JP2001193622A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2001193622A JP2000043681A JP2000043681A JP2001193622A JP 2001193622 A JP2001193622 A JP 2001193622A JP 2000043681 A JP2000043681 A JP 2000043681A JP 2000043681 A JP2000043681 A JP 2000043681A JP 2001193622 A JP2001193622 A JP 2001193622A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一次電流の通電時間を制御することなく点火
プラグに供給する火花エネルギを必要最小限に抑え、ま
た、多重放電の要因となる過剰な火花エネルギの供給を
抑えて点火プラグの長寿命を実現する内燃機関用点火装
置を提供する。 【解決手段】 内燃機関用点火装置1は、点火プラグ1
3の電極間に火花放電を発生させた後、内燃機関の運転
状態に基づき算出された火花放電継続時間Ttが経過し
た時点で、火花放電遮断回路21によって点火コイル1
5の一次コイルL1に再通電することで火花放電を強制
的に遮断する。そして、火花放電継続時間Ttは、混合
気の着火性が良好が運転条件になるほど短くなるよう
に、また、多重放電が発生しないように予め設定された
マップや計算式により算出される。これにより、点火プ
ラグ13に供給される火花エネルギが過剰になるのを抑
制すると共に多重放電の発生を抑えることができ、点火
プラグ13の電極消耗を抑えて点火プラグ13の寿命を
延ばすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火プラグに点火
用高電圧を印加して、点火プラグを火花放電させる内燃
機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関において、混合気の正常な燃焼
を得るために必要な火花エネルギの大きさは、内燃機関
の運転状態によって異なることが知られている。ここ
で、火花エネルギは、火花放電で流れる放電電流(二次
電流)の大きさおよび火花放電の継続時間にて表すこと
ができる。
【0003】例えば、アイドリング運転等の低回転低負
荷時では、燃焼室への混合気の充填量は少なく、混合気
の乱流(スワール流やタンブル流)の流速も遅いため、
混合気の燃焼は非常に緩慢に進む。従って、低回転低負
荷時に安定した燃焼を得るためには、火花エネルギを大
きくして、火炎核の成長を助け、混合気の燃焼を助ける
必要がある。一方、高回転高負荷時では、燃焼室への混
合気の充填量は多く、かつ混合気密度が高いことから、
燃焼は早く進むため、比較的小さい火花エネルギで充分
である。
【0004】このため、従来の内燃機関用点火装置で
は、火花エネルギが不足することのないよう、内燃機関
の様々な運転状態の中で必要とされる最大の火花放電継
続時間を設定して、最大の火花エネルギを供給できるよ
うにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の内燃機
関点火装置では、必要最大の火花エネルギより少ない火
花エネルギで運転可能な状態では、火花エネルギの供給
が過剰になる。このことは、混合気への着火性に良好な
影響をもたらすことがなく、点火プラグの電極消耗を早
めてしまう。
【0006】また別の問題として、内燃機関では高回転
高負荷となる運転条件下ほど、混合気の乱流の流速が強
く(速く)なるがゆえ、火花エネルギが低下する火花放
電の後半時に、火花が流速下流に流されてやがて火花放
電が吹き消え、再度発生するといった繰り返し現象(所
謂、多重放電)を引き起こすことがある。ここで、この
多重放電について、図5を用いて詳細に説明する。図5
(a)には、絶縁体13cの軸孔(図示しない)に挿設
されると共に、その絶縁体13cの前端面から突出して
なる中心電極13aと、その中心電極13aと対向する
ように備えられた接地電極13bとによりなる点火プラ
グ13が示され、この中心電極13aと接地電極13b
との間に形成されるプラグギャップGにおいて火花放電
が発生する。
【0007】ところで、通常、点火プラグにおける火花
放電の発生直後にあっては、100[A]程度の非常に
大きな二次電流(所謂、容量成分)が電極間に極短時間
流れる。そして、その容量成分の後であって、火花放電
期間中の前半時には、40〜100[mA]程度の二次
電流(所謂、誘導成分)が流れる。この誘導成分は火花
放電の経過と共に徐々に低下していき、点火コイルの二
次巻線に残留する電磁エネルギが火花放電を継続できな
い程度に低下した時に、火花放電が自然に終了して0
[A]となる。
【0008】従って、火花放電の発生直後から火花放電
の前半時にかけては、点火プラグの電極間に流れる二次
電流が比較的大きい(火花エネルギが大きい)が、火花
放電の後半時には、二次電流が徐々に小さくなってくる
のである。そのために、混合気の乱流の流速が強いと、
火花放電の後半時には、図5(a)に模式的に示すよう
に火花放電が流され、火花放電が途切れてしまうのであ
る。そして、この火花放電が途切れた時点において、点
火コイルの二次巻線に残留する電磁エネルギによりプラ
グギャップGの二次電圧が再度上昇し、当該二次電圧が
放電電圧に達すると火花放電が再度発生するのである。
尚、図5(b)に多重放電時の点火プラグの電極間にお
ける二次電流の波形を示しており、縦軸を二次電流値、
横軸を時間として波形を表している。この図5(b)に
よれば、二次電流の乱れが火花放電の後半時にみられ、
多重放電が発生していることがわかる。
【0009】 このような現象下にあっては、火花放電が
流速に下流に集中し、容量放電の繰り返し(多重放電)
で電極温度が急激に上昇することとなり、電極材料の溶
融やスパッタリングが促進され、特に流速下流側の電極
ばかりが消耗する所謂偏消耗が発生し、点火プラグの寿
命を無駄に縮めてしまうことにつながってしまう。
【0010】一方、近年、内燃機関用点火装置では、点
火プラグに点火用高電圧を印加するために点火コイルの
一次巻線への通電・非通電(遮断)を切り換える手段と
して、パワートランジスタ等の半導体素子からなるスイ
ッチング素子を使用する、所謂フルトランジスタ型の点
火装置が一般的になっている。そして、こうしたフルト
ランジスタ型の点火装置によれば、点火コイルにエネル
ギを蓄積するための火花放電前における点火コイルの一
次巻線への通電時間を、スイッチング素子の駆動時間
(オン時間)を調整することにより、容易に制御でき
る。このため、この種の内燃機関用点火装置では、内燃
機関の運転状態に応じて、点火コイルの一次巻線への通
電時間を制御することにより、火花エネルギを混合気の
燃焼に必要な量に制御できることになる。
【0011】しかし、火花放電前の点火コイルの一次巻
線への通電時間を制御するようにした場合、通電時間を
短くすると、通電により点火コイルに蓄積されるエネル
ギが小さくなるので、通電遮断によって二次巻線に発生
する点火用高電圧も低くなってしまう。この結果、例え
ば、内燃機関の高回転高負荷時に火花エネルギを小さく
すべく、一次巻線への通電時間を短く制御すると、点火
コイルの一次巻線への通電・遮断により二次巻線に発生
する点火用高電圧が低くなってしまい、点火プラグへの
点火に必要な要求電圧が高くなる高回転高負荷時といっ
た運転条件下に見合った点火用高電圧が得られずに、失
火を招く虞がある。
【0012】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、内燃機関用点火装置において、火花放電前の
点火コイルの一次巻線への通電時間を制御することな
く、火花エネルギを必要最小限に抑え、さらに多重放電
の発生を抑えることにより、点火プラグの寿命を長くす
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の発明は、二次巻線が内燃機
関に装着された点火プラグと共に閉ループを形成する点
火コイルと、点火コイルの一次巻線に流れる一次電流を
通電・遮断することにより、二次巻線に点火用高電圧を
発生させ前記点火プラグの電極間に火花放電を発生させ
る火花放電発生手段と、内燃機関の運転状態に基づき、
点火プラグの火花放電によって混合気を燃焼させるのに
要する火花放電継続時間を算出する火花放電継続時間算
出手段と、その火花放電継続時間算出手段にて算出され
た火花放電継続時間に応じて、点火プラグの火花放電を
強制的に遮断する火花放電遮断手段と、火花放電発生手
段による火花放電の発生から火花放電継続時間が経過し
た時期に、上記火花放電遮断手段を動作させる火花放電
遮断手段を動作させる火花放電遮断時期制御手段と、を
備えたことを特徴とする。
【0014】このように構成された本発明の内燃機関用
点火装置においては、火花放電発生手段が点火プラグの
電極間に火花放電を発生させてから、火花放電継続時間
