JP2004208593A - 苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【構成】下方に尖ったくちばし状の苗植付け具4と、該苗植付け具4を昇降する昇降機構Aと、くちばし状の苗植付け具4の下部を開閉する開閉機構Bを備えた苗植付け装置Cを設け、前記苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し昇降軌跡T下端で下部を開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出し苗を圃場に植付けるよう前記苗植付け具4が動作する構成とした苗移植機において、前記苗植付け具4が苗を植付けて上昇するときに植付け具4の下方を横切るように動作して圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出す苗払い装置50を設けた構成とする。
【選択図】図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、畑用の苗移植機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下記特許文献1に示されるように、記載下方に尖ったくちばし状の苗植付け具と、該苗植付け具を昇降する昇降機構と、くちばし状の苗植付け具の下部を開閉する開閉機構を備えた苗植付け装置を設け、前記苗植付け具が下降して下部が圃場の表土に突入し昇降軌跡下端で下部を開放して苗植付け具内に受け入れた苗を圃場に放出し苗を圃場に植付けるよう前記苗植付け具が動作する構成とした苗移植機がある。
【0003】
【特許文献1】特開2002−51617号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の苗移植機は、苗の種類、形態が異なっても植付ができるので、様々な品種の苗の植付に使用されている。しかし、キャベツやセルリ等の苗は、背丈が25〜50cm程度になり、このような背丈の高い苗を植付けるときは、苗植付け具が圃場に下降して開き作動し、そして、再び上昇して閉じ動作するときに、圃場に植付けた苗の葉部の上部が苗植付け具の中に残っていて、苗の葉部の上部を挟んだ状態で苗植付け具が閉じてしまうことがあった。すると、機体の走行によって、植付けた苗が機体走行方向に引っ張られて倒れたり、また、苗植付け具が次の苗を植え付けるときに、挟んだ苗の葉部を一緒に土中に植付てしまうことがあり、苗を適正な姿勢で植付けられないことがあった。そこで、本発明は、背丈が高い苗を適正な姿勢で植付けられるようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のような構成のものとした。
請求項1記載の発明は、下方に尖ったくちばし状の苗植付け具4と、該苗植付け具4を昇降する昇降機構Aと、くちばし状の苗植付け具4の下部を開閉する開閉機構Bを備えた苗植付け装置Cを設け、前記苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し昇降軌跡T下端で下部を開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出し苗を圃場に植付けるよう前記苗植付け具4が動作する構成とした苗移植機において、前記苗植付け具4が苗を植付けて上昇するときに植付け具4の下方を横切るように動作して圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出す苗払い装置50を設けたことを特徴とする苗移植機としたものである。
【0006】
【作用】
請求項1記載の苗移植機は、下方に尖ったくちばし状の苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し、昇降軌跡T下端で苗植付け具の下部を開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出して、苗を圃場に植付ける。この後、苗植付け具4が上昇するときに、苗払い装置50が、植付け具4の下方を横切るように動作して圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出す。
【0007】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、上記構成としたものなので、背丈が高い苗を植付ける場合に、苗の葉部の上部を挟んだ状態で苗植付け具が閉じてしまうことがなくなり、適正な姿勢で植付けられるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態の一例である苗移植機を図面に示すとともに該図示例を以下に説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、エンジン5を配置した側を前とし、そして、機体前部側に向って機体後部に立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
