JP2022553294A - 医療機器用uv硬化コーティング - Google Patents

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Abstract

本発明は、医療機器または医療用インプラントのための疎水性および親水性コーティング組成物に関するものである。親水性コーティング組成物は、水または水-アルコール溶液に可溶なポリマーを有し、前記ポリマーは、(a)光ラジカル発生剤である少なくとも1つのモノマー、ならびに、(b)(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方を有する少なくとも1つのモノマー、を有するモノマーから作られるものであり、前記(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方と、光ラジカル発生基とのモル比は、20:1~500:1である。この親水性コーティング組成物は、コーティング全体を提供することができ、または疎水性ベースコートと共に、2コートシステムのトップコートにすることができる。疎水性コーティング組成物は、(a)1~12mol%の水素原子引き抜き剤である少なくとも1つの光活性モノマー、および、(b)99~88mol%のアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、およびN-ビニルピロリドンの1つ以上、を有するモノマーから作られたポリマーを有し、前記ポリマーは40℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。この疎水性ポリマーは、上記の親水性ポリマー、または光ラジカル発生成分を含まない親水性ポリマーコーティングのベースコートを形成する。【選択図】なし

Description

本発明は、医療機器およびインプラント用の紫外線硬化コーティングに関するものである。
本発明は、医療機器、特に一時的または恒久的に体内および血液接触用途に埋め込むことを意図した機器や血液接触用途に適用される非血栓形成性および潤滑性コーティングの分野に関するものである。
近年の医療行為における多くの進歩の中には、外科医の技術を補う医療機器がある。これらの例としては、血管カテーテルやガイドワイヤがあり、従来は手術でしか治療できなかった循環器系の遠隔領域を治療するのに使用される。他にはステントがあり、これは、動脈壁を補強し、血管形成術後の閉塞を防ぐ装置である。他には、白内障に苦しむ高齢者の視力を回復させる眼内レンズがある。さらに、心臓弁、人工ペースメーカー、整形外科用インプラントなど、数え上げればきりがないほどである。
上記の装置のほぼすべては、人体に侵入することを意図されておらず、時には長期間にわたって人体に存在することを意図されていないプラスチックおよび金属で構成されている。これらは、一般的に親水性で、滑りやすく、生体適合性に優れたヒトの臓器の表面とは似ても似つかない表面をしている。
身体組織を通して挿入および体内を移動する必要のある装置にとって同様に重要なのは、その潤滑性である。金属やプラスチックの多くは、体組織に対する潤滑性が低いため、装置が体組織の上を通過する際に機械的な摩耗および不快感を引き起こす。
このような材料から設計および製造された装置の表面は、適切に設計されたコーティングによって、生体適合性、親水性、滑りやすさを向上させることができる。このように、必要とされる特定の物理的特性を有する従来のプラスチックおよび金属で医療機器を構築し、次に、それらの表面に所望の特性を与えるために適切なコーティングを適用するための道が開かれたのである。
湿潤時で摩擦係数が低いポリマーは、架橋または他の方法で固定化され、水に触れると膨潤するが、溶解しない水溶性ポリマーであることが示されている。多糖類は、基材上に親水性で潤滑性のあるコーティングを作るのに有用であることが示されている。このようなコーティングは、米国特許第4,801,000号、第4,801,475号、第5,023,114号、第5,037,677号、および第6,673,453号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。多糖類をベースとする潤滑性コーティングは、卓越した生体適合性と潤滑性を示すが、電離放射線に対する耐性は比較的低くなる。
より長い貯蔵寿命と放射線滅菌処理に対する安定性という利点のために、合成ポリマーで作られた潤滑性コーティングを有することが、いくつかの用途に望ましいとされている。ポリ(アクリル酸)およびそのコポリマーなどの親水性合成ポリマーは、表面に水和層を生成する能力があるため、潤滑性のある親水性コーティングを作るためにしばしば提案されてきた。
ポリ(アクリル酸)を表面に固定化し、医療機器のコーティングとして利用する試みが多くなされてきた。米国特許第4,642,267号および第4,990,357号における方法は、ポリ(アクリル酸)コポリマーとポリウレタン分散液との物理的混合が含まれている。この方法は、親水性ポリマーを基材表面に物理的に付着させるポリマー間ネットワークが、長時間の乱流または浸漬によりしばしば破壊され、親水性種が洗い流され、それによって物品の潤滑性が不十分になるという欠点がある。
ポリ(アクリル酸)を表面上の親水性コーティングとして利用するために発明された他の方法としては、米国特許第第2,999,056号、第5,531,715号、第5,789,018号、および第6,221,061号、ならびにEP0669837に記載のカルボン酸モノマーおよびそのポリマーの放射線グラフト、また、米国特許第5,091,205号、第5,509,899号、第5,702,754号、第6,048,620号、第6,558,798号、第6,709,706号、第6,087,416号、第6,534,559号ならびにEP0379156、EP0480809、EP0728487およびEP0963761に記載のイソシアナート、アジリジン、アミンおよび水酸官能基を含むプライマー層を使用してポリアクリル酸を固定する方法などがある。上記の全ての特許の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
上記のポリ(アクリル酸)コーティングは、親水性ポリマーのコーティング厚みが不十分であり、および/または、表面への結合力が不十分であるため、比較的不十分な潤滑性および/または耐久性を示す。光開始重合によるグラフト化またはポリマーの表面化学付着のいずれによっても、高密度の表面被覆を達成することは困難である。複数回繰り返されるコーティングプロセスは、光開始重合コーティングの厚さを増加させる可能性はあるが、生産性の大幅な低下や製造コストの増大を招く。
架橋剤を使用すると、親水性コーティングの厚みをかなり増加させることができる。従来技術は、米国特許第5,531,715号、第6,558,798号、およびEP533821に記載されているように、光照射によって、および、メラミンやアジリジンなどの多官能反応性化合物の反応によって、ポリアクリル酸コーティングを架橋する方法を含む。しかしながら、当該技術分野の架橋親水性コーティングは、潤滑性と耐摩耗性との間のトレードオフにしばしば直面し、これらは両方とも親水性コーティングに不可欠な特性である。高度に架橋されたコーティングは、水和能力が低く、水性媒体中のポリマーセグメントの移動度が低いため、潤滑性に劣る。また、架橋密度が低いコーティングは膨潤率が高く、一般に耐摩耗性が低く、機械的強度も弱い。
米国特許出願公開第2011/0200828号は、基材にしっかりと付着するベースコートと、ベースコートに化学的にグラフトされたトップコートとを含む二層コーティングを教示する。トップコートは、カルボン酸基を含む水溶性ポリマーと水溶性クロム(III)化合物との混合物を有する。このコーティングは、湿潤時では非常に耐久性が高く、潤滑性のある層を形成する。しかし、このコーティングを構成するカルボン酸アニオンは、部分トロンボプラスチン時間(PTT)試験などの血栓形成性試験において劣悪な性能を示す。上記引用文献の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
プラスチックまたは金属の表面を有する異物と血液が接触すると、血液表面の界面での複雑な一連の血栓形成反応が引き起こされる。血栓塞栓症は、カテーテル、ガイドワイヤ、機械的心臓弁、心室補助装置、移植可能な人工心臓、人工血管などの人工装置の臨床使用に伴う主要な合併症である。特に、血栓塞栓症は、血管造影処置、特に腕頭動脈に近接したカテーテルおよびガイドワイヤ操作に伴う重要な合併症である。
表面改質は、機械的特性の損失を最小限に抑えながら、材料をより血液適合性にするために一般的に行われている。表面改質には、2つのアプローチが一般的に使用される。ポリエチレンオキシド(PEO)(中性、親水性、および柔軟性の高いポリマー)や他の親水性ポリマーのコーティングを用いた非特異的なタンパク質吸着の抑制が、表面の不動態化について検討されてきた。非特異的なタンパク質吸着は、異物が血液に触れた後、通常数秒以内に起こり、血液凝固や補体経路を開始させる可能性がある。
第2のアプローチは、表面の抗凝固活性を積極的に補助するコーティングを使用することであった。特定の血漿タンパク質(トロンビンおよび第Xa因子(FXa)を阻害できるアンチトロンビン(AT)など)またはヘパリン(血漿ATの反応を触媒するグリコサミノグリカン)がこの目的のために使用されてきた。Frech et al., in "A Simple Noninvasive Technique to Test Nonthrombogenic Surfaces," The American Journal of Roentgenology, vol. 113 (1971), p. 765-768は、ガイドワイヤをベンザルコニウム-ヘパリン複合体でコーティングすることを開示している。Ovitt et al., in "Guidewire Thrombogenicity and Its Reduction", Radiology, vol. 111 (1974), p. 43-46 では、ベンザルコニウムヘパリンで処理したテフロンコーティングガイドワイヤを報告している。米国特許第4,349,467号(William)には、アンモニウム塩の溶液に基材を浸し、基材をヘパリン塩溶液と接触させることにより、固体ポリマー樹脂基材にヘパリンを適用することが示されている。
