JP3882441B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機関空燃比が理論空燃比に一致するように機関燃料噴射量をフィードバック制御するとともに、フィードバック補正係数の挙動に基づいて機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための空燃比学習値を学習し、同空燃比学習値を上記フィードバック制御に反映させるようにした内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関においては、排気浄化対策として、周知のように、機関空燃比が理論空燃比と一致するように燃料噴射量をフィードバック制御する、いわゆる空燃比制御が行われている。この空燃比制御においては一般に、機関空燃比と理論空燃比との間のずれを酸素センサの信号に基づいて検出し、その検出結果に基づいて上記機関空燃比の過渡的なずれを補償するためのフィードバック補正係数を算出するようにしている。
【0003】
こうした空燃比制御においては、機関個体差や、燃料噴射弁の噴射特性或いは吸入空気量を検出するためのセンサの出力特性における個体差等々によって、機関空燃比と理論空燃比との間に定常的なずれが生じることがある。このため、このずれを補償するための補正値(以下、「空燃比学習値」という)をフィードバック補正係数の挙動に基づいて学習し、この空燃比学習値を上記フィードバック制御に反映させるようにしている。
【0004】
また、上記のような機関空燃比のずれ量は機関運転状態に応じて異なるものとなるため、上述したような空燃比学習値の学習は機関運転状態に応じて区分される複数の学習領域毎に行われており、同空燃比学習値はこれら学習領域毎の値として各別に設定されている。
【0005】
一方、こうした空燃比制御に加え、内燃機関においては、燃料タンク内に発生する蒸発燃料をキャニスタ内において一時的に貯留するとともに、この貯留された蒸発燃料を所定の時期に機関吸気系に導入した後、機関燃焼室内において燃焼させる制御、いわゆるパージ制御が行われている。
【0006】
ここで、こうしたパージ制御が機関空燃比にかかる上述の学習制御と同時に行われると、空燃比学習値はキャニスタから機関吸気系に導入される蒸発燃料の濃度やその量に応じて変動してしまうこととなり、同空燃比学習値は機関空燃比の定常的なずれを補償するための補正値としてはもはや不適切なものとなる。
【0007】
このため、パージ制御は、所定の学習完了条件が満たされて空燃比学習値が機関空燃比の定常的なずれを適切に補償し得るものとして設定された後、即ち学習の完了が判定された後に開始される等、上記学習制御とは各別の時期に実行されている。またここで、上記のような学習が完了したか否かの判定は各学習領域において各別に行われている。このように学習の完了判定が各学習領域毎に行われることにより、学習の完了した学習領域からパージ制御を順次開始させることができ、同制御の実行頻度を極力確保することができるようになる。
【0008】
ところで、上述した学習制御において、空燃比学習値は1つの学習領域に対応して1つしか存在していないため、各学習領域毎に学習されるこれら空燃比学習値(以下、「基準空燃比学習値」という)のみを用いて機関空燃比のずれを補償したとしても、こうしたずれが機関運転状態に応じて連続的に変化することを鑑みればその補償には限界があり、同機関運転状態に応じた精密な空燃比制御も期待できない。勿論、学習領域を更に細分化すれば、より精密な空燃比制御を行うことができるようになるが、このように学習領域が細分化されてその数が多くなると、各学習領域毎の学習完了の判定が行われ難くなるとともに、それに起因して上記パージ制御の実行頻度を確保することも困難になる。
【0009】
そこで、従来では、特開平7−253040号公報に見られるように、現在の機関運転状態の属する学習領域とその学習領域に隣接する学習領域との各基準空燃比学習値を用いた補間演算を通じて機関運転状態に対応する空燃比学習値を算出し、この空燃比学習値を上記フィードバック制御に反映させるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように補間演算を通じて機関運転状態に対応する空燃比学習値を算出し、これを上記フィードバック制御に反映させることにより、機関運転状態に対応した適切な空燃比学習値が得られ、精密な空燃比制御を実行することも可能にはなるが、その反面で以下のような問題も無視できないものとなる。
【0011】
即ち、基準空燃比学習値の学習の進み度合いは各学習領域毎に大きく異なっている。このため、例えば、常用運転領域に対応した学習領域等、基準空燃比学習値の学習頻度が多く確保される学習領域にあっては、同学習値の信頼性も高いものとなる一方で、例えば高負荷運転領域に対応した学習領域等、基準空燃比学習値の学習頻度が少ない学習領域にあっては、同学習値の信頼性も低いものとなる。その結果、或る学習領域において基準空燃比学習値の学習が進み、同学習値の信頼性が高いものになっていたとしても、その学習領域に隣接する学習領域において基準空燃比学習値の学習が進んでおらず同学習値の信頼性が低い場合には、上記のような補間演算を通じて算出される空燃比学習値も、その影響を受けてやはり信頼性の低いものとなる。
【0012】
そして、こうした信頼性の低い空燃比学習値が燃料噴射量のフィードバック制御に反映されると、その信頼性の低い空燃比学習値の影響を受けてフィードバック補正係数が変化し、その変化に合わせて学習の進んだ領域の基準空燃比学習値が不必要に学習更新されてしまうこととなる。その結果、空燃比学習値の学習精度が大きく低下するとともに、空燃比制御の精度悪化も自ずと避けきれないものとなる。
【0013】
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は各学習領域における学習の進み度合いが異なる場合であっても、それに起因する空燃比学習値の学習精度の低下を抑制することができ、空燃比制御を高い精度をもって実現することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載した発明は、機関空燃比が理論空燃比に一致するように機関燃料噴射量をフィードバック制御する制御手段と、該フィードバック制御におけるフィードバック補正係数の挙動に基づいて機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための基準空燃比学習値を機関運転状態により区分された複数の学習領域毎に学習する学習手段と、機関運転状態を検出する検出手段と、該検出される機関運転状態に対応する空燃比学習値を同機関運転状態の属する学習領域及びこれに隣接する学習領域の各基準空燃比学習値を用いた補間演算を通じて算出するとともに該算出される空燃比学習値を前記機関燃料噴射量のフィードバック制御に反映させる学習値反映手段と、機関始動後において所定の学習完了条件が満たされるときに前記学習手段による学習が完了したものと前記学習領域毎に判定する判定手段と、前記判定手段により前記学習の完了判定が少なくとも一度なされているときに学習完了履歴を履歴有りとして前記学習領域毎に設定する設定手段とを備えた内燃機関の空燃比制御装置において、前記学習値反映手段は前記検出される機関運転状態の属する学習領域及びこれに隣接する学習領域の少なくとも一方の領域において学習完了履歴が履歴有りと設定されていないときには前記補間演算を通じた前記空燃比学習値の算出に替えて同空燃比学習値を前記検出される機関運転状態の属する学習領域の基準空燃比学習値と等しく算出するものであるとしている。
