JP2004148308A - セラミックハニカムフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハニカム構造体の多孔質隔壁は60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、多孔質隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きに関する下記式Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1))(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、Vn<は(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、Snはn番目の測定点における細孔径に対する累積細孔容積分布曲線の傾きである。)により表されるSnの最大値が0.7以上であること特徴とする。
【選択図】 図3
Description
また、特公昭61−54750号公報には、オープンポロシティ(気孔率)と平均細孔径を制御することによって、高捕集率タイプから低捕集率タイプまでのフィルタを設計しうることが開示されている。本公報での好適な具体例として、第20頁の図8の点1−5−6−4を結ぶ境界内に限定される帯域内のオープンポロシティ(気孔率)及び平均気孔径(平均細孔径)が記載されている。ここで点1はオープンポロシティ58.5容量%、平均気孔直径1μm、点5はオープンポロシティ39.5容量%、平均気孔直径15μm、点6は、オープンポロシティ62.0容量%、平均気孔直径15μm、点4はオープンポロシティ90.0容量%、平均気孔直径1μmである。(特許文献2参照。)
そして、特開平9−77573号公報には、気孔率55〜80%、平均細孔径が25〜40μmであり、かつ隔壁表面の細孔は5〜40μmの小孔と40〜100μmの大孔とよりなり、該小孔の数を該大孔の数の5〜40倍とすることにより、高捕集率、低圧損、かつ低熱膨張率の特性を合わせもつハニカム構造体の得られることが開示されている。(特許文献3参照。)
すなわち、本発明のセラミックハニカムフィルタは、セラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタにおいて、前記多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、前記多孔質隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きに関する下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Snはn番目の測定点における細孔径に対する累積細孔容積分布曲線の傾きである。)により表されるSnの最大値が0.7以上であることを特徴とする。
この時、Snの最大値は0.9以上であることが好ましく、気孔率は60〜80%、平均細孔径は15〜40μmであることが好適である。
さらに、隔壁を構成する多孔質セラミックスの主成分の化学組成がSiO2:42〜56質量%、Al2O3:30〜45質量%、MgO:12〜16質量%で、結晶相の主成分がコージェライトであることが好適である。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタは、セラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタであって、前記多孔質隔壁表面及び、多孔質隔壁内部に触媒が担持されているセラミックハニカムフィルタにおいて、前記多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、前記多孔質隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きに関する下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Snはn番目の測定点における細孔径に対する累積細孔容積分布曲線の傾きである。)により表されるSnの最大値が0.7以上であることを特徴とする。
更に、本発明の製造方法おいて、前記セラミックハニカムフィルタの多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、n番目の測定点における細孔径に対する前記隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きSnの最大値は0.7以上であり、前記累積細孔容積分布曲線の傾きSnは下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)である。)
により表されることが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタでは、セラミックハニカム構造体の多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、前記多孔質隔壁の累積細孔容積分布曲線(横軸を細孔径とし、縦軸を累積細孔容積とするグラフで表される曲線)の傾きに関する下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Snはn番目の測定点における細孔径に対する累積細孔容積分布曲線の傾きである。)により表されるSnの最大値が0.7以上であることから、高気孔率で細孔分布がシャープとなり、平均細孔径を中心とした細孔の占める割合が多くなるため、圧力損失が低く抑えられると共に、強度を高く維持することが可能となるのである。