また、電気泳動、毛髪処理、紙処理などの用途で親水性ポリマーを発明するために多くの試みがなされてきた。Albarghouthiらによって、"Poly-N-hydroxyethylacrylamide(polyDuramide ): A novel, hydrophilic, self-coating polymer matrix for DNA sequencing by capillary electrophoresis", Electrophoresis, vol. 23 (2002), p. 1429-1440において明らかにされたように、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドなどの非イオン性モノマーは、優れた親水性を有している。
以下の文献、すなわちWO10041527A、W010041530A、W011125713A、JP2011046619A、JP2011046652A、JP2010126482A、およびJP2010090049Aは、ヘアトリートメント製剤に用いるための5~30mol%のカルボン酸モノマーと70~95mol%のアルコール含有アクリルモノマーから構成されるコポリマーを教示する。これらの特許出願は、潤滑性、生体適合性コーティングとしてのコポリマーの有用性、および電離放射線に対するそれらの耐性を開示していない。JP2006176934Aは、紙の強度を高めるための添加剤として使用するための、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、およびイオン性ビニルモノマーからのコポリマーを教示する。後者の参考文献は、潤滑性のある生体適合性コーティングとしてのコポリマーの有用性を開示しておらず、電離放射線に対する耐性も開示していない。
電離放射線に耐性のある、改善された潤滑性の生体適合性コーティングが求められている。
典型的には、医療機器またはインプラントにおいて、基材と潤滑性コーティングの間にベースコートが存在する。ベースコートは、潤滑性コーティングの安定性を向上させることができる。当技術分野では、潤滑性トップコートとより迅速に結合するような、改良されたベースコートが必要とされている。紫外線(UV)硬化によって親水性トップコートに結合するベースコートは、この必要性を満たすものである。
本発明は、医療機器または医療用インプラント用のコーティング組成物に関するものである。これらの新規な組成物は、疎水性ベースコートポリマーと親水性トップコートポリマーを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)1~12mol%の水素原子引き抜き剤である少なくとも1つの光活性モノマーと、
(b)99~88mol%のアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、およびN-ビニルピロリドンの1つ以上と
を有するモノマーから作られたポリマーを有する、医療機器またはインプラント用の光反応性ベースコートとして使用するための疎水性ポリマーを有するコーティング組成物に関するものであり、前記ポリマーは40℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。
特定の実施形態では、ベースコートは、さらに多官能性アジリジンを有する。(a)95~99.8wt%の本明細書に記載の疎水性ポリマー;および(b)ベースコートの総重量に基づいて0.2~5wt%の多官能性アジリジンである。
本発明はまた、本明細書に記載のコーティング組成物を有する光反応性ベースコートを有する医療機器またはインプラントに関する。好ましい組成では、ベースコートは疎水性である。いくつかの実施形態では、装置またはインプラントは、ベースコートが基材上に存在し、トップコートがベースコート上に存在する親水性トップコートを含む。親水性トップコート組成物は、光活性基を含んでもよいが、含まなくてもよい。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の疎水性ベースコートコーティング組成物と溶媒とを有するコーティング溶液に関するものである。
他の実施形態では、コーティング溶液は、水または水-アルコール溶液に可溶なポリマーを有し、前記ポリマーは、(a)光ラジカル発生剤である少なくとも1つのモノマー、ならびに、(b)(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方を有する少なくとも1つのモノマー、を有するモノマーから作られるものであり、;前記(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーおよび(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上の1つまたは両方の、光ラジカル発生基に対するモル比は、20:1~500:1である。
また、本発明は、基材と、本明細書に記載のコーティング組成物を用いて作製された潤滑性コーティングとを有するコーティング基材にも関する。
追加の実施形態は、本明細書に記載される組成物を水溶液中でコーティングすることに関する。
さらに別の実施形態では、本発明は、基材をコーティングする方法に関する。いくつかの実施形態では、ベースコートとトップコートの両方が基材に塗布される。ベースコートとトップコートの両方をUV光で硬化させる場合、(a)トップコートを加える前にベースコートを塗布して硬化させるか、(b)ベースコートを塗布して乾燥させ、トップコートを加え、その後、ベースコートとトップコートの両方をUV光で硬化させるかのいずれかである。
さらに他の実施形態は、潤滑性コーティングが、コーティング組成物に配合された医薬品または抗菌剤を含む医療機器またはインプラントを含む。
医療機器での使用を意図したコーティングの要件について、最初に定め、説明する。その後、本発明がこれらの要件をどのように満たすかを明細書において説明する。
本発明のコーティングは、医療機器での使用に適している。本発明のコーティングは、以下の特性を有する。
(1)コーティングは、乾燥時にコーティングされる材料の表面に良好な連続した接着フィルムを形成することができなければならない。これは、コーティング溶液の最低フィルム形成温度は、装置製造時に想定される乾燥温度より低くなければならないことを意味する。
(2)成形されたポリマーフィルムは、予想される使用条件下で、コーティングされた装置の曲げやねじりに破断せずに適合するような柔軟性と接着性を有していなければならない。
(3)コーティングされた装置をヒトの血液のような水性媒体に長時間浸漬する場合、フィルムが弱くなったり、完全性を失ったりしてはならない。
(4)コーティングは、細胞毒性がなく、血液適合性のある表面を呈しなければならない。ヒトの血液と接触した場合、コーティングは血液凝固および補体経路を開始させてはならない。
(5)コーティングは、粒子、断片、または浸出性成分がヒトの血液のような水性媒体を汚染しないように、基材にしっかりと確実に結合していなければならない。
(6)コーティングは、完全性、耐久性、生体適合性を損なうことなく、許容できる滅菌形態に耐えなければならない。
上記の要件を満たすコーティングは、以下のように製造される。
本開示は、添付の図および実施例に関連して取られる以下の説明を参照することによってより容易に理解され得るが、これらは全て本開示の一部を構成する。本開示は、本明細書に記載および/または示される特定の製品、方法、条件またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を例示的に説明するためのものであり、いかなる請求項の開示も制限することを意図しないことが理解されるであろう。同様に、特に明記しない限り、可能性のある機構もしくは作用機序または改善理由に関するいかなる記述も、例示のみを意図しており、本明細書の発明は、そのように示唆された機構もしくは作用機序または改善理由の正誤によって制約されるべきではない。本明細書全体を通して、説明は、装置およびシステムを操作する方法と、前記方法を提供する装置およびシステムとの両方を指すことが認識される。すなわち、本開示がコーティング組成物、医療機器、コーティング溶液または方法を記載および/または請求する場合、これらの記載および/または請求は、これらの方法を達成するための装置、機器、またはシステムも記載および/または請求することが理解される。
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)1~12mol%の水素原子引き抜き剤である少なくとも1つの光活性モノマーと、
(b)99~88mol%のアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、およびN-ビニルピロリドンの1つ以上と
を有するモノマーから作られたポリマーを有し、前記ポリマーは40℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、医療機器またはインプラント用の光反応性ベースコートとして使用するための疎水性ポリマーを有するコーティング組成物に関するものである。
好ましい疎水性ポリマーは、40℃、20℃、15℃または10℃未満のガラス転移温度を有する。
疎水性ポリマーの好ましい実施形態において、水素原子引き抜き剤である光活性モノマーは、ベンゾフェノン化合物である。特定の実施形態において、水素原子引き抜き剤である光活性モノマーは、4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-アクリルオキシベンゾフェノン、4-メタクリルオキシベンゾフェノン、アクリルアミドベンゾフェノン、メタクリルアミドベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、および、2-ヒドロキシ-4-メタクリルオキシエトキシベンゾフェノンの1つまたはそれ以上を有する。
