刻t2において階段状に増大された空燃比フィードバック補正係数FAFは、実空燃比が理論空燃比よりもリーンであるため、実空燃比をリッチにするべく、その後所定量ずつ増大される。そして、空燃比フィードバック補正係数FAFが増大されて燃料噴射量が増量されていくことにより、実空燃比が理論空燃比よりもリッチになると(時刻t3)、空燃比フィードバック補正係数FAFは階段状に減少され、その後実空燃比をリーンにするべく、所定量ずつ減少される。また、この時刻t3から上記空燃比反転後時間RTの計測が開始される。こうして空燃比フィードバック補正係数FAFが減少されて燃料噴射量が減量されていくと、実空燃比は理論空燃比よりもリーンになる(時刻t7)。そして時刻t7において、空燃比フィードバック補正係数FAFは階段状に増大され、その後実空燃比をリッチにするべく、所定量ずつ増大されていく。このように空燃比フィードバック補正係数FAFは、時刻t7以降、実空燃比が理論空燃比を境にして切り替わるときには階段状に増減され、また実空燃比がリッチであるときには所定量ずつ減少、実空燃比がリーンであるときには所定量ずつ増大されることにより、触媒装置60による排気成分の浄化が図られる。
ここで、燃料カットからの復帰後において初めて実行される空燃比フィードバック補正係数FAFの減少についてその最終的な値は、通常の空燃比フィードバック補正係数FAFの減少による最終的な値よりも小さい値(燃料噴射量をより減量させる値)になる。これは、リッチスキップ補正量RSによって空燃比フィードバック補正係数FAFが通常よりも大きい値に設定されるため、実空燃比のリッチ度合もより高いものとなる。そのため、所定量ずつ減少される空燃比フィードバック補正係数FAFが通常時よりも小さい値にまで減少されなければ、実空燃比をリーンにすることができないためである。このように空燃比フィードバック補正係数FAFが通常時よりも小さい値に設定されていくと、その値が上述した更新許可下限値DMINよりも小さくなることがある(時刻t4)。
この場合において、上記「更新許可判定処理」を実施する本実施形態の場合には、上記空燃比反転後時間RTが上記更新抑制時間BTを超えていないためにベーパ濃度学習値FGPGの更新がなされない。従って、ベーパ濃度学習値FGPGは燃料カット実行前の値に維持される。そして、空燃比反転後時間RTが上記更新抑制時間BTを超えたときには(時刻t8)、上記(e9)の条件は満たされる。すなわちリッチスキップ補正量RSによって、一時的に、かつ階段状に増大補正された空燃比フィードバック補正係数FAFが通常の空燃比フィードバック補正係数FAFに収束しており、ベーパ濃度学習に対してリッチスキップ補正量RSが与える悪影響は十分に抑制されていると判断される。そのため、ベーパ濃度学習値FGPGの更新条件である上記(e1)〜(e8)の条件が成立していれば、ベーパ濃度学習値FGPGの更新が許可される。なお、図10に示す例では、時刻t8における空燃比フィードバック補正係数FAFが更新許可下限値DMINよりも大きく、かつ更新許可上限値DMAXよりも小さいため、ベーパ濃度学習値FGPGの更新はなされず、燃料カット実行前の値に維持される。
一方、上記「更新許可判定処理」を実施しない場合には、時刻t4において上記「ベーパ濃度学習処理」により、ベーパ濃度が変化してその濃度が高くなっていると判断される。そのため、実際にはベーパ濃度が変化していなくても、そのときの空燃比フィードバック補正係数FAFに基づいてベーパ濃度学習値FGPGの値は増大され始め(時刻4)、時刻t5において誤ったベーパ濃度学習値FGPGの更新が完了してしまう。そして、この誤学習されたベーパ濃度学習値FGPGによって燃料噴射量は減少側に補正される。この燃料噴射量の減量補正により、実空燃比は本実施形態の場合と比較して、より早期にリーンとなる(時刻t6)。そしてその後、実空燃比がリーンからリッチに変わる(時刻t10)までの過程では、誤学習されたベーパ濃度学習値FGPGによって燃料噴射量が減量補正されている分だけ、空燃比フィードバック補正係数FAFはより増大されるようになり、本実施形態と比較して、リーンからリッチに切り替わるまでの時間が長くなる。なお、空燃比フィードバック補正係数FAFが更新許可上限値DMAX以上になる場合には(時刻t9)、ベーパ濃度学習値FGPGの値は減少され始め(時刻t9)、時刻t11においてベーパ濃度学習値FGPGの更新が完了する。
