JP2004209888A - 突板複合シート、装飾品、およびそれらの製造方法 - Google Patents

突板複合シート、装飾品、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装飾品の生産効率をさらに高めることができ、かつ、装飾面の品位をさらに向上することのできる突板複合シート、装飾品、およびそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】突板複合シート20は、天然木を薄くスライスした突板21と、その表面に形成された透明な下地用接着剤層22と、突板21の下地用接着剤層22が形成された表面側に透明なホットメルト接着剤層23を介して接着された透明なプラスチックシート24とを有し、突板21の裏面には裏面シート26が接着剤27により貼着されている。下地用接着剤層22は、突板21の表面に含浸された状態にある。突板複合シート20をベース体表面に接着固定した後、プラスチックシート24の表面側に表面コーティング層41を形成し、その表面に研磨加工を施す。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製あるいは金属製のベース体に木質の装飾を施すための突板複合シート、装飾品、突板複合シートの製造方法、および装飾品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車内の内装パネル、音響機器のパネル、あるいはオルゴールのボックス部分などを構成する部材に高級感を付与する方法として、これらの部材表面を木目模様に仕上げる方法がある。但し、これらの部分に木製品を用いると、木目の奇麗な部分しか使うことができないため、コストが著しく増大してしまう。
【0003】
そこで、木製のベース体の表面に木材を薄くスライスしてなる突板を接着する方法が行われてる。この方法では、ベース体に対して接着剤を塗布した後、このベース体に対して突板を被せ、しかる後に、突板の上からアイロンをかけて突板をベース体の表面に密着させ、接着する。従って、表面からは突板しか見えないので、ベース体表面の木目模様の良否にかかわらず、見栄えのよい装飾品を製造できる。
【0004】
また、突板の表面に透明な表面保護コーティング層を分厚く形成して、突板を保護するとともに突板の凹凸を目立たなくすることがある。
【0005】
さらに、突板の表面に透明なプラスチックシートを表面保護層として接着した突板複合シートを用いることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−223206号公報(第2頁−第3頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の装飾品に対しては、品位が高いことが要求されるとともに、安価であることも強く要求される。
【0008】
しかしながら、突板の表面に透明な表面保護コーティング層を形成する方法では、400μm以上の分厚い表面保護コーティング層が必要であり、このような分厚い表面保護コーティング層を形成するには、コーティング剤を何回も重ねて塗布する必要がある。このため、生産効率が低いという問題点がある。また、表面保護コーティング層を分厚く形成すると、高い寸法精度を得ることができず、装飾品を所定位置に嵌め込むことができなくなるという問題点もある。
【0009】
これに対して、透明なプラスチックシートを表面保護層として接着した突板複合シートを用いた場合には、生産効率も高く、かつ、高い寸法精度を得ることができるが、温度変化や湿度変化によって突板が伸縮し、突板とプラスチックシートとの間で位置ずれを起こしやすいという問題点がある。また、装飾品の表面を鏡面研磨することにより、品位を高めることがあるが、表面保護層がプラスチックシートで形成されている場合には研磨が困難であるという問題点がある。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明では、装飾品の生産効率をさらに高めることができ、かつ、装飾面の品位をさらに向上することのできる突板複合シート、それを用いた装飾品、およびそれらの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、プラスチックあるいは金属からなるベース体に貼着される突板複合シートであって、少なくとも、木材を薄くスライスしてなる突板と、該突板の表面に形成されて当該突板の少なくとも表層に含浸された状態の下地用接着剤層と、前記突板の前記下地用接着剤層が形成された表面側にホットメルト接着剤層を介して接着されたプラスチックシートとを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る突板複合シートを用いた装飾品では、突板複合シートがベース体の表面に貼着され、かつ、前記プラスチックシートの表面に透明な表面保護コーティング層が形成される。
