JP2001250743A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2001250743A
JP2001250743A JP2000060536A JP2000060536A JP2001250743A JP 2001250743 A JP2001250743 A JP 2001250743A JP 2000060536 A JP2000060536 A JP 2000060536A JP 2000060536 A JP2000060536 A JP 2000060536A JP 2001250743 A JP2001250743 A JP 2001250743A
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conductive polymer
polymer layer
layer
solid electrolytic
fibers
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JP2000060536A
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English (en)
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Kazuyoshi Endo
和芳 遠藤
Toru Jo
徹 城
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Marcon Electronics Co Ltd
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Marcon Electronics Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ素子表面に均一な厚さで所望の厚
みを有し、機械的強度に優れた導電性高分子層を形成し
た特性良好にして生産性に優れた固体電解コンデンサを
提供する。 【解決手段】 陽極となる弁作用金属からなる素体表面
に誘電体酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素子と、前
記誘電体酸化皮膜の表面に形成した導電性高分子層から
なる固体電解コンデンサにおいて、上記導電性高分子層
が、誘電体酸化皮膜の表面に形成したポリチオフェン又
はその誘導体からなる導電性高分子層と、この導電性高
分子層上に付着した繊維と導電性高分子粒子を取り込ん
でなる複合導電性高分子層で構成されたことを特徴とす
る固体電解コンデンサを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低ESR化を目的として導電性高
分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサが実
用化されている。一般に、これら導電性高分子として
は、ポリチオフェン,ポリピロール又はポリアニリン等
があり、中でもポリチオフェンはポリピロール又はポリ
アニリンと比較して、導電率が高く熱安定性が特に優れ
ていることから近年注目されており、ポリチオフェンを
固体電解質として用いた固体電解コンデンサとして特開
平2−15611号公報等に開示されているものがあ
る。
【0003】しかして、ポリチオフェンは化学酸化重合
及び電解重合によって形成できるが、電解重合を行った
場合、導電性高分子が電極上にフィルム状に形成される
ため大量に製造することに困難性が伴うといった問題を
抱えているのに対して、化学酸化重合の場合にはそのよ
うな問題がなく、電解重合と比較して大量の導電性高分
子層を容易に得ることができることは当業者の中ではよ
く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリチ
オフェンは、ポリピロール又はポリアニリン等他の導電
性高分子に比べて、化学酸化重合の際の重合速度が小さ
いため、所望の厚さの導電性高分子層を形成するために
は、重合時間を長くしたり、重合回数を多くしなければ
ならず、生産性が悪く、コスト高となる問題を抱えてい
た。更に、化学酸化重合で得られる導電性高分子層は細
かい結晶の集合体から形成されているため、形成した導
電性高分子層が素子表面から剥離したり、化学重合液へ
の浸漬時に離散する場合があり、コンデンサ素子表面に
導電性高分子層を厚く形成することは困難であった。ま
た、トランスファーモールド法による樹脂外装構造で
