JP2002186395A - 耐久性に優れたAl合金製蹄鉄およびその製造方法 - Google Patents

耐久性に優れたAl合金製蹄鉄およびその製造方法

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淳 加藤
Shigenobu Nanba
茂信 難波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Al合金製蹄鉄の軽量性を維持したまま、耐
久性を向上させる。 【解決手段】 少なくとも蹄鉄の接地面に、表面硬度が
ビッカース硬度でHv400以上であり、金属質を必須
的に含む硬質皮膜が形成されていることを特徴とするA
l合金製蹄鉄である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量でしかも耐久
性に優れた蹄鉄およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】蹄鉄は、古来より鉄で作られていたが、
競走馬等においてはより軽い蹄鉄のニーズが高まったこ
とと蹄自体の保護の観点から、鉄よりも軽いアルミニウ
ム(Al)合金製蹄鉄の使用が始まっている。これらの
Al合金製蹄鉄において、特に速く走ることを求められ
る競走馬用途では、軽量であることのみならず、衝撃を
吸収する機能も要求されている。すなわち、両方の利点
を有する蹄鉄によって、競走馬の走行能力を高めると共
に、馬の四肢に加わる衝撃を吸収して競走馬の寿命を延
ばすためである。
【0003】ただし、Al合金製蹄鉄は、軽量であると
いう利点の反面、摩耗し易く、耐久性に劣るという問題
がある。こういった点で種々の検討がなされており、例
えば、特開平5−76263号では、本体がTiまたは
Ti合金からなり、溶融拡散硬化層を表面に有する蹄鉄
が開示されている。しかし、Ti合金はAl合金よりも
比重が重い上により硬いため、Al合金製蹄鉄に比べて
蹄を痛めやすいという問題が指摘されている。また、特
開平10−127219号では、Al合金製の蹄鉄の表
面に陽極酸化皮膜を形成した蹄鉄が開示されているが、
耐久性改善効果には限界があった。
【0004】さらに、蹄鉄の耐久性・耐摩耗性が劣る場
合、蹄鉄の交換回数が多くなるが、馬の蹄は1月で1c
m程度しか伸びないため、蹄鉄の交換頻度が多いと蹄鉄
を固定するための釘の打ち込みによって蹄が割れてしま
うという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、A
l合金製蹄鉄の軽量性を維持したまま、耐久性を向上さ
せることを課題として掲げ、このような蹄鉄を容易に製
造するための方法の提供も併せて課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のAl合金製蹄鉄は、少なくとも蹄鉄の接地面に、表
面硬度がビッカース硬度でHv400以上であり、金属
質を必須的に含む硬質皮膜が形成されているところに要
旨を有する。硬質皮膜の存在によって蹄鉄の寿命・耐久
性を向上させることができた。なお、蹄を痛めないため
には、蹄との接触面に上記硬質皮膜が形成されていない
構成の蹄鉄が好ましい。
【0007】上記硬質皮膜の金属質がNi基合金である
こと、さらに、この硬質皮膜中にセラミックス粒子が分
散状態で含有されていることは、本発明の好ましい実施
多様である。また、上記硬質皮膜の金属質はFe基合金
であってもよい。いずれも硬度発現に寄与する。
【0008】本発明のAl合金製蹄鉄の好ましい製造方
法のその一は、蹄鉄表面に硬質皮膜を形成する前に、Z
n置換処理によってAl合金製蹄鉄表面にZnを置換析
出させ、次いで電気めっき法によって硬質皮膜を形成す
るものである。また、金属質としてFe基合金を含む硬
質皮膜の場合は、気相コーティングを用いて形成するこ
