JP2003098661A - ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法 - Google Patents

ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法

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JP2003098661A
JP2003098661A JP2001289150A JP2001289150A JP2003098661A JP 2003098661 A JP2003098661 A JP 2003098661A JP 2001289150 A JP2001289150 A JP 2001289150A JP 2001289150 A JP2001289150 A JP 2001289150A JP 2003098661 A JP2003098661 A JP 2003098661A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂からな
るポジ型感光性組成物において、近赤外線領域の光に対
して高感度であると共に、現像ラチチュードが広く、よ
って、画像部と非画像部とのコントラストに優れる画像
が安定して得られるポジ型感光性組成物、並びに、ポジ
型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法
を提供する。 【解決手段】 下記の(A)成分、(B)成分、及び
(C)成分を含有してなるポジ型感光性組成物であっ
て、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且
つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜
0.25の範囲において、両成分が相溶化して単一相を
形成する領域と両成分が二相に分離する領域とが現出す
る関係を有するものであるポジ型感光性組成物、並び
に、ポジ型感光性平版印刷版及びポジ画像形成方法。
(A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変
換物質(B)アルカリ可溶性樹脂(C)界面活性剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷
版、簡易校正印刷用プルーフ、配線板やグラビア用銅エ
ッチングレジスト、フラットディスプレイ製造に用いら
れるカラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォト
レジスト等に使用される、主として近赤外線領域の光に
対して高感度なポジ型感光性組成物であって、特に、半
導体レーザーやYAGレーザー等による直接製版に好適
なポジ型感光性組成物、並びに、ポジ型感光性平版印刷
版及びそれを用いたポジ画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポジ型感光性組成物として
は、例えば、光照射によりインデンカルボン酸を生じア
ルカリ可溶性となるo−キノンジアジド基含有化合物、
o−ニトロカルビノールエステル基を有する有機高分子
物質、或いは、光により酸を発生する化合物(光酸発生
剤)と酸により加水分解を生じアルカリ可溶性となる化
合物との組成物等が知られている。
【0003】一方、コンピュータ画像処理技術の進歩に
伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの
出力を行わずに、レーザー光或いはサーマルヘッド等に
より、直接レジスト画像を形成する感光又は感熱ダイレ
クト製版システムが注目されている。特に、高出力の半
導体レーザーやYAGレーザー等を用いる、高解像度の
レーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版
作業時の環境光、及び版材コスト等の面から、その実現
が強く望まれている。
【0004】これに対し、従来より、レーザー感光又は
感熱を利用した画像形成方法としては、昇華転写色素を
利用し色材画像を形成する方法並びに平版印刷版を作製
する方法等が知られており、後者においては、具体的
に、例えば、ジアゾ化合物の架橋反応を利用し平版印刷
版を作製する方法、ニトロセルロースの分解反応を利用
し平版印刷版を作製する方法等が知られている。
【0005】近年、化学増幅型のフォトレジストに長波
長光線吸収色素を組み合わせた技術が散見され、例え
ば、特開平6−43633号公報には、特定のスクアリ
リウム系色素、光酸発生剤、及びバインダーを含むポジ
型組成物が、又、特開平7−20629号公報には、赤
外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹
脂、及びノボラック樹脂を含むポジ型組成物が、又、特
開平7−271029号公報には、前記潜伏性ブレンス
テッド酸に代えs−トリアジン系化合物を用いたポジ型
組成物が、更に、特開平7−285275号公報には、
結着剤、光を吸収し熱を発生する物質、及び熱分解性で
ありかつ分解しない状態では結着剤の溶解性を実質的に
低下させる物質を含むポジ型組成物が、それぞれ開示さ
れている。
【0006】又、これら従来の技術が、紫外線領域の光
に対しても感応し、白色蛍光灯下における取扱時に反応
が進行してしまい、そのため安定した品質のものが得ら
れ難いという欠点があるのに対して、特開平9−438
47号公報には、アルカリ現像液に対して難溶性の樹脂
と赤外線吸収剤を含有し、赤外線照射等により加熱され
て結晶性を変化させてアルカリ可溶性となるが紫外線照
射では変化しないポジ型組成物が、又、WO97/39
894号明細書には、水性現像可能なポリマーと該ポリ
マーの水性現像性を抑止する化合物を含有し、加熱によ
り水性現像性が向上するが紫外線照射では変化しない熱
感受性のポジ型組成物が、それぞれ開示され、又、本願
出願人も、ポリメチン鎖を介して複素原子が結合された
構造の近赤外線吸収色素からなる光熱変換物質とノボラ
ック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂という光化学的変化を
期待し得ない単純な系で、前述の欠点を解消したポジ型
組成物が得られることを見い出し、先に特許出願(特開
平10−268512号公報参照)した。
【0007】これら特開平9−43847号公報、WO
97/39894号明細書、及び特開平10−2685
12号公報に開示されるポジ型組成物は、露光により化
学変化を生じる化合物を含有しその化学変化によって露
光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめる前述の従来
技術における組成物とは異なり、化学変化以外の変化に
よって溶解性に差異を生ぜしめるものであると共に、紫
外線領域の光に感受性を有する化合物を含まないため、
白色蛍光灯下における取扱性に優れる等の利点を有す
る。
【0008】しかしながら、本発明者等の検討によれ
ば、従来技術におけるポジ型組成物は、画像部(非露光
部)と非画像部(露光部)とのコントラストが不十分
で、その結果、非画像部の抜け性が不十分であったり、
画像部の残膜率が十分に保持されない等の問題を有して
おり、特に、化学変化以外の変化によって露光部と非露
光部の溶解性に差異を生ぜしめるような、特開平9−4
3847号公報、WO97/39894号明細書、及び
特開平10−268512号公報に開示されるポジ型組
成物においては、その傾向が顕著であることが判明し
た。
【0009】一方、これらの問題を解消すべく、例え
ば、特開2000−105454号公報には、HLBが
好ましくは8以上、特に好ましくは10以上のノニオン
性界面活性剤等の界面活性剤を含有せしめたポジ型感光
性組成物が開示され、又、特開2001−133965
号公報には、支持体表面に形成された感光性層が、表層
部から下層部に向かってアルカリ現像液に対する溶解速
度が大となっているポジ型感光性平版印刷版及びその製
造方法が開示されているが、本発明者等の検討によれ
ば、いずれもかなりの改良効果は認められるものの、依
然として、現像ラチチュード(現像時に非画像部が完全
に除去されるまでの時間と、現像時も画像部の残膜率が
充分に確保される時間との差)の拡大要求は強く、更に
改良の余地を残すものであることが判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、光熱
変換物質及びアルカリ可溶性樹脂からなるポジ型感光性
組成物において、近赤外線領域の光に対して高感度であ
ると共に、現像ラチチュードが広く、よって、画像部と
非画像部とのコントラストに優れる画像が安定して得ら
れるポジ型感光性組成物、並びに、ポジ型感光性平版印
刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、光熱変換物質及びアル
カリ可溶性樹脂に界面活性剤を含有させたポジ型感光性
組成物における該界面活性剤とアルカリ可溶性樹脂と
を、両者の相溶性が特定の関係を有するように選択する
ことにより、前記目的が達成できることを見い出し本発
明を完成したもので、即ち、本発明は、下記の(A)成
分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなるポジ型
感光性組成物であって、(B)成分と(C)成分とが、
該ポジ型感光性組成物を溶剤に溶解或いは分散させた塗
布液として支持体表面に塗布し乾燥させることにより該
ポジ型感光性組成物の層を形成するにおける該溶剤に
(B)成分と(C)成分を溶解或いは分散させたとき
に、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且
つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜
0.25の範囲において、両成分が相溶化して単一相を
形成する領域と両成分が二相に分離する領域とが現出す
る関係を有するものであるポジ型感光性組成物、並び
に、支持体表面に該ポジ型感光性組成物の層が形成され
てなるポジ型感光性平版印刷版、及び、該ポジ型感光性
平版印刷版を、波長域650〜1,300nmのレーザ
ー光により走査露光した後、アルカリ現像液により現像
するポジ画像形成方法、を要旨とする。 (A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変
換物質 (B)アルカリ可溶性樹脂 (C)界面活性剤
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のポジ型感光性組成物に含
有される(A)成分の光熱変換物質としては、画像露光
光源の光を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に
限定されないが、波長域650〜1,300nmに吸収
極大を有する光吸収色素が特に有効である。これらの光
吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、
紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的
に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっ
ては感光性組成物を変成させる作用のない化合物であ
る。
【0013】本発明において、これらの光吸収色素とし
ては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子
がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のもの
であり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、
ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、
広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン
系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、
インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオ
シアニン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スク
アリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及
び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された
構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キ
ノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリ
ウム系、チアピリリウム系等のシアニン系色素、及びポ
リメチン系色素が好ましい。
【0014】又、その他に、ジイミニウム系色素、フタ
ロシアニン系色素等も代表的なものとして挙げられ、中
で、ジイミニウム系色素が好ましい。
【0015】本発明においては、前記シアニン系色素の
中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(I
a) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR
2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有してい
てもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していて
もよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチ
ン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメ
チン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7
のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアル
ケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成して
いてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、
その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合
ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオン
を示す。〕
【0018】ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1
及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜1
5、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基
であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜1
0であり、フェニル基も含めたそれらの置換基として
は、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアル
コキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル
基等が挙げられ、L1 における置換基としては、同上炭
素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙
げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素
数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ
基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0019】又、インドール系、及びベンゾチアゾール
系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるもの
が好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立し
て、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3
びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有して
いてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカ
メチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデ
カメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5
〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロ
アルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成
していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していて
もよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結
して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対
アニオンを示す。〕
【0022】ここで、式(II)中のR3 及びR4 がアルキ
ル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1
〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素
数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニ
ル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1
〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキ
シ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L
2 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、
アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼ
ン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲ
ン原子等が挙げられる。
【0023】又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系
色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は
(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0024】
【化3】
【0025】〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1
及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示
し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素
原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR
8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環
を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよ
いモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該
トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が
互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シク
ロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロ
アルケンチオン環を形成していてもよく、ピリリウム環
及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、そ
の場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベ
ンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを
示す。〕
【0026】ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中
のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるとき
の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、
3における置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリ
ウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、
フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられ
る。
【0027】又、ポリメチン系色素としては、特に、下
記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0028】
【化4】
【0029】〔式(IV)中、R9 、R10、R11、及びR12
は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各
々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フ
リル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有して
いてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を
示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの
置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン
環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又
はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、キノ
ン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa
- は対アニオンを示す。〕
【0030】ここで、式(IV)中のR9 、R10、R11、及
びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましく
は1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭
素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13
及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2
−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの
置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数
のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、
