JP3346346B2 - 固体電解質形成用重合液とその製造方法 - Google Patents

固体電解質形成用重合液とその製造方法

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JP3346346B2 JP22240699A JP22240699A JP3346346B2 JP 3346346 B2 JP3346346 B2 JP 3346346B2 JP 22240699 A JP22240699 A JP 22240699A JP 22240699 A JP22240699 A JP 22240699A JP 3346346 B2 JP3346346 B2 JP 3346346B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質形成用重
合液とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器のデジタル化に伴い、こ
れらに使用されるコンデンサも高周波領域においてイン
ピーダンスが低く、小形大容量化したものへの要求が高
まっている。従来、このような高周波領域用として使用
されるコンデンサとしては、プラスチックフィルムコン
デンサ、マイカコンデンサ、積層セラミックコンデンサ
などが用いられている。また、その他にアルミニウム乾
式電解コンデンサやアルミニウムまたはタンタル固体電
解コンデンサなどがあり、上記アルミニウム乾式電解コ
ンデンサでは、エッチングを施した陽・陰極アルミニウ
ム箔をセパレータを介して巻き取り、液体の電解質を用
いている。
【0003】また、アルミニウムやタンタル固体電解コ
ンデンサでは上記アルミニウム乾式電解コンデンサの特
性改良のため電解質の固体化がなされており、この固体
電解質形成には硝酸マンガン溶液に陽極体を浸漬し、こ
れを250〜350℃前後の高温炉中にて熱分解してマ
ンガン酸化物層を形成している。このコンデンサの場
合、電解質が固体のために高温における電解質の流出や
ドライアップによる容量低減、低温域での凝固から生じ
る機能低下などの欠点がなく、液状電解質と比べて良好
な周波数特性、温度特性を示すものである。
【0004】また、近年では固体電解質の高電導度化の
ためにピロール、チオフェンなどの重合性モノマーを重
合させて導電性高分子とし、これを固体電解質とする固
体電解コンデンサが実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記固体電解質に導電
性高分子を用いたコンデンサの固体電解質形成方法の1
つとして、弁作用金属の誘電体酸化皮膜の表面にマンガ
ン酸化物または導電性高分子等の導電性材料からなるプ
レコート層を形成した後、重合性モノマーを含む重合液
中で外部電極から給電を行って導電性高分子の固体電解
質を形成する電解重合があり、これによって比較的短時
間で安定的に特性の良い固体電解コンデンサを作製する
ことが可能である。また、固体電解コンデンサの生産に
おいては、電解重合の重合速度を上げて固体電解質の形
成に要する時間を低減することにより、さらに生産性を
向上させることが可能である。
【0006】しかしながら電解重合の重合速度を上げる
方法としては、重合温度を上げる、重合電圧を上げる等
の方法が考えられるが、重合温度を上げた場合には、重
合性モノマーの揮発が起こり易くなり、重合液組成が不
安定となる等の問題があり、また重合電圧を上げる場合
には、水を含む重合液中では、水の電気分解等の重合と
は異なる別の反応も起こり易くなるために重合効率が低
下し、また水の電気分解等で発生する気泡が付着するこ
とによるインピーダンス悪化現象などの問題が見られ、
コンデンサとして安定的に優れた製品特性を示し、かつ
電解重合速度を上げることは困難であった。
【0007】また、固体電解質の一部としてマンガン酸
化物を用いる場合においては、マンガン酸化物を形成す
る際に従来の熱分解方法では、その高温処理のために誘
