JP2003090906A - 異方性拡散フィルム及びそれを用いた装置 - Google Patents

異方性拡散フィルム及びそれを用いた装置

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JP2003090906A
JP2003090906A JP2001283926A JP2001283926A JP2003090906A JP 2003090906 A JP2003090906 A JP 2003090906A JP 2001283926 A JP2001283926 A JP 2001283926A JP 2001283926 A JP2001283926 A JP 2001283926A JP 2003090906 A JP2003090906 A JP 2003090906A
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JP
Japan
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resin
light
anisotropic
particles
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Application number
JP2001283926A
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English (en)
Inventor
Masaki Hayashi
林  正樹
Masaya Onishi
雅也 大西
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光散乱の異方性の程度を容易に調整可能であ
り、液晶表示装置において、均一かつ広い視野角で表示
できる異方性拡散フィルムを提供する。 【解決手段】 拡散フィルム7の光拡散層は、連続相と
分散相とで構成され、透過光に異方性を付与するため、
分散相は、球状分散相粒子と、平均アスペクト比が1.
5以上であり、かつ長軸が所定の方向に配向した異方形
状の分散相粒子とで構成されている。そのため、これら
の分散相粒子の割合により、透過拡散光の異方性の程度
をコントロールできる。拡散フィルム7は液晶表示ユニ
ット2と面光源ユニット3とで構成された表示装置1に
適用でき、前記面光源ユニット3は、管状光源4と導光
部材5と光拡散フィルム7とプリズムシート8とを備え
ている。光拡散フィルム7は、面光源装置(バックライ
ト)の光源(蛍光管)からの光を拡散させ、液晶表示ユ
ニット2を左右方向及び上下方向において均一に照明す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置にお
いて、所定の視野角で鮮明に表示するために有用な異方
性拡散フィルム(シート)およびその製造方法、並びに
前記フィルムを用いた装置(面光源装置や液晶表示装
置)に関する。
【0002】
【従来の技術】バックライト型表示装置(透過型液晶表
示装置など)では、表示パネルの裏面に面光源ユニット
(又はバックライトユニット)が配設されている。ま
た、表示パネルを均一に照明するため、拡散シートやプ
リズムシート、輝度向上シート(反射型偏光板ほか)な
どが使用されている。
【0003】より具体的には、例えば、透過型液晶表示
ユニットを裏面から照明するための面光源ユニットは、
1又は複数の蛍光放電管(冷陰極管)と、この蛍光放電
管の裏面側に配設された反射板と、前記蛍光放電管と表
示ユニットとの間に配設され、表示ユニットを均一に照
明するための拡散板とを備えている。また、面光源ユニ
ットとして、蛍光管(冷陰極管)などの管状光源と、こ
の管状光源に側面を隣接させて配設され、かつ管状光源
からの光を側面から入射させ前面から出射させるための
導光板と、この導光板の前面(出光面)に配設された拡
散板と、前記導光板のうち表示ユニットに対して反対側
に配設された反射板とで構成されたユニットも知られて
いる。
【0004】前記拡散板として、透明樹脂マトリックス
中に球状架橋樹脂ビーズが分散した拡散フィルムが提案
されている。しかし、前記面光源ユニットでは、管状光
源の軸方向と、この軸方向に対して直交する方向での輝
度分布が異なる。そのため、前記拡散フィルムを用いる
と、等方的に光散乱するため、表示ユニットを均一に照
明し、視野角を拡大することが困難である。
【0005】そこで、拡散シートとして、光学的に異方
的散乱特性を有する異方性拡散シートを用い、異方的散
乱特性を利用して輝度を均一化している。
【0006】例えば、特開平4−314522号公報に
は、透明マトリックス中に、アスペクト比15〜30お
よび短軸の長さ1〜2μmの異方的形状を有し、かつこ
の透明マトリックスと異なる屈折率の透明物質が、秩序
よく互いに平行移動した位置関係で、均質に分散してい
る異方的光散乱材料が記載されている。具体的には、透
明マトリックス樹脂としての低融点の低密度ポリエチレ
ンと、透明物質としての高融点のポリスチレンやスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体とを混練し、生成した組
成物を押出加工し、押出されたシート状の溶融樹脂を押
出し方向に強く引き取り延伸をかけながら冷却する方法
により異方性シートを製造している。特開平7−114
013号公報には、視野角特性を改良するため、透明樹
脂マトリックス中に、透明樹脂で形成され、かつ長軸と
短軸の比が10以上であり、平均粒子径が0.5〜70
μmの分散相粒子が分散したフィルム又はシートが開示
されている。特開2001−31774号公報には、互
いに屈折率の異なる樹脂で構成された海島構造の光散乱
シートにおいて、島ポリマーの平均粒径が0.5〜10
μm、海ポリマーと島ポリマーとの割合が70/30〜
40/60(重量比)であり、シート厚みが5〜200
μmである透過型光散乱シートが開示されている。この
文献には、散乱光が散乱角度5〜50°の範囲内で指向
して拡散することも開示されている。
【0007】しかし、これらの拡散フィルムでは透過し
た光散乱強度の異方性が強いため、広角域を均一な強度
分布で照明できない。すなわち、例えば、光散乱の異方
性を利用して表示面の左右方向において正面輝度と斜め
方向からの輝度とを高めると、表示面の上下方向におい
て高輝度域が狭くなり、広い角度域で均一に明るくでき
ない。さらに、異方性の程度を調整するためには、樹脂
の種類と組合せやフィルム成形条件(溶融温度、押出速
度や延伸条件など)などをコントロールする必要があ
り、異方性の程度を簡便かつ容易に調整することが困難
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、光散乱の異方性の程度を容易に調整可能であり、か
つ光散乱強度を広い視野角で均一化できる異方性拡散フ
ィルム及びその製造方法、並びに前記異方性拡散フィル
ムを備えた装置(面光源装置、液晶表示装置)を提供す
ることにある。
【0009】本発明の他の目的は、表示面の所定の方向
での視野角を拡大できるとともに、前記方向と交差する
方向でも均一に明るくでき、鮮明に表示するのに有用な
異方性拡散フィルム及びその製造方法、並びに前記異方
性拡散フィルムを備えた装置(面光源装置、液晶表示装
置)を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意検討の結果、連続相中に分散する分散
相粒子を等方的光散乱に関与する球状粒子と異方的光散
乱に関与する異方形状の粒子とを組み合わせ、球状粒子
と異方形状粒子との割合を調整すると、異方性光散乱の
程度を容易にコントロールでき、表示面の左右方向のみ
ならず上下方向の輝度も向上でき、視野角を拡大できる
ことを見いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の異方性拡散フィルムは
光拡散層で構成されており、この光拡散層は、互いに屈
折率が異なる連続相と分散相とで構成され、かつ透過光
を散乱可能である。前記分散相は、球状分散相粒子と、
長軸が所定の方向に配向した異方形状の分散相粒子とで
構成されている。前記球状分散相粒子の平均アスペクト
比は、例えば、0.8〜1.2程度であり、異方形状の
分散相粒子の平均アスペクト比は、1.5以上(例え
