JP3339258B2 - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

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JP3339258B2 JP19172695A JP19172695A JP3339258B2 JP 3339258 B2 JP3339258 B2 JP 3339258B2 JP 19172695 A JP19172695 A JP 19172695A JP 19172695 A JP19172695 A JP 19172695A JP 3339258 B2 JP3339258 B2 JP 3339258B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料系
からの蒸発燃料を処理する装置に関し、特に、処理能力
を高めて排気浄化性能を向上させた技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関の蒸発燃料処理装置とし
ては、例えば特開平5−215020号に開示された技
術がある。このものは、燃料タンク等で発生する蒸発燃
料をキャニスタに一時的に吸着し、該吸着した蒸発燃料
を所定の機関運転条件で離脱させてパージ用空気と混合
したパージ混合気を、パージ制御弁で流量制御しつつ機
関の吸気系へ吸引処理することによって、蒸発燃料の外
気への蒸散を防止するようにしている。
【0003】一方、電子制御燃料噴射装置を備えた内燃
機関では、所定の運転条件で空燃比を目標空燃比 (理論
空燃比) に近づけるように増減補正されるフィードバッ
ク補正量によってフィードバック制御することが行われ
る。ところで、前記空燃比のフィードバック制御装置を
備えたものでは、一般にフィードバック補正量に限界値
を設定するようにしている。これは、空燃比フィードバ
ック制御系に故障 (例えば空燃比を検出するセンサの故
障) を発生したり過渡的な原因でフィードバック補正量
が適正範囲から外れた場合にフィードバック補正量を限
界値に固定することによりフィードバック補正量が異常
な値とならないようにしたものである。
【0004】そして、前記蒸発燃料処理装置と空燃比フ
ィードバック制御装置とを備えた機関では、空燃比フィ
ードバック制御を行いつつパージ処理を行うことで、パ
ージ処理により濃化しようとする空燃比を燃料供給量を
減量補正することによって目標空燃比に維持しつつ、パ
ージ処理を行うことが可能である。ところが、パージ混
合気の濃度が濃いときにパージ処理と空燃比フィードバ
ック制御とを並行して行うと、フィードバック補正量が
空燃比をリーン化する方向の限界値 (以下下限値とい
う) に達して張りついてしまい、空燃比がリッチ側に制
御されて排気浄化性能が低下してしまう。それを防止す
べくパージ混合気が濃い状態を推定して、パージ混合気
流量を低めに設定すると、パージ処理能力が低下してや
はり排気浄化性能が低下してしまうことになる。
【0005】この点に鑑み、パージ濃度が高いと推定さ
れる状態で前記フィードバック補正量の下限値の設定を
解除して空燃比のリーン補正を許容するようにしたもの
がある (特開昭64−69746号公報参照) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフィードバック補正量の下限値拡大方式は、パージ
濃度を燃料タンク内圧で推定するものであり、パージ混
合気流量によるパージ濃度 (パージ混合気中の蒸発燃料
の濃度) の影響を考慮していなかったため、以下のよう
な問題を生じていた。
【0007】まず、パージ混合気流量に対するパージ濃
度の状態を図5に基づいて説明すると、パージ混合気中
の蒸発燃料は、キャニスタからの離脱分と燃料タンクか
らの蒸発分 (キャニスタに吸着されない浮遊分) とに分
けられる。その中、キャニスタからの離脱分はパージ混
合気流量に対し、キャニスタ吸着量に略比例した濃度で
機関に吸入される。したがって、パージ混合気流量の変
化に対しては略一定のパージ濃度に保持される (特性B
参照) 。
【0008】一方、燃料タンクからの蒸発分は燃料温
度,燃料揮発性,燃料残量等により定まり、パージ混合
気流量とは無関係の一定量として吸入されるため、パー
