JP2001049275A - 冷凍機用潤滑油 - Google Patents

冷凍機用潤滑油

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JP2001049275A
JP2001049275A JP22820899A JP22820899A JP2001049275A JP 2001049275 A JP2001049275 A JP 2001049275A JP 22820899 A JP22820899 A JP 22820899A JP 22820899 A JP22820899 A JP 22820899A JP 2001049275 A JP2001049275 A JP 2001049275A
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JP
Japan
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cyclohexene
dicarboxylic acid
methyl
acid
ppm
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Pending
Application number
JP22820899A
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English (en)
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Yasuyuki Kawahara
康行 川原
Koji Takahashi
孝司 高橋
Makiko Takii
真希子 滝井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長期加水分解安定性、熱安定性及び電気絶縁
性に優れた冷凍機用潤滑油を提供する。 【解決手段】 一般式1 [Aはシクロヘキサン環またはシクロヘキサン環、Xは
水素またはメチル基を表し、R、Rは同一又は異な
りC1〜18の脂肪族基を表す。]の、脂環族ジカルボ
ン酸ジエステルを含有する冷凍機用潤滑油であって、脂
環族ジカルボン酸ジエステルが、2種類以上の吸着剤を
用いて精製する工程と、脱水処理する工程を経由して製
造される脂環族ジカルボン酸ジエステルである冷凍機用
潤滑油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機用潤滑油
(以下冷凍機油と略す)に関するものであり、より詳し
くは、ハイドロフルオロカーボン系冷媒を用いるカーエ
アコン、冷凍冷蔵庫、ルームエアコン或いは産業用大型
冷凍機等の圧縮機の潤滑油として用いる特定の品質を有
する脂環族ジカルボン酸ジエステルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層の破壊及び地球温暖化の
問題から、クロロフルオロカーボン(CFC)であるR
11、R12やハイドロクロロフルオロカーボン(HC
FC)であるR22などから、ハイドロフルオロカーボ
ン(HFC)であるHFC−134a等への代替冷媒化
が進められている。そして、HFC用冷凍機油として、
ポリオールエステル(特開平3−128991号、特開
平3−200895号など)、ポリビニルエーテル(特
開平6−128578号など)或いはポリアルキレング
リコール(特開平2−242888号、特開平−331
93号など)などの含酸素系合成油が用いられるように
なった。一方、発明者らは、代替冷媒化に適した新しい
タイプのエステルとして、脂環族ジカルボン酸エステル
が良好な加水分解安定性を有し、冷凍機油に使用可能で
あることを見いだした(WO9721792号)。
【0003】しかしながら省エネルギーのための高効率
化及び機器のコンパクト化に伴い潤滑油の使用条件はま
すます過酷になっているため、脂環族ジカルボン酸エス
テルにおいても熱安定性、加水分解安定性、電気絶縁
性、潤滑性等の性能について、従来の方法で得られた以
上の性能が必要とされてきている。
【0004】一方、特表平10−500719号では、
冷凍機油として使用するポリオールエステルを固体状活
性アルミナを用いて精製し、エステルの体積固有抵抗率
を増大させる方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのため、冷凍機油に
用いるに適した、より高い性能を有する脂環族ジカルボ
ン酸ジエステルを提供することが必要となっているが、
特表平10−500719号の方法を脂環族ジカルボン
酸ジエステルに適用した場合、電気絶縁性のほか長期加
水分解安定性及び熱安定性を含めたより高いレベルでの
要求性能を満たすには到っていない。
【0006】
【発明が解決するための手段】発明者らは上記課題を解
決すべく鋭意検討を進め、2種以上の吸着剤を用いての
精製処理工程及び脱水処理工程を組み合わせて製造した
脂環族ジカルボン酸ジエステルが、長期間に渡っての加
水分解安定性(以下、「長期加水分解安定性」とい
う。)、熱安定性及び電気絶縁性に優れ、冷凍機油とし
て用いるのに望ましいことを見いだし、かかる知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の冷凍機用潤滑油は、一
般式(1) [式中、Aはシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環
を表し、Xは水素原子またはメチル基を表し、R、R
は同一又は異なって、炭素数1 〜18の脂肪族一価
の基を表す。]で表される脂環族ジカルボン酸ジエステ
ルを含有する冷凍機用潤滑油であって、脂環族ジカルボ
ン酸ジエステルが、少なくとも2種類以上の吸着剤を用
いて精製する工程と、脱水処理する工程を経由して製造
されることを特徴とする。
【0008】更に、本発明は、一般式(1)で表される
脂環族ジカルボン酸ジエステルを含有する冷凍機用潤滑
油において、水分含量100ppm以下、酸価0.05m
gKOH/g以下、灰分が10ppm以下及び硫黄含量が
50ppm以下である冷凍機用潤滑油をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る一般式(1)で表さ
れる脂環族ジカルボン酸ジエステルにおいてAとして
は、シクロヘキサン環又はシクロヘキセン環であり、X
としては、水素原子またはメチル基を表す。又、R
は同一又は異なって、炭素数1〜18の脂肪族一価
の基を表す。
【0010】R又はRとして好ましくは、炭素数3
〜18の分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシク
ロアルキル基又は炭素数3〜18の直鎖状のアルキル基
が推奨される。
【0011】一般式(1)で表される脂環族ジカルボン
酸ジエステルの中でも、R又はR が、炭素数3〜1
1の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であるエステルが
より好ましい。炭素数が3未満のエステルでは潤滑性に
劣る傾向がみられ、炭素数が11を越えるエステルでは
冷媒との相溶性に劣る傾向がみられる。
【0012】更に、脂環族ジカルボン酸ジエステルと冷
媒との相溶性の面からは、炭素数3〜9の分岐鎖状のア
ルキル基を有する脂環族ジカルボン酸ジエステルも好ま
しい形態である。
【0013】一般式(1)で表される脂環式ジカルボン
酸ジエステルは、シクロヘキサン環又はシクロヘキセン
環に、2つのエステル基が結合しているものであるが、
2つのエステル基の結合部位は特に限定されず、1,2
位、1,3位、1,4位が例示され、好ましくは1,2
位が推奨される。
【0014】又、Aが、シクロヘキセン環である場合、
その二重結合の位置は、特に限定されないが、例えば、
1,2位のジカルボキシル基に対して、4位に二重結合
が存在するものが好ましい。
【0015】一般式(1)で表される脂環族ジカルボン
酸ジエステルは、シス異性体、トランス異性体が存在す
るが、冷凍機油の用途に対しては、いずれの異性体も使
用可能である。
【0016】一般式(1)で表される脂環式ジカルボン
酸ジエステルにおいて、その構成の一部分である脂環式
ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸、
シクロヘキセンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジ
カルボン酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸等が例
示され、中でも、、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸が推奨され、より好ましくは1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸又は4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸である。
【0017】具体的な一般式(1)で表される脂環族ジ
カルボン酸ジエステルとしては、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジ(n−プロピル)、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(n−ブチル)、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘプチル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−オクチ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ノ
ニル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−
デシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n
−ウンデシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジ(n−ドデシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジ(n−トリデシル)、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジ(n−テトラデシル)、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(n−ペンタデシル)、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘキサデシル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−オクタデ
シル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−プロピル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(n−ブチル)、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘプチ
ル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−オクチル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(n−ノニル)、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−デシル)、4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ウンデシル)、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ドデシ
ル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−トリデシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジ(n−テトラデシル)、4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ペンタデシル)、4
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘキ
サデシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジ(n−オクタデシル)、3−メチル−1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジ(n−プロピル)、3−メチ
ル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ブチ
ル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−ペンチル)、3−メチル−1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、3−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘプチ
ル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−オクチル)、3−メチル−1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(n−ノニル)、3−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−デシ
ル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−ウンデシル)、3−メチル−1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジ(n−ドデシル)、3−メチル
−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−トリデ
シル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジ(n−テトラデシル)、3−メチル−1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ペンタデシル)、3
−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n
−ヘキサデシル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジ(n−オクタデシル)、4−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−プロピ
ル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−ブチル)、4−メチル−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、4−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘキシ
ル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−ヘプチル)、4−メチル−1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(n−オクチル)、4−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ノニ
ル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−デシル)、4−メチル−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジ(n−ウンデシル)、4−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ドデシ
ル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−トリデシル)、4−メチル−1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジ(n−テトラデシル)、4−メ
チル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ペ
ンタデシル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジ(n−ヘキサデシル)、4−メチル−1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−オクタデシ
ル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(n−プロピル)、3−メチル−4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ブチル)、3
−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
ジ(n−ペンチル)、3−メチル−4−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、3−メチ
ル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n
−ヘプチル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−オクチル)、3−メチル−4
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ノニ
ル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(n−デシル)、3−メチル−4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ウンデシル)、
3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジ(n−ドデシル)、3−メチル−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−トリデシル)、3−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−テトラデシル)、3−メチル−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ペンタデシル)、3
−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
ジ(n−ヘキサデシル)、3−メチル−4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−オクタデシル)、
4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジ(n−プロピル)、4−メチル−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ブチル)、4−メチ
ル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n
−ペンチル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、4−メチル−4
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘプ
チル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジ(n−オクチル)、4−メチル−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ノニル)、
4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジ(n−デシル)、4−メチル−4−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ウンデシル)、4−メ
チル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−ドデシル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジ(n−トリデシル)、4−メチ
ル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n
−テトラデシル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジ(n−ペンタデシル)、4−メ
チル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−ヘキサデシル)、4−メチル−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−オクタデシル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(sec-ブチ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロヘ
キシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘ
プチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−
エチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘ
プチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソ
デシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソウ
ンデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソ
トリデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイ
ソペンタデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジイソオクタデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジイソプロピル、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジイソブチル、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジ(sec-ブチル)、4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプチ
ル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2
−エチルヘキシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジイソノニル、4−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸ジイソデシル、4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソウンデシル、4
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソトリデ
シル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイ
ソペンタデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸ジイソオクタデシル、3−メチル−1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、3−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、3
−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(se
c-ブチル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジシクロヘキシル、3−メチル−1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル、3−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘ
キシル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジイソノニル、3−メチル−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、3−メチル
−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシル、
3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイ
ソウンデシル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジイソトリデシル、3−メチル−1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジイソペンタデシル、3−メ
チル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソオク
タデシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジイソプロピル、4−メチル−1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジイソブチル、4−メチル−1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(sec-ブチル)、4−
メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロ
ヘキシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジイソヘプチル、4−メチル−1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、4−メ
チル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニ
ル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、4−メチル−
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメ
チル−4−ヘプチル)、4−メチル−1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジイソデシル、4−メチル−1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソウンデシル、4−
メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソト
リデシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジイソペンタデシル、4−メチル−1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジイソオクタデシル、3−メチ
ル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソ
プロピル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸ジイソブチル、3−メチル−4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸ジ(sec-ブチル)、3−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
シクロヘキシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジイソヘプチル、3−メチル−4
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチ
ルヘキシル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジイソノニル、3−メチル−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(3,5,5−ト
リメチルヘキシル)、3−メチル−4−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘ
プチル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸ジイソデシル、3−メチル−4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸ジイソウンデシル、3−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
イソトリデシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジイソペンタデシル、3−メチル
−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソオ
クタデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸ジイソプロピル、4−メチル−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、4−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(sec-ブチル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、4−メチル−
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプ
チル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、4−メチル−4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソノニル、
4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、4−メチル
−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2,
6−ジメチル−4−ヘプチル)、4−メチル−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソデシル、4−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
イソウンデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジイソトリデシル、4−メチル−
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソペン
タデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸ジイソオクタデシル等が例示される。
【0018】より好ましい一般式(1)で表されるエス
テルとしては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
(n−プロピル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(n−ブチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジ(n−ペンチル)、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジ(n−ヘキシル)、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジ(n−ヘプチル)、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジ(n−オクチル)、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジ(n−ノニル)、1,2−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジ(n−デシル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ウンデシル)、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(sec-ブチル)、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロヘキシル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘ
キシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソ
ノニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,
5,5−トリメチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソウンデ
シル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−プロピル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(n−ブチル)、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘプチ
ル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(n−オクチル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(n−ノニル)、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−デシル)、4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ウンデシル)、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソプロピ
ル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソ
ブチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(sec-ブチル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸ジシクロヘキシル、4−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸ジイソヘプチル、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソノニル、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(3,
5,5−トリメチルヘキシル)、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプ
チル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
イソデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジイソウンデシル等が推奨される。
【0019】一般式(1)で表される脂環族ジカルボン
酸ジエステルは、製造方法は任意であるが、例えば、以
下の(A)〜(C)の製造方法により調製できる。
【0020】(A)一般式(2)で表される脂環族ジカ
ルボン酸若しくはその無水物と炭素数1〜18の脂肪族
一価アルコールとを無触媒若しくは触媒の位存在下でエ
ステル化する方法、又は一般式(2)で表される脂環族
ジカルボン酸の炭素数1〜5の アルキルエステルと炭素
数6〜18の脂肪族一価アルコールとを無触媒下、若し
くは触媒の存在下でエステル交換する方法。
【0021】(B)一般式(3)で表される芳香族ジカ
ルボン酸ジエステルを核水素化反応する方法。
【0022】(C)一般式(4)で表されるシクロヘキ
セン誘導体を金属触媒の存在下、炭素数3〜18の脂肪
族一価アルコール溶媒中、一酸化炭素を用いて酸化的エ
ステル化する方法。
【0023】(A)の方法は、所定の酸成分とアルコー
ル成分とを常法に従って、好ましくは窒素等の不活性化
