JP4068320B2 - ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法 - Google Patents

ポジ型感光性組成物、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版、簡易校正印刷用プルーフ、配線板やグラビア用銅エッチングレジスト、フラットディスプレイ製造に用いられるカラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォトレジスト等に使用される、主として近赤外線領域の光に対して高感度なポジ型感光性組成物であって、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等による直接製版に好適なポジ型感光性組成物、並びに、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポジ型感光性組成物としては、例えば、光照射によりインデンカルボン酸を生じアルカリ可溶性となるo−キノンジアジド基含有化合物、o−ニトロカルビノールエステル基を有する有機高分子物質、或いは、光により酸を発生する化合物(光酸発生剤)と酸により加水分解を生じアルカリ可溶性となる化合物との組成物等が知られている。
【0003】
一方、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光或いはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光又は感熱ダイレクト製版システムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザー等を用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光、及び版材コスト等の面から、その実現が強く望まれている。
【0004】
これに対し、従来より、レーザー感光又は感熱を利用した画像形成方法としては、昇華転写色素を利用し色材画像を形成する方法並びに平版印刷版を作製する方法等が知られており、後者においては、具体的に、例えば、ジアゾ化合物の架橋反応を利用し平版印刷版を作製する方法、ニトロセルロースの分解反応を利用し平版印刷版を作製する方法等が知られている。
【0005】
近年、化学増幅型のフォトレジストに長波長光線吸収色素を組み合わせた技術が散見され、例えば、特開平6−43633号公報には、特定のスクアリリウム系色素、光酸発生剤、及びバインダーを含むポジ型組成物が、又、特開平7−20629号公報には、赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂、及びノボラック樹脂を含むポジ型組成物が、又、特開平7−271029号公報には、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs−トリアジン系化合物を用いたポジ型組成物が、更に、特開平7−285275号公報には、結着剤、光を吸収し熱を発生する物質、及び熱分解性でありかつ分解しない状態では結着剤の溶解性を実質的に低下させる物質を含むポジ型組成物が、それぞれ開示されている。
【0006】
又、これら従来の技術が、紫外線領域の光に対しても感応し、白色蛍光灯下における取扱時に反応が進行してしまい、そのため安定した品質のものが得られ難いという欠点があるのに対して、特開平9−43847号公報には、アルカリ現像液に対して難溶性の樹脂と赤外線吸収剤を含有し、赤外線照射等により加熱されて結晶性を変化させてアルカリ可溶性となるが紫外線照射では変化しないポジ型組成物が、又、WO97/39894号明細書には、水性現像可能なポリマーと該ポリマーの水性現像性を抑止する化合物を含有し、加熱により水性現像性が向上するが紫外線照射では変化しない熱感受性のポジ型組成物が、それぞれ開示され、又、本願出願人も、ポリメチン鎖を介して複素原子が結合された構造の近赤外線吸収色素からなる光熱変換物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂という光化学的変化を期待し得ない単純な系で、前述の欠点を解消したポジ型組成物が得られることを見い出し、先に特許出願(特開平10−268512号公報参照)した。
【0007】
これら特開平9−43847号公報、WO97/39894号明細書、及び特開平10−268512号公報に開示されるポジ型組成物は、露光により化学変化を生じる化合物を含有しその化学変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめる前述の従来技術における組成物とは異なり、化学変化以外の変化によって溶解性に差異を生ぜしめるものであると共に、紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まないため、白色蛍光灯下における取扱性に優れる等の利点を有する。
【0008】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、従来技術におけるポジ型組成物は、画像部(非露光部)と非画像部(露光部)とのコントラストが不十分で、その結果、非画像部の抜け性が不十分であったり、画像部の残膜率が十分に保持されない等の問題を有しており、特に、化学変化以外の変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜしめるような、特開平9−43847号公報、WO97/39894号明細書、及び特開平10−268512号公報に開示されるポジ型組成物においては、その傾向が顕著であることが判明した。
【0009】
一方、これらの問題を解消すべく、例えば、特開2000−105454号公報には、HLBが好ましくは8以上、特に好ましくは10以上のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を含有せしめたポジ型感光性組成物が開示され、又、特開2001−133965号公報には、支持体表面に形成された感光性層が、表層部から下層部に向かってアルカリ現像液に対する溶解速度が大となっているポジ型感光性平版印刷版及びその製造方法が開示されているが、本発明者等の検討によれば、いずれもかなりの改良効果は認められるものの、依然として、現像ラチチュード(現像時に非画像部が完全に除去されるまでの時間と、現像時も画像部の残膜率が充分に確保される時間との差)の拡大要求は強く、更に改良の余地を残すものであることが判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂からなるポジ型感光性組成物において、近赤外線領域の光に対して高感度であると共に、現像ラチチュードが広く、よって、画像部と非画像部とのコントラストに優れる画像が安定して得られるポジ型感光性組成物、並びに、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂に界面活性剤を含有させたポジ型感光性組成物における該界面活性剤とアルカリ可溶性樹脂とを、両者の相溶性が特定の関係を有するように選択することにより、前記目的が達成できることを見い出し本発明を完成したもので、即ち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなるポジ型感光性組成物であって、(B)成分と(C)成分とが、該ポジ型感光性組成物を溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し乾燥させることにより該ポジ型感光性組成物の層を形成するにおける該溶剤に(B)成分と(C)成分を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において、両成分が相溶化して単一相を形成する領域と両成分が二相に分離する領域とが現出する関係を有するものであるポジ型感光性組成物、並びに、支持体表面に該ポジ型感光性組成物の層が形成されてなるポジ型感光性平版印刷版、及び、該ポジ型感光性平版印刷版を、波長域650〜1,300nmのレーザー光により走査露光した後、アルカリ現像液により現像するポジ画像形成方法、を要旨とする。