又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における置換基と
しては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロ
ゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環におけ
る置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素
数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙
げられる。
【0031】更に、ジイミニウム系色素としては、特
に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも
1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが
好ましい。
【0032】
【化5】
【0033】〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16
17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有
していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよ
いアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコ
キシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基
を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
ル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基
を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノ
キノン環は置換基を有していてもよい。Xa - は対アニ
オンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電
子結合との共鳴状態を示す。〕
【0034】ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15
16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アル
コキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましく
は1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの
炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、そ
れらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシル
オキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又
はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキ
ノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル
基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、
又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0035】これらのジイミニウム系色素の中では、前
記一般式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR
18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基である
か、R19、及びR20がジアルキルアミノ基を置換基とし
て有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0036】尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜
c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンXa - とし
ては、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、P
6 - 、SbF6 - 、AsF6 - 、及び、BF4 - 、B
Cl4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオ
ロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェ
ニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸
等の有機酸アニオンを挙げることができる。これらの中
で、硼酸アニオンを対イオンに有する色素は、塗布溶剤
に対する溶解性に優れるので、低沸点の溶剤の使用が可
能となること等から、好ましい。
【0037】以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノ
リン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベ
ンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピ
リリウム系又はチアピリリウム系等のシアニン系色素、
前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記
一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の中で、
本発明においては、前記一般式(II)で表されるインドー
ル系又はベンゾチアゾール系のシアニン系色素が特に好
ましい。
【0038】尚、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリ
ン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベン
ゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリ
リウム系又はチアピリリウム系等のシアニン系色素、前
記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記一
般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の各具体例
を以下に示す。
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】本発明のポジ型感光性組成物における前記
(A)成分の光熱変換物質の含有割合は、0.5〜50
重量%であるのが好ましく、0.5〜30重量%である
のが更に好ましく、1〜20重量%であるのが特に好ま
しい。
【0051】又、本発明のポジ型感光性組成物に含有さ
れる(B)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノ
ール性水酸基を有する樹脂、具体的には、例えば、ノボ
ラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、ポリビ
ニルフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するアク
リル酸誘導体の共重合体等が好ましく、中で、ノボラッ
ク樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、又はポリビ
ニルフェノール樹脂が好ましく、フェノール樹脂が更に
好ましく、ノボラック樹脂が特に好ましい。
【0052】ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノー
ル、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2
−ナフトール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイ
ドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリ
オール、フロログルシノール、4,4’−ビフェニルジ
オール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン等のフェノール類の少なくとも1種を、酸触媒
下、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール
等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデヒドに代えてパラ
ホルムアルデヒドを、アセトアルデヒドに代えてパラア
ルデヒドを、用いてもよい。)、又は、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂であって、こ
の種感光性組成物のバインダー樹脂として慣用されてい
るものである。
【0053】中で、ノボラック樹脂としては、フェノー
ル類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5
−キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又は
ケトン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましく、特
に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレ
ノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合
割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0
〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノー
ル:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル
比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール
類、又は、o−クレゾール:フェノール:m−クレゾー
ル:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜60:1
〜80:0〜50:0〜50の混合フェノール類と、ホ
ルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0054】又、前記ノボラック樹脂としては、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチ
レン換算の重量平均分子量が、1,000〜15,00
0のものであるのが好ましく、1,500〜10,00
0のものであるのが特に好ましい。重量平均分子量が前
記範囲未満では十分な塗膜が得られず、一方、前記範囲
超過ではアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、
非画像部の抜けが不十分となってポジ画像が得られにく
くなる傾向となる。
【0055】又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重
縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外
は同様にして重縮合させた樹脂であって、本発明におい
ては、前記ノボラック樹脂におけると同様の、フェノー
ル類及びその混合組成、及び、アルデヒド類又はケトン
類が好ましく、又、同様の重量平均分子量(MW )のも
のが好ましい。
【0056】又、ポリビニルフェノール樹脂は、例え