電体酸化皮膜が損傷して漏れ電流が大きくなる現象が見
られ、さらに固体電解質の一部として形成されるマンガ
ン酸化物は電極体内部まで被覆されにくいため、容量引
き出し率が低いものとなってしまい、インピーダンス特
性も悪くなるという問題があった。
【0008】本発明は従来のこのような課題を解決し、
性能向上と電解重合時間の低減を同時に実現することが
できる固体電解質形成用重合液とその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、重合性モノマーとアニオン系界面活性剤と
pH調整剤とを少なくとも含み、水を主溶媒とするpH
が5以下固体電解質形成用重合液であって、上記アニ
オン系界面活性剤がアルキル基および芳香族環を有し、
かつ分子量が180以上である材料から選ばれ、固体電
解質中に選択的にドーパントとして取り込まれるもので
ある固体電解質形成用重合液を用い、この重合液中で電
解重合を行うことにより固体電解質を形成するようにし
たものである。
【0010】この本発明により、耐脱ドープ性に優れる
アニオン系界面活性剤を固体電解質中にドーパントとし
て選択的に取り込ませることによって重合速度が向上
し、かつ初期および高温高湿中にコンデンサを放置する
ような条件下でもインピーダンス特性の優れた固体電解
コンデンサを作製することが可能となる。これは、水を
含む固体電解質形成用重合液中に界面活性剤が存在する
ことにより、界面活性剤が重合性モノマーを取り込んだ
ミセル構造をとると考えた場合、界面活性剤としてアニ
オン系材料を用いて重合膜を形成する陽極側に引き寄せ
易くすることによって重合速度向上効果があり、また重
合性モノマーと近傍に存在するアニオン系界面活性剤が
重合膜中にドーパントとして取り込まれ易くなるために
インピーダンス特性の優れた固体電解コンデンサが得ら
れるものと考えられる。
【0011】また、重合液中にアニオン系界面活性剤が
2種類以上存在する場合は、重合性モノマーとなじみや
すい材料が選択的に取り込まれると考えられるため、よ
り取り込まれ易い材料にアルキル基および芳香族環を持
ち、分子量が180以上の材料を用いることにより、イ
ンピーダンス特性の優れた固体電解コンデンサを得るこ
とができる。また、pH調整剤がアニオン系界面活性剤
である場合も考えられるが、上記理由と同様でより取り
込まれ易い材料にアルキル基および芳香族環を持ち、分
子量が180以上の材料を用いることにより、インピー
ダンス特性の優れた固体電解コンデンサを得ることがで
きる。
【0012】また、pH調整剤としてアルキルリン酸エ
ステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸等の
アルキル基または芳香族環を有する酸を用いることによ
り、リン酸や硫酸等の酸を用いた場合と比較して、弁作
用金属の誘電体酸化皮膜に対する化学的ストレスを少な
くする等の効果があり、優れた漏れ電流特性、インピー
ダンス特性を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、重合性モノマーとアニオン系界面活性剤とpH調整
とを少なくとも含み、水を主溶媒とするpHが5以下
固体電解質形成用重合液であって、上記アニオン系界
面活性剤がアルキル基および芳香族環を有し、かつ分子
量が180以上である材料から選ばれ、固体電解質中に
選択的に ドーパントとして取り込まれるものである固体
電解質形成用重合液というもので、重合液pHを5以下
にすることにより重合反応の速度を向上させ、さらに水
を含む固体電解質形成用重合液中にアニオン系界面活性
剤を添加することにより重合およびドーピングを迅速に
行うことが可能となり、コンデンサとして優れたインピ
ーダンス特性を示し、かつ従来よりも固体電解質形成に
要する時間を低減することが可能であるという作用を有
する。
【0014】また、アニオン系界面活性剤がドーパント
として選択的に取り込まれることにより、高温高湿中に
