JP2004250324A - セラミックハニカム構造体の製造方法、およびコージェライト化原料 - Google Patents

セラミックハニカム構造体の製造方法、およびコージェライト化原料 Download PDF

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Abstract

【課題】 低圧力損失特性を有し、且つ使用時の機械的振動や衝撃、或いは熱衝撃に耐えうる強度を有するセラミックフィルタに使用されるセラミックハニカム構造体を確実に得る製造方法及び、そのためのコージェライト化原料粉末を提供する。
【解決手段】 コージェライト化原料を主原料として用い、この原料から所定の成形体を押出成形した後、焼成する、セラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記コージェライト化原料が、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下で含有しているセラミックハニカム構造体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ディーゼル機関の排出ガス中に含まれる微粒子を除去するためのセラミックハニカムフィルタに使用されるに好適なセラミックハニカム構造体の製造方法、及びそのためのコージェライト化原料に関するものである。
ディーゼル機関から排出される微粒子を除去するため、セラミックハニカム構造体の隔壁を多孔質構造とし、その隔壁に微粒子を含んだ排気ガスを通過せしめる構造の微粒子捕集用のセラミックハニカムフィルタを採用する検討が進められている。図1に、セラミックハニカムフィルタの正面図及び側面図を示す。このセラミックハニカムフィルタの特性に関しては、微粒子の捕集効率、圧力損失(圧損)、微粒子の捕集時間(捕集開始から一定圧損に達するまでの時間)の3つが重要とされている。中でも、捕集効率と圧損は相反する関係にあり、捕集効率を高くしようとすると、圧損が増大し、捕集時間が短くなり、また圧損を低くすると、捕集時間は長くできるが、捕集効率が悪くなる。これらの相反するフィルタの特性を満足するように、セラミックハニカム構造体に対しては、気孔率、平均細孔径、細孔径分布、隔壁表面に存在する細孔の大きさを制御する技術が従来から検討されており、併せて、所望の気孔率、平均細孔径、細孔径分布、隔壁表面に存在する細孔の大きさを得るためのセラミックハニカム構造体の製造方法が従来から検討されて来た。
特許文献1に記載の発明では、コージェライト化原料のうち、タルク粉末成分とシリカ粉末成分の150μm以上の粒子が原料全体の3重量%以下となるように、且つそれら両成分の45μm以下の粒子が全体の25重量%以下となるよう、コージェライト化原料を調整することを特徴とする多孔質セラミックハニカムフィルタの製法が開示されている。本製法によれば、気孔率が45〜65%で、直径が100μm以上の細孔が少なく、主として直径が10〜50μmの細孔にて構成されるものが有利に得られ、これによって捕集効率を低下させることなく、捕集時間を長くすることができるとしている。
特許文献2に記載の発明では、コージェライト化原料のうち、カオリンを、0〜10質量%以下で含有し、且つカオリン及びタルク以外のシリカ(SiO)源成分を、粒径75μm以上の粉末を1質量%以下とし、また、アルミナ(Al)源成分として粒径1〜10μmの水酸化アルミニウムを15〜45質量%、及び/或いは粒径4〜8μmの酸化アルミニウムを0〜20質量%含有させることを特徴とする多孔質ハニカムフィルターの製造方法が開示されている。この発明によれば、カオリン及びタルク以外のシリカ(SiO)源成分の粒径75μm以上の粗粒粉末をカットすることにより、また、アルミナ(Al)源成分の粒径を所望の範囲として、前記シリカ(SiO)源成分の粒径分布による細孔径分布の制御を精密に行えるようしたことにより、気孔率が65〜75%で、細孔径10〜50μmの狭い範囲の細孔を極めて高率で形成させることができ、これにより微粒子の捕集効率が高く、かつ細孔の目詰まりによる圧力損失の増大を防止することができるとしている。
特許文献3に記載の発明では、コージェライト化原料のうち、タルク及びシリカ原料粉末の平均粒子径が(2×シリカの平均粒子径)≧(タルクの平均粒子径)の関係を満たし、タルクの平均粒子径が40μm以下、シリカの平均粒子径が80μm以下とする製造方法が開示されている。この発明によると、使用シリカ粒度に対してその2倍以下の粒度のタルクを使用することにより、気孔率45〜60%、孔径100μm以上の細孔容積が全細孔容積の10%以下であり、その表面から内部に向かって開口及び貫通する全細孔の比表面積Mとフィルタ表面における表面粗さNとの関係が1000M+85N≧530の範囲にある多孔質セラミックハニカムフィルタが得られ、捕集時間が長く、再生回数を少なくできるとしている。
特公平7−38930号公報 特開2002−219319号公報 特開2003−193820号公報
しかしながら、近年採用が検討されるようになってきた、セラミックハニカムフィルタの隔壁表面や隔壁中の細孔に触媒物質を担持させて、触媒物質の作用により堆積した微粒子を燃焼させる構造のフィルタの場合、触媒物質による細孔の目詰まりによる圧力損失の増大が発生するため、従来技術以上に低圧力損失特性を有し、且つ使用時の機械的振動や衝撃、或いは熱衝撃に耐えうる強度を有し、且つ微粒子の捕集効率の高いセラミックハニカムフィルタが待望されていた。このようなフィルタに使用されるセラミックハニカム構造体の隔壁の特性としては、上記のように相反する特性を満足させるため、気孔率は60〜80%、平均細孔径は15〜25μm、細孔径20〜40μm以上の総細孔容積は全細孔容積の25%以上が必要とされ、上記特許文献に記載されているセラミックハニカムフィルタの製造方法を採用しただけでは、以下のように、必ずしも上記特性を全て満足するセラミックハニカム構造体が得られないという問題があった。
特許文献1に記載の発明では、得られるハニカム構造体の気孔率は45〜60%程度であり、隔壁表面や隔壁中の細孔に触媒物質を担持させたセラミックハニカムフィルタの場合には、圧力損失が大きくなって使用できないと言う問題があった。また、コージェライト化原料のうち、タルク粉末成分とシリカ粉末成分の150μm以上の粒子が原料全体の3重量%以下となるように、且つそれら両成分の45μm以下の粒子が全体の25重量以下%となるようにしているが、コージェライト質セラミックスの細孔は、主にタルク粉末成分やシリカ粉末成分などの焼成過程での形骸によるものとされていることから、本発明の作用によれば、細孔径が100μm以上、及び10μm以下の細孔容積を少なくして、細孔径が10〜50μmの細孔容積が相対的に多く(実施例では45%以上)なるため、平均細孔径が25μmより大きくなる場合もあって、微粒子の捕集効率や強度が低下するといった問題につながることがあった。また、コージェライト化原料の粒径については、タルク粉末成分とシリカ粉末成分の150μmを超える粒度、45μm未満の粒度、及び平均粒径の記載がある以外は、粒度分布の記載がないことから、気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μm以上の総細孔容積が全細孔容積の25%以上であるハニカム構造体が得られず、低圧力損失、高強度を満足したハニカムフィルタを製造できないという問題があった。
