JP3647928B2 - 筆記具、化粧具等の液体塗布具 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、筆記具、化粧具等の液体塗布具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、インクを直に軸筒内に貯蔵した筆記具や、マニキュア液等の液体化粧料を軸筒内に貯蔵した化粧具等の液体塗布具では、インクやマニキュア液等の吐出量を制御する等の目的で軸筒内部に弁装置が装着されることが多い。この弁の開閉用のノツク機構の一つとしては、軸筒に蛇腹軸部を設け、その蛇腹軸部のスクイズ性を利用して軸方向にノックできるようにしたものがある（実開昭６２−１０９９８０号公報、実公平６−１８６１６号公報参照）。
【０００３】
例えば前記実公平６−１８６１６号公報に示される従来の弁装置は、蛇腹軸部の内面から軸筒内を前方に延びる細径パイプと、この細径パイプの先端に連結された弁棒と、この弁棒に設けられたテーパ状の段部に当接して軸筒内を密閉し、かつ、弁棒が前方へ移動したときには前記段部が離脱する弁座と、弁棒の段部の前面に後端が当接して弁棒を後方に付勢する弁バネと、弁バネの前端を受けると共に中央部に塗布液孔を有するバネ受とから主に構成されている。
【０００４】
この弁装置によれば、使用者は、蛇腹軸部を前方に押圧して細径パイプを介して弁棒を前方に移動させることで、弁棒の段部と弁座との間および塗布液孔を介して、塗布液をペン芯に供給できる。一方、蛇腹軸部が使用者の押圧力から解放されると、弁バネの付勢力により弁棒が後方に移動し、段部と弁座とが当接して軸筒内は密閉される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の塗布具においては、弁棒は、弁座によってのみ支持されているため、ノック動作時に前後方向に往復移動する際、特に前端部が首振り起こして弁座での弁棒の摺動性が悪くなる恐れがある。
【０００６】
また、ノック部のストローク量が規制されていないため、必要以上にノック部を押圧して蛇腹軸部に弾性域以上の応力を発生させてしまう場合がある。その場合は、蛇腹軸部の破壊あるいは繰り返し劣化などによる亀裂が発生する恐れがある。
【０００７】
また、蛇腹軸部の変形に伴うインクタンクの内容積減少分の塗布液がペン芯（フィルト、スライバー、毛筆等）に供給されることが望ましいが、使用者がノック部をノック状態に保持しておくと、軸筒内の塗布液は、ペン芯を介して流入する外気との置換作用により必要以上にペン芯に供給されてしまうため、塗布液が出過ぎてしまう不都合が生じる。したがって、ペン芯への塗布液の供給量ひいては塗布液の吐出量を正確に制御できる弁構造を持つ液体塗布具が要望されている。
【０００８】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、弁棒の摺動性およびノック部の耐久性を向上させると共に、正確に塗布液の供給量を制御して塗布液の出過ぎを確実に防止できる筆記具、化粧具等の液体塗布具を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、次のような構成を有する。
すなわち、請求項１の発明は、塗布液を内部に貯蔵する軸筒と、該軸筒の尾端に設けられると共に、ノック時には前方に押圧されて塗布具内容積を減少させるノック部と、該ノック部に後端部が連結され前記軸筒内を前方に延びる連結部材と、該連結部材の前端部に接続されると共に軸径方向に突出した太径部を有する弁棒と、前記軸筒の前端開口に嵌着されると共に前記太径部よりも後方位置で前記弁棒を摺動自在に支持し、かつ、前記太径部が非ノック時には当接しノック時には離脱する略筒状の弁座と、前記太径部に後端が当接して前記弁棒を後方に付勢する付勢手段と、前記弁座の前端部に嵌入されて前記付勢手段の前端を支持すると共に、前記弁棒の前端部を案内する案内孔を有する支持部材と、前記案内孔の前方に配設され、かつ、ノック時には前記太径部と前記弁座との隙間および前記案内孔と前記弁棒との隙間を通じて塗布液が前記軸筒内から供給される塗布体とを備えた筆記具、化粧具等の液体塗布具において、前記弁棒は、所定ストローク量前方に移動したときに、前記案内孔周りの壁面に当接する段差面を備えたことを特徴とする筆記具、化粧具等の液体塗布具である。