このように、燃料カットからの復帰直後において設定されるリッチスキップ補正量RSによって燃料噴射量が増量補正される場合において、上記「更新許可判定処理」を実施しない場合には、燃料噴射量の増量補正に起因してベーパ濃度学習値FGPGの誤学習が生じることがある。そしてこのような誤学習に起因して空燃比フィードバック補正係数FAFの挙動は、本実施形態における同係数の挙動と異なるようになる。例えば、図10に例示したような変化態様において上記「更新許可判定処理」を実施しない場合には、これを実施する場合と比較して、燃料カットからの復帰後において最初に実空燃比がリッチとなっている期間が短くなるとともに、その後リーンとなっている期間は長くなる。そのため、排気浄化触媒の浄化機能にも少なからず悪影響を与え、例えば排気エミッションの悪化を招くおそれもある。また、上記目標パージ率PGRはパージの実行時間が長くなるほど、その値が大きくなるように設定されるが、ベーパ濃度学習値FGPGが更新されると、増大される前の値に一旦戻されるため、キャニスタ31の燃料蒸気吸着能力の回復も遅れるようになる。
しかしながら、本実施形態では上述したようにベーパ濃度学習値FGPGの誤学習が抑制されるため、同学習値の誤学習に起因した上記各不具合の発生も抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)燃料カットからの復帰直後において空燃比フィードバック補正係数FAFを増大補正して燃料噴射量を増量する場合において、燃料カットからの復帰後、更新抑制時間BTが経過するまで燃料蒸気の濃度学習についてその実行を停止(禁止)するようにしている。そのため、空燃比フィードバック補正係数FAFの増大補正が燃料蒸気の濃度学習に与える影響を抑えることができ、もって燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制することができるようなる。
(2)上記更新抑制時間BT内でのベーパ濃度の学習についてその更新程度を小さく設定する態様として、同更新抑制時間BT内でのベーパ濃度学習の実行を禁止するようにしている。そのため燃料蒸気の濃度の誤学習を確実に抑制することができるようなる。
(3)上記更新抑制時間BTを、燃料カットからの復帰直後に増大補正される空燃比フィードバック補正係数FAF、より具体的には空燃比フィードバック補正係数FAFを増大補正するリッチスキップ補正量RSに基づいて設定するようにしている。そのため、同更新抑制時間BTを好適な時間に設定することができるようになる。
(4)リッチスキップ補正量RSが大きいほど、燃料蒸気の濃度学習に影響を与える期間は長くなる。そこで上記実施形態では、リッチスキップ補正量RSが大きいほど更新抑制時間BTを長く設定するようにしている。そのため、更新抑制時間BTを最適な値に設定することができる。
(5)排気通路15に設けられる触媒装置60の排気浄化触媒についてその酸素吸蔵量を推定するとともに、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数FAFを増大補正するための補正値、すなわち上記リッチスキップ補正量RSをこの推定された酸素吸蔵量に基づいて設定するようにしている。そのため、排気浄化触媒の酸素吸蔵量に応じてリッチスキップ補正量RSが設定され、空燃比フィードバック補正係数FAFの増大補正を好適に実施することができるようになる。
ここで、本実施形態ではリッチスキップ補正量RSに基づいて上記更新抑制時間BTを設定するようにしている。そのため、このようにリッチスキップ補正量RSが可変設定される場合であっても、その設定値に応じて上記更新抑制時間BTは設定されるため、排気浄化触媒の機能を回復させつつ、燃料蒸気の濃度の誤学習も好適に抑制することができるようになる。
(6)排気浄化触媒の酸素吸蔵量が多くなるほど、同触媒から酸素を放出させるために必要な還元剤、すなわち燃料の量もより多く必要になる。そこで、リッチスキップ補正量RSの設定態様として、上記酸素吸蔵量が多いほどリッチスキップ補正量RSをより大きい値に設定するようにしている。そのため、排気浄化触媒の浄化機能を好適に回復させることができるようになる。
(7)燃料カット実行中の排気浄化触媒は酸素分圧の高い排気に曝されるため、同排気浄化触媒の酸素吸蔵量は増大するようなる。そこで、燃料カットの実行期間、すなわち上記燃料カット時間FCTに基づいてその酸素吸蔵量を推定するようにしている。そのため、排気浄化触媒の酸素吸蔵量を実際に推定することができるようになる。
(8)ベーパ濃度学習値FGPGの誤学習を抑制することができるため、空燃比フィードバック補正係数FAFの挙動の乱れを抑制することができ、もって排気エミッションの悪化等を抑制することができるようになる。
