JP2000241609A - 光散乱シート - Google Patents

光散乱シート

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JP2000241609A
JP2000241609A JP11044578A JP4457899A JP2000241609A JP 2000241609 A JP2000241609 A JP 2000241609A JP 11044578 A JP11044578 A JP 11044578A JP 4457899 A JP4457899 A JP 4457899A JP 2000241609 A JP2000241609 A JP 2000241609A
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scattering sheet
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JP11044578A
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English (en)
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Masanori Hiraishi
正憲 平石
Yoshiyuki Nishida
善行 西田
Masaya Onishi
雅也 大西
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Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ディスプレイ特に反射型液晶表示装置に
用いられる光散乱シートを提供することを目的とする 【解決手段】 透明電極を有する上部電極と光反射性を
有する下部電極間に液晶が封入されてなる反射型液晶の
上部電極の基板上に配置されてなる反射型液晶素子の上
記上部電極の基板上に用いられる光散乱シートにおい
て、熱可塑性の透明樹脂ベースに熱可塑性の樹脂又は、
及び微粒子を溶融製膜により分散させた、厚みが30〜
300μmであり、光学特性の全光線透過率が85%以
上であるとともにヘーズ値が10〜80%の範囲にあ
り、且つ溶融製膜で製造される前方散乱機能を有する光
散乱シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
特に反射型液晶表示装置に用いられる光散乱シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶表示装置は、パソコン、
ワープロ、液晶テレビ、時計、電卓等の、表示に利用さ
れてきている。最近は、インターネットをはじめとする
情報通信のインフラストラクチャーの整備、コンピュー
タとの通信機器の融合による情報のネットワーク化が進
んでいる。このネットワーク化によって情報のアクセス
は時間と場所の製薬を受けなくなる。ネットワークの利
用に欠かせないのは、現在、開発が盛んなPDA(Pars
onal Digital Assistance)等に代表される携帯情報端末
や、現在のノートPCより更に、薄型で軽量のモバイル
PCである。これらの機器は可搬性を考慮して、長時間
のバッテリ駆動とセットの薄型化・小型化を実現する必
要があるため、これらに要求されるディスプレイは、薄
型・軽量・低消費電力化のものでなくてはならず、これ
らの要求に対して反射型液晶表示装置が最も有望視され
ている。
【0003】また、今後のマルチメディア化の進歩に伴
う情報の多様化に対応するためには、カラー化と高精細
化が重要となるとともに、コストダウンに対応する必要
がある。反射型液晶素子としては種々のものがあるがカ
ラー化と高精細化に対しては、一枚偏光板タイプが有利
である。特に液晶層をHAN(Hybrid Aligned Nemati
c)配向させたR−OCBモードは低電圧、広視野角、
高速応答、中間調表示、高コントラストなどの点で優れ
た特性を有している。
【0004】このような反射型液晶素子は入射光を液晶
層に効率的に誘導し、同電極から反射した光を視認性を
妨げない範囲で散乱し、全反射を防止して自然光或いは
外部光を最大限に利用する必要がある。そして、やはり
バックライトを用いずに外部の光を用いて表示する省エ
ネタイプのモバイル的に用いられる表示素子であるか
ら、素子としてどうしてもバックライトや他の物に対し
て廉価である必要があり、それに対する部品も廉価であ
ることを要求される。
【0005】反射型液晶に関しては、特開昭63−22
8887号公報、あるいは日本印刷学会主催のフォトフ
ァブリケーションシンポジウム‘92に基本技術や表面
凹凸の金属薄膜を下部電極として適用し、全反射を防止
し表示面の視野角を拡大させた液晶表示装置が紹介され
ている。
【0006】一方、反射電極は電極表面が凹凸になるた
め種々の欠点を発生し、その対策として特公昭61−8
430号公報に反射電極を有しない方の指示板側に光拡
散層を形成する構成が開示されている。しかしながら、
白色塗料系をアクリル樹脂等に分散させた方法では後方
散乱が大きく、反射型液晶として必要な前方散乱機能が
十分でないという欠点があった。この欠点に対し特開平
07−318926号公報にランダム配向した液晶高分
子を用いる方法が開示されている。また特開平6−25
8624号公報では反射型液晶素子の液晶部分に液晶と
高分子を互いに分散した構造が開示されているが、いず
れも高価な液晶を使用するものである。
【0007】特開平7−98452号公報では、セル内
に光散乱層を形成する反射型液晶装置が開示されている
が、微妙な液晶配向を生じさせる必要のある工程に微粒
子分散樹脂層を形成するという工程上非常に歩留まり等
の低下のハンデを生じさせる方法であった。
【0008】特開平7−261171号公報では液晶素
子の観測者側、即ち表面に二種以上の樹脂を互いに相分
離状態で混合分散した光散乱層を備える反射型液晶表示
装置が開示されている。この方法により、液晶物質によ
って構成された表示画面が下部電極の金属反射板に映っ