ジ濃度はパージ混合気流量と反比例した値となる (特性
A参照) 。パージ濃度は、これらキャニスタからの離脱
分と燃料タンクからの蒸発分を合わせて考える必要があ
るが、該パージ濃度はパージ混合気流量によって変動し
うる値であり、かかるパージ濃度の状態は燃料タンクの
内圧では推定することができない。
【0009】したがって、タンク内圧で推定されるパー
ジ濃度の閾値を低めに設定すると、実際にはそれほどパ
ージ濃度が濃くないのに下限値の設定が解除されやすく
なって空燃比フィードバック制御系の故障等に対するフ
ェールセーフ機能が作動しなくなることがある。そこ
で、前記パージ濃度の閾値を高めに設定せざるを得ない
であろうが、そのようにすると実際にはパージ濃度が濃
いのに下限値がそのまま保持される領域が増大し、該領
域では空燃比がリッチ化されて排気浄化性能を低下させ
てしまうこととなる。
【0010】また、下限値の設定が解除されたときには
パージ混合気流量を増量する余裕がでてくるのに、パー
ジ率は一定のままであるため、パージ処理能力をより積
極的に向上できるものではなかった。また、上記のよう
に単に下限値の設定を解除し、あるいは下限値を単に拡
大するだけでは、パージ濃度の高いときにフィードバッ
ク補正量は徐々に減少していくため、目標値に達するま
でに時間を要し、その間の空燃比のリッチ化による排気
浄化性能の低下は回避できない (図6参照) 。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
なされたもので、実際にパージ濃度が高いときのみ空燃
比フィードバック制御におけるフィードバック補正量の
下限値を拡大することにより、全運転領域にわたって下
限値のフェールセーフ機能を損なうことなくパージ処理
中の空燃比を良好に維持して排気浄化性能を確保できる
ようにすることを第1の目的とする。
【0012】また、フィードバック補正量の拡大に伴い
パージ混合気流量を増量することにより、パージ処理能
力を可及的に高めることを第2の目的とする。また、パ
ージ濃度の変化する過渡状態においても空燃比を良好に
維持して排気浄化性能を確保できるようにすることを第
3の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は図1に実線で示すように、機関に供給される混
合気全体の空燃比を目標空燃比に近づけるようにフィー
ドバック補正量によりフィードバック制御すると共に、
前記フィードバック補正量の空燃比リーン補正方向の限
界値が設定された空燃比フィードバック制御手段を備え
る一方、燃料系から発生する蒸発燃料を吸着手段により
一時的に吸着し、該吸着手段から離脱させた蒸発燃料を
パージ用空気と混合したパージ混合気を、パージ制御弁
により流量制御しつつ機関吸気系に導き処理するように
した内燃機関の蒸発燃料処理装置において、前記蒸発燃
料の離脱処理中におけるパージ混合気中の蒸発燃料の濃
度を検出する蒸発燃料濃度検出手段と、前記蒸発燃料濃
度検出手段により検出された蒸発燃料濃度が所定値より
大であると判定されたときは、前記フィードバック補正
量の空燃比リーン補正方向の限界値を空燃比のリーン補
正を許容する方向に拡大するフィードバック補正量限界
値変更手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0014】このようにすれば、パージ混合気流量に応
じてパージ濃度が所定値以上に大きくなったときは、フ
ィードバック補正量の空燃比リーン化を許容する方向の
限界値が空燃比のリーン補正を許容する方向に拡大され
るので、該限界値によるフェールセーフ機能を確保しつ
つ高パージ濃度時のパージ処理時の空燃比のリッチ化が
抑制され、排気浄化性能を良好に維持できる。
【0015】また、請求項2に係る発明は、図1に一点
鎖線で示すように、前記蒸発燃料濃度が変化したとき
に、該検出された蒸発燃料濃度と変更されるフィードバ
ック補正量の限界値とに基づいてパージ混合気流量の吸
入空気流量に対する比率を変更するパージ率変更手段を
含んで構成したことを特徴とする。このようにすれば、
変更したフィードバック補正量の限界値ぎりぎりにフィ
ードバック補正量を維持させるようにパージ率を高める
ことができるため、パージ処理能力を可及的に高めるこ
とができる。
【0016】また、請求項3に係る発明は、図1に点線
