JP3862934B2 - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の蒸発燃料処理装置に関し、特に蒸発燃料パージ処理時の空燃比変化を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の蒸発燃料処理装置では、燃料タンク等で発生する蒸発燃料をキャニスタに一時的に吸着し、該吸着した蒸発燃料を所定の機関運転条件で離脱させてパージ用空気と混合したパージエアを、パージ制御弁で流量制御しつつ機関の吸気系へ吸引処理することによって、蒸発燃料の外気への蒸散を防止するようにしている(特開平5−215020号等参照) 。
【0003】
近年、蒸発燃料蒸散防止の規制強化に伴ない、キャニスタ容量が大型化されると共に、時間当たりのパージ処理量の増大が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パージ処理量を増大すると、減速時や容量の大きな負荷(エアコン、パワーステアリング等)駆動時などにパージカットしたとき、該パージカット状態からパージを再開したときに、通常の空燃比フィードバック制御では、空燃比変化を抑制しきれず、排気浄化性能の過渡的な影響が大きくなってしまう。
【0005】
従来、前記空燃比変化抑制のため、パージカット、再開前後の空燃比フィードバック制御量の変化が大きいときに、燃料噴射量を減量補正するようにしたものもあるが、このように空燃比の変化をみてから補正する方式では、応答性よく空燃比変化を吸収することが困難になってきている。
【0006】
一方、空燃比補正制御との併用などにより空燃比への影響を抑制しつつ、可能な限りパージ処理量を増大することが試みられており、パージエアにおける蒸発燃料の濃度(以下パージ濃度という)に応じてパージ率(吸入空気量に対する蒸発燃料のパージ量)を可変に制御するようにしたものもある。
【0007】
しかし、機関始動後初めてパージを行なうときは、パージ停止中にキャニスタ内へ蒸発燃料が多量に吸着してパージ濃度が大きく変化している可能性があるが、パージ濃度を運転中のパージ経験に基づいて推定するものでは、該パージ濃度の変化を推定することができず、センサで検出する場合でも検出遅れがあるため、濃いパージエアが大量に処理されて、空燃比がリッチ化して過渡的に排気浄化性能が悪化したり、トルク変動により運転性が悪化したりする可能性があった。
【0008】
本発明は、これらパージ処理量の増大要求に伴なう課題に着目してなされたもので、蒸発燃料パージ開始時の空燃比変化を応答よく抑制し、排気浄化性能を良好に維持でき、トルク変動も抑制できるようにすることを目的とする。
【0009】
また、状況に応じてパージ率の制御方式を切り換えることにより、空燃比変化による排気浄化性能や運転性の悪化を抑制しながら、十分なパージ処理が行なえるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御して空燃比を制御する内燃機関に備えられ、燃料タンクから発生する蒸発燃料を一時的にキャニスタに吸着し、所定の機関運転条件で前記キャニスタから蒸発燃料をパージさせ、パージ制御弁を介して機関の吸気系に吸入処理する内燃機関の蒸発燃料処理装置において、
前記パージ制御弁の開度制御量がしきい値以上変化したときに、前記パージされる蒸発燃料の濃度と、前記パージ制御弁の開度制御量の変化量とに基づいて算出した補正量によって、前記空燃比制御量を補正することを特徴とする。
【0011】
請求項1に係る発明によると、
排気浄化性能に影響がでるようなパージ制御弁の開度制御量の変化があったときには、空燃比制御量が補正され、これにより、空燃比変化が抑制される。
【0012】
このようにすれば、パージ処理量が大きく変化するときは、速やかに空燃比変化を抑制することができ、排気浄化性能を良好に維持できる。
また、パージ制御弁は内燃機関の排気量とキャニスタ容量とに基づいて、予め必要なパージ処理量が確保される大きさに設定されているので、排気浄化性能に影響がでるようなパージ制御弁の開度変化率は、該パージ制御弁の大きさによらず略一定であることが判明した。これにより、前記空燃比制御量を補正するパージ制御弁の開度制御量変化量のしきい値を、車種や内燃機関の機種によらず一律に設定することができ、汎用性がある。
