JP2004167208A - 電子レンジ用調理容器 - Google Patents

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向基 金
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Abstract

【課題】高周波加熱により蒸気を発生させ、この蒸気を用いて蒸かし調理が迅速に行えるようにする電子レンジ用調理容器を提供する。
【解決手段】内部に水を収容する高周波透過材の下部容器21と、下部容器21の底部から離隔されるように下部容器21の上端に縁部が載置され、蒸気が透過するように多数の小孔が形成される高周波遮断材の飲食物支持板22と、下部容器21を覆うように構成され、蒸気排出孔23aが形成される高周波遮断材の上部カバー23とを含んでなり、上部カバー23の下端が飲食物支持板22の縁部から所定間隔tだけ離隔して所定量の高周波がその間隔tを通して上部カバー23内に流入するように、上部カバー23の下端が下部容器21の上端に載置される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子レンジ用調理容器に係り、より詳しくは蒸気を用いる蒸かし調理ができるように電子レンジの調理室内に搭載される電子レンジ用調理容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子レンジはマグネトロンから調理室の内部に供給される高周波を用いて飲食物を調理する機器である。通常の電熱器具は飲食物の表面を加熱して調理を行うが、電子レンジは飲食物を内部から加熱する誘電加熱方式により調理を行う。すなわち、電子レンジはマグネトロンから供給される高周波が飲食物に含有されている水分の水分子を振動させて摩擦熱を発生させる方式で調理を行う。
【0003】
しかし、かかる電子レンジは、マグネトロンから発生した高周波で飲食物の水分子を振動させ、水分子の摩擦熱により飲食物を加熱する方式であるため、調理過程で飲食物に含まれている水分が損失して飲食物の味及び外形を変化させる欠点があった。また、このような調理原理のため、電子レンジは、飲食物に水分を供給しながら調理を行う通常の蒸かし調理を行い難い欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、高周波加熱により蒸気を発生させ、この蒸気を用いて蒸かし調理が迅速に行えるようにする電子レンジ用調理容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明は、内部に水を収容する高周波透過材の下部容器と、前記下部容器の底部から離隔されるように前記下部容器の上端に縁部が載置され、蒸気が透過するように多数の小孔が形成された高周波遮断材の飲食物支持板と、前記下部容器を覆うように構成され、蒸気排出孔が形成された高周波遮断材の上部カバーとを含んでなり、前記上部カバーの下端が前記飲食物支持板の縁部から所定間隔だけ離隔して所定量の高周波がその間隔を通して前記上部カバー内に流入するように、前記上部カバーの下端が前記下部容器の上端に載置される電子レンジ用調理容器を提供する。
【0006】
前記調理容器は、前記飲食物支持板の縁部を支持するため、前記下部容器の上端に沿って設けられる第1支持段部と、前記飲食物支持板の表面積よりも大きい断面積を有する前記上部カバーの下端を支持するため、前記第1支持段部よりも高い位置に前記下部容器の上端に沿って設けられる第2支持段部とをさらに含み、前記飲食物支持板及び前記上部カバーはそれぞれの端部で互いに離隔されるように前記下部容器の上端に支持される。
【0007】
前記飲食物支持板の縁部と前記上部カバーの下端との間の間隔は5mm以下と設定できる。
前記飲食物支持板には、球形飲食物を安定に位置させるため、所定深さを有する少なくとも一つの陥没部が形成できる。
前記飲食物支持板に形成された小孔の直径は1.8mmであり得る。
【0008】
また、本発明は、内部に水を収容し、高周波が透過するようになった下部容器と、前記下部容器の底部から離隔されるように前記下部容器内に設けられ、蒸気は通過するが高周波は遮断する飲食物支持板と、前記飲食物支持板とともに調理室を形成するように前記下部容器に結合され、高周波を遮断する上部カバーと、前記上部カバーと前記飲食物支持板との間の前記下部容器に設けられる高周波通過部とを含んでなる電子レンジ用調理容器を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明による調理容器が搭載される通常の電子レンジは、本体10の内部に、飲食物の調理のための調理室11と、各種の電気部品が内蔵される電装室12とが区画されている。また、本体10は、外部ケース13の内部に、調理室11を形成する内部ケース14が設けられることにより、内部が調理室11と電装室12とに区画される。
【0010】
調理室11の内部には、高周波で加熱すべき飲食物を搭載するため、底部に回転可能なトレイ15が設けられ、調理室11の下部(内部ケースの下部)にはトレイ15を回転させるためのモータ16が設けられている。電装室12内には、調理室11の内部に供給する高周波を発生させるためのマグネトロン17と、該マグネトロン17に高電圧を印加するための高圧トランス18とが設けられている。このような構成は、調理室11の内部のトレイ15に搭載される飲食物をマグネトロン17から供給される高周波を用いて調理を行うためのものである。
