JP4521502B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火コイルの点火用高電圧を印加することで点火プラグに火花放電を発生させると共に、火花放電の終了後に点火プラグの電極間にイオン電流を発生させ、そのイオン電流を検出する機能を備えた内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジン等に代表される内燃機関では、点火プラグにおける火花放電の発生により混合気が燃焼するとその燃焼に伴ってイオンが発生することから、点火プラグの火花放電により混合気が燃焼した後に、その点火プラグの電極間に電圧を印加することでイオン電流が流れる。そして、イオンの発生量は混合気の燃焼状態によって変化することから、このイオン電流を検出し、解析処理を行うことによって、失火やノッキング等の燃焼状態を検出することができる。
【0003】
従来より、このイオン電流を発生させる機能を備えた点火装置としては、二次巻線の一端(高圧端)に点火プラグが接続される一方、二次巻線の他端(低圧端)に直列にコンデンサが接続され、点火プラグでの火花放電発生時に流れる二次電流(放電電流)によりこのコンデンサを充電し、火花放電終了後に充電されたコンデンサを放電して点火プラグの電極間に電圧を印加することで、点火プラグの電極間にイオン電流を発生させる構成が主流である(例えば、特開平4−191465号公報や特開平10−238446号公報など)。
【0004】
なお、このような点火装置では、コンデンサにツェナーダイオードが並列接続され、コンデンサが過充電により破壊されるのを防ぐと共に、その両端電圧を一定電圧(100〜300〔V〕)に制限している。このようにしてコンデンサをイオン電流発生用の電源とする点火装置は、イオン電流発生用の専用電源装置を特に必要とせずに部品点数が比較的少なくなり、安価な構成を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように二次コイルの低圧端に接続されるコンデンサを火花放電時に流れる二次電流にて充電し、放電させることでイオン電流を発生させる構成の点火装置では、点火コイルに磁束エネルギを蓄積するために一次巻線への通電を開始した際に、点火用高電圧とは逆極性の高電圧(数kV)が二次巻線の両端に発生し、点火時期以前に火花放電を生じて混合気への誤着火を引き起こすといった問題がある。
【0006】
つまり、従来からの点火装置では、二次電流の通電経路に直列接続されるコンデンサに対して、火花放電発生時には充電が可能となり、かつイオン電流検出時(火花放電終了時)には放電が可能となるように、二次電流の通電経路にて両方向の電流が通電可能に構成されている。このために、一次巻線への通電開始時に、二次巻線の両端に一次巻線への通電遮断時とは逆極性の誘導電圧が発生して、この電圧が火花放電に必要な電圧値を超えると、本来の火花放電時とは逆方向に電流が流れて、点火プラグに火花放電が発生してしまうのである。
【0007】
なお、一次巻線への通電時間を同じ長さに設定した条件下では、内燃機関の回転速度が高くなるほど、一次巻線への通電開始時期は、クランク角度の早い時期に設定されることになり、シリンダ内の筒内圧が低い時期に設定されることになる。そして、点火プラグの火花放電に必要な電圧値は、シリンダ内の筒内圧が低くなるほど低下することが知られていることから、特に高回転運転時には、一次巻線への通電開始時に二次巻線に発生する点火用高電圧とは逆極性の数kV程度の電圧によっても、混合気への誤着火が起こり易くなるのである。
【0008】
このような混合気への誤着火を防ぐには、点火プラグと二次巻線とにより形成される閉ループ(通電経路)を流れる電流の通電方向を一方向とし、具体的には一次電流の通電遮断時にのみ電流が流れるのを許容するように、この閉ループ中に逆流防止用ダイオードを設けるとよい。しかし、上述の公報技術に代表される点火装置にて、逆流防止用ダイオードを点火プラグと二次巻線とにより形成される閉ループ中に設けたのでは、二次電流によるコンデンサへの充電は可能となるものの、その放電に伴って上記閉ループに電流を流すことができない。そのために、点火プラグの電極間にイオン電流を発生させることが不可能となる。
【0009】
そこで、本発明はこうした問題に鑑みて、一次巻線への通電開始時に点火プラグに火花放電が発生し、混合気への誤着火を引き起こすことを抑制するとともに、点火プラグの電極間におけるイオン電流の発生、及びそのイオン電流を精度良く検出可能な内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
かかる目的を達成するためになされた本発明は、一次巻線及び二次巻線を有し、一次巻線に流れる一次電流を遮断することで二次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイルと、点火コイルの一次巻線に直列接続されて、一次電流の通電・遮断を行うためにスイッチング駆動される主制御スイッチング手段と、二次巻線に直列接続されて閉ループを形成すると共に、点火用高電圧が印加されることで火花放電を発生する点火プラグとを備えた内燃機関用点火装置であって、二次巻線と点火プラグにより形成される閉ループ中に接続され、一次巻線への通電遮断時に閉ループに流れる電流の通電を許容し、一次巻線への通電開始時に閉ループに流れる電流の通電を阻止する逆流防止用ダイオードと、点火プラグと二次巻線の高圧端とを接続する通電経路との間で容量結合すると共に、点火プラグにおける火花放電中に流れる電流により充電される静電容量構成手段と、静電容量構成手段に直列接続される電流検出手段と、火花放電の終了後における静電容量構成手段の放電により点火プラグの電極間にイオン電流が流れるときに、電流検出手段に流れるイオン電流に比例した電流を検出する検出回路と前記一次巻線の両端に接続される一次巻線短絡手段と、を備え、前記点火プラグの火花放電の開始後、前記火花放電継続時間が経過したタイミングに応じて、前記一次巻線短絡手段を動作させて一次巻線の両端を短絡させることで、該点火プラグの火花放電を強制的に遮断することを特徴とする。
【0011】
まず本発明では、点火コイルの二次巻線と点火プラグとにより形成される閉ループ中に逆流防止用ダイオードを設けることにより、この閉ループ(通電経路)における電流の通電方向を一方向に制限している。そして、この逆流防止用ダイオードは、一次巻線への通電開始時に、二次巻線の両端に発生する点火用高電圧とは逆極性の電圧の発生に伴って流れる電流の通電を阻止するように設けることで、一次巻線への通電開始時にて二次巻線に発生する数kVの電圧によって点火時期以前に点火プラグに火花放電が発生するのを防ぐことができる。
【0012】
ここで、従来技術の二次巻線の低圧端に接続されるコンデンサを二次電流により充電した後、当電荷を放電してイオン電流を発生させる点火装置では、上述のように二次巻線と点火プラグとの閉ループにおける電流の通電方向を一方向に制限すると、イオン電流を発生させることができなかった。それに対し本発明では、イオン電流を発生させるための電流源として、二次巻線の高圧端と点火プラグを接続する通電経路との間で容量結合される静電容量構成手段を設け、さらにこの静電容量構成手段に直列に電流検出手段を設けている点が注目すべき点である。
【0013】
これにより、二次巻線の高圧端と点火プラグとを接続する通電経路に流れる電流が逆流防止用ダイオードにより一方向に制限された場合にも、点火プラグでの火花放電中に流れる電流(即ち、二次電流)にて静電容量構成手段を充電することができる。そして、火花放電終了後に、静電容量構成手段に充電された電荷により、静電容量構成手段、点火プラグの電極間、電流検出手段により形成される閉ループに電流(イオン電流)を流すことになる。その結果、電流検出手段に流れるイオン電流に比例した電流を、検出回路により検出可能となる。つまり、本発明では、点火プラグの火花放電中に流れる二次電流とイオン電流の流れる方向を一方向に合わせることで、上記逆流防止用ダイオードを設けた際にも点火プラグの電極間にイオン電流を発生させることができるのである。
【0014】
但し、上述のように逆流防止用ダイオードを設けた上で、二次巻線の高圧端と点火プラグとの通電経路との間に容量結合する静電容量構成手段を設ければ、イオン電流を良好に発生可能ではあるものの、以下の問題が生じるおそれがある。それは、上記静電容量構成手段は、点火プラグの火花放電中に流れる二次電流により充電される訳だが、火花放電が自然終了したときに点火コイルに残る残留エネルギによっても再度充電されることになる。即ち、点火コイルでは、点火プラグでの火花放電が自然終了したときには火花放電の継続には不十分ではあるものの残留エネルギが残っているために、静電容量構成手段を再度充電してしまう。
【0015】
そして、火花放電が終了した際に点火コイルに残る残留エネルギの大きさは、点火コイルの特性によっても異なるが、内燃機関の運転状態により大きく影響を受ける。そのために、高回転高負荷時では、燃焼室内の乱流(スワール流やタンブル流)の流速が早く火花は早めに吹き消され火花放電継続時間は短いことから、点火コイルの残留エネルギは大きく、静電容量構成手段への充電電圧は比較的高くなる。逆に低回転低負荷時には、燃焼室内の乱流の流速が遅く火花放電継続時間は比較的長いことから、点火コイルの残留エネルギは少なく、静電容量構成手段の充電電圧は比較的低くなる。なお、点火コイルの残留エネルギによって静電容量構成手段に再度充電されたときの充電電圧は、内燃機関の運転状態の違いにより、例えば1〜5〔kV〕の範囲で変化する。
【0016】
