明細 : メータ機能付電子時計
[技術分野]
本発明は多機能表示ができるメータ機能付電子時計に関す る。
[背景技術]
近年、 デジタル式の電子時計を中心に多機能化が進んでお り、 例えば実開平 1一 1 2 6 5 9 0号に示されるごと く、 水深 計測機能を備え各種表示情報をデジタル的に表示する時計があ る。 これに対して指針表示時計による多機能化も急速に進み、 デジタル時計に匹敵するほどの多機能を有した指針表示時計が 商品化されつつある。 しかし、 指針表示時計の多機能化におい ては、 表示手段が指針であるため前記デジタル表示装置に比べ て表示上の自由度が小さく、 このため種々の表示上の制約が問 題となっており、 たとえば現在どの機能のモー ドにあるのかを 明示する手段が問題となっている。
図 1 はたとえば特開昭 5 9— 5 6 1 8 5号に開示されている 第 1の従来例を示す指針表示式多機能時計の表示部である。 1 は時針、 2は分針、 3は秒針であり、 通常時刻を表示する。 4 は副針 4 aによる機能量表示部兼モード表示部である。 この例 では機能はデュアルタイムと夕イマ一の二機能からなり、 それ ぞれの機能量の表示を同一表示部の左右に振り分けて目盛を刻 んでおり、 副針 4 aによってモード表示と機能量表示を同時に 行っている。
図 2は第 2の従来例としてたとえば、 国際時計通信社発行の 国際時計通信 (THE HOROLOGICAL INTERNATIONAL CORRESPONDEN CE) 、 1990年 12月号 VOL. 31 , No . 368 第 319 頁に記載されて いる指針表示式多機能時計の表示部である。 5は時針、 6は分 針、 7は秒針であり、 通常時刻を表示する。 8は副針 8 aによ るモード表示部であり、 通常表示モード、 デュアルタイムモー ド、 タイマ一モード、 アラームモードより成る。 図 2に示す夕 ィムモードは現在時刻のモードを表示している。 9はモード表 示部 8で選択された各機能の機能量表示を行なう機能指示針で ある。
第 1の従来例では、 ひとつの表示部の中で複数の機能量表示 を行なうため、 機能量の表示面積が小さくなり目盛が読取りに くいという問題があった。 機能の数が多くなるほど表示面積が 小さくなるため、 ますます目盛が読み取りにく くなるという問 題があった。
第 2の従来例では、 第 1の従来例でのこのような問題点を解 消するために、 モード表示を専用の副針で行ない、 機能量表示 においては時計中心に備わる専用の機能表示針一本で行なって いる。 この方式ではモード表示を専用の副針で行なっているた め、 モードの識別が容易となり、 またどの機能の状態でも同一 の機能指示針を用いるため、 表示部の面積が大きくなり、 目盛 が読み取り易くなつている。 しかしながら、 モード表示専用の 副針を設けなければならないので、 専用の輪列が必要となり、 モジュールのスペースが制約される。 また、 副針を用いるため 針間隔が増えてしまい、 デザィ ン上でも制約を与えることと
なっていた。
一方、 この種のメータ機能付き電子時計の中には、 水深表示 機能ができるものがあるが、 水深計測モードにおけるメータの 目盛の刻み方としては時計の時刻目盛をそのまま兼用する方法 と時刻目盛とは別に円周上に目盛を設ける方法とがある。 しカゝ るに上記時刻目盛を兼用する従来の方式は時刻の分に対応した 6 0分割の目盛に対し 1 目盛 1 mで合計 6 O mの均等目盛で使 用している。
時計の分の目盛に合わせて一周を 6 0分割の均等目盛とする 方式は、 普段読み慣れている時計の分と対応しているので大変 読取やすい。 しかし、 この方式においては 1 目盛の分解能を例 えば 1 mのように細カゝく取ると表示範囲が 6 0 mまでしか取れ ず、 また表示範囲を広げるために 1 目盛を例えば 5 mにした場 合には表示範囲は 3 0 0 mと拡張することができるが、 読み取 り精度が悪くなるという欠点がある。 また時刻目盛を兼用しな い独立方式は文字板上に新たな目盛を設けるという構造上の問 題があると共に、 目盛が複数になるためどの目盛を用いればよ いかがわかりにく く読み取りにくいという問題がある。