は、モールド成型時の応力により導電性高分子層が損傷
され漏れ電流増大や信頼性低下となる問題をも抱える結
果となっていた。
【0005】本発明は、上記問題を解決するもので、コ
ンデンサ素子表面に所望の厚みを有し、機械的強度に優
れた導電性高分子層を形成した特性良好にして生産性に
優れた固体電解コンデンサを提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決すべく検討した結果、完成するに至ったも
のである。すなわち、固体電解質として導電性高分子層
を用いた固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層
として、誘電体酸化皮膜の表面に形成したポリチオフェ
ン又はその誘導体からなる導電性高分子層と、この導電
性高分子層上に付着した繊維と導電性高分子粒子を取り
込んでなる複合導電性高分子層で構成することにより、
所望の厚みを持ち、機械的強度に優れた固体電解コンデ
ンサの形成が可能となり、作業性良好にして特性劣化の
ないことが判明した。
【0007】請求項1の発明は、陽極となる弁作用金属
からなる素体表面に誘電体酸化皮膜を形成してなるコン
デンサ素子と、前記誘電体酸化皮膜の表面に形成した導
電性高分子層からなる固体電解コンデンサにおいて、上
記導電性高分子層が、誘電体酸化皮膜の表面に形成した
ポリチオフェン又はその誘導体からなる導電性高分子層
と、この導電性高分子層上に付着した繊維と導電性高分
子粒子を取り込んでなる複合導電性高分子層で構成され
たことを特徴とする固体電解コンデンサである。
【0008】繊維及び導電性高分子粒子との複合導電性
高分子層を構成することにより、繊維及び導電性高分子
粒子にて厚さを稼ぎ、重合時間及び回数を低減して生産
性を上げるとともに、導電性高分子層上に厚い複合導電
性高分子層が形成でき、機械的強度が向上し、樹脂外装
時の応力にも耐え、漏れ電流増大や信頼性低下のない良
好な固体電解コンデンサを得ることができる。
【0009】請求項2の発明は、複合導電性高分子層に
取り込まれる繊維は、パルプあるいは合成繊維を叩解し
たものからなることを特徴とするものであり、膜厚の厚
い複合導電性高分子層を形成する際、重合回数及び重合
時間を低減でき生産性向上に寄与することができる。
【0010】請求項3の発明は、複合導電性高分子層に
取り込まれる導電性高分子粒子は、ポリチオフェン,ポ
リピロール又はその誘導体からなり、別途化学酸化重合
又は電解重合で合成され、粉砕・篩分された導電性高分
子粒子であることを特徴とするものであり、膜厚の厚い
複合導電性高分子層を形成する際、重合回数及び重合時
間を低減でき生産性向上に寄与し、且つ、コンデンサ特
性も安定して良好なものが得られる。
【0011】請求項4の発明は、導電性高分子層に付着
した繊維と導電性高分子粒子を取り込んで形成する複合
導電性高分子層の形成方法として、繊維と導電性高分子
粒子を分散させた水溶液にコンデンサ素子を浸漬、乾燥
を繰り返して所望の厚さの繊維と導電性高分子粒子層を
形成し、次いで化学酸化重合又は電解重合により繊維と
導電性高分子粒子を連結し一体化することを特徴とする
固体電解コンデンサの製造方法である。
【0012】請求項5の発明は、導電性高分子層に付着
した繊維と導電性高分子粒子を取り込んで形成する複合
導電性高分子層の形成方法として、繊維を分散させた水
溶液にコンデンサ素子を浸漬、乾燥を繰り返して所望の
厚さの繊維層を形成し、次いで導電性高分子粒子を分散
させた水溶液にコンデンサ素子を浸漬、乾燥を繰り返し
て所望の厚さの繊維と導電性高分子粒子層を形成し、次
いで化学酸化重合又は電解重合により繊維と導電性高分
子粒子を連結し一体化することを特徴とする固体電解コ
ンデンサの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
陽極となるタンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン等
からなる弁作用金属を使用して構成した素体表面に誘電
体酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素子と、前記誘電
体酸化皮膜の表面に形成した導電性高分子層からなる固
体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層が、誘電体
酸化皮膜の表面に形成したポリチオフェン又はその誘導
体からなる導電性高分子層と、この導電性高分子層上に
付着した繊維と導電性高分子粒子を取り込んでなる複合