そして、イオン電流を発生させるための電流源である上記静電容量構成手段における充電電圧が変化するに伴い、電流検出手段に流れるイオン電流に比例した電流値は変化する。即ち、内燃機関の運転状態の違い(火花放電継続時間の長短)により、電流検出手段を介して検出回路にて検出されるイオン電流に比例した電流値に大きな幅(差)が生じてしまうのである。そして、検出回路にて検出されるイオン電流に比例した電流は、失火やノッキング等の燃焼状態の検出を行うために、一般に内燃機関を総合的に制御する電子制御装置(ECU)にて判読可能な信号に処理されるが、イオン電流に比例した電流のダイナミックレンジ(換言すれば、イオン電流を電圧変換したときの電圧範囲)は、当該検出回路の電源電圧以下にする必要がある。そのために、このイオン電流に比例した電流のダイナミックレンジは、最も電流値が大きくなる条件でも範囲を超えないように検出回路側にて設定する必要があるが、このようにダイナミックレンジを広い範囲で設定することは、アイドル時といった最も低回転低負荷時に検出される小さい電流値(イオン電流値)に対する検出精度の低下につながってしまうことがある。
【0017】
そこで、本発明では、上記逆流防止用ダイオードを備えると共に、イオン電流を発生させる電流源として上記静電容量構成手段を用いるが故に、点火プラグにて発生する火花放電を、外部にて決定される火花放電継続時間が経過したタイミングで強制的に遮断している点が、さらに注目すべき点である。
【0018】
点火プラグでの火花放電を強制的に遮断するには、外部にて決定される火花放電継続時間が経過したタイミングで一次巻線に対して再度通電を行うことで実現することができる。ここで、点火用高電圧の供給に伴う点火プラグの火花放電中に一次巻線に対して再度通電を行うと、火花放電によるエネルギ消費により低下傾向を示していた磁束が再び増加方向に転じ、二次巻線側では当該磁束変化を打ち消す逆起電力が発生し、火花放電が強制的に遮断されるのである。
【0019】
そして、火花放電の遮断時には、点火コイルの二次巻線側では逆起電力が発生するが、本発明では、上記逆流防止用ダイオードを備えた上で、火花放電を強制的に遮断している関係上、火花放電中に二次巻線の高圧端と点火プラグとの通電経路に容量結合される静電容量構成手段に充電された電荷が逆起電力に引っぱられて二次巻線側に逆流することはない。
【0020】
さらに、点火プラグの火花放電を火花放電継続時間に応じて強制的に遮断することで、上記静電容量構成手段の充電電圧を、点火コイルの残留エネルギによらず火花放電中の電圧値に制限することができる。それにより、静電容量構成手段に充電される充電電圧は、例えば300〜800〔V〕の範囲内に制限され、点火コイルの残留エネルギによりこの静電容量構成手段に再度充電される場合の充電電圧の範囲に比べてその範囲を大きく縮小する(換言すれば略一定に制限する)ことができ、ひいては検出回路側でのイオン電流に比例した電流のダイナミックレンジを縮小させて、内燃機関の運転状態によるイオン電流(イオン電流に比例した電流)の検出精度の低下を抑制することができる。
【0021】
したがって、本発明によれば、逆流防止用ダイオードを設けることで、一次巻線への通電開始時に誤って混合気への着火が行われることがなくなり、内燃機関の損傷を防ぐことができる。そして、この逆流防止用ダイオードを設ける場合にも、二次巻線の高圧端と点火プラグの通電経路に容量結合する静電容量構成手段を設けることで、点火プラグの電極間にイオン電流を発生可能となる。さらに、点火プラグの火花放電を外部にて決定される火花放電継続時間が経過したタイミングで強制的に遮断する構成を図ることで、この静電容量構成手段への充電電圧を火花放電中の電圧値に制限し、内燃機関の運転状態が異なる場合にも、イオン電流(イオン電流に比例した電流)の検出精度を向上させることができる。
【0022】
なお、イオン電流を発生させるために点火プラグの電極間に電圧を印加するに際しては、点火プラグを構成する中心電極が負電位、接地電極が正電位となるように印加する場合に比べ、中心電極が正電位、接地電極が負電位となるように印加する場合の方が、良好にイオン電流が発生することが知られている。これは、体積の大きい陽イオンが、中心電極よりも表面積の大きい接地電極から電子の供給を受け易くなり、多くの電子の交換、移動が行われることになるからである。
【0023】
このことから、本発明では、点火プラグの火花放電中に充電された静電容量構成手段の放電の際に、点火プラグの中心電極を正電位、接地電極を負電位として電圧が印加されるように構成することで、イオン電流の検出精度を高めることができる。そして、このためには、一次電流の通電遮断時に点火用高電圧が点火プラグの中心電極が正電位として印加されるように、点火コイル(具体的には点火プラグに接続される二次巻線の巻線方向)を調整すればよい。
さらに、点火プラグの火花放電を火花放電継続時間に応じて強制的に遮断すべく、火花放電中に一次巻線に再度通電を行うにあたっては、一次巻線の両端に接続される一次巻線短絡手段を設け、火花放電継続時間が経過したタイミングに一次巻線短絡手段を動作させて一次巻線の両端を短絡させる。
このように、点火プラグの火花放電中に、一次巻線の両端に接続される一次巻線短絡手段にて一次巻線を短絡すると、点火コイルに残されている磁束により一次巻線とスイッチング素子とで形成される閉ループに電流が流れ始める。そして、この電流が次第に増加して、火花放電発生時の点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線に誘導されることで、火花放電が遮断されることになるのである。
なお、このような一次巻線短絡手段としては、サイリスタやトライアック等が挙げられる。とりわけサイリスタ等を一次巻線短絡手段に適用すれば、一次巻線の両端を短絡した後、一次巻線とサイリスタ等とで形成される閉ループに電流が流れなくなれば、一次巻線の両端を自動的に開放するように自身が機能することになる。そして、一次巻線短絡手段がこのような機能を発揮することで、短絡される一次巻線の両端の開放時期を制御する必要がなくなり、一次巻線短絡手段を動作させるタイミングのみを制御すればよく、火花放電を強制的に遮断するための制御処理を簡略化させることができる。また、サイリスタ等の適用により、一次巻線への再通電時に一次巻線に流れる電流は徐々に低下することになり、一次巻線の過剰な発熱を抑えることも可能である。
【0024】
ところで、点火プラグの火花放電を強制的に遮断するにあたり、外部にて決定される火花放電継続時間は、予め一定時間に設定することが可能である。この場合には、火花放電継続時間は、あらゆる内燃機関の運転状態に応じても混合気の燃焼が可能となるように比較的長い一定時間を設定することが望ましい。しかし、内燃機関では、高回転高負荷時ほど火花放電は混合気の乱流に吹き流され自然に終了し易くなるので、火花放電継続時間を比較的長い一定時間に設定すると、火花放電を遮断する前に火花放電が自然終了し、点火コイルの残留エネルギによる上記静電容量構成手段への再充電を生ずるおそれがある。
【0025】
そこで、本発明では、内燃機関の運転状態に基づき、点火プラグの火花放電継続時間を算出する火花放電継続時間算出手段を備え、点火プラグの火花放電開始後、火花放電継続時間算出手段により算出された火花放電継続時間が経過したタイミングに応じて火花放電を強制的に遮断するようにするとよい。
【0026】
これにより、あらゆる内燃機関の運転状態に対し、静電容量構成手段に対する点火コイルの残留エネルギによる再充電を生ずることを抑え、イオン電流に比例した電流の検出精度をより向上させることができる。なお、火花放電継続時間算出手段にて算出される火花放電継続時間は、高回転高負荷時となるほど短く、逆に低回転低負荷時となるほど長く設定する必要がある。このように設定することで、あらゆる運転状態にも混合気を燃焼させ易く、さらには火花エネルギの供給についても制御され、点火プラグの電極消耗を抑えられる効果も得られる。
【0027】
ここで、点火プラグの火花放電を火花放電継続時間に応じて強制的に遮断するには、火花放電中に一次巻線に再度通電を行うことにより実現できるが、その具体的な手法としては、一次巻線に直列に接続され、点火用高電圧の発生のために一次巻線に流れる一次電流を通電・遮断する主制御スイッチング手段を、火花放電継続時間が経過したタイミングに再度スイッチング駆動するとよい。この手法であれば、1つのスイッチング手段を用いて、点火用高電圧の発生と火花放電の遮断を行うことができ、部品点数を抑えることができる。
【0028】
しかし、上記手法では、内燃機関の運転中における主制御スイッチング手段に対する通電時間が長くなりがちで発熱量が大きくなり、発熱に伴い主制御スイッチング手段が故障する可能性がある。そこで、火花放電中に一次巻線に再度通電を行うにあたっては、火花遮断用スイッチング手段に直列接続され、一次巻線への通電を再開した後に前記点火プラグにて火花放電が発生しないように該一次巻線に流れる電流を減少させる電流調整手段と、を少なくとも含む再通電用回路を、主制御スイッチング手段に並列に接続して、火花放電継続時間が経過したタイミングに応じて火花遮断用スイッチング手段をスイッチング駆動させるようにするとよい。
【0029】
かかる構成を図ることにより、一次巻線への通電・非通電及び火花放電を遮断するための再通電を1つのスイッチング手段を用いて行う必要がなくなる。さらには、電流調整手段が例えば容量素子で構成されている場合、火花遮断用スイッチング手段を通電状態とすることで火花放電を遮断すべく一次巻線に再度通電される一次電流が、火花遮断用スイッチング手段に直列接続された電流調整手段により点火プラグにて火花放電が発生しないように緩やかに減少されることになる。このように、点火用高電圧と火花放電の遮断を行うためのスイッチング手段を分担することで、1つのスイッチング手段に対する負荷を低減し、その発熱量を小さく抑えながら火花放電を遮断することができ、より信頼性の高い点火装置となる。なお、主制御または火花遮断用スイッチング手段としては、具体的にパワートランジスタやFET等の半導体素子からなるスイッチング素子を挙げることができる。