さらに、 指針表示装置において水深等の測定値は測定毎に常 時表示しているが、 測定中の最大値を同時に表示しているもの はなく、 最大値を知りたいときは測定中に最大値を記憶してお き、 測定終了後に最大値を呼び出すのが一般的である。
[発明の開示]
本発明の第 1の目的は、 モー ド表示および機能量の表示面積 が大き く て目盛が読み取りやすく且つ小型、 薄形化が可能な
メータ機能付電子時計を提供することにある。
本発明の第 2の目的は、 時刻目盛兼用方式で分解能を保ちな がら表示範囲を拡張したメータ機能付電子時計を提供すること ある。
本発明の第 3の目的は、 潜水深度と潜水最大値を同時に表示 してダイバーが安心して使用できる指針式表示装置を提供する ことにある。
上記第 1の目的を達成するために、 本発明は、 物理量データ 信号を発生するデータ信号発生手段と、 機能モード信号を発生 するモード信号発生手段とを有し、 指針式電子時計の文字板を ダイヤルとして兼用してメータ表示を行なうメータ機能付電子 時計において、 前記ダイャルの表示領域をデータ表示領域と モー ド表示領域とに分割し、 前記データ信号発生手段からの データ信号により指針の一つがデータ表示領域を指示し、 前記 モード信号発生手段からのモード信号により指針の一つがモー ド領域を指示することを特徴としている。
本発明の第 2の目的を達成するために、 本発明は、 指針式電 子時計の文字板をダイャルにおける目盛の基準位置から一定の 角度範囲においては時刻の目盛とメータとが 1対 1 に対応して 設けられ、 前記一定の角度を過ぎたダイャル範囲においては、 前記時刻目盛に対してメータ目盛が倍数対応に目盛られている ことを特徴とする。
本発明の第 3の目的を達成するために、 本発明は、 信号検出 手段、 該信号検出手段からの出力信号をデジタル化した検出信 号に変換する信号処理手段、 該信号処理手段からの出力信号に
よりモータ駆動信号を作成する第 1モータ駆動回路、 該第 1 モ —タ駆動回路により駆動される第 1モータ、 該第 1モータによ つて駆動される検出信号表示針を備えた指針式表示装置におい て、 最大値記憶手段と該最大値記憶手段の記憶値にしたがって モータ駆動信号を作成する第 2モータ駆動回路、 該第 2モータ 駆動回路により駆動される第 2モータ、 該第 2モータによって 駆動される最大値表示針、 前記検出信号と最大値記憶手段の記 憶値とを比較する比較手段、 該比較手段の比較信号に従って前 記検出信号を最大値記憶手段に書き換えるための最大値書き換 え手段を備えることによ り、 前記最大値表示針が前記検出信号 の中の最大値を表示することを特徴とする。
[図面の簡単な説明]
第 1図は従来の指針表示式多機能時計の表示部の一例、 第 2 図は従来の指針表示式多機能時計の表示部の他の例、 第 3図は 本発明の第 1の実施例としての水深計測機能付指針表示時計の 外観図、 第 4図は第 3図に示した時計のモー ド表示部の拡大 図、 第 5図は第 3図に示した本発明の第 1の実施例のプロック 線図、 第 6図は第 3図に示した本発明の第 1の実施例の各モ一 ドにおける動作のフローチヤ一卜の一部、 第 7図は第 6図に続 く フローチャー ト、 第 8図は本発明の第 2の実施例としての水 深計測機能付表示時計の外観図、 第 9図は第 8図に示した本発 明の第 2実施例における水深計測モードのフローチャー ト、 第
1 0図は本発明の第 3の実施例としての水深計測機能付指針表 示時計の外観図、 第 1 1図は第 1 0図に示した本発明の第 3の 実施例の変形例の外観図である。
[発明を実施するための最良の形態]
以下に本発明を図面に基づいて説明する。
第 3図は本発明の第 1の実施例としての水深計測機能付指針 表示時計の外観図である。 1 0は時計ケース、 1 1はリ ング上 に分の表示目盛が刻まれたレジスタ リ ングである。 1 2は文字 板であり、 この文字板 1 2の円周部 1 2 aには分の表示目盛が 刻まれている。 この表示目盛の内側には 5分おきの位置に夜光 マーク 1 8が付されており、 潜水中でも時刻や深度の表示がダ ィバ一に読み易くなっている。 表示目盛は水深度の目盛も兼ね ており、 水深度の表示単位は分の 1 目盛当り l mとなってお り、 水深度の表示は 1 2時位置 ( O m目盛位置) から 5 5分目 盛位置 ( 5 5 m目盛位置) までが表示領域となっている。 さら に円周部 1 2 aには、 5 5分目盛位置と 1 2時位置との間には 第 4図に拡大して示すように時刻モードを示す T Kマーク 1 2 bと、 深度アラーム設定モードを示す A Lマーク 1 2 cと、 水 深計測オーバーを示す " 0 V " マーク 1 2 dが刻まれてい る。
