JP2004334258A - ロボット制御ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】操作盤を別途設ける必要のないロボット制御ユニットの提供。
【解決手段】本発明は、液晶ディスプレイ41とタッチパネル42とを積層して構成される入力表示部43と、ロボットコントローラ3との情報の授受を制御する演算処理回路48と、この演算処理回路48からの指示を受け、ロボットの運転中は、タッチパネル42に対応したロボットへの運転制御信号入力用のスイッチ要素と、ロボットコントローラ3から送られる情報に基づいたロボット運転状況表示項目とから構成される運転状況表示画面を前記液晶ディスプレイ41に表示し、またロボットの教示作業中は、タッチパネル42に対応した教示データ入力用のスイッチ要素と、ロボット制御用の教示データ表示項目とから構成されるティーチング画面を前記液晶ディスプレイ41にそれぞれ表示する表示制御回路49とを有するペンダント部4を備えているものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、液晶ディスプレイ41とタッチパネル42とを積層して構成される入力表示部43と、ロボットコントローラ3との情報の授受を制御する演算処理回路48と、この演算処理回路48からの指示を受け、ロボットの運転中は、タッチパネル42に対応したロボットへの運転制御信号入力用のスイッチ要素と、ロボットコントローラ3から送られる情報に基づいたロボット運転状況表示項目とから構成される運転状況表示画面を前記液晶ディスプレイ41に表示し、またロボットの教示作業中は、タッチパネル42に対応した教示データ入力用のスイッチ要素と、ロボット制御用の教示データ表示項目とから構成されるティーチング画面を前記液晶ディスプレイ41にそれぞれ表示する表示制御回路49とを有するペンダント部4を備えているものである。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばワークにねじを締め付ける時に用いるねじ締めロボット等の各種ロボットの動作制御を行うロボット制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献に示されるロボットの教示装置が知られている。この教示装置は、ロボット本体を制御するコントローラに接続されるもので、一般にはティーチングペンダント等と称されることが多い。この教示装置は、ロボットの自動運転を行わせるために必要となる動作方式、移動ポイント、パレタイズ方式、速度等の各種教示データの入力作業に使用されるものである。また、キー操作部からの入力によってロボット本体をマニュアル操作する機能も提供されている。
【0003】
【特許文献】特開2001−88068号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のロボットの教示装置は、基本的にロボット制御用の各種教示データをコントローラに入力設定するものである。従って、従来のロボットのコントローラには、ロボットの運転状況を表示したり、運転中のロボットに非常停止信号等の各種運転制御信号を与えるため、教示装置とは別に操作盤が必要であった。このため、従来のロボットのコントローラにおいては、必要に応じて教示装置と操作盤とを使い分けなければならず、ロボットの制御に係る操作系統が非常に複雑になる等の問題が発生していた。また、教示装置と操作盤とが必要であるため、資源的なロスも多く、環境負荷が大きくなる等の問題も発生していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、操作盤を別途設ける必要のないロボット制御ユニットの提供を目的とするものである。
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、予め設定されたプログラムに従ってロボットの制御を行うロボットコントローラと、このロボットコントローラに接続されるペンダント部とを有するロボット制御ユニットにおいて、前記ペンダント部は、表示手段とタッチパネルとを積層して構成される入力表示部と、前記ロボットコントローラとの情報の授受を制御する演算処理部と、前記演算処理部からの指示を受け、ロボットの運転中は、タッチパネルに対応したロボットへの運転制御信号入力用のスイッチ要素と、ロボットコントローラから送られる情報に基づいたロボット運転状況表示項目とから構成される運転状況表示画面を前記表示手段に表示し、またロボットの教示作業中は、タッチパネルに対応した教示データ入力用のスイッチ要素と、ロボット制御用の教示データ表示項目とから構成されるティーチング画面を前記表示手段にそれぞれ表示する表示制御部とを備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図10において、1はねじ締めロボットであり、2はねじ締めロボット1を制御するためのロボット制御ユニット(以下、単に制御ユニットという)である。この制御ユニット2は、ねじ締めロボット1に接続されたロボットコントローラ3と、このロボットコントローラ3に接続されたペンダント部4とから構成される。
【0008】
前記ねじ締めロボット1は、図3に矢印で示す各方向に往復動作可能な可動部Y1,A1,Z1を組み合わせて構成されたロボット本体11と、このロボット本体11の可動部Z1に連結されて可動部Z1と一体に往復移動可能なねじ締めツールT1とを有して成る。ねじ締めツールT1は、ねじSの頭部に成形された駆動穴に係合可能なビット12を有し、このビット12を回転駆動源の一例であるACサーボモータ13に緩衝機構を介すことなく直結的に連結して構成されるものである。また、ビット12の移動路上には、ねじ供給装置F1から送られるねじSを一旦保持するためのキャッチャ14が配置してある。
【0009】
前記ロボットコントローラ3は、制御回路、モータ駆動回路、データ記憶媒体等(何れも図示せず)を有し、予め記憶された動作プログラムおよびペンダント部4から入力されるティーチングデータおよび各種の指令信号に従い、ねじ締めロボット1を制御する。また、ねじ締めロボット1の運転中には、ねじの締付けが完了したワーク数、処理目標となるワーク数、ねじ締めロボット1の作業位置情報(座標情報)および動作制御情報等の運転状況データをペンダント部4に逐次送信する。この運転状況データは、ねじ締めロボット1の運転のために動作プログラムにロードされているティーチングデータ、ねじ締めロボット1に備えられた各種センサ(図示せず)からの信号等をソフトウェアで解析して得ることができる。
