JP2000340461A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2000340461A
JP2000340461A JP11146706A JP14670699A JP2000340461A JP 2000340461 A JP2000340461 A JP 2000340461A JP 11146706 A JP11146706 A JP 11146706A JP 14670699 A JP14670699 A JP 14670699A JP 2000340461 A JP2000340461 A JP 2000340461A
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polymer layer
capacitor element
fibers
particles
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Toru Jo
徹 城
Yutaka Harashima
豊 原島
Kazuyoshi Endo
和芳 遠藤
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/54Electrolytes
    • H01G11/56Solid electrolytes, e.g. gels; Additives therein

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ素子表面に均一な厚さで所望の厚
みを有し、機械的強度に優れた複合導電性高分子層を形
成した特性良好にして、生産性に優れた固体電解コンデ
ンサ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 モノマー溶液に浸漬し、次に酸化剤溶液
に浸漬して化学酸化重合を行い内部に導電性高分子層を
形成したコンデンサ素子1を、繊維及び粒子を懸濁した
溶液に浸漬−乾燥工程を所望回数繰り返し、コンデンサ
素子1表面に、この表面に付着した繊維及び粒子の混合
体3を取り込んだ複合導電性高分子層2を形成して固体
電解コンデンサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に樹脂外装時の応力によ
って生ずる諸特性劣化要因を解消した優れた導電性高分
子層を有する固体電解コンデンサ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、低ESR化を目的として導電性高
分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサが実
用化されている。一般に、これら導電性高分子として
は、ポリチオフェン、ポリピロール又はポリアニリン等
があり、中でもポリチオフェンは、ポリピロール又はポ
リアニリンと比較して、導電率が高く熱安定性が特に優
れていることから近年注目されおり、ポリチオフェンを
固体電解質として用いた固体電解コンデンサとして特開
平1−313521号公報、又は特開平2−15611
号公報に開示されているものがある。しかして、ポリチ
オフェンは、化学酸化重合及び電解重合によって製作で
きるが、電解重合手段を講じた場合、導電性高分子が電
極上にフィルム状に形成されるため大量に製造すること
に困難性が伴う問題を抱えているのに対して、化学酸化
重合手段の場合は、そのような問題はなく、電解重合と
比較して大量の導電性高分子層を容易に得ることができ
ることは当業者の中では良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリチ
オフェンは、他のポリピロール又はポリアニリン等他の
導電性高分子に比べて、化学酸化重合の際の重合速度が
小さいため、所望の厚さの導電性高分子層を形成するた
めには、重合時間を長くしたり、重合回数を多くしなけ
ればならない結果、生産性が悪く、コスト高となる問題
を抱え、また、溶媒に水を用いた場合は重合反応が著し
く抑制される問題があった。更に、トランスファーモー
ルド法による樹脂外装構造では、モールド成型時の応力
により導電性高分子層が損傷され漏れ電流増大や信頼性
低下となる問題をも抱える結果となっていた。
【0004】本発明は、上記問題を解決するもので、コ
ンデンサ素子表面に均一な厚さで所望の厚みを有し、機
械的強度に優れた導電性高分子層を形成した特性良好に
して、生産性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決すべく検討した結果、完成するに至ったも
のである。すなわち、固体電解質として導電性高分子層
を用いた固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子
表面に形成するポリチオフェン又はその誘導体からなる
導電性高分子層として、繊維及び粒子の混合体を取り込
んで形成した複合導電性高分子層とすることによって、
機械的強度に優れた固体電解質の形成が可能となり、特
性劣化のないことが判明した。
【0006】本発明は、陽極となる弁作用金属からなる
コンデンサ素子の表面に誘電体酸化皮膜を形成し、この