文字板 1 2における表示は 1 2時位置 (O m目盛位置) から 5 5分目盛位置 ( 5 5 m目盛位置) まで水深計のデータ表示領 域となっており、 5 5分目盛位置から 1 2時位置までがモード 表示領域となっている。 すなわち、 1 2時位置から時計回りに 見て前の領域がデータ表示領域で後の領域がモード表示領域と なっている。
文字板 1 2の中心部には時針 1 3、 分針 1 4、 秒針 1 5から 成る時刻表示針と、 深度針 1 6と、 モード表示針を兼ねた最大
深度針 1 7 とが設けられている。 時針 1 3、 分針 1 4、 秒針 1 5と、 深度針 1 6、 最大深度針 1 7 とは各々別のモータで駆 動されるように構成されている。 2 0、 2 1 、 2 2は押しボタ ン、 2 3はリ ューズであり、 これらはいずれも修正用の外部操 作部材を構成するものである。 3 0は深度を検出するための水 圧センサである。
押しボタン 2 0は時刻モード、 深度アラーム設定モード、 水 深計測モー ドを切り換え指定するボタンであり、 押しボタン 2 0の短時間 ( 2秒未満) 操作により、 最大深度針 1 7が時刻 モードを表す " T K " の位置、 深度アラーム設定モードを表す " A L " の位置、 また押しボタン 2 0を一定時間押し続けるこ とにより最大深度針 1 7は水深計測モードを表す 0 m目盛位置 を切り換え指示する。 最大深度針 1 7が " T K " マーク 1 2 b の位置を指示している時は、 深度針 1 6が O m目盛位置に待機 して時刻モードであることを示している。
押しボタン 2 0の操作によつて選択された時刻モード状態で 押しボタン 2 2を操作することにより最大深度のメモ呼び出し が行なえ、 前回潜水した時の最大深度の値を最大深度針 1 7が 指示し、 押しボタン 2 1 を操作することにより深度アラームお よび浮上速度警告アラームのサゥンドモニターが聞ける。
また押しボタン 2 0の操作によって深度アラーム設定モード が選択され、 最大深度針 1 7力 s " A L " マーク 1 2 cの位置に 移動した時は、 すでに深度アラームが設定されていれば深度針 1 6は設定された深度まで移動し、 また深度アラームが設定さ れていなければ、 深度針 1 6は O m目盛位置に待機したままと
なる。
前記アラーム設定モード状態での押しボタン 2 1 、 2 2の操 作により深度アラーム設定値を 1 m単位で正転、 逆転設定が可 能であり、 このアラーム設定によって水深計測モード状態での ダイバーの潜水による水深値が設定した深度アラーム設定値を 越えると深度アラームを報知する。 浮上速度警告アラームは水 深計測モード状態において急激な浮上 (たとえば 1秒間に 4 m 以上) を行なった時に体に悪影響を与えるので報知する。
次に押しボタン 2 0を一定時間 (本実施例では 2秒以上) 押 し続けることによって水深計測モードが選択されると、 最大深 度針 1 7が O m目盛位置に移動し、 同時に深度針 1 6と O m目 盛位置に待機して水深計測が可能になる。 この状態でダイバー が潜水を行ない水深計測が開始されると、 深度針 1 6を最大深 度針 1 7が移動して水深値を表示し、 深度針 1 6は潜水中の現 在深度を指示し、 最大深度針 1 7は潜水時における最大深度の 位置を常時指示する (置き針と同じ動き) 。 そして水深計測値 が深度アラーム設定値を越えると深度アラームが報知され る。