ガス雰囲気下において、無触媒下、若しくはエステル化
触媒の存在下で加熱撹拌しながらエステル化する方法で
ある。
【0024】エステル化に用いる酸成分としては、一般
式(2) [式中、X及びAは前記に同じである。]で表される脂
環族ジカルボン酸であり、具体的にはシクロヘキサンジ
カルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、メチルシク
ロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキセンジカル
ボン酸が例示され、更にそれらの無水物若しくは低級ア
ルキルエステルを用いてもよく、又、その1種または2
種以上の化合物を混合して用いることができる。
【0025】各々のカルボキシル基の置換位置は、シク
ロヘキサン環またはシクロヘキセン環のいずれでもよ
く、特に限定されるものではない。また、シクロヘキセ
ンジカルボン酸において二重結合の位置は、カルボキシ
ル基に対していずれでもよく、特に限定されるものでは
ない。
【0026】なかでも加水分解安定性の面では、シクロ
ヘキサン環及びシクロヘキセン環の1,2位にカルボキ
シル基を有するものが好ましく、又、シクロヘキセン環
の場合は1,2位のカルボキシル基に対して、4位に二
重結合が存在するものが好ましい。
【0027】より具体的な一般式(2)で表される脂環
族ジカルボン酸としては、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸が例示され、それらの無水物、又
は前記ジカルボン酸の炭素数1〜5の低級アルキルエス
テルも使用可能である。
【0028】エステル化においては上記酸を単独で用い
ることが可能であり、また、2種以上の酸を用いてエス
テル化することも可能である。
【0029】エステル化に用いるアルコール成分として
は炭素数1〜18の脂肪族一価アルコールであり、具体
的には炭素数3〜18の分岐状アルコール、炭素数3〜
10のシクロアルコールまたは炭素数1〜18の直鎖状
アルコールが挙げられる。
【0030】より具体的な分岐状アルコールとしては、
イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノー
ル、イソペンタノール、イソヘキサノール、2−メチル
ヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘ
プタノール、イソヘプタノール、2−エチルヘキサノー
ル、2−オクタノール、イソオクタノール、イソノナノ
ール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、2,6−
ジメチル−4−ヘプタノール、イソデカノール、イソウ
ンデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノー
ル、イソテトラデカノール、イソペンタデカノール、イ
ソヘキサデカノール、イソオクタデカノール等が例示さ
れる。
【0031】また、シクロアルコールとしては、シクロ
ヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシ
クロヘキサノール等が例示される。
【0032】さらに、直鎖状アルコールとしては、n−
プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n
−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノー
ル,n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノ
ール、n−ドデカノール、n−トリデカノー ル、n−
テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサ
デカノール、n−オクタデカノール等が例示される。
【0033】アルコール成分としては、上記アルコール
を単独でエステル化反応に供することが可能であり、ま
た、2種以上のアルコールを混合して用いることも可能
である。
【0034】エステル化反応を行うに際し、アルコール
成分は、例えば、酸成分1当量に対して1〜1.5当
量、好ましくは1.05当量〜1.2当量程度用いられ
る。
【0035】エステル化触媒としては、プロトン酸類、
ルイス酸類、アルカリ金属類等が例示される。具体的に
は、プロトン酸としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、リン酸、酸性イオン交換樹脂等
が例示され、ルイス酸としては、アルミニウム誘導体、
スズ誘導体、チタン誘導体、鉛誘導体、亜鉛誘導体が例
示され、アルカリ金属類としてはナトリウムアルコキシ
ド、カリウムアルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等が例示され、これらの1種又は2種以上を併
用することが可能である。
【0036】その中でも、炭素数3〜8のテトラアルキ
ルチタネート、酸化チタン、水酸化チタン、炭素数1〜
4のナトリウムアルコキシド、水酸化ナトリウム、炭素
数3〜12の脂肪酸スズ、酸化スズ、水酸化スズ、酸化
亜鉛、水酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化鉛、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウムが好ましい。その使用量は、例
えば、エステル合成原料である酸成分およびアルコール
成分の総重量に対して0.05重量%〜1重量%程度用
いられる。
【0037】エステル化温度としては、100℃〜23
0℃が例示され、通常、3時間〜30時間で反応は完結
する。
【0038】エステル化においては、反応により生成す
る水の留出を促進するために、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサンなどの水同伴剤を使用すること
が可能である。
【0039】また、エステル化反応時に原料、生成エス
テル及び有機溶媒(水同伴剤)の酸化劣化により酸化
物、過酸化物、カルボニル化合物などの含酸素有機化合
物を生成すると吸水性、加水分解安定性、電気絶縁性に
悪影響を与えるため、系内を窒素ガスなどの不活性ガス
雰囲気下、又は不活性ガス気流下で反応を行うことが望
ましい。
【0040】エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧
下または常圧下にて留去する。引き続き、必要に応じて
液液抽出、減圧蒸留などを行なってもよい。
【0041】(B)芳香族ジカルボン酸ジエステルの核
水素化反応 本方法は、相当する芳香族ジカルボン酸ジエステルを、
金属触媒の存在下、核水素化することにより脂環族ジカ
ルボン酸ジエステルとするものである。
【0042】核水素化に用いる一般式(3) [式中、X、R及びRは前記に同じである。]で表
される芳香族ジカルボン酸ジエステルとして具体的に
は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸の炭素数1〜18の一価アルコールエステ
ルが例示され、その1種または2種以上の化合物を混合
して用いることが可能であり、なかでもフタル酸ジエス
テルが好ましい。
【0043】核水素化に使用する芳香族ジカルボン酸ジ
エステルとしては、芳香族ジカルボン酸又はその無水物
からエステル化することにより得られたエステルを用い
ることが望ましく、その製造には硫黄又はリンを含有し
ない触媒を用いてエステル化したものを原料として用い
ることがより好ましい。硫黄又はリン系の触媒を用いて
エステル化した芳香族ジカルボン酸ジエステルを使用し
た場合、核水素化触媒の活性が劣る傾向があり、また得
られたエステルの加水分解安定性も劣る傾向がある。
【0044】より具体的な一般式(3)で表される芳香
族ジカルボン酸ジエステルとしては、フタル酸ジ(n−
プロピル)、フタル酸ジ(n−ブチル)、フタル酸ジ
(n−ペンチル)、フタル酸ジ(n−ヘプチル)、フタ
ル酸ジ(n−オクチル)、フタル酸ジ(n−ノニル)、
フタル酸ジ(n−デシル)、フタル酸ジ(n−ウンデシ
ル)、フタル酸ジ(n−ドデシル)、フタル酸ジ(n−
トリデシル)、フタル酸ジ(n−テトラデシル)、フタ
ル酸ジ(n−ペンタデシル)、フタル酸ジ(n−ヘキサ
デシル)、フタル酸ジ(n−オクタデシル)、フタル酸
ジイソプロピル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ
(sec-ブチル)、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸
ジイソヘプチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、
フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ(3,5,5−トリ
メチルヘキシル)、フタル酸ジ(2,6−ジメチル−4
−ヘプチル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソ
ウンデシル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジイ
ソペンタデシル、フタル酸ジイソオクタデシル等が例示
される。
【0045】核水素化においては上記芳香族ジカルボン
酸ジエステルを単独で用いることが可能であり、また、
2種以上の芳香族ジカルボン酸ジエステルを用いて核水
添することも可能である。
【0046】核水素化触媒としては、Fe、Ru、O
s、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt等が例示され
る。
【0047】上記水素化触媒は、通常金属を担体に担持
したものを使用する。担体としては活性炭、アルミナ、
シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、三酸化二
クロム、珪藻土などが挙げられる。核水添にはこれらの
1種又は2種以上を併用することが可能であるが、例え
ばRu/アルミナ、Ru/活性炭、Rh/活性炭、Rh
/アルミナ、Pd/活性炭、Pd/アルミナ、Pd/シ
リカアルミナ、Pd/ゼオライト、Pt/活性炭、Pt
/アルミナ等が推奨される。その使用量は、例えば、原
料である芳香族ジエステルの重量に対して0.05重量
%〜20重量%程度用いられる。
【0048】水素化の条件としては、用いる水素化触媒
により異なるが、例えば「反応別実用触媒」(多羅間公
雄監修、化学工業社刊)などに記載の条件で行われ、具
体的には反応温度で室温〜400℃、圧力で常圧〜20
0気圧が挙げられる。
【0049】又、水素化の反応形態としては、固定床連
続式、固定床バッチ式、懸濁床バッチ式等いずれも使用
可能であり、更に、気相反応、液相反応、気液混相反応
いずれも適用可能である。
【0050】触媒は、核水素化反応が懸濁床の場合は粉
末品が、固定床の場合は成型品が使用される。粉末品の
場合、金属の含有量は1〜20重量%(対担体)のもの
を、又、成型品の場合は0.01〜1重量%(対担体)
のものを使用するのが望ましい。
【0051】芳香環核水素化によるシクロヘキセンジカ
ルボン酸ジエステルの製造は、芳香族ジカルボン酸エス
テルの芳香環の部分水素化による方法によって成し遂げ
られる。例えば、USP第3162679号或いはDE
第1643884号などに記載されている方法によって
芳香環の部分水素化が可能である。
【0052】核水素化で得られた脂環族ジカルボン酸ジ
エステルは、必要に応じて蒸留等により精製を行うこと
が可能である。
【0053】(C)シクロヘキセン誘導体の酸化的エス
テル化反応 本方法は、一般式(4) [式中、Xは前記に同じである。]で表されるシクロヘ
キセン誘導体を一酸化炭素及び金属触媒の存在下、炭素
数1〜18の脂肪族一価アルコールを溶媒として使用し
た酸化的エステル化により、脂環族ジカルボン酸ジエス
テルとするものであり、得られる脂環族ジカルボン酸ジ
エステルは、一般式(1)で表される脂環族ジカルボン
酸ジエステルのなかでも1,2−ジカルボン酸タイプの
ものに限定される。
【0054】本発明に係る一般式(4)で表されるシク
ロヘキセン誘導体として具体的には、シクロヘキセン、
3−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン
などが挙げられる。
【0055】酸化的エステル化反応の際、溶媒として用
