JP2012135916A - インク補充具及びインク補充具を有する筆記具セット - Google Patents

インク補充具及びインク補充具を有する筆記具セット Download PDF

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Abstract

【課題】
筆記具に、筆記具軸を分解することなく、簡便な方法で消費した液体のインクを補充することができ、補充時に接続部からの噴出し漏れ出し等の危険性を低減することができるインク補充具と筆記具セットを提供する。
【解決手段】
補充用ノズル1と補充用インク3を収納した補充用インクタンク2とからなるインク補充具と、インクタンク133を有する軸130とインクを塗出する弁機構7と筆記部4とからなる筆記具のインク補充時において、筆記部4を取り外した後に、補充用インクタンク2と補充用ノズル1と軸130とで接続することにより、弁機構7の第二の流路302が開放されてインク補充路が連通することで補充用インク3を充填可能とした。
【選択図】 図9

Description

本発明は、フェルトペン、サインペン、マーカーなどと呼ばれる筆記具のうち、インクタンク内にインクを収納した筆記具にインクを補充可能なインク補充具に関するものであり、インク経路に弁を配置し、弁の開閉で吐出を調整可能な弁機構が設けられたインク補充具に関するものである。
さらに本発明は、前記インクを消耗した場合に、簡単に補充を行うことができる筆記具とインク補充具のセットに関するものである。
フェルトペンなどの筆記具の多くは、一般には使い捨てのものが主流であり、インクを消費しきった段階で捨てられており、インクだけを再度補充して引き続き使いたいというニーズがある。
そこで、特許文献1にはインクを補充することが可能な筆記具が開示されている。
また、中綿式筆記具の一部では、インクを含ませた中綿だけを交換することで引き続き使うことができる技術が特許文献2に開示されている。インクを使用したものでは、特許文献3のようにインク容器そのものを交換する方法が開示、実用化されている。加えて特許文献4のようにインク補充具を嵌着させた状態で加圧してインクを圧送する方法が開示されているほか、特許文献5では外的な装置で空気置換や吸引を行ってインクを補充する方法が提案されている。
さらには、特許文献6のように、軸後方に補充専用の流路を設けた方法も開示されている。
特開2003−246184 特開2003−80887 特開2001−287494 特開2002−36779 特開2008−132779 実開平6−50886
しかしながら、特許文献1は補充が可能な筆記具であり、具体的なインク補充手段については詳細に開示されていない。
特許文献2では、部品を外す作業の不要な手間が生じたり、外した部品に付着したインクが周囲を汚してしまう恐れがあった。
特許文献3では、収納する筆記具本体側に、容器との接続部や交換のための機構が必要となり、必然的に部品点数が多く構造が複雑になりがちであった。さらには、インクタンク交換時に筆記具を分解するなどの手間がかかってしまう。
特許文献4は、補充具を圧縮した圧力で、インク導通経路を介してインクタンクにインクを圧送するが、補充具の圧力上昇と同時にインクタンク内も加圧されるため、一度で十分な量のインク補充ができず、加圧と圧力開放の作業を複数回くりかえす必要がある。さらには、加圧開放時にインクタンクから補充具へ空気を吸引する必要があった。また空気置換せずに加圧した場合、一般に弁機構の開放流路は狭いために流路を流通せずに接続部からインクが噴出すおそれがあった。
特許文献5では、補充具の構造が複雑である。
特許文献6では、分解などの手間はかからない利点があるが、例えば外気温の上昇や外気圧の低下などで相対的に内圧上昇した場合、後方からインクが噴出すおそれがある。さらには、補充具との接続や噴出し防止のために、必然的に全体の部品点数が増加してしまう可能性があった。
そこで本発明は、使い捨てが主流であった筆記具にインクを補充可能にするとともに、空気置換を確実に行うことで部品の接続部からのインク噴出しの懸念がなく、インク導入部分を内部に形成することでインク補充の過程で汚れにくく、分解する手間が無く簡便にインクを補充することができる筆記具と、筆記具にインクを補充する補充具とを実現することを課題とした。
