JP2005246996A - 船舶用舵及び船舶 - Google Patents

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虎卓 山本
Koyu Kimura
校優 木村
Etsuo Yamazaki
江津雄 山崎
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昭彦 藤井
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Abstract

【課題】 軸心におけるプロペラ後流の回転エネルギーを効率よく揚力に変換して推進性能の向上を図ると共に、舵面積増加による舵性能の向上を図ることができる船舶用舵を提供する。
【解決手段】 船舶のフロペラ後方に配置される舵1において、舵本体10の前方又は斜め前方に、プロペラ後流を受けて揚力を発生するフィン11,12を、該舵本体10との間にプロペラ後流が流入する隙間Sを有して、該フィン11,12のスパン方向が舵1の上下方向になるように設けて構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロペラ後流の回転エネルギーを揚力に変換して推進性能の向上を図ると共に、舵面積増加による舵性能の向上を図ることができる船舶用舵及び船舶に関する。
従来から、プロペラを使用する船舶においては、舵が配置される部位における水流は、図10に示した、通常の1軸船の後流の回転方向の流れのように、船舶に対する前後方向の流れの他に回転方向の流れを有している。そして、この回転流エネルギーの一部は舵によって回収されるが、残りの回転流エネルギーは回収されず、エネルギーロスになっている。そのため、プロペラ回転流のエネルギーを回収して、推進性能の向上を図る工夫がなされてきており、リアクション舵や水平フィン付き舵が提案されている。
このリアクション舵(コントラ舵)は、図11に示すように、プロペラ軸心高さを境に舵の上下断面を、回転運動しているプロペラ後流の水流の平均的な流れの方向に応じた適当な翼形状で形成し、図12に示すように、舵のそれぞれの水平断面に作用する揚力Lと抗力Dの合成力Fの船の進行方向(前後方向)成分Fxを推進力Tとして利用している。
しかしながら、このリアクション舵では、舵の後側は舵効きのための同じ形状とし、先端部分のみの形状を変化させており、翼効果が舵の先端部分に限られる。そのため、推進効率の増加は少なく、省エネルギー効果も小さいという問題がある。また、特に、舵面積は増加しないため、操縦性能の向上を図ることはできない。
一方、水平フィン付き舵として、舵本体の両外側面の、プロペラによる回転方向の流れの流入側位置に、より具体的には、一方の側面の上側と他方の側面の下側の位置に、舵の翼型のフィンをそれぞれ取り付けて、プロペラ後流の回転方向の流れがフィンに流入して、フィンに前後方向の推進力を発生させる船舶の舵が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
また、水平フィン付き舵であるが、舵ブレードの左右舷側で推進プロペラ軸心とほぼ同じ水準位置にフィンを設けて、フィンの端面の上方又は下方に端板を設けて、プロペラ後流の回転エネルギーを揚力に変換して前進方向成分を推力に利用して、高操縦性能と併せて高推進効率を維持する船舶用高揚力舵が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、小型バルブと右舷と左舷の二枚フィンを舵に設けると共に、バルブを大型にせずフィンの作用が支配的になるようにして、中・高速船のような船尾の流れが速い船でも、付加抵抗の増加よりも推進効率の改善が大きくなるようにした船舶の推進性能向上装置が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、これらの水平フィン付き舵は、舵の側面に配置されるため、舵の前縁部よりもプロペラからの距離が大きくなるため、舵の前縁部に比較すると回転流が小さくなり、そのため、回収できる回転流エネルギーが少なくなるという問題がある。また、水平フィンを設けても舵面積の増加には寄与しないため、操縦性能への寄与は殆どない。
