JP2004118344A - 携帯用電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】故障原因の究明が容易に行える携帯用電子機器を提供する。
【解決手段】デジタルカメラの本体には、非接触型ICメモリが設けられている。この非接触型ICメモリは、情報を記憶するICメモリチップ37と、電磁波を送受信するアンテナ部とからなり、無線によりICメモリチップ37にアクセスして情報の書き込みと読み取りとを行うことができる。ICメモリチップ37には、システムコントローラが故障と判定した場合に書き込まれる故障情報と、ステータス情報や撮影処理が実行された記録などからなる動作履歴情報とが記録される。このため、システムコントローラによって故障と判定されない故障が発生した場合でも、前記動作履歴情報を読み出すことにより、故障までの経過を知ることができるので、故障原因の特定がしやすくなる。
【選択図】 図2
【解決手段】デジタルカメラの本体には、非接触型ICメモリが設けられている。この非接触型ICメモリは、情報を記憶するICメモリチップ37と、電磁波を送受信するアンテナ部とからなり、無線によりICメモリチップ37にアクセスして情報の書き込みと読み取りとを行うことができる。ICメモリチップ37には、システムコントローラが故障と判定した場合に書き込まれる故障情報と、ステータス情報や撮影処理が実行された記録などからなる動作履歴情報とが記録される。このため、システムコントローラによって故障と判定されない故障が発生した場合でも、前記動作履歴情報を読み出すことにより、故障までの経過を知ることができるので、故障原因の特定がしやすくなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用電子機器に関するものであり、さらに詳しくは、故障解析に用いられる情報を記憶する記憶手段を備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ,携帯電話,PDA(Personal Digital Equipment)などの各種の携帯用電子機器が知られている。このような携帯用電子機器は、徹底的な小型化が追求されるので部品構成も必要最小限に留めている場合が多く、大型の機器とは異なり、故障が発生した場合に故障内容を解析するためにメーカーが使用できる情報を記録する記憶部を備えていないものが多かった。しかし、このような携帯用電子機器はパーソナルユースを目的としているため販売台数が多く、故障が発生した場合にはできるだけ早急に故障原因を特定したいという要望も強い。
【0003】
従来の電子機器には、故障情報を記憶するメモリを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。この電子機器では、制御部への故障信号の入力により、制御部が故障と判定したときに前記メモリに故障情報が書き込まれる。電子機器が故障した場合には、このメモリ内の故障情報を読み出すことで、故障内容を解析して、故障原因を特定することができる。このようなメモリを携帯用電子機器に設けることで、故障内容の解析を容易にすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−12074号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子機器では、制御部に故障信号が入力されない限り、メモリに故障情報が書き込まれない。このため、例えば、電源回路や制御部自体が故障した場合には、故障情報の書き込みが行われなくなるため、前記メモリから故障情報が得られず、故障内容の解析が困難になる場合があった。
【0006】
本発明は、故障原因を究明しやすい携帯用電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の携帯用電子機器は、機器本体の故障情報とともにその動作履歴情報を記憶する不揮発性メモリを機器本体内に備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、デジタルカメラ10の電気構成の概略を示す。カメラ本体11内には、システムコントローラ12が設けられている。このシステムコントローラ12は、操作部13から入力される操作信号に基づいて、カメラ各部を統括的に制御する。操作部13は、電源ボタン,レリーズボタン,動作モードを切り換えるモード選択ダイヤル,ズーム操作や再生コマの切り換えに使用される十字キーなどの各種操作キーからなる。モード選択ダイヤルによって選択される動作モードとしては、撮影を実行する撮影モード,撮影画像を再生する再生モード,各種設定を行うセットアップモードなどがある。
【0009】
ROM14には、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されており、システムコントローラ12は、これらの情報をROM14から、作業用メモリであるRAM16にロードして、各種の処理を実行する。RAM16としては、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
【0010】
撮影モードでは、レリーズボタンが押されると、撮像部17によって撮像が行われ、撮像された画像データが、カメラ本体11に着脱自在にセットされるメモリーカード18に記録される。撮像部17は、撮影レンズ,CCDイメージセンサ,ズーミングや焦点調節を行うためのレンズ移動機構,絞り切り換え機構等からなる。
