JP2000080189A - 表面親水性成形物及びその製造方法 - Google Patents

表面親水性成形物及びその製造方法

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JP2000080189A JP10250194A JP25019498A JP2000080189A JP 2000080189 A JP2000080189 A JP 2000080189A JP 10250194 A JP10250194 A JP 10250194A JP 25019498 A JP25019498 A JP 25019498A JP 2000080189 A JP2000080189 A JP 2000080189A
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heparin
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Tetsuo Takada
哲生 高田
Makiko Ebato
真紀子 江波戸
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘパリンの抗血栓性と親水基の低タンパク、
低血小板粘着作用及び親水層の生体的不活性(inert)
等の性質を持ち合わせた表面親水性成形物(抗血栓性材
料或いは生体適合性材料)を提供すること。 【解決手段】 表面に(A)ヘパリン残基以外の親水基
を有する重合性化合物、及び(B)ヘパリン残基を有す
る重合性化合物からなる親水性層を有する表面親水性成
形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野において
適用される、タンパク吸着が少なく、生体適合性に優れ
た表面親水性成形物及びその製造方法に関するものであ
り、更に詳しくは、成形物表面にヘパリン残基以外の親
水基を有する化合物及びヘパリン残基を有する化合物を
表面に結合させた表面親水性成形物及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】医療分野で使用されている成形物におい
て大きな問題点は、生体適合性の不足から生じるものが
多く、例えば、血栓、溶血、感作性、免疫反応等の発生
が挙げられる。それらの中でも、特に血栓(血液凝固)
の発生が長期使用の医療材料(例えば、人工心肺、血液
回路等)にとって致命的な問題である。
【0003】このような問題点を解決するために、通
常、成形物の表面に親水化処理や生体適合性処理が行わ
れている。例えば、特開平10−53658号公報に
は、ビニル系化合物と光重合開始剤からなる重合性組成
物を賦形し、得られた未硬化の賦形物を、親水基を有す
るビニル系化合物と接触させた状態で、これらに活性光
線を照射することによって、未硬化の賦形物を硬化させ
ると共に、賦形物の表面において、ビニル系化合物と親
水基を有するビニル系化合物の一部を共重合させる表面
親水性成形物の製造方法が提案されている。また、特開
平5−177119号公報には、4級アミン及びリン酸
アニオン基を有するメタクリレートとメタクリル酸エス
テルからなる共重合体を溶剤に溶解させ、該溶液を疎水
性多孔質膜の細孔表面にコーティングした後、溶剤を揮
発させることにより、該共重合体を膜の細孔表面に保持
させる方法が提案されている。更に、特開平7−724
30号公報及び特開昭54−63025号公報には、リ
ン脂質類似構造を有するビニルモノマーを材料の表面に
グラフト重合させる方法が提案されている。一方、ヘパ
リン残基を有する化合物による材料の表面処理として
は、特開昭55−158055公報には、不飽和二重結
合を有するヘパリン誘導体の存在下で材料の表面を活性
線処理する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−5365
8号公報、特開平5−177119号公報、特開平7−
72430号公報及び特開昭54−63025号公報に
開示されている生体適合性や選択吸着性を有する表面親
水性成形物において、それらの親水基は、低タンパク吸
着性や、生体的不活性な性質(inert) の付与には寄与
するが、アンチトロンビン(ATIII)等によるトロンビ
ン阻害反応を促進するような作用は有しないので、得ら
れた表面親水性成形物は、抗血栓性(血液凝固)の面で
は、十分に満足できる性能を有するものではなかった。
【0005】上述のトロンビンは、分子量約37,00
0、二本鎖からなる糖蛋白質であって、血液凝固因子を
活性化させる性質を有している。アンチトロンビン(AT
III)は、分子量約59,000の1本鎖糖蛋白質であ
って、トロンビンと複合体を形成し、血液凝固を阻害す
る働きを有している。
【0006】一方、特開昭55−158055公報に
は、不飽和二重結合を有するヘパリン誘導体を用いるこ
とにより、材料の表面に優れた抗血栓性作用を付与でき
ることが記載されている。ヘパリンによる抗血栓性作用
は、ヘパリンがアンチトロンビン(ATIII)と結合する
ことにより、ATIIIの高次構造がわずかに変化し、トロ
ンビンと結合しやすくなる点にある。ATIIIのトロンビ
ン阻害速度は、 ヘパリンで1万倍以上も促進される。
しかしながら、ヘパリンが結合している表面には、特に
長時間血液と接触した場合、他の蛋白質の吸着や、血
球、血小板等の粘着が起こり、次第に蛋白質の変性や血
小板の活性化が起り、最終的にトロンビン以外の凝固因
子による血栓や血液凝固が生じてしまう、という問題点
を有する。
【0007】本発明が開発しようとする課題は、ヘパリ
ンの抗血栓性と親水基の低タンパク、低血小板粘着作用
及び親水層の生体的不活性(inert) 等の性質を持ち合
わせた表面親水性成形物(抗血栓性材料或いは生体適合
性材料)を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)ヘパリン
残基以外の親水基を有する重合性化合物、及び(B)ヘ
パリン残基を有する重合性化合物からなる親水性層を成
形物の表面に設けることにより、抗血栓性作用と共に、
蛋白質の吸着や血小板粘着を防止する効果を示すことを
見い出し、発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(I)表面に(A)ヘパリン残基以外の親水基を有
する重合性化合物、及び(B)ヘパリン残基を有する重
合性化合物からなる親水性層を有することを特徴とする
表面親水性成形物を提供する。
【0010】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(II)(1)1分子中に重合性不飽和二重結合を2
個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含
有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビーズ
状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を成形す
る第1工程と、(2)賦形物(b)の表面に、重合性不
飽和結合を有する親水性化合物(c)を含有する親水性
液体(d)に接触させる第2工程と、(3)前記接触状
態下の賦形物(b)に活性光線を照射することによっ
て、(イ)賦形物(b)を硬化させると共に、(ロ)賦
形物(b)と親水性液体(d)との界面で、疎水性化合
物(a)と親水性化合物(c)とを共重合させて疎水性
の賦形物(b)の表面に親水性化合物(c)の分子を化
学的に結合させるが、(ハ)親水性液体(d)の中では
前記接触界面を除き光重合反応を起さない、第3工程と
から成る表面親水性成形物の製造方法において、重合性
不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)として、
(A)ヘパリン残基以外の親水基を有する重合性化合
物、及び(B)ヘパリン残基を有する重合性化合物を用
いることを特徴とする表面親水性成形物の製造方法を提
供する。
【0011】さらに、本発明は上記課題を解決するため
に、 (III)(1)1分子中に重合性不飽和二重結合を
2個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを
含有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビー
ズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を形成
する第1工程と、(2)賦形物(b)に活性光線を照射
して賦形物(b)を予備硬化させるが、少なくとも賦形
物(b)の表面に重合性不飽和二重結合が残留した状態
に維持する第2工程と、(3)予備硬化した賦形物
(b)の表面に、重合性不飽和二重結合を有する親水性
化合物(c)を含有する親水性液体(d)に接触させる
第3工程と、(4)前記接触状態下にある予備硬化した
賦形物(b)に活性光線を照射することによって、
(イ)賦形物(b)を硬化させると共に、(ロ)賦形物
(b)と親水性液体(d)との界面で、疎水性化合物
(a)と親水性化合物(c)とを共重合させて疎水性の
賦形物(b)の表面に親水性化合物(c)の分子を化学
的に結合させるが、(ハ)親水性液体(d)の中では前
記接触界面を除き光重合反応を起さない、第4工程とか
ら成る表面親水性成形物の製造方法において、重合性不
飽和二重結合を有する親水性化合物(c)として、
(A)ヘパリン残基以外の親水基を有する重合性化合
物、及び(B)ヘパリン残基を有する重合性化合物を用
いることを特徴とする表面親水性成形物の製造方法を提
供する。
【0012】さらにまた、本発明は上記課題を解決する
ために、(IV)薄膜状、糸状、ビーズ状、その他の任意
形状の成形品に、(A)イオン基、カルボキシル基、燐
酸残基、アミン、糖残基、アミノ酸残基及び両性イオン
から成る群から選ばれる官能基を有する重合性化合物、
及び(B)ヘパリン残基を有する重合性化合物の存在下
でラジカルを発生させることによって、成形品の表面に
発生したラジカルと重合成化合物(A)及び重合成化合
物(B)を反応させて、成形品の表面に、ヘパリン残基
以外の親水基を有する重合性化合物(A)及びヘパリン
残基を有する重合性化合物(B)をグラフトさせること
を特徴とする表面親水性成形物の製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の表面親水性成形物の表面
に設けられる親水性層を構成するヘパリン残基以外の親
水基を有する重合性化合物(A)は、有機、無機を問わ
ず、熱、活性光線例えば紫外線、可視光、赤外線等の照
射により重合し、ポリマーとなるものであれば良く、ラ
ジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等、任意のも
のであって良い。そのような化合物としては、例えば、
分子内にビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メ
タクリロイル基[以下、アクリロイル基とメタクリロイ
ル基を併せて(メタ)アクリロイル基と称する。(メ