導電性高分子層で構成されたことを特徴とする固体電解
コンデンサである。
【0014】なお、上記請求項1記載の発明において、
コンデンサ素子構成としては、微粉末焼結体形又は箔巻
回形のいずれでも良く、また、誘電体酸化皮膜の形成手
段としても特別なものに限定することなく、公知の手段
にて行うものである。
【0015】また、導電性高分子層上に付着する導電性
高分子粒子の合成は化学酸化重合又は電解重合いずれで
もよく、また重合条件としても特別なものに限定するこ
となく、できるだけ高い伝導度と収率で導電性高分子が
得られる公知の手段にて行うものであり、繊維と導電性
高分子粒子を取り込んでなる複合導電性高分子層を形成
する際には、チオフェンはもちろん、ピロール,アニリ
ン等各種導電性高分子が使用でき、且つ、化学酸化重合
または電解重合を問わず生産効率よく所望の厚みを持っ
た機械的強度に優れた複合導電性高分子層が形成され
る。
【0016】請求項2記載の発明は、複合導電性高分子
層に取り込まれる繊維が、パルプあるいは合成繊維を叩
解したものからなり、繊維同士が絡み合い空隙が多くま
た効果的に所望の厚さのパルプ層を形成することができ
ることを特徴とする固体電解コンデンサであり、膜厚の
厚い複合導電性高分子層を形成する際、重合回数及び重
合時間を低減でき生産性向上に寄与することができる。
また、このような複合導電性高分子層は機械的強度が向
上するため樹脂外装時の応力にも耐え、漏れ電流増大や
信頼性低下のない良好な固体電解コンデンサが得られる
ものである。
【0017】請求項3記載の発明は、複合導電性高分子
層に取り込まれる導電性高分子粒子が、ポリチオフェ
ン,ポリピロール又はその誘導体であり、予め化学酸化
重合又は電解重合で合成され、不純物を除去後乾燥、粉
砕、篩分されて所望の粒子径にしたことを特徴とする固
体電解コンデンサであり、伝導度の高いポリチオフェ
ン,ポリピロール又はその誘導体である粒子を用いるこ
とにより、さらに特性の良い複合導電性高分子層が得ら
れるものである。
【0018】なお、上記請求項3記載の発明において
も、導電性高分子粒子の合成は化学酸化重合又は電解重
合いずれでもよく、また重合条件としても特別なものに
限定することなく、できるだけ高い伝導度と収率で導電
性高分子が得られる公知の手段にて行うものである。
【0019】請求項4記載の発明は、導電性高分子層に
付着した繊維と導電性高分子粒子を取り込んで形成する
複合導電性高分子層の形成方法として、前記繊維と前記
導電性高分子粒子を分散させた水溶液にコンデンサ素子
を浸漬、乾燥を繰り返して所望の厚さの繊維と導電性高
分子粒子層を形成し、次いで化学酸化重合又は電解重合
により繊維と導電性高分子粒子を連結し一体化すること
を特徴とする固体電解コンデンサの製造方法であり、導
電性高分子粒子は繊維のフィブリル間に補足されている
ので、浸漬による繊維層の形成と同時に、効果的に導電
性高分子粒子を繊維の隙間に埋めることができ、容易に
厚い複合導電性高分子層を形成することができる。
【0020】請求項5記載の発明は、導電性高分子層に
付着した繊維と導電性高分子粒子を取り込んで形成する
複合導電性高分子層の形成方法として、前記繊維を分散
させた水溶液にコンデンサ素子を浸漬、乾燥を繰り返し
て所望の厚さの繊維層を形成し、次いで前記導電性高分
子粒子を分散させた水溶液にコンデンサ素子を浸漬、乾
燥を繰り返して所望の厚さの繊維と導電性高分子粒子層
を形成し、次いで化学酸化重合又は電解重合により前記
繊維と導電性高分子粒子を連結し一体化することを特徴
とする固体電解コンデンサの製造方法であり、導電性高
分子粒子は浸漬の際に繊維のフィブリル間に補足され、
効果的に導電性高分子粒子を繊維の隙間に埋めることが
でき、容易に厚い複合導電性高分子層を形成することが
できる。また、繊維の濃度、導電性高分子粒子の濃度を
個別に制御できるので、所望の膜厚を容易に得ることが
できる。
【0021】本発明は以上のように、電解質としての複
合導電性高分子層を形成した後、必要に応じて乾燥を行
い、公知の手段でその上にグラファイト層、銀塗料層を
形成し、しかる後引出電極を設けて樹脂外装を施し完成
品としてなるものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の固体電解コンデンサの基本構
造について図面を参照して説明する。図1において、1
は陽極となる弁作用金属としてタンタル微粉末からなる
焼結体表面に陽極酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素
