JP3860361B2 - ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法 - Google Patents

ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版、簡易校正印刷用プルーフ、配線板やグラビア用銅エッチングレジスト、フラットディスプレイ製造に用いられるカラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォトレジスト等に使用される、主として近赤外線領域の光に対して高感度なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法に関し、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等による直接製版に好適なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポジ型感光性組成物としては、例えば、光照射によりインデンカルボン酸を生じアルカリ可溶性となるo−キノンジアジド基含有化合物、o−ニトロカルビノールエステル基を有する有機高分子物質、或いは、光により酸を発生する化合物(光酸発生剤)と酸により加水分解を生じアルカリ可溶性となる化合物との組成物等が知られている。
【0003】
一方、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光或いはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光又は感熱ダイレクト製版システムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザー等を用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光、及び版材コスト等の面から、その実現が強く望まれている。
【0004】
これに対し、従来より、レーザー感光又は感熱を利用した画像形成方法としては、昇華転写色素を利用し色材画像を形成する方法並びに平版印刷版を作製する方法等が知られており、後者においては、具体的に、例えば、ジアゾ化合物の架橋反応を利用し平版印刷版を作製する方法、ニトロセルロースの分解反応を利用し平版印刷版を作製する方法等が知られている。
【0005】
近年、化学増幅型のフォトレジストに長波長光線吸収色素を組み合わせた技術が散見され、例えば、特開平6−43633号公報には、特定のスクアリリウム系色素、光酸発生剤、及びバインダーを含む画像形成材料が、又、特開平7−20629号公報には、赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂、及びノボラック樹脂を含む画像形成材料が、又、特開平7−271029号公報には、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs−トリアジン系化合物を用いた画像形成材料が、更に、特開平7−285275号公報には、結着剤、光を吸収し熱を発生する物質、及び熱分解性でありかつ分解しない状態では結着剤の溶解性を実質的に低下させる物質を含む画像形成材料が、それぞれ開示されている。
【0006】
又、これら従来の技術が、紫外線領域の光に対しても感応し、白色蛍光灯下における取扱時に反応が進行してしまい、そのため安定した品質のものが得られ難いという問題があるのに対して、特開平9−43847号公報には、アルカリ現像液に対して難溶性の樹脂と赤外線吸収剤を含有し、赤外線照射等により加熱されて結晶性を変化させてアルカリ可溶性となるが紫外線照射では変化しないポジ型組成物が、又、WO97/39894号明細書には、水性現像可能なポリマーと該ポリマーの水性現像性を抑止する化合物を含有し、加熱により水性現像性が向上するが紫外線照射では変化しない熱感受性のポジ型組成物が、それぞれ開示されている。
【0007】
これら特開平9−43847号公報及びWO97/39894号明細書に開示されるポジ型組成物は、露光により化学変化を生じる化合物を含有しその化学変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめる前述の従来技術における組成物とは異なり、化学変化以外の変化によって溶解性に差異を生ぜしめるものであると共に、紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まないため、白色蛍光灯下における取扱性に優れる等の利点を有する。
【0008】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、前述の従来技術は、露光後に加熱処理を要するネガ型感光性組成物においては、その処理条件によって得られる画像が必ずしも安定しておらず、又、露光後の加熱処理を要しないポジ型感光性組成物においては、感度、及び画像部(非露光部)と非画像部(露光部)とのコントラストが不十分で、その結果、非画像部が十分に除去されなかったり、画像部の残膜率が十分に保持されない等の問題を有しており、特に、化学変化以外の変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめるような、特開平9−43847号公報及びWO97/39894号明細書に開示されるポジ型組成物においては、その傾向が顕著であることが判明した。
【0009】
これに対して、本願出願人は、近赤外線領域の光に対する光熱変換物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂という光化学的変化を期待し得ない単純な系で、前述の問題を解消したポジ画像を形成できる感光性組成物が得られることを見い出し、先に特許出願(特開平10−268512号公報)したが、実用的には未だ充分とは言い難いものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、感度、及び画像部と非画像部とのコントラストに優れると共に、現像液に対する膜強度にも優れ、更に望ましくは、紫外線領域の光に対して感応せず、白色蛍光灯下における取扱性にも優れるポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版、並びにポジ画像形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、主として近赤外線領域の光に対する光熱変換物質とノボラック樹脂を特定のフェノール性水酸基含有化合物の含有下に用いた組成物が前記目的を達成できることを見い出し本発明を完成したものであって、即ち、本発明は、画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質及びノボラック樹脂を含有してなるポジ型感光性組成物であって、該組成物全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が35〜70重量%であるポジ型感光性組成物、を要旨とする。
【0012】
又、本発明は、画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質及びノボラック樹脂を含有してなるポジ型感光性組成物であって、該組成物全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が25〜60重量%であるポジ型感光性組成物、を要旨とする。
【0013】
又、本発明は、画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質及びノボラック樹脂を含有してなるポジ型感光性組成物であって、該組成物全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が20〜55重量%であるポジ型感光性組成物、を要旨とする。
【0014】