て虚像を生じ、二重に観察されるという単純構成の反射
型液晶素子の問題点を解決している。しかしながら、相
分離を生じさせる方法は溶剤乾燥、熱硬化又は重合、電
子線や放射線で重合、或いは酸化硬化のいわゆる湿式の
方法に限られている。又これらの光散乱層は極端に薄
く、数μmの厚さであり、単体での取り扱いは困難で、
一般的には偏光シートに塗工して用いる必要がある。単
体で用いることは非常に困難である。又、これらの方法
では目的の光散乱シートを得るには時間がかかったり、
多段階(保護フィルム上に塗布し、紫外線等の照射)で
あったり、或いは偏光板の保護シートに塗工するなどし
て歩留まりの低下のため、結局はコストの高いものにな
ってしまうという欠点があった。
【0009】電子情報通信学会(社団法人)の信学技法
(TECHNICAL REPORT OF IEICE. EID95-146,ED95-220,SD
M95-146,ED95-220,SDM95-260〈1996-02〉)では、反射
型フルカラー液晶ディスプレイ用の前方散乱板の基本的
な研究が掲載されている。前方散乱板の設計の指針を与
えるものではあるが、工業的生産や、液晶表示素子に実
際に適用する際の適切な設計については検討されていな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無光
源タイプの反射型表示装置に組み込まれるシートで、画
像のぼけが生じないような光前方散乱機能を有する光散
乱シートを提供するに際し、表示装置にとって適切な厚
みであるとともに機械的に強く、安価であり、従来の生
産ラインに適用できる光散乱シートを提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意検討の結果、溶融製膜の方法で目
的の光前方散乱機能を有する構成を考案し、本発明に到
達した。即ち、本発明の光散乱シートとは、熱可塑性の
透明樹脂ベ−スに屈折率の適度に相異する熱可塑性の樹
脂又は、及び架橋性の高分子の微粒子或いは無機微粒子
を、溶融製膜により分散させた前方散乱機能を有する光
散乱シートで、その厚みとして30μm(単体での諸加
工に対し強度を保持するのに必要な最小厚み)以上、3
00μm(液晶表示装置に適用するに対し適切な最大厚
み)以下の厚み(好ましくは50〜150μm)で、反
射型液晶表示装置に適切な光前方散乱機能の光学設計と
して、光学特性の全光線透過率が85%以上、好ましく
は90%以上であるとともにヘーズ値が10%〜80
%、好ましくは20%から70%の範囲にあることを特
徴とする。
【0012】さらに熱可塑性の透明樹脂ベ−スの改質を
行い、反射型液晶表示装置に対し適切な厚みで、取扱に
対し、十分な耐性の強度を持つように溶融製膜された安
価な光散乱シートであることを特徴とするものである。
【0013】さらに、光散乱シートを反射型液晶表示体
に設置する場合の適切な粘着剤処方を提案する。
【0014】即ち、熱可塑性の透明樹脂ベースに分散材
(熱可塑性の樹脂又は、及び微粒子)を分散させ、それ
ぞれの光学特性、分散材比率及び分散材の大きさを最適
化させ、さらに液晶表示装置に対し、適切な厚みとする
ことにより、前方散乱機能を有し、画像にぼけが生じな
く、非常に視認性を向上させることが出来ることを見出
し、本発明を完成させた。溶融製膜であるため、連続の
単体のロール状品で供給することができ、後の取り扱い
を考慮するとトータルとして安価に製造できる。又、粘
着剤の塗布に対しても連続の単体のロール状品であるた
め好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の熱可塑性の透明樹脂ベースは基本的には
透明性を有する熱可塑性樹脂であれば何でも良い。例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイ
ロン6、ナイロン12及びナイロン6と12の共重合体タイ
プ、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等のホモポリマ
ー、或いはこれらのポリマーを構成するモノマー成分同
士若しくはこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマ
ー等の熱可塑性樹脂が使用出来る。それらの中で、非晶
性ポリオレフィン樹脂(更に好ましくは非晶性環状ポリ
オレフィン樹脂)、ポリエステル樹脂(更に好ましくは
非結晶コポリエステル樹脂)が好ましく用いられる。
【0016】分散させる熱可塑性の透明樹脂は基本的に
は熱可塑性の透明樹脂ベースに対し、屈折率が熱可塑性
の透明樹脂ベースの屈折率に対し、その比率が1.00
1〜1.10、好ましくは1.01〜1.05、又は
0.90〜0.999、好ましくは0.95〜0.99
であり、溶融製膜により、熱可塑性の透明樹脂ベース中
概略球形に分散し、その平均粒径が0.1〜100μ
m、好ましくは1〜20μmとなるものであればなんで
も良く、前記の熱可塑性樹脂及び多少半透明な熱可塑性
樹脂を用いることができる。このような屈折率の相違
と、平均粒径の構成により、厚み30μm〜300μm
の間で光学特性の全光線透過率が85%以上好ましくは
90%以上であるとともにヘーズ値が10%〜80%、
好ましくは20%〜70%の範囲にある光散乱シートを
溶融製膜により製造することが出来る。
【0017】このように、溶融混練により熱可塑性樹脂
が分散するには、一般には極性の異なる組み合わせが好
適であり、例えば、透明樹脂ベースのポリエステル系樹
脂に対し、アルケニル系樹脂やポリオレフィン系樹脂が
良い。又その逆も可能である。しかしながら、溶融混練
するので、少なくとも混練時に一方の樹脂が分解しない
組み合わせが必要である。
【0018】分散させる微粒子が架橋された高分子の微
粒子の場合は、一般に溶融製膜時に溶融や変形及び凝集
を生じることが少なく、熱可塑性の透明樹脂ベースの屈
折率に対し、その比率が1.001〜1.10、好まし
くは1.01〜1.05、又は0.90〜0.999、
好ましくは0.95〜0.99であり、その平均粒径が
0.1〜100μm、好ましくは1〜20μmであれば
