JP2005110674A - 樹脂製容器詰水中油型乳化食品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂製容器詰水中油型乳化食品において、該食品中の溶存酸素量を最適濃度に調整して風味のバランスを向上させ、また、保存中に水中油型乳化食品が過度に酸化することを防ぎ、品質の劣化を防止する。
【解決手段】水中油型乳化食品が、食用油脂、食酢および卵黄を含有する。該食品は、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に充填密封され、製造直後の溶存酸素濃度が蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2 である。樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造は、予め不活性ガスで樹脂製容器内を置換した後、その樹脂製容器に溶存酸素濃度1.0〜7.1%O2の水中油型乳化食品を充填密封することにより行う。樹脂製容器は酸素吸収層を有する積層材料からなるものが好ましい。
【選択図】図1


Description

本発明は、食用油脂、食酢および卵黄を含有するマヨネーズ、タルタルソース、ドレッシング等の水中油型乳化食品であって、特に溶存酸素濃度を調節することにより風味を改善した樹脂製容器詰水中油型乳化食品に関する。
各種の食品が、空気中の酸素によって酸化されることにより風味の劣化をきたすことは広く知られており、そのため、各種食品は、流通および保存の際には、一般に、酸素を透過しない金属缶やガラス瓶、酸素透過性の低い樹脂製容器に封入されており、さらに、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)やビタミンE等の酸化防止剤を含有させることが多く行われている。しかし、酸化防止剤を用いることは消費者に忌避される傾向にあり好ましくない。そこで、各種食品を製造する際に、原料中の溶存酸素量を減らしたり製造中に酸素が混入しないようにする技術が存在する。例えば、特許文献1には、実質的に酸素のない状態でコーヒーを抽出することにより、高品質のコーヒー飲料を得る技術が開示されており、また、特許文献2には、乳性飲料・果汁飲料の溶存酸素濃度を5ppm以下に低下せしめた状態で加熱処理することにより、風味の良い製品を得る技術が開示されている。
さらに、ドレッシング等の水中油型乳化食品中の溶存酸素を除去する技術としては、特許文献3に、特定の酵素を用いてサラダドレッシング中の溶存酸素を除去する技術が記載されている。
しかしながら、水中油型乳化食品は、マヨネーズのように粘度が高いものが多く、また、タルタルソースのように多くの固形具材を含有するものがあるため、それらの製造工程において製品中の溶存酸素を積極的に除去することは、装置が大掛かりになるなど製造コストが大幅に上昇するので一般的には行われていない。したがって、一般に市販されている水中油型乳化食品は、その製造の際に、製品になるべく空気中の酸素が混入しないように密閉系の製造ラインで原料の調合および搬送を行い(特許文献4)、容器への充填時には容器ヘッドスペースの窒素置換を行い、また、製品を充填密封する容器として、酸素を全く透過しないガラス瓶または酸素透過性の低減された樹脂製多層ボトル容器を採用する等の、製品への酸素の浸入を防ぐ工夫がなされているに過ぎない。
そのため、一般に市販されている水中油型乳化食品については、製造直後の溶存酸素濃度は、10〜15%O2 程度と比較的高くなっているのが現状であり、風味劣化を長期にわたって防止することが難しく、特に、樹脂製容器に充填する場合には風味劣化の防止が難しく、また、色調が褐色化し易いという傾向がある。
このような状況において、マヨネーズ様食品の風味を長期間維持するために、特定の成分を添加することや(特許文献5)、酸素吸収能を有する樹脂製容器を使用することが提案されている(特許文献6、特許文献7)。
本発明者らは、より高品質の水中油型乳化食品を開発すべく、容器詰水中油型乳化食品の製造工程において、原料および製品中の溶存酸素を積極的に除去する研究を行った。
当初、本発明者らは、水中油型乳化食品中の溶存酸素を完全に除去すれば、食用油脂および各種香味成分の酸化を防止でき、極めて風味に優れた容器詰水中油型乳化食品を製造することができるものと予測したが、研究の結果、意外にも、水中油型乳化食品中の溶存酸素を除去し過ぎると、水中油型乳化食品の風味に悪影響が出ることがわかった。すなわち、水中油型乳化食品中の溶存酸素を過度に除去すると、食酢のツンとした刺激臭が強く感じられるようになり、食用油脂と食酢と卵黄の味のなじみが悪くなって風味のバランスが崩れてしまうのである。
特開平6−141776号公報 特開平10−295341号公報 特表平11−504963号公報 特開平11−196816号公報 特開2000−308469号公報 特開2002−240813号公報 特開2004−196337号公報