算出手段により算出された火花放電継続時間が経過した
時期に、火花放電遮断時期制御手段が火花放電遮断手段
を動作させることにより、火花放電を強制的に遮断する
ことが注目すべき点である。つまり、本発明は、一次巻
線への通電時間を内燃機関の運転状態に基づいて制御す
るのではなく、火花放電を強制的に遮断することで火花
放電継続時間を制御するものであって、一次巻線への通
電時間を充分長くすることができると共に、点火プラグ
に不必要に火花エネルギが供給されるのを防止すること
ができる。
【0015】そして、火花放電継続時間算出手段が、内
燃機関の運転状態に応じて火花放電継続時間を算出する
ことから、点火プラグに供給される火花エネルギを運転
状態に適した大きさに制御することができる。このた
め、過剰な火花エネルギが供給されるのを抑えることが
できると共に、多重放電の発生を抑え、点火プラグの電
極が無駄に消耗されてしまうのを防ぐことができる。
【0016】即ち、本発明(請求項1)によれば、あら
ゆる内燃機関の運転状態においても、高い点火用高電圧
を確保した状態で混合気への着火を行うことで内燃機関
を安定して運転することができるとともに、火花エネル
ギが過剰とならないよう内燃機関の運転状態に基づいて
火花放電継続時間を最適に制御することで、点火プラグ
の無駄な電極消耗を抑えることができる。
【0017】尚、一般的なフルトランジスタ型の点火装
置において、点火プラグにおける火花放電を強制的に遮
断するには、例えば、火花放電遮断手段を火花放電継続
時間が経過したタイミングで点火コイルの一次巻線への
通電を再開できるように構成し、その火花放電遮断手段
を火花放電遮断時期制御手段により動作させることで、
点火プラグの火花放電を強制的に遮断するように構成す
るとよい。
【0018】つまり、火花放電を発生するための点火用
高電圧は、点火コイルの一次巻線への通電電流を遮断し
て急激に磁束の変化を起こすことで二次巻線に誘導され
ているが、火花放電中に再度一次巻線に電流を流すと磁
束の変化方向が反対になり、火花放電時とは逆極性の電
圧が二次巻線に発生することになる。そして、点火コイ
ルは、火花放電前における一次巻線への通電開始時に火
花放電が発生しないように、二次巻線に火花放電時とは
逆極性の電圧が発生しても、二次巻線に電流が流れない
ように構成されている。このため、火花放電中に一次巻
線に電流を流すと、火花放電時とは逆極性の電圧が二次
巻線に発生して、二次巻線に電流を流すことができなく
なり、火花放電を強制的に遮断することができる。
【0019】そして、一次電流を再通電するには、例え
ば、一般的なフルトランジスタ型の点火装置において点
火コイルの一次巻線への通電・非通電(遮断)を切り換
えるために設けられているパワートランジスタ等の半導
体素子からなるスイッチング素子を駆動(オン)するこ
とで実現できる。また、フルトランジスタ型の点火装置
に限らず、点火装置には、点火コイルの一次巻線への通
電・非通電を切り換えるために電気式或いは機械式等の
スイッチング手段が設けられることから、こうしたスイ
ッチング手段を導通させるようにすればよい。あるい
は、当該スイッチング手段に並列にスイッチング手段を
設け、これを導通させるようにしても良い。さらに、一
次巻線の両端をスイッチング素子などで短絡することに
より、点火コイルに残されている磁束によって、一次巻
線とその一次巻線の両端に接続されたスイッチング素子
とで形成される閉ループに電流を流し、火花放電時に二
次巻線に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧を
二次巻線に誘導させて、火花放電を強制的に遮断しても
よい。
【0020】そして、本発明(請求項1)は、例えば、
リーンバーンエンジン等で行われる、空燃比20以上の
希薄空燃比で燃焼する内燃機関に適用する場合に有効と
なる。一般に、希薄空燃比で燃焼する内燃機関にあって
は、希薄な燃料を火花放電時前までに均一に拡散させた
混合気としなければ着火性が安定して得られないため、
混合気の乱流の流速を強くしている。そのために、火花
エネルギが低下する火花放電の後半時において、多重放
電が発生し易く、点火プラグの電極消耗(偏消耗)が促
進され易い。その一方で、この希薄空燃比で燃焼する内
燃機関にあっても、高回転高負荷時といった運転条件下
では火花エネルギは小さくても混合気への着火性は良好
となる。そのことから、本発明(請求項1)の内燃機関
用点火装置を上記機関に適用して、その運転状態により
火花放電継続時間を短く算出し、火花放電の後半時に発
生し易い多重放電の発生前に火花放電を遮断すること
で、良好な着火性の確保と多重放電の発生を抑制するこ
とが期待できる。
【0021】さらに、本発明の内燃機関用点火装置は、
請求項2のように、燃料として気体燃料を用いるガスエ
ンジンで使用することでより効果を発揮することにな
る。
【0022】気体燃料は、液体燃料であるガソリン等に
比べて絶縁性が高いため、相対的に火花放電電圧が高く
なる。従って、気体燃料を用いるガスエンジン向けの点
火コイルとしての最大二次電圧発生能力は、ガソリンエ
ンジン向けのそれよりも高く設定しておく必要がある
(例えば、ガソリンエンジン向けの点火コイルとしての
最大二次電圧が30〔kV〕以上とすれば、ガスエンジ
ン向けのそれは〔40kV〕以上に設定)。そこで、点
火コイルの設計としては、一次巻線と二次巻線との一次
/二次の巻き数比および巻き数を増やすこと、或いは遮
断するための一次電流値を上げることが必要になる。
【0023】しかしながら、前述のように点火コイルを
設計することで、最大二次電圧発生能力は上昇するが、
同時に火花エネルギも増加してしまう問題がある。この
ことは、火花放電継続時間と最大二次電流の相反する関
係が関わっており、火花放電継続時間を短くするように
設計する(点火コイルの設計としては、一次/二次の巻
き数比を少なくする)と、二次電流のピーク値が大きく
なってしまい、エネルギ密度が上昇することにより点火
プラグの電極の消耗が促進されてしまう。また、二次電
流値を少なくするように設計する(点火コイルの設計と
しては、一次/二次の巻き数を多くする)と、二次電流
のピーク値は下がる代わりに火花放電継続時間が長くな
ってしまい、これまた点火プラグの電極の消耗に影響を
及ぼしてしまう。即ち、ガスエンジンではガソリンエン
ジンに比べ、点火プラグへの不要な火花エネルギの供給
量が多くなることが考えられ、点火プラグの寿命をより
短くしてしまう虞がある。
【0024】そこで上述した気体燃料を用いるガスエン
ジンに対して、請求項1の内燃機関用点火装置を適用す
れば、火花エネルギの過剰な供給を防ぐことができ、点
火プラグの寿命を延ばすといった効果がより発揮される
ことになる。
【0025】さらに、本発明の内燃機関用点火装置は、
ガスエンジンの中でも定置型ガスエンジンに適用する場
合に有効となる。定置型ガスエンジンでは、燃費が性能
上重要なファクターであることから、低燃費化のためリ
ーン化が促進されている。このため、定置型ガスエンジ
ンでは、希薄空燃比での燃焼を効率良く行うべく、混合
気の乱流の流速を強くしなければならず、点火プラグの
電極間にて上述した多重放電が発生し易い。そこで、本
発明の内燃機関用点火装置を定置型ガスエンジンに適用
することで、多重放電の発生を抑制して点火プラグの電
極消耗を抑えることができる。
【0026】ところで、火花放電継続時間を算出する火
花放電継続時間算出手段としては、請求項3に記載のよ
うに、内燃機関にて混合気への着火性が良好となる運転
状態ほど、火花放電継続時間が短くなるよう算出すると
よい。
【0027】つまり、混合気への着火性が良好な運転条
件下では、混合気の燃焼に必要となる火花エネルギが少
なくても十分に混合気を燃焼させることができるため、
内燃機関の運転状態に基づいて火花放電継続時間を火花
放電継続時間算出手段にて短く算出し、点火プラグに供
給される火花エネルギの過剰な供給を抑制するのであ
る。これにより、混合気への着火性が良好な運転状態と
なるほど、点火プラグに供給される火花エネルギが抑制
されるため、点火プラグへの過剰な火花エネルギの供給
を抑えることができると共に、多重放電の発生を抑える
ことができ、点火プラグの電極が無駄に消耗されてしま
うのを防ぐことができる。
【0028】但し、算出される火花放電継続時間が短く
なりすぎると、十分に混合気を燃焼させることが出来な
くなる虞があるため、運転状態に応じて、少なくとも混
合気を燃焼させるのに必要な火花エネルギを点火プラグ
に供給するように、火花放電継続時間を設定する必要が
ある。
【0029】また、請求項3に記載の火花放電継続時間
算出手段は、混合気への着火性が良好な運転状態となる
ほど短い火花放電継続時間を算出することから、反対
に、混合気の着火性が劣る運転状態となるほど、火花放
電継続時間が長くなるよう火花放電継続時間を算出する
ことになる。このため、混合気の着火性の劣る運転状態
になるほど火花エネルギが増大するため、十分な火花エ
ネルギによる火花放電を発生でき、混合気を確実に燃焼