【0013】
本発明において、前記表面保護コーティング層の表面が研磨加工されていることが好ましい。
【0014】
本発明では、突板複合シートの段階で突板の表面側にプラスチックシートが形成されているので、このプラスチックシートを表面保護層の一部として用いることができる。このため、プラスチックシートの表面に表面保護コーティング層を形成する場合に、表面保護コーティング層が薄くてよい。従って、コーティング剤の塗布回数を減らすことができるので、装飾品の生産効率を向上することができる。また、表面保護コーティング層が薄いので、高い寸法精度を得ることができ、装飾品を所定位置に嵌め込む際に支障がない。さらに、プラスチックシートの表面に表面保護コーティング層を形成しておけば、この表面保護コーティング層については研磨加工も可能であるため、表面を研磨加工して品位の高い装飾品を製造することができる。さらにまた、突板の下地用接着剤層が形成されている面側にホットメルト接着剤層を介してプラスチックシートを接着してあるが、下地用接着剤層は突板に含浸された状態にあるので、突板とプラスチックシートとの密着性が高い。また、突板に下地用接着剤層が含浸されているので、温度変化や湿度変化があっても、突板に伸縮が起こらない。従って、突板とプラスチックシートとの間に位置ずれが発生しない。それ故、表面保護用コーティング層の形成や、表面保護用コーティング層への研磨によって突板表面などの凹凸を完全に消失させた場合でも、プラスチックシートがずれないので装飾品の表面に突板表面の凹凸などが出てくることがない。よって、装飾面の品位が高く、かつ、高い品位が長期間にわたって維持される。
【0015】
本発明において、前記プラスチックシートは、例えば、透明プラスチックシートである。
【0016】
本発明において、前記プラスチックシートとして、着色プラスチックシートを用いることがある。このような着色プラスチックシートを用いると、突板の色合いとプラスチックシートの色合いとを組み合わせることができ、かつ、突板の色合いをカバーすることもできる。それ故、各種意匠の装飾品を安価に製造することができる。
【0017】
本発明において、前記プラスチックシートとしては、模様が印刷されたプラスチックシートを用いてもよい。木質の装飾品では、木目や節に対して数、色、形状などが所定の条件を満たすように要求される場合があり、このような要求に対しては、天然の木材をスライスして得た突板で対応しきれない場合がある。このような場合には、プラスチックシートに木目や節を印刷しておけば、木目や節に対する数、色、形状などの条件を満たすことができるので、装飾品を安価に製造できる。
【0018】
本発明に係る突板複合シートを製造するには、木材を薄くスライスしてなる突板の表面に下地用接着剤を塗布して当該突板の少なくとも表層に前記下地用接着剤を含浸する一方、ホットメルト接着剤層が形成されたプラスチックシートを前記突板の前記下地用接着剤層が形成されている表面側に前記ホットメルト接着剤層を介して熱圧着することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る突板複合シートを用いた装飾品を製造するには、プラスチックあるいは金属からなるベース体に対して接着剤を塗布する第1の工程と、該ベース体に対して前記プラスチックシートを表面に向けて前記突板複合シートを被せる第2の工程と、変形可能な加圧シートを介して区画された減圧室および加圧室のうち、減圧室内に、前記ベース体に前記突板複合シートを被せたワークを配置した状態で当該減圧室内を減圧する一方、前記加圧室内に加熱流体を供給することにより、前記加圧シートによって前記減圧室内の前記ワークにおいて前記突板複合シートを前記ベース体表面側に密着した状態に貼り付ける第3の工程と、前記プラスチックシートの表面に透明な表面保護コーティング層を形成する第4の工程とを行う。この方法では、突板複合シートをベース体の表面側に接着した装飾品を製造するにあたって、減圧室で突板複合シートとベース体との間から空気を抜いて突板複合シートとベース体とを密着させた後、加圧室から加圧シートを介して突板複合シートの表面にプレス加工を施す。あるいは、加圧室から加圧シートを介して突板複合シートの表面にプレス加工を施しながら、減圧室を減圧して突板複合シートとベース体との間から空気を抜いて突板複合シートとベース体とを密着させる。その結果、加圧シートはベース体の表面の形状にならって変形し、突板複合シートにはベース体の表面に沿って均一にプレス加工が施される。それ故、突板複合シートの表面から側面にかけてアイロンをかけて突板複合シートとベース体とを接着する方法と違って、ベース体の表面から側面にかけて突板複合シートを接着するのに多大な手間がかからない。しかも、ベース体はプラスチック製あるいは金属製であるので、成形などの方法によって任意の形状のものを安価に製造できる。
