JP2005018697A - 相乗り予約管理のための方法およびそのシステム、並びにそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】利用者が旅行者携帯端末1Aから仲介装置2を介して相乗りを予約する方法であり、仲介装置2は、輸送機関の指定席予約装置3と輸送機の運行を管理する運行装置4と相乗り車両の予約を受付ける相乗り車両予約装置5Aと接続し、旅行者携帯端末1Aからの相乗り予約に際して指定席の予約を取得してその集合箇所での到着時刻を把握し、相乗り希望者から受ける個人属性、個人嗜好、観光履歴などの個人情報を相乗り条件に登録して相乗りグループとしての相性チェックを行う。自己都合は利用者が行うが、運行装置4が輸送機の遅延を知った場合には運行装置4から通知を受けて仲介装置2が予約内容の変更を自動的に行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばタクシー、バス、レンタカー等の車両に相乗りする利用者の予約を管理する相乗り予約管理のための方法およびそのシステム、並びにそのプログラムに関し、特に、遠隔地から輸送機関を利用して集合する複数の旅行者を利用者として、予約手続きの簡便化を図ると共に快適に相乗りさせることができる相乗り予約管理のための方法およびそのシステム、並びにそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の相乗り予約管理のための方法およびそのシステムとしては、相乗り希望条件を申込むことにより、利用者が希望する相乗りを実現できる相乗り仲介システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このシステムでは、図2に示されるように、データベースを有する仲介管理サーバ11が、ネットワーク12を介して複数のタクシー会社端末13と、各タクシー会社に所属する相乗り車両のタクシーが搭載する車載端末14と、希望してタクシーの相乗りを利用する複数の利用者端末15とに接続されている。
【0004】
このような構成を有する相乗仲介システムは次のように動作する。すなわち、仲介管理サーバ11は、利用者端末15から入力された相乗り申し込みに際して相乗り管理のためのデータベースを参照し、利用者同士の相乗り条件が適合することを判定した後、条件が適合していればそれぞれの相乗り希望者へ相乗りの成立を通知すると共に、タクシー会社端末13に対しタクシー会社への配車依頼を行う。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−044702号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の相乗り予約管理のためのシステムでは、次のような問題点がある。
【0007】
第1の問題点は、利用者が観光旅行者として観光先での相乗りタクシーを予約する場合、予約までの調査および手続きが煩雑なことである。その理由は、相乗りタクシーを予約する際に、利用者自身が観光地までの輸送機関の運行スケジュールを調査して、観光地集合箇所の集合時刻を自ら設定する必要があるからである。
【0008】
第2の問題点は、相乗り予約が成立した後に利用者の一人が急遽予定を変更する場合、タクシーに相乗りする予定の利用者全員が予約の再手続きが必要なことである。その理由は、相乗り予約が1台毎のタクシーそれぞれに対して行われており、他の相乗り予約と連動して修正する機構ではないからである。
【0009】
第3の問題点は、観光相乗りタクシーを利用するに際し、旅行者を快適に相乗りさせるには不充分なことである。その理由は、観光旅行者がタクシーの狭い空間の中で長時間を過ごすために相乗り相手を入念に選択する必要があるにも拘わらず、利用者の感性に対する優先順位を考慮せずに相乗り希望条件を指定しただけなので、仲介システムでは相性に関して一長一短の相乗り候補を提示してしまうからである。
【0010】
本発明の課題は、このような問題点を解決し、利用者を観光旅行者としても相乗り予約手続きを簡便化できると共に快適に相乗りさせることができる相乗り予約管理のための方法およびそのシステム、並びにそのプログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による相乗り予約管理のための方法およびそのシステム、並びにそのプログラムでは、上記課題を解決することを目的として、相乗り集合箇所までの輸送機関の運行管理情報と連動して、現地集合箇所での適切な集合時間を通知することが可能であり、また、輸送機関の運行スケジュールが乱れた場合でも、動的に相乗り相手を変更でき、更には、利用者が選別条件の順位付けを行うことができる。