(9)パージの実行時間が長くなるほど上記目標パージ率PGRの値を増大させるようにしているが、ベーパ濃度学習値FGPGが更新されたときには、目標パージ率PGRの値を増大される前の値に一旦戻すようにもしている。そのためベーパ濃度学習値FGPGが更新されると、キャニスタ31の燃料蒸気吸着能力の回復も遅れるようになる。この点、上記実施形態によれば、ベーパ濃度学習値FGPGについて不必要な更新を抑制することができるため、キャニスタ31の燃料蒸気吸着能力の回復も好適に実施されるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、更新抑制時間BT内でのベーパ濃度の学習についてその更新程度を小さく設定する態様として、更新抑制時間BT中における燃料蒸気の濃度学習の実行を停止するようにした。これに代えて、更新抑制時間BT中の燃料蒸気の濃度学習についてその濃度の更新量を、同更新抑制時間BT外の更新量と比較して減少させるようにしてもよい。これは例えば、上記実施形態を以下のように変更することによって実施することができる。まず、ベーパ濃度学習の更新条件から上記(e9)の条件を削除する。そして、先の図8に示した更新許可判定処理において、ステップS704で肯定判定されたときには、ステップS705の処理に代えて、抑制係数Aを「1.0」に設定する。一方、ステップS704で否定判定されたときには、ステップS706の処理に代えて、抑制係数Aを「1.0」より小さい値に設定する。この抑制係数Aは、更新抑制時間BT中の燃料蒸気の濃度学習についてその濃度の更新量を、同更新抑制時間BT外の更新量と比較して低減させるために設定される係数である。そしてこのように変更された更新許可判定処理を「更新抑制処理」とし、同「更新抑制処理」を先の図5に示したベーパ濃度学習処理におけるステップS604の処理の前に追加する。そして、同図5にステップS604で示されるベーパ濃度学習値FGPGの算出に際して、上記式(2)を例えば次式(5)のように変更する。

FGPGの更新値={前回のFGPG+(FAFAV−1)/PGR}×A …(5)

なお、抑制係数Aは式(2)の右辺における項のいずれかに乗算されるようにしてもよい。
こうした変形例によれば、更新抑制時間BT中にあって、燃料蒸気の濃度学習によって算出される燃料蒸気の濃度と実際の燃料蒸気の濃度との乖離度合を小さくすることができ、これによっても燃料蒸気の濃度の誤学習を抑制することができるようなる。
ちなみに、抑制係数Aを式(5)に示したような乗算項ではなく、減算項として設定するようにしてもよい。要は、更新抑制時間BT中の燃料蒸気の濃度学習についてその濃度の更新量が、同更新抑制時間BT外の更新量と比較して減少されるようにすればよい。
また、抑制係数Aの値は所定の固定値とするほか、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数FAFの増大補正が燃料蒸気の濃度学習に与える影響の度合に応じて可変設定される値とするようにしてもよい。この可変設定に際しては、例えばリッチスキップ補正量RSや排気浄化触媒の酸素吸蔵量、あるいは燃料カット時間FCTに基づいて抑制係数Aの値を可変設定するといった態様で実施することができる。ちなみに、リッチスキップ補正量RSが大きいほど、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が多いほど、あるいは燃料カット時間FCTが長いほど、抑制係数Aはより大きい値に設定されるようにするとよい。
また、燃料カット復帰時からの経過時間が長くなるほど、燃料蒸気の濃度学習値についてその更新量に対する抑制度合が小さくなるように上記抑制係数Aを可変設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、更新抑制時間BTをリッチスキップ補正量RSに基づいて設定するようにしたが、リッチスキップ補正量RSによって補正された空燃比フィードバック補正係数FAFに基づいて設定するようにしてもよい。
・上記更新抑制時間BTは上記リッチスキップ補正量RSに基づいて設定されるようにしたが、このリッチスキップ補正量RSは燃料カット時間FCTに基づいて設定される。そこで、上記更新抑制時間BTを燃料カット時間FCTに基づいて設定するようにしてもよい。なお、この場合には、燃料カット時間FCTが長くなるほど、更新抑制時間BTを長く設定するようにするとよい。
・上記実施形態では、リッチスキップ補正量RSや更新抑制時間BTを可変設定するようにしたが、これら各値を固定値として設定するようにしてもよい。この場合に設定されるリッチスキップ補正量RSや更新抑制時間BTについては、例えば実験等を通じて得られた好適な値を設定するとよい。
