JP2002200574A - ステープルカートリッジ及びそれを備えたステープラ装置。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ステープルを係止する逆止爪がステープル面
に乗り上がった場合でも、ステープラ装置が綴じ不良を
抑えることが出来る許容された範囲内に、打ち込み位置
に対するステープルの位置ずれを抑えることができるス
テープルカートリッジを提供する。 【解決手段】 ステープル収納部より引き出されたステ
ープル帯材１０１のステープル同士を連結したステープ
ル連結部１０５ｄでステープルを係止しステープル収納
部への逆戻りを防止する逆戻り防止手段１０５を有する
ステープルカートリッジにおいて、逆戻り防止手段１０
５は複数のステープル係止部１０５ａ、１０５ｂをステ
ープル帯材１０１の引出し方向に沿って前後に、しか
も、同時にステープル連結部１０５ｄを係止することが
無い間隔で設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は複写機、印刷機、こ
れらの複合機等により印刷された複数枚のドキュメント
などの綴じ媒体（シート束）をステープルで綴じるステ
ープラ装置、特にこのステープラ装置に用いられるステ
ープルカートリッジの改良に関するものである。

【０００２】従来、この種のステープラ装置は、シート
状に連結したステープル帯材をロール状に巻き付けたロ
ールシート、若しくはシート状の積層シートを収納した
収納部を有するステープルカートリッジを装着し、その
ステープルカートリッジのステープル帯材を引き出し、
ステープルを打ち込み位置に順次繰り出し、そのステー
プルを綴じ媒体に打ち込み綴じ処理を行うものである。

【０００３】そのステープラ装置に装着し用いられてい
るステープルカートリッジは、収納部より引き出された
ステープ帯材が収納部へ逆戻りしない様に、引き出され
たステープル帯材のステープル連結部を逆止爪で係止す
る逆戻り防止手段が設けられている。

【０００４】ところが、この逆戻り防止手段の逆止爪
は、ステープル帯材のステープル連結部を左右一対の爪
で一ヶ所を係止、若しくはその係止力を高めるために、
ステープル帯材を引き出す方向前後に逆止爪を設け、ス
テープル連結部をその左右一対の爪で同時に二ヶ所を係
止するよう設けられている。

【０００５】しかしながら、ステープル帯材を構成する
ステープルの幅寸法や接着によるステープル間隔のバラ
ツキ、ステープルカートリッジの取り付け位置のバラツ
キ等で、打ち込み位置に繰り出されたステープルから逆
止爪が係止するステープル連結部の間隔がバラツキ、こ
のバラツキにより逆止爪がステープル面に乗り上がった
状態となり、ステープル連結部を確実に係止することが
できない状態がある。

【０００６】この逆止爪がステープル面に乗り上げた状
態では、係止状態になるまで移動され最大でステープル
幅に近い量だけステープル帯材が逆戻りすることとな
り、せっかく打ち込み位置に繰り出したステープルが逆
戻りし位置がずれることによって、ステープルが打ち込
めなかったり、途中でステープルが食い付くなどの所
謂、綴じ不良を引き起こす原因の一つでもあった。

【０００７】本発明の目的は、前述の問題点に鑑みて成
したもので、例えステープルの幅寸法や接着によるステ
ープル間隔のバラツキ、ステープルカートリッジの取り
付け位置のバラツキ等によって、逆止爪がステープル面
に乗り上がったとしても、ステープラ装置が綴じ不良を
抑えられることが出来る許容された範囲内で、打ち込み
位置に対するステープルの位置ずれを抑えることができ
るステープルカートリッジを提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、ステープルをシート状に連結したステープル帯材
と、このステープル帯材を収納するステープル収納部
と、このステープル収納部より引き出されたステープル
帯材のステープル同士を連結したステープル連結部でス
テープルを係止しステープル収納部への逆戻りを防止す
る逆戻り防止手段とを有するステープルカートリッジに
おいて、前記逆戻り防止手段は複数のステープル係止部
を有し、この複数のステープル係止部はステープル帯材
の引出し方向に沿って前後に、しかも、その複数のステ
ープル係止部は同時に前記ステープル連結部を係止する
ことが無い間隔で設けて成るステープルカートリッジか
らなるものである。