そこで、本発明は、樹脂製容器詰水中油型乳化食品中の溶存酸素量を低減し、最適濃度に調整することにより、保存中に水中油型乳化食品が過度に酸化することを防ぎ、風味や色調等の品質の劣化がなく、かつ風味のバランスに優れた樹脂製容器詰水中油型乳化食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、食用油脂、食酢および卵黄を含有する水中油型乳化食品を樹脂製容器に充填するに際し、水中油型乳化食品中の溶存酸素量をある一定の濃度範囲まで減じ、かつ樹脂製容器の酸素透過度を特定値以下とし、さらに樹脂製容器に水中油型乳化食品を充填する際には予め容器内を窒素等の不活性ガスで置換しておくことにより、保存中の酸化による劣化が少なく、かつ風味のバランスのとれた水中油型乳化食品を得ることができることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、食用油脂、食酢および卵黄を含有する水中油型乳化食品であって、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に充填密封され、製造直後の溶存酸素濃度が蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2 であることを特徴とする樹脂製容器詰水中油型乳化食品を提供する。
また、本発明は、食用油脂、食酢および卵黄を含有する水中油型乳化食品が樹脂製容器に充填された樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造方法であって、水中油型乳化食品又はその原料の脱酸素処理により水中油型乳化食品中の溶存酸素濃度を蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2に調整し、該水中油型乳化食品を、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に、該容器内を予め不活性ガスで置換した後に充填密封することを特徴とする樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造方法を提供する。
本発明の樹脂製容器詰水中油型乳化食品、又は本発明の製造方法により得られる樹脂製容器詰水中油型乳化食品は、食用油脂、食酢および卵黄を含有し、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に充填密封され、製造直後の溶存酸素濃度が蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2 に調整されており、例えば、製造後10日間20℃の暗所で保存した際の溶存酸素濃度が0.6〜5.7%O2 になる。この樹脂製容器詰水中油型乳化食品は、食酢由来のツンとした刺激臭が抑えられ、まろやかでコクの感じられる、バランスの良い優れた風味を有する。
また、本発明の製造方法により、樹脂製容器内を予め不活性ガスで置換した後、その樹脂製容器に水中油型乳化食品を充填密封したものは、保存中に水中油型乳化食品が過度に酸化されることがないため、6カ月以上の長期間にわたって良好な風味を保持し、色調の褐色化を防止することができ、さらに樹脂製容器として、酸素吸収能を有するものも含め、平均酸素透過度が実質的にゼロの容器を使用した場合には、長期保存安定性をより一層向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本発明において特に限定しない場合には、「%」は「質量%」を意味する。
本発明において水中油型乳化食品とは、水相原料と油相原料とが水中油型に乳化されてなる乳化物、すなわち、水相中に油滴が分散された状態にある乳化物であり、具体的には、マヨネーズ、タルタルソース、乳化状ドレッシング等が挙げられる。この際水相原料と油相原料との配合割合は、前者10〜90%に対して後者90〜10%程度でよいが、通常は前者20〜70%に対して後者80〜30%が一般的である。
また、本発明における水中油型乳化食品は、食用油脂、食酢および卵黄を含有するものであるが、ここで食用油脂とは、水中油型乳化食品の原料として一般に使用可能な油脂であれば特に限定されることなく、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、米油、パーム油等の植物性油脂、魚油等の動物性油脂、並びにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等の化学的ないし酵素的処理を施して得られる油脂等を使用することができる。
食酢としては、水中油型乳化食品の原料として一般に使用可能な食酢であれば特に限定されることなく、例えば、米酢等の穀物酢、果実酢等の使用が可能である。
卵黄としては、卵を割卵して得られた全卵液から工業的に卵白を分離除去した生卵黄、または生卵黄をそのままあるいは砂糖や塩を添加して凍結した凍結卵黄、生卵黄を乾燥処理した乾燥卵黄の他、酵素処理、脱コレステロール処理あるいは脱糖処理等を施した加工卵黄等を用いることができる。また、卵黄そのものではないが、全卵液または全卵粉等の卵黄を含有する各種卵原料を用いることも可能である。