特開平9−263299号公報 特開2002−178993号公報 特開2002−274490号公報 特開平11−139395号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、船舶におけるプロペラ後流の回転エネルギーを効率よく揚力に変換して推進性能の向上を図ると共に、舵面積増加による舵性能の向上を図ることができる船舶用舵及び船舶を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の船舶用舵は、船舶のプロペラ後方に配置される舵において、舵本体の前方又は斜め前方に、プロペラ後流を受けて揚力を発生するフィンを、該舵本体との間にプロペラ後流が流入する隙間を有して、該フィンのスパン方向が舵の上下方向になるように設けて構成する。このフィンは水平フィンと異なり、フィンの前縁部が上下方向になるフィンであり、謂わば、水平フィンに対して垂直フィンと呼ぶようなフィンである。
この構成の船舶用舵によれば、フィンにより発生する揚力の前後方向の成分を船の推進に利用できる。しかも、従来技術の舵の側面に設けた水平フィンの位置よりも前方となる舵本体の前方又は斜め前方にフィンを設けるので、プロペラ直後の回転流をより良く利用することができる。そのため、従来技術の水平フィンよりプロペラ後流の回転エネルギーを効率良く推進力に変換できる。
そして、操舵時には、このフィンが舵本体と共に回転するので、フィンの部分が舵面積の増加分となり、舵全体の揚力が増加し、舵効きがよくなる。従って、舵効き性能を同じとすると、通常の舵に比較して舵面積を小さくできる。そのため、更に舵の抗力が減少するので、更なる省エネルギーを期待できる。
なお、フィンを舵の前方に突出して設けたときは、この舵面積の増加は明らかであるが、舵本体の前縁部分の一部を後退させて、フィンを設ける場所を設けた場合であっても、舵本体の面積にフィンの面積が加わるので、舵本体の面積よりも舵面積が増加することになる。
また、上記の船舶用舵において、前記フィンを上側フィンと下側フィンで構成し、該上側フィンと下側フィンを、前記舵本体のプロペラ軸心延長線よりも上側部分と下側部分のそれぞれに対して設けると共に、該上側フィンと下側フィンの取り付け角度を、プロペラ後流の回転流に合わせて最適化して構成する。
この構成によれば、上側フィンと下側フィンとを、それぞれ、舵の上側部分と下側部分に設けたので、舵の上側部分と下側部分とで回転流が逆方向となるプロペラ後流に対してそれぞれ大きな揚力を発生できると共に、上側フィンと下側フィンで発生する揚力及び抗力の左右方向成分を、即ち、推力にならないフィンに作用する力を略相殺できる。また、舵全体の構造が単純化する。
そして、この船舶用舵において、更に、前記上側フィンと下側フィンを、プロペラ後流の回転流に合わせて、上から見た時に互いにフィンのキャンバが逆になるように取り付け角度も流れに合わせて最適として構成する。
この構成によれば、より効果的に、上側フィンと下側フィンで発生する揚力及び抗力の左右方向成分を、即ち、推力にならないフィンに作用する力を略相殺できる。また、舵全体の構造がより単純化する。
これらのフィンは、舵本体に対して固定された状態で設けてもよく、フィン全体又はフラップ等のフィンの一部を可動できるようにした状態で設けてもよい。固定状態とした場合には、構造が単純となるが、船速やプロペラ回転の変化に伴うプロペラ後流の流向の変化に十分に対応できない。また、フィン全体又は一部を可動にした場合には、構造や機構は複雑となるが、プロペラ後流の流尚の変化に十分に対応して、プロペラ後流の回転エネルギーを効率よく回収できる。また、操舵時には舵本体から独立してフィン又はフラップの角度を調整することにより、操舵時の舵のキャンバを増大させる効果を狙うこともできる。つまり、フィン又はその一部を舵本体から独立して可動とすると、操舵時に舵本体とフィン又はその一部を相互に独立させて回転させて舵本体の舵きり角度とフィン又はその一部の角度を変えることができ、キャンバを増大させる効果が得られ舵力の増大になり操縦性能が向上する。
従って、前記フィンの全体又は一部を可動にして構成すると、船速及びプロペラ回転数によって変化するプロペラ後流の流向に対応して、フィン全体又はフラップ等のフィンの一部の方向を変更して大きな推進力が得られる最適の状態にすることができ、船速及びプロペラ回転数に応じてより効率よくプロペラ後流のエネルギーを回収できるようになる。なお、このフィン全体又はフィンの一部の最適な状態は、予め、実験や計算等により、船速及びプロペラ回転数に対応させて求めておく。
