JP2001503627A - 床を有する空間において動物の位置を調節する装置と方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 動物に関連した行為の実行を容易にするために、床を有する空間（１）における動物の位置を調節する装置と方法が提供される。前記床は、前記実行中に動物が立っていることが望ましい少なくとも１つの主床部（１０）と前記実施中に動物が立っていないことが望ましい少なくとも１つの副床部（１１）とを有している。この装置は、起動時に前記副床部（１１）の揺動動作を可能にするように設けられた起動手段（１４）を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 床を有する空間において動物の位置を調節する装置と方法 発明の技術分野および従来技術 本発明は、動物に関連した行為の実行中に動物が立っていることが望ましい少 なくとも１つの主床部と、前記実行中に動物が立っていないことが望ましい少な くとも１つの副床部とを有している床を有する空間における動物の位置を、動物 に関連した行為の実行を容易にするために調節する装置に関する。また、本発明 は、動物に関連した行為の実行中に動物が立っていることが望ましい少なくとも １つの主床部と、前記実行中に動物が立っていないことが望ましい少なくとも１ つの副床部とを有している床を有する空間における動物の位置を、動物に関連し た行為の実行を容易にするために調節する方法に関する。 動物が自由に歩くまわることができ、かつ搾乳ストールに自発的に出入りでき る家畜舎に設けられた搾乳ストールで動物の搾乳を自動的に行うことが周知であ る。搾乳ストールに入る動物は、識別手段に接続されたコンピュータの支援によ り自動的に識別される。前回搾乳したのはいつであったか等、個々の動物に関す るデータを記憶しているコンピュータにより、搾乳機のティートカップを持ち上 げて動物の乳首に装着するように自動取扱装置が駆動される。 このような自動搾乳に関連する課題の１つは、前記装着を可能にするためにス トール内にいる動物の乳首の位置を判断することである。このために種々のサー チシステムが開発されてきた。しかしながら、そのようなシステムの開発が進み 、一層高度化されたとしても、動物が所望の位置に立っていない場合、例えば、 動物の後脚が互いに接近していたり、後脚が比較的に前方位置にいる場合は、こ のシステムではまだ不十分である。 動物を物理的に押しやらずに動物の位置を調節するために、動物が立っている ことが望ましい平坦で安定した複数の床部とその間の中央床部とを有する床を備 えた搾乳ストールが提案されている。複数の縦長棒から成る格子を踏むことは動 物にとって余り快適でないので、ストールに入る動物がよけるそのような格子が 中央床部に設けられている。また、いわゆるタンデム型のストールに関する場合 に該当するのだが、動物が長手側からストールに入る場合は動物はそのような中 央格子を踏まざるを得ない。そのため、動物はそのような搾乳ストールに入るの をためらう。 また、ＰＣＴ特許出願公開明細書第８５／０２９７３号には、動物がストール に入るときに平坦面を成し、その後でストールの両側に下向きに傾斜するように 動かされる中央部を有する搾乳ストールが開示されている。それにより、ストー ル内にいる動物の足が滑り落ちて所望の脚位置に離れる。しかしながら、そのよ うな床は比較的強力な駆動機構を要するし、ストールの長手方向に脚位置を調節 することができない。 ＥＰＯ特許出願公開明細書第６１９ ９４１号には、ティートカップ装着時に 動物が立っていることが望ましい平坦で安定した複数の床部と前記装着時に動物 が立っていないことが望ましい心地のよくない床部とを有する床を備えた搾乳ス トールが開示されている。この心地の悪い床部は、異なる方向に傾斜した多数の 異なる面を有している。しかしながら、そのような床も、動物の進入および退出 が困難で、そのために時間がかかり、さらにまた、動物が搾乳ストールに入ろう という気にならないという欠点がある。 ＥＰＯ特許出願公開明細書第１９４ ７２９号には、搾乳機と、搾乳機のティ ートカップの装着を容易にするように設けられた動物位置決め手段とを有してい る搾乳ストールが開示されている。この位置決め手段は、油圧または空圧シリン ダによって、フラップと床とが同一高にある実質的に水平位置から実質的に垂直 の位置まで移動できる２つのフラップを含んでいる。動物が、これらフラップの うちの一方に足で立つと、フラップが前記垂直位置に移動するので、その足が滑 り落ちる。