タ)アクリル、(メタ)アクリレート等についても同様
である]等の重合性官能基を有する化合物が挙げられる
が、中でも活性光線照射により重合速度が速いことか
ら、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好まし
い。
【0014】また、重合性化合物(A)のヘパリン以外
の親水基としては、例えば、スルホン基、4級アンモニ
ウム基、カルボキシル基、燐酸残基、アミン残基、ポリ
エチレングリコール鎖、ヘパリン残基以外の糖残基、ア
ミノ酸残基、両性イオン基、などが挙げられ、これらの
中でも、スルホン基、4級アンモニウム基、燐酸残基、
ポリエチレングリコール鎖、ヘパリン残基以外の糖残
基、両性イオン基が好ましい。
【0015】スルホン基を有する重合性化合物として
は、例えば、スルホン酸ナトリウムエトキシ(メタ)ア
クリレート、などが挙げられる。
【0016】4級アンモニウム基を有する重合性化合物
としては、例えば、トリメチルアンモニオエチル(メ
タ)アクリレート、などが挙げられる。
【0017】カルボキシル基を有する重合性化合物とし
ては、例えば、ω−カルボキシカプロラクトン(メタ)
アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、(メ
タ)アクリル酸ダイマー、などが挙げられる。
【0018】燐酸残基を有する重合性化合物としては、
例えば、トリメチル[2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル]ホスホニウムクロライド、トリ−n−ブチル
[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ホスホニウ
ムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチル燐
酸、(メタ)アクリロイルオキシデシル燐酸、β−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルフェニル燐酸、などが挙
げられる。
【0019】アミン残基を有する重合性化合物として
は、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)
アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルア
ミド、、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メ
チレンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられ
る。
【0020】ポリエチレングリコール鎖を有する重合性
化合物としては、例えば、メトキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0021】ヘパリン残基以外の糖残基を有する重合性
化合物としては、例えば、6−(メタ)アクリロル(1
−O)n−ブチルグルコシド、6−(メタ)アクリロル
グルコ−ス、6−(メタ)アクリロルセロビオース、な
どが挙げられる。
【0022】アミノ酸残基を有する重合性化合物として
は、例えば、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン、
N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノアスパ
ラギン、N−(メタ)アクリロイルグルタミン、 N−
(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノグルタミン、
などが挙げられる。
【0023】両性イオン基を有する重合性化合物として
は、例えば、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチ
ル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、(メタ)アクリロイルオキシブチル−2−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、(メタ)アクリ
ロイルオキシノナエチレンオキサイド−2−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、(メタ)アクリロ
イルオキシトリプロピレンオキサイド−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオ
キシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチ
ル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(アリルオキシ)エチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート、2−(スチリルオキ
シ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(エトキシフマロイルオキシ)エチル
−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、などが挙げられる。
【0024】これらの親水基を有する重合性化合物は、
単独で用いることも、2種類以上を混合して用いること
もできる。
【0025】ヘパリン残基を有する重合性化合物(B)
は、ヘパリン残基と重合性官能基を有する化合物が挙げ
られる。これらの中でも、一般式(1)
【0026】
【化2】
【0027】[式中、Rは、直接結合、−O−、−CO
NHCH2CH2O−、−(CH2m−O−、 −(CH
2CH2O)m 又は −(CH2CH(CH3)O)m− (式中、mは1〜9の整数を表わす。)を表わし、R1
及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜6
のアルキル基を表わし、R3 は、水素原子又はメチル基
を表わし、Hepはヘパリン残基を表わし、nは1以上
の整数を表わす。]で表わされるヘパリン誘導体が好ま
しい。
【0028】一般式(1)で表わされるヘパリン誘導体
としては、例えば、モノ[(メタ)アクリロイル]ヘパ
リン、ジ[(メタ)アクリロイル]ヘパリン、テトラ
[(メタ)アクリロイル]ヘパリン、ヘキサ[(メタ)
アクリロイル]ヘパリン、デカ[(メタ)アクリロイ
ル]ヘパリン、モノ[(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルアミノカルボニル]ヘパリン、ジ[(メタ)アクリロ
イルオキシエチルアミノカルボニル]ヘパリン、テトラ
[(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノカルボニ
ル]ヘパリン、ヘキサ[(メタ)アクリロイルオキシエ
チルアミノカルボニル]ヘパリン、デカ[(メタ)アク
リロイルオキシエチルアミノカルボニル]ヘパリン、モ
ノ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘパリン、ジ
[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘパリン、テト
ラ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘパリン、ヘ
キサ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘパリン、
デカ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘパリン、
テトラデカ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘパ
リン、モノ[(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘパ
リン、ジ[(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘパリ
ン、テトラ[(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘパ
リン、ヘキサ[(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘ
パリン、デカ[(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘ
パリン、モノ[(メタ)アクリロイルオキシヘキシル]
ヘパリン、、デカ[(メタ)アクリロイルオキシヘキシ
ル]ヘパリン、モノ[(メタ)アクリロイルオキシエチ
レンオキサイド]ヘパリン、、デカ[(メタ)アクリロ
イルオキシエチレンオキサイド]ヘパリン、モノ[(メ
タ)アクリロイルオキシジエチレンオキサイド]ヘパリ
ン、デカ[(メタ)アクリロイルオキシジエチレンオキ
サイド]ヘパリン、モノ[(メタ)アクリロイルオキシ
テトラエチレンオキサイド]ヘパリン、デカ[(メタ)
アクリロイルオキシテトラエチレンオキサイド]ヘパリ
ン、モノ[(メタ)アクリロイルオキシノナエチレンオ
キサイド]ヘパリン、デカ[(メタ)アクリロイルオキ
シノナエチレンオキサイド]ヘパリン、モノ[(メタ)
アクリロイルオキシポリエチレンオキサイド]ヘパリ
ン、デカ[(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオ
キサイド]ヘパリン、モノ[(メタ)アクリロイルオキ
シプロピレンオキサイド]ヘパリン、デカ[(メタ)ア
クリロイルオキシプロピレンオキサイド]ヘパリン、モ
ノ[(メタ)アクリロイルオキシジプロピレンオキサイ
ド]ヘパリン、デカ[(メタ)アクリロイルオキシテト
ラプロピレンオキサイド]ヘパリン、などが挙げられ
る。これらの化合物は、単独で用いることも、2種類以
上を混合して用いることもできる。
【0029】表面親水性成形物の親水性層中の親水性化
合物は、親水基を有する重合性化合物(A)の重合体、
ヘパリン残基を有する重合性化合物(B)の重合体及び
(A)と(B)の共重合体から成っており、これらの重
合体は、成形物の表面に化学的に結合されている。重合
性化合物(A)と(B)の比率(重量比)は、特に限定
されないが、抗血栓性作用、蛋白質吸着抑制及び血小板
粘着抑制等の材料全体の生体適合性(抗血栓性)から、
(A)と(B)の比率(重量比)は、1/99〜99/
1の範囲が好ましく、30/70〜50/50の範囲が
特に好ましい。
【0030】また、親水性層の厚さは、親水性化合物が
材料の表面を完全に覆っていれば、特に限定する必要が
なく、材料の種類及びその用途により適宜変わりうるも
のである。例えば、人工肺の様に、酸素が中空糸の表面
を透過する必要のある材料の場合、親水性層の厚さは、
酸素透過速度に影響しない様にできるだけ薄くすること
が好ましく、その場合の厚さは数オングストローム(単
分子膜)〜数百オングストロームの範囲が好ましい。一
方、血液回路や血液ポンプの場合、親水性層の層厚は厚
くてもよい。その場合の厚さは、例えば、数十nm〜数
十μmの範囲であってもよい。