ここで、累積細孔容積分布曲線の傾きSnを限定した理由について詳細に説明する。
セラミックハニカム構造体の強度は、気孔率や平均細孔径の影響を受けるのは勿論であるが、細孔径分布に依存することが大きく、特に細孔径分布をシャープに、言い換えれば細孔寸法の均一性を向上させることにより、気孔率が60%以上、平均細孔径15μm以上であっても高強度の得られることを見出したことによる。
ここで気孔率、平均細孔径、累積細孔容積分布曲線の傾きSnは、Micromeritics社製のオートポアIII9410を使用し、水銀圧入法で測定した。この水銀圧入法の測定においては、測定用の試料を測定セル内に収納し、セル内を減圧した後、水銀を導入して、加圧し、このときの圧力と試料内に存在する細孔中に押し込まれた水銀の体積との関係から、細孔径と累積細孔容積の関係を求める。即ち、加圧力が大きいと、より微細な細孔にまで水銀が浸入し、加圧力に相当する微細な細孔の容積が測定される。このため、測定は、細孔径の大きいものから小さいものへと順次行われる。このとき、測定開始から、(n―1)番目の測定点における細孔径Dn−1、及び累積細孔容積Vn-1と、(n)番目の測定点における細孔径Dnと累積細孔容積Vnから、上記式(1)により求めたものが、(n)番目の測定点における傾きSnとなる。Snの測定結果の一例を図3に示す。図3において点aは1番目と2番目の測定点における細孔径D1、D2及び累積細孔容積V1、V2から求めた傾きS1[(V1−V2)/(logD1−logD2)]であり、点bは2番目と3番目の測定点における細孔径D2、D3及び累積細孔容積V2、V3から求めた傾きS2[(V2−V3)/(logD2−logD3)]である。
ここで、図3に示す細孔径と累積細孔容積分布曲線の傾きSnの分布から、Snの最大値が0.7未満であると細孔径分布はブロードであり、Snの最大値が0.7以上であれば細孔径分布は非常にシャープであることが分かる。細孔径分布がブロードであると、強度低下の原因である粗大細孔や、微粒子が目詰まりして圧損増大の原因となる微細細孔の割合が低下し、低圧損と高強度の両立が困難なるが、Snの最大値が0.7以上になると、細孔径分布がシャープになるので、粗大細孔や微細細孔の割合が低下し、低圧損と高強度の両立が達成できる。これは、累積細孔容積分布曲線の傾きSnの最大値とA軸圧縮強度比の関係を示す図4からも明らかである。、ここで、A軸圧縮強度比とは従来品レベルを1.0として求めたA軸圧縮強度の相対値である。Snの最大値が0.7以上になると、A軸圧縮強度は従来品レベル(例えばSnの最大値が0.6以下の領域)の1.5以上となることが判る。すなわち、Snの最大値が0.7以上になると、セラミックハニカム構造体の機械的強度は著しく向上することが分かる。低圧力損失と高強度を両立させるためにはSnの最大値は0.9以上がより好ましい。
ここで、セラミックハニカム構造体の気孔率を60%以上に限定するのは、気孔率が60%未満ではフィルタの圧力損失が高くなるからである。また、気孔率が80%を越えると、フィルタの強度が低下すると共に、微粒子の捕集効率も悪くなるから気孔率60〜80%が好ましい範囲である。さらには、気孔率65%以上で、圧力損失を低減する効果が更に大きくなり、気孔率75%以下で、強度や捕集効率の低下をより小さくできることから気孔率65〜75%がより好ましい範囲である。
また、セラミックハニカム構造体中に存在する細孔の平均細孔径を15μm以上に限定するのは、平均細孔径が15μm未満ではフィルタの圧力損失が大きくなってしまうからである。また、平均細孔径が40μmを超える場合、フィルタの強度が低下すると共に、小さな微粒子が捕捉されずにフィルタを通過してしまい捕集効率が悪くなるから平均細孔径15〜40μmが好ましい範囲である。さらに、平均細孔径25μm以下で、強度や捕集効率の低下をより小さくできることから、平均細孔径15〜25μmが低圧力損失と高強度の相反する特性の両立が達成できるより好ましい範囲である。
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Snはn番目の測定点における細孔径に対する累積細孔容積分布曲線の傾きである。)により表されるSnの最大値が0.7以上であることから、前述したような低圧力損失、高捕集効率、高強度を両立させる効果が、隔壁表面及び隔壁内部に触媒が担持されているセラミックハニカムフィルタにおいて顕著であるからである。