【0010】
前記ペンダント部4は、ねじ締めロボット1周辺の任意の位置において、ねじ締めロボット1の動作、ワークに設定されたねじ締めポイントの位置等を確認しながらねじ締めロボット1に各種のティーチングデータを入力できるよう、作業者が手で持って運べる大きさ・形状に構成されている。このペンダント部4は、ロボットコントローラ3にケーブルで接続する構成であり、このペンダント部4とロボットコントローラ3との接続は、RS232C、USB、I/O接続等、所定のインタフェイス5(図1参照)を介する。
【0011】
ペンダント部4は、図4(a)および同図(b)に示すように、カラー表示可能な表示手段の一例である液晶ディスプレイ41(以下、液晶画面41という)とタッチパネル42とを積層して構成した入力表示部43を有し、この入力表示部43の周辺に、非常停止スイッチ44、デッドマンスイッチ45、セレクタキースイッチ46、各種表示ランプ等を配置して構成される。タッチパネル42は、周知の通り、液晶画面41に映し出されるイメージスイッチ等の画像に対応してエリア分割を行い、所定のエリアに指またはタッチペン等の入力機器が触れると、接触エリアに応じた信号を出力するものである。一般には、金融機関の現金自動預け払い機等において、情報入力用のキーとして広く採用されている。
【0012】
前記ペンダント部4は、ブロックで示すと図1の構造となる。この図1に示すように、前記液晶画面41は、演算処理部たる演算処理回路48に接続された表示制御部たる表示制御回路49に接続され、タッチパネル42は、演算処理回路48に接続されている。この演算処理回路48は、前記インタフェイス5を介してロボットコントローラ3に接続され、ロボットコントローラ3と情報の授受を行う。また、演算処理回路48は、ロボットコントローラ3、タッチパネル42から送られた各種情報(信号)を演算処理し、各部に指令を与える。一方、非常停止スイッチ44、デッドマンスイッチ45およびセレクタキースイッチ46は、インタフェイス5を介してロボットコントローラ3に結線され、ロボットコントローラ3の制御回路に直接信号を与えられるように構成されている。
【0013】
ペンダント部4は、ロボットコントローラ3からの電力供給を受け、液晶画面41に図5に示す初期メニュー画面20を表示する。この初期メニュー画面20における運転メニュースイッチ21を選択する(タッチパネル42に指で触れる;以下同じ)と、それに応じた信号がタッチパネル42から演算処理回路48に送られ、演算処理回路48はロボットコントローラ3と通信を行って必要な運転状況データを受信し、これに基づいて運転状況表示画面の表示指令を表示制御回路49に与える。これを受け、表示制御回路49は、液晶画面41に運転状況表示画面を表示する。
【0014】
運転状況表示画面は、図6に示す自動運転画面22と、図7に示す手動運転画面23とで構成され、これらの画面は、各画面の左下に設けた「手動」または「自動」の各スイッチ22a,23aを選択することで切り替えられるようになっている。後述のねじ締めロボットの自動運転中に自動運転画面22の「手動」スイッチ22aが押された場合、ねじ締めロボット1の自動運転が強制的に停止されて、運転状況表示画面が手動運転画面23に切り換えられる。この意味で、自動運転画面22における「手動」スイッチ22aは、単に画面切り換え用だけのものではなく、ねじ締めロボット1の運転制御信号を入力するためのものであるともいえる。
【0015】
自動運転画面22は、さらに標準表示モード24と詳細表示モード25に分けられている。標準表示モード24においては、図6上部に示すように、
ねじ締めロボットが原位置にある時に点灯する「原位置」ランプ24a、
ねじ締めロボット1の運転制御信号の一つである自動運転スタート信号を入力するとともに、自動運転状態を表示するための「自動運転」ランプスイッチ24b、
ねじ締めロボット1の運転制御信号の一つである自動運転停止信号を入力するための「サイクル停止」スイッチ24c、
ねじの締付け異常(締付けトルクの異常、締付け高さの異常等)が発生した場合に点灯するとともに締付異常の詳細を表示する画面への移行用スイッチとして機能する「締付異常」ランプスイッチ24d、
ねじ締めロボット1の動作エラーが発生した場合に点灯するとともにエラーの詳細表示画面への移行用スイッチとして機能する「ROBOT異常」ランプスイッチ24e、
ねじ供給装置F1のねじ不足を通知する「ねじ不足」ランプ24f、
運転状況の表示対象となっているねじ締めロボット1の機種番号、ねじ締付けポイント番号、作業情報を表示するテーブル24g、
ねじ締めを行うワークの目標数、ねじ締め完了ワーク数およびその内の正常締付け完了ワーク数をそれぞれ表示するカウンタ24h
が設けられている。なお、これらを特許請求の範囲の記載に従って分類すると、前記「自動運転」ランプスイッチ24b、「サイクル停止」スイッチ24cが特許請求の範囲に記載のスイッチ要素に該当し、「原位置」ランプ24a、「締付異常」ランプスイッチ24d、「ROBOT異常」ランプスイッチ24e、「ねじ不足」ランプ24f、テーブル24g及びカウンタ24hがロボット運転状況表示項目に該当する。また、前記「ランプ」という語は表示灯として機能することを示し、「ランプスイッチ」という語は表示灯およびスイッチとして機能することを示す。
【0016】
標準表示モード24から詳細表示モード25への画面切り替えは、標準表示モード24の画面下部に設けられた「詳細表示」スイッチ24iを選択する。この詳細表示モード25では、図6下部に示すように、上述の標準表示モード24に見られた項目の外、ねじ締めロボット1の動作速度、作業を行っているねじ締付けポイントの座標情報を含むテーブル25aが表示される。なお、詳細表示モード25における「標準表示」スイッチ25cを選択すると、標準表示モード24に戻ることができる。また、ワークが変更された場合には、標準表示モード24、詳細表示モード25の各画面下部に設けられた「機種変更」スイッチ24j,25bを選択する。これにより機種選択画面(図示せず)に移行し、ワークの種類(機種)を変更することができる。このワークの種類については、100種類を登録しておくことが可能であり、この100種類のワークに対して後述の座標情報設定テーブル28aがそれぞれ設けられる。