【0033】
また、本発明では、逆流防止用ダイオードは、二次巻線の高圧端と点火プラグとを接続する通電経路中に接続され、静電容量構成手段は、点火プラグと逆流防止用ダイオードとを接続する通電経路との間で容量結合されるように構成するとよい。
【0034】
つまり、このように逆流防止用ダイオード及び静電容量構成手段を配置させることで、静電容量構成手段の放電により発生するイオン電流の通電経路に対し、点火コイル(詳細には二次巻線)から流れ込む電流を、逆流防止用ダイオードにより一方向のみに制限することができ、点火コイルによる減衰振動がイオン電流に重畳するのを抑制でき、イオン電流検出時におけるノイズの影響を抑えることができる。
【0035】
さらに、本発明では、電流検出手段は、静電容量構成手段に直列接続される検出用抵抗を備えており、検出回路は、点火プラグの電極間にイオン電流が流れるときに、検出用抵抗の両端電圧を検出することでイオン電流に比例した電流を検出するようにするとよい。このような構成によれば、火花放電の強制的な遮断に伴い静電容量構成手段の放電が開始されると、検出抵抗の両端に電圧が発生することになる。そして、検出回路にて検出用抵抗の両端電圧を検出することで、測定した両端電圧値と検出用抵抗の抵抗値とに基づいて検出用抵抗に流れる電流が算出されることになり、ひいてはイオン電流の大きさを検出することができる。
【0036】
なお、静電容量構成手段に対して直列に検出用抵抗を設けると、火花放電中に静電容量構成手段を充電する際に検出用抵抗にも電流が流れるので、検出用抵抗の両端に余計なノイズ成分が生じ、イオン電流にそのノイズ成分が重畳する可能性がある。そこで、アノードが検出用抵抗と静電容量構成手段との接続点に接続される形態で、検出用抵抗に並列接続されるバイパス用ダイオードを備えるとよい。これにより、静電容量構成手段への充電時に流れる電流は、バイパス用ダイオードを流れることになり、検出用抵抗の両端における余分なノイズ成分の発生を抑制し、検出回路におけるイオン電流(イオン電流に比例した電流)の検出精度を高めることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1は、第1実施例のイオン電流検出が可能な内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。なお、本実施例では、1気筒分について説明を行うが、本発明は複数の気筒を備える内燃機関についても適用でき、気筒毎の点火装置の基本構成は同様である。
【0038】
図1に示すように、第1実施例の内燃機関用点火装置1は、定電圧(例えば、12〔V〕)を出力する電源装置(バッテリ)11と、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグと、一次巻線L1と二次巻線L2とを有し点火用高電圧を発生する点火コイル15と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型パワートランジスタからなるトランジスタ17と、トランジスタ17をスイッチング駆動するための指令信号Saを出力する電子制御装置19(以下、ECU19と呼ぶ)とを備えている。さらには、アノードが二次巻線L2の高圧端35に接続され、カソードが点火プラグ13の中心電極13aに接続された逆流防止用ダイオード31と、中心電極13aと逆流防止用ダイオード31とを接続する通電経路に接近して容量結合され、後述する点火プラグ13での火花放電中に電荷を蓄積させる静電容量を構成する導電体33と、この導電体33と電源装置11の負極と同電位のグランドとの間に接続される検出抵抗21と、検出抵抗21に並列接続されるバイパス用ダイオード23と、検出抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流に比例する検出電流io×検出抵抗21の抵抗値)に基づき、イオン電流に応じて変動するイオン電流検出信号SiをEUC19に出力する検出回路25を備えている。
【0039】
これらのうち、トランジスタ17は、点火コイル15の一次巻線L1への通電・遮断を行うために、指令信号Saに基づいてスイッチング駆動されるスイッチング素子であり、本実施例の点火装置はフルトランジスタ型点火装置である。そして、一次巻線L1は、一端が電源装置11の正極に接続され、他端がトランジスタ17のコレクタに接続されており、二次巻線L2は、一端(低圧端)が電源装置11の負極と同電位のグランドに接続され、他端(高圧端35)が逆流防止用ダイオード31のアノードに接続されている。
【0040】
また、逆流防止用ダイオード31は、上述のように接続されることで、二次巻線L2から点火プラグ13の中心電極13aに向かう電流の通電を許容し、点火プラグ13の中心電極13aから二次巻線L2に向かう電流の通電を阻止するように機能する。
【0041】
次に、導電体33は、中心電極13aと逆流防止用ダイオード31とを接続する通電経路の周囲を包囲する電極板からなり、上記通電経路と導電体33との間で容量結合して静電容量C(図1に示す点囲み線部分)を構成する一方、検出抵抗21を介して電源装置11の負極と同電位のグランドに接続されている。そして、静電容量C及び検出抵抗21の直列回路は、後述するイオン電流発生時に、点火プラグ13と共に閉ループを構成することになる。
【0042】
また、バイパス用ダイオード23は、アノードが導電体33により構成される静電容量Cと検出抵抗21との接続点に接続され、カソードが電源装置11の負極と同電位のグランドに接続されて、検出抵抗21に並列接続されている。さらに、静電容量Cと検出抵抗21との接続点は、検出回路25の入力端子に接続されている。
【0043】
検出回路25は、検出抵抗21の両端電圧Vrに基づき、イオン電流検出信号SiをECU19に出力するものであって、内燃機関の運転状態によって変化する検出抵抗21の両端電圧Vrのダイナミックレンジ(変動範囲)に対応できるように構成されると共に、イオン電流検出信号Siの変動範囲がECU19に入力可能な範囲を逸脱しないように構成されている。
【0044】
さらに、点火プラグ13において、中心電極13aと対向して火花放電を発生させる火花放電ギャップを形成する接地電極13bは、電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されている。また、トランジスタ17は、ベースがECU19の指令信号Saの出力端子に接続され、エミッタが電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されている。
【0045】
このような内燃機関用点火装置1では、ECU19から出力される指令信号Saがローレベル(一般にグランド電位)である場合には、ベース電流ibが流れずトランジスタ17はオフ状態となり、一次巻線L1に一次電流i1が流れることはない。また、ECU19から出力される指令信号Saがハイレベル(一般に定電圧電源からの供給電圧5[V])である場合には、ベース電流ibが流れてトランジスタ17はオン状態となり、一次巻線L1に一次電流i1が流れる。
【0046】
そして、点火時期から予め定められた時間遡った時点より、指令信号Saをローからハイレベルに変化させて一次巻線L1に一次電流i1を流し、点火時期に応じて指令信号Saをハイからローレベルに変化させると、一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断(停止)されて、点火コイル15における磁束密度が急激に変化して、二次巻線L2に点火用高電圧が発生すると共に、点火プラグ13に火花放電が発生する。
【0047】
なお、点火コイル15は、二次巻線L2における点火プラグ13の中心電極13aにグランド電位よりも高い正極性の点火用高電圧を発生するように構成されている。そして、火花放電に伴い二次巻線L2に流れる二次電流i2は、二次巻線L2から逆流防止用ダイオード31、点火プラグ13の中心電極13a、接地電極13bの順に通過して、グランドを介して二次巻線L2に戻る方向に流れる。
【0048】
ここで、点火プラグ13の火花放電中に流れる二次電流i2は、逆流防止用ダイオード31、静電容量C及びバイパス用ダイオード23からなる閉ループにも流れることになる。それにより、二次巻線L2と点火プラグ13との通電経路にて容量結合される静電容量Cは、この二次電流i2によって電荷が蓄積されることになる。
【0049】
そして、点火プラグ13の火花放電中に、指令信号Saをローからハイレベルに変化させると、トランジスタ17にベース電流ibが供給され一次巻線L1に再度一次電流i1が流れる。これにより、二次巻線L2の両端に点火用高電圧とは逆極性の電圧が発生し、点火プラグ13における火花放電が強制的に遮断される。そして、点火プラグ13の火花放電が遮断されると、火花放電中に流れる二次電流i2により静電容量Cに充電された充電電圧が、点火プラグ13に放電されることになる。そして、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオンが存在する場合には、電極13a−13b間にイオン電流が発生し、静電容量Cの一端から点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて静電容量Cの他端に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが流れることになる。
【0050】
ここで、静電容量Cについては、点火プラグ13の火花放電中に流れる二次電流i2により充電されるものであるが、二次巻線L2と点火プラグ13とにより形成される閉ループ中に一次巻線L1の通電開始時に流れる電流の通電を阻止する逆流防止用ダイオード31を備え、かつ火花放電を強制的に遮断して二次巻線L2に逆起電力を発生させている関係上、点火コイル13の残留エネルギによって再充電されることはない。