【0015】
機関運転状態の属する学習領域及びこれに隣接する学習領域の少なくとも一方の領域において学習完了履歴が履歴有りとして設定されていない場合には、その学習完了履歴の無い学習領域では学習が一度も完了しておらず、基準空燃比学習値の信頼性も低いものとなる。従って、こうした基準空燃比学習値を用いた補間演算を通じて機関運転状態に対応する空燃比学習値を算出したとしても、その信頼性は低いものとなる。このため、この空燃比学習値が機関燃料噴射量のフィードバック制御に反映されると、仮にもう一方の学習領域において少なくとも一度は学習が完了しており、その学習領域の基準空燃比学習値が信頼性の高いものである場合であっても、同学習値はその本来の値から大きく外れるように誤学習されてしまうこととなる。
【0016】
この点、上記請求項1に記載した発明の構成によれば、そのときの機関運転状態の属する学習領域及びこれに隣接する学習領域の各基準空燃比学習値のうち少なくともその一方の信頼性が低い場合には、上記のような補間演算は行われず、機関運転状態に対応する空燃比学習値は、そのときの機関運転状態の属する学習領域の基準空燃比学習値と等しく算出される。
【0017】
従って、信頼性の低い基準空燃比学習値の影響を受けてフィードバック補正係数が変化し、その変化に合わせて学習の進んだ学習領域の基準空燃比学習値が不必要に大きく更新されてしまうようなことがなく、基準空燃比学習値の精度低下が抑制されるようになる。
【0018】
その結果、この発明によれば、上述のように各学習領域における学習の進み度合いが異なる場合であっても、それに起因する基準空燃比学習値の学習精度の低下を抑制することができ、空燃比制御を高い精度をもって実現することができるようになる。
【0019】
また、フィードバック補正係数の挙動に基づいて基準空燃比学習値を学習するための具体的な構成、並びに、この学習の完了を判定するための具体的な構成としては、請求項2に記載した発明によるように、請求項1に記載した内燃機関の空燃比制御装置において、前記学習手段は前記基準空燃比学習値を前記各学習領域内に設定された学習完了判定領域の機関運転状態に対応するものとして学習するとともに、前記フィードバック補正係数の平均値と同フィードバック補正係数の制御基準値との偏差が減少するように前記基準空燃比学習値を更新し、前記判定手段は前記検出される機関運転状態が前記学習完了判定領域にあり、且つ、前記偏差が所定の判定範囲にあることを前記学習完了条件とする、といった構成を採用することができる。
【0020】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した内燃機関の空燃比制御装置において、前記学習手段は前記検出される機関運転状態が前記学習完了判定領域外にあるときには同学習完了判定領域内にあるときよりも前記基準空燃比学習値を更新する際の更新量を小さく設定するものであるとしている。
【0021】
機関運転状態に対応する空燃比学習値を上記補間演算を通じて算出する場合、その補間演算の精度は機関運転状態が基準空燃比学習値に対応する機関運転状態から外れるほど低下するようになる。従って、この補間演算の精度は、機関運転状態が前記学習完了判定領域内にあるときよりも同学習完了判定領域外にあるときのほうが低下することとなる。
【0022】
請求項3に記載した発明の上記構成によれば、このように補間演算の精度が低下する場合に、基準空燃比学習値を更新する際の更新量を小さく設定し、その更新速度を低下させるようにしているため、同精度の低下に起因して基準空燃比学習値が誤った値に大きく更新されてしまうのを抑制することができるようになる。
【0023】
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した内燃機関の空燃比制御装置において、前記学習手段は前記基準空燃比学習値を前記学習完了判定領域の中心に位置する機関運転状態に対応するものとして学習するとともに、前記検出される機関運転状態が同機関運転状態の属する学習領域の前記学習完了判定領域の中心から離れるほど前記更新量が連続的に小さくなるように同更新量を設定するものであるとしている。
【0024】
上記構成によれば、上記補間演算の精度低下に起因して基準空燃比学習値が誤った値に大きく更新されてしまうのを更に好適に抑制することができるようになる。
【0025】
請求項5に記載した発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載した内燃機関の空燃比制御装置において、前記検出される機関運転状態の属する学習領域において求められる前記偏差が所定値よりも大きいときに同学習領域についての学習完了履歴を消去する履歴消去手段を更に備えるようにしている。
【0026】
内燃機関の始動及び停止が繰り返され、学習が長期間にわたって実行されると、いずれの学習領域においても学習が少なくとも一度は完了し、その学習完了履歴が履歴有りと設定されるようになる。従って、機関運転状態がいずれの学習領域にあるときでも上記補間演算を通じて空燃比学習値が算出されるようになる。
【0027】
こうした状態から、例えば燃料噴射弁や吸入空気量を検出するためのセンサ等、空燃比制御に関係する部品が交換された場合や、基準空燃比学習値の記憶内容が初期化されたような場合にあっては、同基準空燃比学習値の信頼性が低下するようになる。従って、このような場合にも、学習完了履歴が履歴有りとして設定されていることに基づいて上記補間演算を行うようにすると、基準空燃比学習値の誤学習を招くこととなる。また、このように基準空燃比学習値の信頼性が低下すると、機関空燃比の定常的なずれが適切に補償されなくなり、フィードバック補正係数の平均値は同フィードバック補正係数の制御基準値から外れてこれらの偏差が増大するようになる。
【0028】
請求項5に記載した発明の上記構成によれば、このようにフィードバック補正係数の平均値と同フィードバック補正係数の制御基準値との偏差が所定値よりも大きくなったときには、そのときの機関運転状態に属する学習領域についての学習完了履歴が消去される。このため、空燃比制御に関係する部品が交換されたり、或いは基準空燃比学習値の記憶内容が初期化されることにより、それまで学習された基準空燃比学習値の信頼性が低下した場合であっても、その信頼性の低い基準空燃比学習値の影響によってその他の学習領域における基準空燃比学習値が不必要に大きく更新されてしまうのを回避し、同基準空燃比学習値の精度低下を抑制することができるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態について図1〜図11を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態にかかる内燃機関の空燃比制御装置の構成を概略的に示している。