で示すように、前記蒸発燃料濃度が変化したときに、該
変化によって予測される前記フィードバック補正量の変
化分に相当する量で該フィードバック補正量を初期補正
するフィードバック補正量過渡補正手段を含んで構成し
たことを特徴とする。このようにすれば、既述したよう
にフィードバック補正量の限界値を変更しても、それだ
けではフィードバック補正量が徐々に変化して目標空燃
比に達するため、その間の空燃比がずれることになる
が、前記フィードバック補正量過渡補正手段により、予
めフィードバック補正量の変化分に相当する量を初期補
正することにより、変化の初期から目標空燃比近傍に維
持することができ、過渡時も空燃比のリッチ化が抑制さ
れ、排気浄化性能を良好に維持できる。尚、請求項2に
係る発明のように蒸発燃料濃度の変化時にパージ率を変
更するようにした場合には、該パージ率の変更も含めて
推定されるフィードバック補正量の変化分に相当する量
を初期補正するようにすればよい。
【0017】また、請求項4に係る発明は、前記蒸発濃
度検出手段が、前記蒸発燃料の離脱処理中に前記空燃比
フィードバック制御手段による空燃比フィードバック制
御が行われる時に、フィードバック補正量に基づいて蒸
発燃料濃度を推定して検出し、該検出値をパージ混合気
流量領域毎に記憶更新することを特徴とする。
【0018】このようにすれば、蒸発燃料の離脱処理中
に空燃比フィードバック制御を行うと、パージ濃度に応
じてフィードバック補正量が変化するので、該フィード
バック補正量に基づいてパージ濃度を推定して検出する
ことができ、該検出をパージ混合気流量毎に行って記憶
更新しておくことにより、パージ混合気流量が変化して
パージ濃度が変化しうるようなときに、前記記憶された
値から直ちにパージ濃度を検出することができる。そし
て、かかる推定検出により、濃度検出用のセンサを特別
設けなくて済む。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を示す図2に
おいて、内燃機関1には、スロットルチャンバー2及び
吸気マニホールド3を介して空気が吸入される。前記ス
ロットルチャンバー2には、図示しないアクセルペダル
と連動するスロットル弁4が設けられていて、吸入空気
流量Qを制御する。吸気マニホールド3には、各気筒毎
に電磁式の燃料噴射弁5が設けられていて、図示しない
燃料ポンプから圧送されプレッシャレギュレータにより
所定の圧力に制御される燃料を吸気マニホールド3内に
噴射供給する。前記燃料噴射弁5による燃料噴射量の制
御は、マイクロコンピュータ内蔵のコントロールユニッ
ト6で行われるようになっている。
【0020】また、前記機関1には、蒸発燃料処理装置
21が備えられている。前記蒸発燃料処理装置21は、吸着
手段としてのキャニスタ22内に充填された活性炭などの
吸着剤23に、燃料タンク20内で発生した燃料の蒸発燃料
を吸着捕集させ、該吸着剤23に吸着された燃料を、パー
ジ通路24を介してスロットル弁4下流側の吸気通路に供
給するものである。
【0021】前記キャニスタ22には、燃料タンク20内の
正圧が所定以上になったときに開くチェックバルブ25が
介装された蒸発燃料通路26を介して燃料タンク20内の蒸
発燃料が導入されるようになっており、また、前記パー
ジ通路24には、前記コントロールユニット6からの制御
信号に基づいて制御される電磁駆動式のパージ制御弁26
が介装されている。
【0022】また、内燃機関1の吸入空気流量Qを検出
するエアフローメータ51,機関回転速度Nを検出する回
転速度センサ52,水温Twを検出する水温センサ53,排
気中の酸素濃度等に基づいて空燃比を検出する空燃比セ
ンサ54が設けられ、前記燃料タンク20には、燃料温度を
検出する燃温センサ55が設けられ、それらの検出信号は
コントロールユニット6に出力される。
【0023】コントロールユニット6は、前記各種のセ
ンサからの信号に基づいて燃料噴射弁5による燃料噴射
量等を制御することによって空燃比を制御すると共に、
所定の運転条件で前記パージ制御弁26を制御することに
より空燃比を一定に保持するように蒸発燃料を吸気系に
パージする。前記コントロールユニット6による前記燃
料噴射弁5からの燃料噴射量制御と、これに関連して行
われる前記パージ制御弁26によるパージ混合気流量制御