さらに、この位置決め手段は、上方向に延びていて横方向に移動可能 であることによって足を離れさせる２つのガイドプレートを含んでいる。この文 献に開示されている位置決め手段は比較的複雑であり、また、適正な位置決めを 実行するための強力な駆動機構を要する。 発明の要約 本発明の目的は、前述の欠点を克服し、動物の位置を調節する改良された方法 を提供することである。 この目的は、冒頭に規定した、起動時に前記副床部の揺動動作を可能にするよ うに設けられた起動手段を有していることを特徴とする装置によって達成される 。そのような床は、動物がその空間に入るときまたはその空間から出るときに安 定していて本質的に平坦であってもよく、動物がその空間内にいるときに複数の 揺動不安定部が起動されてもよい。動物はそのような揺動する不安定な床部に立 つことを避けるので、動物は、迅速かつ効果的な方法で動物関連の行為を実施で きるような望ましい適位置に動物自身で位置する。 本発明の実施態様によれば、前記起動手段は、副床部を支持し、かつ前記揺動 動作を与えるように設けられた支持装置を有している。 本発明の別の実施態様によれば、前記支持装置は、前記副床部と関連した第１ の支持表面と、地面と関連した第２の支持表面と、前記表面間に設けられた球形 部材とを有している。そのような球状部材により、副床部が動物に操作されるこ とはありえない。さらに詳しく言うと、前記第１および第２の支持表面は凹面を なしている。それによって副床部は静止位置に戻る。 本発明のさらに別の実施態様によれば、前記起動手段は、前記揺動動作を発生 させるように設けられた駆動手段を有している。 本発明のさらに別の実施態様によれば、前記起動手段は、副床部が固定される 第１の位置と、副床部が固定解除され、したがって不安定な第２の位置のうちの 一方にセットされるようにされた固定装置を有している。そのような固定装置は 、カム装置が副床部と当接する前記第１の位置と前記第２の位置との間で同心的 に回転可能なカム装置、または、その代わりに、ピストン装置が副床部と当接す る前記第１の位置と前記第２の位置との間で移動可能なピストン装置を有してい てもよい。 本発明のさらに別の実施態様によれば、前記空間にいる動物に関する前記動物 に関連した行為を実行する手段が設けられている。前記実行手段は、自動取扱装 置と、例えば前記自動取扱装置によって前記動物の乳首に装着される少なくとも １つのティートカップなどの動物関連手段とを有していてもよい。 本発明のさらに別の実施態様によれば、前記副床部は、動物に認識可能である ように可視的に示される。そのように示すことにより、回を重ねるごとに動物が 揺動床部の位置を覚えることがより容易である。その結果、副床部を踏むことを 動物自身が避け、それゆえにその空間に入ると動物は速やかに適切な位置に付く 。 前述の目的は、冒頭に規定され、動物が前記空間に入るときに両方の床部を安 定状態に固定するステップと、前記動物に関連した行為の実行中に副床部を揺動 可能にするステップとを含む方法を特徴とする方法によっても達成される。 図面の簡単な説明 ここで、本発明を、図面を参照しながらその種々の実施形態の記載によってよ り詳しく説明する。 図１は、本発明による搾乳ストールの第１の実施形態を上から見た図を示す。 図２は、本発明による搾乳ストールの第２の実施形態を上から見た図を示す。 図３は、図１の線III−IIIに沿った断面図を示す。 図４は、別の実施形態による支持装置を備えている点が異なる、図３のものと同 様な断面図を示す。 図５は、第１の実施形態の固定装置の部分断面図を示す。 図６は、別の実施形態による固定装置の部分断面図を示す。 図７は、別の実施形態による駆動手段を備えている点が異なる、図３のものと同 様な断面図を示す。 種々の実施形態の詳細な説明 図１を参照すると、自由に歩きまわる多数の乳牛を収容する家畜舎（不図示） に設けることができる、搾乳対象の乳牛（不図示）を収容する搾乳ストール１が 示されている。搾乳ストール１は、搾乳ストール１内の空間を画定する包囲格子 装置２の形態の包囲手段を有している。格子装置２は入口ゲート３と出口ゲート ４を有している。搾乳ストール１に関連して、ソケットケース５で表現されてい るだけの搾乳機と、４本のミルク管路６と、搾乳ストール１にいる乳牛の各乳首 に装着される、概略的に示されている４つのティートカップ７とが設けられてい る。前記装着用に、把持アーム９を有する自動取扱装置８が設けられている。把 持アーム９は、ティートカップ７を順々に把持してそれを乳牛の乳首に装着する ように制御されてもよい。 搾乳ストール１は、ティートカップ装着中に動物が立っていることが望ましい 主床部１０と、前記装着中に動物が立っていないことが望ましい副床部１１とを 有している。