ば、1.5〜200程度)である。前記球状分散相粒子
と異方形状の分散相粒子との割合(重量比)は、前者/
後者=1/99〜70/30程度の範囲から選択でき
る。本発明の異方性拡散フィルムは、透明熱可塑性樹脂
で構成された連続相(マトリックス相)と、この連続相
中に分散した分散相とで構成されており、この分散相
は、透明物質(例えば、架橋樹脂)で構成された球状分
散相粒子と、透明熱可塑性樹脂で構成された異方形状の
分散相粒子とで構成できる。前記連続相及び異方形状の
分散相粒子を構成する透明熱可塑性樹脂としては、ポリ
オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、セルロース誘導体などが例示でき
る。
【0012】本発明の異方性拡散フィルムは、互いに屈
折率の異なる連続相と分散相とで構成され、前記分散相
が球状分散相粒子と長軸が所定の方向に配向した異方形
状の分散相粒子とで構成されたフィルムを製造する方法
であって、前記連続相を構成する透明熱可塑性マトリッ
クス樹脂と、このマトリックス樹脂の成形温度で非変形
性の透明球状粒子と、前記成形温度で変形可能な透明熱
可塑性樹脂とを、前記マトリックス樹脂の溶融温度で混
合し、フィルム成形することにより製造できる。
【0013】このような異方性拡散フィルムでは、前記
球状分散相粒子と異方形状の分散相粒子との割合を調整
することにより、透過拡散光の異方性の程度(散乱光の
異方性の程度)をコントロールできる。
【0014】本発明は、前記光拡散フィルムを用いた装
置(面光源装置及び表示装置)も開示する。すなわち、
本発明は、前記異方性拡散フィルムが、面光源ユニット
の出光面側に配設された面光源装置も開示する。前記面
光源装置において、面光源ユニットは、管状光源と、こ
の管状光源に対して側部を隣接させて配設され、かつ光
源からの光を案内するための導光板とを備えていてもよ
く、異方性光拡散シートの分散相粒子の長軸方向(X軸
方向)を面光源ユニットの管状光源の長手方向(X軸方
向)に配向させてもよい。
【0015】さらに、本発明は、前記異方性拡散フィル
ムや前記面光源装置を備えた液晶表示装置も開示する。
液晶表示装置は、表示ユニットと、この表示ユニットを
照明するための前記面光源装置とで構成された透過型表
示装置(透過型液晶表示装置など)も開示する。
【0016】なお、本明細書において、「フィルム」と
は厚さの如何を問わず、シートを含む意味に用いる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の異方性拡散フィルムは少
なくとも光拡散層で構成されており、この光拡散層は、
互いに屈折率が異なる連続相と分散相とで構成され、か
つ透過光を散乱可能である。すなわち、光拡散層は入射
光を光の進行方向に拡散又は散乱可能である。連続相と
分散相との屈折率の差は、例えば、0.001以上(例
えば、0.001〜0.3程度)、好ましくは0.01
以上(0.01〜0.3程度)、さらに好ましくは0.
03以上(0.03〜0.1程度)である。
【0018】そして、本発明では、光散乱の異方性の程
度を調整するため、前記分散相を、球状分散相粒子(以
下、単に第1の分散相粒子又は第1の分散相という場合
がある)と、長軸が所定の方向に配向した異方形状の分
散相粒子(以下、単に第2の分散相粒子又は第2の分散
相という場合がある)とで構成している。
【0019】前記球状分散相粒子は、実質的に球状であ
ればよく、球状分散相粒子の平均アスペクト比は、例え
ば、0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1程度で
あり、実用的には平均アスペクト比が実質的に1である
球状粒子又はビーズを用いる場合が多い。球状分散相粒
子の平均粒子径は、例えば、0.5〜25μm、好まし
くは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm程度
であり、通常、2〜15μm程度である。このような分
散相粒子は、主に等方的光散乱に関与する。
【0020】一方、異方形状の分散相粒子は、長軸の平
均長さLと短軸の平均長さWとの比(平均アスペクト
比、L/W)が1より大きく、かつ長軸方向(X軸)が
主に光拡散層の配向方向(X軸方向)に配向している。
通常、楕円体(ラグビーボール状)、繊維状の形成で分
散している。異方形状の分散相粒子の平均アスペクト比
は、例えば、1.5以上(例えば、1.5〜200)、
好ましくは2〜200(例えば、5〜200)、さらに
好ましくは10〜100程度であってもよい。このよう
な第2の分散相粒子は、フットボール型形状(回転楕円
状など)、繊維形状、直方形状などであってもよい。ア
スペクト比が大きい程、異方的な光散乱性を高めること
ができる。
【0021】なお、第2の分散相粒子の長軸の平均長さ
Lは、例えば、0.5μm以上(例えば、1〜100μ
m程度)、好ましくは5μm以上(例えば、5〜100
μm程度)であり、通常、2〜100μm(例えば、2
〜50μm)程度である。また、第2の分散相粒子の短
軸の平均長さWは、例えば、0.1μm以上(0.1〜
100μm程度)、好ましくは0.5μm以上(0.5
〜50μm程度)であり、通常、0.3〜10μm(例
えば、0.5〜5μm)程度である。
【0022】配列度としての第2の分散相粒子の配向係
数は、例えば、0.25以上(0.25〜1程度)であ
り、0.7〜1程度のように1に近づく程好ましい。分
散相粒子の配向係数が高い程、散乱光に高い異方性を付
与できる。なお、配向係数は、下記式に基づいて算出で
きる。
【0023】配向係数=(3<cos2θ>−1)/2 式中、θは第2の分散相粒子の長軸とフィルムのX軸と
の間の角度を示し(長軸とX軸とが平行の場合、θ=0
゜)、<cos2θ>は第2の各分散相粒子について算
出したcos2θの平均を示し、下記式で表される。
【0024】 <cos2θ>=∫n(θ)・cos2θ・dθ (式中、n(θ)は、第2の全分散相粒子中の角度θを
有する第2の分散相粒子の割合(重率)を示す) 異方形状の分散相粒子は、主に異方的光散乱に関与し、
広い散乱角度域においてY軸方向の散乱光強度が大き
い。すなわち、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す
散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向の散乱
特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY軸方向の散乱
特性をFy(θ)としたとき、フィルムに対して垂直方
向から光が入射すると、散乱特性Fx(θ)及びFy
(θ)は、入射角を中心として散乱角θが広角度になる
につれ、光強度がなだらかに減衰するパターンを示す。
そして、異方形状の分散相粒子は、分散相粒子のX軸方
向(長軸方向)よりもY軸方向(分散相粒子の短軸方
向)において広い散乱角θの範囲で光散乱強度が大き
い。
【0025】そのため、等方的散乱性に関与する球状分
散相粒子と異方的散乱性に関与する異方形状の分散相粒
子との割合を調整することにより、散乱光の異方性の程
度[異方的散乱特性Fy(θ)/Fx(θ)]を容易に
コントロールできる。特に、球状分散相粒子により散乱
高強度の均一性を広い角度域まで保ちながら、異方形状
の分散相粒子により異方性の程度をコントロールでき
る。そのため、表示装置の表示面において、所定の方向
(例えば、左右方向)での正面輝度と斜め輝度とを向上
できるだけでなく、前記方向と交差する方向(例えば、
上下方向)での明るさも均一化でき、広い角度域(視野
角)で光散乱強度を均一化できる。
【0026】前記連続相と分散相との割合は、例えば、
連続相/分散相(重量比)=99/1〜50/50程
度、好ましくは95/5〜60/40程度、さらに好ま
しくは90/10〜70/30程度である。
【0027】さらに、球状分散相粒子と異方形状の分散
相粒子との割合は、前者/後者(重量比)=1/99〜
99/1程度の範囲から適当に選択でき、通常、5/9
5〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さ
らに好ましくは10/90〜75/25、特に10/9
0〜50/50(例えば、10/90〜30/70)程