【０００９】この発明は、ステープル帯材の引き出し方
向前後に設けられた複数の係止部の一つがステープル連
結部を係止する確率が高まる。また、最悪全ての係止部
がステープル面に乗り上げられたとしても、従来のよう
にステープル面に相当する位置ブレを起こすことはなく
許容ズレ範囲内に係止部の数を設定することにより容易
に抑えられる。

【００１０】請求項２に記載の発明は、前記請求項１に
記載の逆戻り防止手段の複数の係止部が、Ｍ個より成
り、ステープルの引き出し方向の幅寸法をＬmmとした時
に、各係止部はその引き出し方向前後に配設され、しか
もその前後に位置する係止部の間隔がＬ／Ｍmmに設定さ
れて成るものである。

【００１１】この発明は、請求項１の発明の逆戻り防止
手段における複数の係止部の具体的な間隔として、一箇
所での係止の最良位置の関係を設置したものである。

【００１２】請求項３に記載の発明は、前記請求項１に
記載の逆戻り防止手段の複数の係止部が、Ｍ個より成
り、ステープルの引き出し方向の幅寸法をＬmmとした時
に、各係止部はその引き出し方向前後に配設され、しか
もその前後に位置する係止部の間隔がｎＬmm（但し、ｎ
は自然数）にＬ／Ｍmmを加えた値に設定されて成るもの
である。

【００１３】この発明は、請求項１の発明を逆戻り防止
手段における複数の係止部の具体的な間隔として、複数
箇所での係止の最良位置の関係を設定したもので、請求
項２の発明との違いは各係止部がステープラ複数本にま
たがって配置されている点である。

【００１４】請求項４に記載の発明は、ステープルをシ
ート状に連結したステープル帯材と、このステープル帯
材を収納するステープル収納部と、このステープル収納
部より引き出されたステープル帯材のステープル同士を
連結したステープル連結部でステープルを係止しステー
プル収納部への逆戻りを防止する逆戻り防止手段とを有
するステープルカートリッジを備えたステープラ装置に
おいて、前記逆戻り防止手段は複数のステープル係止部
を有し、この複数のステープル係止部はステープル帯材
の引出し方向に沿って前後に、しかも、その複数のステ
ープル係止部は同時に前記ステープル連結部を係止する
ことが無い間隔で設けて成るステープルカートリッジを
備えたステープラ装置からなるものである。

【００１５】この発明は請求項１の発明がもたらす効果
を有するステープラ装置が提供できる。

【００１６】

【実施例】以下、図面に基づき本発明に係わるステープ
ラ装置の実施例について説明する。

【００１７】図１は一部分を断面としたステープラ装置
の全体を示した外観斜視図で、大別してステープルカー
トリッジ１００と、カートリッジホルダ２００と、ステ
ープラ本体３００とから成る。

【００１８】まずステープラ本体３００は、装置の組立
順に沿って説明すると、本体フレーム３１０、図示せぬ
電動駆動ユニット、ステープルヘッドユニット３３０、
作動レバー３４０、アンビルユニット３５０、クリンチ
ャユニット３６０、連結レバー３７０、及びアンビルば
ね３８０、紙厚吸収ばね３９０、クリンチャばね４０
０、更にマニアル駆動板５００から成る。

【００１９】この本体フレーム３１０は、左右に立設し
た側面と底面から成る断面凹字状に板金をプレス加工し
たもので、電動駆動ユニットと、その上方に図２で示す
ようにホルダガイド３０１、及び先端部位にステープル
ヘッドユニット３３０を内装保持するとともに、側面外
壁に各他のユニットを適宜支持する。

【００２０】尚、図示せぬ電動駆動ユニットは、ステー
プラの駆動源で有る直流モータと、このモータの回転を
所定の回転速度に減速させる歯車輪列と、所定速度に減
速され回転する各駆動カムより成り、この各駆動カムを
使って、後述するステープルヘッドユニット３３０を駆
動し、また作動レバー３４０と連結レバー３７０を介し
アンビルユニット３５０、及びクリンチャユニット３６
０を駆動することによってステープラの一連動作をコン
トロールするものである。