誘電体酸化皮膜の表面に導電性高分子層を形成してなる
固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層がポリチ
オフェン又はその誘導体からなり、この導電性高分子層
が前記コンデンサ素子表面に付着した繊維及び粒子の混
合体を取り込んで形成した複合導電性高分子層からなる
ことを特徴とする固体電解コンデンサである。
【0007】また、前記繊維がパルプ及び/又はガラス
からなり、前記粒子が二酸化マンガンからなることを特
徴とする固体電解コンデンサである。コンデンサ素子表
面に繊維及び粒子の混合体を付着する手段として、繊維
及び粒子を懸濁した溶液内にコンデンサ素子を浸漬する
工程とこのコンデンサ素子を乾燥する工程を有するもの
であり、繊維及び粒子を懸濁している溶液は、撹拌さ
れ、繊維及び粒子が静かに流動していても良い。
【0008】また、前記導電性高分子層と繊維及び粒子
の混合体との複合導電性高分子層を構成する手段として
は、予め繊維及び粒子を分散させた導電性高分子層を形
成するためのモノマー溶液に誘電体層が設けられたタン
タルの焼結体又はアルミニウム箔からなる電極のコンデ
ンサ素子を浸漬させ、次に酸化剤溶液に浸漬して化学酸
化重合によりコンデンサ素子表面に繊維及び粒子の混合
体を取り込んだ複合導電性高分子層を形成するか、モノ
マー溶液に誘電体層が設けられたタンタルの焼結体又は
アルミニウム箔からなる電極のコンデンサ素子を浸漬さ
せ、次に繊維及び粒子を分散させた酸化剤溶液に浸漬し
て化学酸化重合によりコンデンサ素子表面に繊維及び粒
子の混合体を取り込んだ複合導電性高分子層を形成する
ものであるが、前述の手段において、コンデンサ素子内
部に予め導電性高分子層を形成しておくことによって、
より緻密で強固な複合導電性高分子層が得られるもので
ある。
【0009】以上により、チオフェンを繰り返し単位と
して含む導電性高分子と、繊維及び粒子の混合体を構成
することにより、繊維及び粒子の混合体で厚さを稼ぎ、
重合時間及び回数を低減して生産性を上げると共に、コ
ンデンサ素子表面に均一で厚い導電性高分子層が形成で
き、機械的強度が向上し、樹脂外装時の応力にも耐え、
漏れ電流増大や信頼性低下のない良好な固体電解コンデ
ンサを得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
陽極となるタンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン等
からなる弁作用金属を使用して構成したコンデンサ素子
表面に誘電体酸化皮膜を形成し、この誘電体酸化皮膜表
面に導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサ
において、前記導電性高分子層がポリチオフェン又はそ
の誘導体からなり、前記コンデンサ素子表面に繊維及び
粒子の混合体が付着されており、この混合体を取り込ん
で複合導電性高分子層が形成されている固体電解コンデ
ンサである。
【0011】なお、上記請求項1記載の発明において、
コンデンサ素子構成としては、箔巻回形又は微粉末焼結
体形いずれでも良く、また、誘電体酸化皮膜の形成手段
としても特別なものに限定することなく、公知の手段に
て行うものである。コンデンサ素子表面に付着した繊維
及び粒子の混合体の存在でポリチオフェン又はその誘導
体からなる膜厚の厚い複合導電性高分子層となることに
より、重合回数及び時間を低減でき生産性向上に寄与す
ることができる。また複合導電性高分子層は機械的強度
が向上するため樹脂外装時の応力にも耐え、漏れ電流増
大や信頼性低下のない良好な固体電解コンデンサが得ら
れる。
【0012】請求項2記載の発明は、コンデンサ素子の
表面に付着する繊維がパルプ及び/又はガラス繊維から
なり,粒子が二酸化マンガンからなることを特徴とする
請求項1記載の固体電解コンデンサであり、特に十分に
叩解されたパルプはフィブリルが発達し、コンデンサ素
子の凹凸に絡まりパルプ層の形成が容易となる。また、
繊維層の厚み確保を容易にするため、叩解が不十分で繊
維が長く太いパルプと十分に叩解が進んだパルプとを混
合したり、パルプ又はガラス繊維の懸濁液濃度を適宜選
択することもできる。また、粒子が半導体であるため、
機械的強度を向上するため二酸化マンガンが厚くなった
としても、等価直列抵抗等のコンデンサの特性を低下さ
せることがない。
【0013】請求項3記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、繊維及び粒子を懸濁した溶液内に
コンデンサ素子を浸漬−乾燥しこのコンデンサ素子表面
に繊維を付着させた後、モノマー溶液に浸漬し、更に酸
化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を行うことを特徴とす
る請求項1又は請求項2記載の固体電解コンデンサの製
造方法であり、繊維及び粒子の混合体の厚み確保のた
め、浸漬−乾燥を適宜繰り返し行うものである。
【0014】請求項4記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、繊維及び粒子を分散させたモノマ
ー溶液にコンデンサ素子を浸漬して素子表面にモノマー