図１に示された実施形態は、後脚が互いに離れてた状態で、かつ後 脚が搾乳ストール１の後方端の位置にあるように乳牛を立たせるように構成され ている。主床部１０は、副床部１１を主床部１０に対して水平面内で移動可能で あるようにする小さな隙間１２だけ副床部から離れている。 図２に、搾乳ストール１の第２の実施形態を示す。全部の開示された実施形態 において、一致する機能を有する要素は同一符号で示されていることに注意すベ きである。図２に示されている実施形態は、副床部１１が矩形で、乳牛の後脚間 の距離を基準として乳牛を位置決めすることだけを目的としている点で図１のも のと異なる。また、図２に示されている副床部１１は、動物に認識可能であるよ うに可視的に示されまたは印をつけられる。そのような印は、例えば、主床部１ ０の模様と異なる図示の可視模様によって、または、主床部の色と異なる色によ って実現されてもよい。 図１と図３から分かるように、副床部１１は、副床部１１の下側に取り付けら れている第１の部材１５と、地面１３に載っている第２の部材１６とを有する４ つの支持手段１４によって、地面の上に支えられている。第１および第２の部材 １５、１６は、互いに向き合う第１および第２の支持凹面をそれぞれ有している 。各支持装置１４の第１と第２の支持表面の間には、例えばスチール球などの球 １７が設けられている。したがって、支持装置１４は、副床部を支えるとともに 、球１７が第１および第２の支持表面上を任意の方向に転動するので副床部を揺 動させることができる。第１および第２の支持表面が凹面形状をしているので、 副床１１部は図３に示された静止位置を取ろうとする。支持装置１４の数を変更 してもよいことに注意すべきである。例えば、図１に示された副床部１１の各外 側コーナーには支持装置１４、すなわち６個のそのような装置が設けられてもよ い。 図４は支持装置１４の別の実施形態を示すものであり、支持装置１４の第１お よび第２の支持表面が、本質的に平坦で突出している縁部によって包囲されてい る点のみが図３のものと異なっている。 副床部１１は、固定装置１８によって図３に示される静止位置に固定されても よい。固定装置１８は、副床部１１が固定される第１の位置および副床部１１が 固定解除されるので不安定な第２の位置のうちの一方にセットしてもよい。図１ 、図３、図４、および図５に示される固定装置１８は、地面に載って油圧または 空圧シリンダ２によって軸を中心として回転可能な軸受構造に支持されているシ ャフト２０に同心的に取り付けられている、カムディスクの形態のカム装置１９ を有している。シリンダ２１は、シャフト２０に固定されたアーム２２に枢支可 能に結合されているピストンを収容している。ピストンを２３の方向に移動させ ることにより、カムディスク１９が副床部１１の下側に向かって移動し、それに よって副床部１１を固定位置に固定する。少なくとも固定位置にあるカムディス ク１９は、副床部１１に対する更なる支持体として機能してもよい点に注意すべ きである。 図６は、シリンダ２５に収容された可動ピストン２４を有するピストン装置を 有している固定装置１８の別実施形態を示す。ピストン２４は本質的に垂直方向 に移動可能である。シリンダ２５は、ピストン２４を上昇または下降させるため に、加圧状態の媒体を圧力コンジット２６を介して供給することによって油圧式 または空圧式に作動するものでもよい。副床部１１は、ピストン２４を副床部１ １の下側に向かって本質的に垂直方向に上昇させることによって固定される。ピ ストン装置２４は、固定位置で、副床部１１に対する支持体として機能してもよ い。また、図２において、固定装置１８を副床部１１の任意の場所、例えば、図 １に示されているように前部の下側、または図２に示されているように中央部の 下側に配置してもよい点に注意すべきである。 乳牛が授乳ストール１に入るとき、副床部１１は、本質的に主床部１０と同一 平面にある固定された安定位置に固定されてもよい。乳牛が授乳ストール１にい るとき、副床部１１は固定装置１１によって固定解除されてもよく、その結果、 副床部１１が不安定になり、乳牛の脚の一本が副床部１１に載ると揺動動作が行 なう。これは乳牛にとって非常に不快であり、そのため、乳牛は自分の足をもっ と安定した床、すなわち、主床部の上に載せる。乳牛が主床部１０に位置決めさ れた時点で、自動取扱装置８によって乳牛の乳首にティートカップ７が容易に、 かつ妨げられることなく装着される。 図７は、第２の床部１１の揺動動作を発生させる駆動手段２７が設けられてい る本発明の別の実施形態を示す。