(A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質
(B)アルカリ可溶性樹脂
(C)界面活性剤
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のポジ型感光性組成物に含有される(A)成分の光熱変換物質としては、画像露光光源の光を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1,300nmに吸収極大を有する光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。
【0013】
本発明において、これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チアピリリウム系等のシアニン系色素、及びポリメチン系色素が好ましい。
【0014】
又、その他に、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色素等も代表的なものとして挙げられ、中で、ジイミニウム系色素が好ましい。
【0015】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0016】
【化1】
Figure 0004068320
【0017】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0018】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0019】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0020】
【化2】
Figure 0004068320
【0021】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0022】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0023】
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0024】
【化3】
Figure 0004068320
【0025】
〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0026】
ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0027】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0028】
【化4】
Figure 0004068320
【0029】
〔式(IV)中、R9 、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0030】
ここで、式(IV)中のR9 、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0031】
更に、ジイミニウム系色素としては、特に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0032】
【化5】
Figure 0004068320
【0033】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノキノン環は置換基を有していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0034】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、それらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0035】
これらのジイミニウム系色素の中では、前記一般式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基であるか、R19、及びR20がジアルキルアミノ基を置換基として有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0036】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンXa - としては、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、AsF6 - 、及び、BF4 - 、BCl4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。これらの中で、硼酸アニオンを対イオンに有する色素は、塗布溶剤に対する溶解性に優れるので、低沸点の溶剤の使用が可能となること等から、好ましい。
【0037】
以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の中で、本発明においては、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン系色素が特に好ましい。
【0038】
尚、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0039】
【化6】
Figure 0004068320
【0040】
【化7】
Figure 0004068320
【0041】
【化8】
Figure 0004068320
【0042】
【化9】
Figure 0004068320
【0043】
【化10】
Figure 0004068320
【0044】
【化11】
Figure 0004068320
【0045】
【化12】
Figure 0004068320
【0046】
【化13】
Figure 0004068320
【0047】
【化14】
Figure 0004068320
【0048】
【化15】
Figure 0004068320
【0049】
【化16】
Figure 0004068320
【0050】
本発明のポジ型感光性組成物における前記(A)成分の光熱変換物質の含有割合は、0.5〜50重量%であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0051】