同図に示されるように、内燃機関10の吸気通路11には、同吸気通路11内に燃料を噴射する燃料噴射弁12が設けられている。また、吸気通路11において燃料噴射弁12の上流側には吸入空気量を調節するスロットルバルブ13が設けられ、更にその上流側にはエアクリーナ14が設けられている。燃料噴射弁12から噴射される燃料は、このエアクリーナ14を通過した吸入空気と混合された後、内燃機関10の機関燃焼室(図示略)に導入される。そして、この混合気の燃焼により発生した排気は機関燃焼室から排気通路15を通じて外部に排出される。この排気通路15には、排気を浄化するための触媒コンバータ16が設けられている。
【0031】
吸気通路11においてスロットルバルブ13とエアクリーナ14との間にはエアフローメータ17が取り付けられており、このエアフローメータ17により吸気通路11を通過する吸入空気の量が検出される。一方、排気通路15において触媒コンバータ16の上流側には酸素センサ18が取り付けられており、この酸素センサ18により排気中の酸素濃度が検出される。更に、内燃機関10の出力軸(図示略)の近傍には回転速度センサ19が設けられており、この回転速度センサ19により出力軸の回転速度、即ち機関回転速度が検出される。
【0032】
これら各センサ17〜19の検出信号は、空燃比制御等、機関運転にかかる制御を実行する電子制御装置20に入力される。この電子制御装置20は、演算処理を行うCPUや入出力回路(いずれも図示略)の他、各種制御に際して必要とされるデータを記憶するメモリ22等を備えて構成されている。
【0033】
また、内燃機関10は、パージ制御を実行するための蒸発燃料処理機構30を備えている。この蒸発燃料処理機構30は、燃料タンク31及びエアクリーナ14にそれぞれ接続されたキャニスタ32と、このキャニスタ32と吸気通路11とを接続するパージ通路33と、このパージ通路33の途中に設けられ、上記電子制御装置20を通じて開閉制御される流量制御弁34とを備えて構成されている。
【0034】
燃料タンク31内に発生する蒸発燃料は、キャニスタ32に導入され、その内部の燃料吸着材(図示略)に一旦吸着される。一方、流量制御弁34の開弁に伴ってエアクリーナ14を通じてキャニスタ32に大気が導入されると、キャニスタ32の燃料吸着材に吸着されている燃料は同吸着材から離脱する。こうして離脱した蒸発燃料は、パージ通路33を通じて吸気通路11内に導入された後、機関燃焼室において燃焼される。電子制御装置20は、流量制御弁34の開度を適宜制御することにより、パージ制御が内燃機関10の空燃比制御に及ぼす影響を最小限に抑えるようにしている。
【0035】
次に、上記電子制御装置20により実行される空燃比制御について詳細に説明する。
まず、フィードバック補正係数FAFを算出する際の手順について図2及び図3に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートに示される一連の処理は電子制御装置20により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0036】
フィードバック補正係数FAFは、燃料噴射弁12の燃料噴射量をフィードバック制御するための補正係数である。例えば、機関空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には、フィードバック補正係数FAFはその制御基準値「1.0」よりも大きな値に設定され、燃料噴射量が増量補正される一方、機関空燃比が理論空燃比よりもリッチである場合には、同フィードバック補正係数FAFは制御基準値「1.0」よりも小さい値に設定され、燃料噴射量が減量補正される。そしてこのように、フィードバック補正係数FAFに基づいて燃料噴射量が補正されることにより、機関空燃比と理論空燃比との間の過渡的なずれが補償されることとなる。
【0037】
このフィードバック補正係数FAFの算出にかかる一連の処理では、まず、フィードバック(F/B)制御条件が成立しているか否かが判断される(図2のステップ110)。ここでは、例えば機関始動時ではない、機関冷却水温が所定温度以上に上昇している、等々の条件が全て満たされている場合にフィードバック制御条件が成立していると判断される。
【0038】
フィードバック制御条件が成立していると判断された場合には(ステップ110:YES)、現在の機関空燃比がリッチであるか否かが判断される(ステップ112)。酸素センサ18の検出信号(電圧信号)Vは、機関空燃比がリッチであり、排気中の酸素濃度が所定濃度未満である場合には所定電圧より大きくなる一方、同機関空燃比がリーンであり、排気中の酸素濃度が所定濃度以上である場合には所定電圧よりも小さくなる。電子制御装置20は、上記判断に際してこの酸素センサ18の検出信号Vを参照し、機関空燃比がリッチであるか否かを判断する。
【0039】
そして、機関空燃比がリッチである旨判断されると(ステップ112:YES)、更に、前回の制御周期において機関空燃比がリーンであったか否か、即ち今回の制御周期において機関空燃比がリーンからリッチに切り替わったか否かが判断される(ステップ114)。
【0040】
今回の制御周期において機関空燃比がリーンからリッチに切り替わった旨判断されると(ステップ114:YES)、機関空燃比がリーンからリッチに切り替わったときの値FAFLとして現在のフィードバック補正係数FAFがメモリ22に記憶される(図3のステップ116)。その後、現在のフィードバック補正係数FAFから所定のスキップ量Sが減算され、その減算値(FAF−S)が新たなフィードバック補正係数FAFとして設定される(ステップ118)。
【0041】
一方、前回の制御周期においても機関空燃比がリッチであったと判断された場合、即ち機関空燃比が継続してリッチであると判断された場合(図2のステップ114:NO)、現在のフィードバック補正係数FAFから所定の積分量Kが減算され、その減算値(FAF−K)が新たなフィードバック補正係数FAFとして設定される(図3のステップ152)。
【0042】
他方、現在の機関空燃比がリーンであると判断された場合には(図2のステップ112:NO)、次に前回の制御周期において機関空燃比がリッチであったか否か、即ち今回の制御周期において機関空燃比がリッチからリーンに切り替わったか否かが判断される(ステップ124)。
【0043】