とが製造方法の採用が推奨される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者等は、軽量であり衝撃吸
収能に優れるというAl合金の利点を活かしながら、耐
久性を増す方法として、蹄鉄表面に硬質皮膜を施すこと
に思い至り、衝撃試験とブラスト試験とを種々の条件で
行って、競走馬に蹄鉄を装着した状況を模擬的に判断す
ることにより、最適の条件の硬質皮膜を見出した。
【0010】すなわち、硬質皮膜としては、金属質を含
み、表面硬度がビッカース硬度でHv400以上である
ことが必要である。表面硬度がHv400より小さい
と、耐久性改善効果が発現しない。より好ましくはHv
600以上、さらに好ましくはHv900以上である。
【0011】これらの硬質皮膜は、摩耗の激しい蹄鉄接
地面には必ず設ける必要があるが、蹄との接触面に設け
ると蹄を痛めることがあるため、蹄鉄と蹄が接する面に
は硬質皮膜を設けないことが好ましい。蹄鉄と蹄が接す
る面以外の蹄鉄表面の全てに硬質皮膜を設けてもよく、
蹄鉄の接地面のみに硬質皮膜を設けてもよい。硬質皮膜
を設けたくない部分には、硬質皮膜形成時にその部分を
マスキングする等すればよい。
【0012】硬質皮膜の厚さとしては1μm以上が好ま
しい。これより薄いと、耐久性向上効果が発現しないこ
とがある。より好ましくは3μm以上、さらに好ましく
は5μm以上である。硬質皮膜は、その厚みが厚いほ
ど、蹄鉄の摩耗が抑制されるため好ましいが、硬質皮膜
の形成条件、基材(Al合金製蹄鉄)への密着性、蹄鉄
の交換頻度等を勘案すれば、100μmを超えて設けて
も、格別のメリットはない。
【0013】硬質皮膜中に金属質が含まれていないと、
衝撃吸収能が低くなるため好ましくない。例えば、Al
合金の陽極酸化膜はほとんどがセラミックス質となるた
め、激しい衝撃に耐えられず膜にクラックが入って、早
期に蹄鉄表面から脱落してしまう。この点から、金属質
の量は硬質皮膜中20体積%以上が好ましく、50体積
%以上がより好ましい。
【0014】金属質の具体例としては、硬質皮膜が本発
明で規定するビッカース硬度を満足すれば特に限定され
ないが、硬度および摩耗性に優れる金属として、Cr単
独、Co−P合金の他、Ni−P、Ni−B、Ni−C
o−P、Ni−Cu−P、Ni−W−P、Ni−W−B
等のNi系合金が好ましいものとして挙げられる。Ni
単独では硬度が小さいが、P、B、W等の合金成分の添
加によって、硬度および摩耗性が向上するからである。
さらに、Fe−P、Fe−Ni−Cr、Fe−Ni−M
o−Cr等のFe基合金も好ましいものとして挙げられ
る。この場合もFe単独では硬度が小さいため好ましく
ないが、P、Ni、Cr、Mo等の添加で硬度が発現す
る。Feは70質量%以上含まれていることが好まし
い。
【0015】上記のうち、Niを主体とするNi基合金
の皮膜は優れた性能を示し、Ni−PあるいはNi−B
が特に好ましい。なお、この場合のNi基合金とは、7
0質量%以上がNiである合金をいう。また、これらの
Ni基合金または前記Ni系合金中に、SiC、Al2
3、BN等のセラミックス微粒子を分散させると、土
砂等に対する耐摩耗性がより一層向上するため、耐摩耗
性が特に要求されるような蹄鉄の場合に推奨される。セ
ラミックス微粒子の大きさとしては特に限定されない
が、形成する硬質皮膜厚よりも大きくならないように調
整することが好ましく、大体1〜5μmのものを用いる
とよい。分散量の目安は1〜10質量%が好ましい。
【0016】Cr単独皮膜は電気めっき法で、Co−P
合金、Ni基またはNi系合金の皮膜は、電気めっき法
あるいは無電解めっき法等で形成することが好ましい。
10μm以上の厚い硬質皮膜を形成する場合は、成膜速
度の速い電気めっき法が特に好適である。また、セラミ