又、本発明のポジ型感光性組成物に含有される(B)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基を有する樹脂、具体的には、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するアクリル酸誘導体の共重合体等が好ましく、中で、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、又はポリビニルフェノール樹脂が好ましく、フェノール樹脂が更に好ましく、ノボラック樹脂が特に好ましい。
【0052】
ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類の少なくとも1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂であって、この種感光性組成物のバインダー樹脂として慣用されているものである。
【0053】
中で、ノボラック樹脂としては、フェノール類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール類、又は、o−クレゾール:フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜60:1〜80:0〜50:0〜50の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0054】
又、前記ノボラック樹脂としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量が、1,000〜15,000のものであるのが好ましく、1,500〜10,000のものであるのが特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲未満では十分な塗膜が得られず、一方、前記範囲超過ではアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、非画像部の抜けが不十分となってポジ画像が得られにくくなる傾向となる。
【0055】
又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外は同様にして重縮合させた樹脂であって、本発明においては、前記ノボラック樹脂におけると同様の、フェノール類及びその混合組成、及び、アルデヒド類又はケトン類が好ましく、又、同様の重量平均分子量(MW )のものが好ましい。
【0056】
又、ポリビニルフェノール樹脂は、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい。)の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合させた樹脂であって、中で、本発明においては、ベンゼン環に炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよいヒドロキシスチレン類の重合体が好ましく、特に、無置換のベンゼン環のヒドロキシスチレン類の重合体が好ましい。又、重量平均分子量(MW )が、1,000〜100,000のものが好ましく、1,500〜50,000のものが更に好ましい。
【0057】
更に、アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基含有ビニル系樹脂を挙げることができる。そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられ、これらのカルボキシル基含有ビニル系樹脂の酸価は30〜250KOH・mg/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1,000〜300,000であるのが好ましい。
【0058】
本発明のポジ型感光性組成物における前記(B)成分のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、10〜95重量%であるのが好ましく、20〜95重量%であるのが更に好ましく、40〜90重量%であるのが特に好ましい。
【0059】
又、本発明のポジ型感光性組成物に含有される(C)成分の界面活性剤としては、この種感光性組成物において用いられているノニオン性、アニオン性、或いは両性等の界面活性剤が用いられる。
【0060】
そのノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペンタエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。
【0061】
又、そのアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩類等を挙げることができる。
【0062】
又、その両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル類等を挙げることができる。
【0063】
そして、本発明のポジ型感光性組成物においては、前記(B)成分のアルカリ可溶性樹脂と前記(C)成分の界面活性剤とが、ポジ型感光性組成物を後述する溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し乾燥させることにより該ポジ型感光性組成物の層を形成するにおける該溶剤に(B)成分と(C)成分を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において、両成分が相溶化して単一相を形成する領域と両成分が二相に分離する領域とが現出する関係を有することを必須とし、前記範囲において、両成分が相溶化して単一相を形成する領域のみ、又は、両成分が二相に分離する領域のみしか現出しない場合には、本発明の目的を達成することが困難となる。
【0064】
ここで、本発明のポジ型感光性組成物を塗布液として支持体表面に塗布するにおける溶剤に(B)成分と(C)成分を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において、両成分の相溶化状態の判断は、以下の手順に従って行ったものである。
【0065】
(1) (B)成分のアルカリ可溶性樹脂10gを塗布液に用いる溶剤10gに溶解させ、50重量%溶液を作製する。
(2) その樹脂溶液に(C)成分の界面活性剤Xg、又は界面活性剤Xgを含む前記溶剤の溶液を添加する。
(3) その界面活性剤添加樹脂溶液をYgの前記溶剤で希釈する。得られる溶液における(B)成分の濃度は、〔10/(10+10+X+Y)〕×100(重量%)であり、(B)成分に対する(C)成分の重量比は、X/10である。
(4) 希釈後、密栓して50℃で10分間激しく攪拌し、次いで、25℃で一昼夜静置した後、両成分の相溶化状態を目視観察する。
(5) 以上の操作を、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において実施し、両成分が相溶化して単一相を形成しているか、両成分が二相に分離しているかを区別し、その結果を、横軸を(B)成分の濃度(重量%)、縦軸を(B)成分に対する(C)成分の重量比としてプロットしたグラフとする。
【0066】
(B)成分と(C)成分とが、相溶化して単一相を形成する領域と二相に分離する領域とが現出する関係を有するには、(C)成分の界面活性剤としてノニオン性界面活性剤が好ましく、中で、HLBが9未満、更には8未満、特には6未満のものが好ましい。又、平均分子量が900以上、更には1,000以上のものが好ましく、平均分子量のHLB値に対する比が200以上、更には300以上となる関係を有するものが好ましい。