【0011】
一方、かかる電子レンジの調理室11内に搭載され蒸かし調理を行う調理容器20は図2及び図3に詳細に示されている。この調理容器20は、水が入れられる下部容器21と、該下部容器21の上部に載置される飲食物支持板22と、下部容器21の上部を覆う上部カバー23とを含む。
【0012】
下部容器21は、内部に収容された水が調理室11の内部に照射される高周波により加熱されるように、高周波の透過が可能な材質であるガラス、セラミック、耐熱性樹脂などからなり、飲食物支持板22及び上部カバー23は高周波の遮蔽が可能な金属材からなる。
【0013】
飲食物支持板22はその縁部に折曲されてなる支持部22aが下部容器21の上端に掛かり支持されるので、下部容器21の内側底面から離隔された状態を維持し、下部容器21の上端に安定に挿着される。また、飲食物支持板22には、高周波加熱により下部容器21の水から上昇する蒸気が通過できるようにするため、多数の小孔22bが形成されている。この際、小孔22bは、蒸気の通過は許しながらも高周波の通過は遮断するように、直径をおよそ1.8mm、相互間の離隔距離をおよそ1.8mmにすることが好ましい。また、図面に示されていないが、小孔22bは、1.8mm×9mmの長孔に形成することもできる。
【0014】
図3に示すように、飲食物支持板22は、卵のような球形の調理物が遊動なしに載置されるようにするため、その上面から所定深さに陥没した複数の陥没部22cを有する。この陥没部22cは、卵などを安定に支持するように、内面が球面に形成されることが好ましい。
【0015】
上部カバー23は飲食物支持板22に置かれた飲食物を覆うように下面が開放され、下端開放部が下部容器21の上端開放部とほぼ一致するサイズに形成されている。そして、上部カバー23の下端は、飲食物支持板22の縁部から所定間隔(t)だけ離隔された状態となるように、下部容器21の外郭上端に維持される。このため、下部容器21の縁部上端には、飲食物支持板22の縁部を支持する第1支持段部21aが設けられ、この第1支持段部21aの外側上部には、飲食物支持板22よりも大きい上部カバー23の下端を支持する第2支持段部21bが設けられている。この際、下部容器21の上端の支持段部は、飲食物支持板22の上端と上部カバー23の下端との間隔が5mm以内に維持されるように、第1支持段部21aと第2支持段部21bとの間の上下間隔(t)が5mm以内となるように形成されている。
【0016】
このような構成は、飲食物支持板22に載置された飲食物が飲食物支持板22の下部から上昇する蒸気により調理されるだけでなく、飲食物支持板22と上部カバー23との間の間隔(t)を通して上部カバー23の内部に流入する所定量の高周波によっても調理されるようにすることにより、より迅速で優れた調理効果を発揮するようにしたものである。ここで、飲食物支持板22と上部カバー23の下端との間の間隔(t)を5mm以内にしたのは、飲食物の蒸かし調理を行っているうち、制限された量の高周波が上部カバー23内に流入するようにして、蒸気を用いる蒸かし調理の特有の味を維持しながらも調理速度を速くするためである。
【0017】
また、上部カバー23の上部には、蒸気の排出は許しながらも高周波の流入は遮断する大きさに形成された多数の蒸気排出孔23aが形成されている。
【0018】
つぎに、本発明による電子レンジ用調理容器を用いる調理方法を説明する。
調理容器20を用いる蒸かし調理を行うとき、図3に示すように、下部容器21内に所定量の水を入れ、下部容器21の上部に飲食物支持板22を搭載し、この飲食物支持板22の上部に蒸かし調理対象物である飲食物を載置した後、上部カバー23で覆う。この状態の調理容器20を、図1に示すように、電子レンジの調理室11内に入れ調理の準備を完了する。
【0019】
この状態で電子レンジを作動させると、マグネトロン17から発生した高周波が調理室11の内部に供給され、調理室11の内部に供給された高周波が下部容器21を透過して下部容器21内の水を加熱する。したがって、下部容器21内では蒸気が発生し、この蒸気が飲食物維持板22の上部の飲食物を加熱して蒸かし調理を行う。この蒸かし調理のうち、本発明は、上部カバー23の下端と飲食物支持板22の縁部との間の間隔(t)を通して上部カバー23の内部に流入する所定量の高周波が飲食物を直接加熱するため、その分だけ飲食物の調理時間が短縮される。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電子レンジ用調理容器は、電子レンジの調理室の内部に照射される高周波を用いて蒸気を発生させることができるので、電子レンジを用いて飲食物の蒸かし調理が容易に行える効果がある。
【0021】
また、本発明による電子レンジ用調理容器は、高周波遮断材からなる飲食物支持板と上部カバーとの間の間隔を通して所定量の高周波が上部カバー内に流入するので、飲食物を蒸気と所定量の高周波とで同時に加熱することができる。よって、蒸かし調理の特有の味を生かしながらも調理時間を短縮させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による調理容器が搭載された電子レンジを示す断面図である。
