JP2003200892A - ポッド型推進器及びこれを備えた船舶 - Google Patents

ポッド型推進器及びこれを備えた船舶

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JP2003200892A
JP2003200892A JP2002000151A JP2002000151A JP2003200892A JP 2003200892 A JP2003200892 A JP 2003200892A JP 2002000151 A JP2002000151 A JP 2002000151A JP 2002000151 A JP2002000151 A JP 2002000151A JP 2003200892 A JP2003200892 A JP 2003200892A
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axis
edge
propeller
pod
fin
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JP2002000151A
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Saburo Iwamoto
三郎 岩本
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 航行時における推進性能の向上を図ることが
可能なポッド型推進器及びこれを備えた船舶を提供す
る。 【解決手段】 ポッド型推進器は、プロペラと、ポッド
部と、ストラットと、第1のフィン22と、を備える。
第1のフィン22は、第3の軸γに沿って延びプロペラ
が設けられている側に位置する第1の縁部28と、第1
の縁部28との間で第3の軸γを挟むように第3の軸γ
に沿って延びる第2の縁部30と、第1及び第2の縁部
28,30を繋ぐ第1及び第2の側面部32,34と、
を有する。第1のフィン22の第3の軸γと直交する断
面は、第3の軸γに沿ってみたとき、第1の縁部28及
び第2の縁部30を通る第4の軸ηが、第1の軸αに対
して所定角度θ1で傾斜し、かつ第1の縁部28から第
2の縁部30に至る第1及び第2の側面部32,34上
の距離がそれぞれ異なるような形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポッド型推進器及
びこれを備えた船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、船舶用の推進器として、ポッド型
推進器が注目されている。ポッド型推進器は、プロペラ
と、該プロペラを駆動するためのモータを内蔵したポッ
ド部と、該ポッド部を支持するためのストラットと、を
備えている。
【0003】このポッド型推進器は、ストラットを介し
て船体内に設置される回転装置に取り付けられる。よっ
て、この回転装置によりポッド型推進器をストラットの
軸の周りに旋回させることで、任意の方向に推力を生じ
得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、かかるポッ
ド型推進器を備える船舶の研究に携わっている。そし
て、ポッド型推進器が有する操縦性能等の種々の利点に
鑑み、船舶用の推進器としてポッド型推進器に対するニ
ーズが今後益々高まっていくものと考えている。これに
伴い、ポッド型推進器に対して推進性能の向上が益々要
求されるものと考えられるが、モータ自体の性能向上に
より推進性能の向上を図るのでは、限界があると発明者
は考えている。
【0005】そこで本発明は、航行時における推進性能
の向上を図ることが可能なポッド型推進器及びこれを備
える船舶を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、プロペラ後流のエネルギの回収に着目し、
これを可能とするポッド型推進器の形態について鋭意研
究を行った。そして、ポッド部に所定形状のフィンを取
り付けることで、プロペラ後流のエネルギの一部を推力
に変換することができ、これにより推進性能の向上を図