ば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、
トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、
ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェ
ニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン
等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環
に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭
素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよ
い。)の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又は
カチオン重合開始剤の存在下で重合させた樹脂であっ
て、中で、本発明においては、ベンゼン環に炭素数1〜
4のアルキル基を置換基として有していてもよいヒドロ
キシスチレン類の重合体が好ましく、特に、無置換のベ
ンゼン環のヒドロキシスチレン類の重合体が好ましい。
又、重量平均分子量(MW )が、1,000〜100,
000のものが好ましく、1,500〜50,000の
ものが更に好ましい。
【0057】更に、アルカリ可溶性樹脂としては、カル
ボキシル基含有ビニル系樹脂を挙げることができる。そ
のカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸
等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル
化合物との共重合体等が挙げられ、これらのカルボキシ
ル基含有ビニル系樹脂の酸価は30〜250KOH・m
g/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1,00
0〜300,000であるのが好ましい。
【0058】本発明のポジ型感光性組成物における前記
(B)成分のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、10〜
95重量%であるのが好ましく、20〜95重量%であ
るのが更に好ましく、40〜90重量%であるのが特に
好ましい。
【0059】又、本発明のポジ型感光性組成物に含有さ
れる(C)成分の界面活性剤としては、この種感光性組
成物において用いられているノニオン性、アニオン性、
或いは両性等の界面活性剤が用いられる。
【0060】そのノニオン性界面活性剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリ
エチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチル
エーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテ
ル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエ
チレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレング
リコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレ
ングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデ
シルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレ
ングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコ
ールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコール
アルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレ
ングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ス
テアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリ
エチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリ
コール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モ
ノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセ
リル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリ
ン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレ
イン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセ
リン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイ
ド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノス
テアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペン
タエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、
トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリ
ット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイ
ド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステア
リン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノ
オレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等の
ソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオ
キサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラ
ステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビッ
ト、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸
エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物
類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエ
チレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油
のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエ
チレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。
【0061】又、そのアニオン性界面活性剤としては、
例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、
ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン
酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナト
リウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコ
ール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸
エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル
アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、ア
セチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族ア
ルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリ
ル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアル
キル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリル
エーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不
飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エ
ステル塩類等を挙げることができる。
【0062】又、その両性界面活性剤としては、例え
ば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシ
メチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチ
ル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル
−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチル
アンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カ
ルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物
類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロ
キシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イ
ミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミ
ダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミ
ダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル
類等を挙げることができる。
【0063】そして、本発明のポジ型感光性組成物にお
いては、前記(B)成分のアルカリ可溶性樹脂と前記
(C)成分の界面活性剤とが、ポジ型感光性組成物を後
述する溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体
表面に塗布し乾燥させることにより該ポジ型感光性組成
物の層を形成するにおける該溶剤に(B)成分と(C)
成分を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度
が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対す
る(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲におい
て、両成分が相溶化して単一相を形成する領域と両成分
が二相に分離する領域とが現出する関係を有することを
必須とし、前記範囲において、両成分が相溶化して単一
相を形成する領域のみ、又は、両成分が二相に分離する
領域のみしか現出しない場合には、本発明の目的を達成
することが困難となる。
【0064】ここで、本発明のポジ型感光性組成物を塗
布液として支持体表面に塗布するにおける溶剤に(B)
成分と(C)成分を溶解或いは分散させたときに、
(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、
(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.