そこで発明者は鋭意開発の末、以下の発明を実現するに至った。
インクタンクを備えた筆記具のインクタンクにインクを充填可能なインク補充具において、インク補充具はインクタンク内部に挿入可能な補充用ノズルと、補充用インクを充填した補充用インクタンクとからなり、インク補充時に補充用ノズルが筆記具内部に挿入する当接部を形成したことを特徴とするインク補充具である。
インク補充具の補充用ノズルは、円筒状の胴部と前記胴部の後部には筆記具への挿入時にガイドする案内部と案内部から突出した管状のノズルとからなり、ノズルと案内部は筆記具内部に挿入可能であり、案内部にノズル外周に筒状の挿入部を形成した当接部を形成し、ノズルの後端には切り欠き部を形成し、補充用ノズルの胴部の内部はインクタンクと接続する接続部を形成し、前記接続部には補充用インクタンクの開口部に突入する突起部を形成したことを特徴とする。
補充用インクタンクの開口部には、補充用ノズル接続前には前記開口部からのインク流路を封止する栓を形成したことを特徴とする。
また、インクタンクとインクタンクに収納されたインクと筆記部と筆記時にインクが流出可能な第一の流路と、インク補充時にインク補充具とインクタンクとが連通する第二の流路とが形成された弁機構で構成された筆記具と前記インク補充具とからなる筆記具セットである。
さらに、筆記具のインクを吐出する筆記部側を略上向きにした状態にして筆記部を取り外した後、補充用ノズルを筆記具の先軸から挿入して筆記具と補充具とを接続し、前記筆記具内の弁棒が後方に移動し、インク流路の第一の弁が開放されたと同時に、ノズルの前方と弁ボールが当接し、弁ボールが内テーパー部から離れるにつれ、第二の弁も開放され、ノズル外周に配した突起部は弁棒と当接し、弁棒内壁の突起もノズルと当接することで、第二の流路を確実に密封した後、弁棒が後方へ移動すると同時に、弁棒外周の突起とバネ受けとが当接し、第一の流路を確実に密封し、補充用ノズルと補充用インクを保持した補充用インクタンクを接続した。接続するとともに、突起部によって補充用インクタンクの栓が破られて、補充用インクタンクの開口部のインク流路と補充用ノズルのインク流路とが連通し、第一の弁と第二の弁が開放されると、インクの自重によって、インク流路と第二の流路とが流通して、筆記具のインクタンクに補充される筆記具インクの補充方法である。
本発明の補充具を用いることにより、筆記具の軸を分解することなく簡便な操作と周囲を汚すことなくインクの補充が可能である。
また、充填する筆記具への弁機構における第一の流路と第二の流路の双方を解放して外部と連通させた状態で、インク充填と同時に、他方の流路からインクタンク内の空気を放出することができるため、インクの充填口からの噴出しや漏れによる汚れ等がなく、充填時の不用不要な作業を行うことなくインクを補充することができる。
本発明の実施形態における補充具の全体図である。 本発明の実施形態における補充具の断面図である。 本発明の実施形態における補充用ノズルの部品図である。 本発明の実施形態における補充用インクタンクの部品図である。 本発明の実施形態における筆記具の全体図である。 本発明の実施形態における筆記具の弁機構の部品図である。 本発明の実施形態における筆記具の弁棒の部品図である。 本発明の実施形態における筆記具の筆記時の状態図である。 本発明の実施形態における補充具と筆記具の補充状態を示す図である。
以下、図面にもとづき本発明の実施形態を示す。ただし、これに限られるものではない。
なお、本明細書中において、インクタンク内にインクを入れる作業については、インクを送りこむ作業を「充填」、インクが消耗した際に再度インクを入れる作業を「補充」と呼ぶ。また、補充時でのインク補充具と筆記具とが接続した状態におけるインク補充具側を「前方」、筆記具側を「後方」と呼ぶ。
図1は本発明における補充具の外観を示す全体図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は斜視図である。また、図2は本発明における補充具の断面図である。
補充具は、補充用ノズル1と補充用インクタンク2、および内包する補充用インク3とで構成されている。また、補充用インク3の長期間にわたる保存性を高めるために、ノズル14の部分を覆うキャップや補充具全体を覆う包装を設けても良い。