ることが可能となることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち本発明に係るポッド型推進器は、
(1)第1の軸を中心として回転可能なプロペラと、
(2)プロペラを駆動するためのモータを内蔵し第1の
軸に沿って設けられたポッド部と、(3)第1の軸と直
交する第2の軸に沿って設けられておりポッド部を支持
するためのストラットと、(4)ポッド部に設けられて
おり、第1の軸と直交する第3の軸に沿って延びる第1
のフィンと、を備える。第1のフィンは、第3の軸に沿
って延びプロペラが設けられている側に位置する第1の
縁部と、第1の縁部との間で第3の軸を挟むように第3
の軸に沿って延びる第2の縁部と、第1及び第2の縁部
を繋ぐ第1及び第2の側面部と、を有する。第1のフィ
ンの第3の軸と直交する断面は、第3の軸に沿ってみた
とき、第1の縁部及び第2の縁部を通る第4の軸が、第
1の軸に対して所定角度で傾斜し、かつ第1の縁部から
第2の縁部に至る第1及び第2の側面部上の距離がそれ
ぞれ異なるような形状を有することを特徴とする。
【0008】このポッド型推進器では、プロペラが第1
の軸を中心として所定方向に回転することにより、第1
のフィンにはプロペラ後流が当たる。このとき、第3の
軸と直交する第1のフィンの断面は、第3の軸に沿って
見たとき、第1の縁部及び第2の縁部を通る第4の軸が
第1の軸に対して所定角度で傾斜し、かつ第1の縁部か
ら第2の縁部に至る第1及び第2の側面部上の距離がそ
れぞれ異なるような形状を有する。すなわち、第1のフ
ィンの第1の縁部付近は、所定角度でプロペラ後流の流
れ方向に向けられており、かつ第1の縁部から第2の縁
部に至る第1及び第2の側面部上の長さがそれぞれ異な
るように設計されている。従って、第1及び第2の側面
部のうち、一方の側面部上を流れる流れの流速よりも、
他方の側面部上を流れる流れの流速の方が速くなり、他
方の側面部側に負圧が生じる。その結果、第1のフィン
には、当該第1のフィンを引っ張る揚力が働く。この揚
力は、推進方向の成分と、これと直交する方向の成分と
に分解することができ、この推進方向の成分を推進力と
して利用することで、推進性能の向上を図ることが可能
となる。
【0009】また本発明に係るポッド型推進器は、ポッ
ド部を挟んで第1のフィンと反対側に設けられており、
第3の軸に沿って延びる第2のフィンを更に備える。第
2のフィンは、第3の軸に沿って延びプロペラが設けら
れている側に位置する第3の縁部と、第3の縁部との間
で該第3の軸を挟むように第3の軸に沿って延びる第4
の縁部と、第3及び第4の縁部を繋ぐ第3及び第4の側
面部と、を有する。第2のフィンの第3の軸と直交する
断面は、第3の軸に沿ってみたとき、第3の縁部及び第
4の縁部を通る第5の軸が、第1の軸に対して第4の軸
とは反対側に所定角度で傾斜しており、かつ第3の縁部
から第4の縁部に至る第3及び第4の側面部上の距離が
それぞれ異なるような形状を有することを特徴とする。
【0010】このようにすれば、プロペラが第1の軸を
中心として所定方向に回転することにより、第2のフィ
ンにもプロペラ後流が当たる。このとき、第3の軸と直
交する第2のフィンの断面は、第3の軸に沿って見たと
き、第3の縁部及び第4の縁部を通る第5の軸が第1の
軸に対して第4の軸とは反対側に所定角度で傾斜し、か
つ第3の縁部から第4の縁部に至る第3及び第4の側面
部上の距離がそれぞれ異なるような形状を有する。すな
わち、第2のフィンの第3の縁部付近は、所定角度でプ
ロペラ後流の流れ方向に向けられており、かつ第3の縁
部から第4の縁部に至る第3及び第4の側面部上の長さ
がそれぞれ異なるように設計されている。従って、第3
及び第4の側面部のうち、一方の側面部上を流れる流れ
の流速よりも、他方の側面部上を流れる流れの流速の方
が速くなり、他方の側面部側に負圧が生じる。その結
果、第2のフィンには、当該第2のフィンを引っ張る揚
力が働く。この揚力は、推進方向の成分と、これと直交
する方向の成分とに分解することができる。よって、推
進方向の成分を推進力として利用することで、推進性能
の向上をより一層図ることが可能となる。
【0011】また、第1及び第2のフィンのそれぞれに
作用する揚力の推進方向の成分と直交する方向の成分に
より、推進器に作用する力関係がアンバランスになって