【0014】
また、パージされる蒸発燃料の濃度と、パージ制御弁の開度制御量の変化量とに基づいて吸入空気量に対する蒸発燃料パージ量の比率つまり空燃比の変化量をリアルタイムで高精度に予測することができる。
【0015】
したがって、該パージ開始によって予測される空燃比の変化量に対し、該空燃比の変化を抑制するのに適正な空燃比制御量(フィードバック補正量)の補正量を算出することができ、以って応答性よく、かつ、高精度に空燃比の変化を抑制できる。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、
前記パージされる蒸発燃料の濃度は、パージエア量、機関の吸入空気量、燃料噴射弁からの燃料噴射量、排気空燃比に基づいて推定されることを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明によると、
パージにより供給される空気と燃料とを含んで形成される混合気(パージエア)と、排気空燃比の検出値との相関から、蒸発燃料の濃度を推定することができる。
【0018】
このようにすれば、特別濃度センサを設ける必要がなく、コストダウンを図れる。
また、請求項3に係る発明は、
前記パージ制御弁の開度制御量が全開時の略10%以上変化したときに、前記空燃比制御量を補正することを特徴とする。
【0019】
請求項3に係る発明によると、
既述したように、排気浄化性能に影響がでるようなパージ制御弁の開度変化率は、該パージ制御弁の大きさによらず略一定であり、具体的には、開度制御量が全開時の略10%以上(例えば、デューティ制御の場合デューティ比≒10%)変化したときに空燃比変化により排気浄化性能に影響がでることが判明した。
【0020】
したがって、上記条件で空燃比制御量を補正することにより、空燃比変化を抑制して排気浄化性能を良好に維持することができる。
また、請求項4に係る発明は、
燃料タンクから発生する蒸発燃料を一時的にキャニスタに吸着し、所定の機関運転条件で前記キャニスタから蒸発燃料をパージさせ、パージ制御弁を介して機関の吸気系に吸入処理する内燃機関の蒸発燃料処理装置において、
機関運転開始後、蒸発燃料のパージを初めて行なうときと、2回目以降行なうときとで、吸入空気量に対する蒸発燃料のパージ量であるパージ率の目標値を異なる方式で設定し、かつ、前記蒸発燃料のパージを初めて行なうときは、該蒸発燃料のパージが禁止されていた継続時間が所定値未満のときは前回行なわれたパージの終了時におけるパージ率を、パージ率の目標値として設定し、前記継続時間が所定値以上のときは、小さめに設定した初期値から漸増するようにパージ率の目標値を設定することを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明によると、
機関運転開始後、蒸発燃料のパージを初めて行なうときは、パージ濃度が大きくリッチ化されている可能性を考慮してパージ率の目標値を設定し、2回目以降行なうときは、前回のパージ時に対して大きなパージ濃度の変化がないので、パージ濃度に基づいてパージ率の目標値を設定するなど、設定方式を異ならせる。
【0022】
これにより、状況に応じてパージ率が適正に制御され、空燃比変化による排気浄化性能や運転性の悪化を抑制しつつ、十分なパージ処理を行なうことができる。
【0024】
また、機関運転開始後、蒸発燃料のパージを初めて行なうときは、蒸発燃料のパージが禁止されていた継続時間が所定値未満のときは、該継続期間中にキャニスタに吸着された蒸発燃料の量は少なく、パージ濃度の変化は小さいと判断されるので、前回行なわれたパージの終了時におけるパージ率を、パージ率の目標値として設定することで、大きな空燃比変化を生じることなく、十分な量のパージ処理を行なうことができる。
【0025】
一方、蒸発燃料のパージが禁止されていた継続時間が所定値以上のときは、特に高温時など該継続期間中にキャニスタに吸着された蒸発燃料の量が大きく、パージ濃度が前回パージ終了時から大きく変化している可能性があると判断し、パージ率の目標値を初期値は小さめに設定し、該初期値から漸増して設定する。これにより、パージ開始と同時に大量の蒸発燃料が処理されることを防止して、空燃比変化による排気浄化性能や運転性の悪化を抑制しながら、徐々に所望の目標値に変化させてパージ処理量を確保する。