させることが可能になる。
【0030】また、例えば、内燃機関が高回転で運転さ
れているときには、混合気の乱流の流速が速くなり混合
気がより均質に撹拌されるため、着火性が良好となる。
そこで、火花放電継続時間算出手段としては、請求項4
に記載のように、内燃機関にてエンジン回転数が上昇す
るほど、火花放電継続時間が短くなるよう算出するとよ
い。
【0031】つまり、混合気の着火性が良好となる高回
転運転時になるに従い、火花放電継続時間を火花放電継
続時間算出手段にて短く算出することで、点火プラグに
供給される火花エネルギの過剰な供給を抑制するのであ
る。そして、混合気を燃焼するのに必要十分な火花エネ
ルギを点火プラグに供給するように、火花放電継続時間
を設定するのである。
【0032】これにより、高回転運転時であるために混
合気への着火性が良好であるにも拘らず、火花放電継続
時間が必要以上に長いために点火プラグへ過剰な火花エ
ネルギが供給されてしまうのを防ぐことができる。
【0033】さらに、高負荷運転時も混合気への着火性
が良好な運転条件であるため、請求項5に記載のよう
に、火花放電継続時間算出手段は、内燃機関にてエンジ
ン負荷が上昇するほど、火花放電継続時間が短くなるよ
う算出するとよい。すなわち、エンジン負荷が上昇する
ほど火花放電継続時間を短く算出するとよい。
【0034】つまり、内燃機関が高負荷運転されている
と、スロットル開度が大きくなり混合気の充填量が増加
するため、混合気の着火性は良好な状態となる。そこ
で、混合気の着火性が良好となる高負荷運転時となるに
従い、火花放電継続時間を火花放電継続時間算出手段に
て短く算出することで、点火プラグに供給される火花エ
ネルギの過剰な供給を抑制するのである。そして、混合
気を燃焼するのに必要十分な火花エネルギを点火プラグ
に供給するように、火花放電継続時間を設定するのであ
る。
【0035】これにより、高負荷運転時であるために混
合気への着火性が良好であるにも拘らず、火花放電継続
時間が必要以上に長いために点火プラグへ過剰な火花エ
ネルギが供給されてしまうことを防ぐことができる。
【0036】ところで、点火プラグの電極の消耗に関し
ては、前述したように火花放電が繰り返し発生する多重
放電が大きく影響している。ここで、図6(a)に、プ
ラグギャップ(電極隙間)間の混合気の乱流の流速と、
多重放電が発生し始める二次電流(放電電流)値との関
係を示す。図6(a)から、混合気の乱流の流速が速く
なるほど多重放電が発生し始める二次電流値が大きくな
り、反対に混合気の乱流の流速が遅くなるほど多重放電
が発生し始める二次電流値が小さくなる傾向があること
が判る。
【0037】また、火花放電は、点火コイルに蓄積され
た磁束をエネルギ源として発生しており、火花放電発生
から時間が経過するにともない、点火コイルに蓄積され
た磁束(電磁エネルギ)が消費されて放電電流(二次電
流)が減少していく。よって、図6(a)に示す関係
と、火花放電時の二次電流の変化傾向とを考慮すると、
火花放電は、火花放電の発生直後から継続時間が経過す
るほど二次電流が小さくなり、多重放電が発生し易くな
ることが判る。
【0038】そこで、請求項6に記載の発明のように、
火花放電継続時間算出手段は、点火コイルに蓄積された
エネルギの減少に伴い発生する多重放電の発生時期より
も火花放電遮断時期が早くなるよう火花放電継続時間を
算出するとよい。つまり、火花放電の発生直後から継続
時間が経過し、多重放電が発生する程度にまで火花放電
の放電電流(二次電流)が小さくなる前に、強制的に火
花放電を遮断することで多重放電の発生を防ぐのであ
る。
【0039】他方、多重放電が発生し始める二次電流値
は、点火プラグの電極間距離(プラグギャップ長)によ
っても変化しており、図6(b)に、その関係を示す。
図6(b)から、プラグギャップ長が大きくなるほど多
重放電が発生し始める二次電流値が大きくなり、反対に
プラグギャップ長が小さくなるほど多重放電が発生し始
める二次電流値が小さくなる傾向があることが判る。そ
して、点火プラグの電極は、使用経過に伴って消耗する
ため、プラグギャップ長は、使用経過に伴って大きくな
る。
【0040】よって、図6(b)に示す関係と、使用経
過に伴う電極消耗とを考慮すると、点火プラグの使用経
過に伴い、多重放電が発生し易くなることが判る。これ
らのことから、多重放電の発生時期は、混合気の乱流の
流速および点火プラグの電極の消耗度合い(プラグギャ
ップ長の拡がり)によって変化することになる。そこ
で、混合気の乱流の流速あるいは点火プラグのプラグギ
ャップ長に基づいて、多重放電の発生時期を算出するこ
とで、運転状態に応じた多重放電の発生時期を算出する
ことができる。
【0041】具体的な多重放電の発生時期としては、実
際の内燃機関において摩耗限界に達した点火プラグにお
ける多重放電発生時期(多重放電に達する二次電流値)
を運転条件別に予め調査しておき、その調査結果に基づ
いて、運転条件を表す数値をパラメータとするマップを
用意して算出することができる。
【0042】ここで、このときの運転条件を表す数値パ
ラメータの基になる、混合気の乱流の流速はエンジン回
転数またはエンジン負荷に比例し、あるいは点火プラグ
のプラグギャップ長は内燃機関の運転時間積算値に比例
することから、エンジン回転数,エンジン負荷あるいは
内燃機関の運転時間積算値などの運転状態に基づいて上
記マップを作成することで、多重放電の発生時期を算出
することができる。
【0043】そして、運転状態に応じて算出した多重放
電発生時期よりも火花放電遮断時期が早くなるように、
火花放電継続時間算出手段により火花放電継続時間を算
出することで、多重放電の発生を防ぐことができるよう
になる。よって、本発明(請求項5)によれば、多重放
電の発生を有効に防ぐことができるため、点火プラグの
電極が無駄に消耗されることがなくなり、点火プラグの
寿命を延ばすことができる。
【0044】尚、多重放電の抑制を目的として火花放電
継続時間算出手段により火花放電継続時間を算出するに
当たっては、混合気への着火性を考慮し、着火性が低下
しないように火花放電継続時間を算出することが必要で
ある。つまり、多重放電の抑制を目的として算出された
火花放電継続時間が、混合気への着火が可能な最短の火
花放電継続時間よりも短くなると、混合気への着火を正
常に行うことが出来ず、内燃機関の運転を正常に維持す
ることが出来なくなってしまう。そのため、多重放電の
抑制を目的として算出された火花放電継続時間が、着火
性を確保できる最短の火花放電継続時間よりも短いとき
には、着火性を優先して火花放電継続時間を算出するこ
とが望ましい。
【0045】ところで、内燃機関の始動(特に寒冷地で
の冷間始動)直後のアイドリング運転(暖機運転)時に
おいては、混合気が不均質な状態であるとともに温度が
低く、最も着火性が劣る運転条件であるため、混合気へ
の着火を確実に行うには、火花エネルギを十分に点火プ
ラグに供給して火花放電を発生させる必要がある。
【0046】そこで、請求項7に記載のように、内燃機
関始動直後であって内燃機関が十分に暖機されるまでの
運転状態の間は、火花放電継続時間算出手段は火花放電
継続時間が最も長くなるよう火花放電継続時間を算出す
る、あるいは、火花放電遮断時期制御手段は火花放電遮
断手段を動作させないようにして点火プラグの火花放電
を強制遮断しないようにするとよい。
【0047】つまり、内燃機関始動直後であって内燃機
関が十分に暖気されるまでの運転状態の間は火花放電継
続時間を最も長く設定した上で火花放電遮断を行う、あ
るいは火花放電遮断を行わないことにより、火花エネル
ギを十分に確保し、混合気を確実に燃焼させることで失
火の発生を最小限に抑えるのである。なお、内燃機関が
十分に暖気された運転状態にあるか否かの判断は、冷却
水温度が規定値を超えたか否か、または/及び潤滑油温
度が規定値を超えたか否か等を判断することににより行
うことができる。具体的な一手法としては、冷却水温度
が50℃以上になったか否かを判断することが挙げられ
る。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
共に説明する。まず、図1は、実施例の内燃機関用点火
装置の構成を表す電気回路図である。尚、本実施例で
は、1気筒分のみを記して説明を行うが、本発明は複数
の気筒を備える内燃機関についても適用でき、各気筒毎
の点火装置の基本構成は同様である。また、本実施例の
内燃機関は、気体燃料を燃料として運転される定置型ガ
スエンジンである。
【0049】図1に示すように、本実施例の内燃機関用
点火装置1は、放電用の電気エネルギ(例えば電圧12
V)を供給する電源装置(バッテリ)11と、内燃機関
の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と
二次巻線L2とからなる点火コイル15と、一次巻線L
1と直列接続されたnpn型のトランジスタ17と、火
花放電を強制的に遮断する火花放電遮断回路21と、ト
ランジスタ17及び火花放電遮断回路21に対して、第