そして、上記の船舶用舵において、前記フィンを該フィンに流入する水流の流向に応じて上下方向に連続的又は段階的に変形すると、プロペラ後流の流向の上下方法の変化に追従してそれぞれの位置に応じた最適な翼形状及び迎角を取ることができるようになり、より推進力を増すことができる。また、連続的に変形すると各上下位置で最適な翼形状及び迎角を取ることができ、エネルギー回収効率は良いが、フィンの形状が多少複雑化し製造も多少難しくなる。一方、段階的に変化させた複数段のフィンで形成すると、フィンの構造が単純化されるので製作が容易となるが、エネルギー回収効率は多少悪くなる。
また、上記の船舶用舵において、前記上側フィンと下側フィンとの間にバルブを設けて構成すると、この舵バルブが流れを整流し、また、伴流率も向上するので、舵バルブとの併用により更に推進性能と舵効き性能を向上できる。
そして、上記の目的を達成するための船舶は、上記の構成の船舶用舵を装備することにより得られ、より推進性能のよい船舶となる。
本発明に係る船舶用舵及び船舶によれば、プロペラ後流の回転エネルギーを揚力に変換して推進性能の向上を図ることができると共に、舵面積増加による舵性能の向上を図ることができる。
以下図面を参照して本発明に係る船舶用舵及び船舶の実施の形態について説明する。
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態の船舶用舵1は、船舶のプロペラ後方に配置される舵であり、舵本体10の前方又は斜め前方に、プロペラ後流を受けて揚力を発生する上側フィン11と下側フィン12を、舵本体10との間にプロペラ後流が流入する隙間Sを有して、フィン11.12のスパン方向が舵の上下方向になるように設けて構成される。
つまり、上側フィン11と下側フィン12を、舵本体10の前端10fの近傍部分にプロペラ軸心延長線P.L.よりも、即ち、プロペラ軸心の水準線PH.L.よりも、上側部分と下側部分にそれぞれ設ける。そして、この上側フィン11と下側フィン12を、プロペラ後流の回転流に合わせて、舵1を上から(Z’−Z方向に)見た時に互いにフィンのキャンバを逆にして取り付け角度も流れに合わせて最適になるように構成する。即ち、翼型の上面が前後方向中心線C.L.に関してそれぞれ外側になるように配置される。
この上側フィン11と下側フィン12は、水平断面が翼型形状に形成された、プロペラ後流を受けて揚力を発生するフィンであり、舵本体10の前方又は斜め前方に、舵本体10との間にプロペラ後流が流入する隙間Sを有して、これらのフィン111,12のスパン方向が舵1の上下方向になるように設ける。謂わば、水平フィンに対して垂直フィンと呼ぶようなフィンとする。これらの上側フィン11と下側フィン12は、舵本体10に対して固定された状態で設ける。
そして、図3及び図4に示すように、この上側フィン11と下側フィン12は、所定の船速及び所定のプロペラ回転数において、発生する推進力が大きくなるように、その時のプロペラ後流の流向に対して、最適な迎角γ、δを得られるように固定配置される。
この舵1の前後方向(X−X’)に対する上側フィン11の固定角度αは、−10゜〜30°とし、水流に対する迎角γは0゜〜30゜とするのが好ましく、また、下側フィン12の固定角度Bは、−10゜〜30゜とし、水流に対する迎角δは0゜〜30゜とするのが好ましい。
また、上側フィン11と下側フィン12の翼弦長eは、舵本体10の翼弦長bの30%以下又はプロペラ直径の30%以下とすることが好ましい。また、スパンは上側フィン11と下側フィン12それぞれプロペラ直径の30%以上50%以下とすることが好ましい。上記範囲外では、推進力発生効果によるメリットがフィン設置によるデメリットよりも少なくなる。また、舵本体10とのバランスが崩れ、操縦性能にデメリットが生じる場合もある。
また、この上側フィン11と下側フィン12の後側に対向して、舵本体10の前縁部分10fが配置される。この舵本体10のフィン11,12と対面する部分は、図面では流線型に形成しているが、これらのフィン11,12が大きな推進力Tを発生できるように、必要に応じて、直線形状に形成したり、凹形状に形成したり、また、左右非対称にする。
そして、図10に示すように、フロペラの回転方向Rが後方から見て右まわり(時計回り)の場合には、プロペラ後流の回転流の流向は、舵本体10の上側部分においては左舷側から右舷側となり、舵本体10の下側部分においては右舷側から左舷側となる。