【0012】
本発明による相乗り予約管理のための具体的な方法は、遠隔地から輸送機関を利用して集合する複数の旅行者を利用者として、車両に相乗りする利用者の予約を管理する相乗り予約管理のための方法であって、利用者の通信端末、例えば携帯電話のような端末とアクセスする仲介装置を備えている。この仲介装置が、前記利用者通信端末から相乗り条件を受けた際には前記輸送機関の指定席予約装置に問合せした条件に合致した指定席を取得し、前記輸送機関の運行スケジュールを管理する運行装置に問合せて当該指定席の輸送機の前記集合箇所への到着時刻を取得し、この取得した到着時刻に基づく相乗り車両のリストを作成し、当該リストから一つの相乗り車両を選択させるために前記リストを前記利用者に提供している。
【0013】
この方法により、利用者が直接アクセスする仲介装置が、利用者の希望に基づいて、集合する現地箇所までの指定席の予約およびこの指定席の到着時刻を決定できる。従って、利用者は希望条件を入力するのみで相乗りの車両を予約することができる。
【0014】
また、上記仲介装置が、前記相乗り車両のリストから利用者により選択された相乗り車両をその所有会社に、利用者に代って予約することにより、更に利用者の負担を軽減することができる。また、仲介装置が、相乗り希望者から個人情報として少なくとも個人属性、個人嗜好、および観光履歴を受けて相乗り条件に予め登録し、同一の相乗り車両を選択して相乗りとなる利用者同士の相性チェックを行うことにより、快適な相乗りを期待することができる。
【0015】
更に、仲介装置は、前記運行装置から遅延情報の配信を受けた際にはこの遅延情報により影響を受ける旅行予約を抽出し、予定通り到着する旅行者と、遅れて到着する旅行者とが相乗り車両を共有している場合には予定通りに到着する旅行者に遅延時間を含んだ新しい出発時刻を提案し、承諾が得られなければ各旅行者の都合に合致する相乗り予約をそれぞれ再検索し、提案し直すことができる。
【0016】
上述した方法を実現するために、例えば、指定席予約装置、運行装置、仲介装置、および相乗り車両予約装置が設けられる。指定席予約装置は前記輸送機関で問合せした条件に合致した指定席を取得する。運行装置は、前記輸送機関の運行スケジュールを管理する。仲介装置は前記指定席予約装置および前記運行装置それぞれに接続する。相乗り車両予約装置は、前記仲介装置と接続して予約要求を受けた際に、前記利用者の希望条件を満たす相乗り車両を予約リストに纏めて前記仲介装置に、前記利用者の選択のために提供し、この予約リストから選択された相乗り車両の予約を受けて相乗りを成立させる。
【0017】
前記運行装置は、管理する輸送機に運行スケジュールからの遅延を生じた際に、この遅延を前記仲介装置に通知し、前記仲介装置は、前記運行装置からスケジュール遅延の通知を受けた際、対象の輸送機の指定席から予約した利用者を割出して必要があれば、予約ずみの相乗り予約を再度実行することができる。
【0018】
また、上記前記仲介装置は上記機能を発揮するためのプログラムを搭載している。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の一形態を示す機能ブロック図である。
【0021】
図示された相乗り予約管理のためのシステムは、旅行者携帯端末1A〜、仲介装置2、指定席予約装置3、運行装置4、および相乗り車両予約装置5A〜により構成されている。ここで、利用者の通信端末は旅行者携帯端末1A〜であり、相乗り車両はタクシーであるとする。
【0022】
旅行者携帯端末1Aは、タクシーの相乗り予約を利用する旅行者Aが携帯するものであり、通信ネットワークを介して仲介装置2と情報の授受を行う。仲介装置2は、他の装置と、例えば通信ネットワークを介して相互接続しており、目的達成のためのデータを相互に授受することができる。指定席予約装置3は、仲介装置2から受ける予約情報によりその出発時刻および到着時刻に合致した適切な列車または航空機などの輸送機の選択およびその指定席予約を行う。運行装置4は、通常輸送機関毎に備えられ、輸送機の運行スケジュールを保有すると共に運行の現状を把握し、仲介装置2の問合せに応じること、また仲介装置2へ遅延情報を配信することができる。相乗り車両予約装置5Aはタクシーの相乗り予約を受けつける提携車両会社であるタクシー会社の端末装置である。
【0023】