【0031】一般式(1)で表わされるヘパリン誘導体
の抗血栓作用を十分に発揮させる目的で、一般式(1)
におけるスペーサー基Rとして、長鎖のものを使い、ヘ
パリン残基の自由度を大きくすることが好ましいが、蛋
白質の吸着や血小板の粘着を抑制する観点から、ポリエ
チレングリコールの如き親水性の鎖の方が好ましい。
【0032】次に、本発明の表面親水性成形物の製造方
法を説明する。本発明の製造方法で使用する1分子中に
重合性不飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物
(a)は、有機、無機を問わず、熱、活性光線例えば紫
外線、可視光、赤外線等の照射により重合し、ポリマー
となるものであれば良く、ラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合等、任意のものであって良い。そのよ
うな化合物としては、例えば、分子内にビニル基、ビニ
リデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基等を有す
る化合物が挙げられるが、中でも活性光線照射により重
合速度が速いことから、(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物が好ましい。
【0033】本発明の製造方法で使用する疎水性化合物
(a)としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−アクリロ
イルオキシグリセリンモノメタクリレート、2,2’−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオ
キシフェニル)プロパン2,2’−ビス(4−(メタ)
アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プ
ロパン、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、
ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヒドロキシ
エチルイソシアネート、フェニルグリシジルエーテルア
クリレートトリレンジイソシアネート、アジピン酸ジビ
ニルの如き2官能化合物;トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキ
シエチル]イソシアネート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレートの如き3官能化合物;ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ
(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート
の如き4官能化合物;ジペンタエリスリトールモノヒド
ロキシペンタ(メタ)アクリレートの如き5官能化合
物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
トの如き6官能化合物、などが挙げられる。
【0034】また、本発明で使用する疎水性化合物
(a)としては、ビスフェノールAージエポキシー(メ
タ)アクリル酸付加物の如きエポキシ樹脂の(メタ)ア
クリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリ
ル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル
酸エステル、分子末端に(メタ)アクリル基を有するポ
リウレタン樹脂、なども挙げられる。
【0035】これらの疎水性化合物(a)は、単独で用
いることも、2種以上の化合物を混合して用いることも
できる。
【0036】更に、本発明の製造方法で使用する1分子
中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合
物(a)には、必要に応じて、1分子中に重合性不飽和
二重結合を1個有する化合物を併用することもできる。
そのような目的で使用する1分子中に重合性不飽和二重
結合を1個有する化合物としては、例えば、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリ
レート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、などが
挙げられる。
【0037】上記の疎水性化合物(a)及び1分子中に
重合性不飽和二重結合を1個有する化合物の選択によ
り、表面親水性成形物の支持体成形物(即ち賦形物
(b)の硬化物)の架橋密度を任意に制御することがで
きる。例えば、耐熱性、耐溶剤性、耐膨潤性、硬度、強
度に優れた成形物を得るためには、1分子中に重合性不
飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物(a)の中
でも、官能基数の多いものを選択し、それから成形され
るポリマーの架橋密度を高める方法を採用すればよい。
逆に、熱可塑性、柔軟性、伸び等が要求される場合に
は、多官能の化合物を用いずに、架橋構造を有しないポ
リマーとする方法、或いは、多官能の化合物と、1分子
中に重合性不飽和二重結合を1個有する化合物を併用し
て比較的架橋密度の低いポリマーとする方法を採用すれ
ばよい。これらの方法は目的とする成形物の要求特性に
より任意に選定できる。
【0038】本発明で疎水性化合物(a)を用いる特徴
は、水に非膨潤の支持体成形物が得られることにある。
なお、本明細書で言う「水に非膨潤性」とは、20℃の
水に浸漬した場合、乾燥重量に対する重量増加率が5重
量%以下であることを言う。水に非膨潤性であることに
より、成形物は耐水性を有し、湿潤状態でも寸法変化や
強度が低下することはない。
【0039】本発明の製造方法において、疎水性の光重
合性組成物を賦形した賦形物(b)は、親水性化合物
(c)を含有する親水性液体(d)に接触してから光重
合硬化までの間、賦形された状態を実質的に保持できる
ものであることが必要である。そのために、疎水性の光
重合性組成物の主要な構成要素である疎水性化合物
(a)が親水性液体(d)に溶解しないもの、あるい
は、疎水性の光重合性組成物が高粘度のものが好まし
い。
【0040】疎水性の光重合性組成物中の光重合開始剤
は、本発明で使用する活性光線に対して活性であり、1
分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する疎水性
化合物(a)、並びに重合性不飽和二重結合を有する親
水性化合物(c)を重合させることが可能なものであれ
ば、特に制限がなく、例えば、ラジカル重合開始剤、ア
ニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤であって良い。
そのような光重合開始剤としては、例えば、p−tert−
ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2′−ジエトキ
シアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;
ベンゾフェノン、4、4′−ビスジメチルアミノベンゾ
フェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオ
キサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロ
ピルチオキサントンの如きケトン類;ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエ
ーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類な
どが挙げられる。
【0041】光重合開始剤は、疎水性の光重合性組成物
に溶解あるいは分散した状態で用いることができるが、
疎水性の光重合性組成物に溶解するものであることが好
ましい。疎水性の光重合性組成物中の光重合開始剤濃度
は、0.01〜20重量%の範囲が好ましく、0.5〜
10重量%の範囲が特に好ましい。
【0042】光重合開始剤の他に、熱重合開始剤も使用
することが可能である。例えば、ジブチルパーオキサイ
ドメチルエチルケトンパーオキサイド、t−ヘキシルヒ
ドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0043】疎水性の光重合性組成物には、その他の成
分を溶解又は非溶解の状態で含有させることもできる。
その他の成分としては、例えば、光重合性組成物の増粘
剤として機能するポリマー、最終成形物の物性改良剤と
して機能するポリマー、充填剤などの無機物、アラミド
繊維などの強化材、着色剤、防黴剤などの薬剤、多孔質
体を成形するための貧溶剤等が挙げられる。
【0044】本発明の親水性液体(d)は、重合性不飽
和二重結合を有する親水性化合物(c)を主たる構成要
素とする。親水性液体(d)は、その他に、溶剤、重合
禁止剤、連鎖移動剤などを含有してもよいが、本発明で
使用する活性光線に活性な光重合開始剤を含有しないこ
とが好ましい。そのような光重合開始剤を含有すると、
重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)が単
独重合し、親水性液体(d)の繰り返し使用の際に不都
合が生じるので、好ましくない。しかしながら、光重合
開始剤を含有する場合であっても、重合禁止剤や連鎖移
動剤を同時に含有させることにより、上記の不都合を減
じることは可能である。
【0045】親水性液体(d)に用いられる液体は、
水、水溶性溶剤、界面活性剤もしくはそれらの混合物で
あることが好ましく、表面親水性に優れる成形物を得る
ためには、水又は水を主成分とする溶剤であることがさ
らに好ましく、界面活性剤と水との混合物であること
が、最も好ましい。
【0046】水溶性溶剤は、水と任意の割合で混和し得
る溶剤を言い、そのような水溶性溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコール、グリセリンなどのアルコール系溶剤、酢酸
などの酸、アセトンなどのケトン系溶剤、ホルムアミド
などのアミド系溶剤などが挙げられる。
【0047】必要に応じて親水性液体(d)に添加する
ことのできる界面活性剤は、親水性化合物(c)を含む
溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性
剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤、n−ドデシル
トリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト(商品名「ツィ−ン20」)、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げら
れる。
【0048】親水性液体(d)中の重合性不飽和二重結
合を有する親水性化合物(c)の濃度は、成形物表面に
要求される親水性(生体適合性)、界面での反応性及び
親水基結合量の制御、並びに後洗浄の如き面から、0.