【００２１】ステープルヘッドユニット３３０は、シー
ト載置テーブル３３１、ドライバー３３２、フォーマ３
３３、シース３３４、ベンディングブロック３３５より
成る。

【００２２】そして、このステープルヘッド３３０は、
まず先の電動駆動ユニットの最終段に設けられたドライ
バー駆動カムのピンにより板ばね材をプレス加工し成形
されたドライバー３３２が上方に変位を開始する。

【００２３】このドライバー３３２の変位により、ドラ
イバー３３２のフォーマ係合片３３２ａがフォーマ３３
３を係合し、シース３３４に形成した図示せぬ段差面に
よりその係合が解除する位置までドライバー３３２とフ
ォーマ３３３がともに上方に従動する。

【００２４】このフォーマ３３３がベンディングブロッ
ク３３５の針折り曲げ位置に繰り出されたステープルを
凹字状に折り曲げ、フォーマ３３３の折り曲げ部の脇で
凹字状のステープルを打ち込み可能に保持しガイドす
る。尚、このフォーマ３３３によりステープルが折り曲
げられる位置が以下ステープルの打ち込み位置に相当す
る。

【００２５】この状態でシース３３４に形成された図示
せぬ突起によりフォーマ３３３との係合が解かれたドラ
イバー３３２は更にフォーマ３３３をその位置に残し更
に上方へ変位する。

【００２６】この上方への変位により、ドライバー３３
２の先端に位置する針打込部３３２ｂによりベンディン
グブロック３３５をドライバー３３２の移動領域より前
方へ変位し退避する。

【００２７】更に上方へ変位するドライバー３３２の針
打込部３３２ｂは次のステープルに接着テープにより接
着状態にある折り曲げられた成形ステープルをその接着
から切り離し、その切り離した成形ステープルを綴じ媒
体に打ち込む。

【００２８】次に作動レバー３４０は、アンビルユニッ
ト３５０の側面に沿って左右に延設したアームを持ち、
本体フレーム３１０に挟み込んだ状態で、このアンビル
ユニット３５０の側面に設けられた連結支点軸３３１に
支持される。

【００２９】また、この作動レバー３４０の左右のアー
ムの中央部位にはアンビルユニット３５０との間に紙厚
吸収ばね３９０が張られ、このばね３９０により連結支
点軸３３１を中心に、アンビルユニット３５０に形成し
たストッパ３５１に当接するよう常時反時計方向に付勢
されている。

【００３０】更に、この左右のアームの他端に位置する
アーム先端部位には電動駆動ユニットにより変位駆動さ
れる図示せぬアンビル駆動レバーと係合する端面を有す
る切欠孔３４１を形成し、このアンビル駆動レバーによ
り下方に押圧付勢され連結支点軸３３１を中心に時計方
向に揺動する。

【００３１】次にアンビルユニット３５０は、その一端
側のアンビル揺動支点部３５２が本体フレーム３１０の
支点軸３１２に揺動自在に支持され、常時アンビルばね
３８０により支点軸３１２を中心に時計方向に回動付勢
される。

【００３２】そして、その他端のアンビルヘッド３５３
が作動レバー３４０の揺動に追従し、アンビルばね３８
０の付勢力に抗し反時計方向に揺動され、綴じ媒体をそ
の束厚に応じた位置で挟持支持する。

【００３３】尚、アンビルユニット３５０が紙厚吸収ば
ね３９０により綴じ媒体を挟持支持した後は、その挟持
位置にロックされた状態となる為、その後の作動レバー
３４０は紙厚吸収ばね３９０のばね力に抗し単一で作動
を続ける。

【００３４】また、アンビルユニット３５０の綴じ媒体
を挟持するアンビルヘッド３５３には綴じ媒体に下方よ
り打ち込まれ、綴じ媒体を置いたステープル先端を折り
曲げる左右一対のクリンチャ３５４を持つクリンチャユ
ニット３６０が追従するよう設けられている。