特許文献2に記載の発明では、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ(SiO)源成分を、粒径75μm以上の粉末を1質量%以下として、粒径75μm以上の粗粒粉末をカットしているが、カオリン及びタルク以外のシリカ(SiO)源成分は、その粒径に略対応した細孔径の細孔を形成できるとされており、粒径75μm以上のシリカ(SiO)源成分から形成される大きな細孔を少なくすることは、小さな細孔が相対的に増えることにつながり、平均細孔径が15μm未満となって、セラミックハニカムフィルタの圧力損失が上昇するという問題につながることがあった。また、コージェライト化原料の粒径については、カオリン及びタルク以外のシリカ(SiO)源成分を、粒径75μm以上の粉末を1質量%以下に規定はしているものの、粒径75μm未満については、実施例に平均粒径の記載がある以外は、粒度分布の記載が無く、上述のようにカオリン及びタルク以外のシリカ(SiO)源成分は、この粒径に略対応した細孔径の細孔を形成することから、必ずしも気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μm以上の総細孔容積が全細孔容積の25%以上が得られない場合があり、低圧力損失、高強度を満足したハニカムフィルタを確実に製造できないという問題があった。
特許文献3に記載の発明では、得られるハニカム構造体の気孔率は45〜60%程度であり、隔壁表面や隔壁中の細孔に触媒物質を担持させたセラミックハニカムフィルタの場合には、圧力損失が大きくなって使用できないと言う問題があった。また、コージェライト化原料のうち、細孔形成に対する寄与度が大きいとされているタルク及びシリカ原料粉末の平均粒子径は記載されているものの、粒度分布については記載されておらず、前述のように、コージェライト質セラミックスの細孔形成は、主にタルク粉末成分やシリカ粉末成分などの焼成過程での形骸によるものとされていることから、気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μm以上の総細孔容積が全細孔容積の25%以上が得られず、低圧力損失、高強度を満足したハニカムフィルタを確実に製造できないという問題もあった。
以上のように、従来技術の多孔質ハニカムフィルタの製造方法によれば、必ずしも気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μm以上の総細孔容積が全細孔容積の25%以上を有するセラミックハニカム構造体が得られず、低圧力損失、高強度を満足したハニカムフィルタを製造できないという問題があった。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決し、低圧力損失特性を有し、且つ使用時の機械的振動や衝撃、或いは熱衝撃に耐えうる強度を有するセラミックフィルタに使用されるセラミックハニカム構造体を確実に得る製造方法及び、そのためのコージェライト化原料粉末を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行った結果、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源原料の含有量を最適化するのと共にシリカ原料の粒度分布を調整することにより、セラミックハニカムフィルタの隔壁中に存在する細孔の分布を所望の範囲に最適化させ、これにより低圧力損失特性を有し、且つ使用時の機械的振動や衝撃、或いは熱衝撃に耐えうる強度を有するセラミックハニカムフィルタが得られることを見出し、更にはコージェライト化原料のうち、アルミナ源原料の含有量及び粒度分布を好ましい範囲に最適化することにより、より低圧力損失、高強度のセラミックハニカムフィルタだ得られることを見出し、本発明に想到した。
即ち、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法は、コージェライトを主結晶とする材料からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタに使用されるセラミックハニカム構造体の製造方法であって、コージェライト化原料を主原料として用い、この原料から所定の成形体を押出成形した後、焼成するセラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記コージェライト化原料が、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下で含有していることを特徴とする。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法において、前記カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が、粒径45μm以上の粉末を3〜25質量%、粒径20μm以上の粉末を31〜52質量%、粒径10μm以上の粉末を49〜70質量%、粒径5μm以上の粉末を65〜90質量%、粒径2μm以上の粉末を80〜99.5質量%で含有していることが好ましい。
また、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法において、前記コージェライト化原料が、アルミナ源成分として、少なくとも酸化アルミニウムを30質量%以下含有しアルミナ源成分として、酸化アルミニウムを30質量%以下含有し、且つ前記酸化アルミニウムが、粒径45μm以上の粉末を5質量%以下、粒径20μm以上の粉末を2〜22質量%で含有し、粒径10μm以上の粉末を13〜33質量%、粒径5μm以上の粉末を48〜68質量%、粒径2μm以上の粉末を85質量%以上含有していることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法において、前記コージェライト化原料を主成分とするセラミックス原料100質量部に対して、発泡樹脂を4質量部を超え20質量部以下含有することが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造に用いるコージェライト化原料は、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下、粒径45μm以上の粉末を3〜25質量%で含有し、粒径20μm以上の粉末を31〜52質量%、粒径10μm以上の粉末を49〜70質量%、粒径5μm以上の粉末を65〜90質量%、粒径2μm以上の粉末を80〜99.5質量%で含有していることを特徴とする。
また、本発明のセラミックハニカム構造体の製造に用いるコージェライト化原料において、アルミナ源成分として、少なくとも酸化アルミニウムを30質量%以下含有し酸化アルミニウムを0〜30質量%含有し、且つ前記酸化アルミニウムが、粒径45μm以上の粉末を5質量%以下、粒径20μm以上の粉末を2〜22質量%で含有し、粒径10μm以上の粉末を13〜33質量%、粒径5μm以上の粉末を48〜68質量%、粒径2μm以上の粉末を85質量%以上含有していることが好ましい。
次に、本発明における作用効果につき説明する。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、コージェライトを主結晶とする材料からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路端部を目封止し、該流路を区画する多孔質の隔壁に排気ガスを通過せしめることにより、排気ガス中に含まれる微粒子を除去するセラミックハニカムフィルタに使用されるセラミックハニカム構造体の製造方法であって、コージェライト化原料を主原料として用い、この原料から所定の成形体を押出成形した後、焼成するセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記コージェライト化原料が、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下で含有している。このため、例えば気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μm以上の総細孔容積が全細孔容積の25%以上を有するセラミックハニカム構造体を得ることができ、低圧力損失、高捕集率、高強度を満足したハニカムフィルタを製造できる。