5〜80重量%の範囲が好ましく、3〜30重量%の範
囲が特に好ましい
【0049】一般的に、親水性液体(d)中の重合性不
飽和二重結合を有する親水性化合物(c)の濃度が高く
なるほど、支持体成形物の表面に固定される親水性層が
厚くなるが、その厚みについては特に限定する必要がな
い。例えば、親水性層の強度に対して要求されない場合
は、該親水性層がゲル状のものであっても良い。しか
し、親水性層に対しある一定に強度を要求される場合に
は、親水性層が厚くなりすぎると(例えば、乾燥状態で
厚さ10μm以上)、湿潤時に表面強度が低下し、親水
性層の変形や剥離が生じ易くなる。親水性液体(d)中
の親水性化合物(c)の濃度を上記の範囲にすること
で、充分な親水性(生体適合性)を示し、且つ表面親水
性層が過度に厚くない親水性成形物を得ることができ
る。
【0050】1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含有す
る疎水性の光重合性組成物の未硬化の賦形物と親水性液
体(d)との接触方法は任意であり、例えば、賦形物の
親水性液体(d)中への浸漬、賦形物表面への親水性液
体(d)の流延又はスプレー、賦形物と親水性液体
(d)の泡との接触、光重合性組成物と親水性液体
(d)の共押し出しなどの方法が挙げられ、中でも賦形
物の親水性液体(d)中への浸漬が好ましい。光重合性
組成物の賦形物と接触させる親水性液体(d)は、気相
(蒸気)であってもよい。
【0051】光重合性組成物を賦形して得られた未硬化
の賦形物を、親水性液体(d)と接触させた状態で光照
射すると、賦形物の内部又は表面で発生したラジカル、
アニオン、カチオンなどの活性種によって、1分子中に
重合性不飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物
(a)が重合すると共に、発生したこれらの活性種ある
いは疎水性化合物(a)の重合連鎖におけるこれらの活
性種によって、賦形物の表面で親水性液体(d)に含有
される重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物
(c)の重合も誘発され、1つの活性種から開始した重
合反応は実質的に瞬時に終了する。即ち、重合反応は、
賦形物内部において、疎水性化合物(a)同士、賦形物
と親水性液体(d)との接触面において、疎水性化合物
(a)と親水性化合物(c)との間、及び該接触面近傍
の親水性液体(d)相中において、親水性化合物(c)
同士で、それぞれ起こり、疎水性化合物(a)と親水性
化合物(c)とのブロック共重合体が形成される。従っ
て、賦形物が硬化することにより形成された支持体成形
物の内部には、親水性化合物(c)あるいはその重合体
は存在せず、親水性化合物(c)あるいはその重合体
は、支持体成形物の表面のみに結合される。支持体成形
物の表面に結合される親水基の量〔即ち、親水性化合物
(c)からなる重合体の量〕は、親水性化合物(c)の
濃度、反応温度、光重合性組成物中の光重合開始剤濃
度、光強度等によって調節することができる。支持体成
形型物の表面に固定された親水性化合物(c)は、重合
体とならず、親水性化合物(c)自体であることもあり
得る。
【0052】なお、本発明の製造方法では、重合性不飽
和二重結合を有する親水性化合物(c)は、使用された
量の一部分が光重合性組成物の賦形物の硬化物である支
持体成形物の表面に結合し、残余の親水性化合物(c)
は、未硬化のまま親水性液体(d)相中に残留すること
になる。
【0053】本発明の親水性成形物の形状は、光照射に
よって成形可能な物であれば特に限定されないが、例え
ば、糸状、中空糸状、管状、円筒状、粒子状、カプセル
状、フィルム状、板状、塗膜状、その他任意の形状であ
って良い。成形しやすさの面から、親水性成形物は、フ
ィルム状又は塗膜状であることが好ましい。また、親水
性成形物が更に別の支持体などと一体化された形態であ
っても良い。更に、親水性成形物は、均質物、多孔質
体、パターニング物、その他の構造を有するものであっ
ても良い。
【0054】多孔質体を作製する場合には、例えば、光
重合性組成物として、1分子中に重合性不飽和二重結合
を2個以上有する疎水性化合物(a)と相溶するが、該
疎水性化合物(a)からなる重合硬化物を溶解または膨
潤させない成分(貧溶剤又は相分離剤とも言う。以下、
「貧溶剤」という。)を含有するものを使用し、賦形し
た後、後述する予備重合などにより重合硬化させた後、
貧溶剤を除去すればよい。疎水性化合物(a)が重合す
ると同時に貧溶剤との相溶性が無くなるため、相分離を
起こし網目状に凝固する。洗浄して貧溶剤を除去するこ
とにより互いに連通した多孔質体を得ることができる。
【0055】そのような目的で使用する貧溶剤として
は、例えば、アジピン酸ジイソブチル、カプリル酸メチ
ル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチルの如き脂肪酸
のアルキルエステル;ジイソブチルケトンの如きケトン
類;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチ
レングリコールモノラウリルエーテルの如き非イオン性
界面活性剤類、などが挙げられる。
【0056】1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤とを含有す
る疎水性の光重合性組成物を賦形する方法には、特に制
限はない。例えば、コーターやスプレーなどによる塗
布、ノズルからの押し出し、鋳型への注型、また薄く均
一に塗布する必要がある場合や形状の複雑な物体、多孔
質体(例えば、多孔質膜)、不織布や織物などの表面
(細孔や繊維表面を含む)に塗布する場合には、該疎水
性の光重合性組成物を溶剤に溶解して、塗布、噴霧又は
浸漬した後、必要に応じ余分な液を除いて、該溶剤を揮
発させる方法を用いても良い。この場合の溶剤は、該疎
水性の光重合性組成物を溶解できるものであれば、如何
なるものであって良いが、塗布後の成形物を乾燥させる
必要性から、揮発性が比較的高い溶剤がより好ましい。
そのような溶剤としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノールの如きアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトンの如きケトン
類;ジエチルエーテルの如きエーテル類:酢酸エチルの
如きエステル類;ヘキサン、トルエンの如き炭化水素;
ジクロロメタン、ジクロロエタンの如き塩素系溶剤、な
どが挙げられる。
【0057】また、上記光重合性組成物を賦形した後、
該賦形物に光照射して賦形物を予備的に不完全硬化させ
ておいても良い。光重合性組成物の粘度が低い場合は、
光重合性組成物からなる賦形物を、親水性化合物(c)
あるいはそれらの溶液と接触させた時に、形状を維持し
にくい場合がある。このような場合は、賦形物を予め活
性光線で予備硬化(不完全硬化)させてから、親水性化
合物(c)あるいはそれらの溶液と接触させた後、光照
射を行なう方法が、賦形物の平滑性が向上するので、好
ましい。予備硬化が過剰であると、成形物の表面に導入
される親水基の量が減るため、光重合性組成物の重合性
官能基が残留している程度に止める必要があるが、その
最適条件は簡単な実験により求めることができる。予備
硬化は窒素雰囲気中で短時間で行なうこともできるが、
光重合性組成物が完全重合しない性質を利用して、重合