次に、上記構成要素それぞれについて図面を参照して詳細を説明する。
【0024】
仲介装置2は、プログラム制御により動作するものであって、図1に示されるように、会員管理手段21、予約管理手段22、提携会社管理手段23、情報配信手段24、および適合管理手段25を含んでいる。
【0025】
これらの手段それぞれはほぼ次のように動作する。
【0026】
会員管理手段21は、旅行者の会員情報を保持しており、会員情報の登録、変更、および削除それぞれを扱う。会員情報として、「氏名」「性別」「年齢」「話すことができる言語」「電子メールアドレス」「喫煙するか」「興味のある観光地」「観光地で訪れたことがある場所」などといった個人情報を保持する。予約管理手段22は、予約リストとして輸送機関の指定席予約と、相乗りタクシーの組み合わせ予約について、それぞれを保持する。
【0027】
提携会社管理手段23は、相乗り予約を行うタクシー会社を提携車両会社として、その登録、変更、および削除を扱うものであり、タクシー会社のホームページアドレスおよびサービス内容を登録することが可能となっている。
【0028】
情報配信手段24は、相乗り予約に関する情報を利用者である旅行者へ携帯端末(例えば)1Aを介して通知する。通知内容は、募集していた相乗りが成立した場合の「相乗り成立」のメッセージであり、相乗り相手が交通機関または自己都合で遅れる場合の「相手の遅延」のメッセージであり、または相乗り相手の取消しで別の相手と相乗りする場合の「相乗り変更」というメッセージである。
【0029】
適合管理手段25は、旅行者が指定する相乗り条件の登録、変更、および削除それぞれを扱う。相乗り条件は、3つのレベルに分類される。レベル1は、例えば、図11に示すデータD2に該当し、相乗りを成立させる必須条件である。一例を挙げるならば「送迎箇所」「人数」「到着時刻」などから構成される。レベル2は、例えば、データD3に該当し、個人の属性を現している。一例を挙げるならば「年齢」「性別」「許容言語(話すことができる言語)」から構成される。レベル3は、個人の嗜好を表している。一例として「喫煙するかどうか」「興味のある観光地観光地」「既に訪問済みの観光地」などから構成される。利用者はレベル2とレベル3とに属する項目について、相乗り相手の条件を指定することが可能である。
【0030】
次に、図3を参照して、図1における指定席装置3について説明する。指定席装置3は、予約管理手段31、提携会社管理手段32、および在庫管理手段33を含む。
【0031】
これらの手段それぞれはほぼ次のように動作する。
【0032】
予約管理手段31は、仲介装置2から指定席の予約に必要な、輸送機番号と搭乗日と人数との情報が入力されると、要求元の仲介装置2が提携対象かどうか検査を提携会社管理手段32に依頼する。提携対象であれば、指定席の条件を満たす在庫を在庫管理手段33へ問い合わせ、在庫が存在すれば指定席番号を取得し、指定席予約として格納する。仲介装置2には、成立した指定席予約を表す識別子が指定席予約装置3により送付される。
【0033】
次に、図4を参照して、図1における運行装置4について説明する。運行装置4は、遅延情報配信手段41、遅延計算手段42、提携会社管理手段43、運行スケジュール管理手段44、および通過時刻検出手段45を含む。
【0034】
これらの手段それぞれはほぼ次のように動作する。
【0035】
遅延情報配信手段41は定期的に遅延計算手段42に対して遅延リストを検査し、ある閾値以上の遅延が発生している輸送機が存在すれば、仲介装置2に遅延情報を配信する。遅延計算手段42は、運行スケジュール管理手段44から得られるスケジュールと通過時刻検出手段45から得られる実際の通過時刻とを定期的に比較し、ある閾値以上となった場合には遅延リストに遅延の輸送機番号と遅延時刻とを登録する。通過時刻検出手段45が、あらかじめ設定した検出地点における輸送機の通過時刻を記録する。
【0036】
次に、図5を参照し、図1における相乗り車両予約装置5について説明する。相乗り車両予約装置5は、予約管理手段51、提携会社管理手段52、到着時刻変更手段53、および在庫管理手段54を含む。
【0037】
これらの手段それぞれはほぼ次のように動作する。
【0038】