ックス微粒子を分散させる場合には、めっき浴中にセラ
ミックス微粒子を例えば界面活性剤と共に分散させてめ
っきを行う、いわゆる分散めっき法を採用すればよい。
【0017】電気めっき法は、所望の組成のめっき浴に
被処理材を浸漬し、被処理材にマイナス電極を、対極に
プラス電極を接続し、5〜30A/dm2程度の電流を
流して成膜する。浴温としては40〜70℃が標準的で
ある。他の条件が同じであれば、膜厚は処理時間で制御
できる。分散めっきを行う場合には、めっき浴中にセラ
ミックス微粒子と界面活性剤を投入し、よく撹拌しなが
らめっきを行う。めっき膜(硬質皮膜)中に含まれてい
るセラミックス粒子の量は、めっき膜をサンプリングし
て、硝酸等の適当な酸でめっき金属のみを溶解し、溶解
液を濾過することによってセラミックス粒子量が把握で
きるので、めっき金属溶解分とセラミックス粒子分の質
量比を算出することができる。
【0018】無電解めっき法は、所望の組成のめっき浴
に被処理材を浸漬して放置することで行える。浴温とし
ては50〜90℃が一般的である。軽く撹拌しながら1
〜3時間程度浸漬すればよく、めっき厚は浸漬時間で制
御可能である。
【0019】また、めっきの際には、前処理を行ってお
くことが好ましい。Al合金に対するめっき膜の密着性
が良好になって、耐衝撃性、耐久性が向上するためであ
る。前処理としては、陽極酸化処理やZn置換処理が挙
げられる。特にZn置換処理が好ましい。陽極酸化処理
では、衝撃が加わった場合に、薄い陽極酸化層が破壊さ
れるためか、Zn置換処理の場合程の優れた耐久性向上
効果は認められないが、もちろん陽極酸化処理を行って
も構わない。
【0020】陽極酸化処理は、硫酸等の酸水溶液中に被
処理材を浸漬し、被処理材をプラス電極に接続して20
〜100V程度の電圧をかけることによって、陽極酸化
膜を成長させる方法である。皮膜厚さは処理時間で制御
することができる。めっき前処理として行う場合は、燐
酸溶液を用い、80〜120V程度の電圧で1μm以下
の薄い酸化膜を形成することが好ましい。
【0021】一方、Zn置換処理は、Znを含有する処
理液中(Zn置換処理液)に被処理材を浸漬することに
よって、その表面に薄いZn膜を形成する方法である。
浴温は20℃前後、反応時間は通常60秒以内である。
なお、Zn置換下地処理を行った後に、前記した金属あ
るいは合金皮膜を電気めっきで形成する場合は、電気N
iめっき層を中間層として形成することが好ましい。Z
n置換下地処理後にこれらの皮膜を直接電気めっきで形
成すると、めっき浴のpHが低い場合に、Zn置換膜が
めっき浴中で溶解してしまうことがあるためである。電
気Niめっき浴はpH5〜6程度なので、これによりZ
n置換膜が保持される。
【0022】本発明の硬質皮膜には、前記したようにF
e基合金も好ましく用いられる。Fe基合金も電気めっ
き等で形成することができる。また、Fe基合金の気相
コーティング法による皮膜は、より硬度が高く、靭性も
備えていて、優れた耐久性を示すため好ましい。気相コ
ーティング法は被処理材の温度上昇を伴うため、融点が
低く、調質処理が施されることの多いAl合金への適用
に際しては、気相コーティングの際の温度管理に留意す
る必要があるが、Fe系膜は200℃以下の低温で成膜
しても、十分な硬度、靭性、密着性が得られることか
ら、気相コーティング法に好適である。
【0023】気相コーティング法としては、スパッタリ
ング等の公知の方法が使用可能である。特に、アークイ
オンプレーティング法が好ましい。アークイオンプレー
ティング法は、次のような方法で行う。まず被処理材と
所望の成分のターゲット材をチャンバー内にセットし、
適切な圧力まで真空排気した後に、必要に応じて窒素等
の反応性ガスを導入して、1×10-1〜7×10-3Pa
程度の真空に維持する。その後、被処理材に5〜200
Vのバイアス電圧をかけ、アーク電流を60〜200A