【００１０】
請求項２の発明は、前記弁棒が所定ストローク量前方に移動したときに、前記弁棒の段差面と前記案内孔周りの壁面とによって、前記塗布体への塗布液の供給経路が遮断されることを特徴とする請求項１記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具である。
【００１１】
請求項３の発明は、前記弁棒の太径部は、前記弁棒が所定ストローク量前方に移動したときに、前記支持部材の後端に当接することにより、前記塗布体への塗布液の供給経路が遮断されることを特徴とする請求項１記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具である。
【００１２】
請求項４の発明は、前記連結部材は、所定ストローク量前方に移動したときに、その前端が前記弁座の後端に当接することを特徴とする請求項１乃至３のうちの何れか一項に記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具である。
【００１３】
請求項５の発明は、前記ノック部は、前記軸筒の後端部に嵌着された尾栓に設けられたものであって、前記尾栓の内周壁に設けられると共に前記連結部材の後端に連結した薄肉壁と、該薄肉壁の後面に連結すると共に該薄肉壁よりも後方で前記尾栓の内周壁を前後に摺動可能なノックキャップとを備え、前記尾栓の内周壁には、前記ノックキャップが所定ストローク量前方に移動したときに前記ノックキャップの前端部が当接する突起が形成されることを特徴とする請求項１乃至４のうちの何れか一項に記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具である。
【００１６】
【作用】
請求項１の発明によれば、使用者がノック部をノックすると、連結部材を介して弁棒が付勢手段の付勢力に抗して前方に移動し、弁棒の太径部が弁座から離れて弁が開放する。この弁の開放および塗布具内容積の減少により、前記太径部と弁座との隙間および前記支持部材の案内孔と弁棒との隙間を通じて塗布液が前記軸筒内から塗布体に供給される。そして、使用者がノック部の押圧を止めると、弁棒が付勢手段によって後方に移動し、再び弁棒の太径部と弁座とが当接して弁が閉じる。この状態つまり非ノック状態では、塗布体への塗布液の供給が停止される。
【００１７】
そして、弁棒は、前後方向に移動する際に前端部が支持部材の案内孔に案内されるため、首振りを起こしくくなる。したがって、弁棒の弁座における摺動性が良好になる。
【００１８】
請求項３、４、５の発明によれば、ノック時のストローク量が所定ストローク量に達したときに、連結部材、弁棒あるいはノックキャップの移動が強制的に停止されるので、必要以上にノック部が移動されることが防止される。よって、弾性域以上の応力がノック部に発生することを回避できるため、ノック部の耐久性を向上させることができる。また、塗布体に弁棒の前端が当接する前に、弁棒の移動が停止されるように設定することも可能となり、塗布体が弁棒によって前方に押し出されることも防止できる。
【００１９】
請求項２および３によれば、弁棒が所定ストローク量前方に移動したときに、前記塗布体への塗布液の供給経路が遮断されるため、ノック時の所定ストローク量に相当する塗布液、つまりノック部の変形による塗布具の内容積減少分に相当する塗布液のみが塗布体に供給される。したがって、一回のノック動作にて塗布体に供給される塗布液の流量を正確に制御することができるため、塗布液の出過ぎを確実に防ぐことができる。
【００２０】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図は本発明の実施例である筆記具を示したものである。