・上記実施形態では、酸素吸蔵量を燃料カット時間FCTに基づいて推定するようにしたが、燃料カットが実行される前の機関運転時間と燃料カット時間FCTとに基づいて推定するようにしてもよい。また、他のパラメータ、例えば燃料噴射量や排気センサ51の検出信号に基づいて推定するようにしてもよい。さらに、触媒装置60の下流側に排気センサ51と同様なセンサを設け、その検出信号に基づいて酸素吸蔵量を推定するようにしてもよい。そして、これら推定される酸素吸蔵量に基づいてリッチスキップ補正量RSを設定することもできる。
・上記実施形態では、上記(e9)の条件をベーパ濃度学習の更新条件として追加するようにしたが、この条件を上述したベーパ濃度の学習条件として追加するようにもよい。
・上記実施形態及びその変形例にかかる内燃機関の制御装置は、点火プラグを備えるガソリン機関のみならず、ディーゼル機関にも適用して実施することができる。
本発明にかかる内燃機関の制御装置の一実施形態について、これが適用される内燃機関の構成を示す概略図。 同実施形態における空燃比フィードバック制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるパージ制御処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態における空燃比学習処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるベーパ濃度学習処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態における燃料噴射制御処理の手順を示すフローチャート。 リッチスキップ補正量の設定に際してその傾向を示す図。 同実施形態における更新許可判定処理の手順を示すフローチャート。 更新抑制時間の設定に際してその傾向を示す図。 同実施形態の制御装置によって実施される燃料蒸気の濃度学習についての抑制態様を例示するタイムチャート。
符号の説明
10…内燃機関、11…燃焼室、12…燃料噴射弁 、13…点火プラグ、14…吸気通路、15…排気通路、16…サージタンク、17…スロットルバルブ、21…燃料タンク、30…蒸発燃料処理機構、31…キャニスタ、32…ベーパ通路、33…パージ通路、34…大気導入通路、35…パージ制御弁、40…電子制御装置、51…排気センサ、52…エアフロメータ、53…クランク角センサ、54…スロットルセンサ、55…水温センサ、60…触媒装置。

Claims (6)

  1. 内燃機関の実空燃比が目標空燃比となるように空燃比フィードバック補正係数を算出し同空燃比フィードバック補正係数に基づいて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御手段と、パージされる燃料蒸気の濃度を前記空燃比フィードバック補正係数に基づいて学習する濃度学習手段と、燃料カットからの復帰直後に前記空燃比フィードバック補正係数を増大させて燃料噴射量を増量補正する増量補正手段とを備える内燃機関の制御装置において、
    前記濃度学習手段は前記燃料カットからの復帰後、所定期間が経過するまで前記燃料蒸気の濃度の学習についてその更新程度を小さく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記濃度学習手段は前記所定期間が経過するまで前記濃度学習を停止する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記所定期間は前記燃料カットからの復帰直後に増大される前記空燃比フィードバック補正係数に基づいて設定される
    請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記増量補正手段は排気通路に設けられる排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定するとともに、燃料カットからの復帰直後における空燃比フィードバック補正係数を増大させる補正値を、この推定された酸素吸蔵量に基づいて設定する
    請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記補正値は前記酸素吸蔵量が多いほど大きい値に設定される
    請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記酸素吸蔵量は前記燃料カットの実行期間に基づいて推定される
    請求項4または5に記載の内燃機関の制御装置。
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