良い。このような架橋された高分子の微粒子はポリ(メ
タ)アクリル酸エステルやアルケニル系高分子のポリス
チレンのものが市販されている。このような屈折率の相
違と、平均粒径の構成によっても、厚み30μm〜30
0μmの間で、光学特性の全光線透過率が85%以上、
好ましくは90%以上であるとともにヘーズ値が10%
〜80%、好ましくは20%〜70%の範囲にある光散
乱シートを溶融製膜により製造することが出来る。
【0019】分散材として用いる無機微粒子の無機材と
しては、樹脂微粒子同様透明又は半透明なものであれば
良く、特に限定されるものではない。例えば無アルカリ
ガラス、チッ化ホウ素、マイカ(雲母)、マイカとチッ
化ホウ素との複合材が使用出来る。
【0020】発明の分散材としての微粒子の形状につい
ては、特に球形に限定されるものではなく、例えば真
球、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、円盤状、
ラグビーボール状、扁平状、ロッド(フィラメント)状
等のいずれでも良い。
【0021】実用上、熱可塑性の透明樹脂ベースとして
上記した樹脂が好適に用いられる。この樹脂は透明性が
良好であるとともに、軟化温度が高いからである。即
ち、他の透明樹脂と比較すると、PEやPMMAのよう
に90℃前後で軟化せず、更にPPより高温適性に優
れ、PCよりも透明性が高い。
【0022】更に熱可塑性の透明樹脂ベースとして該ポ
リアルキレテンレフタレート樹脂50〜95重量%とエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体樹脂5〜50重量%
(合計100重量%)よりなるポリマーブレンドを使用
すると分散材を必要量混合した場合でも良好な前方散乱
特性と耐衝撃性を同時に有する光散乱シートを得ること
が出来る。
【0023】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体と
は、同一分子内にビニル芳香族を主体とする重合体ブロ
ックと、部分的にエポキシを含む共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックまたは部分的にエポキシを含む
水素化共役ジエン化合物を主とする重合体ブロックから
なることを特徴とする共重合体樹脂である。エポキシ化
ジエン系ブロック共重合体のエポキシ当量は、好ましく
は320〜8000の範囲である。本発明でいうジエン
系ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主とす
る重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主とする重合
体ブロックとからなるブロック共重合体をいい、ビニル
芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重合比(モル基
準)は5/95〜70/30であり、特に10/90〜
60/40の共重合比が好ましい。また、本発明に供す
るブロック共重合体の数平均分子量は5,000〜60
0,000、好ましくは10,000〜500,000
の範囲であり、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は10以
下である。又ブロック重合体の分子構造は、直鎖状、分
岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいず
れであってもよい。例えば、X−Y−X、Y−X−Y−
X、(X−Y−)4Si、X−Y−X−Y−X等の構造
を有するビニル芳香族化合物(X)ブロック−共役ジエ
ン化合物(Y)ブロック共重合体である。さらにジエン
ブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は、
部分的に水素添加したものでもよい。ジエン系ブロック
重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、р−
第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、р−メチル
スチレン、1,1−ジフェニルスチレン等のうちから1
種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好まし
い。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル
−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエ
ン等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、中でも
ブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ま
しい。本発明に供するブロック重合体の製造方法として
は上記した構造を有するものであればどのような製造方
法もとることもできる。例えば、特公昭56−2892
5号などの各公報に記載された方法により、リチウム触
媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができ
る。さらに特開昭59−133203号公報に記載され
た方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に
水素添加して、本発明に供する部分的に水添したブロッ
ク共重合体を合成することができる。上記したジエン系
ブロック共重合体をエポキシ化することにより本発明で
使用されるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体が得ら
れる。本発明におけるエポキシ化ジエン系ブロック共重
合体は上記のブロック共重合体を不活性溶媒中でハイド
ロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応さ
せることにより得ることができる。過酸類としては過ギ
酸、過酢酸、過安息香酸を例示することができる。ハイ
ドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸と苛性ソ
ーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化
水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシ
ャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果
を得ることができる。エポキシ化剤の量には厳密な制限
はなく、それぞれの場合における最適量は、使用する個
々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する
個々のブロック共重合体等の可変要因によって決まる。
【0024】PET、PBT、PENや非結晶コポリエ
ステル等のポリアルキレンテレフタレート樹脂のなか
で、非結晶コポリエステルが単に溶融製膜だけで透明な
シートを得ることができ、延伸等の必要がなく、最適で
ある。非結晶コポリエステルとしてテレフタル酸に対し
エチレングリコールと1、4シクロヘキサンジオールを
共重合体したもの(PETG)がガラス点移転が高く、
透明性が良好で本発明の光散乱シートの熱可塑性の透明
樹脂ベースとして優れている。
【0025】上記PETGを透明樹脂ベースとしてその
50〜95重量%とエポキシ化ジエン系ブロック共重合
体樹脂5〜50重量%(合計100重量%)よりなるポ
リマーブレンドはPETGのガラス的な硬さをやわらげ
ると共に、分散材を必要量混合した場合でも良好な前方
散乱特性と耐衝撃性を有すると共に、分散材と透明樹脂
ベースとの接着力を向上した安定な光散乱シートを得る
ことが出来る。
【0026】本発明の光散乱シートの光学特性について
は、前方散乱機能を有する観点から、出来るだけ後方散
乱が少なく、前方にのみ散乱するものが好ましい。画像
にぼけが生じないようにするための光学特性値として
は、光学特性の全光線透過率が85%以上好ましくは9
0%以上であるとともにヘーズ値が10%〜80%、好
ましくは20%〜70%の範囲にあるものである。この
範囲を例えばヘーズ値が80%を超えると、光学過率が
低くなりすぎ輝度が向上しないと同時に、画像にぼけが
生じ、視認性が悪くなる。一方ヘーズ値が10%より以
下になると、液晶表示セルの構成上、セルの最下部に鏡
面反射板があるため、蛍光燈や自分の顔が表示部に映っ
てしまい、表示品位としては非常に悪いものになってし
まう。尚、全光線透過率については可能な限り100%
に近いことが好ましいが、樹脂の屈折率の関係上、数パ
ーセントは必ず正反射するので、可視光線領域で吸収が
全くない樹脂フィルムにおいても、全光線透過率は95
〜96%程度が限界である。したがって、全光線透過率
の値は85%以上好ましくは90%以上であれば問題は
無い。
【0027】本発明の光散乱シートは、上記したような
各種の熱可塑性の透明樹脂に、熱可塑性微粒子を分散さ
せたものであるが、その厚みが重要である。本発明の光
散乱シートの厚みとしては、後述するように粘着剤を塗
工する場合があるので、具体的には30〜300μm、
好ましくは50〜150μm程度が適当である。この厚
みが厚すぎて300μmを越えると、まず近年薄型軽量
化を要求されている液晶表示装置に余分な厚みを強いる
こととなるとともに、画像の二重性が観察されやすくな
り、又コスト的にも好ましくない。一方薄過すぎて30
μ以下になると文散剤のシート表面からの突出が激しく
なり、不必要な散乱を発生し必要な散乱能を得ることは
難しくなり、液晶表示装置表面への設置の具合がよくな
くなるとともに、製造時の歩留まりも著しく低下し、か
えってコストが上昇する。
【0028】その透明樹脂と微粒子の重量比率は、透明
樹脂100重量部に対し一般に微粒子1〜50重量部が
適当であるが、より好ましくは5〜15重量部の範囲で
ある。このような好ましい透明樹脂と微粒子の重量比率
は両者の屈折率の比率に関係している。本発明のクレー
ム(1.001〜1.10、好ましくは1.01〜1.
05、又は0.90〜0.999、好ましくは0.95
〜0.99以下)に記すように、その比率が1から離れ
るほど微粒子での光散乱の程度が大きくなるので透明樹
脂と微粒子の重量比率は少ないほうが好ましくなる。
【0029】本発明の溶融製膜の方法において、本発明
の樹脂組成物には、必要に応じて本発明の目的を阻害し
ない範囲で他の熱可塑性樹脂成分、各種添加剤、たとえ
ば老化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、シリカ、タル
ク、カーボン等の充填剤、可塑剤、オイル、滑剤等の軟
化剤を配合して使用することができる。
【0030】本発明の光散乱シートは従来公知方法、例
えば、インフレーション法、Tダイ法等の溶融押出し成
形方法で成形することができる。本発明の光散乱シート
は熱可塑性の透明樹脂ベースと文散剤の混合比と、反射
型液晶表示装置が求める前方散乱性能に応じて、適宜の
膜厚に形成されるが、通常30〜300μm好ましくは
50〜150μmである。
【0031】分散材の混練方法としては前項の溶融製膜
時に一度に混練と製膜をおこなうことができるが、混練
をより均一におこなうため各種混合機を使用することに
より、溶融製膜前に公知の各種の混合機、例えば、押出
し機、ブラベンダー、ニーダー、バンバリーミキサー等
で混練しておいても良い。この場合、分散材の濃度を高
くした所謂マスターバッチを製造した後、前項の溶融製
膜しても良い。
【0032】ポリアルキレンテレフタレート樹脂の透明
樹脂ベースにエポキシ化ジエン系ブロック共重合体を混
練するのは前項の方法で溶融製膜の事前に混練してもよ
く、いきなり溶融製膜時に混練しても良いが、透明樹脂
とエポキシ化ジエン系ブロック共重合体との適切なエポ
キシ化反応等の相互作用を生じさせるには、事前に先ず
透明樹脂ベ−スとエポキシ化ジエン系ブロック共重合体
を混練した後、分散材を混練し、溶融製膜したほうが好
ましい。特に透明樹脂ベースとしてPETG等の非晶性