予約管理手段51は、仲介装置2から集合時刻、乗車人数、および送迎駅が入力された際に、提携会社管理手段52に要求元の仲介装置2が提携対象かどうか検査を依頼する。提携対象であれば、入力に適合する予約リストが仲介装置2へ全て返却される。仲介装置2は、旅行者と相乗り募集の適合度合いを検査して適合順番の高い予約を旅行者へ提示する。旅行者は、提示されたリストの中から所望する相乗り予約を指定し、仲介装置2が代理となって、相乗りタクシーを提供する提携会社へ相乗り予約を行う。所望する相乗り予約が存在しなければ、仲介装置2から予約管理手段51へ新規の相乗りタクシーが要求される。予約管理手段51は、在庫管理手段54に空車のタクシーが存在するか問い合わせ、確保可能であれば予約リストに追加し、仲介装置2に予約番号を返却する。
【0039】
次に、図6および図7を併せ参照して図1に示される実施の形態における全体の動作について詳細に説明する。また、図10にデータ構造、図11および図12に各項目の具体的内容それぞれが示されている。ここで輸送機は列車であるものとする。
【0040】
まず、旅行者Aは、具体的な予約項目、例えば図12(A)に示される出発日、乗車区間、希望到着時刻もしくは希望出発時刻、大まかな観光コース、人数、タクシーの相乗り許可について旅行者携帯端末1Aに設定し、仲介装置2に対して予約(S1)を行う。
【0041】
従って、仲介装置2は、この予約を受付け、図10におけるデータD1で示される、利用日、出発/到着希望時刻、出発箇所、到着箇所、観光地名、人数、相乗りフラグなどの予約情報として受付けする。
【0042】
仲介装置2は、受付けた予約情報に基づき、指定席予約装置3に、指定された日程で人数分の指定席が確保できるか確認し、確保できれば指定席予約番号を取得(S2)する。
【0043】
指定席予約を確保できた場合、仲介装置2は、上記指定席予約番号により運行装置4から乗車予定列車の現地到着予定時刻を取得(S3)する。この際、仲介装置2は、運行装置4から実際の現地到着時刻を得るとともに、図12(A)に示されるような、氏名、出発時刻、行き先観光地、車両提供会社名、エージェント名、などを含む相乗り予約を複数取得する。
【0044】
次いで、仲介装置2は、利用者からの予約情報から旅行者の到着駅名を取得して予約対象となる相乗り車両のタクシーを保有する提携車両会社の複数を選択して予約リストを作成(S4)する。
【0045】
この作成に、仲介装置2は、図7のステップS11からステップS16までを用いる。
【0046】
すなわち、仲介装置2は、利用者からの予約情報から旅行者の到着駅名を取得(S11)して相乗りタクシーを保有する提携車両会社の一つを選択し営業範囲を検査(S12)する。選択した提携車両会社が営業範囲外(S13のNO)の場合、次の提携車両会社を選択し営業範囲を検査(S14)して上記ステップS3ヘ戻り、ステップを繰り返す。
【0047】
ステップS13が「YES」で営業範囲内の場合には選択された会社が検索対象会社の一つとして予約リストに追加(S15)される。全ての会社の検査が終了(S16のYES)するまで、ステップS16が「NO」の間は上記ステップS14に戻り、上記ステップが繰返される。
【0048】
このように、仲介装置2は、旅行者の到着駅と提携タクシー会社が登録した営業範囲とを比較し、相乗り可能な少なくとも一つのタクシー会社を選別する。
【0049】
次に仲介装置2は、、図10に示されるデータD2、すなわち、送迎箇所、人数、到着時刻などの構造をもつ検索キーに格納後、選別されたタクシー会社に対して相乗り予約を検索する。検索結果は、データD5、すなわち、相乗り代表者氏名、募集メッセージ、などのデータ構造のリストとして返送される。
【0050】
次いで図6に戻れば、仲介装置2は、予約リストを予約情報から取得し、予約の適合性を判定して提示リストを作成(S5)し、旅行者に提示(S6)する。
【0051】
この提示リストの作成は、図7のステップS21からS26までを用いて行なわれる。
【0052】
すなわち、仲介装置2は、予約管理手段に有する予約情報から予約リストを取得(S21)して予約の一つを選択し利用者の希望との適合性を検査(S22)する。選択した予約が不適合(S23のNO)の場合、次の予約を選択し適合性を検査(S24)して上記ステップS23ヘ戻り、ステップを繰り返す。
【0053】
ステップS23が「YES」で適合の場合には選択された予約が予約案の提示リストに追加(S25)される。全ての予約の検査が終了(S26のYES)するまで、ステップS26が「NO」の間は上記ステップS24に戻り、上記ステップが繰返される。
【0054】
このようにして、仲介装置2は、図6のステップS6で、旅行者の希望に添った予約リストを提示リストに作成して予約希望者に相乗り車両を選択させる。
【0055】