【0009】
図示例の苗移植機は、下方に尖ったくちばし状の苗植付け具4と、該苗植付け具4を昇降する昇降機構Aと、くちばし状の苗植付け具4の下部を開閉する開閉機構Bを備えた苗植付け装置Cを設け、前記苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し昇降軌跡Tの下端で下部を開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出し苗を圃場に植付けるよう前記苗植付け具4が動作する構成としたものである。
【0010】
また、この苗移植機は、自走しながら苗植付け具4が動作して苗を連続的に圃場に植え付けていけるものであり、そのために機体を自走させる走行装置1を備える。また、作業者が自走する機体の後を追従して歩いて機体の進路変更等の操縦をするための操縦ハンドル2を機体後部に備える。
【0011】
走行装置1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪6,6と、該車輪6,6の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪7,7とを備えたものとしている。
エンジン5の後部には、ミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9,9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9,9の回動中心にミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9,9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、機体後方側に延びてその後端側側方に突出する車軸10,10に伝動し、後輪6,6が駆動回転するようになっている。
【0012】
また、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11,11を一体的に取り付けていて、これがミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に上下軸心周りに回動自在に取り付けた天秤杆13の左右両側部と連結している。その連結部の右側はロッド14で連結し、左側は伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
【0013】
昇降用油圧シリンダ12が作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11,11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッドが機体前方に引っ込むと、左右の前記アーム11,11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、機体に対する畝上面高さを検出するセンサーSの検出結果に基づいて機体を畝上面高さに対して設定高さになるよう作動するよう構成しており、また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具の人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう作動する構成ともしている。
【0014】
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、前記天秤杆13が、その左右中央部の昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端と連結する上下軸心周りに回動して左右の伝動ケース9,9を互い違いに上下動させ機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサの検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動するよう構成している。
【0015】
前記左右前輪7,7は、エンジン5下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた前輪支持フレーム16の左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17,17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7,7は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。
【0016】
前記操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定した機体フレーム2bの後端部に取り付けている。機体フレーム2bは、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0017】