25の範囲において、両成分の相溶化状態の判断は、以
下の手順に従って行ったものである。
【0065】(1) (B)成分のアルカリ可溶性樹脂10
gを塗布液に用いる溶剤10gに溶解させ、50重量%
溶液を作製する。 (2) その樹脂溶液に(C)成分の界面活性剤Xg、又は
界面活性剤Xgを含む前記溶剤の溶液を添加する。 (3) その界面活性剤添加樹脂溶液をYgの前記溶剤で希
釈する。得られる溶液における(B)成分の濃度は、
〔10/(10+10+X+Y)〕×100(重量%)
であり、(B)成分に対する(C)成分の重量比は、X
/10である。 (4) 希釈後、密栓して50℃で10分間激しく攪拌し、
次いで、25℃で一昼夜静置した後、両成分の相溶化状
態を目視観察する。 (5) 以上の操作を、(B)成分の濃度が0超過〜40重
量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重
量比が0超過〜0.25の範囲において実施し、両成分
が相溶化して単一相を形成しているか、両成分が二相に
分離しているかを区別し、その結果を、横軸を(B)成
分の濃度(重量%)、縦軸を(B)成分に対する(C)
成分の重量比としてプロットしたグラフとする。
【0066】(B)成分と(C)成分とが、相溶化して
単一相を形成する領域と二相に分離する領域とが現出す
る関係を有するには、(C)成分の界面活性剤としてノ
ニオン性界面活性剤が好ましく、中で、HLBが9未
満、更には8未満、特には6未満のものが好ましい。
又、平均分子量が900以上、更には1,000以上の
ものが好ましく、平均分子量のHLB値に対する比が2
00以上、更には300以上となる関係を有するものが
好ましい。
【0067】本発明のポジ型感光性組成物における前記
(C)成分の界面活性剤の含有割合は、0.1〜20重
量%であるのが好ましく、0.5〜10重量%であるの
が更に好ましく、1〜8重量%であるのが特に好まし
い。尚、前記(B)成分との関係において、この範囲内
で、低相溶性を示すものほど少量とし、高相溶性を示す
ものほど多量とすることにより、前記相溶化状態を現出
させることができる。
【0068】本発明のポジ型感光性組成物には、前記
(A)成分の光熱変換物質、前記(B)成分のアルカリ
可溶性樹脂、及び前記(C)成分の界面活性剤、の外
に、必要に応じて、溶解抑止剤が含有されていてもよ
く、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−2
68512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エ
ステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳
香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳
香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、特
開平11−190903号公報に詳細に記載されてい
る、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジ
アリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素、特開
平11−143076号公報に詳細に記載されている、
ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格
を有する塩基発色性色素、及び、本願出願人による特願
2001−124119号に記載されているホスホニウ
ム化合物等を挙げることができる。
【0069】本発明のポジ型感光性組成物における前記
溶解抑止剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好
ましく、0.01〜30重量%であるのが更に好まし
く、0.1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0070】又、本発明のポジ型感光性組成物には、更
に、必要に応じて、アンダー現像性の付与等の現像性の
改良を目的として、好ましくはpKa が2以上の有機酸
又はその無水物が含有されていてもよい。
【0071】その有機酸及びその無水物としては、例え
ば、特開昭60−88942号、特開昭63−2760
48号、特開平2−96754号各公報等に記載された
ものが用いられ、具体的には、グリセリン酸、メチルマ
ロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク
酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグ
ルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグ
ルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピル
グルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族
不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン
酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカ
ルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセ
ンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,
4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒ
ドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トル
イル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル
酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、
アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水
マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シク
ロヘキサンジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の無水
物が挙げられる。
【0072】本発明のポジ型感光性組成物における前記
有機酸又はその無水物の含有割合は、0〜30重量%で
あるのが好ましく、0〜20重量%であるのが更に好ま
しく、0〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0073】又、本発明のポジ型感光性組成物には、更
に、必要に応じて、例えば、ビクトリアピュアブルー
(42595)、クリスタルバイオレット(4255
5)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO
(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベー
シック13)、ローダミン6GCP(45160)、ロ
ーダミンB(45170)、サフラニンOK70:10
0(50240)、エリオグラウシンX(4208
0)、ファーストブラックHB(26150)、No.