【0026】
また、請求項5に係る発明は、
前記蒸発燃料のパージを2回目以降行なうときは、パージされる蒸発燃料の濃度に基づいてパージ率の目標値を設定することを特徴とする。
【0027】
請求項5に係る発明によると、
2回目以降のパージでは、パージ濃度をパージ経験に基づいて推定する場合は、前回までのパージに基づいてパージ濃度を精度よく推定することができ、パージ濃度をセンサで検出する場合も、初めてのパージのときのようにパージ濃度が過剰にリッチ化されていることがなく検出遅れが問題にならないので、パージ濃度に基づいてパージ率の目標値を設定することにより、空燃比変化を抑制しつつ可能なかぎりパージ処理量を大きくすることができる。
【0028】
また、請求項6に係る発明は、
前記パージされる蒸発燃料の濃度は、パージエア量、機関の吸入空気量、燃料噴射弁からの燃料噴射量、排気空燃比に基づいて推定されることを特徴とする。
【0029】
請求項6に係る発明によると、
パージエアと、排気空燃比の検出値との相関から、蒸発燃料の濃度を推定することができる。
【0030】
このようにすれば、特別濃度センサを設ける必要がなく、コストダウンを図れる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態において蒸発燃料処理装置を含んで構成される車両用内燃機関のシステム構成図である。
【0032】
この図1において、車両に搭載される内燃機関1の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ2,吸気管3,電子制御式スロットル弁4を介して空気が各気筒に吸入される。
【0033】
前記電子制御式スロットル弁4は、モータ等のアクチュエータによってスロットル弁の弁体を開閉駆動するよう構成されたシステムである。
また、各気筒の燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射するように、電磁式の燃料噴射弁5が設けられている。
【0034】
前記燃料噴射弁5は、コントロールユニット20から出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射する。そして、燃焼室内に形成された混合気は、コントロールユニット20からの点火信号に基づき制御される点火栓6により着火燃焼する。
【0035】
但し、内燃機関1を上記の直接噴射式ガソリン機関に限定するものではなく、吸気ポートに燃料を噴射する構成の機関であっても良い。
機関1からの排気は排気管7を介して排出され、排気管7には排気浄化用の触媒8が介装されている。
【0036】
また、燃料タンク9から発生する蒸発燃料を処理すべく、蒸発燃料処理装置が設けられている。
キャニスタ10は、密閉容器内に活性炭などの吸着剤11を充填したもので、燃料タンク9からの蒸発燃料導入管12が接続されている。従って、機関1の停止中などに燃料タンク9にて発生した蒸発燃料は、蒸発燃料導入管12を通って、キャニスタ10に導かれ、ここに吸着捕集される。
【0037】
また、キャニスタ10には、新気導入口13が形成されると共に、パージ配管14が導出されている。前記パージ配管14には、コントロールユニット20からの制御信号によって開口面積が制御されるパージ制御弁15が介装されている。
【0038】
上記構成において、パージ制御弁15が開制御されると、機関1の吸入負圧がキャニスタ10に作用する結果、新気導入口13から導入される空気によってキャニスタ10の吸着剤11に吸着されていた蒸発燃料がパージされ、このパージされた蒸発燃料を含むパージエアが、前記パージ配管14を通って吸気管3のスロットル弁4下流側に吸入され、この後、機関1の燃焼室内で燃焼される。
【0039】
コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイコンを備え、各種センサからの入力信号を受け、これに基づいて演算処理して、燃料噴射弁5,点火栓6及びパージ制御弁15などの作動を制御する。
【0040】