まずセラミックス原料粉末に、平均粒径20μm以上、特に粒径20〜100μmが50%以上を占める粒度分布を有し略球状である造孔材を焼成後の気孔率が60〜80%得られる範囲で添加する。この混合物に対して必要に応じてバインダー、潤滑剤等の成形助剤を加え、混合した後、水を添加して可塑化可能なバッチを作製する。このバッチを公知の押出成形法によりハニカム構造の成形体を押出し成形した後、乾燥、造孔材の燃焼除去、焼成を行うことにより、隔壁中にセラミックス固有の微細孔及び造孔材燃焼除去後の痕跡により形成された細孔を有するハニカム構造体を得る。このように、セラミックスが元来保有する微細孔と粒径が揃った粒度分布を有し略球状である造孔材(平均粒径20μm以上で、粒径20〜100μmが50%以上を占める)により形成された細孔との組合せにより、隔壁の平均細孔径を15〜25μmの範囲に収めることが出来るのと共に、細孔分布のシャープさを示すSnの最大値を0.7以上とすることができる。特に、コージェライト質セラミックスは、元来1〜20μm程度の細孔径の細孔を有すので、平均粒径20μm以上で、粒径20〜100μmが50%以上を占める粒度分布を有し略球状である造孔材との組合せが有効である。また、造孔材が略球状であることから、隔壁中に形成される細孔も略球状となるため、細孔への応力集中を低減することができ、優れた機械的強度を有するセラミックハニカム構造体が得られるため、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタを製造することが可能となる。なお略球状の造孔材は、公知のグラファイト、小麦粉、樹脂粉末等であり、平均粒径20μm以上、粒径20〜100μmが50%以上を占める粒度分布となるように分級するのが好ましい。また樹脂粉末を使用する場合、その製造条件を調整して、平均粒径20μm以上、粒径20〜100μmが50%以上を占める粒度分布としても良い。
本発明の製造方法において、前記造孔剤は中空であることが好ましいのは、造孔材が中空であると、造孔材を燃焼除去する際に、容易に隔壁中から除去することが可能となり、燃焼除去の際に隔壁に亀裂が入るといった問題が起こり難く、製造歩留まりが向上するからである。
更に、本発明の製造方法において、前記セラミックハニカムフィルタの多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、n番目の測定点における細孔径に対する前記隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きSnの最大値は0.7以上であり、前記累積細孔容積分布曲線の傾きSnは下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)である。)
により表されることが好ましいのは、前述のように、低圧力損失と高強度を両立させることができるからである。
(n)番目の測定点の細孔径Dn=−4αcosθ/Pn (2)
ここで、αは、水銀の表面張力(4.935×10−4kg/cm)
θは、水銀と固体の接触角(130°)
Pnは、(n)番目の測定点の水銀の圧力である。
(n)番目の測定点の累積細孔容積Vn=vn/w (3)
ここで、vnは、(n)番目の測定点の試料中に圧入された試料の体積
wは、試料の重量である。
得られた細孔径と累積細孔容積との関係(累積細孔容積分布曲線)を図6に示す。図6から明らかなように、約10μm〜約100μmの間で、試験No.1のハニカム構造体の累積細孔容積分布曲線の傾きは非常に急峻であり、試験No.2のハニカム構造体の累積細孔容積分布曲線の傾きも急峻であるが、試験No.3のハニカム構造体の累積細孔容積分布曲線の傾きは比較的緩やかであった。
上記と図6に示す累積細孔容積分布曲線から、試験No.1〜3のハニカム構造体の累積細孔容積分布曲線の傾きSnを求めた。累積細孔容積分布曲線の傾きSnは、測定データのプロットから滑らかな近似曲線を求め、その曲線上で細孔径の微小間隔における微分値として求めるべきところであるが、図6から明らかなように、累積細孔分布曲線は十分に滑らかであり、且つ測定点は細孔径の対数(logDn)に関して実質的に等間隔であるので、(n)番目の測定点と(nー1)番目の測定点における細孔径、および累積細孔容積の測定値から、傾きSnを求めても、誤差は殆どない。このようにして得られた各ハニカム構造体の細孔径と累積細孔容積分布曲線の傾きSnの関係を図7に示す。図6の累積細孔容積分布曲線で傾きが最も急峻であった試験No.1のハニカム構造体のSnが最も高く、次に急峻であった試験No.2のハニカム構造体のSnが次に高く、傾きが比較的緩やかであった試験No.3のハニカム構造体のSnは最も小さかった。このようにして求めたSnの最大値、及び気孔率、平均細孔径の測定結果を表2に記載した。
この得られた多孔質セラミックハニカムフィルターのフィルター特性を、圧損、耐破損性について評価を行った。その結果を合せて表2に示す。
ここで、圧損は、圧力損失テストスタンドにて所定流量の空気を流した時のハニカムフィルター流入前と流出後の圧力損失で評価を行ない、実用的に許容される値以下の圧力損失であれば合格とし(○)で、実用的に許容される圧力損失を超える圧力損失であれば不合格とし(×)で示した。耐破損性は、A軸圧縮強度比の値で評価し、これが従来品レベルを1.0として、1.5以上の場合は合格とし(○)で、更に2.0以上の好ましい場合は(◎)で、1.5未満の場合には不合格とし(×)で示した。 また、A軸圧縮強度の測定は、社団法人自動車技術会が定める規格M505−87「自動車排気ガス浄化触媒用セラミックモノリス担体の試験方法」に従って行った。
そして、総合判定として、圧損、耐破損性のいずれも合格であるものを(○)、そのうち(◎)判定があった場合は(◎)、いずれか1つでも不合格であるものを(×)で評価した。
一方、表2に示す結果のうち、比較例の試験No.3に示すセラミックハニカムフィルタ及び製造方法は、累積細孔容積分布曲線における傾きSnの最大値が0.7を下まわったことから、圧力損失は合格したが、耐破損性は不合格(×)となり、総合判定は(×)であった。