120/リオノールイエロー(21090)、リオノー
ルイエローGRO(21090)、シムラーファースト
イエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4
T−564D(21095)、シムラーファーストレッ
ド4015(12355)、リオノールレッドB440
1(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L
(74160)、リオノールブルーSM(26150)
等の顔料又は染料等の着色剤が含有されていてもよい。
尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス
(C.I.)を意味する。
【0074】本発明のポジ型感光性組成物における前記
着色剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好まし
く、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、2〜
20重量%であるのが特に好ましい。
【0075】又、本発明のポジ型感光性組成物には、更
に、必要に応じて、露光及び現像後の後加熱により前記
ノボラック樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷
性等を付与することを目的として、前記ノボラック樹脂
等を架橋させる作用を有する架橋剤が含有されていても
よく、その架橋剤としては、代表的には、官能基として
メチロール基、それをアルコール縮合変性したアルコキ
シメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくと
も2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的には、メ
ラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン(三
井サイテック社製、サイメル300シリーズ(1)
等)、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合ア
ルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック社
製、サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコー
ルウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹
脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ
(3)等)〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙
げられる。
【0076】本発明のポジ型感光性組成物における前記
架橋剤の含有割合は、0〜20重量%であるのが好まし
く、0〜10重量%であるのが更に好ましく、0〜5重
量%であるのが特に好ましい。
【0077】又、本発明のポジ型感光性組成物には、前
記成分以外に、例えば、染料、顔料、塗布性改良剤、密
着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の
感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が更に20
重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有さ
れていてもよい。
【0078】又、一般に、ポジ型感光性組成物が紫外線
領域の光に感受性を有する化合物を含まないものである
と、感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等が
劣る傾向にあり、従って、本発明の前記ポジ型感光性組
成物としては、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジ
アジド基含有化合物等の、紫外線領域の光に感受性を有
する化合物を含まず、紫外線領域の光に対して実質的に
感受性を有さないものであるとき、その感度、及び画像
部と非画像部とのコントラスト等の面での本発明の効果
をより顕著に発現することができることから、好まし
い。尚、ここで、紫外線領域の光に対して実質的に感受
性を有さないとは、360〜450nmの波長の光によ
る照射の前後で、アルカリ現像液に対する溶解性に実質
的有意差を生じず、実用的な意味での画像形成能を有さ
ないことを意味する。
【0079】本発明の前記ポジ型感光性組成物は、通
常、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗
布液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させる
ことにより、支持体表面に前記ポジ型感光性組成物の層
が形成されたポジ型感光性平版印刷版とされる。
【0080】ここで、その支持体としては、アルミニウ
ム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、
銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属
板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を
貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプ
ラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中
で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸
溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立
て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じ
て封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がよ
り好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS
B0601に規定される平均粗さRa で、通常0.3〜
1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度であ
る。
【0081】又、その溶剤としては、使用成分に対して
十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等
のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、
ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレー
ト、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶
剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シク
ロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶
剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が
挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に
対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0082】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及
びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途
により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜7μ
m、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3
μmの範囲とする。その際の乾燥温度としては、例え
ば、60〜170℃程度、好ましくは70〜150℃程
度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜10分間程度、
好ましくは10秒〜5分間程度が採られる。尚、乾燥
後、画像形成性の経時安定性の向上、画像形成時のコン
トラストの向上等を目的として、40〜70℃程度の温
度で30分〜72時間程度の後加熱処理を施すことが好
ましい。
【0083】尚、得られるポジ型感光性平版印刷版にお