操縦性能が悪化するおそれがあるが、このようにポッド
部を挟んで第1及び第2のフィンが設けられているた
め、揚力の推進方向の成分と直交する方向の成分により
力のアンバランスが生じるおそれが低減され、操縦性能
の悪化が抑制される。
【0012】また本発明に係るポッド型推進器は、第1
の軸と第3の軸との交点は、第1の軸と第2の軸との交
点よりもプロペラが設けられている側に位置することを
特徴とする。このようにすれば、プロペラ後流のエネル
ギーをより効率よく回収して、推進性能のより一層の向
上が図られる。
【0013】本発明に係る船舶は、上記したいずれかに
記載のポッド型推進器を備えたことを特徴とする。この
船舶によれば、航行時における推進性能の向上が図られ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の
説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複す
る説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のも
のと必ずしも一致していない。
【0015】図1は、本実施形態に係るポッド型推進器
を備えた船舶を示す右側面図である。また図2は、ポッ
ド型推進器の構成を示す右側面図であり、図3は、ポッ
ド型推進器の構成を示す正面図である。
【0016】図1に示すように、この船舶10は、船体
12と、船体12に取り付けられたポッド型推進器(以
下、「推進器」ともいう)14と、を備えている。船体
12は、船舶10の種類によりあらゆる形態を採ること
ができる。すなわち、この船舶10は、例えば客船や貨
物船などの商船であっても、漁船や艦船であっても、あ
るいは砕氷船などの特殊船であってもよく、よって船体
12は、その種類によってあらゆる形態を採ることがで
きる。
【0017】推進器14は、図1に示すように、船体1
2の船尾に取り付けられている。この推進器14は、図
2及び図3に示すように、プロペラ16と、ポッド部1
8と、ポッド部18を支持するためのストラット20
と、右舷水平フィン(第1のフィン)22と、左舷水平
フィン(第2のフィン)24と、を備えている。
【0018】ポッド部18は、第1の軸αに沿って設け
られており、筐体の内部にプロペラ16を駆動するため
のモータ26を内蔵している。プロペラ16は、第1の
軸αを中心として回転可能なように、ポッド部18の前
部に取り付けられている。このように、プロペラ16が
ポッド部18の前部に取り付けられた推進器14は、い
わゆるトラクタータイプの推進器と呼ばれ、プロペラ1
6の回転によりストラット20の側にプロペラ後流を噴
出して推進力を生じる。
【0019】ストラット20は、第1の軸αと直交する
第2の軸βに沿って設けられている。このストラット2
0を介し、船体12に設けられた図示しない回転装置に
より、推進器14が第2の軸βを中心として360度の
範囲で旋回可能に取り付けられている。
【0020】右舷水平フィン22は、ポッド部18に取
り付けられている。この右舷水平フィン22は、第1の
軸αと直交する第3の軸γに沿って設けられている。こ
の右舷水平フィン22は、第3の軸γに沿って延びプロ
ペラ16が設けられている側に位置する前縁部(第1の
縁部)28と、前縁部28との間で第3の軸γを挟むよ
うに第3の軸γに沿って延びる後縁部(第2の縁部)3
0と、前縁部28及び後縁部30を繋ぐ上側面部(第1
の側面部)32及び下側面部(第2の側面部)34と、
を有している。
【0021】なお、右舷水平フィン22の前縁部28
は、プロペラ16が設けられている側でフィンの曲率が
最も小さくなる点の集合として規定される。また、右舷
水平フィン22の後縁部30は、プロペラ16が設けら
れている側とは反対側でフィンの曲率が最も小さくなる
点の集合として規定される。
【0022】この右舷水平フィン22では、図4(a)
に示すように、第3の軸γに垂直な断面は、第3の軸γ
に沿って見たとき、第1の軸αに対して非対称な形状を
有する。すなわち、前縁部28と後縁部30とを通る第
4の軸ηは、第3の軸γに沿って見たとき、第1の軸α
に対して所定角度θ1で傾斜し、かつ前縁部28から後