この実施例の筆記具は、図１に示すように、インク（塗布液の一例）を内部に貯蔵する軸筒１を備えた筆記具であって、尾端に設けられたノック部２１を軸方向にノックすることにより、内部に設けられた弁を開放させてペン先から塗布液を流出させるものである。
【００２１】
筆記具は、前記軸筒１と、ノック時には前方に押圧されて塗布具内容積を減少させるノック部２１と、ノック部２１に後端部が連結され軸筒１内を前方に延びる細径パイプ７（連結部材に相当）と、細径パイプ７の前端部に連結されると共に、軸径方向に突出した太径部６ａを有する弁棒６と、軸筒１の前端開口に固着されると共に太径部６ａよりも後方位置で弁棒６を摺動自在に保持し、かつ、非ノック時には太径部６ａが当接しノック時には離脱する弁座２とを備える。さらに、筆記具は、後端が太径部６ａに当接して弁棒６を後方に付勢する弁バネ（付勢手段の一例）８と、弁バネ８の前端を支持するように弁座２の前端部に嵌入されると共に、弁棒６の前端部を案内する案内孔３ｃを有するバネ受（支持部材に相当）３と、案内孔３ｃの前方に配置され、かつ、ノック時には太径部６ａと弁座２との隙間および案内孔３ｃと弁棒６との隙間を通じてインクが軸筒１内から供給されるペン芯１０（塗布体の一例）とを備える。
【００２２】
各部の構成を詳細に説明する。軸筒１は、図１に示すように、軟質合成樹脂製で前後両端が開口している。そして、軸筒１における弁座２の後方空間がインクタンク４とされ、その内部にはインク撹拌用ボール５が遊動自在に必要に応じて装入される。軸筒１の前端部の口元部１ａは、他の部分よりも小径に形成されている。
【００２３】
ノック部２１は、軸筒１の後端部に嵌着された尾栓２０に一体形成されたものである。ノック部２１は、尾栓２０の内周壁に設けられると共に細径パイプ７の後端に連結した薄肉壁２２と、薄肉壁２２の後面に連結すると共に薄肉壁２２よりも後方で尾栓２０の内周壁を前後に摺動可能なノックキャップ２４とを備える。
【００２４】
薄肉壁２２は、階段状に形成されていて、その横断面視の略中央部には、棒状に前後一対のリブ２３ａ，２３ｂが一体形成される。ノックキャップ２４は、後方に向けてやや縮径したテーパ状の成形品であり、内側に筒状のリブ２４ａを備える。ノックキャップ２４は、そのリブ２４ａが前記リブ２３ｂに嵌合すると共に、カバー部１５の内周壁に突設された突起２５によって尾栓２０内に保持される。前側のリブ２３ａは、インクタンク４に向けて突出しており、細径パイプ７の後端部に連結されている。
【００２５】
弁棒６は、前後方向略中央部に太径部６ａを有し、その太径部６ａの前端に前方へ向いた段部６ｂを有する。太径部６ａの後端は、テーパ状に縮径する段部６ｃとなっており、その段部６ｃの後方には細径部６ｄが延長されている。さらに細径部６ｄの後端には、連結小径部６ｅが形成されている。また、細径部６ｄは、弁座２の後端面を貫通して後方に突出し、その後端の連結小径部６ｅは、細径パイプ７の前端口に圧入され連結される。
【００２６】
弁座２は、軸筒１の口元部１ａの端面に当接する鍔部２ａと、口元部１ａに嵌着された太径筒部２ｂと、この太径筒部２ｂの後端からインクタンク４内に突出した小径筒部２ｃと、この小径筒部２ｃの後壁に形成されて弁棒６の細径部６ｄを摺動自在に保持する保持孔２ｄと、太径筒部２ｂと小径筒部２ｃとを連通する弁孔２ｅと、小径筒部２ｃの側壁に設けられた開口２ｆとを備える。
【００２７】
弁孔２ｅの前端開口縁には、弁棒６の段部６ｃが当接・離脱可能になっており、非ノック時にはインクタンク４と太径筒部２ｂ内との連通が遮断される一方、ノック時には弁棒６が前方に移動してインクタンク４と太径筒部２ｂ内とが開口２ｆを介して連通する。
【００２８】
弁バネ８は、弁棒６の前側略半分に嵌装されると共に前端が太径部６ａの段部６ｂに当接することにより、弁棒６を前方に常時付勢している。
【００２９】
バネ受３は、弁座２の鍔部２ａに当接した鍔部３ａと、この鍔部３ａの中心部に形成された前記案内孔３ｃと、弁座２の太径筒部２ｂの前部に嵌入される嵌合部３ｂとを備える。案内孔３ｃは、弁棒６前端の外径よりも大きな内径を有する円孔、あるいは、該円孔の内面に弁棒６に摺接するリブを複数形成したものなどである。
【００３０】