【0020】
本発明において、前記表面保護コーティング層の最表層に研磨加工を施す第5の工程を行うことが好ましい。
【0021】
本発明は、前記ベース体のうち前記突板複合シートを接着する領域が、立体形状あるいは凹凸模様を有している場合に効果的である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明を適用した装飾品の製造方法を説明する。
【0023】
図1(A)、(B)、(C)、(D)は、本形態に係る装飾品の製造方法を示す工程図である。図2(A)、(B)はそれぞれ、本形態に係る装飾品の製造方法に用いる突板複合シートの説明図、およびこの突板複合シートの構成要素を示す説明図である。図3(A)、(B)はそれぞれ、本形態に係る装飾品の製造方法に用いる突板シートを木材からスライスして得た様子を示す説明図、およびこの突板を染色した着色突板シートの説明図である。図4(A)、(B)、(C)、(D)は、本形態に係る装飾品の製造方法で行う各工程のうち、真空プレス機内で行う工程を示す工程断面図である。
【0024】
[装飾品の構成]
図1(A)において、本形態では、ABS樹脂などのプラスチック成形品、あるいはマグネシウムやアルミニウムからなる金属成形品からなるベース体10の表面側に、図2(A)、(B)を参照して後述する突板複合シート20を接着して木目模様を付した後、その表面に表面保護コーティング層を形成し、さらに、この表面保護コーティング層の表面に対しては鏡面研磨加工が施されている。ベース体10は、車の内外装パネルや部品、音響機器、パーソナルコンピュータなどといったOA機器、弱電製品、携帯電話機などの電子機器、スチール製家具、楽器、厨房機器、建設部材などのパネルを製造するためのもので、その表面11は平坦面になっているが、表面11から側面12にかけてはR形状になっている。
【0025】
[突板複合シートの構成]
本形態で用いた突板複合シート20は、図2(A)に示すように、天然木をたとえば0.25mmといった厚さに薄くスライスした突板21と、この突板21の表面に形成された透明な下地用接着剤層22と、突板21の下地用接着剤層22が形成された表面側に透明なホットメルト接着剤層23を介して接着された、厚さが例えば40μmの透明なプラスチックシート24とを有している。突板21の裏面には、不織布あるいは紙などからなる裏面シート26が接着剤27により貼着されている。
【0026】
ここで、下地用接着剤層22は、一部が突板21に含浸された状態にあって突板21の表層に染みこんでいる。
【0027】
本形態において、下地用接着剤層22あるいは接着剤27としては、酢酸ビニル系接着剤、ユリア系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、アクリル系接着剤、シアノ系接着剤、ポリエステル系接着剤などを用いることができる。
【0028】
ホットメルト接着剤層23としては、スチレン−イソブチレン系、スチレン−ブタジエン系、エチレン酢酸ビニルなどをブロックポリマーとして用いたものなどを用いることができる。
【0029】
プラスチックシート24としては、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、セロハンシート、アセテートシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリスチレンシート、ポリエステルシート、ナイロンシート、サランシート、アクリルシートなどを用いることができる。
【0030】
このように構成した突板複合シート20を製造するには、図2(A)、(B)に示すように、まず、木材を薄く切削してなる突板21の裏面に裏面シート26を接着剤27により貼着する一方、突板21の表面に熱可塑性あるいは熱硬化性の下地用接着剤層22を形成する一方、ホットメルト接着剤層23が形成されたプラスチックシート24を準備する。
【0031】
次に、ホットメルト接着剤層23を突板21の表面側に向けて熱圧着してプラスチックシート24をホットメルト層23および下地用接着剤層22を介して突板21に接着する。
【0032】
ここで、突板21は、染料を配合した着色液に浸漬した後、減圧して、着色液を突板21に含浸した後、乾燥処理を施して、突板21の木目模様を濃くしておくことがある。すなわち、原材料として用いた木材によって突板21の木目模様の濃さが変動するが、突板21に着色を行えば、図3(A)に示すように薄い木目が、図3(B)に示すように濃くなって、木目模様の濃さのばらつきを解消できる。従って、品質の安定した装飾品を安価に製造することができる。
【0033】
この場合、突板21に漂白処理を行った後、着色液によって着色してもよい。突板21を着色する前に漂白処理を行うと、漂白処理によって突板21に付いていたシミなどを消すことができる。
【0034】
[装飾品の製造方法]