【0011】
CCDイメージセンサは、周知のように、被写体光を光電変換してアナログの撮像信号に変換する。アナログの撮像信号は、A/Dコンバータによってデジタルデータに変換された後、RAM16に一時的に書き込まれる。画像処理部21は、RAM16に書き込まれた画像データに対して、ガンマ補正,シャープネス補正,コントラスト補正等の各種画質補正処理を施した後、処理済みのデータをJPEGなどの圧縮形式で圧縮する。この圧縮された画像データが、メディアコントローラ19によってメモリーカード18に書き込まれる。
【0012】
再生モードでは、メモリーカード18から画像が読み出されて、画像処理部21において、伸張処理がされた後リサイズ処理が施され、画素数の少ない表示用画像データが作成される。この表示用画像データがRAM16内のVRAMエリアに書き込まれる。ビデオエンコーダ22は、表示用画像データをアナログのコンポジット信号に変換してLCD23に出力する。これによりLCD23に画像が再生表示される。
【0013】
USB(Universal Serial Bus)コネクタ26は、USBケーブルを通じて、パーソナルコンピュータなどの外部機器との間で通信を行うための通信用コネクタである。USB規格は、パーソナルコンピュータとその周辺機器との間の標準的な通信インターフェースの1つである。このUSBコネクタ26を介して、メモリーカード18内の画像データをパーソナルコンピュータに転送したり、その反対に、パーソナルコンピュータからメモリーカード18にデータを転送したりすることができる。
【0014】
USBコントローラ27は、USBコネクタ26を経由して行われるデータ転送を制御する。USBケーブルによってデジタルカメラ10とパーソナルコンピュータとが接続されると、USBコントローラ27がパーソナルコンピュータと接続されたことを検知して、デジタルカメラ10の動作モードが自動的に通信モードに切り換えられる。なお、通信用インターフェースの規格としては、USB規格の他にも、IEEE1394規格など各種のものがあり、それらの規格に応じた通信用コネクタを使用してもよい。
【0015】
電源回路28は、本体11に着脱自在にセットされるバッテリ29や、商用電源から供給された電源を本体11内の各部に分配する。電源入力端子31は、商用電源から給電を受ける際にACアダプタが接続される端子である。
【0016】
本体11内には、カメラ本体11のメインテナンス情報を記録するための記憶手段として非接触型ICメモリ36が設けられている。非接触型ICメモリ36は、周知のように、無線タグやICカード等に使用される小型メモリであり、近年、電磁波を媒体にして交信することにより各種の認証を行うRFID(Radio Frequency Identification System )システムの構成要素として広く普及しつつある。このように、非接触型ICメモリ36は、小型であるため、狭い設置スペースに設けることができる。
【0017】
非接触型ICメモリ36は、情報を記憶するICメモリチップ37と、このICメモリチップ37に無線によりアクセスできるように電磁波を送受信するアンテナ部38とからなる。システムコントローラ12には、この非接触型ICメモリ36に情報を書き込むためにアンテナ部38に対して電磁波を送信するアンテナ41が接続されている。システムコントローラ12は、アンテナ41を介して非接触型ICメモリ36に情報を書き込む。この書き込まれた情報は、ICメモリリーダ43を使用して、カメラ本体11外部から取り出すことができる。ICメモリリーダ43は、非接触型メモリ36との間で電磁波を送受信することにより、ICメモリチップ37内の情報を読み取る。
【0018】
ICメモリチップ37としては、記憶保持動作に給電が不要な不揮発性メモリが使用される。ICメモリチップ37へ情報を書き込んだり、そこに書き込まれた情報を読み取る場合など、非接触型ICメモリ36を動作させるための電力は、アンテナ41やICメモリリーダ43から送信される電磁波をキャリアとして供給される。このため、デジタルカメラ10の電源が入らないような場合でも、デジタルカメラ10を分解することなく、ICメモリチップ37内の情報を簡単に取り出すことができる。
【0019】
非接触型ICメモリ36の交信距離は電磁波の種類やその強弱によって異なるが、おおよそ数mm程度〜数十センチ程度の範囲である。どの程度の交信距離を持つ非接触型ICメモリ36を使用するかは、非接触型ICメモリ36を設ける場所等によって適宜決められる。また、非接触型メモリ36には、ICメモリチップ37にCPUが内蔵されているCPU内蔵型とCPUが内蔵されていない非内蔵型のものがあるが、いずれを使用してもよい。
【0020】
メインテナンス情報とは、カメラ本体11の修理や整備,故障内容の解析等をするためにメーカーが使用する情報である。図2は、ICメモリチップ37に書き込まれるメインテナンス情報を説明するための概念図である。システムコントローラ12は、本体11内の各部から故障信号が入力されると、故障が発生したと判定し、例えば、「ズームモータ異常発生」というように、その故障情報を非ICメモリチップ37に書き込む。図2上では、故障情報を文字情報として表現しているが、実際には、故障情報は故障の内容によってコード化されてメモリ上に記録される。これにより、故障が発生した場合には、この故障情報を取り出すことで、故障内容の解析を容易に行うことができる。
【0021】