子で、2はAの断面拡大図である図2で示される導電性
高分子層3と、繊維4及び導電性高分子粒子5を取り込
んで形成した複合導電性高分子層6により構成された層
で、7はこの層2上に形成したカーボン層で、8はこの
カーボン層7上に形成した陰極となる銀塗料層で、9は
前記焼結体に埋設された陽極リード線で、10は陽極リ
ード線9と接続した陽極引出端子で、11は前記銀塗料
層8に接続した陰極引出端子で、12は樹脂外装層であ
る。
【0023】次に具体的な実施例について比較例と対比
して詳細に説明する。すなわち、以下に示す実施例1〜
7及び従来技術に係る比較例1のショート不良率、漏れ
電流(LC)不良率及びESR特性を測定した結果、表
1に示す通りであった。
【0024】(実施例1)陽極として大きさが3.9×
3.3×1.6mm3のタンタル焼結体を用い、陽極リ
ード線としてタンタル線を用いた重量が約100mgの
陽極体を0.05wt%燐酸水溶液中で90℃、40V
で180分陽極酸化し、脱イオン水の流水により洗浄し
て、乾燥を行いコンデンサ素子とした。なお、この状態
をコンデンサと見立て化成液中の容量を測定した結果1
04μFであった。
【0025】次に、このコンデンサ素子をブチルアルコ
ール50gと3,4−エチレンジオキシチオフェン50
gとを混ぜ合わせてなるモノマー溶液に7分間浸漬し、
次に遷移金属イオンを含む酸化剤としてパラトルエンス
ルホン酸第二鉄40gを60gのブタノールに溶解させ
て得た酸化剤溶液に15分間浸漬し、化学酸化重合を行
い、コンデンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性
高分子層を形成し、ブタノールによる洗浄を5分間行っ
た後、105℃で5分間乾燥した。導電性高分子層が所
望の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬−乾燥まで
の重合回数を10回繰り返した。
【0026】次に、このようにして導電性高分子層を形
成したコンデンサ素子を、叩解の程度476CSF(m
l)のマニラ麻パルプ0.5wt%,予め化学酸化重合
で合成した伝導度57Scm-1のポリ3,4−エチレン
ジオキシチオフェンを粉砕し10μm以下の粒子径に篩
分した1%の懸濁液に素子の上面まで浸漬してコンデン
サ素子表面にパルプ繊維とポリ3,4−エチレンジオキ
シチオフェン粒子を付着させる。この場合懸濁液は撹拌
され、パルプ繊維と導電性高分子粒子が流動している中
に浸漬することで効果的にコンデンサ素子表面へのパル
プ繊維と導電性高分子粒子の付着を行うことができ、特
に機械的強度が求められるコンデンサ素子エッジ部によ
り効果的に付着できる。また、上面にも効果的に付着す
るためにやや深めの浸漬深さとした。しかして、このよ
うにパルプ繊維と導電性高分子粒子を付着したコンデン
サ素子を105℃で5分間乾燥した。なお、パルプ繊維
層が所望の厚さになるまで、懸濁液への浸漬から乾燥ま
での工程を2回繰り返した。
【0027】次に、表面にパルプ繊維と導電性高分子粒
子が付着されたコンデンサ素子を、再び前記モノマー溶
液に7分間浸漬し、酸化剤溶液に15分間浸漬して化学
酸化重合を行い、ブタノールによる洗浄を5分間行った
後、105℃で5分間乾燥する工程を5回繰り返し、コ
ンデンサ素子表面に所望の厚さのパルプ繊維を取り込ん
だ複合導電性高分子層を形成した。
【0028】次に、この複合導電性高分子層の上に、カ
ーボン層、このカーボン層の上に陰極となる銀塗料層を
形成し、この銀塗料層の上に陰極引出端子を、前記陽極
体から引出した陽極リード線に陽極引出端子をそれぞれ
取付けトランスファーモールドにより樹脂外装を行い、
前記陰極引出端子及び陽極引出端子を所定の位置に折曲
げてチップ状の固体電解コンデンサを完成した。
【0029】パルプ繊維と一緒に混ぜ合わされたポリ
3,4−エチレンジオキシチオフェンは予め公知の方法
により合成された。合成した導電性高分子は純水で濾液
が中性になるまで洗浄し、エタノールで数回リンスした
後、40℃で10h真空で乾燥し、窒素中で室温に保存
したものを用意した。
【0030】(実施例2)実施例1と同様の手段で表面
にパルプ繊維と導電性高分子粒子の付着まで行われたコ
ンデンサ素子を、0.2mol/lのピロールモノマ
ー,0.1mol/lのパラトルエンスルホン酸テトラ
エチルアンモニウムを含む電解重合液中に浸し、外部か
らステンレス製補助電極を前記パルプ繊維と導電性高分
子粒子からなる層に接触させ陽極とし、陰極は容器に用
いたステンレスとし、コンデンサ素子1個当たり1.0