前記各種センサとしては、機関1のクランク角を検出するクランク角センサ21、気筒判別信号を出力するカムセンサ22が設けられている。ここで、前記クランク角センサ21からの検出信号に基づき機関回転速度Neが演算される。
【0041】
この他、吸気管3のスロットル弁4上流で吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ23、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)APSを検出するアクセルセンサ24、スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットルセンサ25、機関1の冷却水温Twを検出する水温センサ26、排気中の酸素濃度に基づいて排気空燃比を広域に検出する広域空燃比センサ27、車速VSPを検出する車速センサ28などが設けられている。
【0042】
尚、前記空燃比センサ27で検出される排気空燃比を目標空燃比に一致させるべく燃料噴射量を補正するための空燃比フィードバック係数を設定する空燃比フィードバック制御が、所定の空燃比フィードバック条件下で行われる構成となっており、前記キャニスタ10からの蒸発燃料のパージは、前記空燃比フィードバック制御が行われていることを条件として実行されるようになっている。
【0043】
次に、前記コントロールユニット20によるパージ制御の様子を、図2および図3のフローチャートに従って説明する。該フローは、イグニッションスイッチONでスタートし、所定時間周期で実行される。
【0044】
ステップS1では、各種運転条件を読み込む。具体的には、吸入空気量Q、燃料噴射量Tp、機関回転速度Ne、車速VSP、補機類(エアコン、パワーステアリング等)のON,OFF、空燃比センサ、エアフロメータ、パージ制御弁等の診断結果などである。
【0045】
ステップS2では、後述するパージ率算出のため、パージが禁止されている継続時間を計測する。
ステップS3では、パージ実行許可条件が成立しているか否かを判別する。例えば、空燃比フィードバック制御中であるなどのパージ実行許可条件が成立している場合には、ステップS4へ進む。成立しないときは、ステップS1へ戻る。例えば、水温が所定値以上、空燃比フィードバック制御が正常に動作していること、空燃比センサ、パージ制御弁が正常であること、その他パージ禁止条件でないこと等の条件が満たされているときに、パージ実行許可条件が成立する。
【0046】
パージ実行許可条件が成立して、ステップS4へ進むと、パージ制御弁の駆動周期(デューティ周期)を算出する。例えば、機関の高速域では、駆動周期を短く設定する。
【0047】
ステップS5では、各種条件に基づいてパージ濃度(空気と蒸発燃料とが混合したパージエア中の蒸発燃料濃度)を推定する。該推定方法については後述する。
【0048】
ステップS6では、パージ実行許可条件が成立して初めてパージが実行されるのか、または、2度目以降でパージが再開(リカバー)されるのかを判別する。
パージ再開時は、ステップS7へ進み、前記ステップS5で推定されたパージ濃度に基づいて目標パージ率(パージ率=パージエア流量/吸入空気量)を設定する。具体的には、図4に示すようなテーブルにより、パージ濃度に応じて濃度が濃いときほど目標パージ率を小さく、濃度が薄いときほど目標パージ率を大きく設定する。ここで、従来は、目標パージ率は、2%以内程度に設定されていたが、本実施の形態では、パージ処理量増大の要求に応えるため、パージ濃度(空燃比)が10未満で1%、13で2.5%と従来に近い設定とするが、16を超える理論空燃比よりリーンな領域で目標パージ率を20%と極めて大きくし、その間の濃度14で10%に設定してある。すなわち、パージ処理量を増大するためには、濃度が濃いときにパージ率を大きくするのが効率的ではあるが、トルク変動が大きく燃料噴射弁からの燃料噴射量を減量補正しても燃料噴射弁の開弁期間に対する燃料噴射量のリニアリティが損なわれる低噴射量域での制御となるため、精度が得られずトルク変動を十分に抑制しきれない。一方、パージ濃度が薄くなるほどパージ処理量を増大するのに大量のパージエア量が必要になるが、該パージエア量の増大に応じた燃料噴射量の増量補正は、高精度に制御することができるため、トルク変動も十分抑制することができる。
【0049】