いるアルコールとしては、炭素数1〜18の脂肪族一価
アルコールであり、具体的には炭素数3〜18の分岐状
アルコール、炭素数3〜10のシクロアルコールまたは
炭素数1〜18の直鎖状アルコールが挙げられる。より
具体的には、上記(A)のエステル化による製造方法に
おいて使用したアルコールが例示される。
【0056】酸化的エステル化においては上記シクロヘ
キセン誘導体を単独で用いることが可能であり、また、
2種以上のシクロヘキセン誘導体を用いて酸化的エステ
ル化することも可能である。また、溶媒として上記アル
コールを単独で用いることが可能であり、また、2種以
上のアルコールを用いて酸化的エステル化することも可
能である。
【0057】通常、酸化的エステル化反応は、特開昭4
9−11817号、特開昭54−81211号或いはJ.
Org.Chem.,37,12,2034(1972)などに記載の条件で行わ
れ、例えば、反応温度で室温〜250℃、圧力で常圧〜
300気圧、反応時間で0.5時間〜10時間が挙げら
れる。
【0058】酸化的エステル化の触媒としては、金属化
合物等が例示される。具体的には、Ni、Pd、Pt、
Ru、Os、Co、Rh、Ir及び/又はこれらのハロ
ゲン化物が挙げられ、その中でも、Pd、Ptが効果的
であり、その使用量は、例えば、原料であるシクロヘキ
セン誘導体及びアルコールの総重量に対して0.05重
量%〜10重量%程度用いられる。また、Li、Na、
K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Co、Z
n、Cu、Fe、Cr、Sb、Sn、Mn等のハロゲン
化物やアミノ酸、或いは硝酸の存在下で反応を行うこと
が効果的である。
【0059】例えば、シクロヘキセン(0.06モル)
を大過剰のn−プロパノール(0.6モル)、塩化パラ
ジウム(0.0002モル)、β−アラニン(0.00
05モル)と共に100mLのオートクレーブに仕込
み、一酸化炭素を50Kg/cmGまで圧入し、さら
に反応の促進のために酸素で加圧(52Kg/cm
G)する。70℃で3〜8時間反応させる。その間に
酸素で数回の加圧(2Kg/cmG、5回)を行う。
反応後、過剰のn−プロパノールを減圧下または常圧下
にて留去し、触媒及びβ−アラニンを除去することによ
り1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−プロピ
ル)を得ることができる。
【0060】脂環族ジカルボン酸ジエステルの代表的な
製造方法として、上記(A)〜(C)の方法が挙げられ
るが、その中でも効率的に、低コストで得るためには
(A)の製造方法が好ましい。また、シクロヘキセンジ
カルボン酸ジエステルの製造については、既述の通り、
芳香族ジカルボン酸ジエステルの芳香環の部分水素化に
よる方法によっても成し遂げられるが、単一酸成分のエ
ステル、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸ジエステルを効率的に製造する場合には、前記
(A)の製造方法が特に推奨される。
【0061】(A)、(B)、(C)等の製造方法によ
り得られた一般式(1)で表される脂環族ジカルボン酸
ジエステルは、2種以上の吸着剤を用いて精製する工程
及び脱水処理する工程を経由した後、冷凍機油に供す
る。
【0062】上記(A)から(C)の方法で得られるエ
ステルは、製造過程で各種の微量不純物が混在してい
る。そのような微量不純物としては酸性化合物、金属化
合物、ヘテロ原子含有化合物、含酸素有機化合物が挙げ
られる。酸性化合物としては無機酸及び有機酸成分であ
り、金属化合物としては原料及び触媒に由来する金属全
般である。ヘテロ原子含有化合物としては、硫黄含有化
合物、窒素含有化合物、リン含有化合物等が例示され
る。また、含酸素有機化合物としては、特に影響を及ぼ
すものとして、過酸化物、カルボニル化合物が挙げられ
る。これらの微量不純物は、加水分解安定性、電気絶縁
性、熱安定性の不良を招き、金属部分の腐食やスラッジ
の発生を引き起こす原因となることが最近判明した。そ
のため、エステル中の不純物を2種以上の吸着剤を用い
て十分に精製除去を行う。
【0063】本発明で用いる吸着剤としては、天然若し
くは合成の吸着剤が挙げられ、具体的には、活性炭、活
性アルミナ、シリカゲル、シリカアルミナ、活性白土、
ゼオライト、マグネシア、カルシア、珪藻土、ハイドロ
タルサイトのほか、非スルホン酸系のイオン交換樹脂、
合成ハイドロタルサイトなどの合成吸着剤の少なくとも
2種以上を用いる。使用量は、吸着剤の種類によっても
異なるが、通常、脂環族ジカルボン酸エステルに対し、
0.01〜5重量%が例示され、好ましくは、0.05
〜5重量%が推奨される。
【0064】本発明で用いる吸着剤の形状としては特に
限定されず、粉末品、成形品が例示され、中でも粉末品
が好ましい。
【0065】本発明で用いる吸着剤の粉末品の粒子径と
しては、0.01〜1000μmであり、好ましくは
0.1〜500μmが推奨される。
【0066】2種以上の吸着剤を組み合わせる方法とし
ては、各々の吸着剤を用いて個別(段階的に)に吸着処
理してもよく、又、2種以上の吸着剤を混合して一度に
吸着処理しても差し支えない。
【0067】なかでも、吸着メカニズムの異なる2種以
上の吸着剤を組み合わせて使用することがより効果的で
ある。例えば、活性炭は、極性物質の物理吸着によるも
のであり、活性アルミナは酸性物質の物理吸着、シリカ
ゲルはシリカゲル表面に存在するシラノール基と極性物
質の水素結合による吸着等のメカニズムによる。
【0068】好ましい吸着剤の組み合わせとしては、 ・活性炭+活性アルミナ、 ・活性炭+シリカゲル、 ・活性炭+マグネシア、 ・活性炭+活性白土、 ・活性炭+シリカアルミナ、 ・活性アルミナ+活性白土、 ・活性炭+ゼオライト、 ・活性炭+ハイドロタルサイト、 ・活性白土+ゼオライト、等が例示される。
【0069】2種の吸着剤を混合する際の配合比として
は特に限定されず、吸着剤の種類によっても異なるが、
通常、重量比で1/100〜100/1が例示され、好
ましくは1/9〜9/1、より好ましくは3/7〜7/
3が推奨される。
【0070】3種以上の吸着剤を混合する際の配合比と
しては、例えば3種の吸着剤を使用する場合は、2種の
吸着剤の総量と第3の吸着剤との重量比で、1/100
〜100/1が例示される。
【0071】より性能の向上のために、3種類以上の吸
着剤を混合して使用することも効果的である。そのよう
な組み合わせとしては、 ・活性炭+活性アルミナ+シリカゲル、 ・活性炭+シリカゲル+マグネシア、 ・活性炭+活性白土+活性アルミナ、 ・活性炭+ハイドロタルサイト+ゼオライト、等が例示
される。
【0072】本発明で用いる吸着剤は、使用前に吸着能
を高める目的で脱水処理をすることができる。吸着剤の
脱水の方法としては例えば60℃〜150℃において3
0分〜10時間、常圧又は減圧下、好ましくは1〜50
0mmHgの減圧下で処理する方法が例示される。
【0073】精製の方法としては、 1)脂環族ジカルボン酸ジエステルに吸着剤の2種以上
を加え、70〜120℃、好ましくは80℃〜110℃
で、常圧又は減圧下(例えば1〜500mmHg)、1
0分〜2時間、好ましくは30分〜1時間加熱撹拌する
ことによりにより行う。この際、吸着塔に吸着剤を充填
したものを用い、エステルを通過させ処理してもよい。 2)得られたエステルを、1種の吸着剤により1)の方
法に準じて処理を行う。ついで、別の吸着剤を用いて更
に吸着剤処理を行う。この際、複数の直列した吸着塔に
個別の吸着剤を充填し、脂環族ジカルボン酸ジエステル
を順次通過させ処理してもよい。の2つの方法が例示さ
れる。
【0074】エステル化において、アルコール成分とし
て短鎖のアルコール成分を使用する場合、具体的には、
炭素数1〜5の低沸点アルコールを使用する場合には、
反応温度が低くなり製造にかなりの時間が費やされるこ
ととなる。この問題に対しては、低温で活性を示す触
媒、例えば、プロトン酸触媒、アルカリ金属触媒を増量
することが効果的である。しかしながら、スルホン酸類
ではエステル中に硫黄分が残存しやすくスラッジの原因
になりやすい。また、ナトリウムアルコキシドでは反応
後に生成する石けんが多くなるため、エステル中にナト
リウムが残存しやすくなり電気絶縁性、加水分解安定性
が悪くなる傾向が出てくる。従って、これらの触媒を使
用した際には上記吸着剤を増量して使用することが必要
である。
【0075】一方、エステルは自身の構造上の特徴か
ら、水が混在した場合に非常に加水分解を受けやすいと
いう性質を持っている。加水分解により酸が発生すると
前記不純物同様の悪影響を及ぼすため、十分な脱水処理
により水分除去を行う。
【0076】脱水処理工程での脱水処理の条件として
は、エステルの沸点によっても異なるが、通常、50℃
〜180℃、好ましくは80℃〜150℃において常圧
若しくは減圧下、好ましくは1〜500mmHgの減圧下、
0.1〜10時間処理することにより行う。本条件で脱
水処理を行うことにより水分量100ppm以下のエステ
ルを調製することができる。
【0077】吸着剤を用いた精製処理工程及び脱水処理
工程の順番は特に限定されないが、吸着剤処理の際、エ
ステルが水分を吸収することも考えられるため、吸着剤
を用いた精製処理工程後、脱水処理工程を行うことが好
ましい。
【0078】精製工程及び脱水工程を経て得られた一般
式(1)で表される脂環族ジカルボン酸ジエステルを冷
凍機油に適用することにより、長期にわたって加水分解
安定性、熱安定性及び電気絶縁性を改善することが可能
となる。
【0079】精製工程及び脱水工程を経て得られたより
好ましい冷凍機油用の一般式(1)で表される脂環族ジ
カルボン酸ジエステルとしては、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジ(n−プロピル)、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジ(n−ブチル)、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘキシル)、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ヘプチル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−オクチ
ル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−ノ
ニル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n−
デシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(n
−ウンデシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジイソプロピル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジイソブチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
(sec-ブチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジシクロヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジイソヘプチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジ(2−エチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジイソノニル、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメ
チル−4−ヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジイソデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジイソウンデシル、4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸ジ(n−プロピル)、4−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ブチル)、4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ペンチル)、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ヘ
キシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
ジ(n−ヘプチル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジ(n−オクチル)、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジ(n−ノニル)、4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−デシル)、4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(n−ウンデ
シル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
イソプロピル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸ジイソブチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(sec-ブチル)、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプチル、4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイ
ソノニル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−
4−ヘプチル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸ジイソデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジイソウンデシルが推奨される。
【0080】又、精製工程及び脱水工程を経て得られ
た、一般式(1)で表される脂環族ジカルボン酸ジエス
テルの2種以上の好ましい組み合わせとしては、 ・1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチルと
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル、 ・1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチルと
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘ
キシル)、 ・1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチルと
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、 ・1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチルと
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−
トリメチルヘキシル)、 ・4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブ
チルと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイ
ソヘプチル、 ・4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブ
チルと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(2−エチルヘキシル)、 ・4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブ
チルと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイ
ソノニル、 ・4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブ
チルと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、等が例示され
る。
【0081】2種以上の吸着剤を用いた精製処理工程及
び、脱水処理工程を経て得られた脂環族ジカルボン酸ジ
エステルは以下のパラメーター(物性)を有す。
【0082】 ・水分含量:100ppm以下、好ましくは50ppm以下 ・酸価:0.05mgKOH/g以下、好ましくは0.02mg
KOH/g以下 ・灰分:10ppm以下、好ましくは5ppm以下 ・硫黄含量:50ppm以下、好ましくは30ppm以下 ・水酸基価:3mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以
下 ・体積固有抵抗率:1×1011Ω・cm以上、好ましく
は1×1012Ω・cm以上
【0083】これらのうち、特に、水分含量、酸価、灰
分、硫黄含量が重要であり、上記のレベルまで精製を施
したエステルは冷凍機油として非常に良好な性能を有す
る。ここで灰分とはJIS−K−2272に定義される
灰分又は硫酸灰分の総量を示す。
【0084】冷凍機システムにおいては圧縮機の作動中
の摩擦により、非常に高温な条件にさらされることがわ
かっている。そのため、冷凍機油では熱安定性が重要で
あり、特にエステルを使用する際には水が共存した場合
の加水分解安定性が重要である。また、冷凍機作動中に
漏電による事故が発生しないように電気絶縁性も重要視
される。ここでエステルを水共存下で加熱処理した後、
酸価の上昇が小さければ加水分解が抑制されていること
を示すものであり、安定性が大と考えられる。また、電
気絶縁性については、エステルの体積固有抵抗率の値が
高いものほど良好であることを示す。更に、熱安定性に
ついてもエステルを加熱処理後の酸価及び粘度の上昇が
小さいほど良好であることを示す。
【0085】本発明の製造方法によって得られた一般式
(1)で表される脂環族ジカルボン酸ジエステルは、エ
ステル中に存在する不純物の含量が少ないため、加水分
解安定性、電気絶縁性、熱安定性に悪影響が少ない。
【0086】本発明の冷凍機油は、その性能を向上させ
るために、酸化防止剤、金属不活性剤、摩耗防止剤、消
泡剤、加水分解抑制剤等の添加剤の1種又は2種以上を
適宜配合することも可能である。所定の効果を奏する限
り特に限定されるものではないが、その具体的な例を以
下に示す。
【0087】酸化防止剤としては、フェノール系、アミ
ン系、硫黄系等のものがあり、例えば、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレ
ンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,
2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェ
ニル−α−ナフチルアミン、p,p’−ジオクチルジフ
ェニルアミン、ジベンジルジサルファイド等を用いるこ
とができる。これらの酸化防止剤は、通常、冷凍機油に
対して0.01重量%〜5重量%が例示され、好ましく
は0.1重量%〜2重量%が推奨される。
【0088】金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、アルキルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチ
アゾール、チアジアゾール誘導体等を使用できる。これ
らの金属不活性剤および腐食防止剤は、冷凍機油に対し
て0.01重量%〜1重量%が例示される。
【0089】摩耗防止剤としては、トリクレジルホスフ
ェート、クレジルジフェニルホスフェート、アルキルフ
ェニルホスフェート類、トリブチルホスフェート、ジブ
チルホスフェート等のりん酸エステル類、トリブチルホ
スファイト、ジブチルホスファイト、トリイソプロピル
ホスファイト等の亜りん酸エステル類が一般的である。
これらの摩耗防止剤は、冷凍機油に対して0.01重量
%〜5重量%が例示され、好ましくは0.01重量%〜
2重量%が推奨される。
【0090】消泡剤としては、液状シリコーンが適して
おり、好ましくは冷凍機油に対して0.0005重量%
〜0.01重量%が例示される。
【0091】加水分解抑制剤としては、エポキシ化合
物、例えば、アルキルグリシジルエーテル類、アルキレ
ングリコールグリシジルエーテル類、脂環式エポキシ化
合物類、フェニルグリシジルエーテルおよびその誘導体
が使用でき、その配合量としては、冷凍機油に対して
0.05重量%〜2重量%が例示される。
【0092】冷凍機油の製造方法としては、精製工程及
び脱水処理工程を経て得られた一般式(1)で表される
脂環族ジカルボン酸ジエステルをそのまま冷凍機油とし
て用いることが可能であり、一方、前記各種添加剤を配
合して冷凍機油としてもよい。
【0093】更に、各種添加剤を配合する際、脱水処理
工程の前の段階にて配合してもよい。
【0094】本発明の冷凍機油は、下記のパラメーター
を有するものが好ましい。 ・水分含量:100ppm以下、好ましくは50ppm以下、 ・酸価:0.05mgKOH/g以下、好ましくは0.02mg
KOH/g以下、 ・灰分:10ppm以下、好ましくは5ppm以下、 ・硫黄含量:50ppm以下、好ましくは30ppm以下、 ・水酸基価:3mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以
下、 ・体積固有抵抗率:1×1011Ω・cm以上、好ましく
は1×1012Ω・cm以上。
【0095】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基いて本発明を具
体的に説明する。実施例において使用した吸着剤は、特
別の記載のない限り、試薬を使用した。なお、各実施例
等における潤滑油の特性は次の方法により評価した。
【0096】[動粘度]ウベローデ粘度計を用いてJI
S−K−2283に準拠して測定する。
【0097】[水分含量の測定]JIS−K−2275
に準拠してカールフィッシャー水分計(京都電子製、M
KC−510)によって測定する。
【0098】[灰分]JIS−K−2272に準拠して
測定する。
【0099】[酸価]JIS−K−2501に準拠して
測定する。
【0100】[水酸基価]JIS−K−0070に準拠
して測定する。
【0101】[硫黄含量]硫黄分析装置 TS−03
(三菱化成製)を用いて測定する。測定試料はエステル
5gを精秤し、ヘキサンにて10mLに希釈して調製す
る。
【0102】[電気絶縁性試験]体積固有抵抗をJIS
−C−2101に準拠して25℃にて測定する。
【0103】[加水分解安定性試験]内径6.6mm、高
さ30cmのガラス試験管に長さ4cmの鉄、銅およびアル
ミニウムの針金を入れ、試料エステルを2.0g、蒸留
水を0.2g秤りとる。アスピレーターで脱気しながら
その試験管を封じ、オーブンに入れて175℃で80時
間加熱する。その後試料エステルを取り出し、酸価を測
定し、酸価の上昇の少ないものほど加水分解安定性が良
好であると判断した。本試験は、水の存在下で試料エス
テルを加熱することによる、該エステルの耐加水分解性
の指標を示す。
【0104】[熱安定性試験]内径53mm、高さ56mm
のビーカーに長さ4cmの鉄、銅およびアルミニウムの針
金を入れ、試料エステルを40g秤りとる。オーブンに
入れて175℃で24時間加熱する。その後試料エステ
ルを取り出し、酸価を測定する。試験前後で酸価の上昇
が少ないほど熱安定性が高い。本試験は、酸素の存在下
で試料エステルを加熱することによる、該エステルの耐
酸化劣化の指標を示す。
【0105】実施例1 撹拌機、温度計、冷却管付き水分分留器を備えた4ツ口
フラスコに4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
無水物(本品は無水マレイン酸と1,3−ブタジエンと
を通常のディールス−アルダー反応をすることにより調
製した)152.1g(1モル)、イソブタノール16
2.8g(2.2モル)を仕込み、酸化スズ(0.2重
量%)の存在下、減圧にて徐々に220℃まで昇温し
た。生成した水を水分分留器にとりながらエステル化反
応を約21時間行った。反応後、過剰のイソブタノール
を蒸留で除去し、苛性ソーダで中和し、その後中性にな
るまで水洗した。次いで活性アルミナ、活性炭(各0.