度である。なお、異方性拡散フィルムの全光線透過率
は、例えば、80%以上、好ましくは90%以上であ
る。
【0028】光拡散層を構成する連続相及び分散相は、
互いに屈折率の異なる成分で構成でき、連続相は、通
常、透明熱可塑性樹脂で構成でき、分散相は、熱可塑性
又は非熱可塑性の透明物質で構成できる。さらに、分散
相のうち、第1の分散相粒子は熱可塑性又は非熱可塑性
の透明物質で構成し、第2の分散相粒子は透明熱可塑性
樹脂で構成する場合が多い。特に、前記連続相を、押出
成形などのように加熱溶融過程を経て成形温度でフィル
ム成形可能な透明熱可塑性マトリックス樹脂で構成する
とともに、第2の分散相粒子を前記成形温度で変形可能
な透明熱可塑性樹脂で構成し、第1の分散相粒子を前記
マトリックス樹脂の成形温度で非変形性の透明球状粒子
で構成するのが好ましい。
【0029】前記透明熱可塑性樹脂としては、オレフィ
ン系樹脂(環状オレフィン系樹脂を含む)、ハロゲン含
有樹脂(フッ素系樹脂を含む)、ビニルエステル系樹脂
又はその誘導体(ビニルアルコール系樹脂を含む)、ビ
ニルエーテル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポ
リスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キ
シレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロ
ースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロー
スエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシ
ロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム
又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンな
どのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、
ウレタンゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー
(ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラスト
マー、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマ
ーなど)など)が例示できる。
【0030】オレフィン系樹脂には、例えば、C2-6
レフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、エチレン
−プロピレン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂(プロピレ
ン含量が90モル%以上のポリプロピレン系樹脂な
ど)、ポリ(メチルペンテン−1)、プロピレン−メチ
ルペンテン共重合体など)、C2-6オレフィンと共重合
性単量体との共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体又はその塩(例えば、アイオノマー樹
脂)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
などの共重合体が挙げられる。脂環式オレフィン系樹脂
としては、環状オレフィン(ノルボルネン、ジシクロペ
ンタジエンなど)の単独又は共重合体(例えば、立体的
に剛直なトリシクロデカンなどの脂環式炭化水素基を有
する重合体など)、前記環状オレフィンと共重合性単量
体との共重合体(エチレン−ノルボルネン共重合体、プ
ロピレン−ノルボルネン共重合体など)などが例示でき
る。脂環式オレフィン系樹脂は、例えば、商品名「アー
トン(ARTON)」、商品名「ゼオネックス(ZEONEX)」など
として入手できる。
【0031】ハロゲン含有樹脂としては、ハロゲン化ビ
ニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフ
ルオライドなどのハロゲン含有単量体の単独重合体、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体などのハロゲン含有単量体の共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体などのハロゲン含有単量
体と共重合性単量体との共重合体など)、ハロゲン化ビ
ニリデン系樹脂(ポリ塩化ビニリデン、ポリビニリデン
フルオライド、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体などのハロゲン含有ビニリデン単量体と
他の単量体との共重合体)などが挙げられる。
【0032】ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエ
ステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニル、
ポリプロピオン酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量
体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−エチレ
ン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビ
ニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)又は
それらの誘導体が挙げられる。ビニルエステル系樹脂の
誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、ポリビニルアセタール樹脂などが
含まれる。
【0033】ビニルエーテル系樹脂としては、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピル
エーテル、ビニルt−ブチルエーテルなどのビニルC
1-10アルキルエーテルの単独又は共重合体、ビニルC
1-10アルキルエーテルと共重合性単量体との共重合体
(ビニルアルキルエーテル−無水マレイン酸共重合体な
ど)が挙げられる。
【0034】(メタ)アクリル系樹脂としては、(メ
タ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メタ)ア
クリル系単量体と共重合性単量体との共重合体が使用で
きる。(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メ
タ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル
酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルな
どの(メタ)アクリル酸C1-10アルキル;(メタ)アク
リル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロ
アルキル;(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)
アクリル酸アリール;ヒドロキシC2-6アルキル(メ
タ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト;(メタ)アクリロニトリル;トリシクロデカンなど
の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなど
が例示できる。共重合性単量体には、スチレン系単量
体、ビニルエステル系単量体、無水マレイン酸、マレイ
ン酸、フマル酸などが例示できる。これらの単量体は単
独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0035】好ましい(メタ)アクリル系樹脂として
は、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)
アクリル酸C1-6アルキル、特にメタクリル酸メチルを
主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100
重量%程度)とするメタクリル酸メチル系樹脂、例え