阻害を受けやすい空気中で短時間不完全硬化させる方法
が好ましい。
【0058】本発明の製造方法で使用する活性光線とし
ては、紫外線、可視光、赤外光を挙げられる。これらの
活性光線の中でも、重合硬化速度の点から紫外線、可視
光が好ましく、紫外線が特に好ましい。紫外線の主たる
波長が300nm以上であるが好ましく、350nm以上で
あることが特に好ましい。活性光線の他に、電子線、エ
ックス線、γ線等のエネルギー線の使用も可能である
が、支持体成形物に結合しない重合性不飽和二重結合を
有する親水性化合物(c)重合体の発生量を減じるため
には活性光線の使用が最も好ましい。照射する活性光線
の強度は、1〜5000mW/cm2(10〜50000
W/m2)の範囲が好ましく、10〜2000mW/cm2
(100〜20000W/m2)の範囲が特に好まし
い。また、重合硬化速度を速め、重合を完全に行う目的
で、光照射を不活性ガス雰囲気下で行なうことが好まし
く、重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)
を水、水溶性溶剤、界面活性剤もしくはそれらの混合物
に溶解したものを用いる場合は、これらに溶解している
酸素を除去しておくことが好ましい。1分子中に重合性
不飽和二重結合を2個以上有する疎水性化合物(a)も
また溶存酸素を除去しておくことが好ましい。
【0059】光重合時の温度は特に制約されないが、7
0℃程度までの範囲では、重合時の温度は高い方が成形
物の親水性が増加するので好ましい。作業条件をも考慮
すると、室温〜50℃程度の範囲が好ましい。勿論、光
照射による硬化は、回分式で行っても良く、連続式で行
っても良い。光照射による硬化を回分式で行なう場合、
賦形した後、そのまま光照射して予備硬化させ、次いで
得られた予備硬化物を親水性化合物(c)と接触させて
再び光照射し、本硬化させても良い。
【0060】支持体成形物が多孔質体である場合のよう
に、重合硬化後の成形物中の未反応物、重合開始剤等の
除去が必要な場合には、洗浄、乾燥、吸引、置換等の方
法を採用することができる。これらの残存物の除去後
に、更に紫外線を照射(アフターキュア)することも可
能である。また、光照射による硬化後や、残存物の除去
後に熱処理することも可能である。熱処理により未反応
モノマー、残存溶剤の完全除去などを計ることができ
る。
【0061】本発明の製造方法によって得られる親水性
成形物の表面に親水性層が形成されていることは、元素
分析、表面の水との接触角が低下すること、及びヘパリ
ン活性のあることで判定できる。本発明の製造方法によ
り製造される表面親水性成形物は、表面に該親水性層が
形成されていない場合と比較して、水との接触角が5度
以上低下することが好ましい。表面親水性成形物が、疎
水性物質の吸着防止を要求される用途に使用される場合
などには、水との接触角の低下の度合いは大きいほど好
ましく、10度以上低下することが好ましく、20度以
上低下することがさらに好ましい。またこの場合、本発
明の表面親水性成形物の水との接触角の値は小さいほど
好ましく、45度以下であることが好ましく、30度以
下であることがさらに好ましく、10度以下であること
が最も好ましい。一方、抗血栓性の面からは、ヘパリン
活性が5IU/cm2 以上である事が好ましい、20IU
/cm2 以上である事が更に好ましい。測定法によりヘパ
リン活性の値が異なるため、上述のヘパリン活性値は第
一化学薬品(株)製のテストチームヘパリンSで測定し
た値である。
【0062】本発明の製造方法で製造される表面親水性
成形物において、親水性重合体は実質的に支持体成形物
の表面のみに存在し、内部には、例えば、共重合、ブレ
ンドなどの状態で存在しないことが好ましい。支持体成
形物が多孔質体の場合には、支持体成形物の内部とは支
持体成形物を構成する樹脂内部のことを言い、細孔の表
面は支持体成形物表面と見なす。支持体成形物が表面親
水性層とは異なるポリマーで構成されていることで、特
に湿潤状態において、支持体の物性低下が生じない。
【0063】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に
限定されるものではない。なお、以下の実施例におい
て、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、夫々
「重量部」及び「重量%」を表わす。
【0064】[測定項目の定義]以下の実施例及び比較
例における測定は、次の方法に従って行った。
【0065】(1)水接触角の測定 表面親水性成形物の水接触角は、協和科学株式会社製の
液滴法CA−D型接触角計を用いて測定した。
【0066】(2)成形物表面の元素分析 親水化した成形物表面の元素成分は、X線励起による光
電子分光法(ESCA)により測定した元素組成であ
り、全て原子の数の組成比である。測定は島津製作所製
のX線光電子分析装置ESCA850型を用い、成形物
表面と光電子検出器の角度(θ)が90°の条件で行っ
た。
【0067】(3)ヘパリン活性測定 ヘパリン活性測定は、第一化学薬品(株)製の血漿中ヘ
パリン測定用「テストチームヘパリンS」を用いて、そ
の測定方法に従って行った。
【0068】(4)血液適合性試験 材料の表面をリン酸緩衝液(PBS)で一晩処理した後、
ヒト新鮮血(ヒト全血)またはヒト血小板多血漿(ヒト
PRP)を該材料の表面に乗せ、180分インキュベート
する。次いで、PBSで3回リンスして2.5重量%の
グルタルアルデヒドで粘着した細胞成分を2時間固定さ
せ、固定後蒸留水でリンスし、凍結乾燥させて、電子顕
微鏡(SEM)により表面を観察した。
【0069】[実施例1] (疎水性の光重合性組成物の調製)疎水性化合物(a)
として、1分子中に2個のアクリル基を有するエチレン
オキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(第一
工業製薬(株)製の「ニューフロンティアBPE−4」)
40部、及び1分子中に平均して3個のアクリル基を有
するウレタンアクリレート(大日本インキ化学工業
(株)製の「ユニディックV−4263」)60部、さ
らに光重合開始剤として(チバガイギー社製の「イルガ
キュアー184」)2部を均一に混合して、疎水性の光
重合性組成物(1)を得た。
【0070】(親水性液体(d)の調製)燐酸残基を有
する親水性化合物(c)として、モノ(2−アクリロイ
ルオキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学
(株)製の「ライトエステルPA」)10部、蒸留水8
9.5部及びポリエチレングリコールモノー4ーノニル
フェニルエーテル(界面活性剤)0.5部を均一に混合
して、親水性液体(d−1)を得た。
【0071】ヘパリン残基を有する親水性化合物(c)
として、メタクリル化ヘパリン(特開昭55−1580
55号の実施例2に記載の化合物)5部及び蒸留水95
部を均一に混合して、親水性液体(d’−1)を得た。
【0072】(表面親水性成形物の作製)ポリスチレン
シート上に、コーターを用いて疎水性の光重合性組成物
(1)を厚さ250μmに塗布したものを、親水性液体
(d−1)中に投入して、直ちに50mW/cm2(50
0W/m2)の紫外線を10秒間照射した後、該シート
を取り出し、再び親水性液体(d’−1)中に投入して
紫外線を30秒間照射した。
【0073】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、塗膜状の表面親