5重量%)を加えて、90℃で60分間撹拌処理を行
い、濾過後、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジイソブチル266gを得た。ついで、100℃、1
0mmHgの減圧条件で6時間脱水を行い、冷凍機用潤滑油
とした。得られた潤滑油(エステル)の酸価および動粘
度を第1表に示す。また、潤滑油(エステル)の水分含
量は25ppm、硫酸灰分は2ppm、硫黄含量は1ppm未
満、水酸基価は0.6mgKOH/gであった。
【0106】
【0107】実施例2 実施例1と同様の方法でsec−ブタノールを用い、エ
ステル化反応を約25時間行うことにより、4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(sec−ブチル)
258gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。水
分含量は22ppm、硫酸灰分は2ppm、硫黄含量は1ppm
未満、水酸基価は0.3mgKOH/gであった。
【0108】実施例3 実施例1と同様の方法でイソヘプタノール(「ヘプタノ
ール」協和発酵製)用い、テトライソプロピルチタネー
ト(0.2重量%)の存在下、エステル化反応を200
℃にて約8時間行い、精製時に吸着剤としてシリカゲ
ル、活性炭(各0.5重量%)で処理することにより、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプ
チル348gを得た。ついで、130℃、10mmHgの減
圧条件で5時間脱水を行い、冷凍機用潤滑油とした。酸
価および動粘度を第1表に示す。潤滑油(エステル)の
水分含量は30ppm、硫酸灰分は2ppm、硫黄含量は1pp
m未満、水酸基価は0.8mgKOH/gであった。
【0109】実施例4 実施例3と同様の方法でn−ヘプタノールを用い、精製
時に吸着剤としてマグネシア、活性炭(各0.2重量
%)で処理することにより、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(n−ヘプチル)344gを得た。
酸価および動粘度を第1表に示す。水分含量は18pp
m、硫酸灰分は3ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価
は0.5mgKOH/gであった。
【0110】実施例5 実施例3と同様の方法で2−エチルヘキサノールを用
い、酸化スズ(0.1重量%)の存在下、エステル化反
応を行い、精製時に吸着剤として活性白土、活性炭(各
0.4重量%)で処理することにより、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)
378gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。水
分含量は28ppm、硫酸灰分は2ppm、硫黄含量は1ppm
未満、水酸基価は0.9mgKOH/gであった。
【0111】実施例6 実施例3と同様の方法で2−オクタノールを用い、精製
時に吸着剤としてキョーワード500(合成ハイドロタ
ルサイト、協和化学製)、活性炭(各0.5重量%)で
処理することにより、4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸ジ(2−オクチル)374gを得た。酸価お
よび動粘度を第1表に示す。水分含量は41ppm、硫酸
灰分は3ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.5
mgKOH/gであった。
【0112】実施例7 実施例3と同様の方法でイソノナノールを用い、4−シ
クロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソノニル39
3gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。水分含
量は33ppm、硫酸灰分は1ppm、硫黄含量は1ppm未
満、水酸基価は1.1mgKOH/gであった。
【0113】実施例8 実施例3と同様の方法で3,5,5−トリメチルヘキサ
ノールを用い、酸化スズ(0.1重量%)及びテトライ
ソプロピルチタネート(0.1重量%)の存在下、エス
テル化反応を行い、精製時に吸着剤としてシリカアルミ
ナ、活性炭(各0.5重量%)で処理することにより、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(3,
5,5−トリメチルヘキシル)396gを得た。酸価お
よび動粘度を第1表に示す。水分含量は22ppm、硫酸
灰分は2ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.3
mgKOH/gであった。
【0114】実施例9 実施例3と同様の方法でイソデカノールを用い、2−エ
チルエキサン酸スズ(0.3重量%)の存在下、エステ
ル化反応を行うことにより、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジイソデシル419gを得た。酸価お
よび動粘度を第1表に示す。水分含量は35ppm、硫酸
灰分は2ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は1.3
mgKOH/gであった。
【0115】実施例10 実施例3と同様の装置に4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸ジイソブチル282g(1モル)、ウンデ
カノール(「ダイヤドール11」三菱化学製)223.
6g(1.3モル)を仕込み、ナトリウムメトキシド触
媒(1.0重量%)の存在下、減圧にて180℃まで昇
温した。生成したイソブタノールを留去しながらエステ
ル交換反応を約13時間行った。反応後、過剰のウンデ
カノールを蒸留で除去し、その後中性になるまで水洗し
た。次いで活性アルミナ(0.5重量%)、活性白土
(1重量%)、活性炭(0.5重量%)を加えて、90
℃で撹拌処理を行い、濾過後、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジウンデシル461gを得た。つ
いで、130℃、10mmHgの減圧条件で5時間脱水を行
い、冷凍機用潤滑油とした。酸価および動粘度を第1表
に示す。潤滑油(エステル)の水分含量は25ppm、硫
酸灰分は3ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.
9mgKOH/gであった。
【0116】実施例11 実施例3と同様の方法でイソトリデカノールを用い、精
製時に吸着剤としてキョーワード500(0.5重量
%)、キョーワード700(合成ハイドロタルサイト、
協和化学製)(0.5重量%)、活性炭(0.2重量
%)で処理することにより、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジイソトリデシル491gを得た。酸
価および動粘度を第1表に示す。水分含量は28ppm、
硫酸灰分は1ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は
1.2mgKOH/gであった。
【0117】実施例12 実施例3と同様の方法で3−メチル−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸及び2−エチルヘキサノール
を用い、水酸化スズ(0.2重量%)の存在下、エステ
ル化反応を行い、精製時に吸着剤としてゼオライト、活
性白土(各0.5重量%)で処理することにより、3−
メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ
(2−エチルヘキシル)384gを得た。酸価および動
粘度を第1表に示す。水分含量は22ppm、硫酸灰分は
3ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.4mgKOH
/gであった。
【0118】実施例13 実施例3と同様の方法で4−メチル−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸及び3,5,5−トリメチル
ヘキサノールを用い、水酸化鉛(0.15重量%)の存
在下、エステル化反応を行い、精製時に吸着剤としてキ
ョーワード500、活性炭(各0.4重量%)で処理す
ることにより、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)380gを得た。酸価および動粘度を第1表に示
す。水分含量は38ppm、硫酸灰分は3ppm、硫黄含量は
1ppm未満、水酸基価は0.6mgKOH/gであった。
【0119】実施例14 実施例1と同様の方法で1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸(本品は無水マレイン酸と1,3−ブタジエンと
を通常のディールス−アルダー反応をすることにより得
られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水
物を水添することより調整した)、イソブタノールを用
い、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル
260gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。水
分含量は19ppm、硫酸灰分は1ppm、硫黄含量は1ppm
未満、水酸基価は0.9mgKOH/gであった。
【0120】実施例15 実施例3と同様の方法で1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸(本品は無水マレイン酸と1,3−ブタジエンと
を通常のディールス−アルダー反応をすることにより得
られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水
物を水添することより調整した)、イソヘプタノール
(「ヘプタノール」協和発酵製)を用い、精製時に吸着
剤として活性アルミナ、活性白土(各0.5重量%)で
処理することにより、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジイソヘプチル339gを得た。酸価および動粘度
を第1表に示す。水分含量は20ppm、硫酸灰分は2pp
m、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.8mgKOH/gで
あった。