次いで、ステップS8では、パージ制御弁の駆動デューティDUTYを次式により算出する。
DUTY=吸入空気量×目標パージ率×PCV流量特性係数
前記PCV流量特性係数は、パージ流量に対する駆動デューティDUTYの換算係数である。
【0050】
ステップS9では、駆動デューティDUTYが、前回値に対して所定値(10%)以上変化したかを判定する。一般的には、パージ禁止中の駆動デューティDUTY=0に対して、パージ再開時の駆動デューティDUTYが所定値(10%)以上あるかの判定となるが、パージ中に駆動デューティDUTYが所定値(10%)以上変化するような場合の判定も含む。
【0051】
そして、駆動デューティDUTYが、所定値(10%)以上変化した場合には、ステップS10へ進んで、空燃比制御量(空燃比フィードバック補正係数)ALPHAの補正量EVSFTを次式により算出する。
【0052】
EVSFT=パージ濃度係数×DUTY変化量×PCV流量特性係数……(1)
前記パージ濃度係数は、パージ濃度が濃くなるほど大きくなるように設定される。また、DUTYの変化量は、DUTYの前回値から今回値を引いた値として算出され、駆動デューティDUTYが増大するパージリカバー時には、該補正量EVSFTは、燃料噴射量を減少させるように負の値に設定される。
【0053】
なお、簡易的には、前回パージ時の最後の空燃比制御量(空燃比フィードバック補正係数を平均化した値)を学習記憶しておき、該学習値とパージカット時の基準値(例えば1)との偏差(=学習値−基準値)を補正量EVSFTとして設定してもよい。
【0054】
ステップS11では、前記算出された補正量EVSFTにより、空燃比制御量ALPHA(初期値)を次式のように補正する。
ALPHA=ALPHA(前回値)+EVSFT……(2)
ALPHA(前回値)は、直前のパージ禁止時における最終値である。
【0055】
また、ステップS9で、駆動デューティDUTYの前回値に対する増方向の変化量が所定値(10%)未満と判定されたときには、パージ再開による空燃比の変化が小さく、排気浄化性能に影響を与えないと判断して、空燃比制御量の補正処理を行なうことなく、このフローを終了する。
【0056】
このように、パージ制御弁の開度制御量の変化量に基づいて空燃比制御量を補正の有無を判別することにより、応答性よく補正処理を行なって空燃比の変化を抑制し、排気浄化性能を良好に維持することができる。
【0057】
一方、ステップS6で、初めてパージを実行すると判定されたときは、パージ濃度がステップS5でのパージ経験に基づく推定濃度より濃くなっている可能性が高く、パージ再開時の目標パージ率の設定では、空燃比の変化を吸収しきれずトルク変動も大きくなるおそれがあるので、前記ステップS2で計測されたパージ禁止継続時間に基づいてパージ率を設定する。
【0058】
すなわち、ステップS12では、前記パージ禁止継続時間が所定値未満か否かを判定する。
そして、パージ禁止継続時間が所定値未満のときは、その間にキャニスタに吸着した蒸発燃料の増加量が少なく、直前の(前回運転時における最後の)パージ時と同様のパージ率で制御しても空燃比に与える影響は小さいと判断し、ステップS13へ進んで、前記直前のパージ時におけるパージ率(運転停止時にバックアップメモリに記憶しておく)を読み込み、該パージ率を目標パージ率として設定する。
【0059】
次いでステップS14で、前記目標パージ率に応じたパージ制御弁の駆動デューティDUTYを算出した後、ステップS15で、空燃比制御量を補正する。具体的には、前記直前のパージ時における空燃比制御量(空燃比フィードバック補正係数を平均化した値)を学習記憶しておき、この値を初期値として更新補正すればよい。
【0060】
また、パージ禁止継続時間が所定値以上のときは、その間にキャニスタに吸着した蒸発燃料の増加量が多く、直前のパージ時と同様のパージ率で制御すると空燃比に与える影響が大きくなる可能性があると判断し、ステップS16へ進んで目標パージ率を、小さく設定した初期値(例えば0%)から徐々に増加させて設定する。
【0061】