コンデンサを放置するような条件下でも、耐脱ドープ性
に優れ、インピーダンス劣化の少ない固体電解コンデン
を得ることができる。
【0015】請求項に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、重合性モノマーがピロール、チオフェ
ン、アニリンあるいはそれらの誘導体の少なくとも一つ
から選ばれるものであり、これらにより高い導電性が得
られ、高周波領域でのインピーダンス特性の優れた固体
電解コンデンサが得られるという作用を有する。
【0016】請求項に記載の発明は、請求項1または
に記載の発明において、pH調整剤がアルキル基また
は芳香族環を有する酸材料の少なくとも一つから選ばれ
るものであり、リン酸、硫酸等を用いた場合と比較して
漏れ電流特性、インピーダンス特性の優れた固体電解コ
ンデンサが得られるという作用を有する。
【0017】請求項に記載の発明は、重合性モノマー
とアルキル基または芳香族環を有した分子量が180以
上のアニオン系界面活性剤をあらかじめ混合し、この混
合物に主溶媒である水を加えて溶液とし、この溶液にp
H5以下になるようにpH調整剤を添加することにより
上記アニオン系界面活性剤が固体電解質中に選択的にド
ーパントとして取り込まれるようにした固体電解質形成
用重合液の製造方法というものであり、重合性モノマー
とアニオン系界面活性剤をあらかじめ混合することによ
り、よりなじみやすくなるという効果を示し、これによ
って重合速度向上効果およびアニオン系界面活性剤が重
合膜中にドーピングされ易くなり、インピーダンス特性
の優れた固体電解コンデンサが得られるという作用を有
する。
【0018】また、ドーパントとしてアルキル基および
芳香族環を有し分子量180以上であるアニオン系界面
活性剤が取り込まれることにより、高温高湿中にコンデ
ンサを放置するような条件下でも耐脱ドープ性に優れ、
インピーダンス劣化の少ない固体電解コンデンサを得る
ことができる。
【0019】さらに、重合液のpHを5以下にすること
により、重合反応速度の向上を図ることができる。
【0020】以下に本発明の具体的な実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0021】(実施の形態1) (実施例1) 図1は本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの
構成を示す断面図であり、まず陽極としてリードをつけ
た3mm×4mmのアルミニウムエッチド箔1を使用し
た。これに3%アジピン酸アンモニウム水溶液を用いて
印加電圧12V、水溶液温度70℃で60分間陽極酸化
を行うことにより、アルミニウムエッチド箔1の表面に
誘電体酸化皮膜2を形成した。その後、硝酸マンガン3
0%水溶液に浸漬して自然乾燥させた後、300℃で1
0分間熱分解処理を行うことによって、固体電解質層3
の一部となるマンガン酸化物層を形成した。
【0022】次に、ピロールモノマー0.5mol/L
とプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム0.1mo
l/Lをあらかじめ混合した後に溶媒である水とpH調
整剤としてのプロピルリン酸エステルを添加してpHを
2に調整した固体電解質形成用重合液を作製し、この重
合液中で重合開始用電極を素子表面に近接させ、液温度
30℃,重合電圧3Vで電解重合を行って固体電解質層
3を形成した。その後、陰極引き出し層としてコロイダ
ルカーボン懸濁液を塗布、乾燥することによって得られ
るカーボン層4、および銀ペーストを塗布乾燥すること
によって得られる銀層5を形成し、カーボン層4と銀層
5を併せて陰極引き出し部とした。その後、エポキシ樹
脂により外装して10個の固体電解コンデンサを完成さ
せた。この固体電解コンデンサの定格は6.3V 10
μFである。
【0023】(実施例2) pH調整剤であるプロピルリン酸エステルの添加量を変
えることにより、固体電解質形成用重合液のpHを0.