【0017】
前記「自動運転」ランプスイッチ24bを押すと、ロボットコントローラ3は動作プログラムおよびティーチングデータによって定められる動作手順に従ってねじ締めロボット1を制御する。これにより、ねじ締めロボット1は、ワークへのねじ締め作業を開始する。このねじ締めロボット1の自動運転中には、ロボットコントローラ3から運転状況データが順次ペンダント部4に送られる。そして、ペンダント部4においては、この運転状況データに従い、前記自動運転画面22における各表示項目の内容が更新されていく。また、ねじ締めロボット1運転中には、ペンダント部4の非常停止スイッチ44、「サイクル停止」スイッチ24c等から、ねじ締めロボット1の運転制御用の信号を入力することができる。なお、非常停止スイッチ44は、ねじ締めロボット1をその場で強制的に停止させる時に用い、また「サイクル停止」スイッチ24cは、これが押された時にねじ締めを行っているワークへねじを全て締め付けて後、ねじ締めロボット1の自動運転を終了する時に用いる。
【0018】
一方、前記手動運転画面23は、ねじ締めロボット1の動作チェックを行う場合など、ねじ締めロボット1を手動(マニュアル)で運転する場合に用いる。この手動運転画面23には、前記自動運転画面22において表示される項目の外、ねじ締めロボット1への運転制御信号入力用のスイッチ要素として、図7に示すように、「STEP」スイッチ23b、「ポイント送り」スイッチ23c、「ねじ締付」スイッチ23dおよび「ねじ送り」スイッチ23eが設定される。
【0019】
「STEP」スイッチ23bは、後述の座標情報とねじ締め動作情報とから決定される動作順序に従い、ねじ締めロボット1をワンステップずつ動作させるためのものである。このスイッチ23bを繰り返し押すことで、ねじ締め作業時のねじ締めロボット1の動作を再現することができる。また、「ポイント送り」スイッチ23cは、後述の座標情報の登録順にねじ締めロボット1をねじ締めポイントへ移動動作させるためのものである。このスイッチ23cを押す度に、ねじ締めロボット1は設定されている順序でねじ締めポイントを移動する。また、「ねじ締付」スイッチ23dは、ねじ締めツールT1の往復移動と締付動作を行うためのものである。さらに、「ねじ送り」スイッチ23eは、ねじ供給装置F1からのねじ送り動作を実行するためのものである。
【0020】
手動運転画面の前記「STEP」スイッチ23b、「ポイント送り」スイッチ23c、「ねじ締付」スイッチ23dおよび「ねじ送り」スイッチ23eを操作することにより、ねじ締めロボット1の手動運転が可能になる。この手動運転中にも、ロボットコントローラ3から運転状況データが順次ペンダント部4に送られ、ペンダント部4においては、この運転状況データに従って、前記手動運転画面23における各表示項目の内容が更新される。
【0021】
ねじ締めロボット1を制御するためのティーチングデータは、座標情報とねじ締め動作情報とで構成されている。この座標情報は、原点位置を基準としてねじ締めツールT1をワークのねじ締めポイント上へ移動させるための情報であり、また、ねじ締め動作情報は、ねじ締めツールT1によりワークのねじ締めポイントにねじSをねじ込む時のねじ締めロボット1の動作を制御するための情報である。ペンダント部4は、これらを関連付け、かつ別々に設定できるように構成されている。
【0022】
ロボットコントローラ3にティーチングデータを設定する場合には、まず、セレクタキースイッチ46によりティーチング可能モードへの切り替えを行う。セレクタキースイッチ46は、常時OFFの状態にあり、この状態でロボットコントローラ3に電源が投入された場合、前記初期メニュー画面20に設けられているティーチングデータの設定画面移行用のティーチングメニュースイッチ26、設定メニュースイッチ27は機能しない。つまり、これらのメニュースイッチ26,27を選択してもタッチパネル42からの出力信号は生じない。ティーチングデータを入力する場合には、セレクタキースイッチ46に鍵(図示せず)を差し込んでONにし、ティーチング可能モードに切り替えることで、初期メニュー画面20のティーチングメニュースイッチ26、設定メニュースイッチ27が機能するようになる。
【0023】
ティーチング可能モードに切り替えて後、初期メニュー画面20のティーチングメニュースイッチ26を選択すると、それに応じた信号がタッチパネル42から演算処理回路48に送られる。これを受けた演算処理回路48は、その時選定されているワークの機種に対応する座標情報設定画面の表示指令を表示制御回路49に与える。これを受け、表示制御回路49は液晶画面41に図8に示す前記座標情報の設定画面28を表示する。この設定画面28には、座標情報設定テーブル28aが設けられている。この座標情報設定テーブル28aは、ワークのねじ締めポイント上の所定位置にねじ締めツールT1を位置決めするのに必要な可動部Y1、A1、Z1の各座標情報を設定するための項目29,30,31と、ねじ締めポイントにおいてどういった形態のねじ締めを行うかを指定するための作業情報指定項目32とを有し、これらを複数のねじ締めポイントP0〜P39(合計40ポイント,図面ではP0〜P4までを図示)について設定できるよう構成されている。つまり、一つのワークに対して40ポイントのねじ締めポイントを設定することができ、これを100機種分、合計4000ポイント登録可能に構成されている。
【0024】
前記座標情報設定テーブル28aの各項目へのデータ入力は、所望のねじ締めポイントの項目を選択してその項目欄をデータ入力可能状態にし、それから下部のテンキー部28bを操作して行う。このように、座標情報設定テーブル28aの各項目欄は、ティーチングデータ表示項目として機能する以外に、ティーチングデータ入力用のスイッチ要素としても機能する。勿論、テンキー部28bもティーチングデータ入力用のスイッチ要素である。
【0025】
前記作業情報指定項目32は、ねじ締め作業コードの設定項目C1と、ねじ締めツールT1のトルクチャンネルの設定項目C2とから構成される。
【0026】