コージェライトを主結晶とするセラミックスに形成される細孔は、焼成過程における、主に石英、溶融シリカのようなシリカ源成分の形骸によるものであり、このシリカ源成分は、他の原料に比べて高温まで安定に存在し、1300℃以上で溶融拡散し、細孔を形成することが知られている。このため、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を適量の10〜20質量%の範囲内で含有すると、所望の量の細孔が得られるからである。ここで、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分の含有量が多いほど、形成される細孔の量を多くできるが、20質量%を超えて含有する場合には、セラミックハニカムフィルタの主結晶をコージェライト組成に維持するため、即ちセラミックハニカムフィルタの主成分の化学組成をSiO:42〜56質量%、Al:30〜45質量%、MgO:12〜16%の範囲内とするため、他のシリカ源成分であるカオリン及びタルクの添加量を低減する必要が有り、押出成形時に口金をカオリン及びタルク等の原料が通過する際のカオリンの配向に伴い形成されるコージェライト結晶配向による低熱膨張化が充分でなくなり、ハニカム構造体の流路方向の熱膨張係数が大きくなって、耐熱衝撃性が低下するからである。一方含有量が10質量%未満では、細孔の量が少なくなるため、気孔率が60%〜80%の達成が困難になるのとともに、細孔径の調整が難しくなり、平均細孔径15〜25μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上を達成できないからである。また、このカオリン及びタルク以外のシリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下含有しているのは、前述のようにコージェライトを主結晶とするセラミックスに形成される細孔は、焼成過程における、主に石英、溶融シリカのようなシリカ源成分の形骸によるものであり、このシリカ源成分は、他の原料に比べて高温まで安定に存在し、1300℃以上で溶融拡散し、細孔を形成することが知られているように、粒径75〜250μmであるカオリン及びタルク以外のシリカ源成分から形成される比較的大きな寸法の細孔を適量導入することにより、コージェライト質セラミックスが元来保有する微細な細孔とのバランスを取って、平均細孔径15〜25μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上を達成できるようにするためである。カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が粒径75〜250μmの粉末を1質量%以下で含有していると、平均細孔径が15μmを下回り、場合によっては20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上が得られず、セラミックハニカムフィルタの圧力損失が大きくなるからであり、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が粒径75〜250μmの粉末を10質量%を超えて含有していると、平均細孔径が25μmを超え、セラミックハニカムフィルタの捕集効率及び強度が低下するからである。更に、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が粒径250μmを超える粉末を含有していると、本発明のセラミックハニカムフィルタに使用されるに好適なセラミックハニカム構造体の場合、その壁厚は0.25mm〜0.45mmであることから、押出成形の際に、口金のスリット部に詰まってしまい、ハニカム構造体の成形が困難となるため、本発明では、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分は粒径250μmを超える粉末を含有しないようにすることが好ましい。
上記観点から、コージェライト化原料中のカオリン及びタルク以外のシリカ源成分の含有量は15〜19質量%が好ましく、また、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1.5〜4質量%含有していることが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が、粒径45μm以上の粉末を3〜25質量%、粒径20μm以上の粉末を31〜52質量%、粒径10μm以上の粉末を49〜70質量%、粒径5μm以上の粉末を65〜90質量%、粒径2μm以上の粉末を80〜99.5質量%で含有しているのが好ましい。ここで、前記カオリン及びタルク以外のシリカ源成分の、粒径分布を上記のように規定するのは、コージェライトを主結晶とするセラミックスに形成される細孔は、上述のように、焼成過程における、主に石英、溶融シリカのようなシリカ源成分の形骸によるものであって、このシリカ源成分は、他の原料に比べて高温まで安定に存在し、1300℃以上で溶融拡散し、細孔を形成することが知られているように、コージェライト質セラミックハニカム構造体の細孔径分布には、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分の粒度分布が反映されるためである。これにより、この方法により得られたセラミックハニカムフィルタの多孔質隔壁では、例えば気孔率60〜80%、平均細孔径18〜23μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上が達成される。このため、低圧力損失、高捕集率、高強度を満足したセラミックハニカムフィルタを製造することができる。
上記観点から、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が、粒径45μm以上の粉末を10〜16質量%、粒径20μm以上の粉末を38〜44質量%、粒径10μm以上の粉末を56〜62質量%、粒径5μm以上の粉末を72〜78質量%、粒径2μm以上の粉末を95〜99質量%で含有していると、例えば気孔率60〜80%、平均細孔径18〜23μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上のハニカム構造体が達成が確実に得られることからより好ましい。
カオリン及びタルク以外のシリカ源成分としては、石英、溶融シリカ、ムライト、等をあげることができ、中でも焼成過程で溶融拡散して細孔を形成し、細孔径の制御が容易という観点で、石英、溶融シリカの少なくとも一種を含有するものが好ましい。
このシリカ源成分は、不純物として、NaO、KO、CaOを含有しても良いが、これら不純物の含有量は、熱膨張係数が大きくなるのを防止する意味で、シリカ源成分中、全量で0.1質量%以下であることが好ましい。このシリカ源成分のNaO、KO、CaO含有量のより好ましい範囲は0.01質量%以下であり、更に好ましくは0.006質量%以下である。
本発明に用いられるコージェライト化原料は、主結晶がコージェライトとなるように、即ち主成分の化学組成をSiO:42〜56質量%、Al:30〜45質量%、MgO:12〜16%の範囲内となるように、シリカ源成分、アルミナ源成分、マグネシア源成分の各原料粉末を配合する必要があり、上記カオリン及びタルク以外のシリカ源成分に加えて、例えばカオリン粉末、タルク粉末、更には酸化アルミニウム粉末、水酸化アルミニウム粉末等を配合する。
これらのうち、アルミナ源成分としては、不純物が少ないという点で酸化アルミニウム、又は水酸化アルミニウムのいずれか一種又はこれらの両方を含有するものが好ましい。
また、アルミナ源原料は、コージェライト化原料中、水酸化アルミニウムは6〜42質量%含有することが好ましく、酸化アルミニウムの場合は、30質量%以下で含有させることが好ましい。更に好ましい範囲は、水酸化アルミニウムの場合は、6〜15質量%、酸化アルミニウムの場合は、12〜25質量%である。更により好ましい範囲は、水酸化アルミニウムの場合は、8〜12質量%、酸化アルミニウムの場合は、20〜24質量%である。