図3は補充用ノズル1の部品図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は断面図、図3(c)は前方からの斜視図、図3(d)は後方からの斜視図である。補充用ノズル1は、胴部10と案内部13とノズル14で組み合わされた略円筒形状で内部に軸方向に貫通したインク流路12が形成されている。一端は補充用インクタンク2と接続が可能な接続部11であり、他端は充填時に筆記具の軸130に挿入するノズル14である。
接続部11は、補充用ノズル1と補充用インクタンク2との接続可能な構成としており、接続の強度や取り外しの容易さから螺合(ネジ形状)が望ましいが。圧入、嵌合、接着等の選択でもよい。
また、接続部11には、補充用インクタンク2に挿入される突起部16や当接部17を設けたり、弾性体を配しても良い。弾性体を配した場合、当接部における補充用ノズル1と補充用インクタンク2との接触がより確実となる。これにより、充填時に接続部11を介して補充用インク3が搬送されるインク流路12内に不要な空気が入り込まず密封性を高めることが可能となる。接続部11には、例えば、接続部底面から補充具前方に向かって突出した円筒形状の突起で、外径が補充用インクタンク2の開口部の内径よりも小さく、かつ、内部にインク流路12を配した突起を配置してもよい。前記突起16により、補充用インクタンク2の栓を解除することができる。
ノズル14は、補充時に筆記具に挿入可能とし、その外径は筆記具の先軸の保持部内径51よりも小さくする。さらにその最後方部は、弁棒9の内径よりも細くすることが望ましい。外周の形状は、筆記具への挿入を容易にするために略直線形状が望ましいが、その一部に円周方向に途切れの無い突起を形成したり、テーパー形状にしたり、あるいはゴム等の弾性材料を表面にコーティングし、筆記具の弁棒9内に圧入させることで、インク流路の密閉性を高めることも可能である。
ノズル14側には、充填時に弁棒9を通じて筆記具の先軸5の内部に当接しノズル14と弁棒9との相対位置を規制する当接部18と弁棒9を押圧する挿入部19を設けた。更にノズル14の後方部には、インク流路12の側面に切り欠き15を形成することで、インク補充時のインク流通を得ることができる。
補充用ノズル1は、前記したような形状や特徴を持つものであれば良く、その材料は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、塩化ビニル、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(ABS)、のような樹脂材料や、ステンレス、鉄、真鍮、銅、アルミなどの金属材料のひとつ、もしくは複数の組み合わせで構成され、射出成型、切削加工などの樹脂加工法や、切削加工、プレス成型、鋳造、鍛造などの金属加工法により形成できる。
特に、透明や半透明の樹脂材料によって形成した場合には、インクを視認することが可能となり、充填の進捗状況や補充の完了をより確実に判断することが可能となる。
図4は補充用インクタンク2を示す部品図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は断面図である。
補充用インクタンク2の一端はインクタンク24で閉鎖され、他端は開口部22であり、補充用インク3が流出入可能なインク流路25が形成されている。
開口部22の外周には接続部21を形成し、補充用ノズル1と接続が可能としている。接続部21の形状は、螺合、圧入、嵌め合いなどであるが、好ましくはネジを形成し、螺合によって補充用ノズル1と接続することが望ましい。
開口部22の後方には、意図しないインクの流出や漏れ出しを防ぐための栓23をしても良い。栓23は、金属や樹脂やそれらを複合したフィルム材料で形成して開口部22に接着剤で貼り付けても良い。栓23は充填前に取り外しても良いし、補充用ノズル1との接続によって開封されても良い。
補充用インクタンク2は複数の部品で構成しても良い。例えば、接続部21とインクタンク24を別の部品にしても良いし、接続部21に補充用ノズルとのシール部を配すことによって、インク流路25の密閉性を高めてもよい。