しかし、故障には、システムコントローラ12に故障信号が入力される故障の他に、例えば、電源回路の故障など、システムコントローラ12に故障信号が入力されない故障もある。そのような故障が発生した場合には、システムコントローラ12が故障と判定しないため、ICメモリチップ37には何の情報も記録されない。その場合には、故障内容の解析が非常に困難なものになる。
【0022】
そこで、デジタルカメラ10では、メインテナンス情報として、故障情報に加えて、動作履歴情報を書き込むようにしている。ここで、動作履歴情報とは、デジタルカメラ10のある時点での状態に関する情報であるステータス情報や、撮影動作、再生動作などデジタルカメラ10が動作した事実に関する情報をいう。
【0023】
ステータス情報は、例えば、撮影モード,再生モード,セットアップモード,PCとの通信モードなど、現在選択されている動作モードの情報や、電源電圧が正常か否かなどの電圧情報などからなる。このステータス情報は、所定時間間隔で記録される他、動作モードが切り換えられたときなど予め定められた操作が行われたときに記録される。ステータス情報を記録する時間間隔は予め設定されており、タイマ44がその時間を測定し、計時信号がシステムコントローラ12に入力される。撮影や再生が実行された場合には、その事実とコマ番号とが記録される。例えば、コマNO1の撮影が実行された場合には、「撮影:コマNO1」と記録される。このように、動作事実とともにコマ番号を記録しておくことで、画像データと故障との関連性を調べることができるようにしている。これら動作履歴情報も、故障情報と同様に、コード化されて記録される。
【0024】
このように、動作履歴情報を記憶することで、故障情報が記録されないような故障の場合でも、故障が発生するまでの経過を把握できるようになるので、故障内容の解析が比較的容易になる。なお、動作履歴を記録する際に、システムコントローラ12で計時されるシステム時刻を記録するようにしてもよい。
【0025】
ただし、ICメモリチップ37の容量にも制限があるので、動作履歴情報や故障情報をすべて記録しておくことはできない。そのため、容量一杯まで情報が書き込まれたら、先頭アドレスから上書き更新していくとよい。メモリのデータ格納形式としては、先頭アドレスと最後のアドレスとを論理的に接続して複数のデータ格納位置を環状に配列したリングバッファ形式にするとよい。
【0026】
上記構成による作用について、図3に示すフローチャートに従って説明する。デジタルカメラ10の電源をオンすると、メインテナンス情報の記録が開始される。タイマ44の計時により、所定時間が経過する毎に、非接触型ICメモリ36にステータス情報が書き込まれる。また、モード切り換えが行われた時など所定の操作が行われたときにも、ステータス情報が書き込まれる。そして、撮影や再生が実行されると、その動作事実がコマ番号とともに記録される。さらに、システムコントローラ12に故障信号が入力されると、故障情報が書き込まれる。このメインテナンス情報の記録は、電源がオフされるまで継続される。
【0027】
なお、上記実施形態では、ステータス情報として、動作モード情報及び電源電圧情報を例に説明したが、これ以外にも、例えば、機器内部の温度など、各種の情報を記録するようにしてもよい。また、動作履歴に関しても、より詳細な情報を記録するようにしてもよい。
【0028】
また、メインテナンス情報を記録するメモリとして、非接触型ICメモリを例に説明したが、非接触型ICメモリ以外でもよく、EEPROM等の不揮発性メモリを使用してもよい。
【0029】
上記実施形態では、携帯用電子機器として、デジタルカメラを例に説明したが、デジタルカメラの他、フイルムカメラ,携帯電話やPDA端末などの携帯端末,ノート型パーソナルコンピュータ,パーソナルユースを目的としたプリンタなどの携帯可能な小型の各種電子機器に、本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の携帯用電子機器は、機器本体の故障情報とともにその動作履歴情報を記憶する不揮発性メモリを機器本体内に備えたから、機器本体の制御部によって故障と判定されない故障の場合でも、故障内容を解析する際に有用な情報が記録されるので、故障原因の究明を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯用電子機器の電気構成を示すブロック図である。
【図2】ICメモリチップ内に記録される情報の説明図である。
【図3】メインテナンス情報の記録手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
36 非接触型ICメモリ
37 ICメモリチップ
38 アンテナ部
43 ICメモリリーダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用電子機器に関するものであり、さらに詳しくは、故障解析に用いられる情報を記憶する記憶手段を備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ,携帯電話,PDA(Personal Digital Equipment)などの各種の携帯用電子機器が知られている。このような携帯用電子機器は、徹底的な小型化が追求されるので部品構成も必要最小限に留めている場合が多く、大型の機器とは異なり、故障が発生した場合に故障内容を解析するためにメーカーが使用できる情報を記録する記憶部を備えていないものが多かった。しかし、このような携帯用電子機器はパーソナルユースを目的としているため販売台数が多く、故障が発生した場合にはできるだけ早急に故障原因を特定したいという要望も強い。