また、アルミナ源原料の粒径は、熱膨張係数を低くすることができると共に、上述のシリカ源成分の粒度分布により得られる細孔径分布の調整するという観点から、水酸化アルミニウムの場合は平均粒径0.5〜5μmが好ましく、酸化アルミニウムの場合は平均粒径3〜10μmが好ましい。尚、酸化アルミニウムは焼成過程の比較的高温まで、酸化アルミニウムの形態で存在することから、その粒度分布が本発明のセラミックハニカムフィルタの細孔分布に影響を及ぼし、粒径45μm以上の粉末を5質量%以下、粒径20μm以上の粉末を2〜22質量%、粒径10μm以上の粉末を13〜33質量%、粒径5μm以上の粉末を48〜68質量%、粒径2μm以上の粉末を85%以上含有していると、セラミックハニカムフィルタの好ましい特性である気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の30%以上が達成されることから、好ましい。
また、上記観点から、酸化アルミニウムは、、粒径45μm以上の粉末を1質量%以下、粒径20μm以上の粉末を9〜15質量%、粒径10μm以上の粉末を22〜28質量%、粒径5μm以上の粉末を58〜64質量%、粒径2μm以上の粉末を94〜99質量%以上含有していると、より好ましい。
マグネシア源成分としては、例えば、タルク、マグネサイト、水酸化マグネシウム等などが使用出来るが、熱膨張係数を低くすると言う点でタルクを40〜43質量%含有させることが好ましく、その平均粒径は、5〜20μmが好ましい。また、本発明に用いるタルク等のマグネシア源成分は、不純物としてFe、CaO、NaO、KO等を含有しても良い。ここでFeの含有率は、マグネシア源成分中、0.5〜2.5質量%とするのが本発明のセラミックハニカムフィルタの粒度分布を得るためには好ましく、またNaO、KO、CaOの含有率は、熱膨張係数を低くするという点から、合計で0.35質量%以下が好ましい。
本発明の製造方法において、気孔率を更に大きくすることにより、圧力損失を更に小さくできるという観点から、コージェライト化原料に、添加剤として、細孔を形成する為の、造孔剤を含有させることが好ましい。
造孔剤としては、公知の小麦粉、グラファイト、澱粉粉、セラミックバルーン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、フェノール、エポキシ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック重合体、スチレン−イソプレンブロック重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクルレートアクリロニトリル共重合体、ウレタン、ワックス等を1種類或いは一種類以上を組み合わせて使用することができるが、中でもメチルメタクルレート・アクリロニトリル共重合体で形成された発泡樹脂が好ましい。
メチルメタクルレート・アクリロニトリル共重合体で形成された発泡樹脂は、内部に気体(イソブタン)を内包していることから、少量の添加質量で、気孔率の大きいセラミックハニカムフィルタを得ることができ、焼成工程での造孔剤の発熱量を小さく押さえることができるため、焼成時に問題となる造孔剤の燃焼によるセラミックハニカム構造体の割れの問題を低減することができる。
但し、造孔剤の添加量を多量にすると、セラミックハニカムフィルタの気孔率を大きくできるが、セラミックハニカムフィルタの強度が低下し、実使用時の機械的衝撃や熱衝撃で破損しやすくなるため、全ての造孔剤にその添加量の上限はあり、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体で形成された発泡樹脂の場合は、コージェライト化原料100質量部に対して、4質量部を超え20質量部以下含有させることが好ましく、より好ましくは8〜15質量部である。
本発明において、必要に応じて、この他の添加剤を含有させることができる。例えば、バインダー、分散剤、潤滑剤などを添加することができる。
バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができ、分散剤としては例えば、エチレングリコール、脂肪酸石鹸等を挙げることができ、潤滑剤としては、水溶性ワックス、ステアリン酸等を挙げることができる。尚、上記の添加剤は、目的に応じて1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ここで、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法により得られたセラミックハニカム構造体は、前記多孔質隔壁の40℃〜800℃における流路方向の熱膨張係数を1.25×10―6/℃以下とすることにより、高温時の耐熱衝撃特性が改善されることから、好ましい。
ここで、本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法により得られたセラミックハニカム構造体はコージェライトを主結晶とするものであるが、コージェライト結晶のC軸が隔壁面内に揃うように配向していると更に熱膨張係数が小さくなり、耐熱衝撃性に優れることから好ましい。また、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア等の他の結晶相を含有しても良い。
本発明のセラミックハニカム構造体の製造方法に用いるコージェライト化原料は、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下、粒径45μm以上の粉末を3〜25質量%で含有し、粒径20μm以上の粉末を31〜52質量%、粒径10μm以上の粉末を49〜70質量%、粒径5μm以上の粉末を65〜90質量%、粒径2μm以上の粉末を80〜99.5質量%で含有している。このため、この方法により得られたセラミックハニカム構造体の多孔質隔壁の気孔率を60〜80%、平均細孔径を15〜25μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上とすることができる。これにより、低圧力損失、高捕集率、高強度を満足したハニカムフィルタを製造することができる。
また、本発明のコージェライト化原料において、酸化アルミニウムを30質量%以下含有し、且つ前記酸化アルミニウムが、粒径45μm以上の粉末を5質量%以下、粒径20μm以上の粉末を2〜22質量%、粒径10μm以上の粉末を13〜33質量%、粒径5μm以上の粉末を48〜68質量%、粒径2μm以上の粉末を85質量%以上含有することにより、上述のシリカ(SiO)源成分の粒度分布により得られる細孔径分布の調整をし、セラミックハニカムフィルタの好ましい特性である気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の30%以上が達成される。
以上説明したように、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法及びそのためのコージェライト化原料によれば、コージェライト化原料の組合せ、配合割合、粒度分布等を最適な範囲に調整していることから、セラミックハニカムフィルタの隔壁内に形成される細孔の分布を所望の範囲に最適化でき、例えば気孔率60〜80%、平均細孔径15〜25μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上が達成される。これにより低圧力損失特性、特に連続再生式の浄化装置に使用されるに適した低圧力損失特性及び使用時の機械的振動や衝撃、或いは熱衝撃等に耐えうる強度特性を有するセラミックハニカムフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
本発明のセラミックハニカムフィルタは、例えば、以下のようにして製造することが出来る。
上述したコージェライト化原料100質量部に対して、造孔材4〜40質量部、バインダー4〜12質量部を投入して乾式混合した後に、水を10〜40質量部投入後、混練し、可塑性を有する坏土とする。この坏土を公知の押出成形法によりハニカム構造の成形体を押出成形した後、公知の乾燥法、例えばマイクロ波乾燥、誘電乾燥、熱風乾燥等の方法により、成形体の乾燥を行う。次いで乾燥されたハニカム構造の成形体を、焼成炉内に配置し、1350〜1440℃の温度で焼成を行い、セラミックハニカム構造体を得る。
