JP2002219195A - ゴルフボール用材料及びゴルフボール - Google Patents
ゴルフボール用材料及びゴルフボールInfo
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Abstract
優れたゴルフボールを提供する。 【解決手段】(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元
ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボ
ン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン
酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン
−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ラ
ンダム共重合体の金属イオン中和物とを配合したベース
樹脂と、(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマーに
対して、(c)分子量が280〜1500の脂肪酸及び
/又はその誘導体と、(d)上記ベース樹脂及び(c)
成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合
物とを必須成分として所定量配合してなる混合物である
ことを特徴とするゴルフボール用材料。
Description
性、成形性が良好で、反発性に優れる高性能のゴルフボ
ールを得ることができるゴルフボール用材料及び該ゴル
フボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴル
フボールに関する。
アイオノマー樹脂が広く用いられている。アイオノマー
樹脂は、エチレン等のオレフィンと、アクリル酸、メタ
クリル酸あるいはマレイン酸等の不飽和カルボン酸から
なるイオン性共重合体の酸性基を、部分的にナトリウ
ム、リチウム、亜鉛、マグネシウム等の金属イオンで中
和したもので、耐久性、反発性、耐擦過傷性などの面で
優れた性質を有している。
バー材のベース樹脂の主流であるが、常にユーザーから
は高反発性を有し飛行特性に優れたゴルフボールが求め
られており、様々な改良が行われている。
コスト性を改善する提案として、アイオノマー樹脂に多
量の金属せっけんを添加したカバー材(USP5312
857,USP5306760,WO98/4667
1)等を挙げることができる。
の金属せっけんが射出成形時に分解・気化して多量の脂
肪酸ガスを発生させるため、成形不良を起こし易く、発
生したガスが成形物の表面に付着して塗装性を著しく低
下させる。また、これらカバー材は、金属せっけん未配
合の同硬度のアイオノマーカバーと比較しても反発性能
に大差はなく、せいぜい同程度が若干の金属せっけん配
合による効果が認められる程度で、著しく反発性を向上
させるものではない。しかも、金属せっけんの種類によ
っては、成形性、反発性を著しく損なわせる場合があ
り、実用レベルからは程遠いものである。
鑑みなされたもので、熱安定性、流動性、成形性が良好
で、反発性に優れたゴルフボールを得ることができるゴ
ルフボール用材料及び該ゴルフボール用材料にて形成さ
れた成形物を構成要素として具備してなるゴルフボール
を提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム
共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元
ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフ
ィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3
元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カル
ボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合
体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜25:
75になるように配合したベース樹脂と、(e)非アイ
オノマー熱可塑性エラストマーとを質量比で100:0
〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量
部に対して、(c)分子量が280〜1500の脂肪酸
及び/又はその誘導体5〜80質量部と、(d)上記ベ
ース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる
塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部とを必須成分
として配合してなる混合物は、意外にも熱安定性、流動
性、成形性が良好で、射出成形に適しており、成形物の
反発性が高く、ゴルフボール用材料に最適な材料である
ことを知見した。
ろ、上記ゴルフボール用材料の成形物を構成要素(ワン
ピースゴルフボール、ソリッドコア、ソリッドセンタ
ー、カバー等のボール構成要素のいずれであってもよ
い。以下、同じ。)として具備したゴルフボールは、反
発性が非常に高く、優れた初速性能を有することを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
材料及びゴルフボールを提供することを目的とする。 〔請求項1〕(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元
ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボ
ン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン
酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン
−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ラ
ンダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で10