前記設定項目C1に設定されるねじ締め作業コードは、詳細を後述するねじ締め動作情報のチャンネル番号と、ねじ締めの形態とを2桁のコードで示すものであり、キャッチャにねじを供給して締付けるねじ締め作業、ワークに仮止めされているねじを増し締めする作業等の各種のねじ締めの形態に対し、どのチャンネル番号のねじ締め動作情報を使用するかを識別するためのものである。ちなみに、図8に示した設定項目C1の値「01」は、チャンネル番号1のねじ締め動作情報を使用して、キャッチャに供給されたねじを締め付けるねじ締め作業を表すものである。
【0027】
また、前記設定項目C2に設定されるトルクチャンネルは、複数のチャンネルに設定されたACサーボモータ13制御用のトルクデータの中から、所望のトルクデータを得るためのチャンネル番号を示す。ちなみに、図8に示した設定項目C2の値「02」はチャンネル2に設定されたトルクデータを使用することを示す。なお、トルクデータは、別途設定画面(図示せず)から入力設定される。
【0028】
ロボットコントローラ3に前記ねじ締め動作情報を教示する場合は、初期メニュー画面20の設定メニュースイッチ27を選択する。これにより液晶画面41には、図9に示すねじ締め動作情報の設定画面33が表示される。ここには、ねじ締めツールT1が所定のねじ締めポイントでねじの締め付けを実行する時、ロボット本体11の制御に必要となるねじ締め作業データを設定することができる。このねじ締め作業データは、距離設定値34、推力設定値35、速度設定値36に大別される。
【0029】
距離設定値34は、ねじ長さ34a、ワーク手前オフセット34b、本締め切替点34c、段差分オフセット34d、高さ検出幅34eの各設定項目で構成される。また、推力設定値35は、早送り35a、仮締め35b、本締め35cの各設定項目で構成され、さらに、速度設定値36は、早送り36a、仮締め〜本締め36bの各設定項目で構成される。これらの設定項目へのデータ入力は、所望の項目を選択してその項目欄をデータ入力可能状態にし、それから下部のテンキー部33aを操作して行う。このように、ねじ締め動作情報の設定画面33の各項目も、前述の座標情報設定テーブル28aと同様、ティーチングデータ表示項目として機能する以外に、ティーチングデータ入力用のスイッチ要素としても機能する。勿論、テンキー部33aもティーチングデータ入力用のスイッチ要素である。
【0030】
前記ねじ締め作業データの各設定項目に設定値が与えられることにより、ロボットコントローラ3においては、図10に示すように、ワークにねじを締付ける過程の所定の通過点、主要な通過点間での推力、主要な通過点間での速度の各パラメータを定めることが可能となる。そして、ねじ締め作業においては、各パラメータに従って可動部Z1が制御される。その結果、ねじ締めツールT1の移動位置に応じて、ねじ締めツールT1からねじSに与えられる推力、ねじ締めツールT1の軸方向移動速度が変更される。これにより、ねじSに与えられる推力をねじ込み過程の要所で最適な値に切り替えて正確なねじSの締付けを行うことが可能となる。なお、ねじ締めツールT1の移動位置は、可動部Z1の駆動源であるサーボモータ(図示せず)に備えられたロータリエンコーダ(図示せず)の信号から割り出すことができる。
【0031】
前記ねじ締め動作情報の設定画面33は、5チャンネル分用意されており、よって、ねじ5種類分のねじ締め動作情報を設定しておくことが可能である。各チャンネルに対応する設定画面は、画面切替スイッチ37a,37bで切り替えることができる。このチャンネルの番号が、前記設定項目C1に設定されるねじ締め作業コードの一部を構成することで、動作プログラムにおいては、各ねじ締めポイント毎に、どのチャンネルのねじ締め動作情報を利用するかを座標情報設定テーブルの参照時に識別し、これを内部設定することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のロボット制御ユニットによれば、ペンダント部においてロボットの運転中とティーチング作業中とで、それぞれ対応する画面表示を行うことができる。このため、ロボットのティーチング操作と、ロボット運転中の操作とを同じペンダント部から行うことが可能になり、簡便で迅速なティーチング作業、運転状況の把握、運転中のロボットへの運転制御信号の入力等を行うことが可能になる。また、従来必要であった操作盤が必要なくなるため、省コスト、省資源化に貢献できる等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロボット制御ユニットにおけるペンダント部のブロック説明図である。
【図2】本発明のロボット制御ユニットを含むねじ締めロボット系の全体斜視説明図である。
【図3】ねじ締めロボットの斜視説明図である。
【図4】(a)は本発明のロボット制御ユニットにおけるペンダント部の要部拡大正面図であり、(b)はその側面図である。
【図5】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図6】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図7】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図8】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図9】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図10】ねじ締めロボットによりワークにねじを締め付ける時の所定の通過点、推力・速度の変更点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ねじ締めロボット
2 ロボット制御ユニット
3 ロボットコントローラ
4 ペンダント部
Y1,A1,Z1 可動部
T1 ねじ締めツール
F1 ねじ供給装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばワークにねじを締め付ける時に用いるねじ締めロボット等の各種ロボットの動作制御を行うロボット制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献に示されるロボットの教示装置が知られている。この教示装置は、ロボット本体を制御するコントローラに接続されるもので、一般にはティーチングペンダント等と称されることが多い。この教示装置は、ロボットの自動運転を行わせるために必要となる動作方式、移動ポイント、パレタイズ方式、速度等の各種教示データの入力作業に使用されるものである。また、キー操作部からの入力によってロボット本体をマニュアル操作する機能も提供されている。