軸筒１の口元部１ａの外周面には、弁座２およびバネ受３の鍔部２ａ，３ａを口元部１ａの前端面との間で挟持した先軸９が螺着されている。先軸９の中心孔には、その内面の所要位置（円周方向の１２０°毎の位置）から中心に向って半径方向に突出したリブ９ａが形成されている。
【００３１】
ペン芯１０は、先軸９のリブ９ａによって把持されており、フェルト、スラバー、毛筆などで構成される。このペン芯１０の後端面は、バネ受３の案内孔３ｃに対向している。先軸９の軸方向の略中央位置には、中間径部９ｂが形成されており、この中間径部９ｂの内孔部にはスポンジ体１１が装着されている。そして、スポンジ体１１の中心孔には、ペン芯１０の後端が嵌入される。なお、軸筒１の前方の先軸９の外周部にはキャップ（図示略）が着脱自在に嵌着される。
【００３２】
そして、この第１実施例では、図２（ａ）および同（ｂ）に示すように、細径パイプ７が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときに、細径パイプ７の前端面が弁座２の後端に当接するようになっている。すなわち、細径パイプ７の外径は、弁座２の保持孔２ｄの内径よりも大きく設定されると同時に、非ノック時における細径パイプ７の前端と弁座２の後端との距離が所定ストローク量Ｓに設定されている。
【００３３】
所定ストローク量Ｓは、ノック部２１の薄肉壁２２の変形状態が弾性域内となるように、しかもノック時に弁棒６の前端とペン芯１０の後端とが干渉しないような数値に設定されている。
【００３４】
以上のような構成を有する第１実施例によれば、ノック部２１のノックキャップ２４を軸方向にノツクして薄肉壁２２を変形させることにより、細径パイプ７を押圧して前進させる。この細径パイプ７の前進により、弁棒６は、弁座２の保持孔２ｄおよびバネ受３の案内孔３ｃに支持された状態で、弁バネ８を圧縮させながら前進する。この弁棒６の前進により、弁座２の弁孔２ｅの前端開口縁から弁棒６の段部６ｃが離脱する。この弁の開放、および、薄肉壁２２の変形によるインクタンク４の内容積減少により、インクタンク４内のインクは、開口２ｆおよび弁孔２ｅを介して弁座２の太径筒部２ｂ内に流入し、バネ受３の案内孔３ｃと弁棒６の前端部との隙間からスポンジ体１１を経てペン芯１０に供給される。
【００３５】
使用者がさらにノックキャップ２４を押圧していき、細径パイプ７の全移動距離が所定ストローク量Ｓに達すると、図２（ｂ）に示すように、細径パイプ７の前端面が弁座２の保持孔２ｄ周りの壁面に当接する。これにより、弁棒６は、所定ストローク量Ｓ以上前方に移動することが規制される。
【００３６】
そして、使用者がノックをやめることでノックキャップ２４が押圧力から解放されると、弁棒６は、弁バネ８の付勢力により後方に移動し、その段部６ｃが弁孔２ｅの前端開口縁に当接する。したがって、非ノック状態では、弁が閉じてペン芯１０へのインクの供給が停止される。
【００３７】
このような作用を奏する第１実施例によれば、弁棒６は、前後方向に移動する際に前端部がバネ受３の案内孔３ｃにも案内されるため、首振りを起こしくくなる。したがって、弁棒６の弁座２に対する摺動性が良好になる。
【００３８】
また、ノック時のストローク量が所定ストローク量Ｓに達したときに、細径パイプ７の移動が強制的に停止されるので、必要以上にノック部２１が押圧されることが防止される。よって、弾性域以上の応力が薄肉壁２２に発生することを回避できるため、ノック部２１の耐久性を向上させることができる。また、ペン芯１０に弁棒６の前端が当接することもないので、弁棒６によってペン芯１０が前方に押し出されることも防止できる。
【００３９】
続いて第２実施例を説明する。図３（ａ）および同（ｂ）に示すように、弁棒６には、所定ストローク量Ｓ前方に移動したときに案内孔３ｃ周りの壁面に当接する段差面６ｇが備えられている。この段差面６ｇは、案内孔３ｃよりも大きな外径で環状に形成されており、その面全体が案内孔３ｃ周りの壁面に密接する。したがって、弁棒６が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときに、弁棒６の段差面６ｇと案内孔３ｃ周りの壁面とが弁座２の太径筒部２ｂ内を密閉し、これによりペン芯１０へのインクの供給経路が遮断される。