本発明においては平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器を使用する。平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器とは、温度30℃、容器外部の相対湿度80%及び容器内部の相対湿度100%の条件下における容器壁面全体の酸素透過度の平均値が、50cc/m2・day・atm以下である樹脂製容器をいう。容器壁を透過して浸入して来る酸素をこの程度に少量にすることにより、浸入してきた酸素が品質に及ぼす影響を著しく低減させることができる。
また、本発明の水中油型乳化食品を、賞味期間が3カ月を超えるような長期保存可能品とするには、平均酸素透過度が30cc/m2・day・atm以下の容器を使用することが好ましく、20cc/m2・day・atm以下の容器がより好ましく、特に平均酸素透過度が0cc/m2・day・atmの酸素を全く透過しない容器が好ましい。
また、本発明で使用する樹脂製容器としては、上述のように平均酸素透過度が低いものである限り、酸素吸収能を有するものであってもよい。通常、酸素吸収能を有する樹脂製容器は平均酸素透過度が0cc/m2・day・atmであり、容器内への酸素の浸入を完全に遮断することができるので好ましい。
ここで、平均酸素透過度の測定は、次の(1)〜(5)の手順により行うことができる。
(1) 測定対象の容器に少量の清水を注入し、容器内を窒素置換し、常圧にして密封する。これにより容器内部の相対湿度は100%になる。
(2) 注射器を用いて、(1)の容器から気体を少量採取し、当該気体の酸素濃度C0 を酸素計(例えば、飯島電子工業株式会社製 微量酸素分圧計RO−102−SP)により測定する。
(3) (1)の容器を、温度30℃、相対湿度80%に調整した恒温恒湿度器に入れ、20日間保存する。この際、恒温恒湿度器の中は、通常の大気圧とし、通常の空気で満たす。
(4) 注射器を用いて、(3)の20日間保存後の容器から気体を少量採取し、当該気体の酸素濃度C1 を(2)と同様に測定する。
(5) (2)で得られた初期酸素濃度C0(%O2 )測定値と(4)で得られた保存後の酸素濃度C1 (%O2 )、容器の容積V(cc)、容器内面の表面積A(m2 )、保存期間T(day)(20日間)及び大気圧下における酸素分圧P(0.209atm)から次式により平均酸素透過度Q(cc/m2・day・atm)を算出する。
Figure 2005110674
平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器の例としては、PET、ポリエチレン又はポリプロピレン製ブロー成形容器、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂又はポリアミド(ナイロン等)をPET、ポリエチレン又はポリプロピレン等に積層したブロー成形容器、さらにこれらのブロー成形容器に中間層として酸素吸収層を積層して外部からの酸素の浸入を防ぐブロー成形容器、また、これらのブロー成形容器にシリカ、炭素等を蒸着したもの、PET、ポリアミドまたはアルミ薄膜をポリエチレン等に積層したシートからなる袋状容器(パウチ)、または、シリカ、酸化アルミ等の蒸着層を有する積層シートからなる袋状容器等がある。平均酸素透過度がさらに低い30cc/m2・day・atm以下、20cc/m2・day・atm以下、あるいは0cc/m2・day・atmの樹脂製容器は、上述の積層シートの酸素遮断層の層厚を厚くすること等により得ることができる。
酸素吸収層を有する樹脂製容器の好ましい層構成としては、図1に示すように、耐湿性樹脂層2o 、酸素バリア性樹脂層3o 、酸素吸収性樹脂層4、酸素バリア性樹脂層3i 及び耐湿性樹脂層2i の積層構造1aを有するもの(特許文献6)、図2に示すように、容器外側から内側に向かって、耐湿性樹脂層2o、酸素バリア性樹脂層3o、酸素吸収性樹脂層4、耐湿性樹脂層2m、酸素バリア性樹脂層3i及び耐湿性樹脂層2iの積層構造1bを有するもの、図3に示すように、耐湿性樹脂層2o 、酸素吸収性酸素バリア性樹脂層5、耐湿性樹脂層2i の積層構造1cを有するもの(特許文献7)、図4に示すように、耐湿性樹脂層2o、酸素吸収性酸素バリア性樹脂層5o、耐湿性樹脂層2m、酸素吸収性酸素バリア性樹脂層5i、耐湿性樹脂層2iの積層構造1dを有するもの等をあげることができる。また、これらの各層間に接着層が設けられていてもよく、さらに酸素バリア性樹脂層等が設けられていてもよい。例えば、図3の積層構造1cや図4の積層構造1dにおいて、必要に応じて、耐湿性樹脂層と酸素吸収性酸素バリア性樹脂層との間に酸素バリア性樹脂層が設けられた積層構造をあげることができる。