【００３５】このクリンチャユニット３６０は、クリン
チャレバー３６１を有し、アンビルユニット３５０のア
ンビル揺動支点部３５２の支点でもある本体フレーム３
１０の支点軸３１２に支持され、その先端にはアンビル
ユニット３５０のアンビルヘッド３５３に取り付けられ
たクリンチャ３５４を揺動し打ち込まれたステープルを
折り曲げるクリンチャヘッド３６２が取り付けられてい
る。

【００３６】このクリンチャヘッド３６２は、クリンチ
ャレバー３６１が板厚２.０ｍｍのメッキ鋼板より成形
されるのに対し、板厚１.５ｍｍのばね用鋼板により加
工成形されたもので、クリンチャ３５４の押圧ストロー
クのばらつきを吸収する。

【００３７】次に、連結レバー３７０は、クリンチャば
ね４００を介し、アンビルユニット３５０の揺動に追従
してクリンチャユニット３６０を揺動し、アンビルユニ
ット３５０が綴じ媒体を挟持し停止状態で、図示せぬク
リンチャ駆動レバーの揺動で引き続き回動するようにな
っており、アンビルユニット３５０の綴じ媒体の厚さに
応じた挟持位置で停止後も、引き続き回動してステープ
ルの折り曲げを行うようになっている。

【００３８】マニアル駆動板５００はステープル打ち込
みに際し、ステープルが綴じ媒体に正常な状態で打ち込
まれず、その不良ステープルによってステープラ装置が
動かなくなった綴じ不良時等に手動でステープラ装置を
動かしその綴じ不良状態をリセットをさせるもので、図
示せぬ電動駆動ユニットの直流モータの出力軸を逆側に
延設し引き出された回転軸に対し、その手動操作が必要
な時に嵌め込まれる。

【００３９】図２は、図１においてステープラ本体３０
０に装着されたカートリッジホルダ２００と、ステープ
ルカートリッジ１００をそれぞれ引き抜き分解した状態
を示す分解斜視図である。

【００４０】このステープラ本体３００からの引き抜き
に際し、まずステープルカートリッジ１００に係合し、
装着方向に付勢支持するカートリッジロックレバー６０
０を手で押し下げその係合を外した後、ステープルカー
トリッジ１００をカートリッジホルダ２００より引き抜
く。

【００４１】そして、カートリッジホルダ２００をステ
ープル本体３００より引き抜く。または、ステープルカ
ートリッジ１００をカートリッジホルダ２００に装着し
た状態でカートリッジホルダ２００を引き抜いた後、ス
テープルカートリッジ１００をカートリッジホルダ２０
０より引き抜くことも出来る。

【００４２】尚、ステープルカートリッジ１００とカー
トリッジホルダ２００のステープラ本体３００への装着
は引き抜きの場合の逆手順で操作すればよい。

【００４３】ここで、ステープルカートリッジ１００は
半透明のプラスチックケースから成り、多数の直線状ス
テープルを帯状に連結したシートをロール状に巻いたス
テープル帯材１０１を収納する収納部１０２と、ステー
プル帯材１０１を引き出す引き出しガイド１０３より成
る。

【００４４】この引き出しガイド１０３はカートリッジ
ホルダ２００に装着され、カートリッジホルダ２００の
ステープル移送手段２０２と係合する為に、先端上面の
ガイド面が大きく切り取られた開口部１０４、収納部１
０２より引き出されたステープル帯材１０１が収納部１
０２へ逆戻りしない様に阻止する逆止爪１０５、引き出
したステープル帯材１０１の先端を規制し、ステープル
本体３００への装着状態で、その先端が綴じ位置になる
様に位置決めする先端ストッパ１０６を備えている。

【００４５】また、引き出しガイド１０３の開口部１０
４を形成した先端上面のガイド面に突出し、カートリッ
ジホルダ２００への装着時にステープル移送手段２０２
を歩進させ、ステープル帯材１０１の先端ステープルを
先端ストッパー１０６へ押し付ける為の送り爪歩進突起
１０７を有する。