mA,1.8クーロンで電解重合した。水洗後、105
℃で5分間乾燥してコンデンサ素子表面に所望の厚さの
パルプ繊維を取り込んだ複合導電性高分子層を形成し
た。次に複合導電性高分子層形成後、完成品としてなる
までの手段は実施例1と同様である。
【0031】(実施例3)実施例1と同様の手段でコン
デンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性高分子層
を形成したコンデンサ素子に、叩解の程度476CSF
(ml)のマニラ麻パルプ0.5wt%、予め化学酸化
重合で合成した伝導度26Scm-1のポリピロールを粉
砕し10μm以下の粒子径に篩分した1%の懸濁液に素
子の上面まで浸漬してコンデンサ素子表面にパルプ繊維
とポリピロール粒子を付着させた。しかして実施例1と
同じ手段でコンデンサを完成させた。
【0032】パルプ繊維と一緒に混ぜ合わされたポリピ
ロールは実施例1と同様に予め公知の方法をにより合成
された。合成した導電性高分子は純水で濾液が中性にな
るまで洗浄し、エタノールで数回リンスした後、40℃
で10h真空で乾燥し、窒素中で室温に保存したものを
用意した。
【0033】(実施例4)実施例3と同様の手段で表面
にパルプ繊維と導電性高分子粒子の付着まで行われたコ
ンデンサ素子を、実施例2と同様の手段で、コンデンサ
素子表面に所望の厚さのパルプ繊維を取り込んだ複合導
電性高分子層を形成した。次に複合導電性高分子層形成
後、完成品としてなるまでの手段は実施例1と同様であ
る。
【0034】(実施例5)実施例1と同様の手段でコン
デンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性高分子層
を形成したコンデンサ素子に、叩解の程度476CSF
(ml)のマニラ麻パルプ0.5wt%、予め電解重合
で合成した伝導度29Scm-1のポリピロールを粉砕し
10μm以下の粒子径に篩分した1%の懸濁液に素子の
上面まで浸漬してコンデンサ素子表面にパルプ繊維とポ
リピロール粒子を付着させた。しかして実施例1と同じ
手段でコンデンサを完成させた。
【0035】パルプと一緒に混合されるポリピロールは
実施例2と同様に、白金板を0.2mol/lのピロー
ルモノマー,0.1mol/lのパラトルエンスルホン
酸テトラエチルアンモニウムを含む電解重合液中に浸し
陽極とし、陰極は容器に用いたステンレスとし、1.0
A、18クーロンで電解重合し、形成した。水洗後、1
05℃で5分間乾燥してポリピロール粉末が得られた。
【0036】(実施例6)実施例5と同様の手段で表面
にパルプ繊維と導電性高分子粒子の付着まで行われたコ
ンデンサ素子を、実施例2と同様の手段で、コンデンサ
素子表面に所望の厚さのパルプ繊維を取り込んだ複合導
電性高分子層を形成した。次に複合導電性高分子層形成
後、完成品としてなるまでの手段は実施例1と同様であ
る。
【0037】(実施例7)実施例1と同様の手段でコン
デンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性高分子層
を形成したコンデンサ素子に、叩解の程度476CSF
(ml)のマニラ麻パルプ0.5wt%の懸濁液に素子
の上面まで浸漬してコンデンサ素子表面にパルプ繊維を
付着させた。このようにパルプ繊維を付着したコンデン
サ素子を105℃で5分間乾燥した。なお、パルプ繊維
層が所望の厚さになるまで、懸濁液への浸漬から乾燥ま
での工程を2回繰り返した。次いで、予め化学酸化重合
で合成した伝導度57Scm-1のポリ3,4−エチレン
ジオキシチオフェン粒子を粉砕し、10μm以下の粒子
径に篩分したものの1%の懸濁液に素子の上面まで浸漬
し、乾燥した。導電性高分子粒子がパルプ繊維間を十分
に埋めるよう、浸漬から乾燥までを4回繰り返した。し
かして実施例1と同じ手段でコンデンサを完成させた。
【0038】(比較例1)コンデンサ素子表面へパルプ
繊維と導電性高分子粒子を付着する工程を除き、実施例
1と同様の工程を経て完成品としてなるものであるが、
コンデンサ素子へパルプ繊維と導電性高分子粒子が付着
されていないため、コンデンサ素子表面の導電性高分子
層構成は、パルプ繊維と導電性高分子粒子と連結、複合
化はされておらず、単なる導電性高分子層であり、製品
化するためにはこの場合の重合回数は61回であった。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、実施例1,2,
3,4,5,6,7のものは、いずれも漏れ電流及びE
SR特性に優れ信頼性の高い固体電解コンデンサを得る