コポリエステルの場合は溶融製膜の前にエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体を混練することが好ましい。
【0033】溶融製膜された光散乱シートは、反射型液
晶素子の最外層である上部電極の偏光板上に積層されて
用いられる。反射型液晶であるので、バックライトのよ
うな液晶の裏面から光は照射されていない。戸外では自
然光や太陽の直射光の反射を利用し、室内ではその室内
光や、蛍光燈の直射光の反射光を有効に利用し、できる
だけ明るい表示装置を得るため、反射型液晶表示装置の
前面に配置される。
【0034】しかしながら、単に液晶表示装置の最表面
にある偏光板の上に単に設置しただけでは、本発明の光
拡散シートと偏光板の間に隙間を生じ、その隙間の空気
との界面で無駄な反射を発生する。又設置が中途半端な
場合は、一部分光拡散シートと偏光板が接触している場
所で干渉縞を生じ、液晶表示の画像特性を著しく損なわ
せる結果となる。
【0035】前項の無駄な反射の発生を防止するには、
光拡散シートと偏光板を粘着剤で全面貼りすると防止で
きるが、光拡散シートと偏光板の中間の屈折率をもつ粘
着剤を選択すると、無駄な反射を最低限に抑えられる。
【0036】場合によっては光散乱シートの両面に粘着
剤を塗工し、上部電極のガラスと偏光板の間に本発明の
光散乱シートを設置しても良い。この場合は、有効な本
発明の光散乱シートの前方散乱性を多少損ない、画像の
ぼけの防止効果が減少するが、従来の偏光板に付与され
ている反射防止の機能を維持することができる。この場
合においては、一方の粘着剤は上部電極のガラスと透明
樹脂ベースの中間の屈折率をもつもの、もう一方の粘着
剤は透明樹脂ベースと光散乱シートの中間の屈折率をも
つものを選択すれば、無駄な反射によるロスを最低限に
することができる。
【0037】粘着剤として、例えばアクリル系樹脂やシ
リコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタンや合
成ゴム等から、透明樹脂ベースと偏光板の最表面光に用
いられているトリアセチルセルロースの中間の屈折率の
粘着剤を選択出来る。前記アクリル系粘着剤を形成する
アクリル系樹脂の具体例としては、エチル基、n−プロ
ピル基やイソプロピル基等や、炭素数が2〜14のアル
キル基を有するアクリル酸エステルや、メタアクリル酸
エステルの1種又は2種以上を共重合体したものがあげ
られる。このような粘着剤の中から、前項或いは前々項
の粘着剤を選択できる。
【0038】本発明の光散乱シートは、反射型液晶表示
装置、特にR−OCBモードと呼ばれる一枚偏光板タイ
プ反射型液晶表示装置における前方散乱層として有効に
使用出来る。
【0039】尚、本発明の光散乱シートは、上述したよ
うな表示装置における前方散乱層としてだけではなく、
照明器具、電飾看板等各種の機器の光をコントロールす
る目的で使用することが出来る。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の実施例につい
て説明する。
【0041】本発明の光散乱シートを、反射型液晶表示
装置の前方散乱層として用いる場合の実施形態の一例を
図1に示す。図2は、本発明の光散乱シートに粘着剤層
を設けて使用する場合の実施形態を示す。図3は、本発
明の熱可塑性の透明樹脂ベースに分散材が溶融製膜によ
り分散した構造を説明する。図4は、本発明における表
示視認性を評価するために試作した、反射型液晶表示装
置の簡易モデルの構成を示す図である。光散乱シートを
通過する光が前方へ散乱し、前方散乱効果を発揮する。
また光散乱シートの全光線透過率とヘーズ値のバランス
を取ることにより、前方散乱光強度を最適化し、かつ後
方散乱を非常に弱くすることにより、明るく良好なコン
トラストが得られる。更に、光散乱シートを偏光板と貼
り合わせることにより、無駄な反射を防止する効果があ
る。
【0042】本発明における試験方法を以下に示す。 試験方法 (1)全光線透過率測定:JIS K7105に準拠し
て、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、
NDH−300A)を用いて全光線透過率を測定し
た。 (2)拡散光透過率測定:JIS K7105に準拠し
て、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、
NDH−300A)を用いて拡散光透過率を測定し
た。 (3)平行線透過率測定:JIS K7105に準拠し
て、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、
NDH−300A)を用いて平行線透過率を測定し
た。 (4)ヘーズ値測定:JIS K7105に準拠して、
ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、 N
DH−300A)を用いてヘーズ値を測定した。 (5)表示視認性評価:簡易の反射型液晶表示セルを作
成し、最上層にサンプルをおいて表示視認製を評価し
た。簡易の反射型液晶表示セル構成は、図4に示す。
尚、前方散乱機能及び表示視認性評価は、必ずしも透明
基材シートと光散乱層を一体化させたシートで評価する
必要がないため、表示視認性評価も光散乱層のみで行っ
た。 (6)アイゾット衝撃強度(1/8インチ厚み、切削ノ
ッチ) ASTM−D256 単位Kg−cm/cm
【0043】以下に実施例1〜8、比較例1〜6を説明
する。透明樹脂ベースとしてPETG(ポリエステル系
樹脂EASTMAN CHEMICAL社製 East
arPETG6763,屈折率1.567)、分散させ
る熱可塑性樹脂としてGPPS(汎用ポリスチレン系樹
脂ダイセル化学工業製GPPS#30,屈折率1.58
9)及びPE(ポリエチレン系樹脂宇部興産製LDPE
G109,屈折率1.51)とし、表1に示す配合比で
溶融混練した。屈折率の比は、GPPS/PETG=
1.014,PE/PETG=0.964である。混練
は、装置としてLABO PLASTMILL Mod
e150R150、温度220℃、回転速度30rp