インクタンク24は可撓性の材料、もしくは弾性、変形性がある材料で構成され、かつ、補充用インク3が保持可能であればよい。
補充用インクタンク2の成形は、ブロー成型、真空成型、射出成型などの樹脂成型法や、切削加工、絞り成型、プレス成型などの金属加工法のひとつ、もしくは複数を組み合わせて形成することができる。あるいは、外周に樹脂フィルムや金属箔などの薄膜材料を接着、溶着、縫合などにより密閉袋状にしたものでも良い。
特に、透明や半透明の樹脂材料によって形成した場合には、インクタンク24内部の補充用インク3を視認することが可能となり、充填の進捗状況や補充の終了をより確実に判断することが可能となる。
図5は、本発明における筆記具の外観を示す全体図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は正面断面図である。
筆記具の構成は、本発明の筆記具は、インクタンク133を含む軸130と、インクタンク133に収納されたインク140と、筆記部4と、筆記部4の外周を覆うインク保持体6と、インクタンク133を筆記部4とを接続する第一の流路301に形成された第一の弁303と、前記第一の流路301とは異なる第二の流路302に形成された第二の弁304と、前記ふたつの弁からなる弁機構7と筆記部4を軸130に固定する先軸5とからなる。
筆記部4は、略円筒形状もしくは角柱形状で、少なくとも内部および外周を経由して、一方の端部から他方の端部までインクを流通させることが可能であれば良い。
少なくとも一方の端部は、筆記時に紙面と接触してインク140を紙面上に塗布する要素であるため、角型、斜め角型(チゼル型)、丸型、球型など、筆記用途に適した形状に加工することが望ましい。また、弁開放時には、紙面からの荷重を受けて弁棒を介して弾性体をたわませるため、弾性体の圧縮荷重に耐えうる強度を持つことが望ましい。
筆記部4を形成する材料は、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフォイン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの一般的な樹脂材料を押し出し成型したものを切断や研磨した物でもよいし、上記各種の樹脂材料の繊維や、植物性繊維、動物性繊維などの繊維束を樹脂加工などで固定した繊維芯を、切断や研磨加工したものでも良い。さらには、フェルト、スポンジ、または、樹脂粒子焼結体、樹脂繊維焼結体などの焼結体等から構成される毛管力を有する多孔質体を適宜加工して使用しても良い。
先軸5は複数の外径を持つ円筒形で、内部は軸方向に貫通した穴が設けられている。その一端は、筆記部4が挿入され、筆記部を軸方向に前後動可能に拘束するとともに、自重で落下しないように保持する保持部内径51が形成されている。他端は、軸と接合して弁機構7を狭持可能な接合部を形成する。接合部は接合方法に合わせて任意に形成されるが、好ましくは螺合であり、その場合接合部にはネジを形成する。
インク保持体6は、円筒形状の多孔体(スポンジ)に、円筒軸方向に貫通する穴を開けて作成されている。
軸130は、筆記時の主な把持部であるとともに、前方は開口部131が形成され、後方は密封されたインクタンク133が円筒形状で形成されている。
開口部131には、先軸5と接続可能となる接合部132が形成される。先軸5との接続方法は、螺合、圧入、嵌め合いなどが選択可能であるが、接合部132はネジ形成が望ましい。
軸130の製造については、前記補充用ノズル1を形成する材料群を適宜使用し、射出成型、ブロー成型、真空成型、圧空成型などの成型法や、切削加工、絞り成型、プレス成型などの金属加工法により形成される。
図6は筆記具の弁機構7の部品図であり、図6(a)は正面図、図6(b)は断面図である。
弁機構7は弁座8と、未使用時においては弁座8と当接して流路を閉鎖する弁棒9と、弁棒9と接触して流路を閉鎖する弁ボール120と、弁棒9と弁ボール120とを弁座8に押圧する弾性体110と、弾性体110を保持しながら弁座8と嵌合して弁棒9と弾性体110を収納するバネ受け100からなる。
なお、弁座8の弁座穴82と弁棒9の外テーパー部91とが接触して閉鎖される流路を第一の流路301とし、第一の流路301を閉鎖する部分を第一の弁303と呼ぶこととする。さらに、弁棒9の内テーパー部92と、弁ボール120とが接触して閉鎖される流路を第二の流路302とし、第二の流路302を閉鎖する部分を第二の弁304と呼ぶこととする。