4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン(MHB)は、(メタ)アクリレートモノマーと共重合して、疎水性の光活性ポリマーを生成することができる。このポリマーは、UV硬化により、基材と親水性トップコート層を結合するためのタイ層(tie layer)として機能する。この光活性ベースコートの存在下で硬化させたトップコートは、トップコートに光活性成分が含まれていない場合でも良好に結合する。
Figure 2022553294000001
光活性モノマーと共重合するモノマーは、アクリレート、メタクリレート、またはそれらと良好に共重合することが知られている他のモノマーの1つまたは複数であってもよい。特定の実施形態では、ポリマーは、以下の構造のメタクリレートを有し、
Figure 2022553294000002
Rは、任意に置換されたC-C20アルキルである。いくつかの実施形態において、Rはメチル、エチル、またはブチルであってもよい。好ましくは、コポリマーは、エチルヘキシル、イソデシル、ドデシルまたは低ガラス温度コポリマーに寄与する他のモノマーを含むであろう。コポリマーはまた、トップコート溶液とポリマーとの良好な相互作用を提供するために、ある程度の親水性特性を有するモノマーを含む。例えば、ヒドロキシエチルメタクリレートとN-ビニルピロリドンモノマーが挙げられる。
特定の実施形態において、疎水性ポリマーに低いガラス温度を寄与するモノマーは、C-C20アルキル基を有するアクリレート、例えば、ブチルアクリレートなどである。
さらに他の態様において、本発明は、2~15wt%の本明細書に記載される疎水性ポリマーコーティング組成物を有するコーティング溶液に関する。他の実施形態では、溶液は、3~13wt%または4~12wt%または5~10wt%の本明細書に記載されるコーティング組成物を有する。好ましい実施形態では、溶液は、有機溶媒を有する。好ましい溶媒は、トルエン、エタノール、アセトン、イソプロパノール、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、酢酸n-ブチル、酢酸1,2-プロパンジオールモノメチルエーテル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、メチルブチルケトン、およびキシレンの1つ以上を含む。
特定の実施形態において、ベースコートは、さらに多官能性アジリジンを有する。いくつかの実施形態において、コーティング組成物は、(a)95~99.8wt%の疎水性ポリマー;および(b)0.2~5wt%の多官能性アジリジンを有する。他の実施形態では、コーティング組成物は、(a)98~99.5wt%の疎水性ポリマー;および(b)0.5~2wt%の多官能性アジリジンを有する。
いくつかの実施形態において、本発明は、水または水-アルコール溶液に可溶なポリマーを有する医療機器または医療用インプラント用の親水性ポリマーコーティング組成物に関し、前記ポリマーは、
(a)光ラジカル発生剤である少なくとも1つのモノマー、ならびに、
(b)(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方を有する少なくとも1つのモノマー、
を有するモノマーから作られるものであり、;前記(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーおよび(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上の1つまたは両方の、光ラジカル発生基に対するモル比は、20:1~500:1である。
ポリマーは、水または水-アルコール混合物中にパッケージされてもよい。アルコールは、典型的には、C-Cアルコールである。好ましいアルコールは、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールを含む。水とアルコールの比率は、100:0~50:50とすることができる。
疎水性ポリマーのためのいくつかの好ましい光ラジカル発生剤は、ベンゾフェノン化合物である。いくつかの実施形態において、光ラジカル発生剤は、4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-アクリルオキシベンゾフェノン、4-メタクリルオキシベンゾフェノン、アクリルアミドベンゾフェノン、メタクリルアミドベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4’-ビニルベンゾフェノン、および2-ヒドロキシ-4-メタクリルオキシエトキシベンゾフェノンの1つ以上を有する。好ましい光ラジカル発生基の1つは、4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノンを有する。
4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン(MHB)は、アクリル酸およびN-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドなどの極性アクリレートと共重合して、親水性で光活性なポリマーを生成することができる。UV硬化により、このポリマーは、潤滑性のあるトップコートとして機能する。また、他の親水性(非光活性)ポリマーに添加して使用されることで、UV硬化後に潤滑性のあるコーティングを形成することができる。
Figure 2022553294000003
親水性ポリマーを形成するために、様々なエチレン性モノマーを使用することができる。いくつかの実施形態では、モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、2-プロピルアクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸のハーフエステル、ハーフアミドおよびハーフチオエステル、フマル酸、および、イタコン酸、ならびにこれらの混合物を有する少なくとも1つの酸性基を有する。ある実施形態では、エチレン性モノマーは、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドおよびアクリル酸を有する。特定の実施形態において、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドとアクリル酸のモル比は、2:1~5:1である。
好ましいアクリレートおよびアクリルアミドは、アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、および、N-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-アクリロイルアミド-エトキシエタノール、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチル3-ヒドロキシ-2-メチレンブチレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-アリルオキシエタノール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミド、またはこれらの任意の混合物を含む。
いくつかの実施形態において、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーおよび(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上の1つまたは両方と、少なくとも1つの光重合性基を有する光ラジカル発生剤のモル比は、40:1~200:1である。
特定の実施形態では、親水性ポリマーは、20,000~800,000または20,000~400,000または50,000、および400,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
いくつかの親水性ポリマーコーティング組成物は、さらに、水または水-アルコール溶液に可溶な第2のポリマーを有する。いくつかの実施形態では、第2のポリマーは、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上を有する。第2のポリマーにおいて、第2のポリマーのエチレン性モノマーは少なくとも1つの酸性基を有し、アクリル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、2-プロピルアクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸のハーフエステル、ハーフアミド、ハーフチオエステル、フマル酸、イタコン酸、およびこれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを有する。さらに、第2のポリマーにおいて、アクリレートまたはアクリルアミドは、アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびN-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-アクリロイルアミド-エトキシエタノール、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチル3-ヒドロキシ-2-メチレンブチレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-アリルオキシエタノール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミドおよびこれらの任意の混合物を有する。
いくつかの実施形態では、第2のポリマーは、50,000~800,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