m、時間10分行った。表1に示した厚みのシートを得
るため、自動ホットプレス機で240℃300Kg/c
2の条件で10cm角の試片を作成した。表2の結果
から、実施例1〜8はいずれも全光線透過率が90%以
上、ヘーズ値が10〜80%の範囲にあり、表示視認性
は良好であった。比較例1〜6は全光線透過率がいずれ
も85%以上であるが、ヘーズ値が10%以下又は80
%以上であり、表示視認性は不良であった。尚、GPP
S、PEともSEM観察により、PETGの透明樹脂ベ
ース中に2ミクロン直径前後の大きさの微小球の形で分
散していることを確認した。
【表1】
【表2】
【0044】以下に実施例9〜18、比較例7〜12を
説明する。透明樹脂ベースとして段落番号0043に記
載のPETG,分散させる架橋された高分子の微粒子と
して、架橋PSビーズ(ポリスチレン系ビーズ積水化成
品製SBX−6 平均直径6ミクロン 屈折率1.5
9)及び架橋PMMビーズ(ポリメチルメタアクリレー
ト系ビーズ 積水化成品製MBX−8 平均直径8ミク
ロン 屈折率1.59)とし、表3に示す配合比で溶融
混練した。屈折率の比は、架橋PSビーズ/PETG=
1.015、架橋PMMAビーズ/PETG=0.95
1である。混練及びシート化は段落番号0043と同条
件で行った。表2の結果から、実施例9〜18はいずれ
も全光線透過率が85%以上、ヘーズ値が10〜80%
の範囲にあり、表示視認性は良好であった。比較例7〜
12は、全光線透過率がいずれも85%以上であるが、
ヘーズ値が10%以下又は80%以上であり、表示視認
性は不良であった。尚、SBX−6、MBX−8ともS
EM観察により、PETGの透明樹脂ベース中にその平
均直径を維持して微小球の形で分散していることを確認
した。
【表3】
【表4】
【0045】以下に実施例19〜25を説明する。さら
に実施例10と17を再記入する。透明樹脂ベースとし
て段落番号0043に記載のPETG、分散させる架橋
された高分子の微粒子として段落番号0044に記載架
橋PSビーズ(種々の平均直径のもの)及び架橋PMM
Aビーズ(種々の平均直径のもの)とし、表5に示す配
合比で溶融混練した。屈折率の比は、段落番号0044
に記載と同じである。混練及びシート化は段落番号00
43と同条件で行った。表6の結果から、実施例19〜
25はいずれも全光線透過率が85%以上、ヘーズ値が
10〜80%の範囲にあり、表示視認性は良好であっ
た。但し、実施例25の微粒子の平均直径50ミクロン
が表示視認性は良好ではあるが、その微粒子が大きいた
め、他のものにくらべ文字の認識がしにくかった。尚、
SBX,MBXともSEM観察により、PETGの透明
樹脂ベース中にその平均直径を維持して微小球の形で分
散していることを確認した。
【表5】
【表6】
【0046】以下に実施例26、27を説明する。透明
樹脂ベースとして段落番号0043に記載のPETG、
無機系の微粒子としてマイカ(積水化成品工業製、円盤
状粒子径10〜15ミクロン、厚み0.5〜0.9ミク
ロン)及びフィラメント状粒子(日本電気硝子製マイク
ロロッドPF−30S、平均ロッド径2.99ミクロ
ン、平均ロッド長さ16.7ミクロン)とし、表7に示
す配合比で溶融混練した。表8の結果から、実施例2
6、27はいずれも全光線透過率が90%以上、ヘーズ
値が10〜80%の範囲にあり、表示視認性は良好であ
った。尚、マイカ、フィラメント状粒子ともSEM観察
により、PETGの透明樹脂ベース中にそのもとの形状
を維持して微小球の形で分散していることを確認した。
【表7】
【表8】
【0047】以下に実施例28〜30を説明する。さら
に実施例2と10を再記入する。透明樹脂ベースとして
段落番号0043に記載のPETG,熱可塑性樹脂とし
段落番号0043に記載のGPPS,分散させる架橋さ
れた高分子の微粒子として、段落番号0044に記載の
架橋PSビーズとし、表9に示す配合比で溶融混練し
た。屈折率の比は1.014〜1.015である。混練
及びシート化は段落番号0043と同条件で行った。表
10の結果から、実施例28〜30はいずれも全光線透
過率が90%以上、ヘーズ値が10〜80%の範囲にあ
り、表示視認性は良好であった。
【表9】
【表10】
【0048】以下に実施例31〜33、比較例13を説
明する。透明樹脂ベースとしてTOPAS(シクロオレ
フィン系樹脂Hoechst High Chem社製
Topas、屈折率1.53)、分散させる架橋された
高分子の微粒子として段落番号0044に記載の架橋P
MMAビーズとし、表11に示す配合比で溶融混練し
た。屈折率の比は、MBX/TOPAS=0.974で
ある。混練及びシート化は段落番号0043と同条件で
行った。表12の結果から、実施例31〜33はいずれ
も全光線透過率が90%以上、ヘーズ値が10〜80%
の範囲にあり、表示視認性は良好であった。比較例13
は全光線透過率が90%以上であるが、ヘーズ値が80
%以上であり、表示視認性は不良であった。尚、MBX
ビーズはSEM観察により、TOPASの透明樹脂ベー
ス中にその平均直径を維持して微小球の形で分散してい
ることを確認した。
【表11】
【表12】
【0049】以下に実施例34〜35、比較例14を説
明する。透明樹脂ベースとしてPP(ポリプロピレン系
樹脂グランドポリマー社製 グランドポリプロF13
3,屈折率1.503)、分散させる架橋された高分子
の微粒子として段落番号0044に記載の架橋PMMA
ビーズとし、表13に示す配合比で溶融混練した。屈折
率の比は、MBX/PP=0.991である。混練及び
シート化は段落番号0043と同条件で行った。表12
の結果から、実施例34、35はいずれも全光線透過率
が90%以上、ヘーズ値が10〜80%の範囲にあり、
表示視認性は良好であった。比較例14は全光線透過率
が85%以上であるが、ヘーズ値が80%以上であり、
表示視認性は不良であった。尚、MBXビーズはSEM
観察により、PPの透明樹脂ベース中にその平均直径を
維持して微小球の形で分散していることを確認した。P
PにMBX
【表13】
【表14】
【0050】以下に実施例36〜40、比較例15〜1
8を説明する。透明樹脂ベ−スとして段落番号0043