【００４０】
この第２実施例によれば、前記第１実施例と同様にノック時のストローク量を規制することができる。それと共に、弁棒６が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときにペン芯１０へのインクの供給経路が遮断されるため、弁棒６の所定ストローク量Ｓに相当するインク、つまり薄肉壁２２の変形に伴うインクタンク４の内容積減少分のみのインクがペン芯１０に供給される。したがって、一回のノック動作にてペン芯１０に供給されるインクの流量を正確に制御することができるため、インクの出過ぎを確実に防ぐことができる。
【００４１】
次に、第３実施例を説明する。第３実施例では、図４（ａ）および同（ｂ）に示すように、弁棒６が所定ストロークＳ量前方に移動したときに、弁棒６の太径部６ａがバネ受３の後端に当接するようになっている。
【００４２】
弁棒６の太径部６ａの段部６ｂは、バネ受３の嵌合部３ｂの後端の内径よりも大きな外径となるように形成されている。バネ受３の嵌合部３ｂは、第１実施例のものに比べてやや後方に延長されていて、段部６ｂまでの距離が所定ストローク量Ｓに設定される。これにより、弁棒６が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときに、弁棒６の太径部６ａの段部６ｂとバネ受３の嵌合部３ｂの後端とによって、ペン芯１０へのインクの供給経路が遮断される。
【００４３】
この第３実施例によれば、前記第１実施例と同様にノック時のストローク量を規制することができる。それと共に、第２実施例と同様に、弁棒６が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときに、ペン芯１０へのインクの供給経路が遮断されるため、一回のノック動作にてペン芯１０に供給されるインクの流量を正確に制御することができ、よってインクの出過ぎを確実に防ぐことができる。
【００４４】
さらに、第４実施例を説明する。図５に示すように、尾栓２０の内周壁には、ノックキャップ２４が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときにノックキャップ２４の前端が当接する突起３１が形成される。
【００４５】
突起３１は、尾栓２０の内周面の全周に亙って設けられており、その内径がノックキャップ２４の前端の外径よりも小さく設定されている。したがって、ノックキャップ２４は、前記突起２５で抜け止めされると同時に、突起３１によりそのストローク量が制限される。
【００４６】
この第４実施例によれば、ノック時のストローク量をノック部２１において規制することができる。なお、突起３１は、尾栓２０の内周面の全周に亙って連続的に設ける必要はなく、断続的に設けたものでもよい。
【００４７】
さらに、第５実施例を説明する。図６に示すように、第５実施例のノック部２７は、前記薄壁２２および前記前後一対のリブ２３ａ，２３ｂに相当する部分を尾栓本体とは別部品の弾性体２８で構成したものである。この弾性体２８は、前後一対のリブ２９ａ，２９ｂと、円環状に形成された薄肉壁３０とを備える。弾性体２８は、例えばエラストマー等のゴム材で構成され、ポリプロピレン等からなる尾栓２６の本体と二色成形機などで一体的に成形される。
【００４８】
そして、この第５実施例においても、尾栓２６の内周壁には、弁棒６が所定ストローク量Ｓ前方に移動したときにノックキャップ２４の前端が当接する突起３１が形成されている。したがって、このようなノック部２７に対しても、前記第４実施例と同様にノック時のストローク量を規制することができる。
【００４９】
なお、前記第１〜第５実施例は、本発明の好適な実施の態様であり、本発明の技術的範囲はこの実施例に何ら限定されない。