【００４６】更に、ステープルカートリッジ１００の両
側面には、カートリッジホルダ２００に装着する際にガ
イドされるガイド突起１０８、及びカートリッジホルダ
２００に装着された際に係止される係止爪１０９を備え
ている。

【００４７】また、このステープラカートリッジ１００
は図示されていないが、先端ストッパ１０６と逆止爪１
０５の適宜位置から収納部１０２に至る底面部を強制的
に折り曲げ開放可能になっており、この開放によって逆
止爪１０５によるステープル帯材１０１の係止を解除す
ることが出来、廃却時に残留ステープルを全て破棄する
ことができる。

【００４８】次に、カートリッジホルダ２００は、ホル
ダ本体２０１と、ステープル移送手段２０２と、マグネ
ット２０３と、非磁性体からなるガイド板２０４と、開
口部２０５と、ガイド２０６と、係合孔２０７、補助テ
ーブル２０８から成る。

【００４９】ここで、ホルダ本体２０１は、ステープル
カートリッジ１００の前半分を包み込むようプラスチッ
ク材により成形されている。

【００５０】ステープル移送手段２０２は、ホルダ本体
２０１に揺動自在に支持され、常時ステープル引き出し
方向に図示せぬ板ばねにより付勢され、アンビルユニッ
ト３５０による綴じ媒体挟持動作に連動しチャージさ
れ、そのチャージ解放による復帰動作でステープル帯材
１０１のステープルシート面に押圧する送り爪を有し、
ステープル帯材１０１を歩進送りする。

【００５１】マグネット２０３とガイド板２０４は、ス
テープル本体３００に装着された状態において、綴じ位
置において打ち込まれるステープルに対峙し、磁気吸引
力により打ち込みミスしたステープルを磁気吸引しステ
ープラ本体３００より装置外へ排除するためのもの。

【００５２】開口部２０５は、ステープラ本体３００に
装着されたステープルカートリッジ１００の先端ストッ
パー１０６及び先端ステープルが突出し綴じ位置にセッ
トするための開口である。

【００５３】ガイド２０６はステープルカートリッジ１
００のガイド突起１０８をガイドするためのもので切欠
溝と底面から成る。

【００５４】係合孔２０７はステープルカートリッジ１
００の係止爪１０８と係合し、ステープルカートリッジ
１００がカートリッジロックレバー６００によりロック
されるまでの補助的なステープルカートリッジ１００の
係止手段の一つである。

【００５５】補助テーブル２０８は、ステープラ本体３
００に装着された際に図１で示す様に、ステープルヘッ
トユニット３３０のテーブル３３１と共に綴じ媒体が積
載される載置台の働きをする。

【００５６】図３は、ステープルカートリッジ１００の
逆止爪１０５（逆戻り防止手段）がステープル帯材１０
１のステープル連結部１０５ｄを係止した状態を示した
もので、この逆止爪１０５はステープル帯材１０１のス
テープル同士を接着する接着テープ１０１ａを出来るだ
け避けた位置で、ステープル帯材１０１を並行に引出し
得るように左右対称位置にそれぞれ配設され、しかもス
テープル帯材１０１のステープル連結部１０５ｄを係止
する位置がステープルの幅に対し半分ずれた位置になる
ように逆止爪片（ステープル係止部）１０５ａ、１０５
ｂを形成している。この場合のステープル帯材１０１の
ずれ量は最大でステープル帯材１０１のステープル幅を
２等分した寸法幅内に抑えることが出来る。

【００５７】尚、この逆止爪１０５は板厚０．２ｍｍの
ばね材をプレス加工で形抜きした後、逆止爪片１０５
ａ、１０５ｂをそれぞれの傾きに応じ曲げ加工をするこ
とで作られている。また、逆止爪片１０５ａ、１０５ｂ
のズレ量は、ステープルの幅が０．４ｍｍから０．５ｍ
ｍであるところからその半分に相当する０．２ｍｍから
０．２５ｍｍを目安に折り曲げが行われる。更に、逆止
爪片１０５ａ、１０５ｂの逆止爪片の形状や折り曲げ角
度や更に折り曲げ位置等はステープル帯材１０１に応じ
適宜変更され係止機能にばらつきが生じない様に配慮さ
れている。