に記載のPETGに、添加樹脂としてエポフレンド(エ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体 ダイセル化学工業
製AT202)を10wt%の割合で添加し、分散させ
る熱可塑性樹脂として段落番号0043に記載のGPP
S及びPEとし、表15に示す配合比で溶融混練した。
屈折率の比はGPPS/(PETG+エポフレンド)≒
1.014、PE/PETG≒0.964である。PE
TGとエポフレンドAT202及びGPPSやPEの分
散材の混練は二軸抽出機(東芝機械製作所(株)TEM
35)を用いて、240℃で熔融混練し、次いで押出し
を行い、ペレット化した。熔融製膜は上述のペレットを
用いて段落番号0043に記載の抽出機を用いて行っ
た。表16の結果から、実施例36〜40はいずれも全
光線透過率が85%以上、ヘ−ズ値が10〜80%の範
囲にあり、表示視認性は良好であった。比較例15〜1
8は全光線透過率がいずれも85%以上であるが、ヘー
ズ値が10%以下又は80%以上であり、表示視認性は
不良であった。尚、GPPS、PEともSEM観察によ
り、PETG+エポフレンドの透明樹脂ベ−ス中に1〜
2ミクロン直径前後の大きさの微小球の形で分散してい
ることを確認した。次に上述のペレットを用いて射出成
形機により試験片を作成し、ASTM法により耐衝撃性
を測定した。表17の結果から、PETG単体やAT2
02の無添加に比較し、アイゾット衝撃強度が著しく向
上していることを示していて、同特性が良好であること
がわかる。
【表15】
【表16】
【表17】
【0051】以下に実施例41〜44、比較例19、2
0を説明する。透明樹脂ベ−スとして段落番号0043
に記載のPETG、添加樹脂としてエポフレンド(エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体 ダイセル化学工業製
AT202)を10wt%の割合で添加し、分散させる
架橋された高分子の微粒子として、 段落番号0044
に記載架橋PSビ−ズ及び架橋PMMAビ−ズとし、表
18に示す配合比で溶融混練した。屈折率の比は、架橋
PSビ−ズ/(PETG+エポフレンド)≒1.01
5、架橋PMMAビ−ズ/(PETG+エポフレンド)
≒0.951である。混練及びシ−ト化は段落番号00
43と同条件で行った。表19の結果から、実施例41
〜44はいずれも全光線透過率が90%以上、ヘーズ値
が10〜80%の範囲にあり、表示視認性は良好であっ
た。比較例19、20は全光線透過率がいずれも85%
以上であるが、ヘ−ズ値が10%以下又は80%以上で
あり、表示視認性は不良であった。尚、SBX−6、M
BX−8ともSEM観察により、PETG+エポフレン
ドの透明樹脂ベ−ス中にその平均直径を維持して微小球
の形で分散していることを確認した。次に上述のペレッ
トを用いて射出成形機により試験片を作成し、ASTM
法により耐衝撃性を測定した。表20の結果から、PE
TG単体や、AT202の無添加に比較し、アイゾット
衝撃強度が著しく向上していることを示していて、同特
性が良好であることがわかる。
【表18】
【表19】
【表20】
【0052】以下に実施例45〜48、比較例21、2
2を説明する。透明樹脂ベ−スとして段落番号0043
に記載のPETG、添加樹脂として段落番号0051に
記載エポフレンドを種々の割合で添加し、分散させる熱
可塑性樹脂として段落番号0043に記載のGPPSと
し表21に示す配合比で溶融混練した。屈折率の比は、
GPPS/(PETG+エポフレンド)≒1.014で
ある。混練及びシート化は段落番号0043と同条件で
行った。表22の結果から、実施例45〜48はいずれ
も全光線透過率が85%以上、ヘ−ズ値が10〜80%
の範囲にあり、表示視認性は良好であった。比較例2
1、22は全光線透過率がいずれも85%以上である
が、ヘ−ズ値が10%以下であり、表示視認性は不良で
あった。次に上述のペレットを用いて射出成形機により
試験片を作成し、ASTM法により耐衝撃性を測定し
た。表23の結果から、PETG単体や、AT202の
無添加に比較し、アイゾット衝撃強度が著しく向上して
いることを示していて、同特性が良好であることがわか
る。
【表21】
【表22】
【表23】
【0053】以下に実施例49、50を説明する。さら
に実施例10と42を再記入する。透明樹脂ベ−スとし
て段落番号0043に記載のPETG、添加樹脂として
段落番号0051に記載エポフレンドを種々の割合で添
加し、分散させる架橋された高分子微粒子として、段落
番号0044に記載架橋PSビ−ズとし、表24に示す
配合比で溶融混練した。屈折率の比は、SBX/(PE
TG+エポフレンド)≒1.015である。混練及びシ
ート化は段落番号0043と同条件で行った。表25の
結果から、実施例49、50はいずれも全光線透過率が
85%以上、ヘ−ズ値が10〜80%の範囲にあり、表
示視認性は良好であった。次に上述のペレットを用いて
射出成形機により試験片を作成し、ASTM法により耐
衝撃性を測定した。表23の結果から、PETG単体
や、AT202の無添加に比較し、アイゾット衝撃強度
が著しく向上していることを示していて、同特性が良好
であることがわかる。
【表24】
【表25】
【表26】
【0054】以下に、比較例23〜31を説明する。比
較例23〜31に示す各種の光を拡散するシ−ト又はフ
ィルムを評価した。比較例23、24は全光線透過率は
良好であるが、ヘ−ズが大きいため表示視認性が不良で
あった。比較例25、26、29は全光線透過率が低
く、ヘーズも低いため表示視認性が不良であった。比較
例27は全光線透過率は良好であるが、ヘ−ズが低いた
め表示視認性が不良であった。比較例28、30はヘ−
ズは良好であるが、全光線透過率が低いため、表示視認
性が不良であった。比較例31は全光線透過率が低く、
ヘ−ズが高いため表示視認性が不良であった。
【表27】
【表28】
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の光散乱シ−ト
は、最適化した前方散乱機能と反射型液晶表示装置への