0:0〜25:75になるように配合したベース樹脂
と、(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを質
量比で100:0〜50:50になるように配合した樹
脂成分100質量部に対して、(c)分子量が280〜
1500の脂肪酸及び/又はその誘導体5〜80質量部
と、(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の
酸基を中和できる塩基性無機金属化合物
0.1〜10質量部と
を必須成分として配合してなる混合物であることを特徴
とするゴルフボール用材料。 〔請求項2〕混合物のメルトフローレートが0.5〜2
0dg/minになるように調整された請求項1記載の
ゴルフボール用材料。 〔請求項3〕混合物中の酸基の50モル%以上が金属イ
オンで中和されたものである請求項1又は2記載のゴル
フボール用材料。 〔請求項4〕金属イオンが、遷移金属イオンと、アルカ
リ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンとを含
むものである請求項3記載のゴルフボール用材料。 〔請求項5〕遷移金属イオンと、アルカリ金属イオン及
び/又はアルカリ土類金属イオンとのモル比が10:9
0〜90:10である請求項4記載のゴルフボール用材
料。 〔請求項6〕ベース樹脂中のランダム共重合体の金属イ
オン中和物が、亜鉛イオン中和型アイオノマー樹脂を含
むものである請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフ
ボール用材料。 〔請求項7〕ベース樹脂中のランダム共重合体の総量と
ランダム共重合体の金属イオン中和物の総量との配合比
が0:100〜60:40である請求項1〜6のいずれ
か1項記載のゴルフボール用材料。 〔請求項8〕(c)成分が、ステアリン酸、べヘニン
酸、アラキジン酸、リグノセリン酸及びこれらの誘導体
から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいず
れか1頃記載のゴルフボール用材料。 〔請求項9〕(d)成分が、水酸化カルシウムである請
求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。 〔請求項10〕(e)成分が、オレフィン系エラストマ
ー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラスト
マー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラスト
マーから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9の
いずれか1項記載のゴルフボール用材料。 〔請求項11〕請求項1〜10のいずれか1項に記載の
ゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備する
ことを特徴とするゴルフボール。 〔請求項12〕成形物のショアD硬度が50〜75であ
る請求項11記載のゴルフボール。 〔請求項13〕ゴルフボールが、コアと、内側カバー
と、外側カバーとを具備してなるマルチピースソリッド
ゴルフボールであり、かつ上記内側カバーが請求項1〜
10のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料にて形
成された成形物である請求項11又は12記載のゴルフ
ボール。
と、まず、本発明のゴルフボール用材料は、(a)オレ
フィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/
又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合
体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カ
ルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重
合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和
カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン
中和物とを特定量配合したベース樹脂を必須成分とする
ものである。
は、(a)成分、(b)成分のいずれであっても、炭素
数が、通常2以上、上限として8以下、特に6以下のも
のが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、ブ
テン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙
げることができ、特にエチレンであることが好ましい。
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸
等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸
であることが好ましい。
は、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステル
が好適で、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特
にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アク
リル酸ブチル)であることが好ましい。
カルボン酸2元ランダム共重合体及び(b)成分のオレ
フィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル
3元ランダム共重合体(以下、(a)成分及び(b)成
分中の共重合体を総称してランダム共重合体という)
は、それぞれ、上述した材料を調整し、公知の方法によ
りランダム共重合させることにより得ることができる。
カルボン酸の含量(酸含量)が調整されたものであるこ
とが推奨される。ここで、(a)成分のランダム共重合
体に含まれる不飽和カルボン酸の含量は、通常4質量%
(重量%と同義、以下同じ)以上、好ましくは6質量%