又、本発明は、画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質及びノボラック樹脂を含有してなるポジ型感光性組成物であって、該組成物全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が35〜70重量%で、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が25〜60重量%であり、且つ、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が20〜55重量%であるポジ型感光性組成物、を要旨とする。
【0015】
更に、本発明は、支持体表面に、前記のいずれかのポジ型感光性組成物の層が形成されてなるポジ型感光性平版印刷版、並びに、該平版印刷版を、半導体レーザー又はYAGレーザーにより画像露光した後、アルカリ現像液により現像するポジ画像形成方法、を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のポジ型感光性組成物における、画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質としては、吸収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1,300nmの近赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料や染料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。
【0017】
これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)n で結合された、広義の所謂シアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、アミノベンゼン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、アミノベンゼン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系が好ましく、又、その他に、アミニウム系、イモニウム系、フタロシアニン系、アントラキノン系等の各色素も代表的なものとして挙げられる。
【0018】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0019】
【化1】
Figure 0003860361
【0020】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0021】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0022】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0023】
【化2】
Figure 0003860361
【0024】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0025】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0026】
又、アミノベンゼン系色素としては、特に、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0027】
【化3】
Figure 0003860361
【0028】
〔式(III) 中、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、アルキル基を示し、R9 及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0029】
ここで、式(III) 中のR9 及びR10として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0030】
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IVa) 、(IVb) 、又は(IVc) で表されるものが好ましい。
【0031】
【化4】
Figure 0003860361
【0032】
〔式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR14が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0033】
ここで、式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中のL4 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0034】
更に、アミニウム系、及びイモニウム系色素としては、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0035】
【化5】
Figure 0003860361
【0036】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノキノン環は置換基を有していてもよい。X- は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(─)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0037】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、R18、R19、及びR20における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキノン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0038】
これらのアミニウム系、及びイモニウム系色素の中では、前記一般式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基であるか、R19、及びR20がジアルキルアミノ基を置換基として有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0039】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(III) 、(IVa〜c)、及び(Va 〜b)における対アニオンX- としては、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、及び、BF4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0040】
以上、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III) で表されるアミノベンゼン系色素、前記一般式(IVa〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるアミニウム系又はイモニウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0041】
【化6】
Figure 0003860361
【0042】
【化7】
Figure 0003860361
【0043】
【化8】
Figure 0003860361
【0044】
【化9】
Figure 0003860361
【0045】
【化10】
Figure 0003860361
【0046】
【化11】
Figure 0003860361
【0047】
【化12】
Figure 0003860361
【0048】
【化13】
Figure 0003860361
【0049】
【化14】
Figure 0003860361
【0050】
【化15】
Figure 0003860361
【0051】
【化16】
Figure 0003860361
【0052】