酸素吸収層を有する図1〜図4の積層構造は、水中油型乳化食品の保管中、容器外部からの酸素の浸入を良好に遮断することができ、さらに、常温だけでなく、熱殺菌等の条件下においても容器内への酸素の浸入を遮断することができる。また、水中油型乳化食品の保管中、酸素吸収能力が低下あるいは消失した場合においても、樹脂製容器の平均酸素透過度を20cc/m2・day・atm以下にすることができる。
ここで、容器内側、容器中央部また外側の耐湿性樹脂層2i、2m、2oは、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素バリア性樹脂が吸湿により酸素透過係数が増大するのに対し、この吸湿による酸素遮断性能の低下を防止するために設けられる。耐湿性樹脂層2i、2m、2oの形成には、オレフィン系樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂等が用いられる。成形時に生じた打ち抜き屑やスクラップ屑等を粉砕再生し、耐湿性樹脂等と溶融混合した、一般に「リプロ」と称される樹脂を使用してもよい。
酸素バリア性樹脂層3i 、3o の形成樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。この他、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6/6・6共重合体、メタキシリレンジアジパミド、ナイロン6・10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等のポリアミド等を用いてもよい。
酸素吸収性樹脂層4は、還元性鉄等の酸素吸収剤をポリプロピレン・ポリエチレン混合樹脂等の熱可塑性樹脂に配合したものや、酸化性樹脂と遷移金属系触媒とを含有する樹脂等から形成することができる。酸化性樹脂とは、遷移金属系触媒の作用で、空気中の酸素により酸化される樹脂であり、(i)炭素側鎖を含む樹脂、(ii)キシリレン基含有ポリアミド樹脂、(iii)エチレン系不飽和基含有重合体などをあげることができる。また、遷移金属系触媒としては、遷移金属の低価数の無機酸塩、有機酸塩或いは錯塩等をあげることができ、ここで用いる遷移金属としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属、銅、銀等の第I族金属、錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族金属、クロム等のVI族金属、マンガン等のVII族金属を挙げることができる。これらの中でも、酸素吸収速度が大きい点からコバルトが好ましい。
酸素吸収性酸素バリア性樹脂5、5i 、5o は、上述の酸素バリア性樹脂に、酸化性樹脂及び遷移金属系触媒を配合したものから形成することができる。酸素バリア性樹脂としてはエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸化性樹脂としては水素の引き抜きが容易に行えるような活性な炭素原子を有するものが好ましい。活性な炭素原子としては、炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子、炭素側鎖の結合した第三級炭素原子、活性メチレン基が挙げられる。中でも、酸化性樹脂としては、エチレン系不飽和基含有重合体が好ましい。
接着層は必要に応じて設けられ、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸等のカルボン酸、或いは、これらカルボン酸の無水物、アミド、エステル等によりグラフト変性されたグラフト変性オレフィン樹脂などから形成される。
本発明においては、水中油型乳化食品の溶存酸素濃度を示す単位として、物質中の酸素分圧を指標として溶存酸素濃度を示す「%O2 」を用いる。この「%O2 」単位においては、1気圧の大気中で液体に酸素が飽和状態まで溶けている状態では、液体の種類にかかわらず、大気中の酸素分圧と同じ20.9%O2 であり、例えば、1気圧の大気中における25℃の純水および40℃の食用油の溶存酸素の飽和濃度を、質量百万分率で表わせば、夫々約8.1ppm、約37.9ppmであるが、「%O2 」単位では、純水および食用油共に20.9%O2 である。
本発明において「%O2 」単位を用いた理由は、水中油型乳化食品の溶存酸素濃度を表わすには、「%O2 」単位による表示が正確であり、かつ汎用的だからである。
すなわち、液体中の溶存酸素濃度は、一般に酸素計を用いて測定するが、酸素計の検知部(センサー)は酸素分圧に応じて測定信号を発生する構造になっており、この測定信号と「%O2 」単位による溶存酸素濃度は比例関係にあることから、直接的に「%O2 」単位の測定結果が得られるのである。そのため、溶存酸素濃度を質量百万分率(ppm)単位等で表わそうとすると、酸素計による測定結果から得られた「%O2 」単位のデータを、個別の試料液、測定温度に応じた換算表を用いて質量百万分率(ppm)単位等に換算する必要があるが、そもそも、水中油型乳化食品のような多くの種類の原料を含有する混合物については、公式あるいは汎用的な換算表が存在しないため、換算を必要とする質量百万分率単位等では、却って正確な測定結果を表示し難いのである。