【図2】図1に示す電子レンジ用調理容器を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す電子レンジ用調理容器を示す断面図である。
【符号の説明】
10 本体
11 調理室
12 電装室
15 トレイ
17 マグネトロン
18 高圧トランス
20 調理容器
21 下部容器
21a 第1支持段部
21b 第2支持段部
22 飲食物支持板
22b 小孔
22c 陥没部
23 上部カバー
23a 蒸気排出孔

Claims (14)

  1. 電子レンジ用調理容器において、
    内部に水を収容する高周波透過材の下部容器と、
    前記下部容器の底部から離隔されるように前記下部容器の上端に外縁部が載置され、蒸気が透過するように多数の小孔が形成された高周波遮断材の飲食物支持板と、
    前記下部容器を覆うように構成され、蒸気排出孔が形成された高周波遮断材の上部カバーとを含んでなり、
    前記上部カバーの下端が前記飲食物支持板の縁部から所定間隔だけ離隔されて所定量の高周波が前記間隔を通して前記上部カバー内に流入するように、前記上部カバーの下端は前記下部容器の上端に載置されることを特徴とする電子レンジ用調理容器。
  2. 前記調理容器は、
    前記飲食物支持板の縁部を支持するため、前記下部容器の上端に沿って設けられる第1支持段部と、
    前記飲食物支持板の表面積よりも大きい断面積を有する前記上部カバーの下端を支持するため、前記第1支持段部よりも高い位置に前記下部容器の上端に沿って設けられる第2支持段部とをさらに含み、
    前記飲食物支持板及び前記上部カバーはそれぞれの端部で互いに離隔されるように前記下部容器の上端に支持されることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理容器。
  3. 前記飲食物支持板の外縁部と前記上部カバーの下端との間の間隔は5mm以下と設定されることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理容器。
  4. 前記飲食物支持板には、球形飲食物を安定に位置させるため、所定深さを有する少なくとも一つの陥没部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理容器。
  5. 前記飲食物支持板に形成された小孔の直径は1.8mmであることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理容器。
  6. 前記飲食物支持板の外縁部と前記上部カバーの下端との間の間隔は5mm以下と設定されることを特徴とする請求項2に記載の電子レンジ用調理容器。
  7. 前記飲食物支持板に形成された小孔は1.8mm×9mmの長孔であることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用調理容器。
  8. 電子レンジ用調理容器において、
    内部に水を収容し、高周波が透過するようになった下部容器と、
    前記下部容器の底部から離隔されるように前記下部容器内に設けられ、蒸気は通過するが高周波は遮断する飲食物支持板と、
    前記飲食物支持板とともに調理室を形成するように前記下部容器に結合され、高周波を遮断する上部カバーと、
    前記上部カバーと前記飲食物支持板との間の前記下部容器に設けられる高周波通過部とを含んでなることを特徴とする電子レンジ用調理容器。
  9. 電子レンジ用調理容器において、
    内部に水を収容し、高周波遮断材からなる下部容器と、
    前記下部容器の底部から離隔して前記下部容器内に設けられ、高周波は遮断するが蒸気は通過するようにする材料からなる飲食物支持板と、
    前記飲食物支持板とともに調理室を形成するように前記下部容器に結合され、高周波を遮断する材料からなる上部カバーとを含んでなることを特徴とする電子レンジ用調理容器。
  10. 前記飲食物支持板は、蒸気が通過するように、多数の小孔をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の電子レンジ用調理容器。
  11. 前記下部容器は、
    前記飲食物支持板が載置される第1支持段部と、
    前記飲食物支持板の外縁部が前記上部カバーの外縁部と接触しないように、前記第1支持段部の上部に設けられ、前記上部カバーが載置される第2支持段部とを含むことを特徴とする請求項9に記載の電子レンジ用調理容器。
  12. 前記下部容器は、ガラス、樹脂、又は耐熱性樹脂からなることを特徴とする請求項9に記載の電子レンジ用調理容器。
  13. 前記飲食物支持板及び前記上部カバーは高周波遮断材からなることを特徴とする請求項9に記載の電子レンジ用調理容器。
  14. 前記飲食物支持板及び前記上部カバーは高周波遮断材からなることを特徴とする請求項13に記載の電子レンジ用調理容器。
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