従って、図3に示すように、舵本体10の上側部分では、プロペラ後流は舵1の左前
方向から流入するので、上側フィン11は右斜め前方に揚力Lを、右斜め後方に抗力Dを発生する。この揚力Lと抗力Dの前後方向(X−X’)の成分をLx,Dxとすると、この差(Lx−Dx)が推進方向(X方向)の力T、即ち、推進力Tとして作用する。言い換えれば、上側フィン11に作用する揚力Lと抗力Dの合力Fの前後方向(X−X’)の成分Fxが推進力T(=Fx=Lx−Dx)となる。
また、図4に示すように、舵本体10の下側部分では、プロペラ後流は舵1の右前方向から流入するので、下側フィン12は左斜め前方に揚力Lを、左斜め後方に抗力Dを発生する。この揚力Lと抗力Dの前後方向(X−X’ )の成分をLx,Dxとすると、この差(Lx−Dx)が推進方向の力T、即ち、推進力Tとして作用する。言い換えれば、下側フィン12に作用する揚力Lと抗力Dの合力Fの前後方向(X−X’)の成分Fxが推進力T(=Fx=Lx−Dx)となる。
なお、揚力Lと抗力Dの左右方向(Y−Y’)の成分は、舵1の上側部分と下側部分とで大きさは多少異なるが、互いに逆方向になるので、その殆どの力が相殺される。そのため上側フィン11と下側フィン12を装備したことによる左右方向力の発生量は小さくなる。
従って、上側フィン11と下側フィン12が、それぞれ、舵本体10の上側部分と下側部分で回転流が逆となるプロペラ後流の流向に対して大きな揚力を発生できる状態に配置されているので、この上側フィン11と下側フィン12により、大きな推進力Tを得ることができる。また、上側フィン11と下側フィン12で発生する揚力L及び抗力Dの左右方向成分を略相殺できる。
この構成の船舶用舵1によれば、上側フィン11と下側フィン12により発生する力Fの前後方向の成分Fx(=T)を船舶の推進に利用でき、しかも、従来技術の舵の側面に設けた水平フィンの位置よりも前方にフィン11,12を設けるので、プロペラ直後の回転流をより良く利用することができる。従って、従来技術の水平フィンよりプロペラ後流の回転エネルギーを効率良く推進力に変換できる。
そして、操舵時には、この上側フィン11と下側フィン12が舵本体10と共に回転するので、舵面積の増加となり、舵全体の揚力が増加し、舵効きがよくなる。従って、舵効き性能を同じとすると、通常の舵に比較して舵面積を小さくできる。そのため、更に舵の抗力が減少するので、更なる省エネルギーを期待できる。
なお、フィン11,12を舵本体10の前方に突出して設けたときは、この舵面積の増加は明らかであるが、図1に示すように、舵本体10の前縁部分の一部を後退させて、フィン11,12を設ける場所を確保した場合であっても、舵本体10の面積に、フィン11,12の面積が加わるので、舵本体10の面積よりも舵面積が増加することになる。一方、従来技術の水平フィンでは、フィンの面積が舵面積に寄与しない。
次に、第2の実施の形態の船舶用舵について説明する。図5に示すように、この第2の実施の形態の船舶用1Aは、上側フィン11を、上下2分割して上部上側フィン11aと下部上側フィン11bで構成すると共に、下側フィン12も上下2分割して上部下側フィン12aと下部下側フィン12bで構成する。
そして、この上部上側フィン11a、下部上側フィン11b、上部下側フィン12aと下部下側フィン12bは、フロペラ後流の流向の上下方向の変化に追従してそれぞれの位置に応じた最適な翼形状及び迎角を有して形成される。つまり、上側フィン11と下側フィン12を、プロペラ後流の水流方向(流向)に応じて上下方向に各2段階に変形して形成する。
この構成によれば、上側フィン11と下側フィン12を、段階的に変化させて複数のフィン11a,11b,12a,12bで形成し、上下方向に関しての流場の変化に対応させているので、より効率良くエネルギー回収できる。また、上側フィン11と下側フィン12を、上下方向に関しての流場の変化に対応させて連続的に変形させる構造に比較すると、フィンの構造が単純化され製作が容易となる。
なお、上側フィン11と下側フィン12を、段階的に変形する代りに、連続的に変形することもできる。この場合は、各上下位置において、連続的に最適な翼型形状及び迎角を有することができるので、エネルギー回収効率は非常に良くなるが、フィンの形状を段階的に変化させる方法と比較するとフィンの形状が複雑化し製造も難しくなる。