本発明は、基材と、本明細書に記載のコーティング組成物を用いて作製された潤滑性コーティングとを有するコーティングされた基材にも関する。好ましい実施形態は、さらに、基材と潤滑性コーティング組成物の両方に接触するベースコートを有する。好ましいベースコートは、疎水性である。
本発明はまた、本明細書に記載のコーティング組成物を有する光反応性ベースコートを有する医療機器またはインプラントにも関する。いくつかの実施形態において、ベースコートは、基材と親水性トップコートの間に存在する。いくつかの好ましいトップコートは、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸およびポリアクリルアミドの1つ以上を有する。他の実施形態では、トップコートは、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドとアクリル酸コポリマーを有する。いくつかの実施形態は、前記ベースコートと前記親水性トップコートとの間の複数の共有結合架橋を有する。
コーティングは、コーティングの用途に適した任意の医療機器またはインプラントに使用することができる。いくつかの実施形態では、基材はプラスチックまたは金属である。
好ましいコーティングされた基材は、ピンチテストで測定される25gf未満の摩擦の潤滑性と50gf未満の摩擦の耐久性を有する。
本発明はまた、本明細書に記載のコーティングされた基材を有する医療機器および医療用インプラントに関する。いくつかの実施形態では、医療機器または医療用インプラントは、ガンマ線、Eビーム、およびエチレンオキシドの少なくとも1つによって滅菌される。
追加の実施形態において、本明細書に記載のコーティングは、コーティング組成物に配合された医薬品または抗菌剤を含む。
好ましい医療機器は、カテーテルやガイドワイヤを含む。
いくつかの態様において、本発明は、物品をコーティングする方法に関する。いくつかの方法は、本明細書に記載されるコーティング組成物を有するベースコートで基材をコーティングする工程を有する。ベースコートは、ベースコートをUV光に曝露することによって硬化されてもよい。いくつかの実施形態において、ベースコートは、親水性トップコートでコーティングされてもよい。
さらに他の実施形態では、コーティング方法は、本明細書に記載のコーティング組成物を有するベースコートで基材をコーティングする工程と、前記ベースコートを親水性トップコートでコーティングする工程と、ベースコートおよびトップコートをUV硬化させる工程とを含む。親水性トップコートは、光活性(すなわち、UV放射を吸収し、UV放射にさらされると反応する基を含む)であってもよいが、トップコートに光活性基が存在する必要はない。
本発明は、少なくとも以下の態様に係るものである。
態様1A. (a)1~12mol%の水素原子引き抜き剤である少なくとも1つの光活性モノマーと、(b)99~88mol%のアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、およびN-ビニルピロリドンの1つ以上とを有するモノマーから作られたポリマーを有し、前記ポリマーは40℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、医療機器またはインプラント用の光反応性ベースコートとして使用するための疎水性ポリマーを有するコーティング組成物。
態様1B. (a)1~5mol%の水素原子引き抜き剤である少なくとも1つの光活性モノマーと、(b)99~95mol%のアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、およびN-ビニルピロリドンの1つ以上とを有するモノマーから作られたポリマーを有し、前記ポリマーは40℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、医療機器またはインプラント用の光反応性ベースコートとして使用するための疎水性ポリマーを有するコーティング組成物。
態様2. 態様1A~1Bのコーティング組成物であって、さらに多官能性アジリジンを有する、コーティング組成物。
態様3. 態様2のコーティング組成物であって、(a)95~99.8wt%の前記疎水性ポリマーと;(b)0.2~5wt%の多官能性アジリジンとを有する、コーティング組成物。
態様4. 態様1A~3のいずれか1つのコーティング組成物であって、以下の構造
Figure 2022553294000004
(Rは任意に置換されたC-C20アルキルである)
のメタクリレートを有する、コーティング組成物。
態様5. 態様4のコーティング組成物において、Rは、メチル、エチルヘキシル、イソデシル、ドデシルの1つ以上である、コーティング組成物。
態様6. 態様4のコーティング組成物において、前記疎水性ポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびN-ビニルピロリドンを有する、コーティング組成物。
態様7. 態様1A~6のいずれか1つのコーティング組成物において、前記疎水性ポリマーは、C-C20アルキル基を有するアクリレートを有する、コーティング組成物。
態様8. 態様1A~7のいずれか1つのコーティング組成物において、前記水素原子引き抜き剤である光活性モノマーは、ベンゾフェノン部分を有する、コーティング組成物。
態様9. 態様8記載のコーティング組成物において、前記水素原子引き抜き剤である光活性モノマーが、4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-アクリルオキシベンゾフェノン、4-メタクリルオキシベンゾフェノン、アクリルアミドベンゾフェノン、メタクリルアミドベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アクリルオキシエトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-メタクリルオキシエトキシベンゾフェノンの1つ以上を有する、コーティング組成物。
態様10. 態様1A~9のいずれか1つのコーティング組成物であって、20℃未満のTgを有する、コーティング組成物。
態様11. 態様1A~10のいずれか1つのコーティング組成物を有する光反応性ベースコートを有する、医療機器またはインプラント。
態様12. 態様11の医療機器において、前記ベースコートは、基材と親水性トップコートの間に存在する、医療機器。
態様13. 態様12の医療機器において、前記トップコートは、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、および、ポリアクリルアミドの1つ以上を有する、医療機器。
態様14. 態様12の医療機器において、前記トップコートは、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドとアクリル酸コポリマーとを有する、医療機器。
態様15. 態様11の医療機器において、前記医療機器がカテーテルまたはガイドワイヤである、医療機器。
態様16. 態様12の医療機器であって、前記ベースコートと前記親水性トップコートとの間に複数の共有結合架橋を有する、医療機器。
態様17. 2~15wt%の態様1~10のいずれか1つのコーティング組成物を溶媒中に有するコーティング溶液。
態様18. 態様17のコーティング溶液において、前記溶媒は有機溶媒である、コーティング溶液。
態様19. 態様18のコーティング溶液において、前記溶媒は、トルエン、エタノール、アセトン、イソプロパノール、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、酢酸n-ブチル、酢酸1,2-プロパンジオールモノメチルエーテル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、メチルブチルケトン、およびキシレンの1つ以上を有する、コーティング溶液。
態様20. 態様1A~10のいずれか1つのコーティング組成物を有するベースコートで基材をコーティングする工程を有する、コーティングされた物品を形成する方法。
態様21. 態様20の方法であって、さらに、前記ベースコートをUV光に曝露することによって、前記ベースコートを硬化する工程を有する、方法。
態様22. 態様21の方法であって、さらに、前記ベースコートを親水性トップコートでコーティングする工程を有する、方法。
態様23. 態様20の方法であって、さらに、(a)前記ベースコートを親水性トップコートでコーティングする工程と、および(b)前記ベースコートおよびトップコートをUV光で硬化する工程とを有する、方法。
態様24. 水または水-アルコール溶液に可溶なポリマーを有する医療機器または医療用インプラント用のコーティング組成物であって、前記ポリマーは、(a)4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-アクリルオキシベンゾフェノン、4-メタクリルオキシベンゾフェノン、アクリルアミドベンゾフェノン、メタクリルアミドベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4’-ビニルベンゾフェノン、および2-ヒドロキシ-4-メタクリルオキシエトキシベンゾフェノンの1つ以上を有する光ラジカル発生剤である少なくとも1つのモノマー、ならびに(b)(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーおよび(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つまたは両方を有する少なくとも1つのモノマーを有するモノマーから作られるものであり、前記少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、2-プロピルアクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸のハーフエステル、ハーフアミドおよびハーフチオエステル、フマル酸およびイタコン酸、ならびにこれらの混合物を有するものであり、前記アクリレートまたはアクリルアミドは、アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびN-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-アクリロイルアミド-エトキシエタノール、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチル3-ヒドロキシ-2-メチレンブチレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-アリルオキシエタノール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミドまたはこれらの任意の混合物を有するものであり、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方の、光ラジカル発生基に対するモル比は、20:1~500:1である、コーティング組成物。