以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは1
0質量%以上、上限としては30質量%以下、好ましく
は20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更
に好ましくは15質量%以下であることが推奨される。
まれる不飽和カルボン酸の含量は、通常4質量%以上、
好ましくは6質量%以上、より好ましくは8質量%以
上、上限としては15質量%以下、好ましくは12質量
%以下、より好ましくは10質量%以下であることが推
奨される。ランダム共重合体の酸含量が少なすぎると反
発性が低下する場合があり、多すぎると加工性が低下す
る場合がある。
カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物及
び(b)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和
カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン
中和物(以下、(a)成分及び(b)成分中の共重合体
の金属イオン中和物を総称してランダム共重合体の金属
イオン中和物という)は、上記ランダム共重合体中の酸
基を金属イオンで部分的に中和することにより得ること
ができる。
は、例えば、Na+、K+、Li+、Zn++、Cu++、M
g++、Ca++、Co++、Ni++、Pb++等を挙げること
ができ、好ましくはNa+、Li+、Zn++、Mg++等を
好適に用いることができ、更に好ましくはZn++である
ことが推奨される。
和物を得るには、上記ランダム共重合体に対して、上記
金属イオンで中和すればよく、例えば、上記金属イオン
のギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化
物、水酸化物及びアルコキシド等の化合物を使用して中
和する方法などを採用することができる。これら金属イ
オンのランダム共重合体に対する中和度は特に限定され
るものではない。
イオン中和物としては、亜鉛イオン中和型アイオノマー
樹脂を好適に使用でき、材料のメルトフローレートを増
加させ、後述する最適なメルトフローレートに調整する
ことが容易で、成形性を改良することができる。
樹脂は、市販品を使用してもよく、例えば、(a)成分
のランダム共重合体として、ニュクレル1560、同1
214、同1035(いずれも三井・デュポンポリケミ
カル社製)、ESCOR5200、同5100、同50
00(いずれもEXXONMOBIL CHEMICA
L社製)等を、(b)成分のランダム共重合体として、
例えば、ニュクレルAN4311、同AN4318(い
ずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、ESCOR
ATX325、同ATX320、同ATX310(い
ずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)
等を挙げることができる。
属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1554、
同1557、同1601、同1605、同1706、同
AM7311(いずれも三井・デュポンポリケミカル社
製)、サーリン7930(米国デュポン社製)、アイオ
テック3110、同4200(EXXONMOBILC
HEMICAL社製)等を、(b)成分のランダム共重
合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1
855、同1856、同AM7316(いずれも三井・
デュポンポリケミカル社製)、サーリン6320、同8
320、同9320、同8120(いずれも米国デュポ
ン社製)、アイオテック7510、同7520(いずれ
もEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を
それぞれ挙げることができる。上記ランダム共重合体の
金属イオン中和物として好適な亜鉛中和型アイオノマー
樹脂としては、ハイミラン1706、同1557、同A
M7316等を挙げることができる。
(a)成分と(b)成分との配合が質量比で100:0
〜25:75、好ましくは100:0〜50:50、よ
り好ましくは100:0〜75:25、更に好ましくは
100:0にすることが必要である。(a)成分の配合
量が少なすぎると、材料の成形物の反発性が低下する。
のベース樹脂は、上記調製に加えて更にランダム共重合
体とランダム共重合体の金属イオン中和物との配合比を
調整することにより、成形性をより良好にすることがで
き、ランダム共重合体:ランダム共重合体の金属イオン
中和物は、通常0:100〜60:40、好ましくは
0:100〜40:60、より好ましくは0:100〜
20:80、更に好ましくは0:100であることが推
奨される。ランダム共重合体の配合量が多すぎると、ミ
キシング時の成形性が低下する場合がある。
ング、反発性をより一層向上させるための任意成分で、
本発明においては、上記ベース樹脂と(e)成分とを総
称して樹脂成分という。(e)成分は、アイオノマー樹
脂以外の非アイオノマー熱可塑性エラストマーで、具体
的には、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラス
トマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラ
ストマー、ポリアミド系エラストマー等を挙げることが
でき、反発性を更に高めることができる点から、特にオ
レフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー
を好適に使用することができる。
もよく、例えば、オレフィン系エラストマーとして、ダ
イナロン(JSR社製)、ポリエステル系エラストマー
として、ハイトレル(東レ・デュポン社製)等を挙げる
ことができる。
ベース樹脂100質量部に対し、通常0質量部以上、特
に1質量部以上、好ましくは2質量部以上、より好まし
くは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上、上限