【0003】
従来の電子機器には、故障情報を記憶するメモリを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。この電子機器では、制御部への故障信号の入力により、制御部が故障と判定したときに前記メモリに故障情報が書き込まれる。電子機器が故障した場合には、このメモリ内の故障情報を読み出すことで、故障内容を解析して、故障原因を特定することができる。このようなメモリを携帯用電子機器に設けることで、故障内容の解析を容易にすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−12074号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子機器では、制御部に故障信号が入力されない限り、メモリに故障情報が書き込まれない。このため、例えば、電源回路や制御部自体が故障した場合には、故障情報の書き込みが行われなくなるため、前記メモリから故障情報が得られず、故障内容の解析が困難になる場合があった。
【0006】
本発明は、故障原因を究明しやすい携帯用電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の携帯用電子機器は、機器本体の故障情報とともにその動作履歴情報を記憶する不揮発性メモリを機器本体内に備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、デジタルカメラ10の電気構成の概略を示す。カメラ本体11内には、システムコントローラ12が設けられている。このシステムコントローラ12は、操作部13から入力される操作信号に基づいて、カメラ各部を統括的に制御する。操作部13は、電源ボタン,レリーズボタン,動作モードを切り換えるモード選択ダイヤル,ズーム操作や再生コマの切り換えに使用される十字キーなどの各種操作キーからなる。モード選択ダイヤルによって選択される動作モードとしては、撮影を実行する撮影モード,撮影画像を再生する再生モード,各種設定を行うセットアップモードなどがある。
【0009】
ROM14には、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されており、システムコントローラ12は、これらの情報をROM14から、作業用メモリであるRAM16にロードして、各種の処理を実行する。RAM16としては、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
【0010】
撮影モードでは、レリーズボタンが押されると、撮像部17によって撮像が行われ、撮像された画像データが、カメラ本体11に着脱自在にセットされるメモリーカード18に記録される。撮像部17は、撮影レンズ,CCDイメージセンサ,ズーミングや焦点調節を行うためのレンズ移動機構,絞り切り換え機構等からなる。
【0011】
CCDイメージセンサは、周知のように、被写体光を光電変換してアナログの撮像信号に変換する。アナログの撮像信号は、A/Dコンバータによってデジタルデータに変換された後、RAM16に一時的に書き込まれる。画像処理部21は、RAM16に書き込まれた画像データに対して、ガンマ補正,シャープネス補正,コントラスト補正等の各種画質補正処理を施した後、処理済みのデータをJPEGなどの圧縮形式で圧縮する。この圧縮された画像データが、メディアコントローラ19によってメモリーカード18に書き込まれる。
【0012】
再生モードでは、メモリーカード18から画像が読み出されて、画像処理部21において、伸張処理がされた後リサイズ処理が施され、画素数の少ない表示用画像データが作成される。この表示用画像データがRAM16内のVRAMエリアに書き込まれる。ビデオエンコーダ22は、表示用画像データをアナログのコンポジット信号に変換してLCD23に出力する。これによりLCD23に画像が再生表示される。
【0013】
USB(Universal Serial Bus)コネクタ26は、USBケーブルを通じて、パーソナルコンピュータなどの外部機器との間で通信を行うための通信用コネクタである。USB規格は、パーソナルコンピュータとその周辺機器との間の標準的な通信インターフェースの1つである。このUSBコネクタ26を介して、メモリーカード18内の画像データをパーソナルコンピュータに転送したり、その反対に、パーソナルコンピュータからメモリーカード18にデータを転送したりすることができる。
【0014】
USBコントローラ27は、USBコネクタ26を経由して行われるデータ転送を制御する。USBケーブルによってデジタルカメラ10とパーソナルコンピュータとが接続されると、USBコントローラ27がパーソナルコンピュータと接続されたことを検知して、デジタルカメラ10の動作モードが自動的に通信モードに切り換えられる。なお、通信用インターフェースの規格としては、USB規格の他にも、IEEE1394規格など各種のものがあり、それらの規格に応じた通信用コネクタを使用してもよい。
【0015】
電源回路28は、本体11に着脱自在にセットされるバッテリ29や、商用電源から供給された電源を本体11内の各部に分配する。電源入力端子31は、商用電源から給電を受ける際にACアダプタが接続される端子である。