又、本発明のポジ型感光性組成物におけるノボラック樹脂は、フェノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂として、この種感光性組成物のバインダー樹脂に慣用されているものであって、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類の少なくとも1種を、酸性触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂であって、中で、本発明においては、フェノール類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。尚、本発明のポジ型感光性組成物は後述する溶剤抑止剤を含有することが好ましく、その場合は、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0053】
前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは1,500〜20,000、更に好ましくは2,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜12,000のものが用いられる。重量平均分子量が前記範囲よりよりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、前記範囲よりも大きいとアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、非画像部の抜けが不十分となってレジストのパターンが得られにくくなる傾向となる。
【0054】
本発明のポジ型感光性組成物は、前記光熱変換物質と前記ノボラック樹脂を基本組成とするが、両者の合計量に対するそれぞれの含有割合は、前者光熱変換物質が0.5〜50重量%、後者ノボラック樹脂が99.5〜50重量%であるのが好ましく、前者が1〜40重量%、後者が99〜60重量%であるのが更に好ましく、前者が2〜30重量%、後者が98〜70重量%であるのが特に好ましい。
【0055】
そして、前記光熱変換物質と前記ノボラック樹脂を含有してなる本発明のポジ型感光性組成物は、該組成物全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が35〜70重量%であるもの、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が25〜60重量%であるもの、又は、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が20〜55重量%であるもの、のいずれかのものであり、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が35〜70重量%で、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が25〜60重量%であり、且つ、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が20〜55重量%であるものが最も好ましい。
【0056】
又、前記分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合としては35〜60重量%であるのが好ましく、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合としては25〜55重量%であるのが好ましく、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合としては20〜50重量%であるのが好ましい。
【0057】
組成成全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合、及び、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が、共に、前記範囲未満では、ポジ型感光性組成物としての感度が不足し、一方、前記範囲超過では、現像液に対する膜強度の劣るものとなる。
【0058】
ここで、フェノール性水酸基含有化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物である限り特に限定されるものではなく、従って、前記ノボラック樹脂の原料フェノール類単量体、その2量体以上のオリゴマー、及び重合体等、並びに、前記ノボラック樹脂の原料フェノール類以外のフェノール類単量体、その2量体以上のオリゴマー、及び重合体等、のいずれをも対象とし得る。
【0059】
そして、後者のノボラック樹脂の原料フェノール類以外のフェノール類等は、前記光熱変換物質と前記ノボラック樹脂に更に加えられて本発明の組成物を構成し、又、前者のノボラック樹脂の原料フェノール類等は、ノボラック樹脂中に通常含有される未反応物或いは副生オリゴマー等のフェノール類等の残存量を精製操作等により調整して、それら原料フェノール類に由来するものとして残存するか、或いは、後者のノボラック樹脂の原料フェノール類以外のフェノール類等と同様に更に加えられて本発明の組成物を構成する。
【0060】
本発明のポジ型感光性組成物におけるこれらのフェノール性水酸基含有化合物としては、具体的には、1個以上のベンゼン環を有する単環式、環集合式、縮合多環式等の一価、二価、三価等のフェノール類であって、前記ノボラック樹脂の原料フェノール類として挙げたと同様のフェノール類の外、例えば、2,4,6−トリメチルフェノール、p−メトキシフェノール、p−カルボキシフェノール、p−アセチルフェノール等の単環式、4−ヒドロキシフェニルフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン類等の環集合式、9−アントロール、及び下記の構造で表される化合物(1) 、(2) 、(3) 等の縮合多環式等の化合物が挙げられ、ベンゼン環の置換基としてアルキル基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシ基を有するものが好ましく、炭素数10以下のアルキル基、アルコキシ基を有するものが特に好ましい。
【0061】
【化17】
Figure 0003860361
【0062】
以上のフェノール性水酸基含有化合物の中で、本発明においては、酸素原子の数に対する炭素原子の数の比が2〜20である化合物が好ましく、3〜15である化合物が更に好ましく、3〜10である化合物が特に好ましい。
【0063】
本発明のポジ型感光性組成物が、前述の如き、特定分子量のフェノール性水酸基含有化合物を特定量含有することにより、感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等に優れることとなる理由は定かではないが、ノボラック樹脂のコンフォメーション変化等の化学変化以外の変化に起因する潜像形成能が改善されるためと考えられる。
【0064】
尚、本発明のポジ型感光性組成物には、前記光熱変換物質、前記ノボラック樹脂、及び所望により加えられる前記フェノール性水酸基含有化合物の他に、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる目的で、前記ノボラック樹脂と水素結合を形成して該樹脂の溶解性を低下させる機能を有し、且つ、近赤外線領域の光を殆ど吸収せず、近赤外線領域の光で分解されない溶解抑止剤が含有されていてもよい。
【0065】
その溶解抑止剤としては、例えば、本願出願人による特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、同じく特願平9−291880号明細書に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有し着色剤を兼ねた酸発色性色素、同じく特願平9−331512号明細書に詳細に記載されている非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0066】
本発明のポジ型感光性組成物における前記溶解抑止剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好ましく、0〜30重量%であるのが更に好ましく、0〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0067】
又、本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じて、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0068】