このように構成した突板複合シート20を用いて装飾品を製造するには、まず、図1(B)に示すように、ベース体10の表面11から側面12にかけて熱硬化性あるいは熱可塑性の接着剤30を塗布する(第1の工程)。この接着剤30としては、酢酸ビニル系接着剤、ユリア系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、アクリル系接着剤、シアノ系接着剤などを用いることができる。
【0035】
次に、図1(C)に示すように、ベース体10の表面側に対して突板複合シート20を被せ、この状態で突板複合シート20の表面をベース体10の表面11および側面12に沿って軽くなぞって位置合わせを行う(第2の工程)。
【0036】
次に、図3(A)に示すように、ベース体10の表面側に対して突板複合シート20を被せたワーク1を真空プレス機50にかける。この真空プレス機50では、シリコンゴムシートなどからなる変形可能な加圧シート53を介して減圧室51と加圧室52とが上下に区画形成されており、減圧室51内のステージ54上に、ベース体10の表面11側に突板複合シート20を被せたワーク1を載置する。減圧室51において、その下面55には多数の吸引孔551が形成されており、これらの吸引孔551は、共通の吸引経路56を介して真空ポンプ57に接続されている。また、加圧室52には、ヒータ581を内蔵の加熱空気供給装置58が接続されており、この加熱空気供給装置58は、ヒータ581で加熱した空気を高圧で加圧室52内に供給可能である。
【0037】
このような構成の真空プレス機50において、第3の工程を行なう。本形態では、第3の工程として、まず、図3(B)に示すように、真空ポンプ57を作動させて減圧室51内を減圧する。このとき、加圧シート53は、下方に移動した状態にある。その結果、突板複合シート20とベース体10との間から空気が除去されるとともに、加圧シート53が減圧室51の方に引っ張られて突板複合シート20に被さった状態になり、突板複合シート20はベース体10の表面11および側面12に密着した状態となる。
【0038】
次に、加熱空気供給装置58から加圧室52内に対して、加熱した圧縮空気を供給する。その結果、加圧シート53は、図3(C)に示すように、減圧室51の側に膨らんで、たとえば数十kg/cmの圧力で突板複合シート20の表面11に密着して、この突板複合シート20をベース体10に向けて均一に加圧し、突板複合シート20は、ベース体10の表面11および側面12に均一に押し付けられる。また、突板複合シート20とベース体10との間において接着剤30は、加圧シート53を介して、たとえば温度が100℃以上にまで加熱される。それ故、突板複合シート20とベース体10とは、数分程度の加圧時間で接着剤30を介して接着される。
【0039】
なお、第3の工程では、ベース体10の形状によっては、最初に、加圧室52に加熱した圧縮空気を供給して加圧シート53を介して突板複合シート20の表面にプレス加工を施し、この状態で、減圧室51の内部を減圧して突板複合シート20とベース体10との間から空気を抜いて突板複合シート20とベース体10とを密着させてもよい。
【0040】
次に、図3(D)に示すように、減圧室51および加圧室52の双方を大気開放するとともに、加圧シート53を上方に移動させてから、ワーク1を真空プレス機50から取り出す。
【0041】
しかる後に、図1(D)に示すように、突板シート20の表面21に透明なコーティング剤40を塗布し、その後、コーティング剤40を固化させて、厚さが例えば200μmの表面保護コーティング層41を形成する(第4工程)。
【0042】
ここで用いられるコーティング剤40は、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、あるいはエポキシ系のコーティング剤である。
【0043】
次に、表面コーティング層41の表面をセーム皮などで鏡面研磨加工する(第5工程)。
【0044】
その結果、ワーク1は、ベース体10の表面に木目模様の突板複合シート20が接着された装飾品となり、このようなワーク1(装飾品)では、表面11からは突板複合シート20しか見えないので、ベース体10の材質にかかわらず、見栄えのよい木目を付した装飾品として利用できる。
【0045】
また、本形態では、ベース体10の表面11から側面12にかけて突板複合シート20を貼って立体的、三次元的に木目模様を付すといっても、減圧室51で突板複合シート20とベース体10との間から空気を抜いて突板複合シート20とベース体10とを密着させた後、加熱シートで突板複合シート20の表面11にプレス加工を施す。従って、突板複合シート20の表面11から側面12にかけてアイロンをかけて突板複合シート20とベース体10とを接着する方法と違って、ベース体10の表面11から側面12にかけて突板複合シート20を接着するのに多大な手間をかける必要がない。