【0067】
本発明のポジ型感光性組成物における前記(C)成分の界面活性剤の含有割合は、0.1〜20重量%であるのが好ましく、0.5〜10重量%であるのが更に好ましく、1〜8重量%であるのが特に好ましい。尚、前記(B)成分との関係において、この範囲内で、低相溶性を示すものほど少量とし、高相溶性を示すものほど多量とすることにより、前記相溶化状態を現出させることができる。
【0068】
本発明のポジ型感光性組成物には、前記(A)成分の光熱変換物質、前記(B)成分のアルカリ可溶性樹脂、及び前記(C)成分の界面活性剤、の外に、必要に応じて、溶解抑止剤が含有されていてもよく、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素、特開平11−143076号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色性色素、及び、本願出願人による特願2001−124119号に記載されているホスホニウム化合物等を挙げることができる。
【0069】
本発明のポジ型感光性組成物における前記溶解抑止剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好ましく、0.01〜30重量%であるのが更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0070】
又、本発明のポジ型感光性組成物には、更に、必要に応じて、アンダー現像性の付与等の現像性の改良を目的として、好ましくはpKa が2以上の有機酸又はその無水物が含有されていてもよい。
【0071】
その有機酸及びその無水物としては、例えば、特開昭60−88942号、特開昭63−276048号、特開平2−96754号各公報等に記載されたものが用いられ、具体的には、グリセリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピルグルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トルイル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の無水物が挙げられる。
【0072】
本発明のポジ型感光性組成物における前記有機酸又はその無水物の含有割合は、0〜30重量%であるのが好ましく、0〜20重量%であるのが更に好ましく、0〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0073】
又、本発明のポジ型感光性組成物には、更に、必要に応じて、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0074】
本発明のポジ型感光性組成物における前記着色剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、2〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0075】
又、本発明のポジ型感光性組成物には、更に、必要に応じて、露光及び現像後の後加熱により前記ノボラック樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷性等を付与することを目的として、前記ノボラック樹脂等を架橋させる作用を有する架橋剤が含有されていてもよく、その架橋剤としては、代表的には、官能基としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的には、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン(三井サイテック社製、サイメル300シリーズ(1)等)、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(3)等)〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙げられる。
【0076】
本発明のポジ型感光性組成物における前記架橋剤の含有割合は、0〜20重量%であるのが好ましく、0〜10重量%であるのが更に好ましく、0〜5重量%であるのが特に好ましい。
【0077】
又、本発明のポジ型感光性組成物には、前記成分以外に、例えば、染料、顔料、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が更に20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0078】
又、一般に、ポジ型感光性組成物が紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まないものであると、感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等が劣る傾向にあり、従って、本発明の前記ポジ型感光性組成物としては、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド基含有化合物等の、紫外線領域の光に感受性を有する化合物を含まず、紫外線領域の光に対して実質的に感受性を有さないものであるとき、その感度、及び画像部と非画像部とのコントラスト等の面での本発明の効果をより顕著に発現することができることから、好ましい。尚、ここで、紫外線領域の光に対して実質的に感受性を有さないとは、360〜450nmの波長の光による照射の前後で、アルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差を生じず、実用的な意味での画像形成能を有さないことを意味する。
【0079】
本発明の前記ポジ型感光性組成物は、通常、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させることにより、支持体表面に前記ポジ型感光性組成物の層が形成されたポジ型感光性平版印刷版とされる。
【0080】
ここで、その支持体としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属板、紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプラスチックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中で、好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸溶液中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がより好ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS B0601に規定される平均粗さRa で、通常0.3〜1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度である。
【0081】