次いで、セラミックハニカム構造体の端面マスキングフィルムを配置した後、ハニカム構造体の流路に対して交互に穿孔部を形成し、別に準備していた目封止用のセラミックスラリーに、セラミックハニカム構造体の端面を浸漬し、マスキングフィルムの穿孔部を通じて、セラミックハニカム構造体にセラミックスラリーを導入する。導入されたスラリ−が固化後に、ハニカム構造体をセラミックスラリーから抜き出し、乾燥させ目封止材を形成する。さらに、ハニカム構造体の他端側も同様の手法で、セラミックスラリーを導入、固化、乾燥させて目封止材を形成した後マスキングフィルムを剥がす。その後、目封止材の焼成を行い、隔壁と目封止材を一体化せしめ、排気ガスの流入側と流出側の所定の流路が目封止されたセラミックハニカムフィルタを得る。
尚、所定の流路へのセラミックスラリーの導入は、乾燥後のセラミックハニカム構造の成形体に対して行った上で、成形体と同時に目封止材を焼成、一体化させても良い。
以下、本発明の実際の実施例を説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
表1〜3に示す平均粒径、粒度分布、CaO+NaO+KO含有量のタルク、カオリンA、石英A、酸化アルミニウムA、水酸化アルミニウム等のコージェライト化原料を、表4に示す割合で秤量した。次いで表4に示すように、このコージェライト化原料100質量部に対して、発泡樹脂であるイソブタン内包アクリロニトリル・メチルメタクリレート共重合体を10質量部、メチルセルロース5質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを2質量%を添加し、混合調整した。ここで、表1〜4に示す原料粉末の平均粒径及び粒度分布は、(株)セイシン企業製レーザ回折式粒度分布測定器LMS−30を使用して測定した。その後、このコージェライト化原料100質量部に対して水を25質量部投入し、混合、混練を加え、可塑化可能な坏土を作製し、この坏土を押出成形機に投入して、ハニカム構造を有する成形体を得た。次いで得られた成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥した後、熱風乾燥を行い、所定の寸法に両端面を切断した。次いで、このハニカム構造の乾燥体の流路の開口端部に、コージェライト化原料からなるスラリーを端部から約10mmの深さまで充填、乾燥させ、図1に示す構造の、流路の両端部が交互に目封止された、セラミックハニカムフィルタ乾燥体を得た。その後、1420℃、10時間の条件で焼成を行い、Φ267mm、長さ304mm、隔壁厚さ300μm、隔壁ピッチ1.58mmの寸法特性を有する実施例1〜4のセラミックハニカムフィルタを得た。
Figure 2004250324
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得られたセラミックハニカムフィルタの圧力損失特性について、以下のような測定を行った。セラミックハニカムフィルタを、圧力損失テストスタンドに設置し、空気流量15Nm/分の空気を流し、この時のセラミックハニカムフィルタの流入側と流出側の差圧を計測し、圧力損失とした。
Figure 2004250324
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その後、試験終了後のハニカムフィルタから試験片を切り出し、気孔率、平均細孔径、20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合、熱膨張係数及びA軸圧縮強度の測定を行った。気孔率、平均細孔径、20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合の測定は、水銀圧入法により、Micromeritics社製オートポアIIIを使用して行い、セラミックハニカムフィルタから切り出した小片を試験片として測定セル内に収納し、セル内を減圧した後、水銀を導入して、加圧し、このときの圧力と試料内に存在する細孔中に押し込まれた水銀の体積との関係から、細孔径と累積細孔容積の関係を求める。このとき、水銀を導入する圧力は0.5psi(0.35×10−3kg/mm)とし、圧力から細孔径を算出する際の常数は、接触角=130°、表面張力484dyne/cmとした。このとき、気孔率は、全細孔容積の測定値から、コージェライトの真比重を2.52g/cmとして、計算によって求めた。また、熱膨張係数の測定は、4.5mm×4.5mm×50mmの寸法で長手方向が、ハニカム構造体の流路に沿った試験片を、熱機械分析装置に設置し、40℃と800℃の間の熱膨張係数を求めた。また、A軸圧縮強度の測定は、社団法人自動車技術会が定める規格M505−87「自動車排気ガス浄化触媒用セラミックモノリス担体の試験方法」に従って行った。
測定結果を表5に示す。実施例1〜4のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として石英Aを11.8〜17.5質量%含有しており、この石英Aが粒径75〜250μmの粉末を2.3質量%、粒径45μm以上を14.2質量%、粒径20μm以上を41.2質量%、粒径10μm以上を59.4質量%、粒径5μm以上を75.3質量%、粒径2μm以上を88.7質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを19.2〜22.0質量%含有しており、この酸化アルミニウムAが粒径45μm以上を14.2質量%、粒径20μm以上を12.5質量%、粒径10μm以上を25.9質量%、粒径5μm以上を62質量%、粒径2μm以上を97.8質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が60.6〜62.5%、平均細孔径が17.3〜21.4μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の30.5%〜31.8%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が185〜189mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.7〜4.0MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させることができた。また、熱膨張係数も7〜9×10−7/℃の低い値が得られた。
(比較例1〜3)
実施例1〜4と同様の原料、タルク、カオリン、石英A、酸化アルミニウムA、水酸化アルミウムに仮焼カオリンを加えて、表4に示す割合で秤量し、次いで表4に示すように、このコージェライト化原料100質量部に対して、発泡樹脂であるイソブタン内包アクリロニトリル・メチルメタクリレート共重合体を10質量部、メチルセルロース5質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを2質量%を添加し、混合調整した。その後、実施例1〜4と同様の方法で、混練、成形、乾燥、焼成を行い、Φ267mm、長さ304mm、隔壁厚さ300μm、隔壁ピッチ1.58mmの寸法特性を有する比較例1〜3のセラミックハニカムフィルタを得た。これらについて、実施例1と同様に、圧力損失、細孔分布、熱膨張係数、A軸圧縮強度を測定した結果を表5に示す。
比較例1のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分である石英Aの含有量が5.6質量%であり、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分の含有割合が10質量%未満であることから、石英Aによる、細孔形成が充分に行われず、その隔壁の気孔率は57.2%となり、60%以上が得られなかった。このため、セラミックハニカムフィルタの圧力損失が200mmHOを上まわり、実施例1〜4のセラミックハニカムフィルタに対して大きくなり、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタは得られなかった。