として100質量部以下、好ましくは60質量部以下、
より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは20質
量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎる
と、混合物の相溶性が低下し、ゴルフボールの耐久性が
著しく低下する可能性がある。
0以上1500以下の脂肪酸又はその誘導体であり、上
記ベース樹脂と比較して分子量が極めて小さく、混合物
の溶融粘度を適度に調整し、特に流動性の向上に寄与す
る成分である。本発明の(c)成分は、比較的高含量の
酸基(誘導体)を含み、反発性の過度の損失を抑制でき
る。
体の分子量は、280以上、好ましくは300以上、よ
り好ましくは330以上、更に好ましくは360以上、
上限としては1500以下、好ましくは1000以下、
より好ましくは600以下、更に好ましくは500以下
であることが必要である。分子量が少なすぎる場合は耐
熱性が改良できず、多すぎる場合は流動性が改善できな
い。
酸誘導体としては、例えば、アルキル基中に二重結合又
は三重結合を含む不飽和脂肪酸(誘導体)やアルキル基
中の結合が単結合のみで構成される飽和脂肪酸(誘導
体)を同様に好適に使用できるが、いずれの場合も1分
子中の炭素数が、通常18以上、好ましくは20以上、
より好ましくは22以上、更に好ましくは24以上、上
限として80以下、好ましくは60以下、より好ましく
は40以下、更に好ましくは30以下であることが推奨
される。炭素数が少なすぎると、耐熱性の改善が達成で
きない上、酸基の含有量が多すぎて、ベース樹脂に含ま
れる酸基との相互作用により流動性の改善の効果が少な
くなってしまう場合がある。一方、炭素数が多すぎる場
合には、分子量が大きくなるために、流動性改質の効果
が顕著に表れない場合がある。
的には、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、アラキジン酸、リグノセリン酸などが拳げられ、好
ましくは、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、
リグノセリン酸、更に好ましくはベヘニン酸を挙げるこ
とができる。
上述した脂肪酸の酸基に含まれるプロトンを金属イオン
により置換した金属せっけんを例示できる。この場合、
金属イオンとしては、例えば、Na+、Li+、Ca++、
Mg++、Zn++、Mn++、Al+++、Ni++、Fe++、
Fe+++、Cu++、Sn++、Pb++、Co++等を挙げる
ことができ、特にCa++、Mg++、Zn++が好ましい。
には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン
酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシ
ウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、アラキジン
酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン
酸亜鉛、べヘニン酸マグネシウム、べヘニン酸カルシウ
ム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リ
グノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等を挙げ
ることができ、特にステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マ
グネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜
鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、
べヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノ
セリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等を好適に使
用することができる。
(b)成分とからなるベース樹脂と、上記(c)成分と
を合わせたものとして、公知の金属せっけん変性アイオ
ノマー(USP5312857,USP530676
0,WO98/46671公報等)等を使用することも
できる。
ス樹脂及び(c)成分中の酸基を中和できる塩基性無機
金属化合物であり、本発明において不可欠な成分であ
る。(d)成分が配合されないと金属せっけん変性アイ
オノマー樹脂(例えば、上記特許公報に記載された金属
せっけん変性アイオノマー樹脂のみ)を単独で使用した
場合には、加熱混合時に金属せっけんとアイオノマー樹
脂に含まれる未中和の酸基が交換反応して多量の脂肪酸
を発生させ、発生した脂肪酸が熱的安定性が低く成形時
に容易に気化するため、成形不良の原因をもたらし、更
に成形物の表面に付着して、塗膜密着性を著しく低下さ
せるという問題を起こす。
(d)成分として、上記ベース樹脂及び(c)成分中に
含まれる酸基を中和する塩基性無機金属化合物を必須成
分として配合し、成形物の反発性の改良を図るものであ
る。
須成分として配合されることにより、上記ベース樹脂と
(c)成分中の酸基が適度に中和されるだけでなく、各
成分の適正化による相乗効果で、混合物の熱安定性を高
め、良好な成形性の付与と反発性の向上を図ることがで
きるものである。
金属化合物は、ベース樹脂との反応性が高く、反応副生
成物に有機酸を含まないため、熱安定性を損なうことな
く、混合物の中和度を上げられるものであることが推奨
される。
の金属イオンは、例えば、Li+、Na+、K+、C
a++、Mg++、Zn++、Al+++、Ni++、Fe++、F
e+++、Cu++、Mn++、Sn++、Pb++、Co++等を
挙げることができる。塩基性無機金属化合物としては、
これら金属イオンを含む公知の塩基性無機充填剤を使用
することができ、具体的には、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化
カルシウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム等を挙げる