【0051】
そして、この静電容量Cの放電により、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオン電流が発生すると、検出電流ioの大きさに比例した電圧が検出抵抗21の両端に発生し、検出抵抗21の両端電圧Vrが検出電流io(イオン電流)の大きさに比例して変化することになる。このとき、検出電流ioの発生に伴いバイパス用ダイオード23に印加される電圧は、順方向電圧ではなく逆方向電圧となるために、検出電流ioはバイパス用ダイオード23には流れず、検出抵抗21を通じて流れる。
【0052】
このようにして検出抵抗21の両端電圧Vrが変化することで、検出回路25は、検出した検出抵抗21の両端電圧Vrに基づくイオン電流検出信号SiをECU19に出力する。なお、検出回路25は、ECU19の入力端子の入力レンジに応じた範囲内で検出抵抗21の両端電圧Vrと同様の変化を示すように、かつ検出抵抗21の両端電圧Vrとは正負が反転した信号を、イオン電流検出信号SiとしてECU21に出力している。
【0053】
ここで、混合気への着火が正常に行われた場合の図1に示す回路図における指令信号Sa、一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表すタイムチャートを図2に示す。
【0054】
図2に示すように、時刻t1にて、指令信号Saがローからハイレベルに切り換わると、一次巻線L1に一次電流i1が流れ始める。このとき、一次電流i1の通電開始に伴う磁束密度の変化により、二次巻線L2の両端に点火プラグ13の中心電極13aが負電位となる数kVの電圧が発生する。但し、一次電流i1の通電開始時に二次巻線L2の両端に発生する電圧により生じる電流は、逆流防止用ダイオード31により通電が阻止されるので、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vpが変化することなく、火花放電が発生することはない。
【0055】
そして、時刻t1からあらゆる内燃機関の運転状態に適応するように予め設定された通電時間(一次電流通電時間)が経過した時刻t2(点火時期)に、指令信号Saがハイからローレベルに切り換わると、一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断され、二次巻線L2に点火用高電圧(数十[kV]以上)が発生する。そして、二次巻線L2の高圧端35から点火プラグ13の中心電極13aに正極性の点火用高電圧が印加されて、中心電極13aの電位Vpが急峻に上昇し、点火プラグ13に火花放電が発生して、二次巻線L2に二次電流i2が流れる。なお、この点火プラグ13の火花放電中に、静電容量Cに電荷が蓄積される。
【0056】
このあと、外部(ECU19)にて決定される火花放電継続時間が経過した時時刻t3に、指令信号Saをローからハイレベルに切り換えると、一次巻線L1に再度一次電流iが流れ始める。すると、点火プラグ13にて発生する火花放電が強制的に遮断され、それに同期して静電容量Cの充電電圧が放電されて点火プラグ13の電極間に印加され、正常燃焼時にはこの電極間におけるイオンの発生量に応じて、検出抵抗21にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。
【0057】
そして、時刻t4になると指令信号Saのレベルが緩やかに減少を開始し、時刻t5になると指令信号Saがローレベルとなる。このように緩やかに指令信号Saを減少させてトランジスタ17のベース電流ibを緩やかに減少させることで、トランジスタ17の電流増幅率の関係から、一次電流i1は緩やかに減少する。これにより、一次電流i1を瞬時に通電遮断する場合に比べて、点火コイル15での単位時間あたりの磁束密度の変化が小さくなり、二次巻線L2の両端に発生する電圧が小さくなるため、二次巻線L2にて点火用高電圧が発生することなく、不適切な時期における火花放電の発生を抑制することができる。
【0058】
このようにしてイオン電流が図2における時刻t3以降から発生すると、静電容量Cの一端から点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて静電容量Cの他端に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。それにより、検出抵抗21の両端に電位差が発生し、検出抵抗21の両端電圧Vrはイオン電流の大きさに応じて変化することになる。このときのイオン電流(検出抵抗21の両端電圧Vr)の変動は、図2における時刻t3から時刻t4までの波形のように、略山形の波形を示すことになる。
【0059】
なお、図2に示すイオン電流は、正常燃焼時の波形を示しており、時刻t3から時刻t4までの期間には、イオンの発生量に応じたイオン電流が発生するものである。また、検出抵抗21の両端電圧Vrの検出位置の関係から、図2では、イオン電流波形(両端電圧Vr)は負の値となるほど(図中下になるほど)、イオン電流の電流量が大きくなる。このことから、例えば、時刻t3〜時刻t4におけるイオン電流波形におけるピーク値と、失火判定用に予め定められた判定基準値とを比較してピーク値が判定基準値以上となる場合には正常放電と判定し、ピーク値が判定基準値よりも小さい場合には失火が判定していると判定することができる。
【0060】
次に、内燃機関用点火装置1のECU19において実行されるイオン電流検出処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ECU19は、内燃機関の火花放電発生時期(点火時期)、火花放電の遮断時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明するイオン電流検出処理のほかに、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度(エンジン回転数)、スロットル開度、冷却水温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理等を実行している。
【0061】
また、図5に示すイオン電流検出処理は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気、圧縮、燃焼、排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行されており、さらに、点火制御のための処理も併せて実行している。
【0062】
そして、内燃機関が始動されてイオン電流検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検出された運転状態を読込み、S120にて、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(所謂、点火時期)ts及び火花放電継続時間Ttを設定する。
【0063】
なお、S110の処理では、内燃機関のエンジン回転数と、スロットル開度や吸気管負圧(吸入空気量)等を用いて算出されるエンジン負荷とを含む情報を、運転状態として読み込むことが好ましい。そして、S120の処理における火花放電発生時期tsの設定については、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正するといった従来公知の手順で行う。また、S120の処理における火花放電継続時間Ttの設定は、エンジン回転数及びエンジン負荷の情報に基づいて、低回転低負荷時には長く、高回転高負荷時には短くなるように、予め設定されたマップ若しくは計算式を用いて設定(算出)する。本実施例では、エンジン回転数とエンジン負荷をパラメータとするマップを用いて、最適な火花放電継続時間Ttを設定する。
【0064】
次に、S130では、S120にて設定した火花放電発生時期tsに基づき、火花放電発生時期tsに対し予め設定された一次巻線L1の通電時間だけ早い通電開始時期を求め、その通電開始時期に達した時点(図2に示す時刻t1)で、指令信号Saをローからハイレベルに変化させる。なお、S130の処理により、指令信号Saがローからハイレベルに切り換わると、トランジスタ17がオン状態となり、一次巻線L1に一次電流i1が流れる。また、火花放電発生時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、その通電によって点火コイル15に蓄積される磁束エネルギが、内燃機関のあらゆる運転条件下での点火プラグが放電するために必要な電圧を満たすようにすべく予め設定されている。
【0065】
そして、続くS140では、クランク角センサからの検出信号に基づき、S120で設定した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。そして、S140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断されると(図2に示す時刻t2)、S150に移行する。すると、S150では、指令信号Saをハイからローレベルに反転させ、この結果トランジスタ17がターンオフして一次電流i1が遮断され、二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13に火花放電が発生する。そして、火花放電の発生により、静電容量Cには二次電流i2により充電が開始される。
【0066】
次のS160では、S120で設定した火花放電継続時間Ttに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電継続時間Ttになるまで待機する。そして、S160にて、火花放電継続時間Ttに達したと判断されると(図2に示す時刻t3)、S170に移行して、指令信号Saをローからハイレベルに切り変え、火花放電を強制的に遮断する。そして、これに同期して静電容量Cの充電電圧が放電される。