さらには、 水深計測の表示領域の M A X 5 5 mよりもさらに 深く潜水した時は、 深度針 1 6と最大深度針 1 7は早送り駆動 されて、 ただちに水深計測オーバーを示す " 0 V " マーク 1 2 dの位置に両方の針が移動し且つ深度アラームが報知される。 また、 ダイバーが水深計測表示領域まで浮上してきた時には深 度針 1 6は現在深度を指示し、 最大深度針 1 7は " 0 V " マ一 ク 1 2 dの位置を指示したままとなる。
リ ューズ 23は 1段引きでカレンダ、 2段引きで時刻の修正 を機械的に行ない、 通常状態では押し込んだ 0段引きの位置に ある。
第 5図は第 3図に外観を示した水深計測機能付指針表示時計 1の基本構造を示すプロック線図である。
30はダイヤフラム型半導体よりなる水圧センサであり、 水 圧の変動に応じて電気的なセンサ信号を出力する。 3 1は水圧 測定回路であり、 周知の増幅回路 3 1 a、 AZD変換回路 3 1 b、 センサ駆動回路 3 1 c、 電源回路 3 1 d、 制御回路 3 1 e とで構成されている。 3 2はマイ コン部であり、 基本的には C PU 32 a、 RAM32 b、 R 0 M 32 cから構成されてい る。 R OM32 cには C P U 32 aを制御するプログラムが書 き込まれており、 C P U 32 aはそのプログラムに従って水圧 測定回路 3 1からの水深情報 P sや後述するスィ ッチブロ ック 33からの情報を取り込んだり、 必要に応じて処理したデータ に基づいてモータ 34、 3 5、 3 6に作動信号を出力する。 3 7はクロ ック信号発生用の水晶振動子であり、 スィ ッチブ ロ ック 3 3は第 3図に示した押しボタン 2 0、 2 1、 2 2、 リ ュウズ 23によって操作されるスィ ツチ群である。
モータ 34は時針 1 3、 分針 1 4、 秒針 1 5が連動した時刻 表示装置を、 モ一夕 35は深度針 1 6を、 モータ 36は最大深 度針 1 7をそれぞれ駆動する。 3 9はアラームを報知するブ ザ一である。
次に第 6図および第 7図を参照して上記水深計測機能付指針 表示時計の動作を説明する。
まずダイバーによる押しボタ 2 0の操作状態 (モードセレク タ M S ) からモードの種別を判別する (F— 1 ) 。 判別の結果 、 時刻モード (MS = 0 ) ならば最大深度針 1 7を時刻モード を示す " T K " マーク 1 2 bを指示するようにし ( F— 2 ) 、 深度針 1 6を O m目盛位置を指すようにする ( F— 3 ) 。 そし て時刻表示処理 (F— 4 ) を行ない、 時針 1 3、 分針 1 4、 秒 針 1 5により時刻表示を行なう。 この間にダイパーにより押し ボタン 20が再び操作されたか否か (押しボタン 2 0により操 作されるモードセレク トスイ ッチ MS— SWが O Nか?) を判 別し ( F— 5 ) 、 操作されていなければステップ ( F— 4 ) に もどって時刻処理を繰り返し、 時刻表示を継続する。 また操作 された時はその操作時間が 2秒以上か否かを判別する ( F— 6 ) 。 そして 2秒以上ならば水深測定モード (M S = 2 ) を設定 して (F— 7 ) ステップ (F— 1 ) にもどり、 2秒以下ならば 深度アラーム設定モード (M S = 1 ) を設定して ( F— 8 ) ス テツプ (F— 1 ) にもどる。 すなわち押しボタン 2 0の操作が 2秒以下なら深度アラーム設定モードへ移行し、 2秒以上押し 続けられたら深度計測モードへ移行する。
次にダイバーが押しボタン 2 0を操作することにより第 6図 に示す ( F— 8 ) に深度アラーム設定モード (M S = 1 ) が設 定されると、 ステップ ( F— 1 ) において (M S = 1 ) に移行 し、 最大深度針 1 7を " A L" マーク 1 2 Gを指示させる ( F 一 9 ) 。 このとき水深針 1 6は 0 m目盛または以前に設定して あるアラーム深度目盛に移動する ( F— 1 0 ) 。 ここで押しボ タン 2 1、 22を操作してアラーム深度を 1 m単位で新たに設
定する ( F— 1 1 ) 。