ことができるが、特に水酸化物、または一酸化物である
ことが推奨され、より好ましくはベース樹脂との反応性
の高い水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、更に好ま
しくは水酸化カルシウムであることが推奨される。
ように(a)成分及び(b)成分とを所定量配合したベ
ース樹脂と、任意の(e)成分を配合した樹脂成分に対
し、所定量の(c)成分と(d)成分とをそれぞれ配合
することにより、熱安定性、流動性、成形性に優れ、反
発性の飛躍的な向上を成形物に付与できる。
は、上記(a)、(b)、(e)成分を適宜配合した樹
脂成分100質量部に対して、(c)成分の配合量が、
5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好まし
くは15質量部以上、更に好ましくは18質量部以上、
上限として80質量部以下、好ましくは40質量部以
下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは2
2質量部以下、(d)成分の配合量を0.1質量部以
上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質
量部以上、更に好ましくは2質量部以上、上限としては
10質量部以下、好ましくは8質量部以下、より好まし
くは6質量部以下、更に好ましくは5質量部以下にする
必要がある。(c)成分の配合量が少なすぎると溶融粘
度が低くなり加工性が低下し、多すぎると耐久性が低下
する。(d)成分の配合量が少なすぎると熱安定性、反
発性の向上が見られず、多すぎると過剰の塩基性無機金
属化合物によりゴルフボール用材料の耐熱性が却って低
下する。
樹脂成分、(c)成分、(d)成分をそれぞれ所定量配
合してなるものであるが、材料中の酸基の50モル%以
上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モ
ル%以上、更に好ましくは80モル%以上が中和されて
いることが推奨される。このような高中和化により、上
述した従来技術のベース樹脂と脂肪酸(誘導体)のみを
使用した場合に問題となる交換反応をより確実に抑制
し、脂肪酸の発生を防ぐことができる上、熱的安定性が
著しく向上し、成形性が良好で、従来のアイオノマー樹
脂と比較して反発性に非常に優れた成形物を得ることが
できる。
と(c)成分の脂肪酸(誘導体)の混合物中に含まれる
酸基の中和度であり、ベース樹脂中のランダム共重合体
の金属イオン中和物としてアイオノマー樹脂を使用した
場合におけるアイオノマー樹脂自体の中和度とは異な
る。中和度が同じ本発明の混合物と同中和度のアイオノ
マー樹脂のみとを比較した場合、本発明の混合物は、非
常に多くの金属イオンを含むため、反発性の向上に寄与
するイオン架橋が高密度化し、成形物に優れた反発性を
付与できる。
性をより確実に両立するために、上記混合物の酸基が遷
移金属イオンと、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類
金属イオンとで中和されていることが推奨される。遷移
金属イオンによる中和は、アルカリ(土類)金属イオン
と比較してイオン凝集力が弱いが、これら種類の異なる
イオンを併用して、混合物中の酸基の中和を行うことに
より、流動性の著しい改良を図ることができる。
アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンとのモ
ル比は、通常10:90〜90:10、好ましくは2
0:80〜80:20、より好ましくは30:70〜7
0:30、更に好ましくは40:60〜60:40であ
ることが推奨される。遷移金属イオンのモル比が小さす
ぎると流動性を改善する効果が十分に付与されない場合
があり、遷移金属イオンのモル比が大きすぎると反発性
が低下する場合がある。
は、亜鉛イオン等を挙げることができ、また、アルカリ
金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとしては、ナト
リウムイオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオン
等から選ばれる少なくとも1種のイオンを挙げることが
できるが、これらは特に制限されるものではない。
リ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとで上記所望
量の酸基が中和された混合物を得るには、公知の方法を
採用でき、例えば、遷移金属イオン(亜鉛イオン)によ
り中和する方法は、上記脂肪酸誘導体に亜鉛せっけんを
用いる方法、ベース樹脂として(a)成分と(b)成分
とを配合する際に亜鉛イオン中和物(例えば、亜鉛イオ
ン中和型アイオノマー樹脂)を使用する方法、(d)成
分の塩基性無機金属化合物に亜鉛酸化物等の亜鉛化合物
を用いる方法などを挙げることができる。
に応じて任意に種々の添加剤を配合することができ、材
料の用途に応じて調製できる。例えば、カバー材にする
場合には、上記必須成分に加えて、顔料、分散剤、老化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを加えることがで
きる。これら添加剤を配合する場合、その配合量は、本
発明の必須成分(樹脂成分、(c)成分、(d)成分)
の配合量の総和100質量部に対し、好ましくは0.1
質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好
ましくは1質量部以上、上限として10質量部以下、よ
り好ましくは6質量部以下、更に好ましくは4質量部以
下になるように配合することができる。
上述した必須成分と必要により任意成分を配合した混合
物を得ればよく、加熱混合条件として、例えば、加熱温
度150〜250℃、混合機として、例えば、混練型二
軸押出機、バンバリー、ニーダー等のインターナルミキ
サーなどを用いて混練することができる。この場合、配
合方法に特に制限はなく、本発明の上記必須成分と共に
配合して同時に加熱混合する方法、上記必須成分を予め
加熱混合をした後、任意の添加剤を加えて更に加熱混合
する方法等を採用できる。
に特に適した流動性を確保し、成形性を改良するため、
メルトフローレートを調整することが好ましく、この場