又、その溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0082】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜7μm、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3μmの範囲とする。その際の乾燥温度としては、例えば、60〜170℃程度、好ましくは70〜150℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜10分間程度、好ましくは10秒〜5分間程度が採られる。尚、乾燥後、画像形成性の経時安定性の向上、画像形成時のコントラストの向上等を目的として、40〜70℃程度の温度で30分〜72時間程度の後加熱処理を施すことが好ましい。
【0083】
尚、得られるポジ型感光性平版印刷版において、支持体表面に形成されるポジ型感光性組成物層は、後述するアルカリ現像液に対する溶解速度が、前述した特開2001−133965号公報に開示されるように、表層部から下層部に向かって大となっているのが好ましく、該層膜厚の表面から80%までの部分の溶解速度〔V2 〕と該層膜厚の表面から10%までの部分の溶解速度〔V1 〕の比〔V2 /V1 〕が2.5以上であるのが好ましく、3以上であるのが更に好ましく、4以上であるのが特に好ましい。
【0084】
ここで、膜厚の表面から10%までの部分の溶解速度〔V1 〕及び膜厚の表面から80%までの部分の溶解速度〔V2 〕は、アルカリ現像液により10秒毎の現像時間で現像を行った後の各版面について、反射濃度計により測定した反射濃度と現像前の反射濃度とから以下の式に従って残膜率を算出し、横軸を現像時間、縦軸を残膜率としてプロットしたグラフを作成し、得られたグラフから、残膜率が90%となる現像時間〔S1 (秒)〕及び残膜率が20%となる現像時間〔S2 (秒)〕を読み取り、そのS1 をV1 に、S2 をV2 にそれぞれ置き換えることにより評価したものである。尚、その際のアルカリ現像液としては、富士写真フィルム社製平版印刷版用現像液「DP−4」の6倍希釈液を用い、現像温度は28℃とした。
【0085】
残膜率(%)=〔(現像後の版面の反射濃度−支持体表面の反射濃度)/(現像前の版面の反射濃度−支持体表面の反射濃度)〕×100
【0086】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物の層を支持体表面に有するポジ型感光性平版印刷版を、画像露光した後、アルカリ現像液で現像することによりポジ画像が形成される。
【0087】
ここで、前記ポジ型感光性組成物層を画像露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱により画像形成させる場合には、波長域650〜1,300nmの範囲の近赤外レーザー光線を発生する光源が好ましく、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらの光源により、通常、走査露光した後、アルカリ現像液にて現像しポジ画像が形成される。
【0088】
尚、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワーメーターにより測定したレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面におけるレーザービームの照射面積(cm2 )で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を越える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0089】
本発明において、光源の光強度としては、2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ましく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすることが更に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明でのポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得て、走査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点となる。
【0090】
本発明の前記ポジ型感光性平版印刷版を画像露光したポジ型感光体の現像に用いる現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなるアルカリ現像液を用いる。中で、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましい。尚、現像液には、必要に応じて、前記(C)成分として挙げたと同様のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤や、アルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0091】
又、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常、好ましくは10〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度でなされる。
【0092】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0093】
実施例1〜7、比較例1〜5
アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中で、温度28℃、電流密度60A/dm2 、処理時間40秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで4重量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、12秒間のデスマット処理を施した後、20重量%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3.5A/dm2 、処理時間1分の条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で20秒間熱水封孔処理を行い、平版印刷版支持体用のアルミニウム板を作製した。表面粗度計(小坂研究所社製、「SE−3DH」)によるこの板の平均粗さRaの値は0.60μmであった。
【0094】
得られたアルミニウム板支持体表面に、(A)成分の光熱変換物質として、前記具体例(II-9)に示されるシアニン系色素6重量部、(B)成分のアルカリ可溶性樹脂として、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で50:30:20の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの重縮合体からなるノボラック樹脂(MW 9,000)100重量部、(C)成分の界面活性剤として表1に示す界面活性剤及び量、並びに、有機酸として1,2−シクロヘキセンジカルボン酸6重量部、着色剤としてクリスタルバイオレットラクトン10重量部、架橋剤としてメトキシメチル化メラミン(三井サイテック社製「サイメルC−300」)1重量部、及び、ノボラック樹脂と5−ヒドロキシ−6−ジアセチルメチリデンヒドラジノ−ナフタレンスルホン酸とのエステル縮合物10重量部を、表1に示す溶剤1,000重量部に加え、室温で10分間攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で3分間乾燥させた後、60℃で24時間、後加熱処理することにより、塗膜量2.0g/m2 のポジ型感光性組成物層を有するポジ型感光性平版印刷版を作製した。