【００５０】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明によれば、筆記具、化粧具等の液体塗布具において、弁棒の摺動性およびノック部の耐久性を向上させることができる。また、弁棒による塗布体の押し出しを防止することができる。さらに、塗布液の供給量を正確に制御して塗布液の出過ぎを確実に防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例の筆記具の縦断面図である。
【図２】第１実施例に係る弁座周辺を示す縦断面図であって、（ａ）は非ノック時の状態を示す図、（ｂ）はノック時の状態を示す図である。
【図３】第２実施例に係る弁座周辺を示す縦断面図であって、（ａ）は非ノック時の状態を示す図、（ｂ）はノック時の状態を示す図である。
【図４】第３実施例に係る弁座周辺を示す縦断面図であって、（ａ）は非ノック時の状態を示す図、（ｂ）はノック時の状態を示す図である。
【図５】第４実施例に係る尾栓の縦断面図である。
【図６】第５実施例に係る尾栓の縦断面図である。
【符号の説明】
１ 軸筒
２ 弁座
３ バネ受（支持部材に相当）
３ｃ 案内孔
６ 弁棒
６ａ 太径部
６ｇ 段差面
７ 細径パイプ（連結部材に相当）
８ 弁バネ（付勢手段の一例）
１０ ペン芯（塗布体の一例）
２１ ノック部
２０ 尾栓
２２ 薄肉壁
２４ ノックキャップ
２６ 尾栓
２７ ノック部
３０ 薄肉壁
３１ 突起
Ｓ 所定ストローク量

Claims (5)

1. 塗布液を内部に貯蔵する軸筒と、該軸筒の尾端に設けられると共に、ノック時には前方に押圧されて塗布具内容積を減少させるノック部と、該ノック部に後端部が連結され前記軸筒内を前方に延びる連結部材と、該連結部材の前端部に接続されると共に軸径方向に突出した太径部を有する弁棒と、前記軸筒の前端開口に嵌着されると共に前記太径部よりも後方位置で前記弁棒を摺動自在に支持し、かつ、前記太径部が非ノック時には当接しノック時には離脱する略筒状の弁座と、前記太径部に後端が当接して前記弁棒を後方に付勢する付勢手段と、前記弁座の前端部に嵌入されて前記付勢手段の前端を支持すると共に、前記弁棒の前端部を案内する案内孔を有する支持部材と、前記案内孔の前方に配設され、かつ、ノック時には前記太径部と前記弁座との隙間および前記案内孔と前記弁棒との隙間を通じて塗布液が前記軸筒内から供給される塗布体とを備えた筆記具、化粧具等の液体塗布具において、
   前記弁棒は、所定ストローク量前方に移動したときに、前記案内孔周りの壁面に当接する段差面を備えたことを特徴とする筆記具、化粧具等の液体塗布具。
2. 前記弁棒が所定ストローク量前方に移動したときに、前記弁棒の段差面と前記案内孔周りの壁面とによって、前記塗布体への塗布液の供給経路が遮断されることを特徴とする請求項１記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具。
3. 前記弁棒の太径部は、前記弁棒が所定ストローク量前方に移動したときに、前記支持部材の後端に当接することにより、前記塗布体への塗布液の供給経路が遮断されることを特徴とする請求項１記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具。
4. 前記連結部材は、所定ストローク量前方に移動したときに、その前端が前記弁座の後端に当接することを特徴とする請求項１乃至３のうちの何れか一項に記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具。
5. 前記ノック部は、前記軸筒の後端部に嵌着された尾栓に設けられたものであって、前記尾栓の内周壁に設けられると共に前記連結部材の後端に連結した薄肉壁と、該薄肉壁の後面に連結すると共に該薄肉壁よりも後方で前記尾栓の内周壁を前後に摺動可能なノックキャップとを備え、前記尾栓の内周壁には、前記ノックキャップが所定ストローク量前方に移動したときに前記ノックキャップの前端部が当接する突起が形成されることを特徴とする請求項１乃至４のうちの何れか一項に記載の筆記具、化粧具等の液体塗布具。

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