本発明では、溶存酸素濃度の値を限定するにあたり、蛍光式酸素計の測定値を使用する。蛍光式酸素計によれば、水中油型乳化食品を容器に充填した状態のままで溶存酸素濃度を簡便に測定できるからである。この蛍光式酸素計による測定では、次の(1)〜(3)の手順により溶存酸素濃度を測定する。なお、以下の測定法において、蛍光式酸素計としては、米国OxySense社製 OxySense 101を使用することができ、酸素検知蛍光染料フィルムとしては、このOxySense 101専用の検知フィルムであるOxyDotを使用することができる。
(1) 樹脂製の透明又は半透明の容器の内壁面に、酸素検知蛍光染料フィルムを専用シリコーン系接着剤を用いて貼着する。
(2) 酸素検知蛍光染料フィルムを貼着した容器に試料を充填し、ヘッドスペースを窒素で置換した後、密封する。
(3) 容器外部から容器壁を通して容器内の酸素検知蛍光染料フィルムに光を照射し、そのフィルムから発せられる蛍光を、容器壁を通して容器外部のセンサーで検知することにより、試料の溶存酸素濃度を測定する。
なお、溶存酸素濃度の測定方法としては、ポーラログラフ式酸素計(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製 DOL−40)を使用する方法もある。このポーラログラフ式酸素計を用いる方法は、次の(1)〜(4)の手順により行う。
(1) 窒素を通気させる窒素置換(窒素バブリング法)により脱酸素処理した脱酸素水(溶存酸素濃度b)を用い、測定の対象である水中油型乳化食品を3倍に希釈し、試料を調製する。
(2) 上部が開口したガラス瓶(100ml容フラン瓶)に、予め攪拌子(スターラー)を入れ、(1)の試料を瓶の開口部まで目一杯に満たし、酸素計の検知部を取り付けた蓋体で、ガラス瓶内にヘッドスペースが残らないように密封する。
(3) 瓶内底部で攪拌子を回転させて試料を攪拌しながら溶存酸素濃度aを測定する。
(4) 試料の溶存酸素濃度aおよび脱酸素水の溶存酸素濃度bの値を次式に当て嵌め、水中油型乳化食品の溶存酸素濃度DO(%O2 )を次式により算出する。

Figure 2005110674
このポーラログラフ式酸素計を使用する方法において、水中油型乳化食品を脱酸素水で3倍に希釈する理由は、マヨネーズ等の水中油型乳化食品は粘度が高いため、そのまま試料として用いたのでは、酸素計の検知部が正確に作動し難いからである。また、脱酸素水による希釈の程度は3倍に限らず、2〜5倍とすることが好ましい。
以上のポーラログラフ式酸素計を用いて得られる溶存酸素濃度の測定値と、前述の蛍光式酸素計を用いて得られる測定値は近似した測定値を示す。
本発明の樹脂製容器詰水中油型乳化食品は、食用油脂、食酢および卵黄を含有し、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に充填密封され、製造直後の溶存酸素濃度を蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2 としているため、バランスのとれた、優れた風味を有し、また、保存中に水中油型乳化食品が過度に酸化することを防止できるため、長期間にわたって良好な風味を保持し得る。
ここで、製造直後の溶存酸素濃度を1.0〜7.1%O2 としているのは、1.0%O2 未満であると、食酢のツンとした刺激臭が強く感じられ、食用油脂と食酢と卵黄の味のなじみが悪くなるため、水中油型乳化食品全体の風味のバランスが崩れてしまうからであり、一方、7.1%O2 を超えるものは、従来の脱酸素処理を行っていない水中油型乳化食品に対して製造直後の風味は有意差が少ないが、長期間保存した場合に、食用油脂の過度の酸化による酸化臭が発生したり、各種香味成分の酸化分解等による風味の劣化が認められるからである。
尚、水中油型乳化食品の製造直後の溶存酸素濃度を1.0%O2 未満に低減することにより、食酢のツンとした刺激臭が強く感じられるようになる等、風味のバランスが崩れてしまう理由は定かでないが、溶存酸素濃度が過度に低いと、原料の食酢中に存在する酢酸分子が水中油型食品中で均一に分散せず、多数集まって集合体を形成するからであると推察される。
すなわち、食酢の中で酢酸分子が水分子と混ざらず集合したままであると、ツンとした刺激臭がより強く発現することが知られているが、酸素分子は、酢酸分子と水分子のクラスター形成を促進して、酢酸分子の集合体の生成を阻害するのではないかと考えられる。したがって、本発明においては、水中油型乳化食品中に酸素を1.0%O2 以上残すことにより、食酢由来のツンとした刺激臭を効果的に抑制することができるものと思われる。
これに対し、一旦製造した後は、水中油型乳化食品は、できるだけ酸素を透過し難い容器で保存することが好ましい。本発明の容器詰水中油型乳化食品は、製造後10日間20℃の暗所で保存することにより、概ね、溶存酸素濃度が0.6〜5.7%O2 に低下したものとなるが、このような保存状態を維持することにより、バランスのよい良好な風味を3カ月以上の長期間にわたって保持することが可能となる。