【0095】
一方、別に、各実施例及び比較例において、表1に示す溶剤に(B)成分としての前記ノボラツク樹脂と(C)成分としての表1に示す界面活性剤を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において、両成分の相溶化状態の判断を前述の手順に従って行い、結果を表1に示した。
【0096】
前記で得られた各ポジ型感光性平版印刷版につき、830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(クレオ社製、「Trend Setter 3244T」)を用いて、60mJ/cm2 の露光エネルギーで200線、1〜99%の網点画像を画像露光し、次いで、アルカリ現像液(富士写真フィルム社製平版印刷版用「DP−4」の10倍希釈液)を用いて28℃で現像処理を行うことにより1〜99%の網点画像を再現させた平版印刷版を作製するにおいて、露光部(非画像部)と非露光部(画像部)における現像前後の各反射濃度を反射濃度計(マクベス社製「RD−514」)を用いて測定して以下の式に基づいて残膜率を算出することによって、露光部の残膜率が0%に達する現像時間〔T1 (秒)〕、及び非露光部の残膜率が90%を保持し得る現像時間〔T2 (秒)〕をそれぞれ測定し、更に、現像許容度としての〔T2 /T1 〕値を算出して、結果を表1に示した。
【0097】
残膜率(%)=〔(現像後の露光部又は非露光部の反射濃度−支持体表面の反射濃度)/(現像前の版面の反射濃度−支持体表面の反射濃度)〕×100
【0098】
【表1】
Figure 0004068320
【0099】
尚、表1中、(C)成分の界面活性剤として記載のものは、それぞれ以下のものである。
「GS−6」;日光ケミカルズ社製、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「Decaglyn5IS」;日光ケミカルズ社製、ポリグリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「Decaglyn7O」;日光ケミカルズ社製、ポリグリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「Decaglyn7S」;日光ケミカルズ社製、ポリグリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「SS−30」;日光ケミカルズ社製、ソルビタン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「GO−4」;日光ケミカルズ社製、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「SS−10」;日光ケミカルズ社製、ソルビタン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「MGSTGL」;日光ケミカルズ社製、グリセリン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「SO−10」;日光ケミカルズ社製、ソルビタン脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
「GO−430」;日光ケミカルズ社製、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル系ノニオン性界面活性剤
【0100】
又、表1中、溶剤として記載のものは、それぞれ以下のものである。
PGM;1−メトキシ−2−プロパノール
ECMC;エチルセロソルブ/メチルセロソルブの重量比1/4の混合溶剤
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂からなるポジ型感光性組成物において、近赤外線領域の光に対して高感度であると共に、現像ラチチュードが広く、よって、画像部と非画像部とのコントラストに優れる画像が安定して得られるポジ型感光性組成物、並びに、ポジ型感光性平版印刷版及びそれを用いたポジ画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における(B)成分と(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
【図2】 本発明の実施例2における(B)成分と(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施例3における(B)成分と(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例7における(B)成分と(C)成分の相溶化状態を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなるポジ型感光性組成物であって、該ポジ型感光性組成物を1−メトキシ−2−プロパノール溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し乾燥させることにより該ポジ型感光性組成物の層を形成するにおける該溶剤に(B)成分と(C)成分を溶解或いは分散させたときに、(B)成分の濃度が0超過〜40重量%の範囲、且つ、(B)成分に対する(C)成分の重量比が0超過〜0.25の範囲において、両成分が相溶化して単一相を形成する領域と両成分が二相に分離する領域とが現出する関係を、(B)成分と(C)成分とが有するものであることを特徴とするポジ型感光性組成物。
    (A)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質
    (B)アルカリ可溶性樹脂
    (C)HLBが8未満であって平均分子量/HLBが200以上であるノニオン性界面活性剤
  2. (B)成分のアルカリ可溶性樹脂がフェノール樹脂である請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
  3. (A)成分の光熱変換物質が、波長域650〜1,300nmに吸収極大を有する光吸収色素である請求項1又は2のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  4. 光吸収色素が、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造のシアニン系色素である請求項3に記載のポジ型感光性組成物。
  5. 支持体表面に、請求項1乃至4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物の層が形成されてなることを特徴とするポジ型感光性平版印刷版。
  6. 請求項5に記載のポジ型感光性平版印刷版を、波長域650〜1,300nmのレーザー光により走査露光した後、アルカリ現像液により現像することを特徴とするポジ画像形成方法。
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