弁棒9は、前方を弁座穴82に挿入された状態で保持され、未使用状態では弁棒9の後方に配された弾性体110の前方への弾性力によって、弁棒9の外テーパー部91が弁座8の弁座穴82に当接していることから第一の弁303は閉鎖されている。
また、弁ボール120は弾性体110の弾性力によって弁棒9の内テーパー部92と接触し、第二の弁304は閉鎖されている。以上により、未使用状態では、第一の流路301と第二の流路302はいずれも外部と連通していないので、インク140は筆記部4に流通しない。
弁座8は、バネ受け100と嵌合可能な接続部81と、弁棒9と当接してインク流路を開閉する弁座穴82とが配されている。
バネ受け100は、弁座8と嵌合可能な接続部101が配され、その内部に弾性体110と弁棒9を配置可能な空間部102とインク140が流通可能なインク流通孔が設けられている。
弾性体110は、継続的に、弁座8とバネ受け100とで狭持された弁棒9を弁座8に押し付けるとともに、弁ボール120を弁棒9に押し付けることが可能なものであれば良く、各種の金属材料や、樹脂材料、炭素材料でできたスプリングや、エラストマー、ゴムなどのゴム弾性のある材料で形成してもよい。好ましくはインクと経時して侵食するため、サビや腐食に強いステンレスでできたコイルスプリングが望ましい。
弁ボール120は、内テーパー部92とは略線接触で当接することが好ましく、その形状は、球形、略球形もしくは端部が球形の円柱形であることが望ましい。
図7は筆記具の弁棒9を示す部品図であり、図7(a)は正面図、図7(b)は断面図である。
弁棒9は、前方が弁座8の穴径より小さな直径であり、後方に向かって直径が大きくなるテーパー形状である外テーパー部91を有した略円筒形である。その外形形状は、バネ受け100内の空間内で軸方向に移動可能であれば良い。
また、弁棒9のうち、バネ受け100内を移動する後方部分の外周面上に、円周方向に途切れのない外突部94を配して、インク補充時に弁棒9が後退した際に、外突部94をバネ受け100の内壁と当接させても良い。これにより、より確実に第一の流路と第二の流路とを分離することが可能となる。
弁棒9の内部は、軸方向に貫通した穴が設けられている。穴の内部には、内テーパー部92が配されていて、弁ボールとともに第二の流路302を開閉可能な第二の弁304を形成する。
弁棒9の材料は、例えば、PP、PE、PS、PET、PC、PA、POM、PES、PEN、塩ビ、EVOH、PBT、ABS、のような樹脂材料や、ステンレス、鉄、真鍮、銅、アルミニウムなどの金属材料のひとつ、もしくは複数の組み合わせで構成され、製造は射出成型、ブロー成型、圧空成型などの成型法や、切削加工などの金属加工法により形成されるが、特にPP樹脂を射出成型法で加工して得たものが望ましい。
本実施形態の筆記具は、インクを軸内部のインクタンク24に充填後、弁機構7を軸130の開口部131に挿入し、先軸5の接合部と軸130の接合部132とを接続して固定したのちに、先軸5の保持部に筆記部4を挿入することで、本発明の筆記具を得る。
図8は、図5で示した筆記具の筆記時の動作断面図である。
上記によって得られた筆記具を、筆記部4側を略下向きにした状態で、紙面などに筆記部を押し付けて弁機構7の弾性体110を撓ませる所定の荷重をかけると、弾性体110が筆記部4と弁棒9とを介して撓むことにより弁棒9が軸後方へ後退し、弁座8の弁座穴82と弁棒9の外テーパー部91が離れることで第一の弁303が開放され、インクタンク24内のインクが第一の流路301を介して筆記部4に到達し、筆記ができるようになる。
図9は、補充具と筆記具の補充動作の状態図で、図9(a)は補充具接続前、図9(b)は補充用ノズル1接続時、図9(c)は補充用インクタンク2の接続過程、図9(d)は補充用インクタンク2の接続時、および補充用インク流通時、図9(e)は補充完了時を示している。
補充方法について説明する。
第一に、図9(a)に示したように筆記具の筆記部側を略上向きにした状態で保持し、筆記部4を取り外す。