を図3に示したフローチャートに従って説明する。
【0024】ステップ (図ではSと記す。以下同様) 1
では、前記エアフローメータ51によって検出された吸入
空気流量Qと、前記回転速度センサ52によって検出され
た機関回転速度Nと、前記水温センサ53によって検出さ
れた水温Twを入力する。ステップ2では、前記吸入空
気流量Qと機関回転速度Nとに基づいて、基本燃料噴射
量TP (=k・Q/N) を演算する。
【0025】ステップ3では、前記各検出値に基づいて
目標空燃比 (例えば理論空燃比) にフィードバック制御
を行う運転条件か否かを判定する。ステップ3で、空燃
比フィードバック制御条件であると判定されたときはス
テップ4へ進み、前記各検出値に基づいてパージ処理を
行う運転条件であるか否かを判定する。
【0026】そして、パージ処理条件と判定されたとき
はステップ5へ進み、パージ処理条件における空燃比学
習を行う。これは、前記空燃比センサ54からの信号に基
づいて目標空燃比 (理論空燃比) よりリッチかリーンか
で増減して設定される空燃比フィードバック補正係数
(前記基本燃料噴射量TP に乗じられる) を平均化処理
して設定される。具体的には、周知のようにリッチ,リ
ーンの反転時の空燃比補正係数の複数回分の平均値をそ
のまま学習値として更新設定したり、空燃比補正係数の
基準値 (例えば1) からのずれを無くすべく、前記平均
値と基準値との偏差の所定割合ずつ初期値 (例えば1)
に加算して学習値を更新設定すること等により求めら
れ、目標パージ混合気流量 (パージ率一定となるように
吸入空気流量に比例的に設定される) で区分される領域
毎に学習値GTBLを記憶するマップに更新記憶する。
ここで、パージ濃度が目標空燃比より濃いときは、空燃
比を薄める方向にフィードバック補正量が設定され、パ
ージ濃度が目標空燃比より薄いときは、空燃比を濃くす
る方向にフィードバック補正量が設定され、該フィード
バック補正量のパージ濃度による基準値からのずれを無
くすように、ずれ分が学習値GTBLにシフトされるよ
うに設定されることになるから、学習が進行した後の学
習値GTBLはパージ濃度を表す値となる。したがっ
て、ステップ5のパージ時の空燃比学習機能は、パージ
濃度検出手段を構成する。
【0027】一方、前記ステップ4で非パージ条件と判
定された場合は、ステップ6へ進んでパージ制御弁26の
開度制御量を0として全閉とし、パージを停止した後、
ステップ15へ進んで、非パージ時の空燃比学習を前記ス
テップ10のパージ時の空燃比学習と同様にして行う。但
し、学習を行う領域は、機関回転速度Neと基本燃料噴
射量TP とで区分されるようにしてもよい。ここで、パ
ージ時のマップとは別の非パージ時用のマップに非パー
ジ時の空燃比学習値を記憶更新することで、パージ時と
非パージ時とで独立して空燃比学習を行う。
【0028】次いで、ステップ7では、パージ時又は非
パージ時の空燃比学習値GTBLを用いて燃料噴射弁5
からの燃料噴射量TI を次式により設定する。 TI =TP ・COEF・GTBL・α+TS ここで、前記COEFは水温Tw等により設定された各
種補正係数、αは空燃比センサ54からの信号に基づいて
PI制御等により増減設定される空燃比フィードバック
補正係数、TS はバッテリ電圧による無効噴射分であ
る。また、前記αは、故障等の発生時に異常な値となら
ないように上限値及び下限値が設定されるが、特に本発
明では前記下限値が後述するパージ濃度が高いときのパ
ージ処理時に空燃比のリーン化を許容する方向に拡大修
正される。
【0029】ステップ8では、前記燃料噴射量TI に相
当する噴射パルス幅を持つ噴射パルス信号を燃料噴射弁
54に出力することにより、理論空燃比にフィードバック
制御する。したがって、前記燃料噴射弁5,空燃比セン
サ54等のハードウエアと共にステップ3、5〜8の機能
が空燃比フィードバック制御手段を構成する。
【0030】また、ステップ3で、空燃比フィードバッ
ク制御条件でない、つまり空燃比フィードフォワード制
御条件であると判定された場合は、ステップ9へ進み、
前記空燃比フィードバック補正係数αを所定値例えば
1.0に固定して空燃比フィードフォワード制御を行
う。次に、本発明に係る前記空燃比のフィードバック補
正係数αの下限値の拡大修正制御と、パージ混合気流量