設置を最適化しているため、一枚偏光板タイプの反射型
液晶表示装置特にR−OCBモードの液晶表示装置の前
方散乱層として使用すると、表示が明るく、かつ画像の
ぼけが低減し、非常に良質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光散乱シートを前方散乱層と
して用いた反射型液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は本発明の光散乱シ−トに粘着剤層を設け
て使用する場合の実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の熱可塑性の透明樹脂ベ−スに
分散材が溶融製膜により分散した構造を説明する。
【図4】図4は、表示視認性を評価するために試作した
簡易型反射型液晶表示セルの構成を示す図である。
【符号の説明】
1a 偏光板 1b 上部電極 1c 液晶 1d 下部電極 2 光散乱シート 3 粘着剤層 4 鏡面反射層 5 背面ガラス 6 透明樹脂ベース 7 微粒子 8 透明ガラス 9 文字をコピーしたOHPシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA15 BA20 2H091 FA08X FA14Y FA32X FA32Y FB02 FB12 GA02 GA17 LA12 LA16 4F100 AK01A AK03A AK04 AK12 AK41A AK42 AR00A AR00B BA02 DE01A GB90 JA12A JA20A JB16A JN01A JN08A JN10B JN18A YY00A 5G435 AA00 AA03 BB12 BB16 EE33 FF03 FF05 FF06 HH02 HH12 KK07

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極を有する上部電極と光反射性を有
    する下部電極間に液晶が封入されてなる反射型液晶の上
    部電極の基板上に配置されてなる反射型液晶素子の上記
    上部電極の基板上に用いられる光散乱シートにおいて、
    熱可塑性の透明樹脂ベースに熱可塑性の樹脂又は、及び
    微粒子を溶融製膜により分散させた、厚みが30〜30
    0μmであり、光学特性の全光線透過率が85%以上で
    あるとともにヘーズ値が10〜80%の範囲にあり、且
    つ溶融製膜で製造される前方散乱機能を有する光散乱シ
    ート。
  2. 【請求項2】厚みが50〜150μmである請求項1に
    記載の光散乱シート。
  3. 【請求項3】光学特性の全光線透過率が90%以上であ
    る請求項1、2に記載の光散乱シート。
  4. 【請求項4】ヘーズ値が20〜70%の範囲である請求
    項1〜3に記載の光散乱シート。
  5. 【請求項5】分散させる熱可塑性の樹脂の屈折率が熱可
    塑性の透明樹脂ベースの屈折率に対し、その比率が1.
    001〜1.10または0.90〜0.999であり、
    溶融製膜により、分散させる熱可塑性の樹脂が熱可塑性
    の透明樹脂ベース中に概略球形に分散し、その平均粒径
    が0.1〜100μmである請求項1〜4に記載の光散
    乱シート。
  6. 【請求項6】分散させる熱可塑性の樹脂の屈折率が熱可
    塑性の透明樹脂ベースの屈折率に対し、その比率が1.
    01〜1.05、又は0.95〜0.99である請求項
    5に記載の光散乱シート。
  7. 【請求項7】その平均粒径が1〜20μmである請求項
    5、6に記載の光散乱シート。
  8. 【請求項8】分散させる微粒子が架橋された高分子の微
    粒子で、熱可塑性の透明樹脂ベースの屈折率に対し、そ
    の比率が1.001〜1.10、又は0.90〜0.9
    99であり、その平均粒径が0.1〜100μmである
    請求項1〜4に記載の光散乱シート。
  9. 【請求項9】分散させる微粒子が架橋された高分子の微
    粒子で、熱可塑性の透明樹脂ベースの屈折率に対し、そ
    の比率が1.01〜1.05、又は0.95〜0.99
    である請求項8に記載の光散乱シート。
  10. 【請求項10】その平均粒径が1〜20μmである請求
    項8、9に記載の光散乱シート。
  11. 【請求項11】分散させる微粒子が無機系の微粒子であ
    り、その平均粒径が0.1〜100μmである請求項1
    〜4に記載の光散乱シート。
  12. 【請求項12】その平均粒径が1〜20μmである請求
    項11に記載の光散乱シート。
  13. 【請求項13】熱可塑性の透明樹脂ベースに分散させる
    材料が請求項5〜12に記載の熱可塑性樹脂、架橋され
    た高分子の微粒子、無機系の微粒子のいずれか2種以上
    の混合物である請求項1〜4記載の光散乱シート。
  14. 【請求項14】熱可塑性の透明樹脂ベースが非晶性ポリ
    オレフィン樹脂からなる請求項1〜13に記載の光散乱
    シート。
  15. 【請求項15】熱可塑性の透明樹脂ベースが非晶性環状
    ポリオレフィン樹脂からなる請求項1〜13に記載の光
    散乱シート。
  16. 【請求項16】熱可塑性の透明樹脂ベースがポリエステ
    ル樹脂からなる請求項1〜13に記載の光散乱シート。
  17. 【請求項17】熱可塑性の透明樹脂ベースが非結晶コポ
    リエステル樹脂からなる請求項1〜13に記載の光散乱
    シート。
  18. 【請求項18】熱可塑性の透明樹脂ベースが非結晶コポ
    リエステル樹脂50〜95重量%とエポキシ化ジエン系
    ブロック共重合体樹脂5〜50重量%(合計100重量
    %)よりなるポリマーブレンドとし、その衝撃強度を改
    良した請求項1〜13に記載の光散乱シート。
  19. 【請求項19】反射型液晶素子の最外層である上部電極
    の偏光板上に積層される前方散乱シート。
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