ば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル
酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エ
ステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)など
が挙げられる。
【0036】スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の
単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合
体など)、スチレン系単量体と他の重合性単量体((メ
タ)アクリル系単量体、無水マレイン酸、マレイミド系
単量体、ジエン類など)との共重合体などが含まれる。
スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−アク
リロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレンと(メ
タ)アクリル系単量体との共重合体[スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体などの
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体]、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。好
ましいスチレン系樹脂には、ポリスチレン、スチレンと
(メタ)アクリル系単量体との共重合体[スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体などのスチレンとメタクリル
酸メチルを主成分とする単量体との共重合体]、AS樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが含まれる。
【0037】ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸を用いた芳香族ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レートなどのポリC2-4アルキレンテレフタレートやポ
リC2-4アルキレンナフタレートなどのホモポリエステ
ル、C2-4アルキレンアリレート単位(C2-4アルキレン
テレフタレート及び/又はC2-4アルキレンナフタレー
ト単位)を主成分(例えば、50モル%以上、好ましく
は70〜98モル%、さらに好ましくは75〜95モル
%)として含むコポリエステルなど)、液晶性ポリエス
テルなどが例示できる。コポリエステルとしては、ポリ
2-4アルキレンアリレートのうち、C2-4アルキレング
リコールの一部を、ポリオキシC2-4アルキレングリコ
ール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
など)、C2-10アルキレングリコール、脂環式ジオール
(シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA
など)、芳香環を有するジオール(フルオレノン側鎖を
有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル)フルオレン、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールA−アルキレンオキサイド付加体など)などで置換
したコポリエステル、芳香族ジカルボン酸(テレフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸)の一部を、フタル酸、イ
ソフタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸などの脂肪族C 6-12ジカルボン酸などで置換したコポ
リエステルが含まれる。コポリエステルにおいて、C
2-4アルキレングリコール及び芳香族ジカルボン酸成分
の一部が置換されていればよく、双方の成分の一部が置
換されていてもよい。ポリエステル系樹脂には、ポリア
リレート系樹脂、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸
を用いた脂肪族ポリエステル、ε−カプロラクトンなど
のラクトンの単独又は共重合体も含まれる。ポリエステ
ル系樹脂は、通常、非結晶性コポリエステル(例えば、
2-4アルキレンアリレート系コポリエステルなど)な
どのように非結晶性であってもよい。
【0038】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン4
6、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族
ポリアミド、ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸など)とジアミン(例えば、ヘ
キサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン)とか
ら得られるポリアミド(キシリレンジアミンアジペート
(MXD−6)などの芳香族ポリアミドなど)などが挙
げられる。ポリアミド系樹脂には、ε−カプロラクタム
などのラクタムの単独又は共重合体であってもよく、ホ
モポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。
【0039】ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノ
ール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族
ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれ
る。
【0040】セルロース誘導体のうちセルロースエステ
ル類としては、例えば、脂肪族有機酸エステル(セルロ
ースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセ
ルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレートなどのC1-6有機
酸エステルなど)、芳香族有機酸エステル(セルロース
フタレート、セルロースベンゾエートなどのC7-12芳香
族カルボン酸エステル)、無機酸エステル類(例えば、
リン酸セルロース、硫酸セルロースなど)が例示でき、
酢酸・硝酸セルロースエステルなどの混合酸エステルで
あってもよい。セルロース誘導体には、セルロースカー
バメート類(例えば、セルロースフェニルカーバメート
など)、セルロースエーテル類(例えば、シアノエチル
セルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロースなどのヒドロキシC2-4アルキルセ
ルロース;メチルセルロース、エチルセルロースなどの
1-6アルキルセルロース;カルボキシメチルセルロー
ス又はその塩、ベンジルセルロース、アセチルアルキル
セルロースなど)も含まれる。
【0041】連続相又は第2の分散相を構成する好まし
い成分には、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系
樹脂など)、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカー
ボネート樹脂およびセルロース誘導体(セルロースエス
テル類など)などが含まれる。
【0042】また、前記連続相及び/又は第2の分散相
を構成する樹脂は結晶性又は非晶性であってもよい。例
えば、連続相及び分散相のうち一方の相(例えば、連続
相)を結晶性樹脂で構成し、他方の相(例えば、分散
相)を非結晶性樹脂で構成してもよい。
【0043】第1の分散相粒子(球状分散相粒子)は、
無機粒子(ガラス、シリカ、アルミナ、ジルコニアな
ど)、耐熱性有機粒子(架橋樹脂粒子、例えば、架橋ポ
リメタクリル酸メチルなどの架橋(メタ)アクリル系樹
脂粒子、架橋スチレン系樹脂粒子、架橋ベンゾグアナミ
ン系樹脂、架橋シリコーン系樹脂など)で構成できる。
これらの粒子は単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。球状分散相粒子は、通常、熱変形性が低く、フィ