尚、上記走行装置1は、四輪構成としたものであるが、左右一対の駆動輪のみの2輪構成でもよいし、前輪の替わりに畝上面を転動する鎮圧輪としてもよい。また、クローラー式の走行装置としてもよい。
次に、苗植付け装置Cについて説明する。
【0018】
苗植付け装置Cは、下方に尖ったくちばし状で下部が前後に開閉可能な苗植付け具4と、該苗植付け具4を昇降する昇降機構Aと、くちばし状の苗植付け具4の下部を前後に開閉する開閉機構Bを備え、前記苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し昇降軌跡T下端で下部を前後に開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出し苗を圃場に植付けるよう苗植付け具4が動作する構成としている。
【0019】
昇降機構Aは、昇降駆動するリンク機構3により構成している。このリンク機構3は、ミッションケース8内から苗植付け具駆動用の動力を受けて伝動する伝動機構を内装する植付け伝動ケース18に装着している。図示例のように植付け伝動ケース18は、その前部がミッションケース8の後部に連結しそこから後斜め上方に延びる第一ケース部18aと、この第一ケース部18aの上部左側部に固定され左側方に延びる第二ケース部18bと、その第二ケース部18bの左端部に固定され後斜め下方に延びる第三ケース部18cと、その第三ケース部18cの下端部外側部に固定され左側方に延びる第四ケース部18dと、その第四ケース部18dの左端部に固定され後方水平状に延びる第五ケース部18eを有するものとしている。これら第一ケース部18a〜第五ケース部18e内にリンク機構3を昇降駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。なお、第一ケース部18a内に内装した伝動機構には、リンク機構3及び苗植付け具4をその昇降動最上位の位置で或はその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、リンク機構3及び苗植付け具4の昇降動を停止させるクラッチ機構とを備える。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付け具4による苗植付株間が変更調節されるようになっている。
【0020】
そして、リンク機構3は、苗植付け具4の前側の開閉支点となる軸19の左右中間部に回動自在に連結する第一昇降アーム20と、苗植付け具4の後側の開閉支点となる軸21の左側部に回動自在に連結する第二昇降アーム22とを備える。そして、第一昇降アーム20の後端部は、第三ケース部18cの上部側後部に突出する取付部に揺動自在に取り付けた第一揺動アーム23の下端部と回動自在に連結し、第二昇降アーム22の後端部は、第五ケース部18eの上部に突出する取付部に揺動自在に取り付けた第二揺動アーム24の下端部と回動自在に連結する。また、第一昇降アーム20の中間部は、第三ケース部18cの下部右側部から突出し駆動回転する第一駆動軸25に固定されて駆動回転する第一駆動アーム26の先端部と回動自在に連結し、第二昇降アーム22の中間部は、第五ケース部18cの後部右側部から突出し駆動回転する第二駆動軸27に固定されて駆動回転する第二駆動アーム28の先端部と回動自在に連結する。従って、第一駆動アーム26と第二駆動アーム28とが植付け伝動ケース18内の伝動機構によって動力が伝達されて駆動回転すると、第一昇降アーム20と第二昇降アーム22とが揺動しながら昇降動し、その結果、苗植付け具4の下端部が側面視で上下に長い略楕円形状の昇降軌跡Tで昇降動する。また、第一駆動アーム26と第二駆動アーム28とは、共に、左側方から見て反時計回りに回転して苗植付け具4の下端部が左側方から見て反時計回りに略楕円形状の軌跡Tで昇降回動する。従って、作業走行しながら苗植付け具4が上記回転方向で前記軌跡Tを描くように昇降回動すると、軌跡Tの下端部で苗植付け具4の下端部が圃場の畝Uの土壌中に付き刺さったとき、苗植付け具4が畝Uに対して前後に大きくずれないようになり、前後に大きく植え跡を残さずに適確な姿勢で苗を植付けることができる。なお、くちばし状の苗植付け具4は、その昇降動最下位まで下降すると前後に開いて苗植付け具4内の苗を圃場の畝Uの表土中に放出する。
【0021】
苗植付け具4は、下方に向かって尖ったくちばし状に形成したもので前後に開閉可能に構成している。このくちばし状部の前側部分である前側くちばし部4Fは、その上部側が後方にアーム状にのびてその先端部が苗植付け具4の後側の開閉支点となる軸21に回動自在に連結し、くちばし状部の後側部分である後側くちばし部4Bは、その上部側が前方にアーム状にのびてその先端部が苗植付け具4の前側の開閉支点となる軸19に回動自在に連結する。そして、前側くちばし部4F上部の後方にのびるアーム状部と後側くちばし部4B上部の前方にのびるアーム状部とは、それぞれ前側の軸19と後側の軸21との前後中央位置に設けた長孔に横軸方向の軸部を有するナット29を嵌めて連結し、前側くちばし部4Fと後側くちばし部4Bの一方側は他方側の動作に連動して回動し両者が前後に開閉動作するようになっている。また、前側くちばし部4Fと後側くちばし部4Bとは付勢部材としてのスプリング30にて苗植付け具4を閉じる方向に回動するよう付勢して互いに連結している。