【0016】
本体11内には、カメラ本体11のメインテナンス情報を記録するための記憶手段として非接触型ICメモリ36が設けられている。非接触型ICメモリ36は、周知のように、無線タグやICカード等に使用される小型メモリであり、近年、電磁波を媒体にして交信することにより各種の認証を行うRFID(Radio Frequency Identification System )システムの構成要素として広く普及しつつある。このように、非接触型ICメモリ36は、小型であるため、狭い設置スペースに設けることができる。
【0017】
非接触型ICメモリ36は、情報を記憶するICメモリチップ37と、このICメモリチップ37に無線によりアクセスできるように電磁波を送受信するアンテナ部38とからなる。システムコントローラ12には、この非接触型ICメモリ36に情報を書き込むためにアンテナ部38に対して電磁波を送信するアンテナ41が接続されている。システムコントローラ12は、アンテナ41を介して非接触型ICメモリ36に情報を書き込む。この書き込まれた情報は、ICメモリリーダ43を使用して、カメラ本体11外部から取り出すことができる。ICメモリリーダ43は、非接触型メモリ36との間で電磁波を送受信することにより、ICメモリチップ37内の情報を読み取る。
【0018】
ICメモリチップ37としては、記憶保持動作に給電が不要な不揮発性メモリが使用される。ICメモリチップ37へ情報を書き込んだり、そこに書き込まれた情報を読み取る場合など、非接触型ICメモリ36を動作させるための電力は、アンテナ41やICメモリリーダ43から送信される電磁波をキャリアとして供給される。このため、デジタルカメラ10の電源が入らないような場合でも、デジタルカメラ10を分解することなく、ICメモリチップ37内の情報を簡単に取り出すことができる。
【0019】
非接触型ICメモリ36の交信距離は電磁波の種類やその強弱によって異なるが、おおよそ数mm程度〜数十センチ程度の範囲である。どの程度の交信距離を持つ非接触型ICメモリ36を使用するかは、非接触型ICメモリ36を設ける場所等によって適宜決められる。また、非接触型メモリ36には、ICメモリチップ37にCPUが内蔵されているCPU内蔵型とCPUが内蔵されていない非内蔵型のものがあるが、いずれを使用してもよい。
【0020】
メインテナンス情報とは、カメラ本体11の修理や整備,故障内容の解析等をするためにメーカーが使用する情報である。図2は、ICメモリチップ37に書き込まれるメインテナンス情報を説明するための概念図である。システムコントローラ12は、本体11内の各部から故障信号が入力されると、故障が発生したと判定し、例えば、「ズームモータ異常発生」というように、その故障情報を非ICメモリチップ37に書き込む。図2上では、故障情報を文字情報として表現しているが、実際には、故障情報は故障の内容によってコード化されてメモリ上に記録される。これにより、故障が発生した場合には、この故障情報を取り出すことで、故障内容の解析を容易に行うことができる。
【0021】
しかし、故障には、システムコントローラ12に故障信号が入力される故障の他に、例えば、電源回路の故障など、システムコントローラ12に故障信号が入力されない故障もある。そのような故障が発生した場合には、システムコントローラ12が故障と判定しないため、ICメモリチップ37には何の情報も記録されない。その場合には、故障内容の解析が非常に困難なものになる。
【0022】
そこで、デジタルカメラ10では、メインテナンス情報として、故障情報に加えて、動作履歴情報を書き込むようにしている。ここで、動作履歴情報とは、デジタルカメラ10のある時点での状態に関する情報であるステータス情報や、撮影動作、再生動作などデジタルカメラ10が動作した事実に関する情報をいう。
【0023】
ステータス情報は、例えば、撮影モード,再生モード,セットアップモード,PCとの通信モードなど、現在選択されている動作モードの情報や、電源電圧が正常か否かなどの電圧情報などからなる。このステータス情報は、所定時間間隔で記録される他、動作モードが切り換えられたときなど予め定められた操作が行われたときに記録される。ステータス情報を記録する時間間隔は予め設定されており、タイマ44がその時間を測定し、計時信号がシステムコントローラ12に入力される。撮影や再生が実行された場合には、その事実とコマ番号とが記録される。例えば、コマNO1の撮影が実行された場合には、「撮影:コマNO1」と記録される。このように、動作事実とともにコマ番号を記録しておくことで、画像データと故障との関連性を調べることができるようにしている。これら動作履歴情報も、故障情報と同様に、コード化されて記録される。
【0024】
このように、動作履歴情報を記憶することで、故障情報が記録されないような故障の場合でも、故障が発生するまでの経過を把握できるようになるので、故障内容の解析が比較的容易になる。なお、動作履歴を記録する際に、システムコントローラ12で計時されるシステム時刻を記録するようにしてもよい。
【0025】
ただし、ICメモリチップ37の容量にも制限があるので、動作履歴情報や故障情報をすべて記録しておくことはできない。そのため、容量一杯まで情報が書き込まれたら、先頭アドレスから上書き更新していくとよい。メモリのデータ格納形式としては、先頭アドレスと最後のアドレスとを論理的に接続して複数のデータ格納位置を環状に配列したリングバッファ形式にするとよい。