1指令信号Sa及び第2指令信号Sbを各々出力する電
子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)19と、を備えてい
る。
【0050】これらのうち、トランジスタ17は、点火
コイル15の一次巻線L1への通電・非通電を切り換え
る前述の半導体素子からなるスイッチング素子であると
共に、イグナイタを構成するものであって、本実施例の
内燃機関用点火装置1は、フルトランジスタ型の点火装
置である。
【0051】ここで、一次巻線L1の一端は、電源装置
11の正極に接続され、他端はトランジスタ17のコレ
クタおよび火花放電遮断回路21に接続されている。ま
た、二次巻線L2の一端は、電源装置11の正極に接続
されている一次巻線L1の一端に接続され、他端は点火
プラグ13の中心電極13aに接続されている。そし
て、点火プラグ13の接地電極13bは、電源装置11
の負極と同電位のグランドに接地され、トランジスタ1
7のベースはECU19の第1指令信号Saを出力する
端子と接続され、トランジスタ17のエミッタは、グラ
ンドに接地されている。
【0052】このため、ECU19から出力される第1
指令信号Saがローレベルである場合には、トランジス
タ17はオフ状態となり、トランジスタ17を通じて、
一次巻線L1に電流が流れることはない。また、第1指
令信号Saがハイレベルである場合には、トランジスタ
17はオン状態となり、電源装置11の正極側から点火
コイル15の一次巻線L1を通って電源装置11の負極
側に至る、一次巻線L1の通電経路を形成し、一次巻線
L1に一次電流i1を流す。
【0053】従って、第1指令信号Saがハイレベルで
あって、一次巻線L1に一次電流i1が流れている状態
で、第1指令信号Saがローレベルになると、トランジ
スタ17がターンオフし、一次巻線L1への一次電流i
1の通電が遮断される。すると、点火コイル15の二次
巻線L2に点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ1
3に印加されることで、点火プラグ13の電極13a−
13b間に火花放電が発生する。
【0054】尚、点火コイル15は、一次巻線L1への
通電・遮断により、点火プラグ13の中心電極13a側
にグランド電位よりも低い負の点火用高電圧を発生させ
るように構成されており、火花放電に伴い二次巻線L2
に流れる二次電流i2は、点火プラグ13の中心電極1
3aから二次巻線L2を通って、一次巻線L1側に流れ
る。また、二次巻線L2と一次巻線L1との接続部分に
は、二次巻線L2から一次巻線L1側に電流が流れるの
を許容し、逆方向への電流の流れを阻止するために、ダ
イオード等からなる整流素子Dが設けられており、この
整流素子Dの動作によって、トランジスタ17のターン
オン時(一次巻線L1への通電開始時)に二次巻線L2
に電流が流れることが阻止される。
【0055】図2は、図1に示す回路図における、第1
指令信号Sa、第2指令信号Sb、点火プラグ13の中
心電極13aの電位Vp、点火コイル15の一次巻線L
1に流れる一次電流i1、の各状態を表すタイムチャー
トである。ここで、時刻t1にて、第1指令信号Saが
ローからハイレベルに切り換わると、点火コイル15の
一次巻線L1に一次電流i1が流れる。その後、予め設
定された通電時間が経過した時刻t2にて、第1指令信
号Saがハイからローレベルに切り換わると、点火コイ
ル15の一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断さ
れ、点火プラグ13の中心電極13aに負の点火用高電
圧が印加される。これにより、中心電極13aの電位V
pが急峻に低下し、点火プラグ13の電極13a−13
b間に電流が流れて火花放電が発生していることが判
る。
【0056】次に、火花放電遮断回路21は、エミッタ
が接地され、ベースがECU19の第2指令信号Sbを
出力する端子と接続されたnpn型のトランジスタ25
と、一端がトランジスタ25のコレクタに接続され、他
端が一次巻線L1に接続されたコンデンサ27と、アノ
ードが接地され、カソードがトランジスタ25のコレク
タに接続されたダイオード23とから構成されている。
【0057】そのため、ECU19から出力される第2
指令信号Sbがローレベルである場合には、火花放電遮
断回路21内のトランジスタ25がオフ状態となり、火
花放電遮断回路21が、一次巻線L1に一次電流i1を
流すことはない。また、第2指令信号Sbがハイレベル
である場合、火花放電遮断回路21内のトランジスタ2
5がオン状態となり、電源装置11の正極側から点火コ
イル15の一次巻線L1および火花放電遮断回路21を
通って電源装置11の負極側に至る、一次巻線L1の通
電経路を形成し、一次巻線L1に一次電流i1が流れ
る。このとき、火花放電遮断回路21の内部では、コン
デンサ27およびトランジスタ25によって通電経路が
形成され、通電経路に存在するコンデンサ27に電荷が
蓄積されるに従い、一次電流i1は点火プラグにて再火
花放電が発生しないような形態で緩やかに減少すること
になる。そして、コンデンサ27に、一次巻線L1のイ
ンダクタンスとコンデンサ27の容量とで決まる一定の
時定数にて所定量の電荷が蓄積されると、コンデンサ2
7に電流が流れなくなるため、火花放電遮断回路21が
一次電流i1の通電を停止することになる。
【0058】但し、第2指令信号Sbがハイレベルにあ
っても、コンデンサ27が一次巻線L1側に接続された
電極を正極性として完全に充電されていると、一次電流
i1は流れないため、予めコンデンサ27に蓄積された
電荷を放電させておく必要がある。この本実施例では、
次の点火用高電圧を発生させるべく再度第1指令信号S
aをハイレベルにする、すなわち、トランジスタ17を
オン状態とすることで、コンデンサ27に蓄積された電
荷を放電させることができる。つまり、点火用高電圧を
発生させるべくトランジスタ17をオン状態とすると、
トランジスタ17、コンデンサ27、ダイオード23に
よる閉ループが形成され、コンデンサ27に蓄積された
電荷によって、この閉ループに電流が流れることによ
り、コンデンサ27に蓄積された電荷は放電される。
【0059】従って、火花放電遮断回路21は、コンデ
ンサ27が放電された状態で第2指令信号Sbがローレ
ベルからハイレベルに変化すると、トランジスタ25が
ターンオンして、一次巻線L1に一次電流i1を流す。
そのあと、火花放電遮断回路21は、時間経過によって
コンデンサ27に電荷が蓄積されると共に、一次電流i
1を緩やかに減少させていき、最終的には一次電流i1
を遮断するように動作する。
【0060】よって、図2における時刻t3にて、第1
指令信号Saおよび第2指令信号Sbをそれぞれローか
らハイレベルに切り換えると、トランジスタ25がター
ンオンして、電源装置11の正極側から点火コイル15
の一次巻線L1、トランジスタ17を通って電源装置1
1の負極側に至る通電経路を形成し、一次巻線L1に一
次電流i1が通電される。そして、図2における時刻t
4にて、第1指令信号Saをハイレベルからローレベル
に切り換えると、トランジスタ17がターンオフするた
め、一次巻線L1の通電経路は、トランジスタ17に代
わりコンデンサ27およびトランジスタ25によって形
成され、コンデンサ27に電荷が蓄積されるに従い、一
次電流i1が緩やかに減少し、コンデンサ27に所定量
の電荷が蓄積されると、一次電流i1を遮断する。
【0061】尚、図2における時刻t1から時刻t2ま
での間、トランジスタ17がオン状態となっており、コ
ンデンサ27に蓄積された電荷はこの間に放電されてい
るため、時刻t3でのコンデンサ27は、火花放電を遮
断するのに必要な大きさの一次電流i1を流すことがで
きる。
【0062】そして、火花放電中に再度一次巻線L1に
電流を流した場合、火花放電時とは逆極性の電圧が二次
巻線L2の両端に発生するが、整流素子Dによって二次
巻線L2に電流が流れるのが阻止されるため、火花放電
を発生させることが出来ない。よって、火花放電中に一
次巻線L1を再通電することで、火花放電を強制的に遮
断することができる。
【0063】これらのことから、図2に示すように、点
火プラグ13の中心電極13aの電位Vpが充分低いた
めに、電極13a−13b間で火花放電が生じている場
合に、ECU19及び火花放電遮断回路21によって一
次巻線L1への通電を行うようにすれば、点火プラグ1
3の中心電極13aの電位Vpを上昇させて、火花放電
を強制的に遮断させることができる。
【0064】従って、本実施例では、ECU19が、第
1指令信号Saの切換タイミングを制御することによ
り、点火プラグ13の火花放電タイミング(換言すれば
点火時期)を制御するだけでなく、第1指令信号Saお
よび第2指令信号Sbの切換タイミングを制御すること
により、点火プラグ13による火花放電の終了時期を制
御することができる。つまり、本実施例では、火花放電
の遮断時期(火花放電継続時間Tt)を制御すること
で、混合気を燃焼させるために点火プラグ13に供給す