溶液を付着させた後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重
合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
固体電解コンデンサの製造方法であり、繊維及び粒子の
混合体の付着と同時に導電性高分子層の形成が進行する
ので厚み確保が容易で生産性向上に寄与できる。
【0015】請求項5記載の発明は、複合導電性高分子
層の形成手段として、内部に予め導電性高分子層を形成
したコンデンサ素子を、繊維及び粒子を分散させたモノ
マー溶液に浸漬してコンデンサ素子表面にモノマー溶液
を付着させた後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を
行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の固体
電解コンデンサの製造方法であり、コンデンサ素子表面
に付着する繊維及び粒子の混合体の存在によって所望箇
所への導電性高分子層の形成がより確実なものとなる。
【0016】請求項6記載の発明は、予め内部に導電性
高分子層を形成したコンデンサ素子をモノマー溶液に浸
漬して素子表面にモノマー溶液を付着させた後、繊維及
び粒子を分散した酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合を
行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の固体
電解コンデンサの製造方法であり、コンデンサ素子内部
への導電性高分子層の形成が容易となる。
【0017】本発明は以上のように、電解質としての複
合導電性高分子層を形成した後、必要に応じて乾燥を行
い、公知の手段でその上にグラファイト層、銀塗料層を
形成し、しかる後引出電極を設けて樹脂外装を施し完成
品としてなるものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明の固体電解コンデンサの基本構
造について図面を参照して説明する。図1において、1
は陽極となる弁作用金属としてタンタル微粉末からなる
焼結体表面に陽極酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素
子で、2はこのコンデンサ素子1の表面に付着した繊維
及び粒子の混合体3を取り込んで形成されたポリチオフ
ェン又はその誘導体からなる複合導電性高分子層で、4
はこの複合導電性高分子層2上に形成したカーボン層
で、5はこのカーボン層4上に形成した陰極となる銀塗
料層で、6は前記焼結体に埋設された陽極線で、7はこ
の陽極線6と接続した陽極引出端子で、8は前記銀塗料
層5に接続した陰極引出端子で、9は樹脂外装層であ
る。次に具体的な実施例について比較例と対比して詳細
に説明する。すなわち、以下に示す実施例1〜4及び従
来技術に係る比較例1〜3の容量、漏れ電流及びESR
特性を測定した結果、表1に示す通りであった。
【0019】(実施例1)陽極として大きさが3.9×
3.3×1.6mmのタンタル焼結体を用い、陽極線
としてタンタル線を用いた重量が約100mgの陽極体
を0.05wt%燐酸水溶液中で90℃、40Vで18
0分陽極酸化し、脱イオン水の流水により洗浄して、乾
燥を行いコンデンサ素子とした。なお、この状態をコン
デンサと見立て化成液中の容量を測定した結果100μ
Fであった。
【0020】次に、このコンデンサ素子をブチルアルコ
ール50gと3,4−エチレンジオキシチオフェン50
gとを混ぜ合わせてなるモノマー溶液に7分間浸漬し、
次に遷移金属イオンを含む酸化剤としてパラトルエンス
ルホン酸第二鉄40gを60gのブタノールに溶解させ
て得た酸化剤溶液に15分間浸漬し、化学酸化重合を行
い、コンデンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性
高分子層を形成し、ブタノールによる流水洗浄を5分間
行った後、105℃で5分間乾燥した。導電性高分子層
が所望の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬−乾燥
までの重合工程を10回繰り返した。
【0021】次に、このようにして内部に導電性高分子
層を形成したコンデンサ素子を、コンデンサ紙の原料で
ある2wt%パルプ懸濁液に懸濁可能な粒径とした半導
体質の二酸化マンガン粒子を懸濁し5倍〜10倍に希釈
した溶液に浸漬してコンデンサ素子表面にパルプ繊維と
二酸化マンガンからなる混合体を付着させる。この場
合、懸濁液は撹拌され、混合体が流動している中に浸漬
することで効果的にコンデンサ素子表面への混合体の付
着を行うことができ、特に機械的強度が求められるコン
デンサ素子エッジ部により効果的に付着できる。しかし
て、このように混合体を付着したコンデンサ素子を10
5℃で5分間乾燥した。なお、混合体が所望の厚さにな
るまで、懸濁液への浸漬から乾燥までの工程を2回繰り
返した。
【0022】次に、表面に混合体が付着されたコンデン
サ素子を、再びモノマー溶液に7分間浸漬して酸化剤溶
液に15分間浸漬して化学酸化重合を行い、ブタノール