水性成形物を得た。
【0074】表面親水性成形物の表面について、水接触
角、元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性の結果を
表1に示した。なお、得られた表面親水性成形物の表面
親水性層の厚さは、走査型電子顕微鏡で観察されないほ
どに薄かった。また、実施例1で得た表面親水性成形物
の支持体成形物は、37℃の水によって膨潤しなかっ
た。
【0075】また、親水性液体(d−1)及び(d’−
1)に、50mW/cm2(500W/m2)の紫外線を4
0秒間照射しても、水溶液中に硬化物又はゲル化物が析
出することはなかった。また、この水溶液をゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)測定したとこ
ろ、水溶液中の親水性化合物はほぼ同濃度で存在してお
り、重合物の生成量は無視しうる量であった。
【0076】[実施例2] (親水性液体(d)の調製)燐酸残基を有する親水性化
合物(c)として、モノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)アシッドホスフェート(共栄社化学(株)製の「ラ
イトエステルPA」)10部、ヘパリン残基を有する親
水性化合物(c)として、実施例1で用いたメタクリル
化ヘパリン5部、界面活性剤としてポリエチレングリコ
ールモノー4ーノニルフェニルエーテル0.5部、及び
蒸留水84.5部を均一に混合して、親水性液体(d−
2)を得た。
【0077】(表面親水性成形物の作製)実施例1にお
いて、親水性液体(d−1)及び(d’−1)に代え
て、親水性液体(d−2)を用いた以外は、実施例1と
同様にして塗膜状の表面親水性成形物を製造した。
【0078】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに
血液適合性の結果を表1に示した。なお、得られた表面
親水性成形物の表面親水性層の厚さは、走査型電子顕微
鏡で観察されないほどに薄かった。また、実施例2で得
た表面親水性成形物の支持体成形物は37℃の水によっ
て膨潤しなかった。
【0079】表1に示した結果から、二種類の親水性化
合物を混合した水溶液を用いても、実施例1と同様な表
面が得られることが明らかである。
【0080】[実施例3] (疎水性の光重合性組成物の調製)疎水性化合物(a)
として、1分子中に2個のアクリル基を有するヘキサン
ジオールジアクリレート(第一工業製薬(株)製の「ニュ
ーフロンティアHDDA」)98部と、光重合開始剤と
して(チバガイギー社製の「イルガキュアー184」)
2部とを均一に混合して、疎水性の光重合性組成物
(3)を得た。
【0081】(親水性液体(d)の調製)両性イオンを
有する親水性化合物(c)として、2−メタクリロイル
オキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート(別名:2−メタクリロイルオキシエチル
ホスホリルコリン;特開昭54−63025号の実施例
1に記載の化合物)10部、ヘパリン残基を有する親水
性化合物(c)として、メタクリル化ヘパリン(特開昭
55−158055号の実施例2に記載の化合物)5
部、界面活性剤として、ポリエチレングリコールモノー
4ーノニルフェニルエーテル0.5部、及び蒸留水8
4.5部を均一に混合して、親水性液体(d−3)を得
た。
【0082】(表面親水性成形物の作製)ポリスチレン
シート上に、コーターを用いて疎水性の光重合性組成物
(3)を厚さ250μmに塗布したものを空気中で2秒
予備硬化した後、この予備硬化物を親水性液体(d−
3)中に投入して、直ちに50mW/cm2(500W/
2)の紫外線を40秒間照射した。
【0083】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、塗膜状の表面親
水性成形物を得た。
【0084】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに
血液適合性の結果を表1に示した。なお、得られた表面
親水性成形物の表面親水性層の厚さは、走査型電子顕微
鏡で観察されないほどに薄かった。また、実施例3で得
た表面親水性成形物の支持体成形物は、37℃の水によ
って膨潤しなかった。
【0085】[実施例4] (疎水性の光重合性組成物の調製)疎水性化合物(a)
として、1分子中に2個のアクリル基を有するヘキサン
ジオールジアクリレート(第一工業製薬(株)製の「ニュ
ーフロンティアHDDA」)1部と、光重合開始剤とし
て(チバガイギー社製の「イルガキュアー184」)
0.05部、及びエタノール99部を均一に混合して、
疎水性の光重合性組成物(4)を得た。
【0086】(表面親水性成形物の作製)予め酸素プラ
ズマ処理を施した人工肺用中空糸(大日本インキ化学工
業(株)製のポリオレフィン系中空糸「P−106」)
を、疎水性の光重合性組成物(4)中に浸漬し、10秒
超音波照射した後、糸を取り出し、室温でエタノールを
揮発させてアクリレートのコーティングをした。次い
で、このコーティング糸を、親水性液体(d−3)に浸
漬した後、直ちに50mW/cm2(500W/m2)の紫
外線を40秒間照射した。
【0087】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、中空糸状の表面
親水性成形物を得た。
【0088】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに
血液適合性の結果を表1に示した。なお、得られた表面
親水性成形物の表面親水性層の厚さは走査型電子顕微鏡
で観察されないほどに薄かった。また、実施例4で得た
表面親水性成形物の支持体成形物は、37℃の水によっ
て膨潤しなかった。
【0089】[実施例5] (親水性液体(d)の調製)イオン基を有する親水性化
合物(c)として、スルホン酸ソーダエトキシメタクリ
レート(日本乳化剤(株)製の「Antox MS−2
N」20部、ヘパリン残基を有する親水性化合物(c)
として、予めメタクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト(昭和電工(株)製の「カレンズMOI」)とヘパリ
ンから合成したメタクリル化ヘパリン「Hep−MO
I」5部、界面活性剤としてポリエチレングリコールモ
ノー4ーノニルフェニルエーテル0.5部、及び蒸留7
4.5部を均一に混合して、親水性液体(d−5)を得
た。
【0090】(表面親水性成形物の作製)実施例1にお
いて、親水性液体(d−1)及び(d’−1)に代え
て、親水性液体(d−5)を用いた以外は、実施例1と
同様にして塗膜状の表面親水性成形物を製造した。
【0091】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに
血液適合性の結果を表1に示した。なお、得られた表面
親水性成形物の表面親水性層の厚さは、走査型電子顕微
鏡で観察されないほどに薄かった。また、実施例5で得
た表面親水性成形物の支持体成形物は37℃の水によっ
て膨潤しなかった。
【0092】[実施例6] (疎水性の光重合性組成物の調製)疎水性化合物(a)
として、1分子中に2個のアクリル基を有するヘキサン
ジオールジアクリレート(第一工業製薬(株)製の「ニュ
ーフロンティアHDDA」)5部、光重合開始剤として
(チバガイギー社製の「イルガキュアー184」)0.