いて、支持体表面に形成されるポジ型感光性組成物層
は、後述するアルカリ現像液に対する溶解速度が、前述
した特開2001−133965号公報に開示されるよ
うに、表層部から下層部に向かって大となっているのが
好ましく、該層膜厚の表面から80%までの部分の溶解
速度〔V2 〕と該層膜厚の表面から10%までの部分の
溶解速度〔V1 〕の比〔V2 /V1 〕が2.5以上であ
るのが好ましく、3以上であるのが更に好ましく、4以
上であるのが特に好ましい。
【0084】ここで、膜厚の表面から10%までの部分
の溶解速度〔V1 〕及び膜厚の表面から80%までの部
分の溶解速度〔V2 〕は、アルカリ現像液により10秒
毎の現像時間で現像を行った後の各版面について、反射
濃度計により測定した反射濃度と現像前の反射濃度とか
ら以下の式に従って残膜率を算出し、横軸を現像時間、
縦軸を残膜率としてプロットしたグラフを作成し、得ら
れたグラフから、残膜率が90%となる現像時間〔S1
(秒)〕及び残膜率が20%となる現像時間〔S
2 (秒)〕を読み取り、そのS1 をV1 に、S2 をV2
にそれぞれ置き換えることにより評価したものである。
尚、その際のアルカリ現像液としては、富士写真フィル
ム社製平版印刷版用現像液「DP−4」の6倍希釈液を
用い、現像温度は28℃とした。
【0085】残膜率(%)=〔(現像後の版面の反射濃
度−支持体表面の反射濃度)/(現像前の版面の反射濃
度−支持体表面の反射濃度)〕×100
【0086】本発明において、前記ポジ型感光性組成物
の層を支持体表面に有するポジ型感光性平版印刷版を、
画像露光した後、アルカリ現像液で現像することにより
ポジ画像が形成される。
【0087】ここで、前記ポジ型感光性組成物層を画像
露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、
アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレ
ーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー
光源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱に
より画像形成させる場合には、波長域650〜1,30
0nmの範囲の近赤外レーザー光線を発生する光源が好
ましく、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半
導体レーザー、LED等の固体レーザーを挙げることが
でき、特に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレ
ーザーが好ましい。これらの光源により、通常、走査露
光した後、アルカリ現像液にて現像しポジ画像が形成さ
れる。
【0088】尚、レーザー光源は、通常、レンズにより
集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物
層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性
組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザ
ービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存すること
がある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワー
メーターにより測定したレーザービームの単位時間当た
りのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面に
おけるレーザービームの照射面積(cm2 )で除するこ
とにより求めることができる。レーザービームの照射面
積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を越え
る部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す
感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0089】本発明において、光源の光強度としては、
2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ま
しく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすること
が更に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明で
のポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得て、走
査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点と
なる。
【0090】本発明の前記ポジ型感光性平版印刷版を画
像露光したポジ型感光体の現像に用いる現像液として
は、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチ
ウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪
酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、
第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナ
トリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機ア
ルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有
機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からな
るアルカリ現像液を用いる。中で、無機アルカリ塩であ
る珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪
酸塩が好ましい。尚、現像液には、必要に応じて、前記
(C)成分として挙げたと同様のノニオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活
性剤や、アルコール等の有機溶媒を加えることができ
る。
【0091】又、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブ
ラシ現像、超音波現像等により、通常、好ましくは10
〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度
でなされる。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0093】実施例1〜7、比較例1〜5 アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水
酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行
った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中
で、温度28℃、電流密度60A/dm2 、処理時間4
0秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで4重
量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、12秒間のデ
スマット処理を施した後、20重量%硫酸溶液中で、温
度20℃、電流密度3.5A/dm2 、処理時間1分の
条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で2
0秒間熱水封孔処理を行い、平版印刷版支持体用のアル
ミニウム板を作製した。表面粗度計(小坂研究所社製、
「SE−3DH」)によるこの板の平均粗さRaの値は
0.60μmであった。
【0094】得られたアルミニウム板支持体表面に、
(A)成分の光熱変換物質として、前記具体例(II-9)に
示されるシアニン系色素6重量部、(B)成分のアルカ
リ可溶性樹脂として、フェノール:m−クレゾール:p
−クレゾールの混合割合がモル比で50:30:20の
混合フェノール類とホルムアルデヒドとの重縮合体から
なるノボラック樹脂(MW 9,000)100重量部、
(C)成分の界面活性剤として表1に示す界面活性剤及
び量、並びに、有機酸として1,2−シクロヘキセンジ
カルボン酸6重量部、着色剤としてクリスタルバイオレ
ットラクトン10重量部、架橋剤としてメトキシメチル
化メラミン(三井サイテック社製「サイメルC−30
0」)1重量部、及び、ノボラック樹脂と5−ヒドロキ