すなわち、旅行者は提示リストの中から所望する相乗りタクシーを選択し、図6において、仲介装置2は旅行者Aが選択した相乗り車両を旅行者携帯端末1Aから受付け(S7)するので、、仲介装置2が選択された相乗り車両に対して、相乗り車両予約装置5Aを介してその提携タクシー会社へ代理で予約(S8)を行う。
【0056】
こうして最終的に、図12(B)に示されるような、予約列車番号、出発時刻・駅名、到着時刻・駅名、相乗りタクシーの会社名・車両番号・運転者名、代表者名、同乗者人数、行き先観光地、解散時刻などを含む旅行予約を取得することができる。
【0057】
上述した実施の形態では、仲介装置を介して交通機関の運行装置と相乗り車両予約装置が接続されているため、旅行者が個別に交通機関の指定席と相乗りタクシーの予約とを行わなくても、列車の現地到着予定時刻を相乗りタクシーの出発予定時刻に反映させ、かつ指定席の確保数を相乗りタクシーの乗車人数に反映させることが可能になる。
【0058】
ここで、図8に図1を併せ参照して、旅行者Aに自己の都合で輸送機である列車を変更する場合について説明する。
【0059】
この場合、仲介装置2の予約管理手段22および情報配信手段24、指定席予約装置3の予約管理手段31、運行装置4の遅延情報配信手段41および遅延計算手段42、並びに相乗り車両予約装置(例えば)5Aの到着時刻変更手段53が関係する。
【0060】
まず、旅行者Aは、仲介装置2に対して、予約済みの列車の前後に出発するものを指定し、列車の変更依頼を旅行者携帯端末1Aに設定し、予約変更の手続き(S41)を行う。
【0061】
仲介装置2では、まず、旅行者Aから受けた予約変更に従って指定席予約装置3の予約管理手段31に対して、在庫確認(S42)を行い、指定席が確保できれば運行装置4に対して現地到着時刻を要求(S43)する。仲介装置2は、変更された予約と元の予約に対する到着時刻の差分の時間を、相乗り相手の旅行者Bに対して旅行者携帯端末1Bを介して提示することにより、出発時刻に関し確認(S44)する。
【0062】
旅行者Bが承諾選択(S45)で承諾した場合には、図示されていないが、仲介装置2は、上記図6を参照して説明したと同様のステップS4からS8までを実行する。他方、旅行者Bが承諾を拒否した場合、仲介装置2は、改めて変更された相乗り予約を得るためには、相乗りの組み合わせを変更するための上述したステップが改めて繰返される。
【0063】
次に、図1並びに図3から図5までを併せ参照して、相乗りでの出発箇所までの輸送機、例えば列車に遅延が生じた場合における予約変更ついて詳細に説明する。
【0064】
この場合も、仲介装置2の予約管理手段22および情報配信手段24、指定席予約装置3の予約管理手段31、運行装置4の遅延情報配信手段41および遅延計算手段42、並びに相乗り車両予約装置(例えば)5Aの到着時刻変更手段53が関係する。
【0065】
これらの手段それぞれはほぼ次のような機能を有する。
【0066】
遅延情報配信手段41は遅延計算手段42に対して定期的に列車および航空機などの輸送機の遅延時間を問い合わせ、ある閾値以上の遅延が起きた場合に仲介装置2へ通知する。仲介装置2では、予約管理手段22が、遅延のために影響を受ける旅行を特定するために、指定席予約装置3の予約管理手段31に対して遅延輸送機と一致する項目を有する予約があるか確認する。もし、このような予約があれば情報配信手段24が相乗りに影響のある旅行者とタクシー会社とへ交通機関の遅延情報を配信し、相乗り予定者全てが同意すれば、到着時刻変更手段53は、相乗りの集合時間をずらすことができる。
【0067】
まず、運行装置4が列車の遅延時刻を検出し、遅延時刻と列車番号とを仲介装置2へ通知(S61)する。次に、仲介装置2は列車番号を利用している指定席予約が存在するか指定席予約装置3に対して検索し、指定席予約装置3は遅延列車の指定席予約番号を予約リストに送付(S62)する。
【0068】
この指定席予約番号が仲介装置2の旅行予約番号に含まれているか検査することにより、旅行者Aが特定される。旅行者Aと一緒に相乗りを行う旅行者Bに対して、遅延時間分だけ待ってもらえるかどうか確認のメールを仲介装置2から送信(S63)する。旅行者Bが承諾選択(S64)で待つことを承諾すれば、そのまま相乗り予約の組み合わせは変更せずに当初の予定通り旅行は遂行される。この場合、実行される時刻に変更が生じるかもしれない。
【0069】