ステップS17で前記目標パージ率に応じたパージ制御弁の駆動デューティDUTYを算出した後、ステップS18で、前記ステップS16で設定された目標パージ率に応じて空燃比制御量を補正する。但し、前記目標パージ率の変化がゆるやかであれば、空燃比フィードバック制御で追従できるので、初期値のみ補正すればよく、特に目標パージ率の初期値を0%とした場合には、空燃比制御量の補正は行なわなくてもよい。
【0062】
次いで、ステップS19では、パージカット条件が成立したかを、判定する。非成立のときは、このフローを終了するが、パージカット条件が成立したときは、ステップS20へ進んでパージ制御弁の駆動デューティDUTYを0にセットした後、ステップS21へ進んで該パージカットによりパージ制御弁の駆動デューティDUTYが所定値(10%)以上減少したか、つまりパージカット直前の駆動デューティDUTYが所定値(10%)以上あったかを判定する。
【0063】
そして、駆動デューティDUTYが所定値(10%)以上減少したと判定された場合は、前記(1)式により空燃比制御量(空燃比フィードバック補正係数)ALPHAの補正量EVSFTを算出する。この場合には、DUTYの前回値から今回値を引いた変化量が正の値となり、補正量EVSFTは正の値となって燃料噴射量が増量補正される。なお、直前のパージ時の空燃比制御量(空燃比フィードバック補正係数を平均化した値)を学習記憶しておき、該学習値とパージカット時の基準値との偏差(=基準値−学習値)を補正量EVSFTとして設定してもよい。
【0064】
ステップS22では、前記算出された補正量EVSFTにより、空燃比制御量ALPHA(初期値)を前記(2)式に従って補正する。
ここでALPHA(前回値)は、直前のパージ制御時における最終値である。
【0065】
また、ステップS21で、駆動デューティDUTYの変化量が所定値(10%)未満と判定されたときには、パージカットによる空燃比の変化が小さく、排気浄化性能に影響を与えないと判断して、空燃比制御量の補正処理を行なうことなく、このフローを終了する。
【0066】
上記フローにおいて、ステップS9及びステップS21で駆動デューティDUTYすなわちパージ制御弁の開度制御量がしきい値以上変化したかを判定して、空燃比制御量の補正の有無を判別する機能が請求項1〜請求項4に係る発明に相当する。また、ステップS6でパージの初回か2回目以降かを判定して、ステップS7のパージ濃度に応じた目標パージ率の設定とするか、又はステップS12〜ステップS14及びステップS16〜ステップS17のパージ禁止時間に応じた目標パージ率の設定とするかを切り換える機能が請求項5〜請求項8に係る発明に相当する。
【0067】
次に、前記パージ濃度(蒸発燃料量/パージエア量)の推定について、説明する。
該パージ濃度の推定は、パージ中で目標パージ率の変化が小さい安定条件で行なわれる。該パージ濃度の推定演算は、簡易的には、以下の式で示される。
【0068】
パージ濃度=
(吸入空気量+パージエア量−排気空燃比×燃料噴射量)/(排気空燃比+1)上式において、吸入空気量はエアフローメータ23の検出値、パージエア量は機関1の吸入負圧とパージ制御弁15の制御信号(開口面積)とから推定される値、排気空燃比は空燃比センサ27の検出値、燃料噴射量は燃料噴射弁5からの噴射燃料量である。
【0069】
尚、機関1の吸入負圧は、負圧センサを設けて直接的に検出する構成であっても良いし、また、機関回転速度とスロットル開度とから推定する構成であっても良く、該吸入負圧と、パージ制御弁15の開口面積に対応する制御信号とからパージエア量が推定される。
【0070】
ここで、パージエア量Peが、空気量Qpと燃料気体量Feとから構成されるとすると、吸入負圧とパージ制御弁15の制御信号とから推定されるパージエア量Peから燃料気体量Feを減算した値が、前記空気量Qp(Qp=Pe−Fe)となり、機関には、該空気量Qpとエアフローメータ23で検出される空気量Qmとの合計が吸引されることになる。一方、機関に供給される燃料量は、燃料噴射弁5からの噴射燃料量Tiと、前記燃料気体量Feとの合計となる。
【0071】
従って、そのときの排気空燃比をA/Fとすると、
A/F={(Pe−Fe)+Qm}/(Fe+Ti)
となり、上式を、燃料気体量Feを求める式に変化させると、
Fe=(Pe+Qm−A/F・Ti)/(A/F+1)
となり、前記蒸発燃料濃度を求める式が導かれる。
【0072】