今回の制御周期において機関空燃比がリッチからリーンに切り替わった旨判断されると(ステップ124:YES)、機関空燃比がリッチからリーンに切り替わったときの値FAFRとして現在のフィードバック補正係数FAFがメモリ22に記憶される(図3のステップ126)。その後、現在のフィードバック補正係数FAFに上記スキップ量Sが加算され、その加算値(FAF+S)が新たなフィードバック補正係数FAFとして設定される(ステップ128)。
【0044】
一方、前回の制御周期においても機関空燃比がリーンであったと判断された場合、即ち機関空燃比が継続してリーンであると判断された場合(図2のステップ124:NO)、現在のフィードバック補正係数FAFに上記積分量Kが加算され、その加算値(FAF+K)が新たなフィードバック補正係数FAFとして設定される(図3のステップ142)。
【0045】
先のステップ118,128を通じてフィードバック補正係数FAFがスキップ制御された後、以下の演算式(1)に従ってフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが算出される(ステップ130)。
【0046】
FAFAV←(FAFL+FAFR)/2 …(1)
次に、現在の制御周期が機関空燃比がリーンからリッチ、或いはリッチからリーンに切り替わるタイミング、即ちスキップタイミングであることを示すスキップフラグXSKIPが「オン」に設定され(ステップ132)、この一連の処理が一旦終了される。
【0047】
一方、図2に示すステップ110においてフィードバック制御条件が成立していない旨判断された場合(ステップ110:NO)、機関空燃比をオープンループ制御すべくフィードバック補正係数FAFが「1.0」に設定された後(ステップ160)、更にそのフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVも「1.0」に設定される(ステップ162)。
【0048】
このステップ162の処理、或いは先の各ステップ142,152の処理が実行された後、一連の処理は一旦終了される。
次に、機関空燃比の学習を行う際の処理手順について図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートに示される一連の処理は電子制御装置20により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0049】
この空燃比学習処理においては、機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための補正係数(以下、「基準空燃比学習値」という)KG(j)(j=1〜4)の学習が行われる。
【0050】
燃料噴射量は、内燃機関10の個体差や、燃料噴射弁12の噴射特性或いはエアフローメータ17の出力特性における個体差、更にはそれら個体差の経時変化等々によって、機関空燃比を理論空燃比に一致させ得る本来の量から定常的にずれる場合がある。基準空燃比学習値KG(j)は、こうした燃料噴射量の定常的なずれを補償するための補正値である。
【0051】
また、この基準空燃比学習値KG(j)は、吸入空気量GAに応じて区分された複数の領域(以下、「学習領域」という)R(j)毎に学習されている。
図4は、こうした学習領域R(j)と基準空燃比学習値KG(j)との関係を示している。同図に示すように、本実施形態では、吸入空気量GAに応じて第1の学習領域R(1)、第2の学習領域R(2)、第3の学習領域R(3)、並びに第4の学習領域R(4)といった4つの学習領域R(j)(j=1〜4)が設定されている。そして、これら各学習領域R(j)は、その中央に学習完了判定領域Rgが設定されるとともに、同学習完了判定領域Rgの中心値GA(j)(j=1〜4)よりも吸入空気量GAの少ない領域として設定された第1の領域Raと、学習完了判定領域Rgの中心値GA(j)よりも吸入空気量GAの多い領域として設定された第2の領域Rbとにそれぞれ区分されている。各基準空燃比学習値KG(j)は学習完了判定領域Rgのそれぞれの中心値GA(j)に対応する値として学習されている。
【0052】
また、上記学習完了判定領域Rgは、各学習領域R(j)における基準空燃比学習値KG(j)の学習が完了したか否かを判定するための領域として設定されており、上記学習の完了判定は吸入空気量GAがこの学習完了判定領域Rgにあるときにのみ行われる。そして、或る学習領域R(j)において学習が少なくとも一度完了すると、その学習領域R(j)における学習完了履歴が履歴有りとして設定される。具体的には各学習領域R(j)毎にそれぞれ対応する学習完了履歴フラグXKGR(j)(j=1〜4)が「オン」に設定される。この学習完了履歴フラグXKGR(j)の設定内容は、機関運転が停止され、電子制御装置20に対する電力供給が停止された後においても、そのメモリ22において記憶保持される。
【0053】
この機関空燃比の学習にかかる一連の処理では、まず、その学習条件が成立しているか否かが判断される(図5のステップ210)。ここでは、機関空燃比にかかるフィードバック制御が実行されている(前記フィードバック制御条件が成立している)、内燃機関10が加減速状態になく吸入空気量GAが安定している、等々の条件が全て満たされている場合に学習条件が成立していると判断される。ここで学習条件が成立していると判断された場合(ステップ210:YES)、次にパージ制御が実行中であるか否か、換言すれば流量制御弁34が開弁しているか否かが判断される(ステップ212)。
【0054】
本実施形態において、上記パージ制御は、現在の学習領域R(j)において学習が完了しているのを条件として、その実行が許可される。即ち、内燃機関10が始動され、機関空燃比のフィードバック制御が開始されると、まず、基準空燃比学習値KG(j)の学習が行われ、その学習が完了した学習領域R(j)においてパージ制御の実行が許可されるようになる。また、学習領域R(j)が変化すれば、その変化後の学習領域R(j)において同様に基準空燃比学習値KG(j)の学習が行われ、学習完了後に同学習領域R(j)でのパージ制御の実行が許可されるようになる。
【0055】
ここでパージ制御の実行中ではない旨判断された場合(ステップ212:NO)、前回の制御周期から今回の制御周期までの間に学習領域R(j)が変化したか否か、換言すれば今回の制御周期において判断された学習領域R(j)が前回の制御周期において判断された学習領域R(j)と異なっているか否かが判断される(ステップ214)。そして、学習領域R(j)が変化していない旨判断された場合には(ステップ214:YES)、更に、スキップフラグXSKIPが「オン」に設定されているか否かが判断される(ステップ216)。
【0056】
ここで、スキップフラグXSKIPが「オン」に設定されている旨判断された場合、即ち今回の制御周期がスキップタイミングであると判断された場合には(ステップ216:YES)、スキップフラグXSKIPが「オフ」に設定された後(ステップ218)、スキップカウンタ値CSKIPがインクリメントされる(ステップ220)。このスキップカウンタ値CSKIPは、学習領域R(j)が同一の領域に維持されたままフィードバック補正係数FAFのスキップ制御が行われた回数を計数するカウンタ値である。