【0022】
そして、苗植付け装置Cには、前側くちばし部4Fと後側くちばし部4Bとを、互いに前後に離れる開き状態と互いに前後に近接する閉じ状態とに開閉動作させる開閉機構Bを設ける。図示例では、第二昇降アーム22と第二揺動アーム24とが互いに連結する軸部分に、苗植付け具4を開閉動作させるための開閉アーム31を回動自在に連結し、その開閉アーム31の先端部と後側くちばし部4Bの上部後部側とを連結ロッド32で連結している。開閉アーム31の中間部には、回転自在なローラ33を取付けていて、このローラ33が、苗植付け具4がその昇降動最下位まで下降したときに、第二昇降アーム22を回動自在に連結している第二駆動アーム28の先端部に固定の軸28aに固定したカム34の作用によって上方に押上げられて開閉アーム31が上方に回動し、後側くちばし部4Bを前側の回動支点である軸19周りに上方回動し、これとともに前側くちばし部4Fを後側の回動支点である軸21周りに上方回動して、苗植付け具4が開く。そして、苗植付け具4が上昇途中でカム34の開き作用から開放され苗植付け具4が閉じる。以上のように、上記のカム34、開閉アーム31、連結ロッド32が苗植付け具4の開閉機構Bを構成するが、公知の別の開閉機構を採用してもよい。
【0023】
苗植付け具4の上部には、苗植付け具4内に苗を案内する筒状の案内体35を取り付けている。この案内体35は、苗植付け具4の開閉支点となる軸19,21の前後間を案内体35の筒状体が上下に延びるように設けていて、該軸19,21に取り付けた支持部材にて該案内体35を支持している。また、筒状の案内体35の上端開口部を下端開口部より広く設けていて、苗が上方から案内体35内に入り込みやすいようにしている。
【0024】
また、この苗移植機は、上記植付け装置Cの苗植付け具4内に苗を供給するための苗供給装置Dを設けている。苗供給装置Dは、苗を収容する苗収容部36を複数設け、該苗収容部36を苗植付け具4の上方位置に一つづつ移動させる移動機構37を設け、苗植付け具4が昇降軌跡Tの上位に移動すると、苗収容部36の底部に設けた開閉可能な底蓋38が閉じ状態から開き状態に切替って苗収容部36内に収容させていた苗を落下させ、該落下する苗を苗植付け具4が上方から受け入れるように構成したものである。図示例では、苗収容部36は側面視カップ状の筒体に形成している。移動機構37は、軸心を上下方向に向けて配置した回転軸39の上部に円盤状の回転体40を取付け、該回転体40の外周に沿って等間隔に複数形成した孔のそれぞれに苗収容部36を取付けて、複数の苗収容部36を回転移動させている。苗収容部36の平面視回転移動領域の下方に上昇した苗植付け具4が位置するように配置している。また、回転軸39には間欠回転機構41を設けて、苗植付け具4の昇降動作に連動して苗収容部36を苗植付け具4の上方位置に間欠的に移動させるように構成している。具体的には、該間欠回転機構41をラチェット機構で構成し、該ラチェット機構を作動させるアーム42に、前記リンク機構3の第一揺動アーム23と一体的に揺動する苗供給装置駆動アーム43とを、連結ロッド44で連結して、苗植付け具4の昇降動作時の駆動アーム43の揺動によって上記ラチェット機構を設定角度回転させて回転軸39を間欠的に設定角度づつ回転させるように構成している。回転軸39は、前記伝動ケース18の第一ケース部18aの上部から後方に延びるように設けた支持フレーム45で支持させている。
【0025】
上記苗供給装置Dに苗を補給する作業者は、左右一側の車輪7,6後方の車輪通過跡上でハンドル2の側方、且つ、苗供給装置Dの斜め後方位置に立って歩行しながら苗を補給する。図示省略しているが、苗供給装置Dに補給する苗を予備的に置いておくための苗台を、苗補給作業時に作業者が立つ上記作業位置近傍の機体の適所に取付ける。
【0026】
この種の苗移植機には、苗植付け具4によって畝Uに植付けられた苗に対し左右から覆土し鎮圧する覆土鎮圧装置46が設けられる。図示例では、植付けられた苗の左右両側近傍の表土上を転動する左右の輪体46aを設けたもので、この左右の輪体46aは、機体フレーム2bに左右方向の軸心まわりに回動自在に前部を取付けた取付けフレーム47の後部側に回転自在に取付けていて、畝Uの表土面の対機体高さが変動しても左右の輪体46aがその変動に追従して上下動して表土面を転動するようになっている。また、非作業時の機体移動時に、左右の輪体46aが接地しない高さに支持するための支持フレーム48を、機体フレーム2bに対して上下動自在で且つ下降下限位置で係止されるように取付けて、該支持フレーム48の下端部を取付けフレーム47の後部に取付けている。この支持フレーム48に通した状態でウエイト49を取付けフレーム47の後部上に設置し、該ウエイト49の重量により調節された鎮圧力が付加されるようになっている。