【００５８】更に、ステープルテープ１０１ａとステー
プル帯材１０１を介し逆側に逆止爪１０５を配置した構
造にあっては、ステープルテープ１０１ａを避ける必要
が無いため逆止爪１０５の配置はステープル帯材１０１
を並行に引出し得るように左右対称位置にそれぞれ配設
すれば良い。

【００５９】図４及び図５は、ステープルカートリッジ
１００の逆止爪のステープル帯材１０１を係止する方法
の他の実施例である。

【００６０】図４は、逆止爪（逆戻り防止手段）１０５
の逆止爪片（ステープル係止部）を１０５ａ、１０５
ｂ、１０５ｃの３片としステープル帯材１０１の引き出
し方向前後に配置してステープル帯材１０１のステープ
ル連結部１０５ｄを係止するもので、それぞれステープ
ルの幅を３等分した間隔になるよう成形加工され、この
場合のステープル帯材１０１のずれ量は最大ステープル
帯材１０１のステープル幅を３等分した寸法幅内に抑え
ることが出来る。

【００６１】尚、上記の実施例は逆止爪片を１０５ａ、
１０５ｂの２片の場合と、１０５ａ、１０５ｂ、１０５
ｃの３片の場合を示したものであるが、一般的に逆止爪
片がＭ片の場合で、ステープルの引き出し方向の幅寸法
をＬmmとした時に、各係止爪片はＬ／Ｍmmの間隔で、そ
の引き出し方向前後に配設すればよい。

【００６２】また、逆止爪片の数は十分設けるスペース
が有る反面その間隔を等間隔に加工上できない場合には
適宜な間隔に設定すればよく、この場合のステープル帯
材１０１のずれ量はその時の最大間隔に依存する。

【００６３】図５は、逆止爪片（ステープル係止部）が
単片１０５ａからなる逆止爪（逆戻り防止手段）１０５
をステープル帯材１０１の引き出し方向前後に配置して
ステープル帯材１０１のステープル連結部１０５ｄを係
止するもので、ステープル幅のｎ本分にステープル幅の
半分を加えた位置になるよう配置されている。この場合
のステープル帯材１０１のずれ量は、ステープル幅の寸
法のばらつきが無いするとステープル帯材１０１のステ
ープル幅の半分となる。

【００６４】尚、逆止爪１０５の複数の逆止爪片の間隔
はステープル幅のｎ本分にならない位置で異なる間隔位
置に配置されれば良く、この場合のステープル帯材１０
１のずれ量は複数の逆止爪片の間隔の最大幅となる。ま
た、ｎは０を含む自然数。

【００６５】図６はドライバー／フォーマ／アンビル／
クリンチャの各ユニット工程の動作を説明する為のタイ
ミングチャートで、横軸が各ユニットを駆動する駆動カ
ムの回転角、縦軸が各ユニットのレバーの変位量を示す
もので、次にこの一連動作について図１とともに概略説
明する。

【００６６】まず、綴じ媒体の綴じ位置へのセット完了
に伴いステープラ装置に対し外部よりステープル処理実
行の指示信号が出力される。

【００６７】この指示信号により図示せぬ電動駆動ユニ
ットの直流モータが回転を開始し、最初に図示せぬアン
ビル駆動カムによりアンビルばね３８０に抗し作動レバ
ー３４０を下方へ押し下げる。

【００６８】この作動レバー３４０の変位に追従してア
ンビルユニット３５０が下方へ作動して綴じ媒体の挟持
動作を開始する。

【００６９】尚、このアンビルユニット３５０の挟持動
作に連動して、連結レバー３７０とクリンチャばね４０
０により連結されたクリンチャユニット３６０がアンビ
ルユニット３５０に追従して揺動する。