第二に、図9(b)に示したように補充用ノズル1を筆記具の先軸5から突き当たるまで挿入する。この過程で筆記具の弁棒9と弁ボール120が後方に移動し、第一の流路301と第二の流路302が開放される。さらに、弁棒9に外突部94を配した場合は、第一の流路と第二の流路とを、より確実に分離することができる。
第三に、図9(c)に示したように補充具の補充用ノズル1と、補充用インクタンク2とを接続する。補充用インクタンク2の開口部22に当接部を配した場合は、接続の過程で該当接部と補充用ノズルの内壁とが当接して、インクタンク3およびインク流路12と補充具外部とが確実に分離され、インク流路12をより確実に密閉することができる。さらには、補充用インクタンク24の開口部22に栓23を配し、かつ、補充用ノズル1に突起部16を配した場合には、接続によって栓23が開封され、補充用ノズル1のインク流路12に補充用インク3が導入可能となる。
第四に、図9(d)に示したように第一の弁303と第二の弁304が開放されると、インクの自重、もしくは補充用インクタンクの押圧変形によって加圧された補充用インク3は、第二の流路302を流通して、筆記具のインクタンク133に補充されるとともに、インクタンク133内の空気は、第一の流路301を流通して、筆記具外に排出される。
なお、第二乃至第三の作業は、任意の順序に入れ替えて行っても良い。
以上のように使用者の任意によって、適宜補充具を用いて筆記具にインクを充填することが可能である。
インクについて説明する。筆記具に収納されたインク140、およびインクタンク24に収納された補充用インク3は、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、脂肪族溶媒などの溶媒中に、染料もしくは顔料の少なくともいずれかが溶解、分散されて着色されている。
補充用インク3と筆記具に保持されているインク140とは、全く同じ色、溶媒、組成など基本であるが、恣意的に異なるインクを用いて、混合して使用しても良い。
また複数種の補充用インク3を用いて充填しても良い。
以下に、本発明の実施例を示す。
<補充具>
・補充用ノズル:塩化ビニル樹脂を切削加工して得た。
・補充用インクタンク:ポリプロピレン(PP)樹脂をインジェクションブロー成型で加工し、開口部ではない端部から補充用インクを充填したのちに、熱溶着で封止した。
・栓:アルミニウムとポリエチレン(PE)樹脂との複合フィルムを、接着剤で貼り付けた。
・補充用インク:以下の組成の通りで製造した。
ジョンクリル61J(ジョンソン(株)社製) 9%
酸化チタン 6%
赤202号 4%
水 残り
上記の構成より、図1に示された補充具を得ることができる。
<筆記具>
・軸:ポリプロピレン(PP)樹脂とポリエチレン(PE)樹脂の混合材料を、インジェクションブロー成型法で加工して得た。
・先軸:ポリプロピレン(PP)樹脂を射出成型法で加工して得た。
・弁機構:弁棒、弁座およびバネ受けはポリプロピレン(PP)樹脂を射出成型法で加工して得た。弾性体はステンレス線材のコイルバネを使用した。
・筆記部:繊維束芯の両端を略半球形状に研磨して得た。
・インク保持体:円筒形状のスポンジに、軸方向に貫通する穴を開口させて得た。
・インク:以下の組成の通りで製造した。
ジョンクリル61J(ジョンソン(株)社製) 9%
酸化チタン 6%
赤202号 4%
水 残り
上記の構成より、図5に示された筆記具を得ることができる。
以上のようにして得た補充具と筆記具は、下記の方法により、任意のタイミングで補充することが可能であった。
第一に、筆記具の筆記部側を略上向きにした状態にして、筆記部を取り外した。
第二に、補充用ノズルを、筆記具の先軸から挿入して、筆記具と補充具とを接続した。この過程で、筆記具内の弁棒が後方に移動し、第一の弁が開放されたと同時に、ノズルの前方と弁ボールが当接し、弁ボールが内テーパー部から離れることで、第二の弁も開放された。さらに、ノズル外周に配した突起部は弁棒と当接し、弁棒内壁の突起もまたノズルと当接することで、第二の流路を確実に密封した。弁棒が後方へ移動すると同時に、弁棒外周の突起とバネ受けとが当接し、第一の流路を確実に密封した。
第三に、補充用ノズルと補充用インクを保持した補充用インクタンクを接続した。接続するとともに、突起部によって補充用インクタンクの栓が破られて、補充用インクタンクの開口部のインク流路と補充用ノズルのインク流路とが連通した。