【0003】
【特許文献】特開2001−88068号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のロボットの教示装置は、基本的にロボット制御用の各種教示データをコントローラに入力設定するものである。従って、従来のロボットのコントローラには、ロボットの運転状況を表示したり、運転中のロボットに非常停止信号等の各種運転制御信号を与えるため、教示装置とは別に操作盤が必要であった。このため、従来のロボットのコントローラにおいては、必要に応じて教示装置と操作盤とを使い分けなければならず、ロボットの制御に係る操作系統が非常に複雑になる等の問題が発生していた。また、教示装置と操作盤とが必要であるため、資源的なロスも多く、環境負荷が大きくなる等の問題も発生していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、操作盤を別途設ける必要のないロボット制御ユニットの提供を目的とするものである。
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、予め設定されたプログラムに従ってロボットの制御を行うロボットコントローラと、このロボットコントローラに接続されるペンダント部とを有するロボット制御ユニットにおいて、前記ペンダント部は、表示手段とタッチパネルとを積層して構成される入力表示部と、前記ロボットコントローラとの情報の授受を制御する演算処理部と、前記演算処理部からの指示を受け、ロボットの運転中は、タッチパネルに対応したロボットへの運転制御信号入力用のスイッチ要素と、ロボットコントローラから送られる情報に基づいたロボット運転状況表示項目とから構成される運転状況表示画面を前記表示手段に表示し、またロボットの教示作業中は、タッチパネルに対応した教示データ入力用のスイッチ要素と、ロボット制御用の教示データ表示項目とから構成されるティーチング画面を前記表示手段にそれぞれ表示する表示制御部とを備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図10において、1はねじ締めロボットであり、2はねじ締めロボット1を制御するためのロボット制御ユニット(以下、単に制御ユニットという)である。この制御ユニット2は、ねじ締めロボット1に接続されたロボットコントローラ3と、このロボットコントローラ3に接続されたペンダント部4とから構成される。
【0008】
前記ねじ締めロボット1は、図3に矢印で示す各方向に往復動作可能な可動部Y1,A1,Z1を組み合わせて構成されたロボット本体11と、このロボット本体11の可動部Z1に連結されて可動部Z1と一体に往復移動可能なねじ締めツールT1とを有して成る。ねじ締めツールT1は、ねじSの頭部に成形された駆動穴に係合可能なビット12を有し、このビット12を回転駆動源の一例であるACサーボモータ13に緩衝機構を介すことなく直結的に連結して構成されるものである。また、ビット12の移動路上には、ねじ供給装置F1から送られるねじSを一旦保持するためのキャッチャ14が配置してある。
【0009】
前記ロボットコントローラ3は、制御回路、モータ駆動回路、データ記憶媒体等(何れも図示せず)を有し、予め記憶された動作プログラムおよびペンダント部4から入力されるティーチングデータおよび各種の指令信号に従い、ねじ締めロボット1を制御する。また、ねじ締めロボット1の運転中には、ねじの締付けが完了したワーク数、処理目標となるワーク数、ねじ締めロボット1の作業位置情報(座標情報)および動作制御情報等の運転状況データをペンダント部4に逐次送信する。この運転状況データは、ねじ締めロボット1の運転のために動作プログラムにロードされているティーチングデータ、ねじ締めロボット1に備えられた各種センサ(図示せず)からの信号等をソフトウェアで解析して得ることができる。
【0010】
前記ペンダント部4は、ねじ締めロボット1周辺の任意の位置において、ねじ締めロボット1の動作、ワークに設定されたねじ締めポイントの位置等を確認しながらねじ締めロボット1に各種のティーチングデータを入力できるよう、作業者が手で持って運べる大きさ・形状に構成されている。このペンダント部4は、ロボットコントローラ3にケーブルで接続する構成であり、このペンダント部4とロボットコントローラ3との接続は、RS232C、USB、I/O接続等、所定のインタフェイス5(図1参照)を介する。
【0011】
ペンダント部4は、図4(a)および同図(b)に示すように、カラー表示可能な表示手段の一例である液晶ディスプレイ41(以下、液晶画面41という)とタッチパネル42とを積層して構成した入力表示部43を有し、この入力表示部43の周辺に、非常停止スイッチ44、デッドマンスイッチ45、セレクタキースイッチ46、各種表示ランプ等を配置して構成される。タッチパネル42は、周知の通り、液晶画面41に映し出されるイメージスイッチ等の画像に対応してエリア分割を行い、所定のエリアに指またはタッチペン等の入力機器が触れると、接触エリアに応じた信号を出力するものである。一般には、金融機関の現金自動預け払い機等において、情報入力用のキーとして広く採用されている。
【0012】
前記ペンダント部4は、ブロックで示すと図1の構造となる。この図1に示すように、前記液晶画面41は、演算処理部たる演算処理回路48に接続された表示制御部たる表示制御回路49に接続され、タッチパネル42は、演算処理回路48に接続されている。この演算処理回路48は、前記インタフェイス5を介してロボットコントローラ3に接続され、ロボットコントローラ3と情報の授受を行う。また、演算処理回路48は、ロボットコントローラ3、タッチパネル42から送られた各種情報(信号)を演算処理し、各部に指令を与える。一方、非常停止スイッチ44、デッドマンスイッチ45およびセレクタキースイッチ46は、インタフェイス5を介してロボットコントローラ3に結線され、ロボットコントローラ3の制御回路に直接信号を与えられるように構成されている。
【0013】