による流水洗浄を5分間行った後、105℃で5分間乾
燥する工程を5回繰り返し、所望の厚さのパルプ繊維及
び二酸化マンガンからなる混合体を取り込んだ複合導電
性高分子層を形成した。しかして、この複合導電性高分
子層の上に、カーボン層、このカーボン層の上に陰極と
なる銀塗料層を形成し、この銀塗料層の上に陰極引出端
子を、前記陽極体から引出した陽極線に陽極引出端子を
それぞれ取付け、トランスファーモールドにより樹脂外
装を行い、前記陰極引出端子及び陽極引出端子を所定の
位置に折曲げてチップ状の固体電解コンデンサを完成し
た。
【0023】(実施例2)実施例1と同様の手段で内部
に導電性高分子層を形成したコンデンサ素子を、ガラス
繊維2wt%を水に懸濁し、且つ半導体質の二酸化マン
ガン粒子を懸濁してなる懸濁溶液に浸漬してコンデンサ
素子表面にガラス繊維及び二酸化マンガンからなる混合
体を付着させ、105℃で5分間乾燥した。なお、混合
体が所望の厚さになるまで、懸濁液への浸漬から乾燥ま
での工程を2回繰り返した。次に、表面にガラス繊維及
び二酸化マンガンからなる混合体が付着されたコンデン
サ素子に複合導電性高分子層を形成し完成品としたもの
であるが、その手段は実施例1同様である。
【0024】(実施例3)実施例1と同様の手段で内部
に導電性高分子層を形成したコンデンサ素子を、ブチル
アルコール50gと3,4−エチレンジオキシチオフェ
ン50gとを混ぜ合わせ、且つ、パルプ繊維0.5wt
%と二酸化マンガン粒子を加え良く撹拌してなるモノマ
ー溶液に7分間浸漬し、次に、遷移金属イオンを含む酸
化剤としてのパラトルエンスルホン酸第二鉄40gを6
0gのブタノールに溶解させた酸化剤溶液に15分間浸
漬し化学酸化重合を行い、ブタノールによる流水洗浄を
5分間行った後、105℃で5分間乾燥する工程を10
回繰り返し、所望の厚さのパルプ繊維を取り込んだ複合
導電性高分子層を形成した。なお、複合導電性高分子層
形成後、完成品となるまでの手段は実施例1同様であ
る。
【0025】(実施例4)まず、縦8×横3.3mm
のアルミニウムエッチド箔を4mmと3mmの部分に仕
切るように、両面に渡って幅1mmのポリイミドテープ
を貼り付けて、次にアルミニウムエッチド箔の3×3.
3mmの部分に陽極リード線を取付け、アルミニウム
エッチド箔の4×3.3mmの部分を、70℃の3%
のアジピン酸アンモニウム水溶液を用い、10Vの定電
圧を40分印加して陽極酸化により酸化皮膜誘電体層を
形成した。しかして、これを105℃で5分乾燥を行い
コンデンサ素子とした。なお、この状態をコンデンサと
見立て化成液中の容量を測定した結果18μFであっ
た。
【0026】次に、このコンデンサ素子を、遷移金属イ
オンを含む酸化剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄
1.76gを2.64gのブタノールに溶解させて,次
にパルプ繊維0.5wt%を加え良く撹拌し分散させ、
更に、3,4−エチレンジオキシチオフェン2gと二酸
化マンガン粒子を加え良く撹拌して得た重合溶液に1分
間浸漬してから引き上げ真空中で30分間放置し化学酸
化重合を行い、コンデンサ素子を構成する陽極酸化皮膜
上にガラス繊維及び二酸化マンガンからなる混合体を取
り込んだ複合導電性高分子層を形成し、次に脱イオン水
により流水洗浄を15分間行った後、105℃で5分間
乾燥した。複合導電性高分子層が所望の厚さになるま
で、浸漬−乾燥までの工程を3回繰り返した。なお、複
合導電性高分子層形成後、完成品となるまでの手段は実
施例1同様である。
【0027】(比較例1)コンデンサ素子表面への混合
体の付着する工程を除き、実施例1と同様の工程を経て
化成品としてなるものであるが、コンデンサ素子表面へ
混合体が付着されていないため、コンデンサ素子表面の
導電性高分子層構成は、混合体との複合化はされておら
ず、単なる導電性高分子層であり、この場合の重合回数
は61回である。
【0028】(比較例2)重合回数を15回とする点を
除き、比較例1と同様の工程を経て完成したものであ
る。
【0029】(比較例3)コンデンサ素子表面への混合
体の付着する工程を除き、実施例4と同様の工程を経て
完成品としてなるものであるが、コンデンサ素子表面へ
混合体を付着されていないため、コンデンサ素子表面の
導電性高分子層構成は、混合体との複合化はされておら
ず、単なる導電性高分子層であり、この場合の重合回数
は8回である。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、実施例1,2,
3,4のものは、いずれも漏れ電流及びESR特性に優
れ信頼性の高い固体電解コンデンサを得ることができる
のに対し、比較例1,2,3のものはESR特性は問題
ないものの、重合回数を比較例1のように61回行って
も漏れ電流特性が芳しくなく実用上好ましくないもので
あることが分かる。この差は実施例の場合、コンデンサ
素子表面に形成される導電性高分子層が、繊維と粒子か
らなる混合体を取り込んだ複合導電性高分子層で構成さ
れてその層厚を稼げるため、導電性高分子層の機械的強
度を高めることになり、外装樹脂工程での応力によって
も導電性高分子層を損傷することがないと言う結果に基
づくものである。また、比較例の中で、漏れ電流特性が