ルム成形を経ても当初の形状を保持しているようであ
る。
【0044】なお、前記樹脂成分は、必要に応じて、変
性(例えば、ゴム変性)されていてもよい。また、前記
樹脂成分で連続相マトリックスを構成し、このマトリッ
クス樹脂に分散相成分をグラフト又はブロック共重合
し、第1の分散相粒子及び/又は第2の分散相粒子を形
成してもよい。このようなグラフト又はブロック重合体
としては、例えば、ゴムブロック共重合体(スチレン−
ブタジエン共重合体(SB樹脂)など)、ゴムグラフト
スチレン系樹脂(アクリロニトリブタジエン−スチレン
共重合体(ABS樹脂)など)などが例示できる。
【0045】異方性拡散フィルムの光拡散層は、必要に
応じて相溶化剤を含有してもよい。相溶化剤としては、
連続相および分散相の種類に応じて慣用の相溶化剤から
選択でき、例えば、オキサゾリン化合物、変性基(カル
ボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル
基など)で変性された変性樹脂、ジエン又はゴム含有重
合体[例えば、ジエン系単量体単独又は共重合性単量体
(芳香族ビニル単量体など)との共重合により得られる
ジエン系共重合体(ランダム共重合体など);アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹
脂)などのジエン系グラフト共重合体;スチレン−ブタ
ジエン(SB)ブロック共重合体、水素化スチレン−ブ
タジエン(SB)ブロック共重合体、水素化スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、
水素化(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)ブ
ロック共重合体などのジエン系ブロック共重合体又はそ
れらの水素添加物など]、前記変性基(エポキシ基な
ど)で変性したジエン又はゴム含有重合体などが例示で
きる。これらの相溶化剤は単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。
【0046】相溶化剤としては、通常、ポリマーブレン
ド系の構成樹脂と同じ又は共通する成分を有する重合体
(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)、ポリマ
ーブレンド系の構成樹脂に対して親和性を有する重合体
(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)などが使
用される。
【0047】前記ジエン系単量体としては、共役ジエ
ン、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペ
リレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル
−1,3−ブタジエンなどの置換基を有していてもよい
4-20共役ジエンが挙げられる。共役ジエンは単独で又
は二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの共役ジ
エンのうち、ブタジエン、イソプレンが好ましい。芳香
族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン(p−メチルスチレンな
ど)、p−t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン類な
どが挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体のうち、
スチレンが好ましい。これらの単量体は、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0048】なお、変性は、変性基に対応する単量体
(例えば、カルボキシル基変性では(メタ)アクリル酸
などのカルボキシル基含有単量体、酸無水物基変性では
無水マレイン酸、エステル基変性では(メタ)アクリル
系単量体、マレイミド基変性ではマレイミド系単量体、
エポキシ変性では、グリシジル(メタ)アクリレートな
どのエポキシ基含有単量体)を共重合することにより行
うことができる。また、エポキシ変性は、不飽和二重結
合のエポキシ化により行ってもよい。
【0049】好ましい相溶化剤は、未変性又は変性ジエ
ン系共重合体、特に変性ブロック共重合体(例えば、エ
ポキシ化されたスチレン−ブタジエン−スチレン(SB
S)ブロック共重合体などのエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体又はエポキシ変性ジエン系ブロック共重合
体)である。エポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、
透明性が高いだけでなく、軟化温度もが約70℃程度と
比較的高く、連続相と分散相との多くの組み合わせにお
いて樹脂を相溶化させ、分散相を均一に分散できる。
【0050】前記ブロック共重合体は、例えば、共役ジ
エンブロック又はその部分水素添加ブロックと、芳香族
ビニルブロックとで構成できる。エポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合体において、前記共役ジエンブロックの二
重結合の一部又は全部がエポキシ化されている。芳香族
ビニルブロックと共役ジエンブロック(又はその水素添
加ブロック)との割合(重量比)は、例えば、前者/後
者=5/95〜80/20程度(例えば、25/75〜
80/20程度)、さらに好ましくは10/90〜70
/30程度(例えば、30/70〜70/30程度)で
あり、通常、40/60〜80/20程度である。な
お、芳香族ビニルブロック(スチレンブロックなど)の
含有量が60〜80重量%程度のエポキシ化ブロック共
重合体は、屈折率が比較的高く(例えば、約1.5
7)、しかも前記分散相の樹脂(非晶性コポリエステル
など)と近似する屈折率を有しているため、分散相樹脂
による光散乱性を維持しながら分散相を均一に分散でき
る。
【0051】ブロック共重合体の数平均分子量は、例え
ば、5,000〜1,000,000程度、好ましくは
7,000〜900,000程度、さらに好ましくは1
0,000〜800,000程度の範囲から選択でき
る。分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、例えば、10以
下(1〜10程度)、好ましくは1〜5程度である。
【0052】ブロック共重合体の分子構造は、直線状、
分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせであっても
よい。ブロック共重合体のブロック構造としては、例え
ば、モノブロック構造、テレブロック構造などのマルチ
ブロック構造、トリチェインラジアルテレブロック構
造、テトラチェインラジアルテレブロック構造などが例
示できる。このようなブロック構造としては、芳香族ジ
エンブロックをX、共役ジエンブロックをYとすると
き、例えば、X−Y型、X−Y−X型、Y−X−Y型、
Y−X−Y−X型、X−Y−X−Y型、X−Y−X−Y
−X型、Y−X−Y−X−Y型、(X−Y−)4Si
型、(Y−X−)4Si型などが例示できる。
【0053】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体中の
エポキシ基の割合は、特に制限されないが、オキシラン
の酸素濃度として、例えば、0.1〜8重量%、好まし
くは0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜5重量%
程度である。エポキシ化ブロック共重合体のエポキシ当
量(JIS K 7236)は、例えば、300〜10
00程度、好ましくは500〜900程度、さらに好ま
しくは600〜800程度であってもよい。
【0054】なお、相溶化剤(エポキシ化ブロック共重
合体など)の屈折率は、分散相樹脂と略同程度(例え
ば、分散相樹脂との屈折率の差が、0〜0.01程度、
好ましくは0〜0.005程度)であってもよい。
【0055】前記エポキシ化ブロック共重合体は、ジエ
ン系ブロック共重合体(又は部分的に水素添加されたブ