また、比較例2のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分である石英Aの含有量が9質量%であり、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分の含有割合が10質量%未満であることから、石英Aによる、細孔形成が充分に行われず、その隔壁の気孔率は58.1%となり、60%以上が得られなかった。このため、セラミックハニカムフィルタの圧力損失が200mmHOを上まわり、実施例1〜4のセラミックハニカムフィルタに対して大きくなり、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタは得られなかった。
一方、比較例3のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分である石英Aの含有量が21質量%であり、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分の含有割合が20質量%を超えたため、石英Aにより形成された粗大細孔の量が多くなり、その隔壁の平均細孔径は25.6μmとなり、25μmを越えた。このため、セラミックハニカムフィルタのA軸圧縮強度が2.5MPaとなり、実用上問題ない3MPa以上が得られず、実施例1〜4のセラミックハニカムフィルタに比べ低い強度特性となり、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタは得られなかった。
(実施例5〜8)
実施例5のセラミックハニカムフィルタは、表4に示すように実施例4のセラミックハニカムフィルタに対して、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分に溶融シリカAを使用し、造孔材にコージェライト化原料100質量部に対して、発泡樹脂であるイソブタン内包アクリロニトリル・メチルメタクリレート共重合体を12質量部添加したこと以外は、実施例4と同様にして作製した。
実施例6のセラミックハニカムフィルタは、表4に示すように実施例5のセラミックハニカムフィルタに対して、カオリンとして粒径の異なるカオリンA及びカオリンBを用いたこと以外は、実施例5と同様にして作製した。
実施例7及び8のセラミックハニカムフィルタは、実施例5のセラミックハニカムフィルタに対して、アルミナ源成分の酸化アルミニウムAと水酸化アルミニウムの配合割合を変化させるとともに、カオリン、タルク、溶融シリカAの配合割合を僅か変化させたこと以外は、実施例5と同様にして作製した。
実施例5〜8の結果を表5に示す。実施例5〜8のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカを17.5〜18.2質量%含有しており、この溶融シリカAが粒径75〜250μmの粉末を2.2質量%、粒径45μm以上を13.6質量%、粒径20μm以上を40.7質量%、粒径10μm以上を58.6質量%、粒径5μm以上を74.6質量%、粒径2μm以上を97.4質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを20〜24.8質量%含有しており、この酸化アルミニウムAが粒径45μm以上を14.2質量%、粒径20μm以上を12.5質量%、粒径10μm以上を25.9質量%、粒径5μm以上を62質量%、粒径2μm以上を97.8質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が63.1〜64.1%、平均細孔径が20.5〜21.7μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の30.0%〜33.8%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が185〜188mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.5〜3.6MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も7〜8×10−7/℃と低い値が得られた。
(実施例9〜12)
実施例9及び実施例12のセラミックハニカムフィルタは、実施例5のセラミックハニカムフィルタに対して、アルミナ源成分に酸化アルミニウムB及び酸化アルミニウムCを使用したこと以外は、実施例5と同様にして作製した。
実施例10のセラミックハニカムフィルタは、実施例9のセラミックハニカムフィルタに対して、造孔材にコージェライト化原料100質量部に対して、発泡樹脂であるイソブタン内包アクリロニトリル・メチルメタクリレート共重合体を15質量部添加したこと以外は、実施例10と同様にして作製した。
また、実施例11のセラミックハニカムフィルタは、実施例9のセラミックハニカムフィルタに対して、造孔材にコージェライト化原料100質量部に対して、発泡樹脂であるイソブタン内包アクリロニトリル・メチルメタクリレート共重合体を10質量部、グラファイトを5質量部添加したこと以外は、実施例10と同様にして作製した。
実施例9〜12の結果を表5に示す。実施例9〜11のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカAを17.5質量%含有しており、この溶融シリカAが粒径75〜250μmの粉末を2.2質量%、粒径45μm以上を13.6質量%、粒径20μm以上を40.7質量%、粒径10μm以上を58.6質量%、粒径5μm以上を74.6質量%、粒径2μm以上を97.4質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムBを22.8質量%含有しており、この酸化アルミニウムBが粒径45μm以上を0質量%、粒径20μm以上を0.2質量%、粒径10μm以上を11.2質量%、粒径5μm以上を51.4質量%、粒径2μm以上を95.8質量%含有している。
このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が61.7〜67.0%、平均細孔径が15.5.〜16.5μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の27.6〜29.8%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が196〜198mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.1〜3.2MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も7〜9×10−7/℃と低い値が得られた。
実施例12のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカAを17.5質量%含有しており、この溶融シリカAが粒径75〜250μmの粉末を2.2質量%、粒径45μm以上を13.6質量%、粒径20μm以上を40.7質量%、粒径10μm以上を58.6質量%、粒径5μm以上を74.6質量%、粒径2μm以上を97.4質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムCを22.8質量%含有しており、この酸化アルミニウムCが粒径45μm以上を2質量%、粒径20μm以上を24.1質量%、粒径10μm以上を43.1質量%、粒径5μm以上を71.1質量%、粒径2μm以上を98.3質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が62.0%、平均細孔径が24.8μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の29.8%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が196mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.1MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も8×10−7/℃と低い値が得られた。