程度として、ターゲット表面でアーク放電を発生させ
て、ターゲット材料を蒸発・飛散させる。これにより、
ターゲット材料がプラズマ化した窒素等と反応しなが
ら、被処理材表面に堆積・成膜される。
【0024】本発明のAl合金製蹄鉄は、上記した硬質
皮膜が少なくとも蹄鉄の接地面に形成されていればよ
く、Al合金の組成は特に限定されない。A2014、
A2017、A4032、A5052、A5056、A
6063、A7075、AC4C、AC8C、ADC1
2等が代表的なものとして挙げられる。中でも、硬質な
A7075やA2014が特に好ましい。これらのAl
合金を用いて蹄鉄を形成した後、上記した膜形成方法で
硬質皮膜を形成すれば本発明のAl合金製蹄鉄が得られ
る。
【0025】なお、Al合金製蹄鉄の耐久性を高めるた
め、蹄鉄の先端部近傍に、例えば鋼性の爪状物を埋め込
む手法が知られているが、本発明ではこのような耐久性
向上策を併用することを排除するものではない。
【0026】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本
発明に含まれる。
【0027】実施例 各種硬質皮膜の性能を検討するために、Al合金とし
て、AC8C製の板材(30mm×40mm×10mm
t)に、表1および以下に示す前処理および成膜方法
で、各種皮膜を形成した。なお、Zn置換処理後に電気
めっきを行って各種皮膜を形成したものは、Zn置換処
理後に予めNi電気めっきでNi中間層を形成し、その
後各種皮膜を形成した。
【0028】得られた皮膜に対し、蹄と地面との衝突や
摩耗によるダメージを模擬的に調べるために、以下のス
テップ1と2を交互に10回繰り返し、初期質量からの
減少量(g)を測定した。評価結果を表1に示す。な
お、No.22は、Al合金そのままの比較例である。 ステップ1:先端径R5mmのポンチを供試材上に置
き、質量5kgの錘を上部50cmの高さからポンチ上
に自然落下させる。 ステップ2:ショットブラストで供試材表面を3分間研
磨。研削粉としてアルミナ#100を用い、エア圧は
4.9×10-3Paとした。
【0029】<成膜方法>Ni−P電気めっき(No.
1〜6,10,12〜13、18)は、市販のNi−P
めっき浴を利用して、浴温50〜70℃、電流密度5〜
30A/dm2で行った。No.12では、平均粒径2
〜3μmのAl23を、めっき層中に3質量%含まれる
ように分散させてめっきした。また、No.13では、
平均粒径2〜3μmのSiC(めっき層中に5質量%)
と、平均粒径3〜5μmのBN(めっき層中に2質量
%)を分散させてめっきした。各めっき層中のP量は約
3質量%であった。
【0030】Cr電気めっき(No.8)は、サージェ
ント浴で、浴温45〜55℃、電流密度30〜60A/
dm2で行った。
【0031】Ni−B電気めっき(No.11)は、ト
リメチルアミンボラン浴で、浴温50〜60℃、電流密
度2〜8A/dm2で行った。めっき層中のB量は2〜
4質量%であった。
【0032】Fe−P電気めっき(No.14,15)
は硫酸浴で、浴温50〜70℃、電流密度5〜10A/
dm2で行った。めっき層中のP量は約2質量%であっ
た。
【0033】Ni電気めっき(No.19)は、ワット
浴で、45〜60℃、2〜10A/dm2で行った。
【0034】Ni−B無電解めっき(No.7)は、ジ
メチルアミノボラン浴で、浴温50〜80℃、pH6〜
8で行った。めっき層中のBの量は4質量%であった。
【0035】Ni−Cu−P無電解めっき(No.9)
は、市販浴を用い、浴温80℃、pH8.7〜9で行っ
た。めっき層中のCuの量は50〜53質量%、Pの量
は4〜7質量%であった。
【0036】イオンプレーティング(No.16,1
7,21)は次の条件で行った。ガス導入前真空度は1