本発明のポジ型感光性組成物における前記着色剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0069】
本発明のポジ型感光性組成物には、前記成分以外に、例えば、塗布性改良剤、現像性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等の通常用いられる各種の添加剤が更に、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0070】
尚、一般に、ポジ型感光性組成物が紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まないものであると、感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等が劣る傾向にあり、従って、本発明の前記ポジ型感光性組成物としては、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド基含有化合物等の、紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まず、紫外線領域の光に対して実質的に感受性を有さないものであるとき、その感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等の面での本発明の効果をより顕著に発現することができることから、好ましい。
【0071】
ここで、紫外線領域の光に対して実質的に感受性を有さないとは、360〜450nmの波長の光による照射の前後で、アルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差を生じず、実用的な意味での画像形成能を有さないことを意味し、例えば、白色蛍光灯(三菱電機社製36W白色蛍光灯「ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36」)の400ルクスの光強度照射下に10時間放置した後の組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が、放置前に比して実質的変化を生じない結果を示す。
【0072】
本発明の前記ポジ型感光性組成物は、通常、前記各成分を適当な溶媒に溶解した溶液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥することにより、支持体表面に感光性組成物層が形成されたポジ型感光性平版印刷版とされる。
【0073】
ここで、その溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶媒、酢酸、あるいはこれらの混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0074】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜7μm、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3μmの範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜170℃程度、好ましくは40〜150℃程度が採られる。
【0075】
尚、本発明の効果を一層確実ならしめるために、例えば、40〜100℃程度、好ましくは40〜70℃程度の温度で、1分〜50時間程度、好ましくは30分〜20時間程度の加熱処理を施すことが好ましい。
【0076】
又、その支持体としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がより好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS B0601に規定される平均粗さRa で、通常、0.3〜1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度とする。
【0077】
本発明でのポジ型感光性組成物層を画像露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱により画像形成させる場合には、650〜1300nmの近赤外レーザー光線を発生する光源が好ましく、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらの光源により、通常、走査露光した後、現像液にて現像し画像が形成される。
【0078】
尚、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワーメーターにより測定したレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面におけるレーザービームの照射面積(cm2 )で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を越える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0079】
本発明において、光源の光強度としては、2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ましく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすることが特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明でのポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得る、走査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点となる。
【0080】
本発明の前記ポジ型感光性平版印刷版を画像露光したポジ型感光体の現像に用いる現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなるアルカリ現像液を用いる。中で、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましい。尚、現像液には、必要に応じて、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤や、アルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0081】
尚、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常、好ましくは10〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度でなされる。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0083】
実施例1〜4、比較例1〜2
アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中で、温度25℃、電流密度60A/dm2 、処理時間30秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20重量%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3A/dm2 、処理時間1分の条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で20秒間熱水封孔処理を行い、平版印刷版支持体用のアルミニウム板を作製した。
【0084】
得られたアルミニウム板支持体表面に、光熱変換物質として前記具体例(II-9)で示したインドール系色素4重量部、ノボラック樹脂として下記の▲1▼〜▲3▼の樹脂100重量部、フェノール性水酸基含有化合物として下記の▲4▼〜▲6▼の化合物を表1に示す量用い又は用いずに、及び、クリスタルバイオレットラクトン10重量部を、シクロヘキサノン1206重量部に加え、室温で10分間攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥させた後、55℃で16時間加熱処理することにより、塗膜量2.5g/m2 のポジ型感光性組成物層を有するポジ型感光性平版印刷版を作製した。