但し、パージエア量Pe,空気量Qmが流量(リットル/min)として求められるのに対し、前記噴射燃料量Tiは、各気筒における1サイクル当たりの燃料量であるので、噴射燃料量Tiを燃料流量に変換する必要があり、例えば、機関回転速度に応じて設定される変換係数K1を前記噴射燃料量Tiに乗算することで燃料流量に変換するようにする。
【0073】
また、吸入負圧と、パージ制御弁15の制御信号とからパージエア量を推定する構成において、制御信号DUTYに吸入負圧に応じた係数K2を乗算して、パージエア量相当値を算出する構成としても良く、前記係数K1,K2を用いる構成では、
蒸発燃料濃度=
(Qm+K2・DUTY−A/F・Ti・K1)/(A/F+1)
となる。
【0074】
なお、パージ濃度を推定することで、濃度センサを省略できコストダウンを図れるが、濃度センサを設けてパージ濃度を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における内燃機関のシステム構成を示す図。
【図2】実施の形態におけるパージ制御の前段を示すフローチャート。
【図3】実施の形態におけるパージ制御の後段を示すフローチャート。
【図4】実施の形態に使用する目標パージ率のマップ。
【符号の説明】
1…内燃機関
3…吸気管
4…スロットル弁
5…燃料噴射弁
9…燃料タンク
10…キャニスタ
14…パージ配管
15…パージ制御弁
20…コントロールユニット
23…エアフローメータ
27…空燃比センサ

Claims (6)

  1. 燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御して空燃比を制御する内燃機関に備えられ、燃料タンクから発生する蒸発燃料を一時的にキャニスタに吸着し、所定の機関運転条件で前記キャニスタから蒸発燃料をパージさせ、パージ制御弁を介して機関の吸気系に吸入処理する内燃機関の蒸発燃料処理装置において、
    前記パージ制御弁の開度制御量がしきい値以上変化したときに、前記パージされる蒸発燃料の濃度と、前記パージ制御弁の開度制御量の変化量とに基づいて算出した補正量によって、前記空燃比制御量を補正することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 前記パージされる蒸発燃料の濃度は、パージエア量、機関の吸入空気量、燃料噴射弁からの燃料噴射量、排気空燃比に基づいて推定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記パージ制御弁の開度制御量が全開時の略10%以上変化したときに、前記空燃比制御量を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  4. 燃料タンクから発生する蒸発燃料を一時的にキャニスタに吸着し、所定の機関運転条件で前記キャニスタから蒸発燃料をパージさせ、パージ制御弁を介して機関の吸気系に吸入処理する内燃機関の蒸発燃料処理装置において、
    機関運転開始後、蒸発燃料のパージを初めて行なうときと、2回目以降行なうときとで、吸入空気量に対する蒸発燃料のパージ量であるパージ率の目標値を異なる方式で設定し、かつ、前記蒸発燃料のパージを初めて行なうときは、該蒸発燃料のパージが禁止されていた継続時間が所定値未満のときは前回行なわれたパージの終了時におけるパージ率を、パージ率の目標値として設定し、前記継続時間が所定値以上のときは、小さめに設定した初期値から漸増するようにパージ率の目標値を設定することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記蒸発燃料のパージを2回目以降行なうときは、パージされる蒸発燃料の濃度に基づいてパージ率の目標値を設定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記パージされる蒸発燃料の濃度は、パージエア量、機関の吸入空気量、燃料噴射弁からの燃料噴射量、排気空燃比に基づいて推定されることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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