ペンダント部4は、ロボットコントローラ3からの電力供給を受け、液晶画面41に図5に示す初期メニュー画面20を表示する。この初期メニュー画面20における運転メニュースイッチ21を選択する(タッチパネル42に指で触れる;以下同じ)と、それに応じた信号がタッチパネル42から演算処理回路48に送られ、演算処理回路48はロボットコントローラ3と通信を行って必要な運転状況データを受信し、これに基づいて運転状況表示画面の表示指令を表示制御回路49に与える。これを受け、表示制御回路49は、液晶画面41に運転状況表示画面を表示する。
【0014】
運転状況表示画面は、図6に示す自動運転画面22と、図7に示す手動運転画面23とで構成され、これらの画面は、各画面の左下に設けた「手動」または「自動」の各スイッチ22a,23aを選択することで切り替えられるようになっている。後述のねじ締めロボットの自動運転中に自動運転画面22の「手動」スイッチ22aが押された場合、ねじ締めロボット1の自動運転が強制的に停止されて、運転状況表示画面が手動運転画面23に切り換えられる。この意味で、自動運転画面22における「手動」スイッチ22aは、単に画面切り換え用だけのものではなく、ねじ締めロボット1の運転制御信号を入力するためのものであるともいえる。
【0015】
自動運転画面22は、さらに標準表示モード24と詳細表示モード25に分けられている。標準表示モード24においては、図6上部に示すように、
ねじ締めロボットが原位置にある時に点灯する「原位置」ランプ24a、
ねじ締めロボット1の運転制御信号の一つである自動運転スタート信号を入力するとともに、自動運転状態を表示するための「自動運転」ランプスイッチ24b、
ねじ締めロボット1の運転制御信号の一つである自動運転停止信号を入力するための「サイクル停止」スイッチ24c、
ねじの締付け異常(締付けトルクの異常、締付け高さの異常等)が発生した場合に点灯するとともに締付異常の詳細を表示する画面への移行用スイッチとして機能する「締付異常」ランプスイッチ24d、
ねじ締めロボット1の動作エラーが発生した場合に点灯するとともにエラーの詳細表示画面への移行用スイッチとして機能する「ROBOT異常」ランプスイッチ24e、
ねじ供給装置F1のねじ不足を通知する「ねじ不足」ランプ24f、
運転状況の表示対象となっているねじ締めロボット1の機種番号、ねじ締付けポイント番号、作業情報を表示するテーブル24g、
ねじ締めを行うワークの目標数、ねじ締め完了ワーク数およびその内の正常締付け完了ワーク数をそれぞれ表示するカウンタ24h
が設けられている。なお、これらを特許請求の範囲の記載に従って分類すると、前記「自動運転」ランプスイッチ24b、「サイクル停止」スイッチ24cが特許請求の範囲に記載のスイッチ要素に該当し、「原位置」ランプ24a、「締付異常」ランプスイッチ24d、「ROBOT異常」ランプスイッチ24e、「ねじ不足」ランプ24f、テーブル24g及びカウンタ24hがロボット運転状況表示項目に該当する。また、前記「ランプ」という語は表示灯として機能することを示し、「ランプスイッチ」という語は表示灯およびスイッチとして機能することを示す。
【0016】
標準表示モード24から詳細表示モード25への画面切り替えは、標準表示モード24の画面下部に設けられた「詳細表示」スイッチ24iを選択する。この詳細表示モード25では、図6下部に示すように、上述の標準表示モード24に見られた項目の外、ねじ締めロボット1の動作速度、作業を行っているねじ締付けポイントの座標情報を含むテーブル25aが表示される。なお、詳細表示モード25における「標準表示」スイッチ25cを選択すると、標準表示モード24に戻ることができる。また、ワークが変更された場合には、標準表示モード24、詳細表示モード25の各画面下部に設けられた「機種変更」スイッチ24j,25bを選択する。これにより機種選択画面(図示せず)に移行し、ワークの種類(機種)を変更することができる。このワークの種類については、100種類を登録しておくことが可能であり、この100種類のワークに対して後述の座標情報設定テーブル28aがそれぞれ設けられる。
【0017】
前記「自動運転」ランプスイッチ24bを押すと、ロボットコントローラ3は動作プログラムおよびティーチングデータによって定められる動作手順に従ってねじ締めロボット1を制御する。これにより、ねじ締めロボット1は、ワークへのねじ締め作業を開始する。このねじ締めロボット1の自動運転中には、ロボットコントローラ3から運転状況データが順次ペンダント部4に送られる。そして、ペンダント部4においては、この運転状況データに従い、前記自動運転画面22における各表示項目の内容が更新されていく。また、ねじ締めロボット1運転中には、ペンダント部4の非常停止スイッチ44、「サイクル停止」スイッチ24c等から、ねじ締めロボット1の運転制御用の信号を入力することができる。なお、非常停止スイッチ44は、ねじ締めロボット1をその場で強制的に停止させる時に用い、また「サイクル停止」スイッチ24cは、これが押された時にねじ締めを行っているワークへねじを全て締め付けて後、ねじ締めロボット1の自動運転を終了する時に用いる。
【0018】
一方、前記手動運転画面23は、ねじ締めロボット1の動作チェックを行う場合など、ねじ締めロボット1を手動(マニュアル)で運転する場合に用いる。この手動運転画面23には、前記自動運転画面22において表示される項目の外、ねじ締めロボット1への運転制御信号入力用のスイッチ要素として、図7に示すように、「STEP」スイッチ23b、「ポイント送り」スイッチ23c、「ねじ締付」スイッチ23dおよび「ねじ送り」スイッチ23eが設定される。
【0019】
「STEP」スイッチ23bは、後述の座標情報とねじ締め動作情報とから決定される動作順序に従い、ねじ締めロボット1をワンステップずつ動作させるためのものである。このスイッチ23bを繰り返し押すことで、ねじ締め作業時のねじ締めロボット1の動作を再現することができる。また、「ポイント送り」スイッチ23cは、後述の座標情報の登録順にねじ締めロボット1をねじ締めポイントへ移動動作させるためのものである。このスイッチ23cを押す度に、ねじ締めロボット1は設定されている順序でねじ締めポイントを移動する。また、「ねじ締付」スイッチ23dは、ねじ締めツールT1の往復移動と締付動作を行うためのものである。さらに、「ねじ送り」スイッチ23eは、ねじ供給装置F1からのねじ送り動作を実行するためのものである。
【0020】