合、JIS−K7210で試験温度190℃、試験荷重
21.18N(2.16kgf)に従って測定したとき
のメルトフローレート(MFR)が、通常0.5dg/
min以上、好ましくは1dg/min以上、より好ま
しくは1.5dg/min以上、更に好ましくは2dg
/min以上であり、上限として20dg/min以
下、好ましくは10dg/min以下、より好ましくは
5dg/min以下、更に好ましくは3dg/min以
下に調整されることが推奨される。メルトフローレート
が、大きすぎても小さすぎても加工性が著しく低下する
場合がある。
外吸収測定において、通常検出される1690〜171
0cm-1のカルボニル伸縮振動に帰属する吸収ピークの
吸光度に対する1530〜1630cm-1のカルボキシ
ラートアニオン伸縮振動に帰属する吸収ピークにおける
相対吸光度(カルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属
する吸収ピークの吸光度/カルボニル伸縮振動に帰属す
る吸収ピークの吸光度)を適正化することが好ましい。
動は、プロトンを解離したカルボキシル基(金属イオン
により中和されたカルボキシル基)をカルボニル伸縮振
動は未解離のカルボキシル基の振動をそれぞれ意味す
る。そして、それぞれのピークの強度比は中和度に依存
する。一般的に用いられる中和度が約50モル%のアイ
オノマー樹脂の場合、それぞれのピークの吸光度比は約
1:1になる。
熱安定性、流動性、成形性、反発性を改良するために、
材料のカルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属するピ
ークの吸光度を、カルボニル伸縮振動によるピークの吸
光度の少なくとも1.3倍以上とすることが推奨され、
好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、更
に好ましくはカルボニル伸縮振動に帰属するピークが存
在しないことが推奨される。
安定性を熱重量測定により測定することができるが、熱
重量測定において、25℃における質量を基準とした2
50℃における減量率が、通常2質量%以下、好ましく
は1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であ
ることが推奨される。
ショアD硬度が、通常50以上、好ましくは53以上、
より好ましくは56以上、更に好ましくは58以上、上
限として75以下、好ましくは70以下、より好ましく
は65以下、更に好ましくは62以下になるように配合
を調製することが推奨される。ショアD硬度が高すぎる
と、形成されたゴルフボールの打撃時のフィーリングが
著しく低下する場合があり、低すぎると、反発性が低下
する場合がある。
は、特に制限されるものではないが、通常0.9以上、
好ましくは0.92以上、より好ましくは0.94以
上、上限として1.2以下、好ましくは1.1以下、更
に好ましくは1.05以下であることが推奨される。
ルフボール用材料を使用して形成された成形物を構成要
素とするゴルフボールであり、上記ゴルフボール用材料
の成形物が用いられる箇所は、ゴルフボールの一部又は
全部のいずれであってもよく、例えば、糸巻きゴルフボ
ール(カバーが単層又は2層以上の多層構造のいずれも
含む)、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボ
ール、スリーピースゴルフボール、カバーが3層以上の
マルチピースゴルフボール等を挙げることができるが、
本発明のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として
具備するゴルフボールであれば、ゴルフボールの種類は
特に制限されるものではない。
上記本発明のゴルフボール用材料として混合物をワンピ
ースボール材、糸巻きゴルフボールのソリッドセンタ
ー、ソリッドゴルフボールのソリッドコア材、カバー材
(2層以上のコア、カバーの場合は、少なくとも1層)
として種々調整した後、各構成要素として形成された成
形物を具備したゴルフボールであればよく、公知の方法
に従って製造することができる。
ボール用材料にてカバーが形成されたものである場合に
は、コアは糸巻きコア又はソリッドコアのいずれであっ
てもよく、常法に従って製造し得る。
1,4−ポリブタジエン100質量部に対し、アクリル
酸、メタクリル酸などのα,β−モノエチレン不飽和カ
ルボン酸又はその金属イオン中和物、トリメチロールプ
ロパンメタクリレートなどの官能性モノマーなどの加硫
剤(架橋剤)から選ばれる1種を単独又は2種以上を混
合したものを10質量部以上60質量部以下、酸化亜
鉛、硫酸バリウムなどの充填剤を5質量部以上30質量
部以下、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物を0.5
質量部以上5質量部以下、その他必要に応じて老化防止
剤を0.1質量部以上1質量部以下等を配合したゴム組
成物に対して、プレス加硫(架橋)を行った後、140
℃以上170℃以下で10分以上40分以下で加熱圧縮
して球状に成形することができる。
製造する場合には、リキッド又はソリッドセンターを作
成し、得られたセンターに対し糸ゴムを延伸状態で巻き
つけることにより得ることができる。ここで、リキッド
センターは、上述したゴム組成物にて中空球状のセンタ
ーバックを形成し、このバックの中に公知の方法に従っ
て液体を封入して得ることができる。また、ソリッドセ
ンターは、上記ソリッドコアの製造方法に従って製造す
ることができる。上記糸ゴムも、常法により得られたも
のを使用でき、例えば、天然ゴム又はポリイソプレンな
どの合成ゴムに老化防止剤、加硫促進剤、硫黄などの各
種添加剤を配合したゴム組成物を加硫成形したものを使
用し得る。
ールを得るには、本発明のゴルフボール用材料をカバー
材として調製してカバーを形成すればよく、カバーの形
成は、例えば、ボールの種類に応じて予め作製した単層
又は2層以上の多層コアを配備した金型内に、本発明の
ゴルフボール用材料を加熱混合溶融し、射出成形する方
法等を採用できる。ゴルフボールの製造は、優れた熱安
定性、流動性、成形性が確保された状態で作業できるた
めに有利で、しかも得られたゴルフボールに高い反発性