ロック共重合体)を慣用のエポキシ化方法、例えば、不
活性溶媒中、エポキシ化剤(過酸類、ハイドロパーオキ
サイド類など)により前記ブロック共重合体をエポキシ
化することにより製造できる。
【0056】相溶化剤の使用量は、例えば、樹脂組成物
全体(連続相及び分散相の構成成分を含む組成物)の
0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、
さらに好ましくは1〜10重量%程度の範囲から選択で
きる。また、分散相(第1の分散相粒子及び第2の分散
相粒子)に対する相溶化剤の割合は、例えば、分散相/
相溶化剤(重量比)=99/1〜50/50程度、好ま
しくは99/1〜70/30程度、さらに好ましくは9
8/2〜80/20程度である。
【0057】必要であれば、光拡散層は、光散乱因子と
して、繊維状分散粒子(有機繊維、無機繊維)を含有し
てもよく、有機繊維は、耐熱性有機繊維、例えば、アラ
ミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維
などであってもよく、無機繊維は、繊維状フィラー(ガ
ラス繊維,シリカ繊維,アルミナ繊維,ジルコニア繊維
などの無機繊維)、薄片状フィラー(マイカなど)など
であってもよい。
【0058】拡散フィルムは光拡散層単独の単層構造に
限らず積層構造を有していてもよい。積層構造の拡散フ
ィルムにおいて、前記光拡散層の少なくとも一方の面
(片面又は両面)は透明層で被覆されている。この透明
層はガラスなどの透明基材であってもよく、樹脂で形成
してもよい。透明層を構成する樹脂には、前記光拡散層
を構成する連続相及び/又は分散相の樹脂と同一又は異
なる樹脂が使用できるが、通常、連続相の樹脂と同一又
は共通(又は)の樹脂が好ましく使用される。特に、透
明樹脂層は複屈折の小さな等方性樹脂(前記連続相用樹
脂)又は透明基材(例えば、ガラスなど)であるのが好
ましい。
【0059】光拡散層及び/又は透明樹脂層は、種々の
添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、
熱安定剤)、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤など
を含有していてもよい。
【0060】異方性拡散フィルムの厚みは、3〜100
0μm程度、好ましくは5〜500μm(例えば、30
〜200μm)程度、さらに好ましくは5〜100μm
(例えば、50〜100μm)程度である。積層構造の
異方性拡散フィルムにおいて、光拡散層と透明層との厚
みの割合は、例えば、光拡散層/透明層=5/95〜9
9/1程度、好ましくは50/50〜99/1程度、さ
らに好ましくは70/30〜95/5程度である。
【0061】なお、拡散フィルムの表面には、光学特性
を妨げない範囲で、シリコーンオイルなどの離型剤を塗
布してもよく、コロナ放電処理してもよい。さらに、異
方性を有する有する拡散フィルムには、フィルムのX軸
方向(分散相の長軸方向)に延びる凹凸部を形成しても
よい。このような凹凸部を形成すると、フィルムにより
高い異方的光散乱性を付与できる。
【0062】[異方性拡散フィルムの製造方法]異方性
拡散フィルムは、連続相を構成する樹脂中に分散相を構
成する成分(樹脂成分など)を分散して第2の分散相粒
子を配向させることにより得ることができる。例えば、
連続相を構成する樹脂と分散相(第1及び第2の分散相
粒子)を構成する成分とを、必要に応じて慣用の方法
(例えば、溶融ブレンド法、タンブラー法など)でブレ
ンドし、樹脂組成物を溶融混合し、Tダイやリングダイ
などから押出してフィルム成形することにより分散相を
分散できる。また、基材フィルム上に、光散乱成分(第
1及び第2の分散相粒子成分)とバインダー樹脂とで構
成された組成物を塗布するコーティング法や、前記組成
物をラミネートするラミネート法、キャスティング法、
押出成形法などの慣用のフィルム成形法を利用して成形
することにより製造できる。好ましい方法では、前記連
続相を構成する透明熱可塑性マトリックス樹脂と、この
マトリックス樹脂の成形温度で非変形性の透明球状粒子
と、前記成形温度で変形可能な透明熱可塑性樹脂とを、
前記マトリックス樹脂の溶融温度で混合し、フィルム成
形(押出成形法によるフィルム成形)することにより前
記異方性拡散フィルムを製造できる。
【0063】なお、光拡散層と、この光拡散層の少なく
とも一方の面に積層された透明樹脂層とで構成された積
層構造を有する拡散フィルムは、光拡散層に対応する成
分で構成された樹脂組成物と、透明樹脂層に対応する成
分で構成された樹脂組成物とを、共押し出し成形し、成
膜する共押出成形法、予め作製した一方の層に対して他
方の層を押し出しラミネートにより積層する方法、それ
ぞれ作製した光拡散層と透明樹脂層とを積層するドライ
ラミネート法などにより形成できる。
【0064】また、第2の分散相粒子の配向処理は、例
えば、(1)押出成形シートをドローしながら製膜する
方法、(2)押出成形シートを一軸延伸する方法、
(3)前記(1)の方法と(2)の方法を組み合わせる
方法、(4)前記各成分を溶液ブレンドし、流延法によ
り成膜する方法などにより行うことができる。
【0065】フィルム成形において、樹脂の溶融温度
は、樹脂成分(連続相樹脂、第2の分散相樹脂)の融点
以上の温度、例えば、150〜290℃、好ましくは2
00〜260℃程度である。ドロー比(ドロー倍率)
は、例えば、1.5〜30倍程度、好ましくは2〜15
倍程度、さらに好ましくは3〜10倍程度である。ま
た、延伸処理を行う場合、延伸倍率は、例えば、1.1
〜30倍程度(例えば、1.5〜20倍程度)、好まし
くは1.5〜10倍程度(例えば、2〜10倍程度)で
ある。なお、ドローと延伸とを組み合わせる場合には、
ドロー比は、例えば、2〜10倍程度、好ましくは2〜
5倍程度であってもよく、延伸倍率は、例えば、1.1
〜10倍程度(例えば、1.5〜10倍程度)、好まし
くは2〜10倍程度であってもよい。
【0066】第2の分散相粒子のアスペクト比をコント
ロールするためには、互いに対向する一対のロール(2
本ロール)を複数系列(例えば、2系列)並列し、それ
ぞれの2本ロールにフィルムを挿入すると共に、繰り入
れ側の2本ロールと繰出し側の2本ロールとの間にフィ
ルムを張り渡し、フィルムの送り速度を繰り入れ側より
も繰出し側で大きくすることにより延伸する方法(ロー
ル間延伸)、互いに対向する一対のロールの間にフィル
ムを挿入し、ロール圧でフィルムを圧延する方法(ロー
ル圧延)などが挙げられる。特にロール圧延によれば、
非結晶性樹脂のみならず、結晶性樹脂であっても容易に
延伸できる。
【0067】ロール圧延の圧力は、例えば、1×104
〜1×107N/m(約0.01〜10t/cm)程
度、好ましくは1×105〜1×107N/m(約0.1
〜10t/cm)程度である。ロール圧延は、例えば、
厚み減少率(圧下率)0.9〜0.1程度、好ましくは
0.77〜0.2程度、さらに好ましくは0.67〜
0.33程度で行うことができる。
【0068】配向処理温度は、例えば、100〜200
℃(110〜200℃)程度、好ましくは110〜18
0℃(130〜180℃)程度である。また、ロール圧
延の温度は、連続相樹脂が結晶性樹脂の場合、樹脂の融
点以下であって融点近傍の温度であってもよく、連続相
樹脂が非晶性樹脂の場合、ガラス転移温度以下であって
ガラス転移温度近傍の温度であってもよい。
【0069】このような方法において、前記球状分散相
粒子と異方形状の分散相粒子との割合を調整することに
より、透過光の異方的光拡散性の程度(透過散乱光の異
方性の程度)をコントロールできる。また、所定の方向
での正面輝度に対する斜め輝度を向上できるとともに、
前記方向に対して交差する方向での光散乱輝度を向上で
き、広角域にまで散乱高強度を均一化できる。
【0070】なお、球状分散相粒子と異方形状の分散相
粒子との割合は、フィルム成形条件(例えば、溶融混練
条件、温度条件、押出速度やドロー及び/又は遠心条件
など)によっても変化する場合があるが、主に、第1の
分散相粒子を構成する架橋樹脂粒子と、第2の分散相粒
子を構成する透明熱可塑性樹脂との量的割合により調整
する場合が多い。
【0071】[異方性拡散フィルムの用途]本発明の異
方性拡散フィルムは、透過光に異方的散乱性を付与する
だけでなく、散乱光の異方性の程度をコントロールで