手動運転画面の前記「STEP」スイッチ23b、「ポイント送り」スイッチ23c、「ねじ締付」スイッチ23dおよび「ねじ送り」スイッチ23eを操作することにより、ねじ締めロボット1の手動運転が可能になる。この手動運転中にも、ロボットコントローラ3から運転状況データが順次ペンダント部4に送られ、ペンダント部4においては、この運転状況データに従って、前記手動運転画面23における各表示項目の内容が更新される。
【0021】
ねじ締めロボット1を制御するためのティーチングデータは、座標情報とねじ締め動作情報とで構成されている。この座標情報は、原点位置を基準としてねじ締めツールT1をワークのねじ締めポイント上へ移動させるための情報であり、また、ねじ締め動作情報は、ねじ締めツールT1によりワークのねじ締めポイントにねじSをねじ込む時のねじ締めロボット1の動作を制御するための情報である。ペンダント部4は、これらを関連付け、かつ別々に設定できるように構成されている。
【0022】
ロボットコントローラ3にティーチングデータを設定する場合には、まず、セレクタキースイッチ46によりティーチング可能モードへの切り替えを行う。セレクタキースイッチ46は、常時OFFの状態にあり、この状態でロボットコントローラ3に電源が投入された場合、前記初期メニュー画面20に設けられているティーチングデータの設定画面移行用のティーチングメニュースイッチ26、設定メニュースイッチ27は機能しない。つまり、これらのメニュースイッチ26,27を選択してもタッチパネル42からの出力信号は生じない。ティーチングデータを入力する場合には、セレクタキースイッチ46に鍵(図示せず)を差し込んでONにし、ティーチング可能モードに切り替えることで、初期メニュー画面20のティーチングメニュースイッチ26、設定メニュースイッチ27が機能するようになる。
【0023】
ティーチング可能モードに切り替えて後、初期メニュー画面20のティーチングメニュースイッチ26を選択すると、それに応じた信号がタッチパネル42から演算処理回路48に送られる。これを受けた演算処理回路48は、その時選定されているワークの機種に対応する座標情報設定画面の表示指令を表示制御回路49に与える。これを受け、表示制御回路49は液晶画面41に図8に示す前記座標情報の設定画面28を表示する。この設定画面28には、座標情報設定テーブル28aが設けられている。この座標情報設定テーブル28aは、ワークのねじ締めポイント上の所定位置にねじ締めツールT1を位置決めするのに必要な可動部Y1、A1、Z1の各座標情報を設定するための項目29,30,31と、ねじ締めポイントにおいてどういった形態のねじ締めを行うかを指定するための作業情報指定項目32とを有し、これらを複数のねじ締めポイントP0〜P39(合計40ポイント,図面ではP0〜P4までを図示)について設定できるよう構成されている。つまり、一つのワークに対して40ポイントのねじ締めポイントを設定することができ、これを100機種分、合計4000ポイント登録可能に構成されている。
【0024】
前記座標情報設定テーブル28aの各項目へのデータ入力は、所望のねじ締めポイントの項目を選択してその項目欄をデータ入力可能状態にし、それから下部のテンキー部28bを操作して行う。このように、座標情報設定テーブル28aの各項目欄は、ティーチングデータ表示項目として機能する以外に、ティーチングデータ入力用のスイッチ要素としても機能する。勿論、テンキー部28bもティーチングデータ入力用のスイッチ要素である。
【0025】
前記作業情報指定項目32は、ねじ締め作業コードの設定項目C1と、ねじ締めツールT1のトルクチャンネルの設定項目C2とから構成される。
【0026】
前記設定項目C1に設定されるねじ締め作業コードは、詳細を後述するねじ締め動作情報のチャンネル番号と、ねじ締めの形態とを2桁のコードで示すものであり、キャッチャにねじを供給して締付けるねじ締め作業、ワークに仮止めされているねじを増し締めする作業等の各種のねじ締めの形態に対し、どのチャンネル番号のねじ締め動作情報を使用するかを識別するためのものである。ちなみに、図8に示した設定項目C1の値「01」は、チャンネル番号1のねじ締め動作情報を使用して、キャッチャに供給されたねじを締め付けるねじ締め作業を表すものである。
【0027】
また、前記設定項目C2に設定されるトルクチャンネルは、複数のチャンネルに設定されたACサーボモータ13制御用のトルクデータの中から、所望のトルクデータを得るためのチャンネル番号を示す。ちなみに、図8に示した設定項目C2の値「02」はチャンネル2に設定されたトルクデータを使用することを示す。なお、トルクデータは、別途設定画面(図示せず)から入力設定される。
【0028】
ロボットコントローラ3に前記ねじ締め動作情報を教示する場合は、初期メニュー画面20の設定メニュースイッチ27を選択する。これにより液晶画面41には、図9に示すねじ締め動作情報の設定画面33が表示される。ここには、ねじ締めツールT1が所定のねじ締めポイントでねじの締め付けを実行する時、ロボット本体11の制御に必要となるねじ締め作業データを設定することができる。このねじ締め作業データは、距離設定値34、推力設定値35、速度設定値36に大別される。
【0029】
距離設定値34は、ねじ長さ34a、ワーク手前オフセット34b、本締め切替点34c、段差分オフセット34d、高さ検出幅34eの各設定項目で構成される。また、推力設定値35は、早送り35a、仮締め35b、本締め35cの各設定項目で構成され、さらに、速度設定値36は、早送り36a、仮締め〜本締め36bの各設定項目で構成される。これらの設定項目へのデータ入力は、所望の項目を選択してその項目欄をデータ入力可能状態にし、それから下部のテンキー部33aを操作して行う。このように、ねじ締め動作情報の設定画面33の各項目も、前述の座標情報設定テーブル28aと同様、ティーチングデータ表示項目として機能する以外に、ティーチングデータ入力用のスイッチ要素としても機能する。勿論、テンキー部33aもティーチングデータ入力用のスイッチ要素である。
【0030】