旅行者Bが待つことを拒否(S65)する場合には、旅行者Aの新しい相乗り相手を探すために、仲介装置2は全てのタクシー予約装置5A,5B,〜に対して、新しい到着時刻以降に出発予定の相乗り予約を検索(S66)する。仲介装置2は、送付された予約リストの中から適合選択(S67)を行い、旅行者Aに対して相乗り予約リストを提示(S68)する。旅行者Aが新しい相乗りタクシーに相乗り予約車両予約装置5Aのタクシー会社を選択(S69)した場合、仲介装置2は代理で相乗り車両予約装置5Aへ出発時刻をパラメータとして相乗り予約を行う。
【0070】
このように、遅延情報の配信手段と旅行予約の管理手段と旅行者の端末と相乗りタクシーの予約手段とが、通信可能なネットワークで接続されているため、交通機関の遅延が起きたときに、影響のある旅行を動的に抽出し、旅行者に対して早急にかつ適切に通知することができるとともに、相乗りの組み合わせを容易に変更することができる。
【0071】
次に、図13を参照して、四つのA〜Dグループが相乗りタクシーを利用する場合の具体的な動作について説明する。
【0072】
図示されるように、まず相乗りタクシーの出発時刻を基準にして並べる。
【0073】
AグループとCグループは同じ列車で現地に到着し、Bグループは別の列車にほぼ同じ時刻、例えば10分後に到着する旅行者である。Dグループは異なる到着時刻、例えば40分後に到着する旅行者である。Aグループの申込者とBグループの申込者は到着時刻が異なるが、Cグループと比較して希望する相乗り条件と一致するため、組み合わせが行なわれている。
【0074】
ところが、Bグループが交通機関の遅延もしくは自己都合により到着時刻が予定より30分遅れるとする。この場合には、まず、仲介装置がAグループに対して、相乗りタクシーの出発時刻を30分遅らせることが可能か問い合わせする。その結果、Aグループから承諾が得られない場合には、到着時刻が同一でBグループよりも適合度の低いCグループと相乗り予約を試行する。Bグループは新しい到着時刻付近で相乗り希望をしているDグループと、新たに相乗り予約を成立させることが可能である。
【0075】
次に、図14および図15に図1を併せ参照して相乗りにおける個人属性および個人嗜好などの合致による快適な旅行の予約について説明する。これについては、仲介装置2の会員管理手段21および適合管理手段25が関連する。
【0076】
これらの手段それぞれはほぼ次のような機能を有する。
【0077】
相乗り代表者それぞれは図10に示されるデータD3の氏名、年齢、性別、許容言語などによる個人属性とデータD4の喫煙、観光嗜好、観光履歴などによる個人嗜好とについてあらかじめ設定を行う。各タクシー会社が観光ポイントを登録してあるものの中から、観光地の希望を指定する。適合管理手段25は、各相乗り代表者が設定した個人属性に関する条件と、個人嗜好に関する条件を図14のフローチャートに従って選別を行う。
【0078】
図14では、まず最初の相方を選択して試験(S81)し、個人嗜好を照合(S82)する、例えば、観光希望先を検査して同じ観光地を希望していればいるほど適合度が高いといえる。この度合いがあるしきい値に達していない場合(S83のNO)には到着時刻が接近している個人属性を照会(S84)する。ここでも適合度合いがあるしきい値に達していない場合(S85のNO)には、次の相手を選択して検査(S86)するため、上記ステップS82に戻り上記ステップを繰り返す。上記ステップS83またはS85で適合度合いがあるしきい値以上であれば、旅行者に選択を促す相乗り提示リストに追加(S87)する。
【0079】
すなわち、あるしきい値未満であれば、個人属性に関する希望と到着予定時刻との両方を検査し、個人属性に関する希望が一致し、かつ到着予定時刻がある閾値の範囲内であれば、旅行者に選択を促す相乗り提示リストに追加する。
【0080】
この実施形態では、個人嗜好を最優先の選別基準とすることで、狭い空間の中で見知らぬ旅行者と一緒に移動することの抵抗感を下げることが可能となり、また個人属性と到着時刻を基準とすることで、旅行者の最低希望条件を満たしつつ、待ち時間の少ない相乗り観光を実現することが可能となる。
【0081】
次に、図15を参照して相乗り条件の照合について具体例を説明する。
【0082】
図15では、旅行者Aおよび旅行者Bそれぞれが設定した相乗り条件である。「○」は観光を希望することを示し、「×」は既に観光済みであることを示し、無記入はどちらでもよいことを示す。仁和寺は、「○」と「×」であるので適合ポイントは「0」となる。三国寺は両方とも「○」であるので、適合ポイントは2となる。一の蔵と千体地蔵は、旅行者Aで選択されておらず、旅行者Bで「○」となっているので、それぞれ適合ポイントは1となる。
【0083】