【0085】
ノボラック樹脂
▲1▼フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で50:30:20の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体からなり、重量平均分子量10,000であって、ノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が38重量%、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が30重量%、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が25重量%のノボラック樹脂。
【0086】
▲2▼m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で70:30の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体からなり、重量平均分子量10,800であって、ノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が31重量%、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が23重量%、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が19重量%のノボラック樹脂。
【0087】
▲3▼m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で90:10の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体からなり、重量平均分子量10,000であって、ノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が30重量%、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が22重量%、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が18重量%のノボラック樹脂。
【0088】
尚、前記ノボラック樹脂における全フェノール性水酸基含有化合物に対する、各分子量化合物の割合は、東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8020」を用い、カラムとして東ソー社製「TSKgelGMHX L−N」の30cmを2本、検出器としてRIを用いて、移動層にテトラハイドロフラン(特級)、インジェクション量100μl、流速1.0ml/分の条件で測定した。
【0089】
フェノール性水酸基含有化合物
▲4▼前記具体例〔化17〕の化合物(1)
▲5▼前記具体例〔化17〕の化合物(2)
▲6▼前記具体例〔化17〕の化合物(3)
【0090】
得られた各ポジ型感光性平版印刷版につき、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(Creo社製、「Trend Setter 3244T」)を用いて各種の露光エネルギーで200線、1〜99%の網点画像を画像露光し、次いで、アルカリ現像液(富士写真フィルム社製「DP−4」の8倍希釈液)に28℃で現像処理を行うことにより、1〜99%の網点画像を再現させた印刷版を作製し、そのときの感度を3%の網点が再現する露光エネルギー量として求め、結果を表1に示した。
【0091】
更に、得られた印刷版の膜強度を以下に示す基準で評価し、結果を表1に示した。
A;強固な膜強度で網点を再現。
B;やや劣るが、実用上問題ない膜強度で網点を再現。
C;露光部が現像液に溶解せず。(画像形成できず。)
【0092】
実施例5〜8、比較例3〜4
前記実施例で得られたアルミニウム板支持体表面に、光熱変換物質として前記具体例(II-9)で示したインドール系色素4重量部、ノボラック樹脂として前記の▲1▼〜▲3▼の樹脂100重量部、フェノール性水酸基含有化合物として前記の▲1▼〜▲3▼の化合物を表1に示す量用い又は用いずに、及び、クリスタルバイオレットラクトン10重量部、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸5重量部、ポリエチレングリコール(数平均分子量2,000)3重量部を、メトキシエタノール966重量部とエトキシエタノール240重量部に加え、室温で10分間攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、85℃で2分間乾燥させた後、55℃で16時間加熱処理することにより、塗膜量2.5g/m2 のポジ型感光性組成物層を有するポジ型感光性平版印刷版を作製し、前記実施例と同様にして、画像露光し、現像して、感度、及び膜強度を評価し、結果を表1に示した。
【0093】
【表1】
Figure 0003860361
【0094】
尚、前記の各ポジ型感光性平版印刷版は、白色蛍光灯(三菱電機社製36W白色蛍光灯「ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36」)の400ルクスの光強度照射下に10時間放置した後、前記と同様の現像処理を行った場合、いずれの実施例及び比較例においても実質的な膜減りはなく、白色蛍光灯下における取扱性は良好であった。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、感度、及び画像部と非画像部とのコントラストに優れると共に、現像液に対する膜強度にも優れ、更に望ましくは、紫外線領域の光に対して感応せず、白色蛍光灯下における取扱性にも優れるポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版を提供することができる。

Claims (6)

  1. 画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質及びノボラック樹脂を含有してなるポジ型感光性組成物であって、該組成物全体におけるノボラック樹脂も含む全フェノール性水酸基含有化合物に対する、分子量1,500以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が35〜70重量%で、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が25〜60重量%であり、且つ、分子量800以下のフェノール性水酸基含有化合物の割合が20〜55重量%であることを特徴とするポジ型感光性組成物。
  2. 光熱変換物質が、波長域650〜1,300μmの一部又は全部に吸収帯を有する光吸収色素である請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
  3. 紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まない請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
  4. 400ルクスの光強度の白色蛍光灯下に10時間放置した後の組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が、放置前に比して変化を生じない請求項1乃至3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  5. 支持体表面に、請求項1乃至4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物の層が形成されてなることを特徴とするポジ型感光性平版印刷版。
  6. 請求項5に記載のポジ型感光性平版印刷版を、半導体レーザー又はYAGレーザーにより画像露光した後、アルカリ現像液により現像することを特徴とするポジ画像形成方法。
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