次に、本発明の樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造方法について説明する。
本発明の樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造方法は、製造工程中で脱酸素処理を行って溶存酸素量を所定の範囲とし、また、水中油型乳化食品を充填する容器内を予め不活性ガスで置換しておく以外は、一般の水中油型乳化食品の製法と同様とすることができる。したがって、水中油型乳化食品自体は、食酢、卵黄、清水および各種調味料等からなる水相原料を混合し、これに油相原料を加え攪拌して乳化させることにより製造することができる。
ここで脱酸素処理の方法としては、製品中の溶存酸素量を低減し、1.0〜7.1%O2 に濃度調整できるものであれば特に限定されることなく、あらゆる既知の脱酸素処理法を採用することができる。例えば、原料の食用油脂、食酢、卵黄または清水等を保存するタンクの中、あるいは配管の中において、窒素、アルゴン等の不活性ガスを原料中に吹込み、溶存酸素を不活性ガスに置換するバブリング法、同様に容器詰め前の水中油型乳化食品中に不活性ガスを吹込むバブリング法、各種原料をミキサーで混合する際に減圧して溶存酸素を除去する減圧脱気法、さらに、前記特表平11−504963号公報に開示されているような酵素を用いる方法等を適宜採用すればよい。
尚、不活性ガスのうち窒素は、空気中に大量に存在し、比較的コストが低く、また水中油型乳化食品の風味および品質に影響を与えることがないため、不活性ガスとして特に好適である。
さらに、製造中の水中油型乳化食品に空気中の酸素が混入しないように、密閉系の製造ラインを採用することが望ましい。
本発明の水中油型乳化食品の原料には、上記の食酢、卵黄、食用油脂等の他、製造する食品の種類に応じて様々な原料を用いることができる。例えば、マヨネーズまたはドレッシングであれば、食塩、砂糖等の調味料、柑橘類の果汁、クエン酸、酒石酸、乳酸等の酸味料、グルタミン酸ソーダ等の呈味料、辛子粉、オイルマスタード、コショウ等の香辛料等が挙げられ、タルタルソースであれば、細断したピクルス、オニオン等の具材を加えればよい。また、食用油の使用量を減らした低カロリータイプの食品であれば、卵白、大豆蛋白質、澱粉、デキストリン、セルロース、その他増粘多糖類等を配合すればよい。
次いで、上記製法により得られた、溶存酸素濃度を1.0〜7.1%O2 に低減した水中油型乳化食品を、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の酸素バリア性を有する容器に充填密封するが、充填前には容器内に酸素を含んだ空気が極力残存しないように、予め容器を窒素等の不活性ガスで置換することが必要である。また、袋状容器においてはヘッドスペースが残存しないように充填し、成形容器のように容器口部にヘッドスペースが残るものについては、そのヘッドスペース中の空気を窒素等の不活性ガスで置換することが望ましい。
以上の本発明の容器詰水中油型乳化食品の製造法によれば、食用油脂、食酢および卵黄を含有し、製造直後の溶存酸素濃度が1.0〜7.1%O2 に調整されており、例えば、製造後10日間20℃の暗所で保存した際の溶存酸素濃度が0.6〜5.7%O2 となる、風味および品質の優れた容器詰水中油型乳化食品を製造することができる。
実施例1
マヨネーズを充填する樹脂製ボトル容器として、ポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を5層に積層してブロー成形法により製造した、高さ20cmで上端が開口したボトル形状の容器を用意した。この容器の平均酸素透過度は30cc/m2・day・atmであった。また、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂層の層厚を変えることにより、同様にして平均酸素透過度が10cc/m2・day・atm、20cc/m2・day・atm、30cc/m2・day・atm、50cc/m2・day・atm、100cc/m2・day・atmの樹脂製ボトル容器を用意した(試験例1-1〜1-5)。
また、図2の積層構造1bを有する樹脂製容器であって、その具体的層構成が、(外側)ポリエチレン(層比10.2wt%)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(層比2.9wt%)/ポリエチレンにコバルトを配合した酸素吸収性樹脂(層比4.6wt%)/リプロ(層比46.3wt%)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(層比2.5wt%)/ポリエチレン(内側)(層比33.4wt%)であるものを作製した(試験例1-6)。この容器は、作製直後の平均酸素透過度が0cc/m2・day・atmであり、作製直後の酸素吸収能力を6ヶ月以上維持し得るものである。