【0067】
ついで、S180に移行し、検出抵抗21を介して検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siの読み込みを開始する。なお、このS180の処理が開始された後は、ECU19の内部では、検出抵抗21の両端電圧Vrの変化に応じて検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siを読み込む処理が継続して行われる。
【0068】
続いて、S190に移行し、イオン電流ioを検出するための時間として予めECU19にて設定してある指令信号Saのハイレベル継続時間を経過したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行して待機する。なお、本実施例では、この指令信号Saのハイレベル継続時間は、予め固定値としているが、運転状態に合わせて適宜値を変更するように設定してもよい。
【0069】
そして、S190にて、指令信号Saのハイレベル継続時間が経過したと判断されると(図2に示す時刻t4)、S200に移行する。S200では、指令信号Saをハイからローレベルに緩やかに減少させる指令信号Saレベル低下処理を行う。これにより最終的に一次電流i1の通電を停止(図2に示す時刻t5)することができる。そして、S200の処理が開始されると、S210に以降し、S170で開始したイオン電流検出信号Siの読み込み処理を停止し、S210における処理が終了すると、本イオン電流検出処理が終了する。
【0070】
なお、ECU19では、点火プラグ13の電極13a−13b間に発生するイオン電流に比例する検出電流ioに基づいて、内燃機関の失火の有無を判定する失火判定処理を別途実行している。つまり、この失火判定処理では、図2における時刻t3から時刻t4までの期間において、検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siに基づき失火判定を行っている。
【0071】
以上説明したように、本実施例の内燃機関用点火装置1では、逆流防止用ダイオード31を設けることで、一次巻線L1への通電開始時に誤って混合気への着火が行われることを防いでいる。そして、この逆流防止用ダイオード31を設けると共に、二次巻線L2の高圧端35と点火プラグ13の通電経路に接近して容量結合する導体体33から構成される静電容量Cを設けるたことで、混合気への誤着火を防止しつつ、点火プラグ13の電極間にイオン電流を発生可能となる。さらに、点火プラグ13の火花放電を、EUC19にて内燃機関の運転状態に基づいて算出される火花放電継続時間が経過したタイミングで強制的に遮断する構成を図ることで、この静電容量Cへの充電電圧を火花放電中の電圧値に制限し、この静電容量Cの放電により点火プラグ13の電極13a−13b間に流れるイオン電流を、検出抵抗21を介して検出回路25により検出している。
【0072】
(第2実施形態)
ついで、第2の実施例について説明する。本第2実施例の内燃機関用点火装置は、上記第1実施例において、点火プラグ13の火花放電を強制的に遮断すべく一次巻線に再度通電を行うための手法が異なるものであり、具体的には図1に示す第1実施例の回路図にて、一次巻線L1に直列接続されるトランジスタ17に、並列に火花遮断用トランジスタ47を備える再通電用回路40を接続したものである(図4参照)。但し、この再通電用回路40を設けたことにより、第1実施例におけるイオン電流検出処理が異なるものとなるために、第1実施例と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0073】
図4の回路図にて示すように、第2実施例の内燃機関用点火装置2の再通電用回路は、エミッタが接地され、ベースがECU19の第2指令信号Sbを出力する端子と接続され、コレクタがコンデンサ49の一端に接続されると共に、ダイオード45を介して接地されたnpn型の火花火花遮断用トランジスタ47を備える。それより、ダイオード45は、アノードが接地され、カソードが火花火花遮断用トランジスタ47のコレクタに接続されている。また、コンデンサ49は、火花遮断用トランジスタ47との接続端とは反対側の接続端が、抵抗41を介して一次巻線L1に接続されている。さらに、ダイオード43が抵抗41に並列接続されており、ダイオード43は、アノードが抵抗45と一次巻線L1との接続点に接続されている。
【0074】
そして、ECU19から出力される第2指令信号Sbがローレベルである場合には、再通電用回路40内の火花遮断用トランジスタ47はオフ状態となり、一次巻線L1に一次電流i1を流すことはない。また、第2指令信号Sbがハイレベルである場合、再通電用回路40内の火花遮断用トランジスタ47はオン状態となり、一次巻線L1に一次電流i1を流す。このとき、一次巻線L1からコンデンサ49に流れ込む電流は、ダイオード43を通じて流れる。そして、一次巻線L1を流れる電流によってコンデンサ49に電荷が蓄積されるに従い、一次電流i1は緩やかに減少し、コンデンサ49に一次巻線L1のインダクタンスとコンデンサ49の容量とで決まる一定の時定数にて、所定量の電荷が蓄積されると、コンデンサ49に電流が流れなくなり、一次電流i1を遮断する。
【0075】
但し、コンデンサ49が、一次巻線L1側に接続された電極を正極として完全に充電されている場合、第2指令信号Sbがハイレベルであっても、一次電流i1は流れないため、予めコンデンサ49に蓄積された電荷を放電させておく必要がある。そこで、本実施形態では、点火用高電圧を発生させるための指令信号Saをハイレベルにする、即ちトランジスタ17をオン状態とすることで、コンデンサ49が充電されている場合にその電荷を放電させることができる。
【0076】
つまり、トランジスタ17をオン状態とすると、トランジスタ17、抵抗41、コンデンサ49、ダイオード45による閉ループが形成され、コンデンサ49に蓄積された電荷によって、この閉ループに電流が流れることにより、コンデンサ49は放電される。このとき、コンデンサ49から放電される電流は、ダイオード43ではなく抵抗41を介して流れるため、通電経路の抵抗値が大きくなる。このため、通電経路に流れる電流値が小さくなり、トランジスタ17に流れる電流量が抑えられる。これにより、コンデンサ49に蓄積された電荷を放電させたときに伴うトランジスタ17の発熱を小さく抑えることが可能となる。
【0077】
図5は、図4に示す回路図における、指令信号Sa、第2指令信号Sb、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、点火コイル15の一次巻線L1に流れる一次電流i1、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表すタイムチャートである。ここで、時刻t1にて、指令信号Saがローからハイレベルに切り換わると、トランジスタ17がオン状態となり、一次巻線L1に一次電流i1が流れ始める。なお、このとき、第2指令信号Sbはローレベルにあり、火花遮断用トランジスタ47はオフ状態である。すると、一次電流i1の通電開始に伴う磁束密度の変化により、二次巻線L2の両端に点火プラグ13の中心電極13aが負電位となる数kVの電圧が発生することになるが、この二次巻線L2の両端に発生する電圧により生じる電流は、逆流防止用ダイオード31により通電が阻止される。
【0078】
そして、時刻t1からあらゆる内燃機関の運転状態に適応するように予め設定された通電時間(一次電流通電時間)が経過した時刻t2(点火時期)にて、指令信号Saがハイからローレベルに切り換わると、一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断され、二次巻線L2に点火用高電圧(数十[kV]以上)が発生する。そして、二次巻線L2の高圧端35から点火プラグ13の中心電極13aに正極性の点火用高電圧が印加されて、中心電極13aの電位Vpが急峻に上昇し、点火プラグ13に火花放電が発生して、二次巻線L2に二次電流i2が流れる。なお、この点火プラグ13の火花放電中に、静電容量Cに電荷が蓄積される。
【0079】
このあと、外部(ECU19)にて決定される火花放電継続時間が経過した時時刻t3に、第2指令信号Sbをローからハイレベルに切り換えると、火花遮断用トランジスタ47がオン状態となり、一次巻線L1に再度一次電流iが流れ始める。すると、点火プラグ13にて発生する火花放電が強制的に遮断され、それに同期して導電体33により構成される静電容量Cに充電された充電電圧は放電されて点火プラグ13の電極間に印加され、正常燃焼時にはこの電極間におけるイオンの発生量に応じて、検出抵抗21にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。
【0080】
また、時刻t3にて、火花遮断用トランジスタ47をオン状態として一次巻線L1に再度一次電流i1が流れると、コンデンサ49に電荷が蓄積されていき、それに従い一次電流が緩やかに減少し、コンデンサ49に所定量の電荷が蓄積されて完全に充電されると、一次電流i1を遮断する。そして、時刻t5になると、第2指令信号Sbをハイからローレベルに切り換え、火花遮断用トランジスタ47をオフ状態とする。なお、コンデンサ49に蓄積された電荷は、同気筒における次の燃焼サイクルにおける指令信号Saをローからハイレベルに切り換えたとき(トランジスタ17がオン状態となったとき)に、抵抗41、トランジスタ17を介してグランドに放電される。
【0081】