(実施例13〜18)
実施例13及び15〜18のセラミックハニカムフィルタは、表4に示すように実施例3のセラミックハニカムフィルタに対して、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分に溶融シリカB、溶融シリカD、溶融シリカE、溶融シリカF、溶融シリカHを使用したこと以外は、実施例3と同様にして作製した。また、実施例14のセラミックハニカムフィルタは、表4に示すように、実施例4のセラミックハニカムフィルタに対して、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分に溶融シリカBを使用したこと以外は、実施例4と同様にして作製した。
実施例13〜18の結果を表5に示す。実施例13、14のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカBを16質量%及び17.5質量%含有しており、この溶融シリカBが粒径75〜200μmの粉末を4.7質量%、粒径45μm以上を26.6質量%、粒径20μm以上を68.3質量%、粒径10μm以上を93.4質量%、粒径5μm以上を94.2質量%、粒径2μm以上を99.8質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを22.0及び22.8質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が62.1〜62.7%、平均細孔径が24.1〜24.6μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の32.3%〜33.8%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が186〜188mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.2〜3.3MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も7〜8×10−7/℃と低い値が得られた。
実施例15のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカDを16質量%含有しており、この溶融シリカDが粒径75〜200μmの粉末を1.8質量%、粒径45μm以上を5.8質量%、粒径20μm以上を36.3質量%、粒径10μm以上を58.8質量%、粒径5μm以上を82.2質量%、粒径2μm以上を97.5質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを22.0質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が61.0%、平均細孔径が20.6μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の41.9%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が189mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.5MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も8×10−7/℃と低い値が得られた。
実施例16のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカEを16質量%含有しており、この溶融シリカEが粒径75〜200μmの粉末を4.9質量%、粒径45μm以上を21.5質量%、粒径20μm以上を43.1質量%、粒径10μm以上を55.7質量%、粒径5μm以上を68.5質量%、粒径2μm以上を85.2質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを22.0質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が60.4%、平均細孔径が21.7μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の37.9%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が187mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.6MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も7×10−7/℃と低い値が得られた。
実施例17のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカFを16質量%含有しており、この溶融シリカFが粒径75〜200μmの粉末を5.3質量%、粒径45μm以上を24.5質量%、粒径20μm以上を53.1質量%、粒径10μm以上を75.3質量%、粒径5μm以上を92.2質量%、粒径2μm以上を99.8質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを22.0質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が60.5%、平均細孔径が23.5μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の35.6%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が188mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.2MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も8×10−7/℃と低い値が得られた。
実施例18のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として溶融シリカHを16質量%含有しており、この溶融シリカHが粒径75〜200μmの粉末を1.3質量%、粒径45μm以上を2.9質量%、粒径20μm以上を29.0質量%、粒径10μm以上を46.5質量%、粒径5μm以上を62.5質量%、粒径2μm以上を78.5質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを22.0質量%含有している。このため、その隔壁内には細孔が形成され、気孔率が62.3%、平均細孔径が15.6μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の30.5%であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が193mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.8MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も8×10−7/℃と低い値が得られた。
(比較例4〜9)
比較例4〜7のセラミックハニカムフィルタは、表4に示すように実施例3のセラミックハニカムフィルタに対して、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分に石英B、石英C、溶融シリカC、溶融シリカGを使用したこと以外は、実施例3と同様にして作製した。また比較例8〜9のセラミックハニカムフィルタは、比較例5及び6のセラミックハニカムフィルタに対して、添加する造孔剤の種類び添加量を変化させた。比較例7では、グラファイト、比較例8では発泡樹脂及びポリエチレンを造孔剤として使用した。
