JP2001150866A - カートリッジ式ノック押圧塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部に弁機構を有しノック押圧で変形可能な伸
縮体部を備えたノック押圧吐出式の塗布具構造におい
て、内部液量の補充のために、簡単に着脱可能なカート
リッジ交換式の塗布具を提供すること。 【解決手段】 軸筒内を弁機構を介して塗布体室部とカ
ートリッジ収納部とに分断し；前記弁機構は、カートリ
ッジとの継手口及び伸縮体を備え、軸筒に対して前後動
可能になした弁座と、この弁座に圧接する弁体とよりな
るものであり；前記塗布体室部は、軸筒開口部に固定し
た塗布体と、この塗布体に塗布液を供給する塗布液流通
経路と、この塗布液流通経路後方を閉塞する前記弁機構
とよりなり；前記カートリッジ収納部は、前記弁座の継
手口と着脱可能なカートリッジが前後方向スライド可能
に装着されてなり；前記カートリッジのノック押圧によ
る弁座の前進により開弁するカートリッジ式ノック押圧
塗布具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、墨液、カラ−イン
キ等の筆記液、アイライナー、リップカラー等の化粧
液、修正液、塗料、薬剤などの塗布液といった液料を塗
布或いは筆記する為に後方部をノック押圧して液料を吐
出する型式であって、且つ着脱式カートリッジを備えた
塗布具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、軸体にノック押圧で変形可能な伸
縮体部を備え、軸体内を液料収容部となし、軸筒の先端
開口部に塗布体を取り付け、塗布体と液料収容部との間
に弁機構を配置し、この弁機構を開閉する可動部を伸縮
体部と連動するようにして、ノックで伸縮体部を押圧変
形させることによって弁機構を開放し、液料を塗布体部
分に吐出浸透させるタイプのいわゆるノック押圧吐出式
の塗布具が多く提案されていた。

【０００３】ところで、市場の多くの塗布具（筆記具を
含む）においては、カートリッジ、マガジン、補充用イ
ンキと呼ばれているものがあるように、使用上の購入コ
ストの低減やゴミの廃棄量低減などの目的のために、消
耗液料を補充し再利用したいというニーズに応えた製品
が多い。ところが、上記ノック押圧吐出式塗布具は、軸
体内の液料が使い終わると廃棄される使い切りタイプの
みが知られており、使用で液料が消耗した場合に補給し
て再使用することができるようにしたタイプのものは実
用化の前例が殆どない状況であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
なタイプのノック押圧吐出式の塗布具において、カート
リッジ式による簡単な着脱操作で比較的安価に液料の補
充ができる塗布具の構造を追究し完成させることを課題
とした。更に詳細には、ノック押圧吐出式の塗布具にお
いてカートリッジにて液料を補充出来る製品を得んとす
る意図において、具体的には以下に示す事項を必要条件
として追究した。 （１）液料収容室の液料を常時、軸筒先端の塗布体に連
通しておくと、内部液料の蒸気や空気の膨張収縮などで
液料が軸体外にぼた落ちしてしまうので、液料収容室と
塗布体との間に制御用弁機構を設け、この弁を開閉可能
な構造とする。 （２）開弁時は液料収容室の液料を塗布体に速やかに供
給するために液料収容室内の内圧を適度に高めて強制吐
出できる構造とする。 （３）カートリッジ型にする課題において、上記の
（１）（２）の条件を満たしながら、カートリッジ交換
の着脱操作性が簡便で、ノック可動中の漏れなどの問題
が起こりにくく、コストが安価な部品構成とする。 本発明は、上記必要条件を満たし、かつ、簡単な着脱操
作で比較的安価に液料の補充ができる塗布具を提供する
ことを課題とした。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、軸筒内を弁機
構を介して塗布体室部とカートリッジ収納部とに分断
し；前記弁機構は、カートリッジとの継手口及び伸縮体
を備え、軸筒に対して前後動可能になした弁座と、この
弁座に圧接する弁体とよりなるものであり；前記塗布体
室部は、軸筒開口部に固定した塗布体と、この塗布体に
塗布液を供給する塗布液流通経路と、この塗布液流通経
路後方を閉塞する前記弁機構とよりなり；前記カートリ
ッジ収納部は、前記弁座の継手口と着脱可能なカートリ
ッジが前後方向スライド可能に装着されてなり；前記カ
ートリッジのノック押圧による弁座の前進により開弁す
るカートリッジ式ノック押圧塗布具を要旨とするもので
ある。