×10-1〜7×10-3Paで、スパッタクリーニングを
−500〜−800Vで2分間、間欠的に行い、窒素ガ
スを導入して、13〜52mPa(10〜40mTor
r)とする。成膜前の基材温度100〜150℃で、成
膜時のカソード電流60〜150A、バイアス電圧−3
5〜−60Vで成膜した。No.16の皮膜組成は、F
e−8Ni−18Cr(SUS304組成;質量%)で
あり、一部のFeが窒化して形成されたFe3Nが若干
量含まれている。No.17の皮膜組成は、Fe−10
Ni−2Mo−16Cr(SUS316組成;質量%)
であり、一部のFeが窒化して形成されたFe3Nが若
干量含まれている。
【0037】陽極酸化(No.20)は、浴温5℃の硫
酸浴(10質量%)で、電圧20Vで行った。
【0038】
【表1】
【0039】表から明らかなように、本発明実施例は、
無処理のNo.22に比べて、減少量が1/3以下に減
少しており、蹄鉄の耐久性向上効果が顕著に現れてい
た。一方、Ni単独層を設けたNo.19では、ビッカ
ース硬度が低いため、摩耗減量をあまり抑制できなかっ
た。陽極酸化処理(No.20)や、イオンプレーティ
ング(No.21)では、金属質のないセラッミックス
膜となるため、硬度が十分でも、摩耗減量はほとんど抑
制できていない。これは、膜の靭性が低く、ステップ1
の衝撃によって、試験初期に膜が剥離してしまったため
であると考えられる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、Al合金製の軽量な蹄
鉄表面に耐衝撃性と高度に優れた硬質皮膜を設けたの
で、アルミ合金製蹄鉄の耐久性を著しく向上させること
ができた。さらに、蹄に対する衝撃緩和等の保護効果も
期待できる。従って、競走馬等、蹄鉄を必要とする動物
用の蹄鉄として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K024 AA14 AB01 AB12 BA06 BB28 DA02 DA08 GA03 4K029 AA02 BA25 BA26 BA58 BA64 BB03 CA04 DD06 HA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも蹄鉄の接地面に、表面硬度が
    ビッカース硬度でHv400以上であり、金属質を必須
    的に含む硬質皮膜が形成されていることを特徴とする耐
    久性に優れたAl合金製蹄鉄。
  2. 【請求項2】 蹄との接触面には上記硬質皮膜が形成さ
    れていないものである請求項1に記載のAl合金製蹄
    鉄。
  3. 【請求項3】 上記硬質皮膜の金属質がNi基合金であ
    る請求項1または2に記載のAl合金製蹄鉄。
  4. 【請求項4】 上記硬質皮膜中にセラミックス粒子が分
    散状態で含有されている請求項3に記載のAl合金製蹄
    鉄。
  5. 【請求項5】 上記硬質皮膜の金属質がFe基合金であ
    る請求項1または2に記載のAl合金製蹄鉄。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のAl合
    金製蹄鉄の製造方法であって、蹄鉄表面に硬質皮膜を形
    成する前にZn置換処理によってAl合金製蹄鉄表面に
    Znを置換析出させ、次いで電気めっき法によって硬質
    皮膜を形成することを特徴とするAl合金製蹄鉄の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のAl合金製蹄鉄の製造
    方法であって、蹄鉄表面の硬質皮膜を気相コーティング
    を用いて形成することを特徴とするAl合金製蹄鉄の製
    造方法。
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