各容器の内壁面には、マヨネーズの充填前に、酸素検知蛍光染料フィルム(OxyDot:米国OxySense社製 OxySense 101専用の検知フィルム)を専用シリコーン系接着剤により3箇所(容器上端から下方に約5cmの位置の内壁面に1箇所、同じく約14cmの位置の内壁面に2箇所)貼着しておいた。
一方、表1の配合原料を用いてマヨネーズを次のように製造した。まず、窒素バブリング法により原料の植物油および清水の脱酸素処理を行い、植物油および清水の溶存酸素濃度を共に約2.0%O2 まで低減した。次に、脱酸素処理済みの清水およびその他の水性原料を、密閉型ミキサー(特殊機化工業(株)製 商品名:TKアジホモミクサー)に投入し、密閉した後脱気してミキサー内圧を20kPaまで減じて攪拌した。約2分間攪拌した後、20kPaの減圧状態を維持したまま脱酸素処理済みの植物油を少しずつ注入しながら約8分間攪拌し、水相原料と植物油を乳化させてマヨネーズとし、ミキサー内に窒素を導入して常圧に戻した。
次に、上述の平均酸素透過度が異なる6種の樹脂製ボトル容器内をそれぞれ予め窒素置換し、そこに常圧に戻したマヨネーズをなるべく外気を巻き込まないように500gずつ充填し、さらにヘッドスペースを窒素置換した後、アルミ層を有する積層樹脂フィルムを口部に溶着して密封した。この際、ヘッドスペースは約22mlであった。
こうして得られた樹脂製ボトル容器詰マヨネーズの製造直後の溶存酸素濃度(DO)は、いずれも約5%O2 であった。なお、溶存酸素濃度は、予め各容器に貼着しておいた3箇所の酸素検知蛍光染料フィルムの蛍光を測定し、それを平均することにより求めた。また、試食したところ、食酢のツンとした刺激臭は感じられず、まろやかでコクのある、風味バランスの優れたものであった。
各樹脂製ボトル容器詰マヨネーズについて、20℃の暗所で製造後10日間、3カ月間、6カ月間、又は1年間保存した後に同様に試食により風味を調べた。
また、製造直後、製造後3カ月、6カ月及び1年の時点で、マヨネーズの色調を測定し、各時点の色調の製造直後の色調に対する色差(ΔE)を求めた。
ここで、マヨネーズの色調の測定は、分光測色計(ミノルタカメラ社、CM−508d)を用いて、容器上端から下方に約14cmの位置において、容器外から容器壁を通してマヨネーズを測色することにより行った。なお、容器壁の測色部位における光線透過率(波長450nm)は、平均酸素透過度100、50、30cc/m2・day・atmの容器は約85%、平均酸素透過度20、10、0cc/m2・day・atmの容器は約84%であった。
また、このマヨネーズの色調の測定は、平均酸素透過度が異なる6種の容器を3個ずつ用意してそれぞれについて行い、平均酸素透過度が異なる容器ごとにマヨネーズの色調の平均値を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2005110674
Figure 2005110674
表2から、容器の平均酸素透過度を50cc/m2・day・atm以下にすると、製造後3カ月たっても、食酢のツンとした刺激臭は感じられず、まろやかでコクがあり、風味バランスが優れており、また、酸化臭も無かったが、さらに良好な風味バランスと酸化臭の無い状態を長期間保持するためには、容器の平均酸素透過度を30cc/m2・day・atm以下とするのが好ましく、さらに容器の平均酸素透過度を20cc/m2・day・atm以下とすると、製造後6ヶ月たっても風味バランスがよく、酸化臭もなく、酸素吸収能を有する樹脂製容器を使用したものは(試験例1-6)、より一層長期保存性が向上していることがわかる。
また、一般に、色差(ΔE)が2.0以下の場合には、色調の変化により商品価値が損なわれることはないところ、容器の平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器の場合には、製造後6カ月経過しても色差が十分に低く、商品価値が維持される色調を有していることがわかる。
実施例2
製造直後のマヨネーズの溶存酸素濃度を、マヨネーズの製造時において原料の植物油及び清水に対する窒素バブリング時間を適宜変更することにより、表3のように調整する以外は、実施例1の試験例1-3と同様にして、樹脂製ボトル容器詰マヨネーズを製造し、各樹脂製ボトル容器詰マヨネーズについて、製造直後、20℃の暗所で製造後10日間、又は約3カ月間保存した後に、溶存酸素濃度(DO)を測定し、また試食により風味を調べた。結果を表3に示す。なお、表3には試験例1-3の結果も合わせて示す。






Figure 2005110674
表3より、製造直後の溶存酸素濃度が1.0〜7.1%O2 であり、あるいは、製造後10日間20℃の暗所で保存した際の溶存酸素濃度が0.6〜5.7%O2 である試験例2-2〜2-4が、製造直後から風味バランスが良好で、3カ月保存後にも酸化臭が生ずることなく、品質が優れていることがわかる。