【０００６】

【作用】本発明のカートリッジ式ノック押圧塗布具は、
軸筒内を弁機構によって、軸筒前方部と軸筒後方部に分
断してあり、弁機構に継手口を設けているので、ノック
押圧吐出式の構造であるにも関わらず、一般公知の筆記
具と同様に軸筒後方からカートリッジの開口部を該継手
口に向かってスライドして抜き差しすることによって、
カートリッジの着脱交換が簡単にできる。また、液料吐
出のための開弁操作は、弁座の継手口に接続したカート
リッジを押圧することによって簡単に行うことが出来
る。更に、塗布体室部は、伸縮体で密閉してあるので、
吐出液料が軸内後方部に洩れることなくインキ流通路を
経て塗布体側に押し出されていく。そして、カートリッ
ジを継手口から抜く時には、カートリッジ内は若干の減
圧状態になるので、抜く力によって弁機構が開いてしま
うと塗布体室部内に溜まった液料が吸い出されて、軸筒
内に飛散する恐れがあるが、本構造はカートリッジ開口
部を抜くときに弁機構が開かない構造となっているの
で、液料の飛散で軸筒内を汚す心配が少なく、カートリ
ッジの着脱と押圧操作を確実に行うことが出来る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を、添付図面を参照し
ながら、更に詳細に説明する。 実施例１ 添付図面１〜３に実施例１を示す。参照符号１は軸筒で
ある。軸筒１の後方（図の上方）は、カートリッジ収容
部１ａとなっており、カートリッジ１２が前後方向スラ
イド可能に装着される。参照符号２は弁座である。弁座
２は、後方にカートリッジ開口部１２ａを嵌入するため
の継手口２ａを形成し、この継手口２ａ前方にテーパ孔
２ｂを形成すると共に、このテーパ孔２ｂ前方に、合成
ゴム又はエラストマーなどよりなる伸縮体４を連設した
ものである。この伸縮体４は、後部４ａに孔を有し、前
部がラッパ状で前方にリング部４ｂが形成された筒体で
ある。この伸縮体４は、前記テーパ孔２ｂと後部４ａと
が密着している。上記弁座２は、上記テーパー孔２ｂと
圧接する弁体栓部３ａを有する弁体３とで弁機構を構成
している。この弁体３は、後方の弁体栓部３ａと、棒状
部３ｂとよりなっている。弁体３の棒状部３ｂは、前記
テーパ孔２ｂ及び後部４ａの孔を通って前方に延びてい
る。棒状部３ｂには、コイルバネなどの弾発材５を被冠
しているが、この弾発材５の後方は、伸縮体４の後部に
当接し、前方は棒状部３ｂの前端部にバネ止めリング６
で固定してある。以上の構造によって、テーパ孔２ｂ
は、弁体栓部３ａと後部４とによって挟む様に圧接さ
れ、密閉状態を形成する。かような構成で弁座２には継
手口２ａ、弁体３、伸縮体４、弾発材５、バネ止めリン
グ６を一体状にユニット化して組み立ててある。

【０００８】伸縮体４のリング部４ｂ及び弁座２の継手
口２ａの後方には、カートリッジ１２をノックする場合
のノックストロークの制御、及び、弁座の継手口２ａと
カートリッジ開口部１２ａとの嵌合を外すときに伸縮体
４が抜けるのを防止するために固定入れ子７を軸内壁に
圧入固定している。

【０００９】軸筒前方開口部１ｂには、塗布体固定管９
の中心に繊維芯や発泡体、毛筆状穂先などの塗布体８を
固定して装着してある。該塗布体固定管９の中央部側周
には、液料のインキ流通経路として液透孔９ａを設けて
おり、該液透孔９ａの側周部を多孔質材、発泡体などの
吸蔵体１０で包囲している。このため吸蔵体１０と液透
孔９ａ及び塗布体８は液料が浸透可能に連接している。

【００１０】塗布体固定管９の後部は軸筒１の内周に圧
入固定してあり、前記ユニット化した弁座の伸縮体４の
リング部４ｂが、該塗布体固定管９後部に圧接してあ
る。カートリッジ１２から液料が吐出流下した場合に
は、塗布体固定管９の後方中心部に弁体止穴９ｂと導出
孔９ｃを設けてあるので、吸蔵体１０に液料を供給で
き、弁体止穴９ｂにより弁体棒状体３ｂの前端部（又は
バネ止めリング６）がカートリッジに押される場合の保
持固定をしている。

【００１１】かような構造構成である為、カートリッジ
１２を軸筒後部１ａから挿入しセットすると、カートリ
ッジ開口部１２ａと弁座２の継手口２ａが着脱可能に圧
入嵌合でき、更に前進押圧することによって、弁体棒状
体３ｂの前端部及びバネ止めリング６が、塗布体固定管
９に設けた弁体止穴９ｂで固定されるので、弁座２が伸
縮体４を押し縮めながら前進（図３）し、弁体栓部３ａ
と弁座テーパ部２ｂの弁密閉が開弁する。この時の前進
押圧ストロークは、固定入れ子７にカートリッジ１２の
開口部外周１２ｂが当接することなどで制限している。
開弁時には、弁体栓部３ａは、カートリッジ１２の開口
内部に入って行き、この時内圧が上がるために、カート
リッジ１２内から液料が吐出される。吐出された液料
は、塗布体固定管９の導出孔９ｃから吸蔵体１０に供給
され、更に液透孔９ａを経るというインキ流通経路を通
って浸透し、塗布体８へと供給され、良好な塗布が可能
となる。