変化時にフィードバック補正係数αに予測された変化分
相当量を初期補正するルーチンについて説明する。
【0031】ステップ11では、空燃比フィードバック制
御条件及びパージ処理条件が満たされているか否かを判
定する。ステップ11の条件が満たされていないときは、
このルーチンを終了し、満たされているときはステップ
12へ進む。ステップ12では、現在のパージ混合気流量領
域 (n) に応じた前記空燃比のパージ濃度の検出値とし
ての学習値GTBLを前記パージ処理時の学習値を記憶
するマップから検索して入力する。
【0032】ステップ13では、前記学習値GTBLが所
定値EVPDENより小であるか否かを判定する。ここ
で、既述したように学習値GTBLはパージ濃度を表す
値であるが、後述するようにパージ率を変更する場合に
は、同じパージ濃度であってもパージ率が大きいときの
方が蒸発燃料供給量が増大してフィードバック補正量が
それだけ小さい値となり、その結果前記学習値GTBL
もより小さい値となるので、学習値GTBLにパージ率
を乗じた値をパージ濃度の推定値とすれば、より正確に
パージ濃度を推定することができる。
【0033】そして、前記学習値GTBL (又はそれに
パージを乗じた値) が所定値EVPDENよりであ
ると判定されたときは、当該パージ混合気流量領域での
パージ濃度が高く空燃比フィードバック制御時にフィー
ドバック補正係数αが下限値(初期値L1) に張り付い
てしまうと判断してステップ14へ進み、前記下限値を空
燃比のリーン補正を許容する方向に拡大 (L2に変更)
する。
【0034】さらに、ステップ15へ進み、前記フィード
バック補正量の下限値の拡大幅と、現在検出されている
パージ濃度とに基づいて、フィードバック補正量が拡大
された下限値ぎりぎりのところに維持されるようにパー
ジ率を変更して設定する。このようにすれば、空燃比フ
ィードバック制御により空燃比を目標空燃比近傍に維持
できる範囲で最大限パージ混合気流量を大きく設定する
ことにより、パージ処理能力ひいては排気浄化性能を可
及的に高めることができる。
【0035】次いでステップ16へ進み、該パージ濃度
(パージ混合気流量領域) が変化したと判断された当初
に該パージ濃度の変化及びパージ率の変更によって変化
前のフィードバック補正量から変化後 (定常後) のフィ
ードバック補正量に変化する変化分に相当する量でフィ
ードバック補正量を補正する。但し、前記空燃比学習を
行う場合は、パージ濃度の変化のみによるフィードバッ
ク補正量の変化分の補正は、前記学習値GTBLをパー
ジ混合気流量領域の変化によって切り換えることでなさ
れるので、パージ率の変更による変化分だけ補正すれば
よい。パージ濃度をセンサで検出する場合は、パージ濃
度変化によるフィードバック補正量の変化分を予測して
初期補正量を設定する。
【0036】このようにすれば、フィードバック補正係
数αを予めパージ濃度変化及びパージ率の変更による変
化分に相当する初期補正量で補正することにより、変化
の初期から目標空燃比近傍に維持することができ、過渡
時も空燃比のリッチ化が抑制され、排気浄化性能を良好
に維持できる (図6参照) 。また、ステップ13の判定で
前記学習値GTBL (又はそれにパージ濃度を乗じた
値) が所定値EVPDEN以であると判定されたとき
は、当該パージ混合気流量領域でのパージ濃度が低く空
燃比フィードバック制御時にフィードバック補正係数α
が下限値 (初期値) に張り付くことはないと判断してス
テップ17へ進み、前記下限値を初期値にセットする。
【0037】次いでステップ15へ進み、前記初期値にセ
ットした下限値の近傍に空燃比のフィードバック補正量
が維持されるようにパージ率を変更する。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように請求項1に係る
発明によれば、パージ濃度の増大に応じてフィードバッ
ク補正量の空燃比リーン補正を許容する方向の限界値が
空燃比のリーン補正を許容する方向に拡大されるので、
該限界値によるフェールセーフ機能を確保しつつ高パー
ジ濃度時のパージ処理時の空燃比のリッチ化が抑制さ
れ、排気浄化性能を良好に維持できる。
【0039】また、請求項2に係る発明によれば、変更
したフィードバック補正量の限界値ぎりぎりにフィード
バック補正量を維持させるようにパージ率を高めること