また、製造直後のマヨネーズの溶存酸素濃度を、マヨネーズの製造時において原料の植物油及び清水に対する窒素バブリング時間を適宜変更することにより、表4、表5のように調整する以外は、実施例1の試験例1-5、試験例1-6と同様にして、樹脂製ボトル容器詰マヨネーズを製造し、各樹脂製ボトル容器詰マヨネーズについて、製造直後、20℃の暗所で製造後10日間、又は約3カ月間保存した後、更に約6カ月間、約1年間保存した後に、溶存酸素濃度(OD)を測定し、また試食により風味を調べた。結果を表4、表5に示す。なお、表4、表5には試験例1-5、試験例1-6の結果も合わせて示す。
Figure 2005110674


Figure 2005110674
表4、表5より、製造直後の溶存酸素濃度が1.0〜7.1%Oであり、あるいは、製造後10日間20℃の暗所で保存した際の溶存酸素濃度が0.6〜5.7%Oである試験例3-2〜3-4、試験例4-2〜4-4が、製造直後から風味バランスが良好で、3カ月保存後にも酸化臭が生ずることなく、品質が優れていることがわかる。また、製造後6カ月たっても風味バランスがよく、酸化臭もなく、酸素吸収能を有する樹脂製容器を使用したものは、より一層長期保存性が向上していることがわかる。
本発明の水中油型乳化食品及びその製造法は、食用油脂、食酢および卵黄を含有するマヨネーズ、タルタルソース、ドレッシング等の水中油型乳化食品であって、樹脂製容器に充填するものに広く適用することができる。
容器の積層構造の説明図である。 容器の積層構造の説明図である。 容器の積層構造の説明図である。 容器の積層構造の説明図である。
符号の説明
1a、1b、1c、1d 積層構造
2i 、2m 、2o 耐湿性樹脂層
3i 、3o 酸素バリア性樹脂層
4 酸素吸収性樹脂層
5、5i 、5o 酸素吸収性酸素バリア性樹脂層

Claims (12)

  1. 食用油脂、食酢および卵黄を含有する水中油型乳化食品であって、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に充填密封され、製造直後の溶存酸素濃度が蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2 であることを特徴とする樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  2. 樹脂製容器の平均酸素透過度が30cc/m2・day・atm以下である請求項1記載の樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  3. 樹脂製容器の平均酸素透過度が20cc/m2・day・atm以下である請求項1記載の樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  4. 樹脂製容器が酸素吸収層を有する積層材料からなる請求項1記載の樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  5. 積層材料が、耐湿性樹脂層、酸素バリア性樹脂層、酸素吸収性樹脂層、酸素バリア性樹脂層及び耐湿性樹脂層の積層構造を有している請求項4記載の樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  6. 積層材料が、耐湿性樹脂層、酸素吸収性酸素バリア性樹脂層及び耐湿性樹脂層の積層構造を有している請求項4記載の樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  7. 製造後10日間20℃の暗所で保存した際の溶存酸素濃度が、蛍光式酸素計の測定値として0.6〜5.7%O2 である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂製容器詰水中油型乳化食品。
  8. 食用油脂、食酢および卵黄を含有する水中油型乳化食品が樹脂製容器に充填された樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造方法であって、水中油型乳化食品又はその原料の脱酸素処理により水中油型乳化食品中の溶存酸素濃度を蛍光式酸素計の測定値として1.0〜7.1%O2に調整し、該水中油型乳化食品を、平均酸素透過度が50cc/m2・day・atm以下の樹脂製容器に、該容器内を予め不活性ガスで置換した後に充填密封することを特徴とする樹脂製容器詰水中油型乳化食品の製造方法。
  9. 樹脂製容器が酸素吸収層を有する積層材料からなる請求項8記載の製造方法。
  10. 積層材料が、耐湿性樹脂層、酸素バリア性樹脂層、酸素吸収性樹脂層、酸素バリア性樹脂層及び耐湿性樹脂層の積層構造を有している請求項9記載の製造方法。
  11. 積層材料が、耐湿性樹脂層、酸素吸収性酸素バリア性樹脂層及び耐湿性樹脂層の積層構造を有している請求項9記載の製造方法。
  12. 水中油型乳化食品を樹脂製容器に充填した後、ヘッドスペースを不活性ガスで置換する請求項8〜11のいずれかに記載の製造方法。

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