【0057】
そして、このスキップカウンタ値CSKIPが所定値KCSKIP以上であるか否かが判断され(ステップ222)、同所定値KCSKIP以上である旨判断された場合には(ステップ222:YES)、更に現在の吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにあるか否かが判断される(ステップ224)。そして、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにあると判断された場合には(ステップ224:YES)、基準空燃比学習値KG(j)を学習更新する際の更新量DKGが所定値DKG1に設定される(ステップ226)。一方、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにはないと判断された場合には(ステップ224:NO)、上記更新量DKGが所定値DKG2に設定される(ステップ227)。
【0058】
ここで、上記各所定値DKG1,DKG2については(DKG2<DKG1)なる大小関係が設定されている。従って、図7に示されるように、いずれの学習領域R(j)に関しても、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rg外にある場合には、同領域Rgにある場合と比較して基準空燃比学習値KG(j)を学習更新する際の更新量DKGが小さく設定されることとなる。
【0059】
このようにして更新量DKGが設定された後、次にフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVと、同フィードバック補正係数FAFの制御基準値「1.0」との偏差(絶対偏差)|FAFAV−1.0|が所定値α以下であるであるかが判断される(図6のステップ228)。この所定値αは、基準空燃比学習値KG(j)の信頼性を評価するためのものである。即ち、偏差|FAFAV−1.0|が所定値αより大きい場合には、基準空燃比学習値KG(j)によって機関空燃比の理論空燃比からの定常的なずれが適切に補償されていないために、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVがその制御基準値「1.0」から大きく外れているとみなすことができ、基準空燃比学習値KG(j)の信頼性が低下しているものと判断することができる。
【0060】
ここで上記偏差|FAFAV−1.0|が所定値αより大きい場合には(ステップ228:NO)、現在の学習領域R(j)に対応する学習完了履歴フラグXKGR(j)が「オフ」に設定される(ステップ229)。即ち、現在の学習領域R(j)における学習完了履歴が消去される。
【0061】
この処理が実行された後、或いは偏差|FAFAV−1.0|が所定値α以下である旨判断された場合(ステップ228:YES)、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが所定の判定値β(<α)により定められる判定範囲(1.0−β≦FAFAV≦1.0+β)内にあるか否かが判断される(ステップ230,232)。
【0062】
フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが、この判定範囲内にある場合には(ステップ230,232:NO)、現在の吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにあるか否かが判断される(ステップ250)。そして、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rg外にある場合には(ステップ250:NO)、継続時間カウンタ値CTIMEが「0」にリセットされた後(ステップ262)、一連の処理が一旦終了される。この継続時間カウンタ値CTIMEは、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにあり、且つ、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが上記判定範囲内に継続して存在する時間を計時するカウンタ値である。
【0063】
一方、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにある場合には(ステップ250:YES)、上記継続時間カウンタ値CTIMEが「1」だけインクリメントされる(ステップ252)。そして、この継続時間カウンタ値CTIMEが所定の判定期間γを超えているか否かが判断され(ステップ254)、同判定期間γを超えていない場合には(ステップ254:NO)、一連の処理が一旦終了される。
【0064】
これに対して、継続時間カウンタ値CTIMEが判定期間γを超えている場合には(ステップ254:YES)、今回の機関運転時において基準空燃比学習値KG(j)の学習が完了したことを示す学習完了フラグXKG(j)が「オン」に設定される(ステップ256)。そして更に、現在の学習領域R(j)に対応する学習完了履歴フラグXKGR(j)が「オン」に設定された後(ステップ258)、一連の処理が一旦終了される。
【0065】
一方、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが上記判定範囲から外れ、同範囲内の値よりも大きな値である判断された場合(ステップ230:YES)、或いはフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが上記判定範囲から外れ、同範囲内の値よりも小さな値であると判断された場合(ステップ232:YES)にはいずれも、現在の学習領域R(j)における基準空燃比学習値KG(j)が上記更新量DKGに基づいて更新される。
【0066】
即ち、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが上記判定範囲内の値よりも大きな値であると判断された場合には(ステップ230:YES)、上記継続時間カウンタ値CTIMEがクリアされた後(ステップ244)、現在の基準空燃比学習値KG(j)に上記更新量DKGが加算され、その加算値(KG(j)+DKG)が新たな基準空燃比学習値KG(j)として設定される(ステップ246)。一方、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが上記判定範囲内の値よりも小さな値であると判断された場合には(ステップ232:YES)、継続時間カウンタ値CTIMEがクリアされた後(ステップ234)、現在の基準空燃比学習値KG(j)から上記更新量DKGが減算され、その減算値(KG(j)−DKG)が新たな基準空燃比学習値KG(j)として設定される(ステップ236)。
【0067】