【0026】
上記構成による作用について、図3に示すフローチャートに従って説明する。デジタルカメラ10の電源をオンすると、メインテナンス情報の記録が開始される。タイマ44の計時により、所定時間が経過する毎に、非接触型ICメモリ36にステータス情報が書き込まれる。また、モード切り換えが行われた時など所定の操作が行われたときにも、ステータス情報が書き込まれる。そして、撮影や再生が実行されると、その動作事実がコマ番号とともに記録される。さらに、システムコントローラ12に故障信号が入力されると、故障情報が書き込まれる。このメインテナンス情報の記録は、電源がオフされるまで継続される。
【0027】
なお、上記実施形態では、ステータス情報として、動作モード情報及び電源電圧情報を例に説明したが、これ以外にも、例えば、機器内部の温度など、各種の情報を記録するようにしてもよい。また、動作履歴に関しても、より詳細な情報を記録するようにしてもよい。
【0028】
また、メインテナンス情報を記録するメモリとして、非接触型ICメモリを例に説明したが、非接触型ICメモリ以外でもよく、EEPROM等の不揮発性メモリを使用してもよい。
【0029】
上記実施形態では、携帯用電子機器として、デジタルカメラを例に説明したが、デジタルカメラの他、フイルムカメラ,携帯電話やPDA端末などの携帯端末,ノート型パーソナルコンピュータ,パーソナルユースを目的としたプリンタなどの携帯可能な小型の各種電子機器に、本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の携帯用電子機器は、機器本体の故障情報とともにその動作履歴情報を記憶する不揮発性メモリを機器本体内に備えたから、機器本体の制御部によって故障と判定されない故障の場合でも、故障内容を解析する際に有用な情報が記録されるので、故障原因の究明を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯用電子機器の電気構成を示すブロック図である。
【図2】ICメモリチップ内に記録される情報の説明図である。
【図3】メインテナンス情報の記録手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
36 非接触型ICメモリ
37 ICメモリチップ
38 アンテナ部
43 ICメモリリーダ
Claims (1)
- 機器本体の故障情報とともにその動作履歴情報を記憶する不揮発性メモリを機器本体内に備えたことを特徴とする携帯用電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277884A JP2004118344A (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 携帯用電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277884A JP2004118344A (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 携帯用電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004118344A true JP2004118344A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32273355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002277884A Pending JP2004118344A (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | 携帯用電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004118344A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008015655A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Fuji Xerox Co Ltd | 情報処理装置および情報処理装置におけるログ収集方法 |
JP2009123108A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Toshiba Tec Corp | 情報処理装置 |
JP2009537887A (ja) * | 2006-05-15 | 2009-10-29 | ノキア コーポレイション | メモリ要素の非接触プログラミング及び試験 |
US9496925B2 (en) | 2011-09-30 | 2016-11-15 | Nokia Technologies Oy | Method, apparatus, and computer program product for remote wireless powering and control of an electronic device |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277884A patent/JP2004118344A/ja active Pending
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