る火花エネルギを、混合気の燃焼に必要十分な大きさに
抑えることが可能となる。
【0065】そして、ECU19では、上述のように火
花放電を発生させるために第1指令信号Saを制御する
点火制御処理が実行され、また、火花放電を強制的に遮
断するために第1指令信号Saおよび第2指令信号Sb
を制御する火花放電遮断処理が実行されている。
【0066】尚、ECU19は、内燃機関の火花放電発
生時期(点火時期)、燃料噴射量、アイドル回転数等を
総合的に制御するためのものであり、点火制御処理や火
花放電遮断制御処理のほか、内燃機関の吸入空気量(吸
気管圧力),回転速度,スロットル開度,冷却水温,吸
気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処
理を行っている。
【0067】まず、点火制御処理で実行される処理につ
いて簡単に説明する。尚、点火制御処理は、例えば、内
燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角
センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気,圧縮,
燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行さ
れる。
【0068】そして、内燃機関が始動されて処理が開始
されると、点火制御処理は、別途実行される運転状態検
出処理にて検出された機関の運転状態を読込み、読み込
んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(いわゆる点
火時間)を算出する。そして、内燃機関の運転状態に基
づいて算出した点火時期(図2における時刻t2)を基
準として、この点火時期よりも所定時間だけ早い時刻
(図2における時刻t1)で第1指令信号Saをハイレ
ベルに変化させて、一次巻線L1に一次電流i1を流
す。ここで、所定時間は、火花放電前の一次電流通電時
間のことであり、着火性の劣る運転条件においても確実
に混合気へ着火できる高い点火用高電圧による火花放電
を発生させるために、一次電流通電時間には、点火コイ
ルに十分な磁束を蓄積できる時間が設定されている。こ
れにより、火花放電が発生してから自然に遮断されるま
での火花放電継続時間Ttも十分長くなり、火炎核の成
長を助けて混合気を確実に燃焼させることができるよう
になる。
【0069】そのあと、点火制御処理は、時刻t1から
所定時間が経過した点火時期(図2における時刻t2)
にて、第1指令信号Saをローレベルに変化させて、一
次電流i1を急激に遮断し、点火用高電圧を二次巻線L
2に発生させて火花放電を発生させる。よって、点火制
御処理は、このようにして第1指令信号Saを制御し、
点火プラグ13の電極間に火花放電を発生させて混合気
を燃焼させることで、内燃機関を運転している。
【0070】次に、火花放電を強制的に遮断するための
火花放電遮断処理を、図3に示すフローチャートに沿っ
て説明する。尚、火花放電遮断処理は、内燃機関が始動
されると同時に起動されて、その処理を開始する。
【0071】そして、この火花放電遮断処理が開始され
ると、まず、S110(Sはステップを表す)では、内
燃機関が十分に暖機された運転状態にあるか否かを判断
しており、肯定判定される場合にはS130に移行し、
否定判定される場合にはS120に移行する。尚、内燃
機関が十分に暖機された運転状態にあるか否かの判断
は、冷却水温度が規定値を越えたか否か、または/及び
潤滑油温度が規定値を越えたか否か等により判断するこ
とができる。本実施例では具体的に、内燃機関の冷却水
温度が50℃を超えたか否かを判断している。
【0072】そして冷却水温度が50℃以下である場
合、つまりS120に移行した場合には、後述する火花
放電の強制遮断は行わず、火花放電を点火コイルに蓄積
された電磁エネルギの減少に伴い自然に終了させるよう
にする。尚、本実施例の内燃機関用点火装置1は、前述
の点火制御処理にて、着火性の劣る運転条件においても
確実に混合気へ着火できるように、火花放電前の一次電
流通電時間が設定されている。このため、火花放電遮断
を行わない時にも、火花放電継続時間を十分に長くする
ことができ、内燃機関の始動直後のアイドリング運転
(暖機運転)時といった着火性の劣る運転状態であって
も、確実に混合気を燃焼させることができる。そして、
S120の処理が実行されると、再びS110に移行す
る。
【0073】よって、内燃機関が十分に暖機された運転
状態となるまでの間は、S110,S120の処理を繰
り返し実行することで、火花放電を混合気を確実に燃焼
できる状態で内燃機関の運転を継続し、火花放電の強制
遮断を行わない。そして、S110で肯定判定されて、
S130に移行すると、S130ではIG信号(第1指
令信号Sa)が立ち上がり方向(ローレベルからハイレ
ベル)に変化したか否かを判断しており、肯定判定され
るとS140に移行し、否定判定されると同ステップを
繰り返し実行する。つまり、S130では、前述の点火
制御処理による一次巻線L1への通電が開始されたか否
かをIG信号の変化に基づいて判断することにより、一
次電流i1の通電開始時期を検出している。
【0074】そして、次の燃焼サイクルにおいて、点火
制御処理が第1指令信号Saをローレベルからハイレベ
ルに変化させると、S130にて肯定判定されて、S1
40に移行する。S140では、この時の現在時刻Tを
時刻変数T0に代入し、通電開始時期を記憶する。
【0075】続くS150では、S130と同様に、I
G信号(第1指令信号Sa)が立ち上がり方向(ローレ
ベルからハイレベル)に変化したか否かを判断してお
り、肯定判定されるとS160に移行し、否定判定され
ると同ステップを繰り返し実行する。つまり、S150
では、S130で一次電流i1の通電時期が検出された
後、次の燃焼サイクルにおける通電時期を検出してい
る。
【0076】そして、点火制御処理が第1指令信号Sa
をローレベルからハイレベルに変化させると、S150
にて肯定判定されて、S160に移行する。S160で
は、この時の現在時刻Tを時刻変数T1に代入し、点火
時期を記憶する。
【0077】続くS170では、S140で記憶された
時刻変数T0とS160で記憶された時刻変数T1に基
づいて、内燃機関のエンジン回転数を算出する。ここ
で、時刻変数T0と時刻変数T1の時間差(T1−T
0)は、1燃焼サイクルの周期に等しいため、時間差
(T1−T0)の逆数を算出することによって、内燃機
関のエンジン回転数を算出することができる。
【0078】続くS180では、時刻変数T1の値を時
刻変数T0に代入し、次回のエンジン回転数の算出に備
える。次のS190では、内燃機関のエンジン負荷を検
出する。ここで、エンジン負荷は、例えばスロットルバ
ルブの開度の大きさや吸気管負圧に比例することから、
スロットル開度センサの出力信号あるいは吸気管圧力セ
ンサの出力信号に基づいて、エンジン負荷を検出するこ
とができる。
【0079】続くS200では、S170で算出したエ
ンジン回転数と、S190で検出したエンジン負荷に基
づいて、火花放電継続時間Ttを設定する。尚、本実施
例では、エンジン回転数およびエンジン負荷をパラメー
タとする第1マップを用いて、火花放電継続時間Ttを
算出している。
【0080】ここで、火花放電継続時間Ttの算出に用
いる上記第1マップの一例を、図4に示す。図4に示す
ように、エンジン回転数が上昇するほど火花放電継続時
間Ttが短くなるように、また、エンジン負荷が上昇す
るほど火花放電継続時間Ttが短くなるように第1マッ
プが設定されていることが判る。つまり、内燃機関にお
ける運転条件が、混合気への着火性が良好な運転条件に
なるほど、火花放電継続時間Ttが短くなるように第1
マップが設定されている。
【0081】尚、エンジン負荷が低負荷で、かつ、エン
ジン回転数が低回転である時には、火花放電継続時間T
tは図4に示すように火花放電継続時間として最も長い
時間(例えば、火花放電が自然に終了する時間)が設定
される。このように、最も長い火花放電継続時間が設定
されると、火花放電が自然に終了した後に、火花放電遮
断回路21による一次電流の通電が行われるため、実質
的に火花放電の強制遮断は行われないことになる。
【0082】更にS200では、火花放電が発生してか
ら火花放電継続時間Ttが経過した火花放電遮断時期
が、火花放電の多重放電発生時期よりも遅くなる場合に
は、火花放電遮断時期が多重放電発生時期よりも早くな
るように、火花放電継続時間Ttを補正する。つまり、
火花放電が発生してから多重放電が発生するまでの正常
放電が行われる時間(正常放電時間)よりも、第1マッ
プから算出した火花放電継続時間Ttが長い場合には、
火花放電継続時間Ttに正常放電時間以下の短い時間を
設定するのである。
【0083】尚、正常放電時間は運転条件によって変化
することから、例えば、実際の内燃機関において摩耗限
界に達した点火プラグにおける多重放電発生時期(多重
放電が発生する二次電流値)を運転条件別に予め調査し