ここで、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rg外にある場合には、同領域Rgにある場合と比較して上記更新量DKGが小さく設定されているため、上記各ステップ236,246を通じて更新される基準空燃比学習値KG(j)の更新速度が相対的に低く抑えられることとなる。
【0068】
上記各ステップ236,246において基準空燃比学習値KG(j)が更新された後、この一連の処理は終了される。また、今回の制御周期がスキップタイミングではないと判断された場合(ステップ216:NO)、スキップカウンタ値CSKIPが所定値KCSKIP未満であると判断された場合(ステップ222:NO)にはいずれも、継続時間カウンタ値CTIMEが「0」にリセットされた後(ステップ262)、この一連の処理は一旦終了される。
【0069】
また、学習条件が成立していないと判断された場合(ステップ210:NO)、パージ制御が実行中であると判断された場合(ステップ212:YES)、或いは学習領域R(j)が変化したと判断された場合には(ステップ214:NO)、上記スキップカウンタ値CSKIPがクリアされ(ステップ260)、更に継続時間カウンタ値CTIMEが「0」にリセットされた後(ステップ262)、この一連の処理が一旦終了される。
【0070】
次に、燃料噴射弁12の燃料噴射時間TAUを算出する際の手順について図8に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートに示される一連の処理は電子制御装置20により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0071】
この一連の処理では、まず、基本燃料噴射時間TPが算出される(ステップ310)。この基本燃料噴射時間TPは、燃料噴射弁12の燃料噴射量と吸入空気量との比、即ち機関空燃比が理論空燃比と一致するように、エアフローメータ17により検出される吸入空気量GAと、回転速度センサ19により検出される機関回転速度NEとに基づいて算出される。
【0072】
次に、始動後増量補正や暖気増量補正等を行うための補正係数KT1、並びにパージ濃度補正等を行うための補正係数KT2がそれぞれ算出される(ステップ312)。
【0073】
そして次に、各学習領域R(j)毎に学習された基準空燃比学習値KG(j)に基づいて現在の吸入空気量GAに対応する空燃比学習値KGを算出するための一連の処理が実行される(ステップ314〜321)。
【0074】
まず、現在の吸入空気量GAが、各学習領域R(j)のいずれに属するかが判断されるとともに、更にその学習領域R(j)において上記第1の領域Ra及び第2の領域Rbのうちのいずれに属するかが判断される(ステップ314)。
【0075】
次に、吸入空気量GAが第1の学習領域R(1)における第1の領域Ra、或いは第4の学習領域R(4)における第2の領域Rbにあるか否かが判断される(ステップ316)。そして、吸入空気量GAがこれら各領域にはないと判断された場合には(ステップ316:NO)、学習完了履歴フラグXKGR(j)の設定内容に基づいて、現在の学習領域R(j)並びにこの学習領域R(j)に隣接する一方の学習領域R(j−1),R(j+1)の学習完了履歴が履歴有りとして設定されているか否か判断される(ステップ318)。
【0076】
より詳細に説明すると、この処理では、吸入空気量GAが或る学習領域R(k)の第1の領域Raに存在する場合には、その学習領域R(k)と同学習領域R(k)に隣接し同学習領域R(k)よりも吸入空気量GAの少ない学習領域R(k−1)とに関してそれぞれ学習完了履歴の有無が判断される。一方、吸入空気量GAが或る学習領域R(k)の第2の領域Rbに存在する場合には、その学習領域R(k)と同学習領域R(k)に隣接し同学習領域R(k)よりも吸入空気量GAの多い学習領域R(k+1)とに関してそれぞれ学習完了履歴の有無が判断される。
【0077】
例えば、吸入空気量GAが第2の学習領域R(2)の第1の領域Raに存在する場合には、第2の学習領域R(2)と第1の学習領域R(1)とに関してそれぞれ学習完了履歴の有無が判断される。また例えば、吸入空気量GAが第2の学習領域R(2)の第2の領域Rbに存在する場合には、第2の学習領域R(2)と第3の学習領域R(3)とに関してそれぞれ学習完了履歴の有無が判断される。
【0078】
こうして判断される各学習領域R(j)の学習完了履歴がいずれも履歴有りとして設定されている場合には(ステップ318:YES)、それら学習領域R(j)に対応する2つの基準空燃比学習値KG(j)を用いた補間演算を通じて現在の吸入空気量GAに対応する空燃比学習値KGが算出される。一方、各学習領域R(j)の学習完了履歴のいずれか一方が履歴有りとして設定されていない場合(ステップ318:YES)、或いは上記ステップ316において、吸入空気量GAが第1の学習領域R(1)における第1の領域Ra、或いは第4の学習領域R(4)における第2の領域Rbにあると判断された場合(ステップ316:YES)、空燃比学習値KGは、現在の学習領域R(j)の基準空燃比学習値KG(j)と等しく算出される。
【0079】
例えば、図9に示すように、吸入空気量GA(=GA1)が第2の学習領域R(2)における第1の領域Raにあり、第2の学習領域R(2)及び第1の学習領域R(1)の学習完了履歴がいずれも履歴有りとして設定されている場合には、一点鎖線で示すように、第2の学習領域R(2)の基準空燃比学習値KG(2)と第1の学習領域R(1)の基準空燃比学習値KG(1)とを用いた補間演算(一次補間)を通じて現在の吸入空気量GA1に対応する空燃比学習値KGが算出される。
【0080】
また、吸入空気量GA(=GA2)が第2の学習領域R(2)における第2の領域Rbにあり、第2の学習領域R(2)及び第3の学習領域R(3)の学習完了履歴がいずれも履歴有りとして設定されている場合には、同じく一点鎖線で示すように、第2の学習領域R(2)の基準空燃比学習値KG(2)と第3の学習領域R(3)の基準空燃比学習値KG(3)とを用いた補間演算(一次補間)を通じて現在の吸入空気量GA2に対応する空燃比学習値KGが算出される。
【0081】
一方、例えば吸入空気量GA(=GA3,GA4)が第2の学習領域R(2)における第1の領域Ra或いは第2の領域Rbにあり、第2の学習領域R(2)及び第3の学習領域R(3)における学習完了履歴のいずれか一方が履歴有りとして設定されていない場合には、同図に二点鎖線で示すように、現在の吸入空気量GA3,GA4に対応する空燃比学習値KGは、第2の学習領域R(2)の基準空燃比学習値KG(2)と等しく算出される。
【0082】
このようにして現在の吸入空気量GAに対応する空燃比学習値KGが算出された後、以下の演算式(2)に従って燃料噴射時間TAUが算出される(ステップ322)。
【0083】
TAU←TP・KT1・(FAF+KG+KT2) …(2)
上記演算式(1)に基づいて燃料噴射時間TAUが算出された後、この一連の処理は一旦終了される。