このようにしてイオン電流が図2における時刻t3の直後から発生すると、静電容量Cの一端から点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて静電容量Cの他端に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。それにより、検出抵抗21の両端に電位差が発生し、検出抵抗21の両端電圧Vrはイオン電流の大きさに応じて変化することになる。このときのイオン電流(検出抵抗21の両端電圧Vr)の変動は、図5における時刻t3から時刻t4までの波形のように、略山形の波形を示すことになる。
【0082】
次に、この第2実施例の内燃機関用点火装置2のECU19において実行されるイオン電流検出処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。上記第1実施例と同様に、内燃機関が始動されて本イオン電流検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検出された内燃機関の運転状態を読込み、S120にて、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(所謂、点火時期)tsおよび火花放電継続時間Ttを設定する。
【0083】
続いてS130では、S120にて設定した火花放電発生時期tsに基づき、火花放電発生時期tsに対して、予め設定された一次巻線L1の通電時間だけ早い通電開始時期を求め、通電開始時期に達した時点(図5に示す時刻t1)で、指令信号Saをローからハイレベルに変化させる。なお、火花放電発生時期tsまでの一次巻線L1の通電時間については、その通電によって点火コイル15に蓄積される磁束エネルギが、内燃機関のあらゆる運転条件下での点火プラグが放電するために必要な電圧を満たすようにすべく予め設定されている。
【0084】
そして、続くS140では、クランク角センサからの検出信号に基づき、S120で設定した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。そして、S140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断されると(図5に示す時刻t2)、S150に移行する。すると、S150では、指令信号Saをハイからローレベルに反転され、二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13に火花放電が発生する。そして、火花放電の発生により、静電容量Cには二次電流i2により充電が開始される。
【0085】
次のS160では、S120で設定した火花放電継続時間Ttに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電継続時間Ttになるまで待機する。そして、S160にて、火花放電継続時間Ttに達したと判断されると(図5に示す時刻t3)、S220に移行して、第2指令信号Sbをローからハイレベルに切り変え、火花放電を強制的に遮断する。そして、これに同期して静電容量Cの充電電圧が放電される。
【0086】
ついで、S180に移行し、検出抵抗21を介して検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siの読み込みを開始する。なお、このS180の処理が開始された後は、ECU19の内部では、検出抵抗21の両端電圧Vrの変化に応じて検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siを読み込む処理が継続して行われる。
【0087】
続いて、S210に移行し、イオン電流ioを検出するための時間として予めECU19にて設定してあるイオン電流検出時間を経過すると、イオン電流検出信号Siを読み込む処理を終了する(図5に示す時刻t4)。なお、本第2実施例では、このイオン電流検出時間は、予め固定値としているが、運転状態に合わせて適宜値を変更するように設定してもよい。
【0088】
そして、S230に移行して、ECU19にて予め設定されている2指令信号Sbハイレベル継続時間が経過したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行して待機する。なお、このS230の処理を行っている際に、一次巻線L1に再度通電された一次電流i1はコンデンサ49に充電されていき、本第2実施例では第2指令信号Sbハイレベル継続時間が経過する前に一次電流i1は流れなくなる。そして、S230にて第2指令信号Sbハイレベル継続時間が経過したと判断されると(図5に示す時刻t5)、S240に移行し、第2指令信号Sbをハイからローレベルに切り換える。これにより、本イオン電流検出処理が終了する。
【0089】
なお、ECU19では、点火プラグ13の電極13a−13b間に発生するイオン電流に比例する検出電流ioに基づいて、内燃機関の失火の有無を判定する失火判定処理を別途実行している。つまり、この失火判定処理では、図5における時刻t3から時刻t4までの期間において、検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siに基づき失火判定を行っている。
【0090】
(第3実施形態)
ついで、第3の実施例について説明する。本第3実施例の内燃機関用点火装置は、上記第1実施例のものにおいて、点火プラグ13の火花放電を強制的に遮断すべく一次巻線に再度通電を行うための手法が異なるものである。具体的には、図1に示す第1実施例の回路図にて、一次巻線L1の両端に接続され、一次巻線L1の両端を短絡することで一次巻線L1に通電を行うためのサイリスタ51を備えるものである(図7参照)。但し、このサイリスタ51を設けたことで、第1実施例におけるイオン電流検出処理が異なるものとなるために、第1実施例と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0091】
図7の回路図にて示すように、第3実施例の内燃機関用点火装置3では、カソード51cが一次巻線と電源装置との接続端に、アノード51aが一次巻線L1とトランジスタ17との接続端に、ゲート51gが次述するサイリスタ駆動回路61に接続されている。
【0092】
サイリスタ駆動回路61は、第1端子63aが抵抗69を介して電源装置11の正極に接続されたコンデンサ63と、一端がコンデンサ63の第2端子63bにコレクタが接続されたnpn型トランジスタからなる遮断制御用トランジスタ67と、一端がコンデンサ63の第2端子63bに接続され、他端が電源装置11の正極に接続された抵抗65と、コンデンサ63の第1端子63aと電源装置11の正極との間に接続されたノイズ除去用コンデンサ75とを備えている。そして、コンデンサ63の第1端子63aは、サイリスタ51のゲート51gに接続されている。また、遮断制御用トランジスタ67は、エミッタが電源装置11と負極と同電位のグランドに接続され、ベースがECU19における遮断用指令信号Scの出力端子に接続されている。
【0093】
このように構成されたサイリスタ駆動回路61は、遮断制御用トランジスタ67のベースに入力される遮断用指令信号Scがハイレベル(一般にECU19の駆動電圧)であるときには、遮断制御用トランジスタ67のベース−エミッタ間に電位差が生じて電流が流れ、遮断制御用トランジスタ67はオン状態となる。このとき、コンデンサ63の第2端子63bはグランド電位と略等しくなり、電源装置11の正極から抵抗69、コンデンサ63、遮断制御用トランジスタ67を通じて電源装置11の負極に至る通電経路が形成され、コンデンサ63は両端電圧が電源装置11の電源電圧Vbに等しくなるまで充電される。このとき、コンデンサ63は、第1端子63aが高電位、第2端子63bが低電位となって充電される。
【0094】
そして、この状態より遮断制御用トランジスタ67のベースに入力される遮断用指令信号Scがローレベル(一般にグランド電位)になると、遮断制御用トランジスタ67はオフ状態となり、コンデンサ63に蓄積されている電荷が放電され、コンデンサ63、サイリスタ51のゲート51g、カソード51c及び抵抗65からなる閉ループを形成し、コンデンサ63、サイリスタ51、抵抗65の順に電流が流れる。
【0095】
このとき、コンデンサ63が放電される瞬間には、コンデンサ63の第2端子63bの電位は電源装置11の正極の電位Vbに略等しくなり、コンデンサ63の第1端子63aの電位は、電源装置11の正極の電位Vbに充電時のコンデンサ63の両端電圧Vbを加算した電位となる。このため、コンデンサ63が放電される瞬間には、コンデンサ63の第1端子63aの電位は2Vbとなり、少なくとも電源装置11の正極の電位Vbよりも高電位となる。このあと、コンデンサ63に蓄積された電荷が放電されるに従い、第1端子63aの電位は低下していき、最終的に電源装置11の正極の電位Vbに等しくなる。
【0096】
よって、この第3実施例のサイリスタ駆動回路61は、ECU19からの遮断用指令信号Scがハイレベルであるときには、サイリスタ51のゲート51gに対して電源装置11の正極の電位に等しい低電位(ローレベル)の信号を出力する。また、ECU19からの遮断用指令信号Scがハイからローレベルに変化した直後には、サイリスタ51のゲート51gに対して電源装置11の正極の電位よりも高電位(ハイレベル)の信号を出力する。
【0097】
このため、ECU19から出力される遮断用指令信号Scがハイレベルである場合には、サイリスタ駆動回路61からサイリスタ51へ出力される駆動信号Sdがローレベル(電位Vb)となり、サイリスタ51がオフ状態となるため、一次巻線L1の両端がサイリスタ51により短絡されることはない。また、遮断用指令信号Sbがハイからローレベルになった直後は、サイリスタ駆動回路61からサイリスタ51へ出力される信号がハイレベル(電位2Vb)となり、サイリスタ51がオン状態となるため、一次巻線L1の両端が短絡されて、一次巻線L1とサイリスタ51による閉ループが形成される。なお、サイリスタ51は、短絡状態の際に一方向に流れる電流のみを許容するものであり、このサイリスタ51により両端が短絡された一次巻線L1には、トランジスタ17がオン状態のときに流れる一次電流i1と同方向に電流が流れる。