適合ポイントの合計は4となり全体の選択肢は8つあるので、8分の四、すなわち「0.5」を両者の適合度とする。仲介装置があらかじめ適合度「0,5」以上の予約を紹介するように設定されており、旅行者が相乗り相手として選択を承諾した場合、図12(B)に示すように相乗り予約が確定され、観光コースとして三国寺、一の蔵、千体地蔵を巡ることになる。
【0084】
上記説明では、図示された機能ブロックおよび手順を参照しているが、機能の分離併合による配分または手順の前後入替えなどの変更は上記機能を満たす限り自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。更に、運行スケジュールを管理する運行装置を有する輸送機関による航空機、列車、電車、長距離バスなどの輸送機を利用して特定箇所に到着し、車両を相乗りで利用する際の相乗り予約システムの全般に適用可能であり、特に、観光地の拠点に到着し複数の観光ポイントを相乗りタクシーで巡回する際に有効である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0086】
第1の効果は、利用する列車の指定席を予約すると同時に、相乗りタクシー予約の出発時刻を割り出し、相乗り相手の提示を行うことができることにある。その理由は、指定席予約から列車を特定し、運行情報を基にして現地到着時刻を予測し、その時間帯に出発を希望している相乗りタクシーの予約リストを検索することが可能なためである。
【0087】
第2の効果は、旅行者の予定変更、もしくは交通機関のダイヤが乱れた場合に、相乗りタクシーの組み合わせを自動的に再検索し、影響を受ける旅行者に提示できることにある。その理由は、運行装置から遅延列車情報を発信し、仲介装置が新しい到着時刻付近で出発する相乗り予約を検索するとともに、影響のある列車に指定席を確保している旅行者を特定することができるためである。
【0088】
第3の効果は、希望観光地を最優先に考慮した相乗り組み合わせを提供できることにある。その理由は、相乗り予定者同士の希望観光地の適合度を計算し、旅行予定者へ提示することが可能となったためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による機能ブロックの実施の一形態を示す図である。
【図2】従来技術による機能ブロックの一例を示す図である。
【図3】図1の指定席予約装置における機能ブロックの実施の一形態を示す図である。
【図4】図1の運行装置における機能ブロックの実施の一形態を示す図である。
【図5】図1の相乗り車両予約装置における機能ブロックの実施の一形態を示す図である。
【図6】図1において旅行者が相乗り車両を利用する場合における予約手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図7】図1において旅行者に適合する相乗り車両を選択するための予約リスト作成手順を示すフローチャートである。
【図8】図1において旅行者が予約を変更する場合における手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図9】図1において運行装置が到着時刻を変更する場合における手順の実施の一形態を示すシーケンスチャートである。
【図10】本発明において相乗り予約を実現するために用意されるデータ構造の実施の一形態を示す図である。
【図11】本発明において、(A)相乗り予約および(B)相乗り条件における記録内容の実施の一形態を示す図である。
【図12】本発明において、(A)相乗り予約候補および(B)確定した旅行予約における記録内容の実施の一形態を示す図である。
【図13】本発明において、相乗り組み合わせ変更を説明するための実施の一形態を示す図である。
【図14】図1において、相乗り相手を選別するための予約リスト作成手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明において、相乗り条件の指定とその整合とを説明するための実施の一形態を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B 旅行者携帯端末
2 仲介装置
3 指定席予約装置
4 運行装置
5A、5B 相乗り車両予約装置
21 会員管理手段
22、31、51 予約管理手段
23、32、43、52 提携会社管理手段
24 情報配信手段
25 適合管理手段
33、54 在庫管理手段
41 遅延情報配信手段
42 遅延計算手段
44 運行スケジュール管理手段
45 通過時刻検出手段
53 到着時刻変更手段