を付与できる。
に限られるものではなく、例えば、本発明のカバー材に
より予め一対の半球状のハーフカップを成形し、このハ
ーフカップで上記コアを包んで120〜170℃、1〜
5分間、加圧成形する方法なども採用できる。
は、特に制限されるものではないが、通常0.5mm以
上、好ましくは0.9mm以上、より好ましくは1.1
mm以上、上限として3mm以下、好ましくは2.5m
m以下、より好ましくは2.0mm以下に形成すること
ができる。本発明のカバーは、1層に限られず、2層以
上の多層構造に形成してもよく、多層構造の場合には、
本発明のカバー材を多層構造の内側に用いても、最外層
カバーに用いてもよく、また、単層カバーの場合(ツー
ピースゴルフボール用)はそのカバー材として使用でき
る。
を具備するマルチピースゴルフボールとする場合には、
最外層カバー以外の内側カバー材として好適に使用でき
る。この場合、最外層カバーはポリウレタン系エラスト
マーで形成することが好適で、上記内側カバーとの相乗
効果で反発性が非常に高いゴルフボールになり得る。
多数のディンプルが形成され、更にカバー上には下地処
理、スタンプ、塗装等の種々の処理を行うことができる
が、本発明のカバー材にて形成されたカバーは、表面処
理を容易に行うことができ、最外層材として使用する場
合には塗装等に有利で作業性の向上を図ることができ
る。
ゴルフボール用材料をカバー材以外に使用したゴルフボ
ールであってもよく、例えば、ワンピースゴルフボール
材、コア材として用いたゴルフボール等であってもよ
く、この場合には、公知の材料、方法を採用して製造す
ることができる。
について、上記カバー、ソリッド及びリキッドセンタ
ー、ソリッドコア及び糸巻きコア、ワンピースゴルフボ
ールの直径、重量、硬度等は本発明の目的を達成し得る
範囲で適宜調整することができ、特に制限されるもので
はない。
ルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67
mm以上、重量45.93g以下に形成することができ
る。
性、流動性、成形性が良好で、反発性に優れた成形物が
得られ、高性能のゴルフボールを得ることができ、本発
明のゴルフボールは、上記ゴルフボール用材料の成形物
を構成要素として具備してなるので、作業性よく製造で
き、優れた反発性を有するものである。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
1,4−ポリブタジエンを主成分とするコア材料を用い
て、直径38.6mm、重量35.1g、980N(1
00kg)荷重負荷時の変形量を3.1mmに調整した
ソリッドコアを得た。
で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状のカ
バー材を得た後、上記ソリッドコアを配備した金型内に
射出し、厚さ2.1mmのカバーを有する直径42.8
mmのツーピースソリッドゴルフボールを製造した。
1,4−ポリブタジエンを主成分とするコア材料を用い
て、直径36.4mm、重量29.4g、980N(1
00kg)荷重負荷時の変形量3.7mmに調整したソ
リッドコアを得た。
材、比較例10,11については比較例1,2に記載の
カバー材をそれぞれ用いて、上記ソリッドコア上に射出
成形で厚さ1.7mmのカバーを形成した後、表3に示
す外側カバー材を射出成形し、直径42.8mmのスリ
ーピースソリッドゴルフボールを製造した。
通り評価した。結果を表1〜3に併記する。ボール硬度 980N(100kg)荷重負荷時のボール変形量(m
m)初速度 ゴルフボール公認機関R&A(USGA)と同タイプの
初速度計を使用し、R&A(USGA)ルールに従い、
測定したときの初速度カルボキシラートアニオン吸収ピーク相対吸光度 試料の赤外吸収測定には、透過法を用いた。2900c
m-1付近に観測される炭化水素鎖に伴うピークの透過率
が約90%になるように厚さを調整したサンプルに対し
て赤外吸収測定を行い、カルボニル伸縮振動吸収ピーク
(1690〜1710cm-1)の吸光度を1とし、これ
に対するカルボキシラートアニオン伸縮振動吸収ピーク
(1530〜1630cm-1)の割合を相対吸光度とし
て算出した。減量率 水分の影響を除くため、測定にはドライホッパーにて5
0℃で24時間乾燥させたサンプルを用い、各サンプル
約5mgについて、窒素雰囲気中(流量100ml/m
in)で昇温速度10℃/minにて25℃から300
℃まで熱重量測定を行い、25℃の重量に対する250
℃の重量の減量率を求めた。中和度 混合物中に含まれる全酸基(脂肪酸(誘導体)中の酸基
も含む)のうち、遷移金属イオンにより中和されている
酸基のモル分率を原料の酸含量、中和度、分子量から計
算した。遷移金属イオン配合比率 混合物中に含まれる酸基を中和する金属イオンのうち、
遷移金属イオンのモル分率を原料の酸含量、中和度、分
子量から計算した。メルトフローレート JIS−K7210(試験温度190℃、試験荷重2
1.18N(2.16kgf))に従い測定したときの
メルトフローレート押出成形性 材料混練時に一般的に用いられるタイプの同方向回転噛
合形二軸押出機(スクリュ径32mm、主電動機出力
7.5kW)により200℃で各カバー材を混練した時
の成形性について下記基準で評価した。 ○:成形可能 ×:過負荷により成形不可能
以下の通りである。 ニュクレル1560:三井・デュポンポリケミカル社製
エチレン−メタクリル酸共重合体、酸含量15質量% ハイミラン1605:三井・デュポンポリケミカル社製
ナトリウム中和型アイオノマー樹脂、酸含量15質量
%、中和度29モル% ハイミラン1706:三井・デュポンポリケミカル社製
亜鉛中和型アイオノマー樹脂、酸含量15質量%、中和
度59モル% ハイミラン1601:三井・デュポンポリケミカル社製
ナトリウム中和型アイオノマー樹脂 ハイミラン1557:三井・デュポンポリケミカル社製
亜鉛中和型アイオノマー樹脂 ニュクレルAN4318:三井・デュポンポリケミカル
社製エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重
合体、酸含量8質量%、エステル含量17質量% ベヘニン酸:日本油脂社製、商品名「NAA−222
S」 水酸化カルシウム:白石工業社製、商品名「CLS−