【0027】
上記のように構成した図示例の苗移植機には、苗植付け具4が苗を植付けて上昇するときに植付け具4の下方を横切るように動作して圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出す苗払い装置50を設けている。
これにより、この苗移植機は、下方に尖ったくちばし状の苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し、昇降軌跡T下端で苗植付け具の下部を開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出して、苗を圃場に植付け、そして、この後、苗植付け具4が上昇するときに、苗払い装置50が、植付け具4の下方を横切るように動作して圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出すものとなる。よって、背丈が高い苗を植付ける場合に、苗の葉部の上部を挟んだ状態で苗植付け具が閉じてしまうことがなくなり、適正な姿勢で植付けられるようになる。
【0028】
図示例の苗払い装置50の具体構成を以下に説明する。苗払い装置50は、機体側面視でL字状に形成された苗払い体51を備え、この苗払い体51の機体前方に延びる下部が、左右方向内側に揺動して苗払い作用する作用部51aとなる。苗払い体51の作用部51aの後部から上方にのびるアーム部51bが形成され、その上端部に取付ボス52を一体的に設け、この取付ボス52を機体フレーム2bに設けた取付軸53の軸心が前後方向に向く軸部に回動可能に取り付ける。また、苗払い体51と機体フレーム2bとの間に引張りスプリング54を取り付けて苗払い体51が左右方向外側方に向けて回動する方向に付勢する。更に、引張りスプリング54により付勢されて左右方向外側方に向けて回動しようとするのを止めるストッパー55を設け、これにより、苗払い体51の左右方向外側方への回動が、植付け具4の昇降領域の外側方に位置する位置で止められる。そして、苗払い体51の上端部に設けた取付ボス52には、左右方向内側方に突出する連動アーム56を一体的に設け、一方、植付け具4の後部に作動アーム57を設け、苗植付け具4が苗を植付けて上昇するときに、作動アーム57が連動アーム56の下方から突き上げて上方回動させ、これにより、苗払い体51の下部が、植付け具4の動作と連動して、上昇する植付け具4の下方を横切るように動作し、圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出すように作用する。
【0029】
苗払い装置50は、植付け具4の昇降動作に連動して、上昇する植付け具4の下方を横切るように動作する構成としたので、植付株間の変更などにより、植付け具4の動作タイミングが変わっても、別途タイミング調節をすることなく、適確なタイミングで苗払い動作するものとなる。
【0030】
苗払い装置50は、植付け具4の昇降機構Aが機体の左右方向一方側寄りに設けられているのに対し、その左右方向反対側に設けられて、その側から左右方向内側に移動して植付け具4の下方を横切るように動作する構成としたものである。これにより、苗払い装置50を、植付け具4の昇降機構Aが設けられていない側の空間を効率よく利用し、植付け具4にできるだけ接近させてコンパクトに構成できるものとなる。
【0031】
苗払い体51を回動自在に取付けた取付部に対して、該取付部と苗払い作用部51aとの間を連結するアーム部51bを伸縮可能に構成して、苗払い作用部51aの上下位置を上下調節可能に設けることもできる。このように構成すると、苗植付深さが変更されても、苗払い作用部51aの高さを圃場面から適宜高さに調節できて、苗払い作用部51aが土中に突っ込んで作動しなくなることを適確に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗移植機の側面図。
【図2】苗移植機の平面図。
【図3】苗植付け装置の側面図。
【図4】苗植付け装置の平面図。
【図5】苗植付け具が開いた状態の苗植付け装置を示す側面図。
【図6】苗植付け具と苗払い装置の動作を示す背面図。
【符号の説明】
4:苗植付け具
50:苗払い装置
51:苗払い体
51a:苗払い作用部
Claims (1)
- 下方に尖ったくちばし状の苗植付け具4と、該苗植付け具4を昇降する昇降機構Aと、くちばし状の苗植付け具4の下部を開閉する開閉機構Bを備えた苗植付け装置Cを設け、前記苗植付け具4が下降して下部が圃場の表土に突入し昇降軌跡T下端で下部を開放して苗植付け具4内に受け入れた苗を圃場に放出し苗を圃場に植付けるよう前記苗植付け具4が動作する構成とした苗移植機において、前記苗植付け具4が苗を植付けて上昇するときに植付け具4の下方を横切るように動作して圃場に植付けられた苗の葉部の上部を植付け具4の中から払い出す苗払い装置50を設けたことを特徴とする苗移植機。
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