シ−6−ジアセチルメチリデンヒドラジノ−ナフタレン
スルホン酸とのエステル縮合物10重量部を、表1に示
す溶剤1,000重量部に加え、室温で10分間攪拌し
て調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80
℃で3分間乾燥させた後、60℃で24時間、後加熱処
理することにより、塗膜量2.0g/m2 のポジ型感光
性組成物層を有するポジ型感光性平版印刷版を作製し
た。
【0095】一方、別に、各実施例及び比較例におい
て、表1に示す溶剤に(B)成分としての前記ノボラツ
ク樹脂と(C)成分としての表1に示す界面活性剤を溶
解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が0超過
〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)
成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において、両成
分の相溶化状態の判断を前述の手順に従って行い、結果
を表1に示した。
【0096】前記で得られた各ポジ型感光性平版印刷版
につき、830nmの半導体レーザーを光源とする露光
装置(クレオ社製、「Trend Setter 32
44T」)を用いて、60mJ/cm2 の露光エネルギ
ーで200線、1〜99%の網点画像を画像露光し、次
いで、アルカリ現像液(富士写真フィルム社製平版印刷
版用「DP−4」の10倍希釈液)を用いて28℃で現
像処理を行うことにより1〜99%の網点画像を再現さ
せた平版印刷版を作製するにおいて、露光部(非画像
部)と非露光部(画像部)における現像前後の各反射濃
度を反射濃度計(マクベス社製「RD−514」)を用
いて測定して以下の式に基づいて残膜率を算出すること
によって、露光部の残膜率が0%に達する現像時間〔T
1 (秒)〕、及び非露光部の残膜率が90%を保持し得
る現像時間〔T2 (秒)〕をそれぞれ測定し、更に、現
像許容度としての〔T2 /T1 〕値を算出して、結果を
表1に示した。
【0097】残膜率(%)=〔(現像後の露光部又は非
露光部の反射濃度−支持体表面の反射濃度)/(現像前
の版面の反射濃度−支持体表面の反射濃度)〕×100
【0098】
【表1】
【0099】尚、表1中、(C)成分の界面活性剤とし
て記載のものは、それぞれ以下のものである。 「GS−6」;日光ケミカルズ社製、ポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「Decaglyn5IS」;日光ケミカルズ社製、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「Decaglyn7O」;日光ケミカルズ社製、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「Decaglyn7S」;日光ケミカルズ社製、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「SS−30」;日光ケミカルズ社製、ソルビタン脂肪
酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「GO−4」;日光ケミカルズ社製、ポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「SS−10」;日光ケミカルズ社製、ソルビタン脂肪
酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「MGSTGL」;日光ケミカルズ社製、グリセリン脂
肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「SO−10」;日光ケミカルズ社製、ソルビタン脂肪
酸エステル系ノニオン性界面活性剤 「GO−430」;日光ケミカルズ社製、ポリオキシエ
チレンソルビット脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性
【0100】又、表1中、溶剤として記載のものは、そ
れぞれ以下のものである。 PGM;1−メトキシ−2−プロパノール ECMC;エチルセロソルブ/メチルセロソルブの重量
比1/4の混合溶剤
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、光熱変換物質及びアル
カリ可溶性樹脂からなるポジ型感光性組成物において、
近赤外線領域の光に対して高感度であると共に、現像ラ
チチュードが広く、よって、画像部と非画像部とのコン
トラストに優れる画像が安定して得られるポジ型感光性
組成物、並びに、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用
いたポジ画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における(B)成分と
(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
【図2】 本発明の実施例2における(B)成分と
(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施例3における(B)成分と
(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例7における(B)成分と
(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA04 AB03 AC08 AD03 CB28 CB42 CC03 CC04 CC11 FA10 FA17 2H096 AA06 BA11 CA03 EA04 EA23 GA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分、(B)成分、及び
    (C)成分を含有してなるポジ型感光性組成物であっ
    て、(B)成分と(C)成分とが、該ポジ型感光性組成
    物を溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表
    面に塗布し乾燥させることにより該ポジ型感光性組成物
    の層を形成するにおける該溶剤に(B)成分と(C)成
    分を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が
    0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する
    (C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲におい
    て、両成分が相溶化して単一相を形成する領域と両成分
    が二相に分離する領域とが現出する関係を有するもので
    あることを特徴とするポジ型感光性組成物。 (A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変
    換物質 (B)アルカリ可溶性樹脂 (C)界面活性剤
  2. 【請求項2】 (B)成分のアルカリ可溶性樹脂がフェ
    ノール樹脂である請求項1に記載のポジ型感光性組成
    物。
  3. 【請求項3】 (C)成分の界面活性剤がノニオン性界
    面活性剤である請求項1又は2に記載のポジ型感光性組
    成物。
  4. 【請求項4】 ノニオン性界面活性剤のHLBが8未満
    である請求項3に記載のポジ型感光性組成物。
  5. 【請求項5】 ノニオン性界面活性剤の平均分子量が、
    HLB値に対する比として200以上となる関係を有す
    る請求項4に記載のポジ型感光性組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分の光熱変換物質が、波長域6
    50〜1,300nmに吸収極大を有する光吸収色素で
    ある請求項1乃至5のいずれかに記載のポジ型感光性組
    成物。
  7. 【請求項7】 光吸収色素が、ポリメチン鎖を介して複
    素環が結合された構造のシアニン系色素である請求項6
    に記載のポジ型感光性組成物。
  8. 【請求項8】 支持体表面に、請求項1乃至7のいずれ
    かに記載のポジ型感光性組成物の層が形成されてなるこ
    とを特徴とするポジ型感光性平版印刷版。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のポジ型感光性平版印刷
    版を、波長域650〜1,300nmのレーザー光によ
    り走査露光した後、アルカリ現像液により現像すること
    を特徴とするポジ画像形成方法。
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