前記ねじ締め作業データの各設定項目に設定値が与えられることにより、ロボットコントローラ3においては、図10に示すように、ワークにねじを締付ける過程の所定の通過点、主要な通過点間での推力、主要な通過点間での速度の各パラメータを定めることが可能となる。そして、ねじ締め作業においては、各パラメータに従って可動部Z1が制御される。その結果、ねじ締めツールT1の移動位置に応じて、ねじ締めツールT1からねじSに与えられる推力、ねじ締めツールT1の軸方向移動速度が変更される。これにより、ねじSに与えられる推力をねじ込み過程の要所で最適な値に切り替えて正確なねじSの締付けを行うことが可能となる。なお、ねじ締めツールT1の移動位置は、可動部Z1の駆動源であるサーボモータ(図示せず)に備えられたロータリエンコーダ(図示せず)の信号から割り出すことができる。
【0031】
前記ねじ締め動作情報の設定画面33は、5チャンネル分用意されており、よって、ねじ5種類分のねじ締め動作情報を設定しておくことが可能である。各チャンネルに対応する設定画面は、画面切替スイッチ37a,37bで切り替えることができる。このチャンネルの番号が、前記設定項目C1に設定されるねじ締め作業コードの一部を構成することで、動作プログラムにおいては、各ねじ締めポイント毎に、どのチャンネルのねじ締め動作情報を利用するかを座標情報設定テーブルの参照時に識別し、これを内部設定することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のロボット制御ユニットによれば、ペンダント部においてロボットの運転中とティーチング作業中とで、それぞれ対応する画面表示を行うことができる。このため、ロボットのティーチング操作と、ロボット運転中の操作とを同じペンダント部から行うことが可能になり、簡便で迅速なティーチング作業、運転状況の把握、運転中のロボットへの運転制御信号の入力等を行うことが可能になる。また、従来必要であった操作盤が必要なくなるため、省コスト、省資源化に貢献できる等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロボット制御ユニットにおけるペンダント部のブロック説明図である。
【図2】本発明のロボット制御ユニットを含むねじ締めロボット系の全体斜視説明図である。
【図3】ねじ締めロボットの斜視説明図である。
【図4】(a)は本発明のロボット制御ユニットにおけるペンダント部の要部拡大正面図であり、(b)はその側面図である。
【図5】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図6】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図7】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図8】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図9】ペンダント部の一表示画面を示す説明図である。
【図10】ねじ締めロボットによりワークにねじを締め付ける時の所定の通過点、推力・速度の変更点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ねじ締めロボット
2 ロボット制御ユニット
3 ロボットコントローラ
4 ペンダント部
Y1,A1,Z1 可動部
T1 ねじ締めツール
F1 ねじ供給装置
Claims (1)
- 予め設定されたプログラムに従ってロボットの制御を行うロボットコントローラと、このロボットコントローラに接続されるペンダント部とを有するロボット制御ユニットにおいて、
前記ペンダント部は、
表示手段とタッチパネルとを積層して構成される入力表示部と、
前記ロボットコントローラとの情報の授受を制御する演算処理部と、
前記演算処理部からの指示を受け、ロボットの運転中は、タッチパネルに対応したロボットへの運転制御信号入力用のスイッチ要素と、ロボットコントローラから送られる情報に基づいたロボット運転状況表示項目とから構成される運転状況表示画面を前記表示手段に表示し、またロボットの教示作業中は、タッチパネルに対応した教示データ入力用のスイッチ要素と、ロボット制御用の教示データ表示項目とから構成されるティーチング画面を前記表示手段にそれぞれ表示する表示制御部と
を備えていることを特徴とするロボット制御ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124747A JP2004334258A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | ロボット制御ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family
ID=33502198
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018220988A1 (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-06 | 日東精工株式会社 | 回転工具の動作条件設定支援方法、同動作条件設定支援方法を実現させるプログラム並びに同プログラムを備える自動ねじ締め装置 |
CN109128794A (zh) * | 2018-11-01 | 2019-01-04 | 苏州思驼众自动化技术有限公司 | 一种对半自动生产组装打螺丝工艺的引导与防错*** |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003124747A patent/JP2004334258A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2018220988A1 (ja) * | 2017-05-31 | 2020-04-09 | 日東精工株式会社 | 回転工具の動作条件設定支援方法、同動作条件設定支援方法を実現させるプログラム並びに同プログラムを備える自動ねじ締め装置 |
JP7022124B2 (ja) | 2017-05-31 | 2022-02-17 | 日東精工株式会社 | 回転工具の動作条件設定支援方法、同動作条件設定支援方法を実現させるプログラム並びに同プログラムを備える自動ねじ締め装置 |
CN109128794A (zh) * | 2018-11-01 | 2019-01-04 | 苏州思驼众自动化技术有限公司 | 一种对半自动生产组装打螺丝工艺的引导与防错*** |
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