次に、第3の実施の形態の船舶用舵について説明する。図6に示すように、この第3の実施の形態の船舶用舵1Bは、舵本体10の前端部において、上側フィン11と下側フィン12との間に小型のバルブ13を設けて構成する。この小型のバルブ13は、略プロペラ軸心延長線P.L.に一致させて舵本体10の前縁より突出させ、その先端がプロペラキャップに近接するように設置する。但し、後述する上下非対称バルブや若干上下に偏心させたバルブでは,必ずしもプロペラ軸心延長線P.L.に一致させなくてもよい。
このバルブ13の形状は、所謂回転体形状等の上下対称の形状でもよいが、プロペラ後流において、プロペラ軸心延長線P.L.よりも上側が下側よりも流れが早い(伴流係数が小さい)状態であるので、プロペラへ流入する速度を遅くするメリットと抗力を発生するデメリットとの観点から一層バランスの取れた上下非対称の形状、例えば、舵の前方から見た形状が、プロペラ軸心延長線P.L.よりも上側領域の面積に対し、下側面積が大となる形状とすることが好ましい。つまり、バルブ13の部分に流入する水流の流速が早く抵抗が大きくなる上側領域では小さく、流速が遅く抵抗が小さくなる下側領域では大きくなる形状にすることが好ましい。
この上下非対称の形状としては、例えば、図7に示すように、舵の前方から見た形状において、バルブの上側領域を楕円弧13aで形成し、下側領域を前記楕円弧の端点に接続する真円弧13bで形成した形状がある。また、このバルブ13は、図8及び図9示すように、上方及び側方から見た形状を、流れの剥離を防止する観点から流線形の形状に形成する。
この形状のバルブ13を設けることにより、バルブ13による抗力を減少させると共に、プロペラに流入する水流を効果的にプロペラ回転面の外側に排除して、水流のプロペラへ流入する速度を遅くして、伴流係数の大きい流域を形成して、船舶の推進効率を向上させることができる。
なお、舵本体10にこのバルブ13を備えた場合には、プロペラの後方中央部に発生するハブ渦をバルブ13の外側に拡散し、ハブ渦による流れの乱れを整流するために、このバルブ13と対向する位置に設けられたプロペラキャップの形状を、バルブ13に向かって順次径が大となるように形成することが好ましい。
次に、第4の実施の形態の船舶用舵について説明する。この第4の実施の形態の船舶用舵は、特に図示しないが、第1〜第3の実施の形態の船舶用舵1,1A,1Bでは、上側フィン11と下側フィン12、あるいは、上部上側フィン11a、下部上側フィン11b、上部下側フィン12aと下部下側フィン12bを舵本体10に対して固定された状態で設けるのに対して、上側フィン11と下側フィン12のフィン全体又はフラップ等のフィンの一部を可動できるように設ける。
つまり、上側フィン11と下側フィン12を回転軸で支持すると共に、油圧モータ等のアクチュエータを設けてこの回転軸を回転できるように構成する。あるいは、上側フィン11と下側フィン12を、フラップを有して構成し、このフィンの一部であるフラップを駆動可能に構成する。
そして、上側フィン11と下側フィン12の全体又は一部(フラップ等)を可動にして構成し、船速及びプロペラ回転数によって変化するプロペラ後流の流向に対応して、上側フィン11と下側フィン12のフィン全体又は一部の方向(迎角やフラップ角)を変更できるようにする。つまり、予め、実験や計算等により、船速及びプロペラ回転数に対応させて、大きな推進力が得られるフィンの全体の最適な角度(迎角γ,δ、又は、舵1の前後方向中心線C.L.に対する角度α,β)やフラップの操作角度(フラップ角)を求めておき、実際の航行時に、船速及びプロペラ回転数に応じて、アクチュエータを駆動してフィンの全体や一部を最適の角度や最適な操作角度に調整する。この構成により、より効率よくプロペラ後流のエネルギーを回収できる。
そして、操舵時には舵本体10から独立してフィン角度やフラップ角度を調整することにより、操舵時の舵1,1A,1Bのキャンバを増大させる効果を狙うこともできる。つまり、フィン11,12の全体又は一部を舵本体10から独立して可動とすると、操舵時に舵本体10とフィン11,12の全体又は一部の相互に独立させて回転させて舵本体10の舵きり角度とフィン11,12の全体又は一部の角度を変えることができ、キャンバを増大させる効果が得られ舵力の増大になり操縦性能が向上する。