【００７０】まず、このアンビルユニット３６０の動作
について説明するに、ホーム位置ＡＯから動き始め、例
えば１００枚の綴じ媒体を挟持する位置Ａ１から綴じ媒
体が０枚の挟持位置Ａ２までの間で、綴じ位置にセット
された綴じ媒体の厚さ（枚数）に応じ挟持した位置でそ
の揺動を停止される。

【００７１】このアンビルユニット３６０による綴じ媒
体の挟持後は、作動レバー３４０のみが紙厚吸収ばね３
９０に抗し変位を続け、アンビルユニット３６０が部
品、組立等のバラツキを配慮して綴じ媒体が０枚の状態
であっても確実に挟持出来るよう位置Ａ２にオーバスト
ローク分加えた位置Ａ３に相当する位置まで変位出来、
アンビルユニット３６０による綴じ媒体の挟持動作を完
了する。

【００７２】このアンビルユニット３６０による綴じ媒
体の挟持動作を完了する位置Ａ３に至る動作前に、図示
せぬドライバー駆動カムによりドライバー３３２が上方
へ変位され、この変位によりフォーマ３３３が追従して
上方へ押し上げられる。

【００７３】このドライバー３３２はアンビルユニット
３６０がＡ１位置をすぎた位置Ｄ１時点より動き始め、
位置Ｄ２でフォーマ３３３が打ち込み位置に繰り出され
たステープルに押圧し、そのステープルを凹字状に成形
を開始、引き続くストロークでその成形済みの成形ステ
ープルの折り曲げたステープル両先端を外側から、ベン
ディングブロック３３５の側面端部に押し当てガイドす
ることで、ステープル両先端はフォーマ３３３とベンデ
ィングブロック３３５とカートリッジホルダ２００の非
磁性材から成るガイド板２０４の壁面により左右前後を
確実に保持される。

【００７４】そして、ドライバー３３２の成形ステープ
ルに当接する先端部分でまずベンディングブロック３３
５の傾斜面を押し込み、ベンディングブロック３３５を
ドライバー３３２の先端部分の移動軌跡内より退避した
状態で、ドライバー３３２の先端部分が位置Ｄ３で成形
ステープルに当接し、アンビルユニット３５０の綴じ媒
体を挟持した位置Ａ３より遅れてドライバー３３２によ
り押し込まれる成形ステープルの先端が綴じ媒体のシー
ト面に当接する位置Ｄ４に到達して、ドライバー３３２
による成形ステープルの綴じ媒体への打ち込みが開始さ
れる。

【００７５】このドライバー３３２によるステープル打
ち込み開始後、多少遅れ位置Ｄ５でドライバー３３２の
フォーマ３３３に係合した係合部がシース３３４の段差
突起によりその係合が解かれると同時に、フォーマ３３
３の先端が綴じ媒体のシート面に当接する直前の位置Ｄ
６でフォーマ３３３はドライバー３３２との係合も解か
れ、フォーマ３３３は停止し、ドライバー３３２により
打ち込まれる成形ステープルの折り曲げ端部をガイドす
る。

【００７６】引き続くドライバー３３２による成形ステ
ープルの打ち込みが行われ、位置Ｄ７で成形ステープル
のクラウンが綴じ媒体のシート面に当接後、更にドライ
バー３３２は位置Ｄ８までドライバー駆動カムにより押
し込まれることとなるが、ドライバー３３２は成形ステ
ープルを押し込むことが出来ないため、板ばねからなる
ドライバー３３２自身がそのオーバストロークの分だけ
弾性変形することで、取り付け位置等のバラツキを吸収
し、確実に成形ステープルを打ち込む。

【００７７】そして、ドライバー３３２により成形ステ
ープルが打ち込まれた位置Ｄ８直後の位置Ｃ１よりクリ
ンチャユニット３６０が図示せぬクリンチャ駆動カムで
下方へ押し込まれるクリンチャ駆動レバー６０２により
揺動され、クリンチャ３５４を押圧し、綴じ媒体を貫通
したステープルの先端を折り曲げ位置Ｃ２でクリンチ動
作を完了させる。