【0084】
以上説明したように、本実施形態においては、現在の学習領域R(j)及びこれに隣接する学習領域R(j)の各基準空燃比学習値KG(j)を用いた補間演算を通じて現在の吸入空気量GAに対応する空燃比学習値KGを算出する一方、これら各学習領域R(j)の少なくとも一方の領域において学習完了履歴が履歴有りと設定されていないときには、こうした補間演算を通じた空燃比学習値KGの算出に替えて同空燃比学習値KGを現在の学習領域R(j)における基準空燃比学習値KG(j)と等しく算出するようにしている。
【0085】
ここで、本実施形態とは異なり、各学習領域R(j)における学習完了履歴の設定の有無とは無関係に空燃比学習値KGを上記補間演算を通じて算出するようにした場合には、仮に現在の学習領域R(j)における基準空燃比学習値KG(j)の学習が進んでいたとしても、同基準空燃比学習値KG(j)がそれに隣接する学習領域R(j)の信頼性の低い基準空燃比学習値KG(j)の影響により不必要に大きく更新されてしまうことがある。
【0086】
例えば、図10において、現在の吸入空気量GAの属する第2の学習領域R(2)において学習完了履歴が履歴有りとして設定されており、これに隣接する第3の学習領域R(3)においては学習完了履歴が設定されていないものとする。また、学習完了履歴の設定されていない第3の学習領域R(3)における基準空燃比学習値KG(3)は、その本来の正しい値(同図(a)に示す点c1)から大きく外れた値(同図(a)に示す点c2)をとっているものとする。
【0087】
ここで、現在の吸入空気量GAに対応する空燃比学習値KGが各学習領域R(2),R(3)の基準空燃比学習値KG(2),KG(3)を用いた補間演算を通じて算出されると、同空燃比学習値KGは、その本来の正しい値(同図(a)に示す点b1)から外れた値(同図(a)に示す点b2)として算出されることとなる。このため、上記空燃比学習処理を通じて、この空燃比学習値KGの値(同図(a)に示す点b2)が本来の値(同図(a)に示す点b1)と一致するように、第2の学習領域R(2)における基準空燃比学習値KG(2)が誤って学習されるようになる。即ち、信頼性の低い第3の学習領域R(3)における基準空燃比学習値の影響を受けてフィードバック補正係数FAFが変化し、その変化に合わせて学習の進んだ第2の学習領域R(2)における基準空燃比学習値KG(2)が不必要に大きく更新されてしまうこととなる。その結果、同図(b)に示すように、第2の学習領域R(2)における基準空燃比学習値KG(2)は、本来の正しい値(同図(b)に示す点a1)から大きく外れた値(同図(b)に示す点a2)に更新されてしまうようになる。
【0088】
この点、本実施形態では、上記のような場合、図11に示すように、現在の吸入空気量GAに対応する空燃比学習値KGは、第2の学習領域R(2)における基準空燃比学習値KG(2)と等しく算出される。従って、上記空燃比学習処理を通じて、この空燃比学習値KGの値(同図(a)に示す点b2)が本来の正しい値(同図(a)に示す点b1)と一致するように、第2の学習領域R(2)における基準空燃比学習値KG(2)が学習されたとしても、同図(b)に示すように、同基準空燃比学習値KG(2)が信頼性の低い第3の学習領域R(3)における基準空燃比学習値KG(3)の影響を受けて、その本来の正しい値(同図(b)に示す点a1)から大きく外れた値(同図に示す点a2)に更新されてしまうことがない。
【0089】
(1)このように本実施形態によれば、各学習領域R(j)における学習の進み度合いが異なる場合であっても、それに起因する基準空燃比学習値KG(j)の学習精度の低下を抑制することができ、空燃比制御を高い精度をもって実現することができるようになる。
【0090】
また、本実施形態では、現在の吸入空気量GAが学習完了判定領域Rg外にあり、従って上記補間演算の精度が低下する場合には、同学習完了判定領域Rg内にある場合よりも基準空燃比学習値KG(j)を更新する際の更新量DKGを小さく設定するようにしている。
【0091】
(2)従って、こうした補間演算の精度低下に起因して基準空燃比学習値KG(j)が誤った値に大きく更新されてしまうのを抑制することができるようになる。
【0092】
更に、本実施形態では、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVとその制御基準値「1.0」との間の偏差|FAFAV−1.0|が所定値αより大きい場合に、現在の学習領域R(j)における学習完了履歴フラグXKGR(j)を「オフ」に設定するようにしている。
【0093】
その結果、例えば、燃料噴射弁12やエアフローメータ17等、空燃比制御に関係する部品が交換されたり、電子制御装置20のメモリ22における各基準空燃比学習値KG(j)の記憶内容が初期化されたりすることで、基準空燃比学習値KG(j)の信頼性が低下し、上記偏差|FAFAV−1.0|が増大したような場合には、その学習領域R(j)における学習完了履歴が消去されるようになる。
【0094】
(3)従って、上記のように空燃比制御に関係する部品が交換されたり、或いは基準空燃比学習値KG(j)の記憶内容が初期化されることにより、それまで学習された基準空燃比学習値の信頼性が低下した場合であっても、その信頼性の低い基準空燃比学習値KG(j)の影響によってその他の学習領域R(j)の基準空燃比学習値KG(j)が不必要に大きく更新されるのを回避して、その精度低下を抑制することができるようになる。
【0095】
以上説明した本発明の実施形態は以下のように構成を変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、基準空燃比学習値KG(j)を更新する際の更新量DKGを現在の吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgにあるか否かに応じて上記各所定値DKG1,DKG2のいずれかに設定するようにしたが、例えば、図12に示すように、吸入空気量GAが学習完了判定領域Rgの中心値GA(j)から離れるほど上記更新量DKGが連続的に小さくなるように、同更新量DKGを各所定値DKG1,DKG2の間で可変設定するようにしてもよい。
【0096】
こうした構成によれば、上記補間演算の精度低下に起因して基準空燃比学習値が誤った値に大きく更新されてしまうのを更に好適に抑制することができるようになる。
【0097】
更に、この場合において、同図12に示すように、吸入空気量GAの変化に対して更新量DKGが直線的に変化するように同更新量DKGを設定する他、例えば、吸入空気量GAの変化に対して更新量DKGが曲線的に変化するように同更新量DKGを設定するようにしてもよい。また、学習完了判定領域Rgにおいて更新量DKGを一定値に設定するとともに、学習完了判定領域Rg外においては、吸入空気量GAがその中心値GA(j)から離れるほど、更新量DKGが小さくなるように同更新量DKGを設定するようにしてもよい。