縁部30に至る下側面部34上の距離が、上側面部32
上の距離よりも長くなっている。よって、この右舷水平
フィン22は、図4(a)に示すように、第3の軸γに
垂直な断面において、飛行機の翼断面と同様の形状を有
している。
【0023】ここで、右舷水平フィン22の前縁部28
のねじれ方向、すなわち第4の軸ηと第1の軸αとによ
り生成される所定角度θ1の角度方向は、プロペラ後流
の流れ方向に設定される。すなわち、角度θ1の角度方
向は、右舷水平フィン22の前縁部28付近がプロペラ
後流の流れ方向に向くように設定される。
【0024】図5に示すように、推進器14のプロペラ
16が第1の軸αを中心としてT方向に回転することに
より、プロペラ16の後方には複数の流線により示され
るようなプロペラ後流が生じる。よって、角度θ1の角
度方向は、右舷水平フィン22の前縁部28がプロペラ
後流の流れ方向に向くように設定される。
【0025】またポッド部18を挟んで右舷水平フィン
22とは反対側には、左舷水平フィン24が設けられて
いる。この左舷水平フィン24は、第3の軸γに沿って
設けられている。この左舷水平フィン24は、第3の軸
γに沿って延びプロペラ16が設けられている側に位置
する前縁部(第3の縁部)36と、前縁部36との間で
第3の軸γを挟むように第3の軸γに沿って延びる後縁
部(第4の縁部)38と、前縁部36及び後縁部38を
繋ぐ上側面部(第3の側面部)40及び下側面部(第4
の側面部)42と、を有している。
【0026】なお、左舷水平フィン24の前縁部36
は、プロペラ16が設けられている側でフィンの曲率が
最も小さくなる点の集合として規定される。また、左舷
水平フィン24の後縁部38は、プロペラ16が設けら
れている側とは反対側でフィンの曲率が最も小さくなる
点の集合として規定される。
【0027】この左舷水平フィン24では、図4(b)
に示すように、第3の軸γに垂直な断面は、第3の軸γ
に沿って見たとき、第1の軸αに対して非対称な形状を
有する。すなわち、前縁部36と後縁部38とを通る第
5の軸ξは、第3の軸γに沿って見たとき、第1の軸α
に対して第4の軸ηとは反対側に所定角度θ2で傾斜
し、かつ前縁部36から後縁部38に至る上側面部40
上の距離が、下側面部42上の距離よりも長くなってい
る。よって、この左舷水平フィン24は、図4(b)に
示すように、第3の軸γに垂直な断面において、飛行機
の翼断面と同様の形状を有している。
【0028】ここで、左舷水平フィン24の前縁部36
のねじれ方向、すなわち第5の軸ξと第1の軸αとによ
り生成される所定角度θ2の角度方向は、プロペラ後流
の流れ方向に設定される。すなわち、角度θ2の角度方
向は、左舷水平フィン24の前縁部36付近がプロペラ
後流の流れ方向に向くように設定される。
【0029】図5に示すように、推進器14のプロペラ
16が第1の軸αを中心としてT方向に回転することに
より、プロペラ16の後方には複数の流線により示され
るようなプロペラ後流が生じる。よって、角度θ2の角
度方向は、左舷水平フィン24の前縁部36がプロペラ
後流の流れ方向に向くように設定される。
【0030】なお、ポッド部18を挟んで右舷水平フィ
ン22が設けられている側と左舷水平フィン24が設け
られている側とでは、プロペラ後流の流れ方向が逆であ
るため、第1の軸αに対する角度θ2の角度方向は、角
度θ1の角度方向と逆方向に設定されている。よって、
右舷水平フィン22と左舷水平フィン24とは、第1の
軸αに対して実質的に対称な構成になっている。
【0031】ここで、第1の軸αと第3の軸γとの交点
は、第1の軸αと第2の軸βとの交点よりもプロペラ1
6が設けられている側に位置する。すなわち、右舷水平
フィン22及び左舷水平フィン24は、プロペラ16に
より近い位置で、ポッド部18に取り付けられている。
【0032】次に、本実施形態に係るポッド型推進器1
4及びこれを備えた船舶10の作用効果について説明す
る。
【0033】推進器14のプロペラ16が第1の軸αを
中心としてT方向(図5参照)に回転することにより、
図6(a)に示すように、右舷水平フィン22には推進
方向斜め上方からプロペラ後流Pが当たる。このとき、
右舷水平フィン22の前縁部28は、所定角度θ1でプ
ロペラ後流Pの流れ方向に向けられており、かつ前縁部