態様25. 態様24のコーティング組成物において、前記光ラジカル発生基は、4-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを有する、コーティング組成物。
態様26. 態様24のコーティング組成物において、前記エチレン性モノマーは、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドおよびアクリル酸を有する、コーティング組成物。
態様27. 態様26のコーティング組成物において、前記N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドおよび前記アクリル酸のモル比が2:1~5:1である、コーティング組成物。
態様28. 態様24のコーティング組成物において、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーと(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方と、少なくとも1つの光重合性基を有する光ラジカル発生剤のモル比が40:1~200:1である、コーティング組成物。
態様29. 態様24のコーティング組成物において、前記ポリマーは20,000~800,000の重量平均分子量(Mw)を有する、コーティング組成物。
態様30. 態様24のコーティング組成物であって、水または水-アルコール溶液に可溶な第2のポリマーをさらに有する、コーティング組成物。
態様31. 態様30のコーティング組成物であって、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーと(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方を有する、コーティング組成物。
態様32. 態様31のコーティング組成物において、前記第2のポリマーのエチレン性モノマーは少なくとも1つの酸性基を有し、前記少なくとも1つの酸性基を有する第2のポリマーのエチレン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、2-プロピルアクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸のハーフエステル、ハーフアミドおよびハーフチオエステル、フマル酸、イタコン酸、およびそれらの任意の組合せの1つ以上を有する、コーティング組成物。
態様33. 態様31のコーティング組成物において、前記第2のポリマーのアクリレートまたはアクリルアミドは、アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、および、N-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-アクリロイルアミド-エトキシエタノール、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチル3-ヒドロキシ-2-メチレンブチレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-アリルオキシエタノール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミドおよびこれらの任意の混合物を有する、コーティング組成物。
態様34. 態様31のコーティング組成物において、前記第2のポリマーは50,000~800,000の重量平均分子量(Mw)を有する、コーティング組成物。
態様35. 態様24のコーティング組成物であって、さらに、水または水/アルコール混合物を有する、コーティング組成物。
態様36. 基材と、態様24~35のいずれか1つのコーティング組成物を用いて作製された潤滑性コーティングとを有する、コーティングされた基材。
態様37. 態様36のコーティングされた基材であって、さらに、前記基材と前記潤滑性コーティング組成物の両方に接触するベースコートを有する、コーティングされた基材。
態様38. 態様37のコーティングされた基材において、前記ベースコートは疎水性である、コーティングされた基材。
態様39. 態様36のコーティングされた基材において、前記基材がプラスチックである、コーティングされた基材。
態様40. 態様36のコーティングされた基材において、前記基材が金属である、コーティングされた基材。
態様41. 態様36~40のいずれか1つのコーティングされた基材において、前記コーティングされた基材は、ピンチテストで測定される25gf未満の摩擦の潤滑性および50gf未満の摩擦の耐久性を有する、コーティングされた基材。
態様42. 態様36~41のいずれか1つのコーティングされた基材を有する、医療機器または医療用インプラント。
態様43. 態様42の医療機器または医療用インプラントであって、前記医療機器または医療用インプラントは、ガンマ線、Eビーム、およびエチレンオキシドの少なくとも1つによって滅菌される、医療機器または医療用インプラント。
態様44. 態様42または43の医療機器または医療用インプラントにおいて、前記潤滑性コーティングは、前記コーティング組成物に配合された医薬品または抗菌剤を含む、医療機器または医療用インプラント。
実施例
本発明は、以下の非限定的な実施例によって説明される。
本書では、以下の略語を使用している:
MHB-4-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノンは、コポリマーに光活性を与えるモノマーであった。PolysciencesおよびBimaxから購入した。純度は、UScienceの Bruker 400MHz NMRを用いて行った核磁気共鳴NMRで確認した。
BA-ブチルアクリレート
MMA-メチルメタクリレート
HEMA-ヒドロキシエチルメタクリレート
NVP-N-ビニルピロリドン
EHMA-エチルヘキシルメタクリレート
iDMA-イソデシルメタクリレート
DDMA-ドデシルメタクリレート
AA-アクリル酸
HEAA-N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド
PVP-ポリビニルピロリドン
HAP-親水性アクリルコポリマー、AAとHEAAのコポリマー
コーティングは、ロッドやチューブの形でさまざまな基材に塗布された。ロッドはステンレススチールまたはPMMAで、直径は0.125インチだった。Pebax(商標)35Dおよび55Dプラスチックチューブは、外径0.079インチ、壁厚0.005インチだった。チューブは、コーティング前に安定性を確保するため、ステンレス鋼ロッドの上に置かれた。コーティングプロセスは、イソプロピルアルコールでロッドを拭き、ベースコート溶液に0.2in/秒で浸漬コーティングし、60℃で10分間乾燥し、トップコート溶液に0.2in/秒で浸漬コーティングし、60℃で10分間乾燥させるものであった。すべてのコーティングが完了した後、ロッドをUV照射に曝した。
UV硬化は、UVA600ワットメタルハライドランプを装備したUvitron IntelliRay model UV0832 UV Cureユニットで行った。放射照度は、INPRO Technologiesから購入したEIT Uvicure Plus II放射計を使用して測定した。この1チャンネルUVA放射計は、320~390ナノメートル(nm)の放射を測定する。
ロッドの周囲に均一な放射線を照射するために、2つの異なる方法が用いられた。最初の方法では、六角形のカプラーをロッドに取り付け、コーティングされたロッドを硬化させながら回転させるための固定形状を提供した。次に、サンプルを6回転させ、すべての面を露出させることができた。回転パターンは、0°、120°、240°、60°、180°、300°であった。2つ目の方法は、UV硬化中にロッドをモーターによって20rpmで連続的に回転させた。
実施例における典型的な照射時間は2~30分であり、典型的な照射量は100~200mW/cm2(UVAメタルハライドランプからの320~390nmの場合)である。320~390nmの照射のすべてが光架橋に有用なのではなく、光活性基によって実際に吸収される波長のみが反応を導くことができることに留意されたい。また、これらの例で使用したものより低い放射照度は、放射時間の増加によって対応できることが理解される。
コーティングの摩擦は、Chatillon CS225 Force Measurement Machineでテストされた。加熱されたウォーターバスと、一定の力で押し合うピンチパッドが装備されていた。ウォーターバスはPBS溶液で満たされ、37℃に加熱されている。ピンチパッドは水中に沈められ、470グラム(g)の力で押し付け合う。摩擦は、パッドを通してサンプルを押したり引いたりするのに必要な力のグラムとして測定される。潤滑性と耐久性は、サンプルがパッドを通して引っ張られるときの力のグラムを平均することによって決定される。潤滑性は1~3サイクルの平均値、耐久性は30サイクルの力である。