【0098】
図8は、図7に示す回路図における、指令信号Sa、遮断用指令信号Sc、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、点火コイル15の一次巻線L1に流れる一次電流i1、サイリスタ51のゲート電位(V4)、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表すタイムチャートである。ここで、時刻t1にて、指令信号Saがローからハイレベルに切り換わると、トランジスタ17がオン状態となり、一次巻線L1に一次電流i1が流れ始める。なお、このとき、遮断用指令信号Scはハイレベルにあり、遮断制御用トランジスタ67はオン状態である。すると、一次電流i1の通電開始に伴う磁束密度の変化により、二次巻線L2の両端に点火プラグ13の中心電極13aが負電位となる数kVの電圧が発生することになるが、一次電流i1の通電開始時に二次巻線L2の両端に発生する電圧により生じる電流は、逆流防止用ダイオード31により通電が阻止される。
【0099】
そして、時刻t1からあらゆる内燃機関の運転状態に適応するように予め設定された通電時間(一次電流通電時間)が経過した時刻t2(点火時期)にて、指令信号Saがハイからローレベルに切り換わると、一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断され、二次巻線L2に点火用高電圧(数十[kV]以上)が発生する。そして、二次巻線L2の高圧端35から点火プラグ13の中心電極13aに正極性の点火用高電圧が印加されて、中心電極13aの電位Vpが急峻に上昇し、点火プラグ13に火花放電が発生して、二次巻線L2に二次電流i2が流れる。なお、この点火プラグ13の火花放電中に静電容量Cに電荷が蓄積される。
【0100】
このあと、外部(ECU19)にて決定される火花放電継続時間が経過した時刻t3に、遮断用指令信号Scをハイからローレベルに切り換えると、サイリスタ駆動回路61の動作によりサイリスタ51がオン状態となり、一次巻線L1の両端が短絡される。詳細に説明すると、点火コイル15の残留エネルギにより、一次巻線L1とサイリスタ51とにより形成される閉ループに一次電流i1が流れ始める。そして、この一次電流i1が次第に増加していくと二次巻線L2に点火用高電圧とは逆極性の電圧が誘導されて、点火プラグ13での火花放電が遮断される。そして、それに同期して静電容量Cに充電された充電電圧は放電されて点火プラグ13の電極間に印加され、正常燃焼時にはこの電極間におけるイオンの発生量に応じて、検出抵抗21にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。
【0101】
そして、遮断用指令信号Scは、ローレベルになった後、ECU19に予め設定された所定の時間が経過すると(時刻t4)、ローからハイレベルに切り換えられて、サイリスタ駆動回路61からの駆動信号Sdが完全に停止される。なお、サイリスタ51と一次巻線L1との閉ループに流れる一次電流i1は、遮断用指令信号Scのスイッチング駆動制御によらず、点火コイル15の残留エネルギが一次巻線L1の内部抵抗によって消費されて、徐々に減少していくものであり、残留エネルギが消費されると一次電流i1は流れなくなる(時刻t5)。このとき、電流が流れなくなることにより、自動的に一次巻線L1とサイリスタ51とによる閉ループは開放される。
【0102】
このようにしてイオン電流が図8における時刻t3以降から発生すると、導電体33により構成される静電容量Cの一端から点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて上記静電容量Cの他端に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。それにより、検出抵抗21の両端に電位差が発生し、検出抵抗21の両端電圧Vrはイオン電流の大きさに応じて変化することになる。このときのイオン電流(検出抵抗21の両端電圧Vr)の変動は、図8における時刻t3以降の波形のように、略山形の波形を示すことになる。
【0103】
次に、この第3実施例の内燃機関用点火装置3のECU19において実行されるイオン電流検出処理について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。上記第1実施例と同様に、内燃機関が始動されて本イオン電流検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検出された内燃機関の運転状態を読込み、S120にて、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(所謂、点火時期)tsおよび火花放電継続時間Ttを設定する。
【0104】
続いてS130では、S120にて設定した火花放電発生時期tsに基づき、火花放電発生時期tsに対して、予め設定された一次巻線L1の通電時間だけ早い一次巻線L1の通電開始時期を求め、通電開始時期に達した時点(図8に示す時刻t1)で、指令信号Saをローからハイレベルに変化させる。なお、火花放電発生時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、内燃機関のあらゆる運転条件下での点火プラグが放電するために必要な電圧を満たすようにすべく予め設定されている。
【0105】
そして、続くS140では、クランク角センサからの検出信号に基づき、S120で設定した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。そして、S140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断されると(図8に示す時刻t2)、S150に移行する。すると、S150では、指令信号Saをハイからローレベルに反転され、二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13に火花放電が発生する。そして、火花放電の発生により、静電容量Cには二次電流i2により充電が開始される。
【0106】
次のS160では、S120で設定した火花放電継続時間Ttに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電継続時間Ttになるまで待機する。そして、S160にて、火花放電継続時間Ttに達したと判断されると(図5に示す時刻t3)、S250に移行して、遮断用指令信号Scをハイからローレベルに切り変え、サイリスタ51を駆動させて火花放電を強制的に遮断する。そして、この火花放電の遮断に同期して静電容量Cの充電電圧が放電される。
【0107】
ついで、S180に移行し、検出抵抗21を介して検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siの読み込みを開始する。なお、このS180の処理が開始された後は、ECU19の内部では、検出抵抗21の両端電圧Vrの変化に応じて検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siを読み込む処理が継続して行われる。
【0108】
続いて、S260に移行し、予めECU19にて設定してある遮断用指令信号Scのローレベル継続時間を経過したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行して待機する。なお、本第3実施例では、このローレベル継続時間が経過しても、ECU19の内部ではイオン電流検出信号Siを読み込む処理が継続して行われる。
【0109】
そして、S260にて、遮断指令信号Scローレベル継続時間が経過したと判断されると(図5に示す時刻t4)、S270に移行し、遮断用指令信号Scをローからハイレベルに切り換える。そして、S270からS210の処理に以降すると、S170で開始したイオン電流検出信号Siの読み込み処理を停止し、S210における処理が終了すると、本イオン電流検出処理が終了する。ここで、このイオン電流検出信号Siを読み込む期間(S170からS210にかけての期間)については、本第3実施例ではECU19内にて予め固定値としているが、運転状態に合わせて適宜値を変更するように設定してもよい。
【0110】
なお、ECU19では、点火プラグ13の電極13a−13b間に発生するイオン電流に比例する検出電流ioに基づいて、内燃機関の失火の有無を判定する失火判定処理を別途実行している。つまり、この失火判定処理では、図8における時刻t3以降において、検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siに基づき失火判定を行っている。
【0111】
次に、本実施形態による効果を確認するため、実際に内燃機関を用いて、内燃機関の運転状態に基づいて火花放電を遮断する場合と、遮断しない場合とで、イオン電流に比例した電流のダイナミックレンジがどの程度変化するかを各3度ずつ測定した。本測定は、内燃機関としてガスエンジンを用いると共に、点火装置としては上記第3実施形態の点火装置3(図7参照)を用いて行っており、回転数が2000〔rpm〕、負荷が25〔%〕、排気酸素濃度が3.2〔%〕という条件下で運転して、点火プラグ13の電極間に流れるイオン電流を検出するという手順で行った。
【0112】