き、表示面の上下左右方向の視野角をコントロールでき
る。そのため、本発明の異方性拡散フィルムは、面光源
装置や液晶表示装置の構成部材として有用である。すな
わち、異方性拡散フィルムを面光源装置の面光源ユニッ
トの出射面側に配設すると、透過光に異方的拡散性を付
与しながら、被照射体を均一な光で照明できる。また、
液晶表示面を高い輝度で均一に照明でき、広い視野角で
鮮明に表示できる。
【0072】以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の
異方性拡散フィルムの用途について詳細に説明する。図
1は本発明の面光源装置及び透過型液晶表示装置の一例
を示す概略分解斜視図である。
【0073】図1において、前記表示装置1は、液晶が
封入された液晶セルを備えた被照射体としての液晶表示
ユニット(又は液晶表示パネル)2と、この表示ユニッ
ト(又はパネル)の背面側に配設され、前記表示ユニッ
ト2を照明するための面光源ユニット3とで構成されて
いる。
【0074】前記面光源ユニット3は、蛍光管(冷陰極
管)などの管状光源4と、透光性プレート状部材で構成
され、かつ前記管状光源の軸方向に側部が略平行に隣接
して配設された導光部材(導光板)5と、前記管状光源
4の側方に配設され、かつ光源からの光を導光部材5の
側面に反射させるための反射ミラー6bと、前記導光部
材5の裏面側に配設され、かつ管状光源4からの光を前
方方向(表示ユニット側)に反射して表示ユニット2に
導くため、反射部材又は反射層6aとを備えている。前
記管状光源4からの光は導光部材5の側面から入射して
平坦な出射面から出射し、表示ユニットを照明する。一
般に、管状光源4からの出射光の輝度分布は均一でな
く、管状光源4の軸方向(X軸方向)に対して直交する
方向(Y軸方向)の輝度分布が不均一である。そのた
め、導光部材5を通じて出射面から光を出射させても、
表示ユニット2を均一に照明できない。
【0075】図2は光拡散の異方性を説明するための概
念図である。図2に示すように、異方性光拡散フィルム
7は、樹脂で構成された連続相7aと、この連続相中に
分散した球状分散相7bと、異方形状の分散相7cとで
構成されている。そして、散乱角θと散乱光強度Fとの
関係を示す散乱特性F(θ)において、光拡散の異方性
は、前記のように、フィルムのX軸方向の散乱特性をF
x(θ)、X軸方向と直交するY軸方向の散乱特性をF
y(θ)としたとき、Fy(θ)/Fx(θ)で表さ
れ、Fy(θ)>Fx(θ)である。なお、異方性光拡
散フィルム7のX軸方向は、通常、分散相7cの長軸方
向である。すなわち、球状分散相7bによりX軸及びY
軸方向の光散乱強度を等方的に向上でき、異方形状の分
散相7cによりX軸方向よりもY軸方向の光散乱強度を
向上できる。
【0076】そこで、本発明では、前記導光部材5の出
射面側(面光源ユニットの出光面側)には、面光源ユニ
ットの管状光源4の軸方向(X軸方向)に対して異方性
拡散フィルム7のX軸方向(分散相7cの長軸方向)を
略平行に又は一致させて配設している。さらに、前記異
方性拡散フィルム7と、断面三角形状の微小プリズムが
所定方向に並列に形成されたプリズムシート8とが順次
積層により配設されている。そのため、管状光源4から
の光は、導光部材5を介して、拡散フィルム7により拡
散して均一化するとともに、プリズムシート8により前
方へ集光し、輝度を高めて表示ユニット2を裏面から照
明できる。特に、異方性拡散フィルム7により、Y軸方
向の光散乱強度を向上できるので、Y軸方向において正
面輝度と斜め方向からの輝度を向上できる。しかも、X
軸及びY軸方向に等方的に均一化して光散乱できるの
で、異方性拡散フィルムを用いてもX軸方向の散乱高強
度を向上できるとともに均一化できる。
【0077】なお、本発明において、面光源ユニットの
出光面(出射面)から出射する光路内、すなわち面光源
ユニットの出光面(出射面)側に配設すればよく、面光
源ユニットの出射面と表示ユニットとの間に介在させて
もよく、前記面光源ユニットの出射面に積層する必要は
ない。異方性光拡散フィルムのX軸方向は、面光源ユニ
ットの管状光源の軸方向(X軸方向)に対して、完全に
一致する必要はなく、例えば、角度±15°程度の範囲
内で斜め方向に向けて配設してもよい。
【0078】異方性拡散フィルムは、プリズムシートと
組み合わせて用いる必要はなく、プリズムシートと組み
合わせて用いる場合であっても、異方性拡散フィルムと
プリズムシートとの位置関係は特に制限されず、例え
ば、光拡散フィルムはプリズムシートよりも光路の下流
側に配設してもよく上流側に配設してもよい。さらに、
前記導光部材(導光板)の裏面には、種々の反射手段、
例えば、前記反射層などに限らず、断面くさび状の溝で
構成された反射手段(くさび状反射溝)を形成してもよ
い。
【0079】前記のように、本発明の透過型表示装置
(特に透過型液晶表示装置)は、表示ユニット(液晶表
示ユニットなど)と、この表示ユニットを照明するため
の前記面光源ユニットとで構成されている。この装置に
おいて、異方性光拡散フィルムは、種々の方向に向けて
配置してもよいが、表示面(液晶表示面)の左右方向を
Y軸とするとき、表示面のY軸に対して、前記異方性光
拡散フィルムのY軸(主たる光散乱方向)を沿わせて又
は一致させて配設するのが好ましい。なお、異方性光拡
散フィルムのY軸方向は、表示ユニットの左右方向(X
軸方向)に対して、完全に一致する必要はなく、例え
ば、角度±15°程度の範囲内で斜め方向に向けて配設
してもよい。このような方向に異方性光拡散フィルムを
配設すると、輝度分布を均一化し、表示面に対する輝度
の角度依存性を低減できるため、左右方向(横方向)及
び上下方向(縦方向)の輝度を均一化できる。
【0080】なお、表示面を裏面から照明するための光
源を備えた透過型液晶表示装置において、液晶表示装置
の光源は、導光板の側面に隣接した前記管状光源に限ら
ず、互いに並設された複数の管状光源などで構成しても
よく、光源の形状は管状に制限されない。また、本発明
の液晶表示装置は、前記透過型液晶表示装置に限らず、
外光や自然光を取り込んで反射板で反射させて表示面を
照明する反射型液晶表示装置であってもよい。さらに必
要であれば、液晶表示装置は偏光板や位相差板を備えて
いてもよい。
【0081】
【発明の効果】本発明では、第1の分散相粒子と第2の
分散相粒子との割合により、光散乱の異方性の程度を容
易に調整可能であり、かつ広い角度域で光散乱強度を均
一化できる。特に、表示面の所定の方向(例えば、左右
方向)での視野角を拡大できるとともに、前記方向と交
差する方向(例えば、上下方向)でも均一に明るくでき
る。そのため、面光源装置に適用すると、液晶表示装置
において上下左右方向の視野角を拡大でき、鮮明に表示
するのに有用である。
【0082】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0083】実施例1 連続相樹脂として結晶性ポリプロピレン系樹脂PP(グ
ランドポリマー(株)製 F133,屈折率1.50
3)85重量部と、分散相樹脂としてポリスチレン系樹
脂GPPS(汎用ポリスチレン系樹脂、ダイセル化学工
業(株)製 GPPS#30、屈折率1.589)1
2.5重量部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMM
A)系微粒子(積水化学工業(株)製、MBX−2)
2.5重量部とをタンブラー型混合機で約5分間混合
し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM30)を用
いシリンダー温度220〜230℃で溶融混練し、ペレ
ットを作製した。得られたペレットを用い、単軸押出機
(プラスチックス工学研究所(株)、GT−25−A)
およびコートハンガータイプ単層ダイ(幅150mm)
を用いて、シリンダー温度220〜230℃、ダイ温度
220℃で、ダイから引き落として冷却し、厚み120
μmのフィルムを作製した。
【0084】比較例1 連続相樹脂として結晶性ポリプロピレン系樹脂PP(グ
ランドポリマー(株)製 F133)85重量部と、分
散相樹脂としてポリスチレン系樹脂GPPS(汎用ポリ
スチレン系樹脂、ダイセル化学工業(株)製 GPPS
#30)15重量部とを用いる以外、実施例1と同様に