2部、及びエタノール95部を均一に混合して、疎水性
の光重合性組成物(6)を得た。
【0093】(親水性液体(d)の調製)アミンを有す
る親水性化合物(c)として、N,Nージメチルアクリ
ルアミド((株)興人製の「DMAA」)15部、ヘパ
リン残基を有する親水性化合物(c)として、予めメタ
クリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工
(株)製の「カレンズMOI」)とヘパリンから合成し
たメタクリル化ヘパリン「Hep−MOI」5部、及び
蒸留水80部を均一に混合して、親水性液体(d−6)
を得た。
【0094】(表面親水性成形物の作製)直径60cmの
円形状に切った不織布(日本バイリーン(株)製のMF
−90」)を、疎水性の光重合性組成物(6)中に浸漬
し、20秒超音波照射して、該不織布を取り出し、室温
でエタノールを揮発させて、アクリレートのコーティン
グをした。次に、このコーティング不織布を親水性液体
(d−6)に浸漬した後、直ちに50mW/cm2(50
0W/m2)の紫外線を40秒間照射した。
【0095】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、不織布状の表面
親水性成形物を得た。
【0096】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性
の結果を表2に示した。水接触角については、不織布の
表面に落とした水滴が不織布に浸透したため、測定不能
であった。なお、得られた表面親水性成形物の表面親水
性層の厚みは走査型電子顕微鏡で観察されないほどに薄
かった。また、実施例6で得た表面親水性成形物の支持
体成形物は、37℃の水によって膨潤しなかった。
【0097】[実施例7] (親水性液体(d)の調製)糖残基を有する親水性化合
物(c)として、6ーアクリロイル(1−O−)n−ブ
チルグルコシド(特開平10−53658号の実施例8
に記載の化合物)10部、ヘパリン残基を有する親水性
化合物(c)として、メタクリロイルオキシエチルイソ
シアネート(昭和電工(株)製の「カレンズMOI」)
とヘパリンから合成したメタクリル化ヘパリン「Hep
−MOI」5部、及び蒸留水85部を均一に混合して、
親水性液体(d−7)を得た。
【0098】(表面親水性成形物の作製)実施例1にお
いて、親水性液体(d−1)及び(d’−1)に代え
て、親水性液体(d−7)を用いた以外は、実施例1と
同様にして塗膜状の表面親水性成形物を製造した。
【0099】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに
血液適合性の結果を表2に示した。なお、得られた表面
親水性成形物の表面親水性層の厚みは、走査型電子顕微
鏡で観察されないほどに薄かった。また、実施例7で得
た表面親水性成形物の支持体成形物は37℃の水によっ
て膨潤しなかった。
【0100】[実施例8] (親水性液体(d)の調製)アミノ酸残基を有する親水
性化合物(c)として、メタクリロイルオキシエチルイ
ソシアネート(昭和電工(株)製の「カレンズMO
I」)とグリシンンから合成したメタクリロイルオキシ
エチルアミノカルボニルグリシン「Gly−MOI」1
0部、ヘパリン残基を有する親水性化合物(c)とし
て、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和
電工(株)製の「カレンズMOI」)とヘパリンから合
成したメタクリル化ヘパリン「Hep−MOI」5部、
界面活性剤として、ポリエチレングリコールモノ−4−
ノニルフェニルエーテル0.5部、及び蒸留水84.5
部、を均一に混合して、親水性液体(d−8)を得た。
【0101】(表面親水性成形物の作製)実施例1にお
いて、親水性液体(d−1)及び(d’−1)に代え
て、親水性液体(d−8)を用いた以外は、実施例1と
同様にして塗膜状の表面親水性成形物を製造した。この
ようにして得た表面親水性成形物の表面について、水接
触角、元素分析、ヘパリン活性並びに血液適合性の結果
を表2に示した。なお、得られた表面親水性成形物の表
面親水性層の厚みは、走査型電子顕微鏡で観察されない
ほどに薄かった。また、実施例8で得た表面親水性成形
物の支持体成形物は37℃の水によって膨潤しなかっ
た。
【0102】[比較例1](燐酸残基を有する重合性化
合物のみからなる親水性層を有する表面親水性成形物)
ポリスチレンシート上に、コーターを用いて、実施例1
で用いた疎水性の光重合性組成物(1)を厚さ250μ
mに塗布したものを、実施例1で用いた親水性液体(d
−1)中に投入して、直ちに50mW/cm2(500W
/m2)の紫外線を40秒間照射した。
【0103】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、表面親水性成形
物を得た。
【0104】このようにして得た表面親水性成形物の表
面について、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに
血液適合性試験を行った結果を表2に示した。
【0105】表2に示した結果から、燐酸残基のみを結
合させた表面は、血球や血小板の粘着数が遥かに多く、
血液適合性が不足していることが明らかである。
【0106】[比較例2](スルホン基を有する重合性
化合物のみからなる親水性層を有する表面親水性成形
物)スルホン酸ソーダエトキシメタクリレート(日本乳
化剤(株)製の「AntoxMS−2N」20部、界面活
性剤としてポリエチレングリコールモノー4ーノニルフ
ェニルエーテル0.5部、及び蒸留水79.5部を均一
に混合して、親水性液体を得た。
【0107】次に、ポリスチレンシート上に、コーター
を用いて、実施例1で用いた疎水性の光重合性組成物
(1)を厚さ250μmに塗布したものを、上記の親水
性液体中に投入した後、直ちに50mW/cm2(500
W/m2)の紫外線を40秒間照射した。
【0108】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、表面親水性成形
物を得た。
【0109】このようにして得た表面親水性成形物につ
いて、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに血液適
合性試験を行った結果を表2に示した。
【0110】表2に示した結果から、スルホン基のみを
結合させた表面は、血球や血小板の粘着数が遥かに多
く、血液適合性が不足していることが明らかである。
【0111】[比較例3](ヘパリン残基を有する重合
性化合物のみからなる親水性層を有する表面親水性成形
物)ポリスチレンシート上に、コーターを用いて、実施
例1で用いた疎水性の光重合性組成物(1)を厚さ25
0μmに塗布したものを、親水性液体(d’−1)中に
投入した後、紫外線を40秒間照射した。
【0112】このようにして得た硬化物を30%のエタ
ノール水溶液中に10分間浸漬し、次いで、流水で10
分間洗浄した後、一晩自然乾燥させて、表面親水性成形
物を得た。
【0113】このようにして得た表面親水性成形物につ
いて、水接触角、元素分析、ヘパリン活性並びに血液適
合性試験を行った結果を表2に示した。
【0114】表2に示した結果から、ヘパリン残基のみ
を結合させた表面も血球や血小板の粘着数が多く、血液
適合性が不足していることが明らかである。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】1)ヘパリン試薬(Sodium Salt, Grade 1
-A.SIGMA H-3393)のESCAによる 元素分析の
結果:[S]=6.4%、[N]=3.4%。 2)第一化学薬品(株)製の「テストチームヘパリン
S」による測定結果。 3)各々の電子顕微鏡(SEM)写真より直接数えた数で
ある。単位:個/10000μm2
【0118】表1及び表2に示した結果から、各実施例
の表面親水性成形物の表面には、ヘパリン残基由来の元
素が検出されていることが理解できる。また、表2に示
した比較例3の結果からも、ヘパリン残基由来の元素が
検出されていることが理解できる。
【0119】赤血球の変形破損により、ヘモグロビンが
遊離してしまうことを溶血と言う。また、血小板の粘
着、凝集変形は、血栓、血液凝固を引き起こす最大の原
因である。
【0120】
【発明の効果】本発明の表面親水性成形物は、親水基と
ヘパリン残基が該成形物の表面に共存しているため、良
好な血液(生体)適合性を示した。
【0121】本発明の製造方法によって得られる表面親
水性成形物は、成形物内部に親水基とヘパリン残基が存
在しないので、成形物の膨潤が起こらず、成形物本来の
構造、物性等を損なうことがなく、しかも、親水基とヘ
パリン残基の離脱が起こらないという利点がある。ま
た、本発明の表面親水性成形物の製造方法によれば、成
形物の表面にのみ親水基とヘパリン残基が共有結合し、
且つ成形物の表面に結合する親水基の密度等を容易に制
御でき、親水性や生体適合性の高い成形物を容易に製造
できる。更に、本発明の表面親水性成形物の製造方法に