ておき、その調査結果に基づいて、運転条件を表す数値
をパラメータとして正常放電時間を算出するマップを用
意し、このマップから正常放電時間を算出する。このと
き運転条件を表す数値パラメータとしては、例えば、混
合気の乱流の流速に比例するエンジン回転数又はエンジ
ン負荷、あるいは点火プラグのプラグギャップ長に比例
する内燃機関の運転時間積算値を用いるとよい。そし
て、本実施例では、上記予め用意された調査結果に基づ
いて第2マップを設定し、この第2マップに基づき算出
された正常放電時間を用いて、多重放電が発生しないよ
うに火花放電継続時間Ttを補正する。
【0084】但し、多重放電が発生しないように設定し
た火花放電継続時間Ttが、混合気の着火に必要となる
最短の火花放電継続時間よりも短くなる場合には、多重
放電の抑制よりも着火性を優先して、混合気の着火に必
要となる最短の火花放電継続時間を火花放電継続時間T
tに設定する。
【0085】よって、S200では、第1マップを用い
て算出された火花放電継続時間Ttが、第2マップを用
いて算出された正常放電時間よりも長い場合には、火花
放電継続時間Ttに正常放電時間以下の短い時間を設定
し、この火花放電継続時間Ttを以下の処理で使用す
る。尚、火花放電継続時間Ttが正常放電時間以下であ
る場合には、第1マップを用いて算出された火花放電継
続時間Ttをそのまま以下の処理で使用する。
【0086】続くS210では、IG信号(第1指令信
号Sa)が立ち下がり方向(ハイレベルからローレベ
ル)に変化したか否かを判断しており、肯定判定される
とS220に移行し、否定判定されると同ステップを繰
り返し実行する。つまり、S210では、前述の点火制
御処理による火花放電の発生時期(点火時期)を、IG
信号(第1指令信号Sa)に基づいて検出している。
【0087】そして、点火制御処理が第1指令信号Sa
をハイレベルからローレベルに変化させると、S210
にて肯定判定されて、S220に移行する。S220で
は、この時の現在時刻Tを時刻変数T2に代入し、点火
時期を記憶する。続くS230では、現在時刻Tから時
刻変数T2を差し引いた値が、S200で設定した火花
放電継続時間Ttに等しいか否かを判断しており、肯定
判定されるとS240に移行し、否定判定されると同ス
テップを繰り返し実行する。つまり、S230では、点
火時期から火花放電継続時間Ttが経過した時期(火花
放電の遮断時期)に達したか否かを判断している。
【0088】そして、火花放電の遮断時期に達すると、
S230にて肯定判定されて、S240に移行する。S
240では、第1指令信号Saおよび第2指令信号Sb
をそれぞれローレベルからハイレベルに変化させ、一次
電流i1を再通電して火花放電を強制的に遮断する。ま
た、S240では、第1指令信号Saのハイレベル継続
時間が予め設定されており、第1指令信号Saをローレ
ベルからハイレベルに変化させてから、このハイレベル
継続時間が経過すると、第1指令信号Saをハイレベル
からローレベルに変化させる。さらに、S240では、
一次電流i1が減少して一次巻線L1に電流が流れなく
なる長さの火花放電遮断完了時間が予め設定されてお
り、第2指令信号Sbをローレベルからハイレベルに変
化させてから、この火花放電遮断完了時間が経過する
と、第2指令信号Sbをハイレベルからローレベルに変
化させる。
【0089】S240での処理が実行されると、再びS
150に移行し、S150では次の火花放電のための一
次電流通電時期を検出する。そして、火花放電遮断処理
は、内燃機関が停止されるまで、S150からS240
までの処理を繰り返し実行することで、火花放電の強制
遮断を行う。そして、S240まで処理が行われた後に
実行されるS170では、前回の燃焼サイクルにおける
S180の処理にて記憶された時刻変数T0と、今回の
燃焼サイクルにおけるS160の処理にて記憶された時
刻変数T1とに基づいて、エンジン回転数を算出する。
【0090】尚、本実施例では、ECU19で実行され
る点火制御処理およびイグナイタを構成するトランジス
タ17が、特許請求の範囲に記載の火花放電発生手段に
相当し、火花放電遮断回路21が火花放電遮断手段に相
当し、火花放電継続時間Ttを設定すべくECU19で
実行されるS200の処理が火花放電継続時間算出手段
に相当し、火花放電継続時間Ttが経過した時期(火花
放電の遮断時期)に達したか否かを判断し、肯定判定さ
れたときに火花放電を強制的に遮断するS230,S2
40の処理が火花放電遮断時期制御手段に相当する。
【0091】以上説明したように、本実施例の内燃機関
用点火装置1においては、イグナイタを構成するトラン
ジスタ17をオン・オフさせることにより、点火コイル
15の二次巻線L2に発生した点火用高電圧を点火プラ
グ13に印加して、点火プラグ13の電極13a−13
b間に火花放電を発生させている。その後、内燃機関の
運転状態に基づき求めた火花放電継続時間Ttが経過し
た時点で、火花放電遮断回路21によって点火コイル1
5の一次巻線L1に再度一次電流i1を流すことによ
り、火花放電を強制的に遮断するよう構成されている。
【0092】そして、本実施例では、高い点火用高電圧
による火花放電を発生するため、確実に混合気への着火
を行うことができるとともに、火花エネルギが過剰とな
らないように、かつ、多重放電が発生しないように火花
放電継続時間Ttが算出されるため、点火プラグの電極
の消耗を抑えて点火プラグの寿命を延ばすことができ
る。
【0093】また、火花放電遮断処理での火花放電継続
時間の算出においては、多重放電が発生しないように火
花放電継続時間を算出するため、多重放電の発生を防ぐ
ことができ、点火プラグの電極が無駄に消耗されること
がなくなり、点火プラグの寿命を延ばすことができる。
【0094】以上、本発明の実施例の一つについて説明
したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、種々の態様を採ることができる。そこで、第2実施
例として、コンデンサ27の放電時に流れる電流の大き
さを抑制するよう構成された内燃機関用点火装置につい
て説明する。
【0095】図7は、第2実施例の内燃機関用点火装置
の構成を表す電気回路図である。尚、以下の説明におい
て、第1実施例と同じ構成要素については、同一番号
(符号)を付与して説明する。図7に示すように、第2
実施例の内燃機関用点火装置1は、放電用の電気エネル
ギ(例えば電圧12V)を供給する電源装置(バッテ
リ)11と、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ1
3と、一次巻線L1と二次巻線L2とからなる点火コイ
ル15と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型のト
ランジスタ17と、火花放電を強制的に遮断する火花放
電遮断回路21と、トランジスタ17及び火花放電遮断
回路21に対して、第1指令信号Sa及び第2指令信号
Sbを各々出力する電子制御装置(以下、ECUと呼
ぶ)19と、を備えている。
【0096】ここで、第2実施例の内燃機関用点火装置
1は、火花放電遮断回路21以外の構成要素が第1実施
例と同様であることから、同様の構成要素についての説
明は省略し、第1実施例と異なる構成要素である火花放
電遮断回路21について説明する。
【0097】図7に示すように、第2実施例の火花放電
遮断回路21は、エミッタが接地され、ベースがECU
19の第2指令信号Sbを出力する端子と接続され、コ
レクタがコンデンサ27の一端(電極)に接続されると
ともに、ダイオード23を介して接地されたnpn型の
トランジスタ25を備えている。そして、ダイオード2
3は、アノードが接地され、カソードがトランジスタ2
5のコレクタに接続されている。また、コンデンサ27
は、トランジスタ25との接続端(電極)とは反対側の
接続端(電極)が、抵抗31を介して一次巻線L1に接
続されている。さらに、ダイオード29が抵抗31に並
列接続されており、ダイオード29は、アノードが抵抗
31と一次巻線L1との接続端に接続され、カソードが
抵抗31とコンデンサ27との接続端に接続されてい
る。
【0098】そして、ECU19から出力される第2指
令信号Sbがローレベルである場合には、火花放電遮断
回路21内のトランジスタ25がオフ状態となり、火花
放電遮断回路21が、電源装置11の正極から一次巻線
L1に向かう方向に一次電流i1を流すことはない。
【0099】また、第2指令信号Sbがハイレベルであ
る場合、第1実施例と同様に、火花放電遮断回路21内
のトランジスタ25がオン状態となり、火花放電遮断回
路21が、電源装置11の正極側から点火コイル15の
一次巻線L1を通って電源装置11の負極側に至る、一
次巻線L1の通電経路を形成し、一次巻線L1に一次電
流i1を流す。このとき、一次巻線L1からコンデンサ
27に流れ込む電流は、ダイオード29を通じて流れ
る。
【0100】そして、通電経路に流れる電流によってコ
ンデンサ27に電荷が蓄積されるに従い、一次電流i1