5に調整した以外は実施例1と同様に固体電解コンデン
サ10個を作製した。
【0024】(実施例3) pH調整剤であるプロピルリン酸エステルの添加量を変
えることにより、固体電解質形成用重合液のpHを5に
調整した以外は実施例1と同様に固体電解コンデンサ1
0個を作製した。
【0025】(実施例4) 実施例1のプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとした以外は実
施例1と同様に固体電解コンデンサ10個を作製した。
【0026】(実施例5) 実施例1のプロピルリン酸エステルをブチルエーテルリ
ン酸エステルとした以外は実施例1と同様に、重合液の
pHを2に調整して固体電解コンデンサ10個を作製し
た。
【0027】(実施例6) 実施例1のpH調整剤であるプロピルリン酸エステルを
プロピルスルホン酸とし、さらにプロピルスルホン酸の
添加量を変えることにより重合液のpHを2に調整した
以外は実施例1と同様に固体電解コンデンサ10個を作
製した。
【0028】(実施例7) 実施例1のpH調整剤であるプロピルリン酸エステルを
ナフタレンスルホン酸とし、さらにナフタレンスルホン
酸の添加量を変えることにより重合液のpHを2に調整
した以外は実施例1と同様に固体電解コンデンサ10個
を作製した。
【0029】(実施例8) 実施例1の電解重合時の重合電圧を3Vから2Vに変更
した以外は実施例1と同様に固体電解コンデンサ10個
を作製した。
【0030】(実施例9) 実施例1と同様の方法で陽極となるアルミニウムエッチ
ド箔1の外表面に誘電体酸化皮膜2を形成した後、硝酸
マンガン30%水溶液に浸漬して自然乾燥させた後、3
00℃で10分間熱分解処理を行うことによって、固体
電解質層3の一部となるマンガン酸化物層を形成した。
この後、溶媒である水にピロールモノマー0.5mol
/Lとプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム0.1
mol/Lを個々に混ぜた後pH調整剤としてのプロピ
ルリン酸エステルを添加してpHを2に調整した固体電
解質形成用重合液を作製し、この重合液中で重合開始用
電極を素子表面に近接させ、液温度30℃,重合電圧3
Vで電解重合を行って固体電解質層3を形成した。その
後、実施例1と同様の方法でカーボン層4と銀層5から
なる陰極引き出し部を形成してから外装を施し、10個
の固体電解コンデンサを完成させた。
【0031】(比較例1) 実施例1と同様の方法で陽極となるアルミニウムエッチ
ド箔1の外表面に誘電体酸化皮膜2を形成した後、硝酸
マンガン30%水溶液に浸漬して自然乾燥させた後、3
00℃で10分間熱分解処理を行うことによって固体電
解質層3の一部となるマンガン酸化物層を形成した。こ
の後、ピロールモノマー0.5mol/Lとプロピルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム0.1mol/Lをあら
かじめ混合した後溶媒である水を添加して作製した重合
液中で重合開始用電極を素子表面に近接させ、液温度3
0℃,重合電圧3Vで電解重合を行って固体電解質層3
を形成した。この場合の重合液pHは6.2であった。
その後実施例1と同様の方法でカーボン層4と銀層5か
らなる陰極引き出し部を形成してから外装を施し、10
個の固体電解コンデンサを完成させた。
【0032】(比較例2) 実施例1と同様の方法で陽極となるアルミニウムエッチ
ド箔1の外表面に誘電体酸化皮膜2を形成した後、硝酸
マンガン30%水溶液に浸漬して自然乾燥させた後、3
00℃で10分間熱分解処理を行うことによって固体電
解質層3の一部となるマンガン酸化物層を形成した。こ
の後、ピロールモノマー0.5mol/Lとプロピルス
ルホン酸カリウム0.1mol/Lをあらかじめ混合し
た後溶媒である水を添加して作製した重合液中で重合開
始用電極を素子表面に近接させ、液温度30℃,重合電
圧3Vで電解重合を行って固体電解質層3を形成した。
この場合の重合液のpHは5.8であった。その後実施
例1と同様の方法でカーボン層4と銀層5からなる陰極
引き出し部を形成してから外装を施し、10個の固体電
解コンデンサを完成させた。
【0033】(比較例3) 実施例1と同様の方法で陽極となるアルミニウムエッチ
ド箔1の外表面に誘電体酸化皮膜2を形成した後、硝酸
マンガン30%水溶液に浸漬して自然乾燥させた後、3
00℃で10分間熱分解処理を行うことによって固体電
解質層3の一部となるマンガン酸化物層を形成した。こ
の後、ピロールモノマー0.5mol/Lとプロピルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム0.1mol/Lをあら