B」 ダイナロン6100P:JSR社製オレフィン系熱可塑
性エラストマー ダイナロン6200P:JSR社製オレフィン系熱可塑
性エラストマー ハイトレル3046:東レ・デュポン社製ポリエステル
系熱可塑性エラストマー パンデックスT7298:大日本化学工業社製ウレタン
系熱可塑性エラストマー
(c)成分及び/又は(d)成分が欠けている比較例1
〜3のカバー材と比較して耐熱性、反発性が優れてい
た。
に(c)成分又は(d)成分のいずれかが欠けている比
較例4,5のカバー材と比較して耐熱性、反発性が優れ
ていた。
材と比較して耐熱性、反発性が優れていた。
(c)成分又は(d)成分のいずれかが欠けている比較
例6,7のカバー材と比較して耐熱性、反発性が優れて
いた。
(c)成分又は(d)成分のいずれかが欠けている比較
例8,9のカバー材と比較して耐熱性、反発性が優れて
いた。また、比較例3,5,7,9のカバー材は押出成
形性に劣るものであった。
実施例9のスリーピースソリッドゴルフボールは、内側
カバーに比較例1,2のカバー材を用いて作成した比較
例10,11のスリーピースソリッドゴルフボールと比
較して反発性が優れていた。
シス−1,4−ポリブタジエンを主成分とするコア材料
を用いて、直径36.4mm、重量29.4g、980
N(100kg)荷重負荷時の変形量3.4mmに調整
したソリッドコアを得た。
出成形し、厚さ1.7mmの内側カバーを形成した後、
この上に更に表4記載の外側カバー材を射出成形し、直
径42.8mmのスリーピースソリッドゴルフボールを
製造した。
結果を表4に示す。
Claims (13)
- 【請求項1】 (a)オレフィン−不飽和カルボン酸2
元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カル
ボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、
(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン
酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン
−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ラ
ンダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で10
0:0〜25:75になるように配合したベース樹脂
と、(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを質
量比で100:0〜50:50になるように配合した樹
脂成分100質量部に対して、(c)分子量が280〜
1500の脂肪酸及び/又はその誘導体5〜80質量部
と、(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の
酸基を中和できる塩基性無機金属化合物
0.1〜10質量部と
を必須成分として配合してなる混合物であることを特徴
とするゴルフボール用材料。 - 【請求項2】 混合物のメルトフローレートが0.5〜
20dg/minになるように調整された請求項1記載
のゴルフボール用材料。 - 【請求項3】 混合物中の酸基の50モル%以上が金属
イオンで中和されたものである請求項1又は2記載のゴ
ルフボール用材料。 - 【請求項4】 金属イオンが、遷移金属イオンと、アル
カリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンとを
含むものである請求項3記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項5】 遷移金属イオンと、アルカリ金属イオン
及び/又はアルカリ土類金属イオンとのモル比が10:
90〜90:10である請求項4記載のゴルフボール用
材料。 - 【請求項6】 ベース樹脂中のランダム共重合体の金属
イオン中和物が、亜鉛イオン中和型アイオノマー樹脂を
含むものである請求項1〜5のいずれか1項記載のゴル
フボール用材料。 - 【請求項7】 ベース樹脂中のランダム共重合体の総量
とランダム共重合体の金属イオン中和物の総量との配合
比が0:100〜60:40である請求項1〜6のいず
れか1項記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項8】 (c)成分が、ステアリン酸、べヘニン
酸、アラキジン酸、リグノセリン酸及びこれらの誘導体
から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいず
れか1頃記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項9】 (d)成分が、水酸化カルシウムである
請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール用材
料。 - 【請求項10】 (e)成分が、オレフィン系エラスト
マー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラス
トマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラス
トマーから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9
のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備す
ることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項12】 成形物のショアD硬度が50〜75で
ある請求項11記載のゴルフボール。 - 【請求項13】 ゴルフボールが、コアと、内側カバー
と、外側カバーとを具備してなるマルチピースソリッド
ゴルフボールであり、かつ上記内側カバーが請求項1〜
10のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料にて形
成された成形物である請求項11又は12記載のゴルフ
ボール。
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