は緩やかに減少し、コンデンサ27に、一次巻線L1の
インダクタンスとコンデンサ27の容量とで決まる一定
の時定数にて、所定量の電荷が蓄積されると、コンデン
サ27に電流が流れなくなり、一次電流i1を遮断す
る。
【0101】但し、コンデンサ27が、一次巻線L1側
に接続された電極を正極性として完全に充電されている
場合、第2指令信号Sbがハイレベルであっても、一次
電流i1は流れないため、予めコンデンサ27に蓄積さ
れた電荷を放電させておく必要がある。そこで、第2実
施例では、第1実施例と同様に、点火用高電圧を発生さ
せるための第1指令信号Saをハイレベルにする、すな
わち、トランジスタ17をオン状態とすることで、コン
デンサ27が充電されている場合のその電荷を放電させ
ることができる。
【0102】つまり、トランジスタ17をオン状態とす
ると、トランジスタ17、抵抗31、コンデンサ27、
ダイオード23による閉ループが形成され、コンデンサ
27に蓄積された電荷によって、この閉ループに電流が
流れることにより、コンデンサ27は放電される。この
とき、コンデンサ27が放電する電流は、ダイオード2
9ではなく抵抗31を通じて流れるため、通電経路の抵
抗値が大きくなる。このため、通電経路に流れる電流値
が小さくなり、トランジスタ17に流れる電流量が抑制
されることになる。これにより、コンデンサ27に蓄積
された電荷を放電させた時に伴うトランジスタ17の発
熱を小さく抑えることが可能となる。
【0103】従って、火花放電遮断回路21は、コンデ
ンサ27が放電された状態で、第2指令信号Sbがロー
レベルからハイレベルに変化されると、一次巻線L1に
一次電流i1の通電を開始し、時間経過に従い一次電流
i1を緩やかに減少させていき、最終的に一次電流i1
を遮断する。そして、次の点火用高電圧を発生させるべ
く再度第1指令信号Saがハイレベルになることで、コ
ンデンサ27に蓄積された電荷が放電される。
【0104】そして、第2実施例のECU19は、第1
実施例と同様の点火制御処理を実行することで第1指令
信号Saを制御し、点火プラグ13の電極間に火花放電
を発生させて混合気を燃焼させることで、内燃機関を運
転している。また、本第2実施例のECU19では、第
1実施例と同様の火花放電遮断処理を実行することで火
花放電継続時間を算出するとともに、第1指令信号Sa
および第2指令信号Sbを制御して、火花放電を強制遮
断している。
【0105】尚、ECU19は、第1実施例と同様に、
内燃機関を総合的に制御するためのものであり、点火制
御処理などを行うために、別途、機関各部の運転状態を
検出する運転状態検出処理を行っている。よって、第2
実施例の内燃機関用点火装置1は、第1実施例と同様
に、ECU19の指令によってトランジスタ17をオン
・オフさせることにより、点火コイル15の二次巻線L
2から点火プラグ13に点火用高電圧を印加させて、点
火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電を発生
させた後、内燃機関の運転状態に基づき求めた火花放電
継続時間Ttが経過した時点で、火花放電遮断回路21
によって、点火コイル15の一次巻線L1に再度一次電
流i1を流すことにより、火花放電を強制的に遮断して
いる。
【0106】従って、第2実施例の内燃機関用点火装置
によれば、火花放電継続時間を制御することが可能とな
り、第1実施例の内燃機関用点火装置と同様の効果を発
揮することができる。また、第2実施例は、第1実施例
と同様に一次巻線L1に流れる一次電流i1を2つのト
ランジスタに分けて流す構成であるため、1つのトラン
ジスタに流すよう構成された内燃機関用点火装置に比
べ、トランジスタ1個当りの通電時間が短くなり、通電
される電流量が少なくなる。これにより、トランジスタ
の発熱量を抑制することができ、トランジスタへの負担
をさらに軽減することが可能となる。
【0107】さらに、第2実施例では、コンデンサ27
に蓄積された電荷を放電する際に流れる電流の大きさ
を、抵抗31によって制限しているため、トランジスタ
17に流れる電流の大きさを制限することができ、トラ
ンジスタ17の発熱を抑えることができる。よって、ト
ランジスタ17への負担をさらに軽減することが可能に
なる。尚、抵抗31としては、トランジスタに流れる電
流の抑制、および、コンデンサ27の放電時間を考慮す
ると、抵抗値が1〜100[Ω]の抵抗を用いることが
望ましい。また、火花放電の遮断時には、ダイオード2
9によって一次巻線L1に流れる一次電流i1を大きく
確保することができ、火花放電の遮断を確実に実行する
ことが可能になる。
【0108】次に、本第2実施例の内燃機関用点火装置
の効果を確認するため、実際に内燃機関を用いて、火花
放電継続時間Ttを変化させたときの、点火コイル15
の二次巻線L2に流れる二次電流i2の変化を測定した
測定結果を図8に示す。尚、測定は、メタンガスを主成
分とする都市ガス13Aを燃料とする内燃機関を使用
し、回転数を2000rpmとして運転した場合の、二
次電流i2の変化を、(a)火花放電を強制遮断しない
場合、(b)火花放電継続時間Ttが1.0[mS]の
場合,(c)火花放電継続時間Ttが0.5[mS]の
場合,の3条件下で、測定を行った。また、本測定で
は、コンデンサ27の容量は100[μF]とし、抵抗
31の抵抗値は5[Ω]とした。そして、図8に、縦軸
を二次電流、横軸を時間として測定結果を示す。また、
内燃機関用点火装置としては、上記実施例2のものを使
用した。
【0109】まず、図8(a)は、火花放電を強制的に
遮断しない場合の測定結果であり、点火時期(図におけ
る縦軸が記載されている時刻)で火花放電が発生して二
次電流が流れ始めた後、緩やかに電流値が減少してい
き、点火時期から約0.7[mS]経過したあたりから
電流値が大きく乱れて変動しており、多重放電が発生し
ていることがわかる。その後、多重放電が継続して発生
し、点火時期から約1.3[mS]経過した時点で電流
値が0[mA]となり火花放電が自然に終了している。
【0110】次に、図8(b)は、火花放電継続時間T
tが1.0[mS]の場合の測定結果であり、図8
(a)と同様に、点火時期(図における縦軸が記載され
ている時刻)で火花放電が発生して二次電流が流れ始め
た後、緩やかに電流値が減少していき、点火時期から約
0.7[mS]経過したあたりから電流値が大きく乱れ
て変動しており、多重放電が発生していることがわか
る。その後、多重放電が継続して発生しているものの、
点火時期から1.0[mS]経過した時点で火花放電が
強制的に遮断されて、電流値が0[mA]となってい
る。これにより、点火時期から1.0[mS]経過した
後の多重放電の発生を防ぐことができ、点火プラグの電
極消耗を抑えることができる。
【0111】さらに、図8(c)は、火花放電継続時間
Ttが0.5[mS]の場合の測定結果であり、図8
(a)および(b)と同様に、点火時期(図における縦
軸が記載されている時刻)で火花放電が発生して二次電
流が流れ始めた後、緩やかに電流値が減少していき、点
火時期から約0.5[mS]経過した時点で火花放電が
強制的に遮断されて、電流値が0[mA]となってい
る。これにより、多重放電の発生を防ぐことができ、さ
らに点火プラグの電極消耗を抑えることができる。
【0112】従って、本発明を適用した実施例の内燃機
関用点火装置によれば、設定された火花放電継続時間に
て、確実に火花放電を遮断することができ、火花放電の
過剰供給を抑えて点火プラグの寿命を長くすることがで
きる。
【0113】また、本発明の内燃機関用点火装置におけ
る着火性に関する信頼性を確認するため、実際に内燃機
関を用いて、火花放電継続時間Ttを変化させたときの
失火率を測定した測定結果を図9に示す。この測定は、
メタンガスを主成分とする都市ガス13Aを燃料とする
内燃機関を使用し、エンジン負荷を25%とした時の4
段階(800,1000,1500,2000[rp
m])のエンジン回転数それぞれにおける失火の発生割
合(失火率)を、火花放電の強制遮断無しの場合、火花
放電継続時間Ttが1.0[mS]、0.5[mS]、
0.2[mS]の場合の4条件下にてそれぞれ行った。
尚、図9では、縦軸を失火率、横軸を火花放電継続時
間、奥行き方向の軸をエンジン回転数として測定結果を
示す。
【0114】図9に示す測定結果より、エンジン回転数
が高回転となるほど、火花放電継続時間Ttを短く設定
しても、失火が発生せずに内燃機関の運転が良好になさ
れていることが判る。逆に、エンジン回転数が低回転に
なるほど火花放電を強制遮断しない、あるいは、火花放
電継続時間Ttを比較的長く設定することで、失火が発
生することなく内燃機関の運転が良好になされているこ
とが判る。これにより、本発明の内燃機関用点火装置に
おいては、内燃機関にてエンジン回転数が上昇するほ
ど、火花放電遮断時期が早くなるよう火花放電継続時間
Ttを算出した場合にも、着火性が悪化することなく、
内燃機関の運転状態を良好に維持されることが理解でき
る。
【0115】次に、図9では、エンジン負荷を25%と