かじめ混合した後に溶媒であるプロピレンカーボナート
とpH調整剤としてのプロピルリン酸エステルを添加し
てpHを2に調整した固体電解質形成用重合液を作製
し、この重合液中で重合開始用電極を素子表面に近接さ
せ、液温度30℃,重合電圧3Vで電解重合を行って固
体電解質層3を形成した。その後、実施例1と同様の方
法でカーボン層4と銀層5からなる陰極引き出し部を形
成してから外装を施し、10個の固体電解コンデンサを
完成させた。
【0034】(比較例4) 実施例1と同様の方法で陽極となるアルミニウムエッチ
ド箔1の外表面に誘電体酸化皮膜2を形成した後、硝酸
マンガン30%水溶液に浸漬して自然乾燥させた後、3
00℃で10分間熱分解処理を行うことによって固体電
解質層3の一部となるマンガン酸化物層を形成した。次
に、ピロールモノマー0.5mol/Lとプロピルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム0.1mol/Lをあらか
じめ混合した後に溶媒である水とpH調整剤としてのリ
ン酸を添加してpHを2に調整した固体電解質形成用重
合液を作製し、この重合液中で重合開始用電極を素子表
面に近接させ、液温度30℃,重合電圧3Vで電解重合
を行って固体電解質層3を形成した。その後、実施例1
と同様の方法でカーボン層4と銀層5からなる陰極引き
出し部を形成してから外装を施し、10個の固体電解コ
ンデンサを完成させた。
【0035】上記実施の形態1の実施例1〜9、および
比較例1〜4により作製した固体電解コンデンサのエー
ジングを行い、その後固体電解コンデンサの初期特性を
測定した。また、この固体電解コンデンサを85℃85
%中で1000時間放置した後の特性を測定した。これ
らの結果の平均値および実施の形態1において実施例1
〜9、比較例1〜4の条件で電解重合を行った場合の素
子全体が導電性高分子に覆われるまでに要した時間を
(表1)に示す。
【0036】また、実施の形態1において実施例1〜
3,5および比較例1〜3により作製した固体電解コン
デンサの電解重合膜中のドーパントの取り込まれ量を、
重合膜中のS,P量の分析結果から推定した。比較例1
の重合膜中にプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
の取り込まれた量を1とした場合のmol比率を以下に
示す。実施例1ではプロピルナフタレンスルホン酸ナト
リウム1.21、プロピルリン酸エステル0.02、ま
た実施例2ではプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム1.17、プロピルリン酸エステル0.03、実施例
3ではプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム1.1
9、プロピルリン酸エステル0.02、実施例5ではプ
ロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム1.16、ブト
キシエチルリン酸エステル0.07、または比較例2で
はプロピルスルホン酸カリウム0.64、比較例3では
プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム0.38、プ
ロピルリン酸エステル0.32であった。
【0037】
【表1】
【0038】(表1)より、実施例1〜9と比較例1,
2の比較により、pHを5以下にすることにより電解重
合に要する時間を大きく短縮できることが分かる。ま
た、実施例1〜9、比較例1と比較例2の比較により、
電解質としてアニオン系界面活性剤を入れることにより
重合時間を短縮でき、さらに優れたインピーダンス特性
を示すことが分かる。この優れたインピーダンス特性
は、アニオン系界面活性剤を用いることにより重合膜中
へのドーパントとしての取り込まれ量が増加したためと
考えられる。また、実施例1と比較例3の比較により水
を含む重合液中で電解重合を行うことにより重合時間を
短縮でき、初期および85℃85%1000時間放置後
のインピーダンス特性が優れていることが分かる。この
優れたインピーダンス特性は重合液中に水を含むことに
より、耐脱ドープ性に優れたアニオン系界面活性剤であ
るプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムが選択的に
重合膜中に取り込まれたため得られたものと考えられ
る。
【0039】また、実施例1〜9と比較例4の比較によ
り、pH調整剤としてアルキル基または芳香族環を有す