Claims (10)
- 遠隔地から輸送機関を利用して集合する複数の旅行者を利用者として、車両に相乗りする利用者の予約を管理する相乗り予約管理のための方法において、利用者の通信端末とアクセスする仲介装置を備え、当該仲介装置が、前記利用者通信端末から相乗り条件を受けた際には、前記輸送機関の指定席予約装置に問合せした条件に合致した指定席を取得し、前記輸送機関の運行スケジュールを管理する運行装置に問合せて当該指定席の輸送機の前記集合箇所への到着時刻を取得し、この取得した到着時刻に基づく相乗り車両のリストを作成し、当該リストから一つの相乗り車両を選択させるために前記リストを前記利用者に提供することを特徴とする相乗り予約管理方法。
- 請求項1において、仲介装置は、前記相乗り車両のリストから利用者により選択された相乗り車両をその所有会社に、利用者に代って予約することを特徴とする相乗り予約管理方法。
- 請求項1において、仲介装置は、相乗り希望者から個人情報として少なくとも個人属性、個人嗜好、および観光履歴を受けて相乗り条件に予め登録し、同一の相乗り車両を選択して相乗りとなる利用者同士の相性チェックを行うことを特徴とする相乗り予約管理方法。
- 請求項1において、仲介装置は、前記運行装置から遅延情報の配信を受け、この遅延情報により影響を受ける旅行予約を抽出し、予定通り到着する旅行者と遅れて到着する旅行者とが相乗り車両を共有している場合には、予定通りに到着する旅行者に遅延時間を含んだ新しい出発時刻を提案し、承諾が得られなければ各旅行者の都合に合致する相乗り予約をそれぞれ再検索し、提案し直すことを特徴とする相乗り予約管理方法。
- 遠隔地から輸送機関を利用して集合する複数の旅行者を利用者として、車両に相乗りする利用者の予約を管理する相乗り予約管理のためのシステムにおいて、前記輸送機関で問合せした条件に合致した指定席を取得する指定席予約装置と、前記輸送機関の運行スケジュールを管理する運行装置と、前記指定席予約装置および前記運行装置それぞれに接続する仲介装置と、前記仲介装置と接続して予約要求を受けた際に、前記利用者に選択のために提供するため前記利用者の希望条件を満たす相乗り車両を予約リストに纏めて前記仲介装置に送り、この予約リストから選択された相乗り車両の予約を受けて相乗りを成立させる相乗り車両予約装置とを備えることを特徴とする相乗り予約管理システム。
- 請求項5において、前記運行装置は、管理する輸送機に運行スケジュールからの遅延を生じた際に、この遅延を前記仲介装置に通知し、前記仲介装置は、前記運行装置からスケジュール遅延の通知を受けた際、対象の輸送機の指定席から予約した利用者を割出し、必要があれば、予約ずみの相乗り予約を再度実行することを特徴とする相乗り予約管理システム。
- 請求項5において、前記仲介装置は、前記利用者の個人情報として少なくとも個人属性、個人嗜好、および観光履歴を受けて相乗り条件に予め登録し、同一の相乗り車両を選択し相乗りとなる利用者同士の相性チェックを行って予約を成立させることを特徴とする相乗り予約管理システム。
- 遠隔地から輸送機関を利用して集合する複数の旅行者を利用者として、相乗り車両に相乗りする利用者の予約を管理する相乗り予約管理のためのプログラムにおいて、前記利用者通信端末から相乗り条件を受けた際にはこの相乗り条件を前記輸送機関の指定席予約装置に問合せし、この条件に合致した指定席を取得した際には前記輸送機関の運行スケジュールを管理する運行装置に前記指定席を問合せて当該指定席の輸送機の前記集合箇所への到着時刻を取得し、この取得した到着時刻に基づく相乗り車両のリストを作成してコンピュータに実行させることを特徴とする相乗り予約管理プログラム。
- 請求項8において、相乗り希望者から個人情報として少なくとも個人属性、個人嗜好、および観光履歴を受けて相乗り条件に予め登録されており、利用者に対して同一の相乗り車両を選択する際には、相乗りとなる利用者同士の相性チェックを行うことを特徴とする相乗り予約管理プログラム。
- 請求項8において、前記運行装置から遅延情報の配信を受けた際にはこの遅延情報により影響を受ける旅行予約を抽出し、予定通り到着する旅行者と遅れて到着する旅行者とが相乗り車両を共有している場合には予定通りに到着する旅行者に遅延時間を含んだ新しい出発時刻を提案し、この新しい提案に承諾不可の場合には各利用者の都合に合致する相乗り予約をそれぞれ再検索し、提案し直すことを特徴とする相乗り予約管理プログラム。
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