した時の失火率の測定結果を示したが、エンジン負荷1
00%とし、それ以外の条件については図9に示した測
定と同様の条件下にて、火花放電継続時間Ttを変化さ
せたときの失火率の測定を行った。その測定結果を図1
0に示す。尚、図10においても、図9と同様に、縦軸
を失火率、横軸を火花放電継続時間、奥行き方向の軸を
エンジン回転数として測定結果を示す。
【0116】図10に示す測定結果を、図9に示す測定
結果と比較すると明らかなように、本発明の内燃機関用
点火装置においては、エンジン負荷が高負荷となるほ
ど、火花放電遮断時期が早くなるよう火花放電継続時間
Ttを算出した場合にも、着火性が悪化することなく、
内燃機関の運転状態を良好に維持されることが理解でき
る。つまり、内燃機関にてエンジン回転数、または/及
びエンジン負荷に応じて、最適な火花放電継続時間Tt
を算出することによって、混合気を確実に燃焼させるこ
とができ、失火の発生を抑制することができるのであ
る。
【0117】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、内燃機関が十分に暖機された運転状態に無い場合に
は、火花放電の遮断処理を行わないように火花放電遮断
処理が構成されているが、火花放電継続時間を最も長く
なるように算出して火花放電の遮断処理を行うようにし
てもよい。このとき、火花放電遮断処理において算出さ
れる最も長い火花放電継続時間は、着火性の劣る運転条
件においても確実に混合気を燃焼できる時間となるよう
に予め設定しておくとよい。
【0118】また、上記実施例では、火花放電遮断制御
処理に於けるS200での火花放電継続時間Ttおよび
正常放電時間の算出をマップを用いて行っているが、マ
ップに限定することはなく、例えば、エンジン回転数や
エンジン負荷などをパラメータとする計算式によって算
出してもよい。また、各実施例においては、二次巻線L
2と一次巻線L1との接続部分に、二次巻線L2から一
次巻線L1側に電流が流れるのを許容し、逆方向への電
流の流れを阻止するために、ダイオード等からなる整流
素子Dが設けられているが、この整流素子Dの設置位置
を二次巻線L2と点火プラグ13との接続部分にしても
よい。
【0119】さらに、第1実施例および第2実施例で
は、ECU19の指令(信号)によってトランジスタ2
5(第1実施例においてはトランジスタ17含む)を通
電・遮断して、火花放電遮断を行う手法であるが、EC
U19を介さずともこの火花放電遮断を行うこともでき
る。具体的には、内燃機関の回転に伴うクランク角度の
信号を入力可能な角度信号入力手段と、前記角度信号に
よりエンジン回転数を算出する手段と、当該エンジン回
転数に基づいて火花放電継続時間を算出する火花放電継
続時間算出手段、及び火花放電遮断時期制御手段とをト
ランジスタ17を備えるイグナイタに設ける(付加す
る)ことにより行うことができる。これにより、ECU
に負担をかけることなく、本発明の特徴である火花放電
の強制的な遮断を内燃機関の運転状態に基づいて行うこ
とができる。
【0120】さらに、第1実施例および第2実施例で
は、火花放電の遮断の際に、第1指令信号Saおよび第
2指令信号Sbをそれぞれハイレベルに変化させて、ト
ランジスタ17および火花放電遮断回路21を用いて一
次電流を再通電させているが、第2指令信号Sbのみを
ハイレベルにして、火花放電遮断回路21のみで一次電
流を再通電させてもよい。このように、第2指令信号S
bのみを制御して、第1指令信号Saの制御を行わない
ようにすることで、上述した第1実施例および第2実施
例に比べて、火花放電遮断処理にて実行する処理を少な
くすることができる。このため、上述の実施例に比べて
火花放電遮断処理が実行されるECU19における処理
負荷を低減することができ、また、多数の制御処理を行
うECU19への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の内燃機関用点火装置の構成を表
す電気回路図である。
【図2】 第1実施例の内燃機関用点火装置の各部の状
態を表すタイムチャートである。
【図3】 実施例の電子制御装置(ECU)が実行する
火花放電遮断処理を表すフローチャートである。
【図4】 火花放電遮断処理における火花放電継続時間
の算出に用いる第1マップである。
【図5】 点火プラグの電極間に発生する火花放電の状
態を表す説明図と、火花放電時の二次電流の波形を示す
グラフである。
【図6】 (a)は電極間の混合気流速と多重放電が発
生し始める二次電流値との関係を示すグラフであり、
(b)は点火プラグの電極間距離と多重放電が発生し始
める二次電流値との関係を示すグラフである。
【図7】 第2実施例の内燃機関用点火装置の構成を表
す電気回路図である。
【図8】 点火コイルの二次巻線に流れる二次電流の変
化を測定した測定結果を示すグラフである。
【図9】 エンジン負荷を25%として火花放電継続時
間を変化させたときの失火率を測定した測定結果を示す
グラフである。
【図10】 エンジン負荷を100%として火花放電継
続時間を変化させたときの失火率を測定した測定結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11…電源装置、13…点火
プラグ、13a…中心電極、13b…接地電極、13c
…絶縁体、15…点火コイル、D…整流素子、L1…一
次巻線、L2…二次巻線、17…トランジスタ、19…
電子制御装置(ECU)、21…火花放電遮断回路、2
3…ダイオード、25…トランジスタ、27…コンデン
サ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次巻線が内燃機関に装着された点火プ
    ラグと共に閉ループを形成する点火コイルと、 前記点火コイルの一次巻線に流れる一次電流を通電・遮
    断することにより、前記二次巻線に点火用高電圧を発生
    させ前記点火プラグの電極間に火花放電を発生させる火
    花放電発生手段と、 内燃機関の運転状態に基づき、前記点火プラグの火花放
    電によって混合気を燃焼させるのに要する火花放電継続
    時間を算出する火花放電継続時間算出手段と、 前記火花放電継続時間算出手段にて算出された火花放電
    継続時間に応じて、前記点火プラグの火花放電を強制的
    に遮断する火花放電遮断手段と、 前記火花放電発生手段による火花放電の発生から前記火
    花放電継続時間が経過した時期に、前記火花放電遮断手
    段を動作させる火花放電遮断手段を動作させる火花放電
    遮断時期制御手段と、を備えたことを特徴とする内燃機
    関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記内燃機関は、燃料として気体燃料を
    用いるガスエンジンであること、を特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記火花放電継続時間算出手段は、前記
    内燃機関にて混合気への着火性が良好となる運転状態ほ
    ど、前記火花放電継続時間が短くなるよう算出するこ
    と、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃
    機関用点火装置。
  4. 【請求項4】 前記火花放電継続時間算出手段は、前記
    内燃機関にてエンジン回転数が上昇するほど、前記火花
    放電継続時間が短くなるよう算出すること、を特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれかに記載の内燃機関用
    点火装置。
  5. 【請求項5】 前記火花放電継続時間算出手段は、前記
    内燃機関にてエンジン負荷が上昇するほど、前記火花放
    電継続時間が短くなるよう算出すること、を特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の内燃機関用点
    火装置。
  6. 【請求項6】 前記火花放電継続時間算出手段は、前記
    点火コイルに蓄積されたエネルギの減少に伴い発生する
    多重放電の発生時期よりも火花放電の遮断時期が早くな
    るよう前記火花放電継続時間を算出すること、を特徴と
    する請求項1から請求項5のいずれかに記載の内燃機関
    用点火装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関始動直後であって内燃機関が十
    分に暖機されるまでの運転状態の間は、前記火花放電継
    続時間算出手段は前記火花放電継続時間が最も長くなる
    よう算出する、あるいは、前記火花放電遮断時期制御手
    段は前記火花放電遮断手段を動作させないようにして火
    花放電の強制的な遮断を行ないこと、を特徴とする請求
    項1から請求項6のいずれかに記載の内燃機関用点火装
    置。
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