【0098】
・上記実施形態では吸入空気量GAに応じて4つの学習領域R(j)を設定するようにしたが、この学習領域R(j)の設定数は任意に設定することができる。また、例えば機関回転速度NE及び吸入空気量GAに応じて学習領域R(j)を設定する等、その他の機関運転状態に基づいて学習領域R(j)を区分するようにしてもよい。
【0099】
・上記実施形態では、フィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVとその制御基準値「1.0」との偏差が所定範囲から外れた場合には、その学習領域R(j)における学習完了履歴フラグXKGR(j)のみを「オフ」に設定するようにしたが、全ての学習領域R(j)における学習完了履歴フラグXKGR(j)を「オフ」に設定するようにしてもよい。
【0100】
・上記実施形態では、上記パージ制御を機関空燃比の学習が完了した後にその実行が許可されるものとして説明した。ここで、例えば機関運転が開始された直後においては、キャニスタ32内の蒸発燃料量がその貯留限界量近傍にまで上昇していることがある。このため、蒸発燃料をその貯留限界量を大きく下回るまで一旦減少させたほうが、蒸発燃料の放出を抑制する上でよい場合もあり得る。
【0101】
そこで、例えば所定の条件が満たされた場合には、機関空燃比の学習完了以前にパージ制御を実行し、キャニスタ32内の蒸発燃料を減少させた後、同学習を実行するとともに、その学習が完了した後に再度パージ制御の実行を許可するようにしてもよい。上記のようにパージ制御の実行を許可する場合であっても、上記実施形態に示す作用効果を奏することはできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における内燃機関及びその空燃比制御装置の構成を示す概略構成図。
【図2】フィードバック補正係数を算出する際の処理手順を示すフローチャート。
【図3】同じくフィードバック補正係数を算出する際の処理手順を示すフローチャート。
【図4】各学習領域と基準空燃比学習値との関係を示す説明図。
【図5】基準空燃比学習値を学習する際の処理手順を示すフローチャート。
【図6】同じく基準空燃比学習値を学習する際の処理手順を示すフローチャート。
【図7】各学習領域と基準空燃比学習値を更新する際の更新量との関係を示す説明図。
【図8】燃料噴射時間を算出する際の処理手順を示すフローチャート。
【図9】空燃比学習値の算出例を示す説明図。
【図10】比較例における空燃比学習値の算出例を示す説明図。
【図11】一実施形態における空燃比学習値の算出例を示す説明図。
【図12】各学習領域と基準空燃比学習値を更新する際の更新量との関係の変更例を示す説明図。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…吸気通路、12…燃料噴射弁、13…スロットルバルブ、14…エアクリーナ、15…排気通路、16…触媒コンバータ、17…エアフローメータ、18…酸素センサ、19…回転速度センサ、20…電子制御装置、22…メモリ、30…蒸発燃料処理機構、31…燃料タンク、32…キャニスタ、33…パージ通路、34…流量制御弁。

Claims (5)

  1. 機関空燃比が理論空燃比に一致するように機関燃料噴射量をフィードバック制御する制御手段と、該フィードバック制御におけるフィードバック補正係数の挙動に基づいて機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための基準空燃比学習値を機関運転状態により区分された複数の学習領域毎に学習する学習手段と、機関運転状態を検出する検出手段と、該検出される機関運転状態に対応する空燃比学習値を同機関運転状態の属する学習領域及びこれに隣接する学習領域の各基準空燃比学習値を用いた補間演算を通じて算出するとともに該算出される空燃比学習値を前記機関燃料噴射量のフィードバック制御に反映させる学習値反映手段と、機関始動後において所定の学習完了条件が満たされるときに前記学習手段による学習が完了したものと前記学習領域毎に判定する判定手段と、前記判定手段により前記学習の完了判定が少なくとも一度なされているときに学習完了履歴を履歴有りとして前記学習領域毎に設定する設定手段とを備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記学習値反映手段は前記検出される機関運転状態の属する学習領域及びこれに隣接する学習領域の少なくとも一方の領域において学習完了履歴が履歴有りと設定されていないときには前記補間演算を通じた前記空燃比学習値の算出に替えて同空燃比学習値を前記検出される機関運転状態の属する学習領域の基準空燃比学習値と等しく算出する
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 請求項1に記載した内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記学習手段は前記基準空燃比学習値を前記各学習領域内に設定された学習完了判定領域の機関運転状態に対応するものとして学習するとともに、前記フィードバック補正係数の平均値と同フィードバック補正係数の制御基準値との偏差が減少するように前記基準空燃比学習値を更新し、
    前記判定手段は前記検出される機関運転状態が前記学習完了判定領域にあり、且つ、前記偏差が所定の判定範囲にあることを前記学習完了条件とする
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 請求項2に記載した内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記学習手段は前記検出される機関運転状態が前記学習完了判定領域外にあるときには同学習完了判定領域内にあるときよりも前記基準空燃比学習値を更新する際の更新量を小さく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 請求項3に記載した内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記学習手段は前記基準空燃比学習値を前記学習完了判定領域の中心に位置する機関運転状態に対応するものとして学習するとともに、前記検出される機関運転状態が同機関運転状態の属する学習領域の前記学習完了判定領域の中心から離れるほど前記更新量が連続的に小さくなるように同更新量を設定する
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 前記検出される機関運転状態の属する学習領域において求められる前記偏差が所定値よりも大きいときに同学習領域についての学習完了履歴を消去する履歴消去手段を更に備える
    請求項2乃至4のいずれかに記載した内燃機関の空燃比制御装置。
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