4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノンと低ガラス温度(メタ)アクリレートモノマーとを共重合して、光活性ベースコートを作製した。合成した光活性ベースコートポリマーを表1にまとめる。
Figure 2022553294000005
ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)ロッドを、ベースコートポリマーBP-5およびポリビニルピロリドン(PVP)トップコート(光散乱法による Aldrich 1,300,000分子量)でコーティングした。コーティングされたロッドは、1平方センチメートルあたり186ミリワット(mW/cm)の放射照度で、6回転のそれぞれを通して硬化させた。ピンチテスト後、ロッドを冷たい水道水で10秒間すすぎ、0.5%コンゴレッド水溶液に浸漬し、再度10秒間すすぎを行った。濃い赤色で示される結合したPVPの存在は、光活性ベースコートとPVPトップコートの間でグラフト化が起こったことを示す。
4つの異なるUV硬化ベースコートポリマーを有するPVPトップコートをPMMA基材ロッド上でテストした。UV硬化は、166mW/cmの照射量で、6回転のそれぞれで20分かけて行われた。サンプルはかなりの潤滑性を示したものの、10~20サイクルしか持続しなかった。結果を表2にまとめている。
Figure 2022553294000006
親水性アクリルポリマーおよびこの親水性アクリルポリマーとPVPの混合を、トップコート(界面活性剤を添加)として評価した。親水性アクリルポリマー(HAP)は、アクリル酸と2-ヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマーである。UV硬化は、照射量180mW/cmで6回転させた。結果は表3に示す。各サンプルの3つのロッドはすべて、30サイクルにわたって良好な潤滑性と耐久性を示した。
Figure 2022553294000007
上記の実施例でまとめた結果は、トップコートに光活性がなくても、光活性ベースコートで良好な潤滑性と耐久性が得られることを示している。これらの実施例で用いたUV硬化プロセスの欠点は、硬化中にUV硬化を停止し、サンプルを手動で5回転させる必要があることである。これを解決するために、硬化中にサンプルを20rpmで連続回転させるモーターを設置した。これにより、ロッドまたはチューブの周囲でさらに均一なUV硬化が得られることが期待できる。この方法は、利便性が高いだけでなく、以下に示すように、さらに短い硬化時間で、さらに優れた潤滑性と耐久性を提供した。
表4は、異なるモノマー組成と異なる量の光活性モノマーを使用したいくつかの組成物の比較を示している。結果は、様々な低ガラス温度モノマーを使用して、潤滑性、耐久性のあるコーティングを提供できることを示す。これらの実施例では、トップコートに光活性成分が含まれていない。
Figure 2022553294000008
表4の脚注:
ベースコートはPebax(商標)55Dチューブの上に塗布されている。
ベースコートを乾燥させた後、界面活性剤を含むポリ(HEAA-co-AA)トップコートを添加し、UV硬化前に乾燥させた。
トリメチロールプロパントリス(2-メチル-1-アジリジンプロピオネート)のような3官能性アジリジン(架橋剤CX-100)をベースコートに含有させると、さらに優れた耐久性を有するコーティングされたロッドを得ることが可能である。多官能性アジリジンは熱硬化プロセスにおける架橋剤として知られている。表5の結果は、耐久性が向上していることを示している。
Figure 2022553294000009
表5の脚注:
ベースコートはPebax(商標)55Dチューブの上にコーティングされている。
ベースコートを乾燥させた後、ポリ(HEAA-co-AA)トップコートを添加し、乾燥させた。
6(+加熱)は、サンプルがUV硬化後、60℃で30分間加熱されたことを示す。
はピンチテスト前にサンプルをPBS水溶液に50℃で18時間浸漬したことを示す。
前述の実施例は、本発明の光活性ベースコートと光活性を有さない親水性トップコートとの組み合わせが、良好な潤滑性および耐久性をもたらすことを実証している。以下の実施例は、光活性がトップコートに組み込まれている場合、さらに優れた性能が得られることを示すものである。
表6のポリ(HEAA-co-AA)。N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)29.79g、アクリル酸(AA)6.21gを水263mL中で反応させ、ポリマーを作製した。重合開始剤は過硫酸アンモニウムとヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム水和物であった。0.015mLの1% FeSO溶液を加えて反応を触媒した。重合は、N下において40℃で行われた。ポリマーを透析またはアセトンによる沈殿で精製した(US2013/0323291 A1の実施例1と同様)。
表6のポリ(HEAA-co-AA-co-MHB)1~4。15.29gのHEAA、3.19gのAA、1.00g、0.50g、または0.25gのMHBを40mLのIPAと30mLの水で反応させ、光活性ポリマーを作製した。THF中のアゾビスイソブチロニトリル(AiBN)の50mg/mL溶液0.59mLをモノマー溶液に添加した。この溶液を30分間スパージングして酸素を除去した後、60℃に24時間加熱した。反応が完了した後、ポリマーを150mLの酢酸エチルで沈殿させた。溶媒をデカントオフし、ポリマーを60℃のオーブンで乾燥させ、残った溶媒は真空下で除去した。ポリマーをIPAと水の50:50混合物に溶解した。
表6のポリ(HEAA-co-AA-co-MHB)5~7。15.29gのHEAA、3.19gのAA、1.00g、0.50g、または0.25gのMHBを40mLのエタノールと30mLの水で反応させ、光活性ポリマーを作製した。THF中の(AiBN)の20mg/mL溶液の0.245mLをモノマー溶液に加えた。この溶液を30分間スパージングして酸素を除去した後、60℃に24時間加熱した。反応が完了した後、ポリマーを150mLの酢酸エチルで沈殿させた。溶媒をデカントオフし、ポリマーを60℃のオーブンで乾燥させ、残った溶媒を真空下で除去した。ポリマーをエタノールと水の50:50混合物に溶解した。
これらの親水性光活性ポリマーの分子量は、Waters 1515アイソクラティック高速液体クロマトグラフィーHPLCポンプ、276nmと290nmに設定したWaters 2489 UV/可視検出器、Waters 2414屈折率検出器、および3つのカラム(2つのWaters Ultrahydrogel 2000と、1つのWaters Ultrahydrogel 250)を用いてSECにより決定された。分子量は、Empower3ソフトウェアを使用して、ポリ(アクリル酸)標準と比較して算出した。
Figure 2022553294000010
コーティングはPebax(商標)55Dプラスチックチューブにディップコーティング法で施された。Pebax(商標)チューブの外径は0.201cm(0.079インチ)で、壁厚は0.0127cm(0.005インチ)であった。チューブは、安定性を確保するため、ステンレス鋼ロッドの上に置かれた。まず、チューブをベースコートに浸し、毎秒0.508cm(0.2インチ)の速度で抽出し、UVチャンバー内で5分間回転させ、所望の強度に設定した。次に、チューブをトップコートに浸し、毎秒0.508cm(0.2インチ)で抽出し、UVチャンバー内で5分間回転させて、所望の強度に設定した。
UV硬化は、UVA600ワットメタルハライドランプを装備したUvitron IntelliRay model UV0832 UV Cureユニットで行った。放射照度は、INPRO Technologiesから購入したEIT Uvicure Plus II放射計を使用して測定した。この1チャンネルUVA放射計は、320~390nmの放射を測定する。
コーティングの摩擦は、10Nロードセルを備えたTinius Olsen 5ST Electromechanical Testing Machineでピンチテストを行い、Horizonソフトウェアでデータを収集した。Tinius Olsenには、加熱されたウォーターバスと、一定の力で押し合うピンチパッドが装備されている。ウォーターバスはPBS溶液で満たされ、37℃に加熱されている。ピンチパッドは水中に沈められ、450gの力で押し合わされる。摩擦は、パッドを通してサンプルを押したり引いたりするのに必要な力のグラムで測定される。潤滑性と耐久性は、サンプルがパッドを通して引っ張られるときの力のグラムの平均値で決定される。潤滑性は2~4サイクルの平均値、耐久性は28~30サイクルの平均値である。
ベースコート溶液は、2つの前述の光活性ベースコートポリマーを使用して作った。ベースコートポリマーは、イソプロパノール(IPA)およびエタノールを含むさまざまな溶媒で希釈することができる。ベースコートA:ポリアジリジン架橋剤が添加された、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、PMA中の2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)およびMHBのコポリマーの10wt%溶液。ベースコートB:ポリアジリジン架橋剤が添加された、PMA中のブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸メチル(MMA)、NVP、HEMAおよびMHBのコポリマーの10wt%溶液。
Pebax(商標)55DチューブをベースコートAでコーティングし、5分間のUV硬化後、これを、2%ポリ(HEAA-co-AA)および界面活性剤とともに、表6に記載の光活性ポリマーを含むトップコートで水中にてコーティングした。表7は、異なるトップコートを異なるUV光強度で硬化させた場合の摩擦テストの結果を示している。
Figure 2022553294000011