【００１２】次に、カートリッジ１２内の液料が残って
いる段階でカートリッジを抜き取る場合について説明す
る。弁座２は、固定入れ子７によって抜けないように固
定されており、弁座テーパ孔２ｂと弁体栓部３ａは密閉
状態にあるので、軸筒前方の塗布体室内に残っている液
料が、カートリッジを抜取る時の吸引作用で後方に吸引
されて飛散することが防止されている。従って、カート
リッジ着脱時に洩れにくく、勿論カートリッジ内の液料
が全部消費されてカートリッジ交換する場合も、漏れの
心配なく安心して着脱可能となっている。

【００１３】本発明は、この様にカートリッジ交換の着
脱操作性がよく、吐出も良好で比較的安価に製造できる
構造となっている。尚、カートリッジ自身の品質保持の
ためにカートリッジ１２には開口部に予め開口栓１１を
圧入しておき、該開口部とカートリッジ継手口２ａの嵌
合で弁体栓部３ａが開口部内に入り込む時に、該開口栓
１１を押し入れてカートリッジ内の液料が流出するよう
に開栓する構成にしたので、使用前のカートリッジの品
質を良好に維持することも満足されている。

【００１４】実施例２ 図４は、本発明の第２実施例の図である。この第２実施
例は、第１実施例において、固定入れ子７とバネ止めリ
ング６を取り除き、塗布体固定管９の後部に筒状部９ｄ
と、その内径部に段部９ｅ設け、前記実施例１で示した
弁座ユニットを該筒状部９ｄの内径に組み込んだ構成で
ある以外は、実施例１と同様になしたものである。弁座
ユニットに取り付けた弁体３の棒状部３ｂの先端部を塗
布体固定管９の弁体止穴９ｃに直接圧入するなどの手段
で固定することで、コイルバネ５を弾発状に止めてい
る。このようにすることにより、実施例１に示した前記
固定入れ子７は、カートリッジを抜くときの抜け止めの
役割をしないので必要がなく、バネ止めリング６も弁体
止穴９ｃで固定するので不要であると共に、弁座ユニッ
ト（弁機構）を予め塗布体固定管９内に全部セットし
て、軸筒内に挿入固定できるので、組立性の合理化を行
うことが出来る。本実施例も、前記第１実施例と同様
に、着脱性がよく、吐出良好で比較的安価、かつ実用的
なものである。

【００１５】尚、軸筒内でカートリッジが自由に回転す
る場合には、カートリッジの着脱時にカートリッジを持
つ指が軸筒内でひねりを与えてしまい、伸縮体部などが
ねじれて破損することが起こりうる。この場合を想定し
て、弁座と固定入れ子間の摺動部分またはカートリッジ
の外周面と軸筒内周間との摺動部分にひねり込みや回転
が起きないように、断面形状に凹凸部を設けてかみ合わ
せるなどの手段によりねじれに対応することが好まし
い。

【００１６】

【発明の効果】本発明によって、操作性の良いカートリ
ッジ着脱式型式のノック押圧吐出式の実用的塗布具の提
供が可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１のカートリッジ挿入前の状態を示す縦
断面図である。

【図２】実施例１のカートリッジ挿入状態で、ノック押
圧をしていない状態を示す縦断面図である。

【図３】実施例１のノック押圧状態を示す縦断面図であ
る。

【図４】実施例２の図２相当図である。

【符号の説明】 １ 軸筒 １ａ カートリッジ収納部 １ｂ 軸筒前部開口部 ２ 弁座 ２ａ 継手口 ２ｂ テーパ孔 ３ 弁体 ３ａ 弁体栓部 ３ｂ 棒状部 ４ 伸縮体 ４ａ 後部 ４ｂ リング部 ５ 弾発材 ６ バネ止めリング ７ 固定入れ子 ８ 塗布体 ９ 固定管 ９ａ 液透孔 ９ｂ 弁体止穴 ９ｃ 導出孔 ９ｄ 筒部 ９ｅ 段部 １０ 吸蔵体 １１ 開口栓 １２ カートリッジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸筒内を弁機構を介して塗布体室部とカ
   ートリッジ収納部とに分断し；前記弁機構は、カートリ
   ッジとの継手口及び伸縮体を備え、軸筒に対して前後動
   可能になした弁座と、この弁座に圧接する弁体とよりな
   るものであり；前記塗布体室部は、軸筒開口部に固定し
   た塗布体と、この塗布体に塗布液を供給する塗布液流通
   経路と、この塗布液流通経路後方を閉塞する前記弁機構
   とよりなり；前記カートリッジ収納部は、前記弁座の継
   手口と着脱可能なカートリッジが前後方向スライド可能
   に装着されてなり；前記カートリッジのノック押圧によ
   る弁座の前進により開弁するカートリッジ式ノック押圧
   塗布具。