【0046】
さらに、本形態の方法によれば、大量生産でなくて、装飾品を例え1個だけ製造するときでも安価に製造できるという利点がある。
【0047】
さらにまた、ベース体10は、プラスチック成形品あるいは金属成形品であるので、木製のベース体と違って、任意の形状のものを安価に製造できるという利点がある。
【0048】
また、本形態では、突板複合シート20の段階で突板21の表面側にプラスチックシート24が形成されているので、このプラスチックシート24を表面保護層の一部として用いることができる。このため、プラスチックシート24の表面に表面保護コーティング層41を形成する場合に、表面保護コーティング層41が薄くてよい。従って、コーティング剤40の塗布回数を減らすことができるので、装飾品の生産効率を向上することができる。
【0049】
また、表面保護コーティング層41が薄いので、高い寸法精度を得ることができ、装飾品を所定位置に嵌め込む際に支障がない。
【0050】
さらに、プラスチックシート24の表面に表面保護コーティング層41を形成しておけば、この表面保護コーティング層41については研磨加工も可能であるため、表面を研磨加工して品位の高い装飾品を製造することができる。
【0051】
さらにまた、突板21の下地用接着剤層22が形成されている面側にホットメルト接着剤層23を介してプラスチックシート24を接着してあるが、下地用接着剤層22は突板21の表面に含浸された状態にある。従って、突板21とプラスチックシート24との密着性が高い。また、突板21に下地用接着剤層22が含浸されているので、温度変化や湿度変化があっても突板21に伸縮が起こらない。このため、突板21とプラスチックシート24との間で位置ずれが発生することがない。それ故、表面保護用コーティング層41の形成や、表面保護用コーティング層41への研磨によって突板21表面などの凹凸を完全に消失させた場合でも、プラスチックシート24がずれないので装飾品の表面に突板表面などの凹凸が出てくることがない。よって、装飾面の品位が高く、かつ、高い品位が長期間にわたって維持される。
【0052】
(その他の実施の形態)
上記形態では、ベース体10としてプラスチック成形品を用いたが、ベース体10としてはアルミニウム製、アルミニウム合金製、マグネシウム製、マグネシウム合金製などの金属製のものを用いてもよい。この場合に、マグネシウム製のベース体10、マグネシウム合金製のベース体10であれば、アルミニウム製あるいはアルミニウム合金製のベース体10を用いた場合と比較して、より一層の軽量化を図ることができる。
【0053】
また、上記形態では、ベース体10の表面11から側面12にかけて突板複合シート20を貼って立体的、三次元的に木目模様を付す構成であったが、ベース体10の表面に凹凸模様が付されている場合でも、本発明を適用すれば、多大な手間をかけずに、その凹凸模様にならって突板複合シート20を接着することができる。
【0054】
さらに、上記形態では、プラスチックシート24として透明シートを用いたが、着色プラスチックシートを用いてもよい。このような着色プラスチックシートを用いると、突板21の色合いとプラスチックシート24の色合いとを組み合わせることができ、かつ、突板21の色合いをカバーすることもできる。それ故、各種意匠の装飾品を安価に製造することができる。
【0055】
また、プラスチックシート24としては、模様が印刷されたプラスチックシートを用いてもよい。木質の装飾品では、木目や節に対して数、色、形状などが所定の条件を満たすように要求される場合があり、このような要求に対しては、天然の木材をスライスして得た突板21で対応しきれない場合がある。このような場合には、プラスチックシート24に木目や節を印刷しておけば、木目や節に対する数、色、形状などの条件を満たすことができるので、装飾品を安価に製造できる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、突板複合シートの段階で突板の表面側にプラスチックシートが形成されているので、プラスチックシートの表面に表面保護コーティング層を形成する場合に、表面保護コーティング層が薄くてよい。従って、コーティング剤の塗布回数を減らすことができるので、装飾品の生産効率を向上することができる。また、表面保護コーティング層が薄いので、高い寸法精度を得ることができ、装飾品を所定位置に嵌め込むのに支障がない。さらに、表面保護コーティング層については研磨加工も可能であるため、表面を研磨加工して品位の高い装飾品を製造することができる。さらにまた、下地用接着剤層は突板の表面に含浸された状態にあるので、突板とプラスチックシートとの密着性が高い。また、突板に下地用接着剤層が含浸されているので、温度変化や湿度変化が起こっても突板に伸縮が起こらない。従って、突板とプラスチックシートとの間に位置ずれが発生しない。