【００７８】このクリンチ動作完了後、まず位置Ｄ１１
にあるドライバー３３２が復帰動作を開始し、途中フォ
ーマ３３３を再度連結し位置Ｄ１２、Ｄ１３を介し初期
の位置にあたるD０に戻る。

【００７９】このドライバー３３２の復帰動作に多少遅
れアンビルユニット３５０が復帰動作を開始し、位置Ａ
６を介し初期の位置にあたるＡ７に戻る。

【００８０】最後に、アンビルユニット３５０の復帰動
作に多少遅れクリンチャユニット３６０が復帰動作を開
始し、初期の位置Ｃ４に戻り一連のステープル動作を完
了する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るステープルカートリッジを装着
したステープラ装置の部分断面からなる外観斜視図であ
る。

【図２】 本発明に係るステープルカートリッジを装着
したステープラ装置の各ユニット毎に分解した外観斜視
図である。

【図３】 本発明に係るステープルカートリッジにおけ
る逆止爪によるステープル帯材を係止した状態を示す部
分拡大説明図である。

【図４】 本発明の他の実施例に係るステープルカート
リッジにおける逆止爪によるステープル帯材を係止した
状態を示す部分拡大説明図である。

【図５】 本発明の他の実施例に係るステープルカート
リッジにおける逆止爪によるステープル帯材を係止した
状態を示す部分拡大説明図である。

【図６】 本発明に係るステープラ装置の動作を示すタ
イミングチャートある。

【符号の説明】

１００ ステープルカートリッジ １０１ ステープル帯材 １０１ａ ステープル接着テープ １０２ ステープル収納部 １０５ 逆止爪部材（逆戻り防止手段） １０５ａ 逆止爪（ステープル係止部） １０５ｂ 逆止爪（ステープル係止部） １０５ｃ 逆止爪（ステープル係止部） １０５ｄ ステープル連結部 ２００ カートリッジホルダ ３００ ステープラ本体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ステープルをシート状に連結したステープ
   ル帯材と、 このステープル帯材を収納するステープル収納部と、 このステープル収納部より引き出されたステープル帯材
   のステープル同士を連結したステープル連結部でステー
   プルを係止しステープル収納部への逆戻りを防止する逆
   戻り防止手段と、を有するステープルカートリッジにお
   いて、 前記逆戻り防止手段は複数のステープル係止部を有し、
   この複数のステープル係止部はステープル帯材の引出し
   方向に沿って前後に設けられ、しかも、その複数のステ
   ープル係止部は同時に前記ステープル連結部を係止する
   ことが無い間隔で設けて成るステープルカートリッジ。
2. 【請求項２】前記逆戻り防止手段の複数の係止部は、Ｍ
   個より成り、ステープルの引き出し方向の幅寸法をＬmm
   とした時に、各係止部はその引き出し方向前後に配設さ
   れ、しかもその前後に位置する係止部の間隔がＬ／Ｍmm
   に設定されて成る請求項１に記載のステープルカートリ
   ッジ。
3. 【請求項３】前記逆戻り防止手段の複数の係止部は、Ｍ
   個より成り、ステープルの引き出し方向の幅寸法をＬmm
   とした時に、各係止部はその引き出し方向前後に配設さ
   れ、しかもその前後に位置する係止部の間隔がｎＬmm
   （但し、ｎは自然数）にＬ／Ｍmmを加えた値に設定され
   て成る請求項１に記載のステープルカートリッジ。
4. 【請求項４】ステープルをシート状に連結したステープ
   ル帯材と、 このステープル帯材を収納するステープル収納部と、 このステープル収納部より引き出されたステープル帯材
   のステープル同士を連結したステープル連結部でステー
   プルを係止しステープル収納部への逆戻りを防止する逆
   戻り防止手段と、を有するステープルカートリッジを備
   えたステープラ装置において、 前記逆戻り防止手段は複数のステープル係止部を有し、
   この複数のステープル係止部はステープル帯材の引出し
   方向に沿って前後に、しかも、その複数のステープル係
   止部は同時に前記ステープル連結部を係止することが無
   い間隔で設けて成るステープルカートリッジを備えたス
   テープラ装置。