表8は、ベースコートBを用いた異なるトップコートの摩擦テストの結果を示す。光活性トップコートは、表1に記載のポリ(HEAA-co-AA-co-MHB)、ポリ(HEAA-co-AA)、および水中に界面活性剤を含むものだった。
Figure 2022553294000012
表9の実施例は、光活性ベースコートが基材に直接塗布された場合に良好に機能することを示している。すなわち、疎水性ベースコートは、光活性親水性トップコートとの良好な潤滑性および耐久性のために必要ではない。光活性トップコートは2回塗布し、各塗布後に5分間硬化させた。上記と同様に、トップコート溶液は、表6の光活性トップコートの1つ、ポリ(HEAA-co-AA)、および水中の界面活性剤を有した。
Figure 2022553294000013
本明細書では、特に明記しない限り、関連する技術分野の当業者に理解されるような通常の意味を持つ言葉を使用するものとする。ただし、誤解を避けるために、特定の用語の意味を具体的に定義または明確化する。
本開示において、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含み、特定の数値への参照は、文脈が明らかに他のものを示さない限り、少なくともその特定の数値を含む。したがって、例えば、「材料」(a material)への言及は、当業者に知られているそのような材料およびその等価物の少なくとも1つへの言及である。
本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明するためだけのものであり、限定することを意図していないことが理解されよう。本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、用語「有する(comprising)」は、実施形態「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」を含むことができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書およびそれに続く特許請求の範囲において、本明細書で定義される多数の用語が参照されることになる。
値が記述子「約」の使用によって近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。一般に、用語「約」の使用は、開示された主題によって得ようとする所望の特性に応じて変化する可能性があり、その機能に基づいて、それが使用される特定の文脈で解釈されるべき近似を示す。当業者であれば、日常的に解釈することが可能であろう。場合によっては、特定の値に使用される有効数字の数は、「約」という言葉の範囲を決定する1つの非限定的な方法である可能性がある。他の場合には、一連の値で使用される階調を使用して、各値について「約」という用語で使用可能な意図された範囲を決定することができる。
この場合、すべての範囲は包括的であり、組み合わせることが可能である。つまり、範囲内に記載された値には、その範囲内のすべての値が含まれ、終点の値も含まれる。
リストが提示される場合、特に断らない限り、そのリストの個々の要素およびそのリストのすべての組み合わせは、別々の実施形態として解釈されるものと理解されるものとする。例えば、「A、B、またはC」として提示された実施形態のリストは、「A」、「B」、「C」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」、または「A、B、およびC」という実施形態が含まれると解釈されるものとする。
明確化のために、本明細書において別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることも可能であることを理解されたい。すなわち、明らかに相容れないか、または明確に除外されない限り、個々の実施形態は、他の可能な実施形態(複数可)と組み合わせ可能であるとみなされ、そのような組み合わせは、別の実施形態であるとみなされる。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別々にまたは任意の部分的組み合わせで提供することができる。さらに、実施形態は、一連の工程の一部またはより一般的な構造の一部として記載されることがあるが、各前記工程または一部は、それ自体が独立した実施形態であるとみなすこともできる。
本明細書で使用されるように、用語「物品」および「基材」は、本明細書に記載のコーティング組成物によって修飾される少なくとも1つの表面を有する材料の層、複数の層、またはブロックであってもよく、任意の形状またはサイズに限定されない。
ガラス転移温度(Tg)は、Foxの式とホモポリマーの文献値を用いて決定される。Foxの式は以下の通りである。
Figure 2022553294000014
ここで、Tg,mixおよびTg,iはそれぞれ混合物/コポリマーおよび成分のケルビン単位のガラス転移温度であり、ωは成分iの質量分率である。低いTホモポリマーを生成するモノマーは、低いT’を有するコポリマーを生成するために必要とされる。例としては、ブチルアクリレート(Tg=-54℃)、2-エチルヘキシルメタクリレート(-10)、イソデシルメタクリレート(-30)、およびドデシルメタクリレート(-65)を含む。使用した他のいくつかのモノマーのホモポリマーTgは、MMAが100℃、BMAが20℃、NVPが120℃、HEMAが105℃、MHBが143℃、およびアクリル酸が105℃である。
2成分A、Bの場合、Fox方程式は以下のように減少する。
Figure 2022553294000015
本明細書で使用する場合、「疎水性」という用語は、水溶液に溶解しないポリマーを指す。架橋された疎水性ポリマーは、水中で大きく膨潤しない(50%未満、<50%)。
「親水性」という用語は、水または水-アルコール溶液に可溶なポリマーを指す。架橋された親水性ポリマーは、水溶液中で著しく膨潤する(>100%)。「親水性」基材表面は、未硬化または非架橋のポリマーが水または50%を超える水である水アルコール溶液に可溶であるポリマーでできたものである。
特に明記しない限り、すべての分子量は重量平均分子量(Mw)である。

Claims (44)

  1. (a)1~12mol%の水素原子引き抜き剤である少なくとも1つの光活性モノマーと、
    (b)99~88mol%の、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、およびN-ビニルピロリドンの1つ以上と
    を有するモノマーから作られたポリマーを有する医療機器またはインプラント用の光反応性ベースコートとして使用するための疎水性ポリマーを有するコーティング組成物であって、
    前記ポリマーは40℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、
    コーティング組成物。
  2. 請求項1記載のコーティング組成物であって、さらに多官能性アジリジンを有する、コーティング組成物。
  3. 請求項2記載のコーティング組成物であって、
    (a)95~99.8wt%の前記疎水性ポリマーと、
    (b)0.2~5wt%の多官能性アジリジンと
    を有する、コーティング組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1つのコーティング組成物であって、以下の構造
    Figure 2022553294000016
    (Rは任意に置換されたC-C20アルキルである)
    のメタクリレートを有する、コーティング組成物。
  5. 請求項4記載のコーティング組成物において、Rは、メチル、エチルヘキシル、イソデシル、または、ドデシルの1つ以上である、コーティング組成物。
  6. 請求項4記載のコーティング組成物において、前記疎水性ポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびN-ビニルピロリドンを有する、コーティング組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1つに記載のコーティング組成物において、前記疎水性ポリマーは、C-C20アルキル基を有するアクリレートを有する、コーティング組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1つに記載のコーティング組成物において、前記水素原子引き抜き剤である光活性モノマーは、ベンゾフェノン部分を有する、コーティング組成物。
  9. 請求項8記載のコーティング組成物において、前記水素原子引き抜き剤である光活性モノマーが、4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-アクリルオキシベンゾフェノン、4-メタクリルオキシベンゾフェノン、アクリルアミドベンゾフェノン、メタクリルアミドベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アクリルオキシエトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-メタクリルオキシエトキシベンゾフェノンの1つ以上を有する、コーティング組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1つに記載のコーティング組成物であって、20℃未満のTgを有する、コーティング組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1つに記載のコーティング組成物を有する光反応性ベースコートを有する、医療機器またはインプラント。
  12. 請求項11記載の医療機器において、前記ベースコートは、基材と親水性トップコートの間に存在する、医療機器。
  13. 請求項12記載の医療機器において、前記トップコートは、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、および、ポリアクリルアミドの1つ以上を有する、医療機器。