よれば、成形性が高く、任意の形状の成形物を作ること
ができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB32 AB35 AC15 BA03 BA05 BB01 BB02 BB04 CA021 CA031 CA082 CA102 CA282 CB042 CC05 CC06 CC07 CD062 DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DC02 DC03 DC05 DC06 DC14 EA06 4F006 AA15 AA22 AB03 AB43 BA00 CA09 EA03 4F073 AA01 AA08 BA18 BA48 BB01 BB02 BB03 CA45 EA01 EA11 EA21 EA22 EA23 EA24 EA36 EA77 FA03 FA05 FA06 FA12 4J011 AC04 QA03 QA06 QA07 QA12 QA13 QA17 QA18 QA22 QA23 QA24 QA33 QA34 QA35 QA37 QA38 QA40 QA42 QA46 QA48 QB05 QB15 QB20 QB24 QB28 QC07 QC10 SA02 SA04 SA06 SA07 SA12 SA14 SA16 SA20 SA22 SA25 SA28 SA32 SA34 SA54 SA61 SA64 SA76 UA01 VA01 VA04 WA07 WA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に(A)ヘパリン残基以外の親水基
    を有する重合性化合物、及び(B)ヘパリン残基を有す
    る重合性化合物からなる親水性層を有することを特徴と
    する表面親水性成形物。
  2. 【請求項2】 ヘパリン残基以外の親水基を有する重合
    性化合物(A)が、スルホン基、4級アンモニウム基、
    カルボキシル基、燐酸残基、アミン残基、ポリエチレン
    グリコール鎖、糖残基、アミノ酸残基及び両性イオン基
    から成る群から選ばれる親水基を有する重合性化合物で
    ある請求項1記載の表面親水性成型物。
  3. 【請求項3】 ヘパリン残基を有する重合性化合物
    (B)が一般式(1) 【化1】 [式中、Rは、直接結合、−O−、−CONHCH2
    2O−、−(CH2m−O−、 −(CH2CH2O)m
    又は −(CH2CH(CH3)O)m− (式中、mは1〜9の整数を表わす。)を表わし、R1
    及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜6
    のアルキル基を表わし、R3 は、水素原子又はメチル基
    を表わし、Hepはヘパリン残基を表わし、nは1以上
    の整数を表わす。]で表わされるヘパリン誘導体である
    請求項1又は2記載の表面親水性成形物。
  4. 【請求項4】 (1)1分子中に重合性不飽和二重結合
    を2個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤と
    を含有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビ
    ーズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を成
    形する第1工程と、(2)賦形物(b)の表面に、重合
    性不飽和結合を有する親水性化合物(c)を含有する親
    水性液体(d)に接触させる第2工程と、(3)前記接
    触状態下の賦形物(b)に活性光線を照射することによ
    って、 (イ)賦形物(b)を硬化させると共に、 (ロ)賦形物(b)と親水性液体(d)との界面で、疎
    水性化合物(a)と親水性化合物(c)とを共重合させ
    て疎水性の賦形物(b)の表面に親水性化合物(c)の
    分子を化学的に結合させるが、 (ハ)親水性液体(d)の中では前記接触界面を除き光
    重合反応を起さない第3工程とから成る表面親水性成形
    物の製造方法において、 重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)とし
    て、(A)ヘパリン残基以外の親水基を有する重合性化
    合物、及び(B)ヘパリン残基を有する重合性化合物を
    用いることを特徴とする表面親水性成形物の製造方法。
  5. 【請求項5】 ヘパリン残基以外の親水基を有する重合
    性化合物(A)が、スルホン基、4級アンモニウム基、
    カルボキシル基、燐酸残基、アミン残基、ポリエチレン
    グリコール鎖、糖残基、アミノ酸残基及び両性イオン基
    から成る群から選ばれる親水基を有する重合性化合物で
    ある請求項4記載の表面親水性成型物の製造方法。
  6. 【請求項6】 ヘパリン残基を有する重合性化合物
    (B)が請求項3記載の一般式(1)で表わされる化合
    物である請求項4又は5記載の表面親水性成形物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 (1)1分子中に重合性不飽和二重結合
    を2個以上有する疎水性化合物(a)と光重合開始剤と
    を含有する疎水性の光重合性組成物を薄膜状、糸状、ビ
    ーズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(b)を形
    成する第1工程と、(2)賦形物(b)に活性光線を照
    射して賦形物(b)を予備硬化させるが、少なくとも賦
    形物(b)の表面に重合性不飽和二重結合が残留した状
    態に維持する第2工程と、(3)予備硬化した賦形物
    (b)の表面に、重合性不飽和二重結合を有する親水性
    化合物(c)を含有する親水性液体(d)に接触させる
    第3工程と、(4)前記接触状態下にある予備硬化した
    賦形物(b)に活性光線を照射することによって、 (イ)賦形物(b)を硬化させると共に、 (ロ)賦形物(b)と親水性液体(d)との界面で、疎
    水性化合物(a)と親水性化合物(c)とを共重合させ
    て疎水性の賦形物(b)の表面に親水性化合物(c)の
    分子を化学的に結合させるが、 (ハ)親水性液体(d)の中では前記接触界面を除き光
    重合反応を起さない第4工程とから成る表面親水性成形
    物の製造方法において、 重合性不飽和二重結合を有する親水性化合物(c)とし
    て、(A)ヘパリン残基以外の親水基を有する重合性化
    合物、及び(B)ヘパリン残基を有する重合性化合物を
    用いることを特徴とする表面親水性成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 ヘパリン残基以外の親水基を有する重合
    性化合物(A)が、スルホン基、4級アンモニウム基、
    カルボキシル基、燐酸残基、アミン残基、ポリエチレン
    グリコール鎖、糖残基、アミノ酸残基及び両性イオン基
    から成る群から選ばれる親水基を有する重合性化合物で
    ある請求項7記載の表面親水性成型物の製造方法。
  9. 【請求項9】 ヘパリン残基を有する重合性化合物
    (B)が請求項3記載の一般式(1)で表わされる化合
    物である請求項7又は8記載の表面親水性成形物の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 薄膜状、糸状、ビーズ状、その他の任
    意形状の成形品に、(A)イオン基、カルボキシル基、
    燐酸残基、アミン、糖残基、アミノ酸残基及び両性イオ
    ンから成る群から選ばれる官能基を有する重合性化合
    物、及び(B)ヘパリン残基を有する重合性化合物の存
    在下でラジカルを発生させることによって、成形品の表
    面に発生したラジカルと重合成化合物(A)及び重合成
    化合物(B)を反応させて、成形品の表面に、ヘパリン
    残基以外の親水基を有する重合性化合物(A)及びヘパ
    リン残基を有する重合性化合物(B)をグラフトさせる
    ことを特徴とする表面親水性成形物の製造方法。
  11. 【請求項11】 ヘパリン残基以外の親水基を有する重
    合性化合物(A)が、スルホン基、4級アンモニウム
    基、カルボキシル基、燐酸残基、アミン残基、ポリエチ
    レングリコール鎖、糖残基、アミノ酸残基及び両性イオ
    ン基から成る群から選ばれる親水基を有する重合性化合
    物である請求項10記載の表面親水性成型物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 ヘパリン残基を有する重合性化合物
    (B)が請求項3記載の一般式(1)で表わされる化合
    物である請求項10又は11記載の表面親水性成形物の
    製造方法。
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