駆動シャフト２７は、第２の床部１１に取り付 けられた受け入れ手段２９内に回転可能に支えられている偏心的に回転する駆動 シャフト２８を有していてもよい。副床部１１が垂直移動するのを可能にするた めに、シャフト２８は受け入れ手段２９内に滑動可能に支えられている。その結 果、第２の床部１１が固定解除されると、駆動手段２７が自動的に起動されて第 ２の床部を動かし、前述の揺動動作を行う。 本発明は、開示された実施形態だけに限定されるのではなく、以下の請求の範 囲の範囲内において変更および修正されてもよい。 副床部１１は、乳牛がとるべきであると求められる位置に応じて、数多くの異 なる構成を有していてもよい。例えば、用途によっては、乳牛の前脚を互いに特 定距離をおいて配置することが望ましいことがある。 本発明は、搾乳以外の動物に関連した行為、例えば、治療、授精、クリーニン グ、マッサージ等に適用できる。 以上、本発明を乳牛について説明したが、他の動物、例えば、羊、ヤギ、馬、 水牛に対しても本発明の思想を適用できることが理解されるべきである。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．動物に関連した行為の実行時に動物が立っていることが望ましい少なくとも １つの主床部（１０）と前記実施時に動物が立っていないことが望ましい少なく とも１つの副床部（１１）とを有している床を有する空間（１）における動物の 位置を、動物に関連した行為の実行を容易にするために調節する装置において、 起動時に前記副床部（１１）の揺動動作を可能にするように設けられた起動手段 （１４）を有していることを特徴とする、動物の位置を調節する装置。 ２．前記起動手段は、前記副床部（１１）を支持するとともに前記揺動動作を与 える支持装置（１４）を有していることを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．前記支持装置（１４）は、前記第２の床部（１１）と関連した第１の支持表 面（１５）と、地面（１３）と関連した第２の支持表面（１６）と、前記表面（ １５，１６）の間に設けられている球形部材（１７）とを有していることを特徴 とする請求項２に記載の装置。 ４．前記第１および第２の支持表面（１５、１６）が凹面であることを特徴とす る請求項３に記載の装置。 ５．前記起動手段は、前記揺動動作を発生させるように設けられた駆動手段（２ ７）を有していることを特徴とする上記請求項のうちのいずれか一項に記載の装 置。 ６．前記起動手段は、前記副床部（１１）が固定される第１の位置と、前記剤床 部（１１）が固定解除され、したがって不安定な第２の位置のうちの一方に置か れるようになっている固定装置（１８）を有していることを特徴とする先行する 請求項のいずれか１項に記載の装置。 ７．前記固定装置は、前記副床部（１１）と当接する前記第１の位置と前記第２ の位置との間で同心的に回転可能なカム装置（１９）を有していることを特徴と する請求項６に記載の装置。 ８．前記固定装置は、前記副床部（１１）と当接する前記第１の位置と前記第２ の位置との間で移動可能なピストン装置（２４）を有していることを特徴とする 請求項６に記載の装置、 ９．前記空間（１）にいる前記動物に関する、前記動物に関連した行為を実行す るように設けられた手段（５，７，８）を特徴とする先行する請求項のいずれか １項による装置。 １０．前記実行手段が、自動取扱装置（８）と、前記自動取扱装置によって操作 される、動物に関連した手段（７）とを有していることを特徴とする請求項９に 記載の装置。 １１．前記動物に関連した手段は、前記自動取扱装置（８）によって前記動物の 乳首に装着される少なくとも１つのティートカップ（７）を有していることを特 徴とする請求項１０に記載の装置。 １２．前記副床部が前記動物に認識可能であるように、前記副床部が可視的に示 されることを特徴とする先行する請求項のいずれか１項に記載の装置。 １３．動物に関連した行為を実行する間に動物が立っていることが望ましい少な くとも１つの主床部（１０）と前記実行中に動物が立っていないことが望ましい 少なくとも１つの副床部（１１）とを有している床を有する空間（１）における 動物の位置を、動物に関連した行為の実行を容易にするために調節する方法にお いて、動物が前記空間に入るときに両方の床部を安定状態に固定するステップと 、前記動物に関連した行為の実行中の前記副床部の揺動を可能にするステップと を有することを特徴とする、動物の位置を調節する方法。 １４．前記動物が前記空間を出るときに前記副床部を前記安定状態に固定するこ とを特徴とする請求項１３に記載の方法。