して、厚み120μmのフィルムを作製した。
【0085】比較例2 連続相樹脂として結晶性ポリプロピレン系樹脂PP(グ
ランドポリマー(株)製 F133)75重量部と、分
散相樹脂としてポリスチレン系樹脂GPPS(汎用ポリ
スチレン系樹脂、ダイセル化学工業(株)製 GPPS
#30)25重量部とを用いる以外、実施例1と同様に
して、厚み60μmの第1のフィルムを作製した。
【0086】また、連続相樹脂として結晶性ポリプロピ
レン系樹脂PP 95重量部と、架橋ポリメタクリル酸
メチル(PMMA)系微粒子(積水化学工業(株)製、
MBX−2)5重量部とを用いる以外、実施例1と同様
にして、厚み60μmの第2のフィルムを作製した。
【0087】そして、第1のフィルムと第2のフィルム
とをラミネートし、厚み120ミクロンの積層フィルム
を作製した。なお、この積層フィルム全体の組成は、実
施例1のフィルムと同じく、PP/GPPS/PMMA
=85/12.5/2.5(重量比)である。
【0088】比較例3 連続相樹脂として結晶性ポリプロピレン系樹脂PP(グ
ランドポリマー(株)製 F133)75重量部と、分
散相樹脂としてポリスチレン系樹脂GPPS(汎用ポリ
スチレン系樹脂、ダイセル化学工業(株)製 GPPS
#30)25重量部とを用いる以外、実施例1と同様に
して、厚み60μmのフィルムを作製した。
【0089】比較例4 連続相樹脂として結晶性ポリプロピレン系樹脂PP(グ
ランドポリマー(株)製 F133)95重量部と、分
散相樹脂として架橋ポリメタクリル酸メチル(PMM
A)系微粒子(積水化学工業(株)製、MBX−2)5
重量部とを用いる以外、実施例1と同様にして、厚み6
0μmのフィルムを作製した。
【0090】そして、実施例および比較例で得られたフ
ィルムの特性を次のようにして評価した。
【0091】[ヘイズ・全光線透過率]ヘイズメータ
(日本電色工業株式会社製,NDH-300A)を用い、フィル
ムの法線方向から白色光を入射して光学特性値を測定し
た。実施例および比較例のフィルムの構成とともに、結
果を表に示す。
【0092】
【表1】
【0093】[光散乱特性]フィルムの法線方向からH
e−Neレーザー光を入射し、ゴニオメータに搭載した
フォト・マルチプライヤーにより透過散乱光強度の角度
依存性を測定し、散乱角度(横軸)に対して散乱強度
(縦軸)をプロットした。なお、比較例2で得られた積
層フィルムについては、第1のフィルム側又は第2のフ
ィルム側からレーザ光を入射させ、透過光の散乱特性を
調べた。
【0094】結果を図3に示す。なお、X軸方向は散乱
光が大きく広がる方向であり、Y軸方向はX軸方向に垂
直な方向である。
【0095】図3から明らかなように、例えば、実施例
1と比較例1を比較すると、X軸方向では散乱強度の角度
依存性の相違は少ないものの、Y軸方向では比較例1に
比べて実施例1の方が散乱強度の角度依存性が小さいこ
とが分かる。すなわち、比較例1に比べて実施例1は異
方的散乱の程度が大きく、しかもより円形に近い散乱パ
ターンを有している。
【0096】このような異方的散乱性の程度を評価する
ため、下記式 異方性比=X軸方向の散乱強度/Y軸方向の散乱強度 に基づいて異方性比を算出し、散乱角度(横軸)に対し
て異方性比(縦軸)をプロットした。結果を図4に示
す。なお、図4において、右上がりの傾斜が大きいほ
ど、散乱異方性が大きいことを意味する。
【0097】図4において、比較例3と比較例4のシー
トを重ねて得られる比較例2のシートと、実施例1のシ
ートとの比較から明らかなように、異方的形状の分散相
と球状の分散相とを組み合わせることにより、異方性の
程度を容易に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の面光源装置及び透過型液晶表示
装置の一例を示す概略分解斜視図である。
【図2】図2は拡散フィルムの異方的散乱を説明するた
めの概念図である。
【図3】図3は実施例及び比較例で得られた拡散フィル
ムの散乱パターンを示すグラフである。
【図4】図4は実施例及び比較例で得られた拡散フィル
ムの散乱特性(異方性比)を示すグラフである。
【符号の説明】
1…表示装置 2…液晶表示ユニット 3…面光源ユニット 4…管状光源 5…導光部材 6a…反射部材又は反射層 7…異方性拡散フィルム 8…プリズムシート 7a…連続相 7b…球状分散相 7c…異方形状の分散相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA14 BA15 BA20 2H091 FA23Z FA31Z FA41Z FB12 LA18 LA19 5G435 AA02 AA03 BB12 BB15 DD09 DD14 EE27 FF06 FF08 GG03 GG24 KK07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに屈折率が異なる連続相と分散相と
    で構成され、かつ透過光を散乱可能な光拡散層で構成さ
    れた光散乱フィルムであって、前記分散相が、球状分散
    相粒子と、長軸が所定の方向に配向した異方形状の分散
    相粒子とで構成されている異方性拡散フィルム。
  2. 【請求項2】 球状分散相粒子の平均アスペクト比が
    0.8〜1.2であり、異方形状の分散相粒子の平均ア
    スペクト比が1.5以上である請求項1記載の異方性拡
    散フィルム。
  3. 【請求項3】 球状分散相粒子と異方形状の分散相粒子
    との割合(重量比)が、前者/後者=1/99〜70/
    30である請求項1記載の異方性拡散フィルム。
  4. 【請求項4】 透明熱可塑性樹脂で構成された連続相
    と、この連続相中に分散した分散相とで構成されてお
    り、この分散相が、透明物質で構成された球状分散相粒
    子と、透明熱可塑性樹脂で構成された異方形状の分散相
    粒子とで構成されている請求項1記載の異方性拡散フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 連続相及び異方形状の分散相粒子が、ポ
    リオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレ
    ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
    リカーボネート系樹脂およびセルロース誘導体から選択
    された少なくとも1つの透明熱可塑性樹脂で構成され、
    球状分散相粒子が架橋樹脂で構成されている請求項4記
    載の異方性拡散フィルム。
  6. 【請求項6】 互いに屈折率の異なる連続相と分散相と
    で構成され、前記分散相が球状分散相粒子と長軸が所定
    の方向に配向した異方形状の分散相粒子とで構成された
    フィルムを製造する方法であって、前記連続相を構成す
    る透明熱可塑性マトリックス樹脂と、このマトリックス
    樹脂の成形温度で非変形性の透明球状粒子と、前記成形
    温度で変形可能な透明熱可塑性樹脂とを、前記マトリッ
    クス樹脂の溶融温度で混合し、フィルム成形する異方性
    拡散フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 互いに屈折率の異なる連続相と分散相と
    で構成された光拡散層を有するフィルムにより透過光の
    異方性の程度を調整する方法であって、前記分散相を、
    球状分散相粒子と、長軸が所定の方向に配向した異方形
    状の分散相粒子とで構成し、かつ前記球状分散相粒子と
    異方形状の分散相粒子との割合を調整することにより、
    透過拡散光の異方性の程度をコントロールする方法。
  8. 【請求項8】 面光源ユニットの出射面側に請求項1記
    載の異方性拡散フィルムが配設されている面光源装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の異方性拡散フィルムを備
    えている液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の面光源装置を備えてい
    る透過型液晶表示装置。
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