  14. 請求項12記載の医療機器において、前記トップコートは、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドとアクリル酸コポリマーとを有する、医療機器。
  15. 請求項11記載の医療機器において、前記医療機器がカテーテルまたはガイドワイヤである、医療機器。
  16. 請求項12記載の医療機器であって、前記ベースコートと前記親水性トップコートとの間に複数の共有結合架橋を有する、医療機器。
  17. 2~15wt%の態様1~10のいずれか1つに記載のコーティング組成物を溶媒中に有するコーティング溶液。
  18. 請求項17記載のコーティング溶液において、前記溶媒は有機溶媒である、コーティング溶液。
  19. 請求項18記載のコーティング溶液において、前記溶媒は、トルエン、エタノール、アセトン、イソプロパノール、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、酢酸n-ブチル、酢酸1,2-プロパンジオールモノメチルエーテル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、メチルブチルケトン、およびキシレンの1つ以上を有する、コーティング溶液。
  20. 請求項1~10のいずれか1つに記載のコーティング組成物を有するベースコートで基材をコーティングする工程を有する、コーティングされた物品を形成する方法。
  21. 請求項20記載の方法であって、さらに、前記ベースコートをUV光に曝露することによって、前記ベースコートを硬化する工程を有する、方法。
  22. 請求項21記載の方法であって、さらに、前記ベースコートを親水性トップコートでコーティングする工程を有する、方法。
  23. 請求項20記載の方法であって、さらに、(a)前記ベースコートを親水性トップコートでコーティングする工程と、および(b)前記ベースコートおよびトップコートをUV光で硬化する工程とを有する、方法。
  24. 水または水-アルコール溶液に可溶なポリマーを有する医療機器または医療用インプラント用のコーティング組成物であって、前記ポリマーは、
    (a)4-メタクリルオキシ2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-アクリルオキシベンゾフェノン、4-メタクリルオキシベンゾフェノン、アクリルアミドベンゾフェノン、メタクリルアミドベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4’-ビニルベンゾフェノン、および2-ヒドロキシ-4-メタクリルオキシエトキシベンゾフェノンの1つ以上を有する光ラジカル発生剤である少なくとも1つのモノマー、ならびに
    (b)(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーおよび(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つまたは両方を有する少なくとも1つのモノマーを有するモノマーから作られるものであり、
    前記少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、2-プロピルアクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸のハーフエステル、ハーフアミドおよびハーフチオエステル、フマル酸およびイタコン酸、ならびにこれらの混合物を有するものであり、
    前記アクリレートまたはアクリルアミドは、アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびN-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-アクリロイルアミド-エトキシエタノール、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチル3-ヒドロキシ-2-メチレンブチレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-アリルオキシエタノール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミドまたはこれらの任意の混合物を有するものであり、
    (i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマー、および(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方の、光ラジカル発生基に対するモル比は、20:1~500:1である、コーティング組成物。
  25. 請求項24記載のコーティング組成物において、前記光ラジカル発生基は、4-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを有する、コーティング組成物。
  26. 請求項24記載のコーティング組成物において、前記エチレン性モノマーは、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドおよびアクリル酸を有する、コーティング組成物。
  27. 請求項26記載のコーティング組成物において、前記N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドおよび前記アクリル酸のモル比が2:1~5:1である、コーティング組成物。
  28. 請求項24記載のコーティング組成物において、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーと(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方と、少なくとも1つの光重合性基を有する光ラジカル発生剤のモル比が40:1~200:1である、コーティング組成物。
  29. 請求項24記載のコーティング組成物において、前記ポリマーは20,000~800,000の重量平均分子量(Mw)を有する、コーティング組成物。
  30. 請求項24記載のコーティング組成物であって、水または水-アルコール溶液に可溶な第2のポリマーをさらに有する、コーティング組成物。
  31. 請求項30記載のコーティング組成物であって、(i)少なくとも1つの酸性基を有するエチレン性モノマーと(ii)アクリレートまたはアクリルアミドの1つ以上、の1つまたは両方を有する、コーティング組成物。
  32. 請求項31記載のコーティング組成物において、前記第2のポリマーのエチレン性モノマーは少なくとも1つの酸性基を有し、前記少なくとも1つの酸性基を有する第2のポリマーのエチレン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、2-プロピルアクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸のハーフエステル、ハーフアミドおよびハーフチオエステル、フマル酸、イタコン酸、およびそれらの任意の組合せの1つ以上を有する、コーティング組成物。
  33. 請求項31記載のコーティング組成物において、前記第2のポリマーのアクリレートまたはアクリルアミドは、アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、および、N-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-アクリロイルアミド-エトキシエタノール、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メチル3-ヒドロキシ-2-メチレンブチレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-アリルオキシエタノール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミドおよびこれらの任意の混合物を有する、コーティング組成物。
  34. 請求項31記載のコーティング組成物において、前記第2のポリマーは50,000~800,000の重量平均分子量(Mw)を有する、コーティング組成物。
  35. 請求項24記載のコーティング組成物であって、さらに、水または水/アルコール混合物を有する、コーティング組成物。
  36. 基材と、
    請求項24~35のいずれか1つに記載のコーティング組成物を用いて作製された潤滑性コーティングと
    を有する、コーティングされた基材。
  37. 請求項36記載のコーティングされた基材であって、さらに、前記基材と前記潤滑性コーティング組成物の両方に接触するベースコートを有する、コーティングされた基材。
  38. 請求項37記載のコーティングされた基材において、前記ベースコートは疎水性である、コーティングされた基材。
  39. 請求項36記載のコーティングされた基材において、前記基材がプラスチックである、コーティングされた基材。
  40. 請求項36記載のコーティングされた基材において、前記基材が金属である、コーティングされた基材。
  41. 請求項36~40のいずれか1つに記載のコーティングされた基材において、前記コーティングされた基材は、ピンチテストで測定される25gf未満の摩擦の潤滑性および50gf未満の摩擦の耐久性を有する、コーティングされた基材。
  42. 請求項36~41のいずれか1つに記載のコーティングされた基材を有する、医療機器または医療用インプラント。
  43. 請求項42記載の医療機器または医療用インプラントであって、前記医療機器または医療用インプラントは、ガンマ線、Eビーム、およびエチレンオキシドの少なくとも1つによって滅菌される、医療機器または医療用インプラント。
  44. 請求項42または43記載の医療機器または医療用インプラントにおいて、前記潤滑性コーティングは、前記コーティング組成物に配合された医薬品または抗菌剤を含む、医療機器または医療用インプラント。
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