評価結果を表5に示す。比較例4、5、7及び8のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を16質量%含有しているものの、前記シリカ源成分(石英Bまたは石英Cまたは石英G)の粒径75〜200μmの粉末含有量が1質量%以下であるため、前記シリカ源成分により形成された細孔の大きさが全体的に小さくなり、その隔壁の平均細孔径は15μm未満であった。特に比較例5及び8のセラミックハニカムフィルタは、20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合が25%未満であり、更に比較例8のセラミックハニカムフィルタは、気孔率が60%未満であった。このため、比較例4、5、7及び8のセラミックハニカムフィルタは、A軸圧縮強度が3.6〜4.5MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られたものの、圧力損失特性が202〜221mmHOで、実用上問題となる200mmHOを超える値となり、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタは得られなかった。
一方、比較例6及び9のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分(溶融シリカC)を16質量%で含有しているものの、前記シリカ源成分の粒径75〜200μmの粉末の含有量が24.3質量%であるため、前記シリカ源成分により形成された細孔の大きさが全体的に大きくなり、その隔壁の平均細孔径は、25μmを越えていた。このため、比較例6及び9のセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が175〜192mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下であったものの、A軸圧縮強度が1.0〜1.5MPaとなり、実用上問題ない3MPa以上が得られず、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタは得られなかった。
(実施例19〜21)
実施例19〜21のセラミックハニカムフィルタは、表4に示すように実施例3のセラミックハニカムフィルタに対して、添加する造孔剤の種類及び添加量を変化させた以外は、実施例と同様にして作製した。実施例19では、グラファイト及びポリメチルメタクリレート(PMMA)、実施例20では発泡樹脂及びグラファイト、実施例21では、小麦粉を造孔剤として使用した。
評価結果を表5に示すように、実施例19〜21のセラミックハニカムフィルタは、コージェライト化原料のうち、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分として石英Aを16質量%で含有しており、この石英Aが粒径75〜250μmの粉末を2.3質量%、粒径45μm以上を14.2質量%、粒径20μm以上を41.2質量%、粒径10μm以上を59.4質量%、粒径5μm以上を75.3質量%、粒径2μm以上を88.7質量%含有しており、且つ、アルミナ源成分として酸化アルミニウムAを22質量%含有している。このため、その隔壁内には形成され、気孔率が60〜80%、平均細孔径が15〜25μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上であるセラミックハニカムフィルタが得られた。このセラミックハニカムフィルタは、圧力損失特性が186〜189mmHOで、実用上問題ない200mmHO以下が得られ、A軸圧縮強度も3.5〜3.7MPaで、実用上問題ない3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。また、熱膨張係数も8〜9×10−7/℃と低い値が得られた。
(実施例22〜25)
実施例1〜4と同様に作製したセラミックハニカムフィルタに対して、白金(Pt)、酸化セリウム、及び活性アルミナからなる触媒物質を隔壁表面及び内部にウオッシュコート法により担持し、実施例16〜19のセラミックハニカムフィルタを得た。このときの担持量はPt量で2g/L(ハニカムフィルタ容積1Lに対して、Pt2g担持の意味)とした。これらについて、実施例1と同様に、圧力損失、及びA軸圧縮強度を測定した結果を表6に示す。
実施例1〜4のセラミックハニカムフィルタの隔壁内には、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分により得られた細孔が形成され、気孔率が60〜80%、平均細孔径が15〜25μm、20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上であるため、触媒物質が担持された実施例22〜25のセラミックハニカムフィルタであっても、その圧力損失特性は、触媒担持前と殆ど変わらず、200mmHO以下の低圧力損失が得られた。一方、A軸圧縮強度も実用上問題のない、3MPa以上の値が得られ、低圧力損失と高強度を両立させたセラミックハニカムフィルタが得られた。
Figure 2004250324
(1)及び(2)はそれぞれセラミックハニカムフィルタの一例を示す正面図及び側面図である。
符号の説明
1:隔壁、
2:流路、
3:セラミックハニカムフィルタ、
4:目封止材、

Claims (6)

  1. コージェライト化原料を主原料として用い、この原料から所定の成形体を押出成形した後、焼成する、セラミックハニカム構造体の製造方法であって、前記コージェライト化原料が、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下で含有していることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分が、粒径45μm以上の粉末を3〜25質量%、粒径20μm以上の粉末を31〜52質量%、粒径10μm以上の粉末を49〜70質量%、粒径5μm以上の粉末を65〜90質量%、粒径2μm以上の粉末を80〜99.5質量%で含有していることを特徴とする請求項1記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  3. 前記コージェライト化原料が、アルミナ源成分として、少なくとも酸化アルミニウムを30質量%以下含有し、該酸化アルミニウムは、粒径45μm以上の粉末を5質量%以下、粒径20μm以上の粉末を2〜22質量%で含有し、粒径10μm以上の粉末を13〜33質量%、粒径5μm以上の粉末を48〜68質量%、粒径2μm以上の粉末を85質量%以上含有していることを特徴とする請求項1乃至2記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記コージェライト化原料を主成分とするセラミックス原料100質量部に対して、発泡樹脂を4質量部を超え20質量部以下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
  5. セラミックハニカム構造体の製造に用いるコージェライト化原料であって、カオリン及びタルク以外のシリカ源成分を10〜20質量%で含有し、且つ前記シリカ源成分が、粒径75〜250μmの粉末を1質量%を超え10質量%以下、粒径45μm以上の粉末を3〜25質量%で含有し、粒径20μm以上の粉末を31〜52質量%、粒径10μm以上の粉末を49〜70質量%、粒径5μm以上の粉末を65〜90質量%、粒径2μm以上の粉末を80〜99.5質量%で含有していることを特徴とするコージェライト化原料。
  6. セラミックハニカム構造体の製造に用いるコージェライト化原料であって、該コージェライト化原料がアルミナ源成分として、少なくとも酸化アルミニウムを30質量%以下含有し、該酸化アルミニウムが、粒径45μm以上の粉末を5質量%以下、粒径20μm以上の粉末を2〜22質量%で含有し、粒径10μm以上の粉末を13〜33質量%、粒径5μm以上の粉末を48〜68質量%、粒径2μm以上の粉末を85質量%以上含有していることを特徴とする請求項7に記載のコージェライト化原料。
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