28から後縁部30に至る下側面部34上の長さが、上
側面部32上の長さよりも長く設計されている。従っ
て、上側面部32上を流れる流れの流速よりも、下側面
部34上を流れる流れの流速の方が速くなり、下側面部
34側に負圧が生じる。その結果、右舷水平フィン22
には、当該右舷水平フィン22を推進方向斜め下方に引
っ張るような揚力F0が働く。
【0034】この揚力F0は、推進方向の成分F1と、
これと直交する方向の成分F2とに分解することができ
る。よって、成分F1を推進力として利用することが可
能となり、その結果、推進器14の推進性能の向上を図
ることが可能となる。なお、この推進性能の向上の効果
は、推進器14が第2の軸βを中心としてどの方向を向
いているときにも得られるため、船舶10がどの方向に
航行しているときでも推進性能の向上が図られる。
【0035】また、推進器14のプロペラ16が第1の
軸αを中心としてT方向(図5参照)に回転することに
より、図6(b)に示すように、左舷水平フィン24に
は推進方向斜め下方からプロペラ後流Pが当たる。この
とき、左舷水平フィン24の前縁部36は、所定角度θ
2でプロペラ後流Pの流れ方向に向けられており、かつ
前縁部36から後縁部38に至る上側面部40上の長さ
が、下側面部42上の長さよりも長く設計されている。
従って、下側面部42上を流れる流れの流速よりも、上
側面部40上を流れる流れの流速の方が速くなり、上側
面部40側に負圧が生じる。その結果、左舷水平フィン
24には、当該左舷水平フィン24を推進方向斜め上方
に引っ張るような揚力G0が働く。
【0036】この揚力G0は、推進方向の成分G1と、
これに直交する方向の成分G2とに分けることができ
る。よって、揚力G0の推進方向の成分G1を推進力と
して利用することが可能となり、その結果、推進器14
の推進性能の向上をより一層図ることが可能となる。な
お、この推進性能の向上の効果は、推進器14が第2の
軸βを中心としてどの方向を向いているときにも得られ
るため、船舶10がどの方向に航行しているときでも推
進性能の向上がより一層図られる。
【0037】また、第1の軸αと第3の軸γとの交点
は、第1の軸αと第2の軸βとの交点よりもプロペラ1
6が設けられている側に位置している。すなわち、右舷
水平フィン22及び左舷水平フィン24は、プロペラ1
6により近い位置で、ポッド部18に取り付けられてい
る。よって、プロペラ後流のエネルギーをより効率よく
回収することができ、推進性能のより一層の向上が図ら
れる。
【0038】また本実施形態に係る船舶10では、ポッ
ド部18を挟んで右舷水平フィン22と左舷水平フィン
24とが第3の軸γに沿って対称に設けられているた
め、揚力F0の成分F2と揚力G0の成分G2とが相殺
され、上下方向の力関係のアンバランスが生じるおそれ
が低減され、操縦性能の悪化が抑制される。
【0039】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れることなく、種々の変形が可能である。
【0040】例えば、上記実施形態に係る推進器14
は、第1の軸αに対して互いに対称な一対の右舷水平フ
ィン22及び左舷水平フィン24を備えていたが、推進
器14はこれら対称な一対のフィンを複数対備えていて
もよい。例えば、図7(a)に示すように、推進器14
は、ポッド部18の上下に互いに対称な一対のフィン5
2,54を更に備えていてもよい。また、これら複数対
のフィン22,24,52,54の取り付け位置は、水
平方向及び鉛直方向に限られず、図7(b)に示すよう
に、任意の方向に放射状に設けられていてもよい。
【0041】また、図1に示す船舶10では、推進器1
4は船尾に取り付けられていたが、推進器14は船体1
2の船首や船体中央など、いずれの部位に取り付けられ
ていてもよい。また、推進器14の数は1個に限定され
ず、船体12に複数取り付けられていてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明に係るポッド型推進器及びこれを
備えた船舶によれば、航行時における推進性能の向上を
図ることが可能となる。その結果、省エネルギー化が図