以上、表2の結果から明らかなように、微粒子捕集用フィルターとして重要な特性である圧力損失、耐破損性の結果から総合判定すると、本発明の実施例である試験No.1〜2のセラミックハニカムフィルタ及び製造方法はいずれも圧損特性、耐破損性を満足するフィルタであった。
以下、実施例1と同様の方法により、端面の目封じを行った上で、フィルター特性である圧損と耐破損性についての測定を行った。その結果を表3に示す。なお、試験No.4〜8のいずれも、気孔率は65%、平均細孔径は20.8%、累積細孔容積分布曲線における傾きSnの最大値は1.12であった。
4:セラミックハニカムフィルタ、5:封じ材、
a:累積細孔容積分布曲線における1番目と2番目の測定結果から求めた傾きS1、
b:累積細孔容積分布曲線における2番目と3番目の測定結果から求めた傾きS2、
Claims (9)
- セラミック原料粉末に、平均粒径20μm以上、粒径20〜100μmが50%以上の粒度分布を有し略球状である造孔材を少なくとも添加した後、水等を添加混合したバッチを、押出成形後、乾燥、焼成して得られるセラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタにおいて、前記多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、n番目の測定点における細孔径に対する前記隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きSnの最大値は0.7以上であり、前記累積細孔容積分布曲線の傾きSnは下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)である。)
により表されることを特徴とするセラミックハニカムフィルタ。 - 前記多孔質隔壁の累積細孔分布容積曲線における傾きSnの最大値が0.9以上であることを特徴とする請求項1項記載のセラミックハニカムフィルタ。
- 前記多孔質隔壁の気孔率が60〜80%であることを特徴とする請求項1乃至2記載のセラミックハニカムフィルタ。
- 前記多孔質隔壁の平均細孔径が15〜40μmであることを特徴とする請求項1乃至3記載のセラミックハニカムフィルタ。
- 前記多孔質隔壁を構成する多孔質セラミックスの主成分の化学組成がSiO2:42〜56質量%、Al2O3:30〜45質量%、MgO:12〜16質量%で、結晶相の主成分がコージェライトであることを特徴とする請求項1乃至4記載のセラミックハニカムフィルタ。
- セラミック原料粉末に、平均粒径20μm以上、粒径20〜100μmが50%以上の粒度分布を有し略球状である造孔材を少なくとも添加した後、水等を添加混合したバッチを、押出成形後、乾燥、焼成して得られるセラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタであって、前記多孔質隔壁表面及び多孔質隔壁内部に触媒が担持されているセラミックハニカムフィルタにおいて、前記多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、n番目の測定点における細孔径に対する前記隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きSnの最大値は0.7以上であり、前記累積細孔容積分布曲線の傾きSnは下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)である。)
により表されることを特徴とするセラミックハニカムフィルタ。 - セラミック原料粉末に、造孔材、水等を添加混合したバッチを押出成形後、乾燥、焼成して得られるセラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記造孔材は、平均粒径20μm以上、粒径20〜100μmが50%以上を占める粒度分布を有し略球状であることを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
- 前記造孔剤は中空であることを特徴とする請求項7記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
- 前記セラミックハニカムフィルタの多孔質隔壁は水銀圧入法により測定した場合に60%以上の気孔率、15μm以上の平均細孔径を有し、n番目の測定点における細孔径に対する前記隔壁の累積細孔容積分布曲線の傾きSnの最大値は0.7以上であり、前記累積細孔容積分布曲線の傾きSnは下記式(1)
Sn=−(Vn−Vn-1)/(log(Dn)−log(Dn-1)) (1)、
(但し、Dnは(n)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Dn-1は(n−1)番目の測定点における細孔径(μm)であり、
Vnは(n)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)であり、
Vn-1は(n−1)番目の測定点における累積細孔容積(cm3/g)である。)
により表されることを特徴とする請求項7及び8記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
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