第4に、第一の弁と第二の弁が開放されると、インクの自重によって、インク流路と第二の流路とが流通して、筆記具のインクタンクに補充されるとともに、インクタンク内の空気は、第一の流路を流通して、筆記具外に排出された。さらに、補充用インクタンクを外部から押圧して変形させることによって、補充用インクを、より確実に補充用インクを、筆記具のインクタンクに補充することができた。
本発明は、フェルトペン、サインペン、マーカーなどと呼ばれる筆記具のうち、インクタンクから筆記部に至るインク流路に弁を配置し、弁の開閉でインク吐出を規制可能な弁機構を設けられた筆記具へのインク補充において、簡便な操作で補充用インクを充填して補充することができるとともに、補充時に接続部からの噴出しや漏れ出し等の危険性を低減することが可能となる産業上に有益な発明である。
1 補充用ノズル
10 胴部
11 接続部
12 インク流路
13 案内部
14 ノズル
15 切り欠き
16 突起部
17 当接部
18 当接部
19 挿入部
2 補充用インクタンク
21 接続部
22 開口部
23 栓
24 インクタンク
25 インク流路
3 補充用インク
4 筆記部
5 先軸
51 保持部内径
6 インク保持体
7 弁機構
8 弁座
81 接続部
82 弁座穴
9 弁棒
91 外テーパー部
92 内テーパー部
93 内突部
94 外突部
100 バネ受け
101 接続部
102 空間部
110 弾性体
120 弁ボール
130 軸
131 開口部
132 接合部
133 インクタンク
140 インク
301 第一の流路
302 第二の流路
303 第一の弁
304 第二の弁

Claims (7)

  1. インクタンクを備えた筆記具のインクタンクにインクを充填可能なインク補充具において、インク補充具はインクタンク内部に挿入可能な補充用ノズルと、補充用インクを充填した補充用インクタンクとからなり、インク補充時に補充用ノズルが筆記具内部に挿入する当接部を形成したことを特徴とするインク補充具。
  2. 補充用ノズルは、円筒状の胴部と前記胴部の後部には筆記具への挿入時にガイドする案内部と案内部から突出した管状のノズルとからなり、ノズルと案内部は筆記具内部に挿入可能であり、案内部にノズル外周に筒状の挿入部を形成した当接部を形成したことを特徴とする請求項1記載のインク補充具。
  3. ノズルの後端には切り欠き部を形成したことを特徴とする請求項2記載のインク補充具。
  4. 補充用ノズルの胴部の内部はインクタンクと接続する接続部を形成し、前記接続部には補充用インクタンクの開口部に突入する突起部を形成したことを特徴とする請求項3記載のインク補充具がある
  5. 補充用インクタンクの開口部には、補充用ノズル接続前には前記開口部からのインク流路を封止する栓を形成したことを特徴とする請求項4記載のインク補充具。
  6. インクタンクとインクタンクに収納されたインクと筆記部と筆記時にインクが流出可能な第一の流路と、インク補充時にインク補充具とインクタンクとが連通する第二の流路とが形成された弁機構で構成された筆記具と請求項1から5いずれか1項記載のインク補充具とからなる筆記具セット。
  7. 筆記具のインクを吐出する筆記部側を略上向きにした状態にして筆記部を取り外した後、補充用ノズルを筆記具の先軸から挿入して筆記具と補充具とを接続し、前記筆記具内の弁棒が後方に移動し、インク流路の第一の弁が開放されたと同時に、ノズルの前方と弁ボールが当接し、弁ボールが内テーパー部から離れるにつれ、第二の弁も開放され、ノズル外周に配した突起部は弁棒と当接し、弁棒内壁の突起もノズルと当接することで、第二の流路を確実に密封した後、弁棒が後方へ移動すると同時に、弁棒外周の突起とバネ受けとが当接し、第一の流路を確実に密封し、補充用ノズルと補充用インクを保持した補充用インクタンクを接続した。接続するとともに、突起部によって補充用インクタンクの栓が破られて、補充用インクタンクの開口部のインク流路と補充用ノズルのインク流路とが連通し、第一の弁と第二の弁が開放されると、インクの自重によって、インク流路と第二の流路とが流通して、筆記具のインクタンクに補充される筆記具インクの補充方法。
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