ここで、本測定に用いてられる第3実施形態の点火装置3では、検出抵抗21は100〔kΩ〕のものを用い、火花放電継続時間としては上記運転状態を考慮してECU19にて0.2〔ms〕に設定して行った。また、測定結果については、火花放電継続時間に応じてサイリスタ51を動作させて一次巻線L1の両端を短絡して火花放電を遮断した場合を図10(a)〜(c)に、火花放電を遮断しなかった場合を図10(d)〜(f)に示している。なお、図10はいずれも正常燃焼して点火プラグ13の電極間にイオンが発生した場合の測定結果を示しており、イオン電流に比例した電流を電圧変換した波形(以下、イオン電流波形という)として示している。
【0113】
この図10に示す測定結果からも明らかなように、火花放電の遮断を行った(a)〜(c)の測定結果と、火花放電の遮断を行わなかった(d)〜(f)の測定結果を比較すると、火花放電の遮断を行ったイオン電流波形のピーク値が火花放電の遮断を行わなかったそれとは大きく異なっている。そして、火花放電の遮断を行った(a)〜(c)では、イオン電流波形のピーク値がそれぞれほぼ同等であるのに比較して、火花放電の遮断を行わなかった(d)〜(f)では、それぞれイオン電流波形のピーク値にまで差がみられる。
【0114】
これらの結果から、火花放電の遮断を行わない場合には、内燃機関の運転状態が同じでも点火プラグ13での火花放電の継続時間がまちまちとなることがあり、図7に示す静電容量Cの充電電圧の大きさがその火花放電継続時間の長短に左右されて、イオン電流波形の大きさが変化することが判る。一方、火花放電の遮断を行う場合には、内燃機関の運転状態に応じて点火プラグ13での火花放電の継続時間が一律であるが故に、逆流防止用ダイオード31を設ける効果と相俟って図7に示す静電容量Cの充電電圧の大きさが略一定に制限され、イオン電流波形の大きさも略同等となることが判る。
【0115】
これらのことから、火花放電の遮断を行わない点火装置3では、検出回路25側にてイオン電流に比例した電流を検出するためのダイナミックレンジ(電圧範囲)を最も大きいピーク値を示すイオン電流波形でも対応できるように広範囲に設ける必要がある。そのために、低回転低負荷時といった点火プラグの電極間に流れるイオン電流が比較的小さくなるときの、検出回路25側による検出精度が低下することがある。これに対して内燃機関の運転状態に基づいてサイリスタ51を用いて火花放電の遮断を行った点火装置3では、検出回路25側での上記ダイナミックレンジ(電圧範囲)を縮小することができ、低回転低負荷時といったイオン電流が比較的小さくなるときでも、検出回路25側による検出精度を向上させることができる。
【0116】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態1〜3に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、イオン電流を用いて検出可能な燃焼状態としては、失火に限らず、例えばノッキング等が挙げられる。このノッキングを検出するにあたっても、点火プラグに流れるイオン電流を検出し、検出したイオン電流波形(イオン電流検出信号)を公知の手法を用いて解析することで、ノッキング判定を行うことができる。
【0117】
さらに、逆流防止用ダイオードは、一次巻線への通電開始時に二次巻線に発生する電流の通電を阻止すると共に、一次巻線への通電遮断時に二次巻線に発生する電流の通電を許容するように備えればよいため、逆流防止用ダイオードの設置箇所は、図1、図4及び図7に示す内燃機関用点火装置1、2及び3のように、二次巻線L2の高圧端35と導電体からなる静電容量Cとの間に設けることに限定されない。例えば、図1の回路図を代表して説明すると、アノードが電源装置11の負極と同電位のグランドに接続され、カソードが二次巻線L2の高圧端35とは反対側の端部(低圧端)に接続されるように配置してもよく、また、アノードが導電体33により構成される静電容量Cに接続され、カソードが点火プラグ13の中心電極13aに接続されるように配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【図2】 混合気への着火が正常に行われた場合の第1実施形態の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャートである。
【図3】 第1実施形態の内燃機関用点火装置のECUにおいて実行されるイオン電流検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】 第2実施形態の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【図5】 混合気への着火が正常に行われた場合の第2実施形態の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャートである。
【図6】 第2実施形態の内燃機関用点火装置のECUにおいて実行されるイオン電流検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】 第3実施形態の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【図8】 混合気への着火が正常に行われた場合の第3実施形態の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャートである。
【図9】 第3実施形態の内燃機関用点火装置のECUにおいて実行されるイオン電流検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】 第3実施形態の内燃機関用点火装置を用いて、点火プラグにおける火花放電の遮断を行った場合と、火花放電の遮断を行わなかった場合のイオン電流波形の測定結果であり、(a)〜(c)が火花放電の遮断を行った場合の測定結果であり、(d)〜(f)が火花放電の遮断を行わなかった場合の測定結果である。
【符号の説明】
1、2、3・・・内燃機関用点火装置、11・・・電源装置、13・・・点火プラグ、15・・・点火コイル、17・・・トランジスタ、19・・・電子制御装置(ECU)、21・・・検出抵抗、23・・・バイパス用ダイオード、25・・・検出回路、31・・・逆流防止用ダイオード、33・・・導電体、40・・・再通電用回路、47・・・火花遮断用トランジスタ、49・・・コンデンサ、51・・・サイリスタ、61・・・サイリスタ駆動回路、C・・・静電容量、L1・・・一次巻線、L2・・・二次巻線

Claims (5)

  1. 一次巻線及び二次巻線を有し、前記一次巻線に流れる一次電流を遮断することで前記二次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    該点火コイルの前記一次巻線に直列接続されて、前記一次電流の通電・遮断を行うためにスイッチング駆動される主制御スイッチング手段と、
    前記二次巻線に直列接続されて閉ループを形成すると共に、前記点火用高電圧が印加されることで火花放電を発生する点火プラグとを備えた内燃機関用点火装置であって、
    前記点火コイルの前記二次巻線と前記点火プラグにより形成される前記閉ループ中に接続され、前記一次巻線への通電遮断時に該閉ループに流れる電流の通電を許容し、前記一次巻線への通電開始時に該閉ループに流れる電流の通電を阻止する逆流防止用ダイオードと、
    前記点火プラグと前記二次巻線の高圧端とを接続する通電経路との間で容量結合すると共に、前記点火プラグにおける火花放電中に流れる電流により充電される静電容量構成手段と、
    前記静電容量構成手段に直列接続される電流検出手段と、
    前記火花放電の終了後における前記静電容量構成手段の放電により前記点火プラグの電極間にイオン電流が流れるときに、前記電流検出手段に流れる該イオン電流に比例した電流を検出する検出回路と、
    前記一次巻線の両端に接続される一次巻線短絡手段と、を備え、
    前記点火プラグの火花放電の開始後、前記火花放電継続時間が経過したタイミングに応じて、前記一次巻線短絡手段を動作させて一次巻線の両端を短絡させることで、該点火プラグの火花放電を強制的に遮断することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 内燃機関の運転状態に基づき、前記点火プラグにおける火花放電継続時間を算出する火花放電継続時間算出手段を備え、該点火プラグの火花放電開始後、該火花放電継続時間算出手段により算出された該火花放電継続時間が経過したタイミングに応じて火花放電を強制的に遮断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記逆流防止用ダイオードは、前記二次巻線の高圧端と前記点火プラグとを接続する通電経路中に接続され、前記静電容量構成手段は、前記点火プラグと前記逆流防止用ダイオードとを接続する通電経路との間で容量結合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 前記電流検出手段は、前記静電容量構成手段に直列接続される検出用抵抗を備えており、前記検出回路は、前記点火プラグの電極間にイオン電流が流れるときに、前記検出用抵抗の両端電圧を検出することで該イオン電流に比例した電流を検出することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。
  5. 前記電流検出手段は、アノードが前記検出用抵抗と前記静電容量構成手段との接続点に接続される形態で、前記検出用抵抗に並列接続されるバイパス用ダイオードを備えることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用点火装置。
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