上記の構成の船舶用舵1,1A,1B等によれば、従来技術の舵の側面に設けた水平フィンの位置よりも前方に位置する舵本体の前縁近傍にフィン11,12,11a,11b,12a,12bを設けるので、プロペラ直後の回転流をより良く利用することができる。そのため、従来技術の水平フィンよりプロペラ後流の回転エネルギーを推進力へ効率良く変換できる。
そして、操舵時には、このフィン11,12,11a,11b,12a,12bが舵本体10と共に回転するので、舵面積の増加となり、舵1,1A,1B全体の揚力が増加し、舵効きがよくなる。従って、舵効き性能を同じとすると、通常の舵に比較して舵面積を小さくできる。そのため、更に舵1,1A,1Bの抗力が減少するので、更なる省エネルギーを期待できる。
そして、本発明の実施の形態である船舶は、上記の第1〜第4の実施の形態の船舶用舵1,1A,1Bを装備して構成される。この構成により、プロペラ後流の回転エネルギーを揚力に変換して推進性能の向上を図ることができると共に、舵面積増加による舵性能の向上を図ることができる。
なお、上記の説明では、1軸舵の船舶の舵について説明したが、多軸多舵の船舶にお
ける舵にも適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る船舶用舵の構成を示す図である。 図1のA−A断面図を示す図である。 上側フィンに発生する揚力と抗力と推進力との関係を示す図である。 下側フィンに発生する揚力と抗力と推進力との関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る船舶用舵の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る船舶用舵の構成を示す図である。 前方から見たバルブの形状を示す図である。 上方から見たバルブの形状を示す図である。 側方から見たバルブの形状を示す図である。 舵を取り付けてない時のプロペラ直後の位置で計測された回転流の一例を示す図である リアクション舵の形状を示す図で、左側の図は舵を前方から見た図であり、右側の図は、上方から下方に向かっての各位置における断面図である。 リアクション舵の特定断面における揚力、抗力及び推進力を示す図である。
符号の説明
1,1A,1B 船舶用舵
10 舵本体
11 上側フィン
11a 上部上側フィン
11b 下部上側フィン
12 下側フィン
12a 上部下側フィン
12b 下部下側フィン
13 バルブ
C.L. 中心船(舵、船体)
P.L. プロペラ軸心延長線
PH.L.プロペラ軸心の水準線

Claims (7)

  1. 船舶のプロペラ後方に配置される舵において、舵本体の前方又は斜め前方に、プロペラ後流を受けて揚力を発生するフィンを、該舵本体との間にプロペラ後流が流入する隙間を有して、該フィンのスパン方向が舵の上下方向になるように設けたことを特徴とする船舶用舵。
  2. 前記フィンを上側フィンと下側フィンで構成し、該上側フィンと下側フィンを、前記舵本体のプロペラ軸心延長線よりも上側部分と下側部分のそれぞれに対して設けると共に、該上側フィンと下側フィンの取り付け角度を、プロペラ後流の回転流に合わせて最適化したことを特徴とする請求項1記載の船舶用舵。
  3. 前記上側フィンと下側フィンを、プロペラ後流の回転流に合わせて、上から見た時に互いにフィンのキャンバが逆になるように取り付け角度も流れに合わせて最適としたことを特徴とする請求項2に記載の船舶用舵。
  4. 前記上側フィンと下側フィンとの間にバルブを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶用舵。
  5. 前記フィンの全体又は一部を可動にして構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の船舶用舵。
  6. 前記フィンを該フィンに流入する水流の流向に応じて上下方向に連続的又は段階的に変形したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶用舵。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の船舶用舵を装備したことを特徴とする船舶。
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