ことができるのに対し、比較例1のものはESR特性は
問題ないものの、重合回数を比較例1のように61回行
っても漏れ電流特性が芳しくない実用上好ましくないも
のであることがわかる。この差は実施例の場合、コンデ
ンサ素子表面に形成される導電性高分子層が、パルプ繊
維と導電性高分子粒子を取り込んだ複合導電性高分子層
で構成されてその層厚を稼げるため、導電性高分子層の
機械的強度を高めることになり、外装樹脂工程での応力
によっても導電性高分子層を損傷することがないという
結果に基づくものである。また、実施例のものは重合回
数を減らしても漏れ電流特性が優れており、生産性向上
に大きく貢献できるものであることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、陽極
となる弁作用金属からなる素体表面に誘電体酸化皮膜を
形成してなるコンデンサ素子と、前記誘電体酸化皮膜の
表面に形成した導電性高分子層からなる固体電解コンデ
ンサにおいて、導電性高分子層をコンデンサ素子表面部
に付着した繊維と導電性高分子粒子を取り込んで形成し
た複合導電性高分子層とすることによって、導電性高分
子層の層厚を稼ぎ、重合回数を低減して生産性向上を可
能とした漏れ電流特性の良好な固体電解コンデンサを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体電解コンデンサの基本構造を示
す断面図である。
【図2】 図1中Aの拡大図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 導電性高分子層と複合導電性高分子層により構成さ
れた層 3 導電性高分子層 4 繊維 5 導電性高分子粒子 6 複合導電性高分子層 7 カーボン層 8 銀塗料層 9 陽極リード線 10 陽極引出端子 11 陰極引出端子 12 樹脂外装層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極となる弁作用金属からなる素体表面
    に誘電体酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素子と、前
    記誘電体酸化皮膜の表面に形成した導電性高分子層から
    なる固体電解コンデンサにおいて、上記導電性高分子層
    が、誘電体酸化皮膜の表面に形成したポリチオフェン又
    はその誘導体からなる導電性高分子層と、この導電性高
    分子層上に付着した繊維と導電性高分子粒子を取り込ん
    でなる複合導電性高分子層で構成されたことを特徴とす
    る固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記複合導電性高分子層に取り込まれる
    繊維は、パルプあるいは合成繊維を叩解したものからな
    ることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記複合導電性高分子層に取り込まれる
    導電性高分子粒子は、ポリチオフェン,ポリピロール又
    はその誘導体からなり、別途化学酸化重合又は電解重合
    で合成され、粉砕・篩分された導電性高分子粒子である
    ことを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記複合導電性高分子層の形成方法とし
    て、前記繊維と前記導電性高分子粒子を分散させた水溶
    液にコンデンサ素子を浸漬、乾燥を繰り返して所望の厚
    さの繊維と導電性高分子粒子層を形成し、次いで化学重
    合又は電解重合により繊維と導電性高分子粒子を連結し
    一体化することを特徴とする固体電解コンデンサの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記複合導電性高分子層の形成方法とし
    て、前記繊維を分散させた水溶液にコンデンサ素子を浸
    漬、乾燥を繰り返して所望の厚さの繊維層を形成し、次
    いで前記導電性高分子粒子を分散させた水溶液にコンデ
    ンサ素子を浸漬、乾燥を繰り返して所望の厚さの繊維と
    導電性高分子粒子層を形成し、次いで化学酸化重合又は
    電解重合により繊維と導電性高分子粒子を連結し一体化
    することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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