最もよい比較例1においても61回の重合回数を要し、
生産性の観点からも好ましくないのに対し、実施例のも
のは、重合回数を減らしても漏れ電流特性が優れてお
り、生産性向上に大きく貢献できるものであることが分
かる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、弁作
用金属からなるコンデンサ素子を構成する酸化皮膜の表
面に導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサ
において、導電性高分子層がポリチオフェン又はその誘
導体からなり、導電性高分子層がコンデンサ素子表面に
付着した繊維或いは粒子を取り込んで形成した複合導電
性高分子層とすることによって、導電性高分子層の層厚
を稼ぎ、重合回数を低減して生産性向上を可能とした漏
れ電流特性の良好な固体電解コンデンサを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体電解コンデンサの基本構造を示
す断面図である。
【符号の明明】
1 コンデンサ素子 2 複合導電性高分子層 3 繊維及び粒子の混合体 4 カーボン層 5 銀塗料層 6 陽極線 7 陽極引出端子 8 陰極引出端子 9 樹脂外装層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極となる弁作用金属からなり表面に誘
    電体酸化皮膜を形成してなるコンデンサ素子と、前記誘
    電体酸化皮膜の表面に形成した導電性高分子層からなる
    固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子層がポ
    リチオフェン又はその誘導体からなり、前記コンデンサ
    素子表面に形成される導電性高分子層が、コンデンサ素
    子表面に付着した繊維及び粒子の混合体を取り込んで形
    成した複合導電性高分子層で構成されたことを特徴とす
    る固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 混合体を構成する繊維がパルプ及び/又
    はガラスからなり、粒子が二酸化マンガンからなること
    を特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    繊維及び粒子を懸濁した溶液内にコンデンサ素子を浸漬
    −乾燥してこのコンデンサ素子表面に繊維及び粒子から
    なる混合体を付着させ、次にモノマー溶液に浸漬した
    後、酸化剤溶液に浸漬し化学酸化重合することを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の固体電解コンデンサの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    コンデンサ素子を、繊維及び粒子を分散させたモノマー
    溶液に浸漬してコンデンサ素子表面にモノマー溶液を付
    着させた後、酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合により
    コンデンサ素子表面に繊維及び粒子の混合体を取り込ん
    だ複合導電性高分子層を形成することを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    内部に予め導電性高分子層を形成したコンデンサ素子
    を、繊維及び粒子を分散させたモノマー溶液に浸漬して
    コンデンサ素子表面にモノマー溶液を付着させた後、酸
    化剤溶液に浸漬して化学酸化重合によりコンデンサ素子
    表面に繊維及び粒子の混合体を取り込んだ複合導電性高
    分子層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 複合導電性高分子層の形成手段として、
    内部に予め導電性高分子層を形成したコンデンサ素子
    を、モノマー溶液に浸漬してコンデンサ素子表面にモノ
    マー溶液を付着させた後、繊維及び粒子を分散させた酸
    化剤溶液に浸漬して化学酸化重合によりコンデンサ素子
    表面に繊維及び粒子の混合体を取り込んだ複合導電性高
    分子層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の固体電解コンデンサの製造方法。
JP11146706A 1999-05-26 1999-05-26 固体電解コンデンサ及びその製造方法 Pending JP2000340461A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002299172A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2006173593A (ja) * 2004-11-19 2006-06-29 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ及びその製造方法

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