る酸材料を用いることにより、初期および85℃85%
1000時間放置後の漏れ電流特性が優れていることが
分かる。また、実施例8と比較例1の比較により、重合
電圧を下げた場合でも従来に比べ重合に要する時間の短
縮が可能であることが分かり、さらに重合電圧を低減す
ることにより、電解重合時の水の電気分解等の副反応を
低減して重合効率を上げることが可能となり、優れたイ
ンピーダンス特性を得ることができる。
【0040】また、実施例1と実施例9との比較によ
り、固体電解質形成用重合液の製造を行う場合、重合性
モノマーとアニオン系界面活性剤をあらかじめ混合した
後に溶媒、添加剤を添加することによって、重合時間を
短縮することができ、さらに優れたインピーダンス特性
を示すことが分かる。
【0041】なお、上記実施の形態1では、陽極として
弁作用金属のアルミニウムを使用した固体電解コンデン
サについてのみ述べたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、外表面に誘電体酸化皮膜を有する弁作用金
属であるタンタル、ニオブ、チタン等の他の物質でも同
様の効果が得られることは言うまでもない。
【0042】また、上記実施の形態1では導電性高分子
を構成する重合性モノマーとしてピロールを使用した場
合についてのみ述べたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、導電性高分子を構成するモノマーとしてチ
オフェン、アニリンあるいはその誘導体等の他の物質で
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0043】また、上記実施の形態1では、固体電解質
層の一部であるプレコート層としてマンガン酸化物を用
いた場合についてのみ述べたが、これに限定されるもの
ではなく、導電性高分子等の他の導電性材料をプレコー
トとして用いた場合においても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、重合性モノマー
とアニオン系界面活性剤とpH調整剤とを少なくとも含
み、水を主溶媒とするpHが5以下固体電解質形成用
重合液であって、上記アニオン系界面活性剤がアルキル
基および芳香族環を有し、かつ分子量が180以上であ
る材料から選ばれ、固体電解質中に選択的にドーパント
として取り込まれるものである固体電解質形成用重合液
を用いて電解重合を行うことにより、コンデンサとして
優れたインピーダンス、漏れ電流等の特性を維持しかつ
電解重合時間の短縮を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による固体電解コン
デンサの構成を示す断面図
【符号の説明】
1 アルミニウムエッチド箔 2 誘電体酸化皮膜 3 固体電解質層 4 カーボン層 5 銀層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−202172(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/12 C08G 73/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性モノマーとアニオン系界面活性剤
    とpH調整剤とを少なくとも含み、水を主溶媒とする
    Hが5以下固体電解質形成用重合液であって、上記ア
    ニオン系界面活性剤がアルキル基および芳香族環を有
    し、かつ分子量が180以上である材料から選ばれ、固
    体電解質中に選択的にドーパントとして取り込まれるも
    のである固体電解質形成用重合液。
  2. 【請求項2】 重合性モノマーがピロール、チオフェ
    ン、アニリンあるいはそれらの誘導体の少なくとも一つ
    から選ばれるものである請求項1に記載の固体電解質形
    成用重合液。
  3. 【請求項3】 pH調整剤がアルキル基または芳香族環
    を有する酸材料の少なくとも一つから選ばれるものであ
    る請求項1または2に記載の固体電解質形成用重合液。
  4. 【請求項4】 重合性モノマーとアルキル基または芳香
    族環を有した分子量が180以上のアニオン系界面活性
    剤をあらかじめ混合し、この混合物に主溶媒である水と
    pH調整剤を添加することにより、上記アニオン系界面
    活性剤が固体電解質中に選択的にドーパントとして取り
    込まれるようにした固体電解質形成用重合液の製造方
    法。
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