ができるため、パージ処理能力を可及的に高めることが
できる。また、請求項3に係る発明によれば、パージ濃
度の変化時に、フィードバック補正量の変化分に相当す
る量を初期補正することにより、変化の初期から目標空
燃比近傍に維持することができ、過渡時も空燃比のリッ
チ化が抑制され、排気浄化性能を良好に維持できる。
【0040】また、請求項4に係る発明によれば、パー
ジ濃度の変化時に、空燃比学習によって記憶された値か
ら直ちにパージ濃度を検出することができ、濃度検出用
のセンサを特別設けなくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成を示す図。
【図3】同上実施例の空燃比フィードバック制御を示す
フローチャート。
【図4】同上実施例のフィードバック補正量下限値拡大
制御を示すフローチャート。
【図5】パージ混合気流量とパージ濃度との関係を示す
図。
【図6】パージ濃度変化による空燃比フィードバック補
正係数の変化の様子を従来例と本発明とで比較して示す
図。
【符号の説明】
1 内燃機関 5 燃料噴射弁 6 コントロールユニット 20 燃料タンク 21 蒸発燃料処理装置 22 キャニスタ 24 パージ通路 26 パージ制御弁 54 空燃比センサ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関に供給される混合気全体の空燃比を目
    標空燃比に近づけるようにフィードバック補正量により
    フィードバック制御すると共に、前記フィードバック補
    正量の空燃比リーン補正方向の限界値が設定された空燃
    比フィードバック制御手段を備える一方、 燃料系から発生する蒸発燃料を吸着手段により一時的に
    吸着し、該吸着手段から離脱させた蒸発燃料をパージ用
    空気と混合したパージ混合気を、パージ制御弁により流
    量制御しつつ機関吸気系に導き処理するようにした内燃
    機関の蒸発燃料処理装置において、 前記蒸発燃料の離脱処理中におけるパージ混合気中の蒸
    発燃料の濃度を検出する蒸発燃料濃度検出手段と、 前記蒸発燃料濃度検出手段により検出された蒸発燃料濃
    が所定値より大であると判定されたときは、前記フィ
    ードバック補正量の空燃比リーン補正方向の限界値を
    燃比のリーン補正を許容する方向に拡大するフィードバ
    ック補正量限界値変更手段と、を含んで構成したことを
    特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】前記蒸発燃料濃度が変化したときに、該検
    出された蒸発燃料濃度と変更されるフィードバック補正
    量の限界値とに基づいてパージ混合気流量の吸入空気流
    量に対する比率を変更するパージ率変更手段を含んで構
    成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の蒸
    発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】前記蒸発燃料濃度が変化したときに、該変
    化によって予測される前記フィードバック補正量の変化
    分に相当する量で該フィードバック補正量を初期補正す
    るフィードバック補正量過渡補正手段を含んで構成した
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機
    関の蒸発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】前記蒸発濃度検出手段は、前記蒸発燃料の
    離脱処理中に前記空燃比フィードバック制御手段による
    空燃比フィードバック制御が行われる時に、フィードバ
    ック補正量に基づいて蒸発燃料濃度を推定して検出し、
    該検出値をパージ混合気流量領域毎に記憶更新すること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載
    の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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