られ、運航費の低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るポッド型推進器を備えた船舶
を示す右側面図である。
【図2】本実施形態に係るポッド型推進器の構成を示す
右側面図である。
【図3】本実施形態に係るポッド型推進器の構成を示す
正面図である。
【図4】図4(a)は、図3のA−A線における断面図
であり、図4(b)は、図3のB−B線における断面図
である。
【図5】プロペラ後流を説明するための図である。
【図6】右舷水平フィン及び左舷水平フィンに働く力関
係を説明するための図である。
【図7】ポッド型推進器の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
10…船舶、14…ポッド型推進器、16…プロペラ、
18…ポッド部、20…ストラット、22…右舷水平フ
ィン、24…左舷水平フィン、26…モータ、28…前
縁部、30…後縁部、32…上側面部、34…下側面
部、36…前縁部、38…後縁部、40…上側面部、4
2…下側面部、α…第1の軸、β…第2の軸、γ…第3
の軸、η…第4の軸、ξ…第5の軸。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の軸を中心として回転可能なプロペ
    ラと、 前記プロペラを駆動するためのモータを内蔵し前記第1
    の軸に沿って設けられたポッド部と、 前記第1の軸と直交する第2の軸に沿って設けられてお
    り前記ポッド部を支持するためのストラットと、 前記ポッド部に設けられており、前記第1の軸と直交す
    る第3の軸に沿って延びる第1のフィンと、を備え、 前記第1のフィンは、前記第3の軸に沿って延び前記プ
    ロペラが設けられている側に位置する第1の縁部と、該
    第1の縁部との間で該第3の軸を挟むように該第3の軸
    に沿って延びる第2の縁部と、該第1及び第2の縁部を
    繋ぐ第1及び第2の側面部と、を有し、 前記第1のフィンの前記第3の軸と直交する断面は、該
    第3の軸に沿ってみたとき、前記第1の縁部及び前記第
    2の縁部を通る第4の軸が、前記第1の軸に対して所定
    角度で傾斜し、かつ該第1の縁部から該第2の縁部に至
    る前記第1及び第2の側面部上の距離がそれぞれ異なる
    ような形状を有することを特徴とするポッド型推進器。
  2. 【請求項2】 前記ポッド部を挟んで前記第1のフィン
    と反対側に設けられており、前記第3の軸に沿って延び
    る第2のフィンを更に備え、 前記第2のフィンは、前記第3の軸に沿って延び前記プ
    ロペラが設けられている側に位置する第3の縁部と、該
    第3の縁部との間で該第3の軸を挟むように該第3の軸
    に沿って延びる第4の縁部と、該第3及び第4の縁部を
    繋ぐ第3及び第4の側面部と、を有し、 前記第2のフィンの前記第3の軸と直交する断面は、該
    第3の軸に沿ってみたとき、前記第3の縁部及び前記第
    4の縁部を通る第5の軸が、前記第1の軸に対して前記
    第4の軸とは反対側に所定角度で傾斜しており、かつ該
    第3の縁部から該第4の縁部に至る前記第3及び第4の
    側面部上の距離がそれぞれ異なるような形状を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポッド型推進器。
  3. 【請求項3】 前記第1の軸と前記第3の軸との交点
    は、前記第1の軸と第2の軸との交点よりも前記プロペ
    ラが設けられている側に位置することを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載のポッド型推進器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポッド
    型推進器を備えたことを特徴とする船舶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100348458C (zh) * 2005-10-13 2007-11-14 上海交通大学 仿鱼形吊舱推进器

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