それ故、表面保護用コーティング層の形成や、表面保護用コーティング層への研磨によって突板表面などの凹凸を完全に消失させた場合でも、プラスチックシートがずれないので装飾品の表面に突板表面などの凹凸が出てくることがない。よって、装飾面の品位が高く、かつ、高い品位が長期間にわたって維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)はそれぞれ、本発明を適用した装飾品の製造方法を示す工程図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ、本形態に係る装飾品の製造方法に用いる突板複合シートの説明図、およびこの突板複合シートの構成要素を示す説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、本形態に係る装飾品の製造方法に用いる突板シートを木材からスライスして得た様子を示す説明図、およびこの突板を染色した着色突板シートの説明図である
【図4】(A)〜(D)はそれぞれ、本発明を適用した装飾品の製造方法で行う各工程のうち、真空プレス機内で行う工程を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 ワーク(装飾品)
10 ベース体
11 ベース体の表面
12 ベース体の側面
20 突板複合シート
21 突板
22 下地用接着剤層
23 ホットメルト接着剤層
24 プラスチックシート
26 裏面シート
27 接着剤
30 接着剤
40 コーティング剤
41 表面保護コーティング層
50 真空プレス機
51 減圧室
52 加圧室
53 加圧シート
54 ステージ
55 減圧室の下面
56 共通の吸引経路
57 真空ポンプ
58 加熱空気供給装置
551 吸引孔
581 ヒータ

Claims (10)

  1. プラスチックあるいは金属からなるベース体に貼着される突板複合シートであって、
    少なくとも、木材を薄くスライスしてなる突板と、該突板の表面に形成されて当該突板の少なくとも表層に含浸された状態の下地用接着剤層と、前記突板の前記下地用接着剤層が形成された表面側にホットメルト接着剤層を介して接着されたプラスチックシートとを有することを特徴とする突板複合シート。
  2. 請求項1において、前記プラスチックシートは、透明プラスチックシートであることを特徴とする突板複合シート。
  3. 請求項1において、前記プラスチックシートは、着色プラスチックシートであることを特徴とする突板複合シート。
  4. 請求項1において、前記プラスチックシートは、模様が印刷されたプラスチックシートであることを特徴とする突板複合シート。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに規定する突板複合シートがベース体の表面に貼着され、かつ、前記プラスチックシートの表面に透明な表面保護コーティング層が形成されていることを特徴とする装飾品。
  6. 請求項5において、前記表面保護コーティング層の表面は、研磨加工されてなることを特徴とする装飾品。
  7. プラスチックあるいは金属からなるベース体に貼着される突板複合シートの製造方法であって、
    木材を薄くスライスしてなる突板の表面に下地用接着剤を塗布して当該突板の少なくとも表層に前記下地用接着剤を含浸する一方、ホットメルト接着剤層が形成されたプラスチックシートを前記突板の前記下地用接着剤層が形成されている表面側に前記ホットメルト接着剤層を介して熱圧着することを特徴とする突板複合シートの製造方法。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに規定する突板複合シートを用いた装飾品の製造方法であって、
    プラスチックあるいは金属からなるベース体に対して接着剤を塗布する第1の工程と、該ベース体に対して前記プラスチックシートを表面に向けて前記突板複合シートを被せる第2の工程と、変形可能な加圧シートを介して区画された減圧室および加圧室のうち、減圧室内に、前記ベース体に前記突板複合シートを被せたワークを配置した状態で当該減圧室内を減圧する一方、前記加圧室内に加熱流体を供給することにより、前記加圧シートによって前記減圧室内の前記ワークにおいて前記突板複合シートを前記ベース体表面側に密着した状態に貼り付ける第3の工程と、前記プラスチックシートの表面に透明な表面保護コーティング層を形成する第4の工程とを有することを特徴とする装飾品の製造方法。
  9. 請求項8において、前記表面保護コーティング層の最表層に研磨加工を施す第5の工程を有することを特徴とする装飾品の製造方法。
  10. 請求項8または9において、前記ベース体のうち前記突板複合シートを接着する領域は、立体形状あるいは凹凸模様を有していることを特徴とする装飾品の製造方法。
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