【0121】実施例16 フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(「サンソサイザー
DOP」新日本理化製)80gをオートクレーブに仕込
み、Raneyニッケル8g(10重量%)の存在下、19
0℃にて、水素圧力50kg/cm2 Gの条件下で2時間水
素化を行い、触媒を濾別する。精製時に吸着剤として活
性アルミナ、マグネシア(各0.5重量%)で処理する
ことにより、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
(2−エチルヘキシル)77gを得た。酸価および動粘
度を第1表に示す。水分含量は38ppm、硫酸灰分は1p
pm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.3mgKOH/g
であった。
【0122】実施例17 実施例15と同様の方法で3,5,5−トリメチルヘキ
サノールを用い、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)394gを得
た。酸価および動粘度を第1表に示す。水分含量は28
ppm、硫酸灰分2ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価
は0.5mgKOH/gであった。
【0123】実施例18 実施例15と同様の方法でイソデカノールを用い、酸化
アルミニウム(0.2重量%)及び水酸化ナトリウム
(0.05重量%)の存在下、エステル化反応を行い、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシル43
4gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。水分含
量は29ppm、硫酸灰分は2ppm、硫黄含量は1ppm未
満、水酸基価は0.2mgKOH/gであった。
【0124】比較例1 実施例1と同様の装置に4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸無水物(本品は無水マレイン酸と1,3−
ブタジエンとを通常のディールス−アルダー反応をする
ことにより調整した)152.1g(1モル)、イソブ
タノール177.6g(2.4モル)、キシレン(5重
量%)を仕込み、p−トルエンスルホン酸触媒(0.4
重量%)の存在下、減圧下にて150℃まで昇温した。
生成した水を水分分留器にとりながらエステル化反応を
約6時間行った。反応後、過剰のイソブタノールを蒸留
で除去し、苛性ソーダで中和し、その後中性になるまで
水洗した。次いで活性炭(0.5重量%)を加えて、9
0℃で撹拌処理を行い、濾過後、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸ジイソブチル260gを得た。酸
価および動粘度を第2表に示す。水分含量は227pp
m、硫酸灰分は1ppm、硫黄含量は26ppm、水酸基価は
0.2mgKOH/gであった。
【0125】
【0126】比較例2 実施例1と同様の装置に4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸無水物(本品は無水マレイン酸と1,3−
ブタジエンとを通常のディールス−アルダー反応をする
ことにより調整した)152.1g(1モル)、2−エ
チルヘキサノール286g(2.2モル)を仕込み、酸
化スズ(0.1重量%)の存在下、減圧下にて220℃
まで昇温した。生成した水を水分分留器にとりながらエ
ステル化反応を約8時間行った。反応後、過剰の2−エ
チルヘキサノールを蒸留で除去し、苛性ソーダで中和
し、その後中性になるまで水洗した。次いで活性アルミ
ナ(0.5重量%)を加えて、90℃で撹拌処理を行
い、濾過後、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸ジ(2−エチルヘキシル)370gを得た。酸価およ
び動粘度を第2表に示す。水分含量は184ppm、硫酸
灰分は8ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は0.4
mgKOH/gであった。
【0127】比較例3 比較例2と同様の方法で3,5,5−トリメチルヘキサ
ノールを用い、酸化スズ(0.1重量%)及びテトライ
ソプロピルチタネート(0.1重量%)の存在下、エス
テル化反応を行い、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノール)3
70gを得た。酸価および動粘度を第2表に示す。水分
含量は196ppm、硫酸灰分は10ppm、硫黄含量は1pp
m未満、水酸基価は0.3mgKOH/gであった。
【0128】比較例4 比較例2と同様の方法で1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸(本品は無水マレイン酸と1,3−ブタジエンと
を通常のディールス−アルダー反応をすることにより得
られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水
物を水添することより調整した)及び2−エチルヘキサ
ノールを用い、水酸化スズ(0.2重量%)の存在下、
エステル化反応を行い、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジ(2−エチルヘキシル)368gを得た。酸価
および動粘度を第2表に示す。水分含量は235ppm、
硫酸灰分は7ppm、硫黄含量は1ppm未満、水酸基価は
1.2mgKOH/gであった。
【0129】試験例1 実施例1〜18及び比較例1〜4のエステルの電気絶縁
性を評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
【0130】
【0131】
【0132】試験例2 実施例1〜18及び比較例1〜4のエステルの加水分解
安定性を評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
【0133】試験例3 実施例1〜18及び比較例1〜4のエステルの熱安定性
を評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
【0134】実施例1〜18から明らかなように、本発
明の製造方法により得られた脂環族ジカルボン酸ジエス
テルは、不純物が少なく、長期加水分解安定性、電気絶
縁性、熱安定性が良好であるため冷凍機油として用いる
のに適していることが明らかである。これに対し、比較
例1〜4に示すように、製造工程で吸着剤による精製処
理、脱水処理を十分に施さない場合は、長期加水分解安
定性に劣り、熱安定性において酸価の上昇が大きく、電
気絶縁性においても体積固有抵抗率が低い値を示す。
【0135】
【発明の効果】本発明の冷凍機用潤滑油は、長期加水分
解安定性、熱安定性、電気絶縁性に優れ、従来公知のも
のと比較して高性能化されており、近年の高性能化の要
求を満足できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 70:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) [式中、Aはシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環
    を表し、Xは水素原子またはメチル基を表し、R、R
    は同一又は異なって、炭素数1〜18の脂肪族一価の
    基を表す。]で表される脂環族ジカルボン酸ジエステル
    を含有する冷凍機用潤滑油であって、脂環族ジカルボン
    酸ジエステルが、少なくとも2種類以上の吸着剤を用い
    て精製する工程と、脱水処理する工程を経由して製造さ
    れる脂環族ジカルボン酸ジエステルである冷凍機用潤滑
    油。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される脂環族ジカルボ
    ン酸ジエステルが、一般式(2) [式中、X及びAは前記に同じである。]で表される脂
    環族ジカルボン酸又はその無水物と炭素数1〜18の脂
    肪族一価アルコールとを無触媒下若しくは触媒の存在下
    エステル化する方法により得られるエステルであるか、
    又は一般式(2)で表される脂環族ジカルボン酸の炭素
    数1〜5のアルキルエステルと、炭素数6〜18の脂肪
    族一価アルコールとを無触媒下、若しくは触媒の存在下
    でエステル交換する方法により得られるエステルである
    請求項1に記載の冷凍機用潤滑油。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される脂環族ジカルボ
    ン酸ジエステルが、一般式(3) [式中、X、R及びRは前記に同じである。]で表
    される芳香族ジカルボン酸ジエステルを水素化触媒を用
    いて核水素化する方法により得られるエステルである請
    求項1に記載の冷凍機用潤滑油。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される脂環族ジカルボ
    ン酸ジエステルが、一般式(4) [式中、Xは前記に同じである。]で表されるシクロヘ
    キセン誘導体を金属触媒の存在下、炭素数1〜18の脂
    肪族一価アルコール溶媒中、一酸化炭素を用いて酸化的
    エステル化する方法により得られるエステルである請求
    項1に記載の冷凍機用潤滑油。
  5. 【請求項5】 R又はRで表される炭素数1〜18
    の脂肪族一価の基が、炭素数1〜18の直鎖状アルキル
    基、炭素数3〜18の分岐鎖状アルキル基又は炭素数3
    〜10のシクロアルキル基である請求項1に記載の冷凍
    機用潤滑油。
  6. 【請求項6】 吸着剤が、活性炭、活性アルミナ、シリ
    カゲル、シリカアルミナ、活性白土、ゼオライト、マグ
    ネシア、カルシア、珪藻土、ハイドロタルサイト、非ス
    ルホン酸系のイオン交換樹脂、合成ハイドロタルサイト
    から選ばれる少なくとも2種類以上である請求項1〜5
    に記載の冷凍機用潤滑油。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で表される脂環族ジカルボ
    ン酸ジエステルを含有する冷凍機用潤滑油が、水分含量
    100ppm以下、酸価0.05mgKOH/g以下、灰
    分が10ppm以下及び硫黄含量が50ppm以下である冷凍
    機用潤滑油。
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