その後押しボタ ン 2 0が押されたか否かを判別し ( F— 1 2 ) 、 押されていなければステップ ( F— 1 0 ) にもどって 深度アラーム設定動作を続け、 また押された時は 2秒以上押さ れたか否かを判別する (F— 1 3) 。 そして 2秒以上押された 時は水深計測モー ド (M S = 2 ) を設定して (F— 1 4 ) ス テツブ ( F— 1 ) にも どり 、 2秒以下の時は、 時刻モー ド (M S = 0 ) を設定して (F— 1 5) ステップ (F— 1 ) にも どる。
次に、 ダイバーが押しボタン 20を操作することにより第 6 図に示すステップ (F— 7 ) またはステップ (F— 1 4) にて 水深測定モー ド (MS = 2 ) が選ばれると、 ステップ ( F— 1 ) において (MS = 2 ) に移行し、 第 7図に示すように、 水 圧センサ 30および水圧測定回路 3 1に電源電圧を印加して水 深測定モードを設定し (F— 1 6) 、 最大深度針 1 7を Om目 盛位置に移動する ( F— 1 7 ) とともに、 深度針 1 6も 0 m目 盛位置に移動する ( F— 1 8 ) 。 このように両深度針 1 6、 1 7が Om目盛位置を指したことで水深計測モードであること がダイバーにわかる。 ダイバーが潜水を始めるに従って水圧セ ンサ 30からのセンサ信号を水深測定回路 3 1で受け、 増幅回 路 3 1 aで増幅した後 AZD変換回路 3 1 bで AZD変換して マイ コン部 32に送る。 マイ コン部 32では R OM32 cに書 き込まれているプログラムに従って所定の演算式により水深値 が演算される (F— 1 9 ) 。 そして演算された水深値が 1 m以 上か否かが判別され (F - 20 ) 、 l m以下の時は再び押しボ
タン 20の O NZO F Fを判別し (F— 2 1 ) 、 O Nされてい なければステップ (F— 1 9 ) にもどって水深計測を続けるが 、 0 Nされている時はその操作時間が 2秒 m以上か否かを判別 し ( F— 22 ) 、 2秒以下ならステツブ ( F— 1 9 ) にもどつ て水深計測を続ける。 また 2秒以上ならばダイバーが潜水を終 了する旨の意志表示であると見て時刻モード (MS = 0) を設 定し (F— 23) ステップ (F— 1 ) にもどる (第 6図参照) 一方、 ステップ (F— 20) において水深が 1 m以上である と判別された時は水深が水深アラーム設定モードで設定された 水深値に達したか否か判定し (F— 24) 、 設定水深値未満な らば直接、 また設定水深値以上ならばブザー 29を駆動して深 度アラームを報知 (F— 25 ) を行なった後、 水深値が 55m 計測範囲をオーバーしたか否かの判定 ( F— 2 6 ) を行な 。
そして判定結果が 55 m以上の計測範囲ォ一パーであれば水 深針 1 6と最大水深針 1 7を計測範囲オーバ一を示す "0 V" マーク 1 2 dの位置に早送りしてオーバ一表示 ( F— 27 ) を 行なわせた後、 ステップ (F— 1 9 ) にもどって水深計測を続 ける。 そしてダイバーが 55 m以上の潜水を継続している間は ステップ ( F— 1 9 ) からステップ ( F— 2 0 ) 、 ( F - 24) 、 (F— 26) 、 (F— 27 ) の動作が行なわれる。 次にステップ (F— 26) での判定結果が 55 m未満の場合 はその水深値を水深針 1 6によって水深表示 (F— 28) させ るとともに前記ステップ (F— 27) でのオーバー表示が行な
われたか否かの判定 ( F— 2 9 ) を行なう。 そして判定結果が オーバ一表示が未だ行なわれていない場合には新たな最大深度 表示を行なった後 ( F— 30 ) ステップ ( F— 1 9 ) にもどつ て水深計測を続けるが、 判定結果がすでにオーバー表示が行な われていた場合には新たな最大深度表示を行なわずにステップ ( F— 1 9 ) にもどって水深計測を続ける。 すなわち 1回でも ダイバーが計測範囲オーバーの 5 5 mを越えて潜水した場合に は、 その後 5 5 m未満の計測範囲内にもどってきても水深針 1 6は実際の水深値表示に復帰するが、 最大深度針 1 7は最大深 度が 5 5 mを越えているので新たな最大深度の表示は行なわず "0 V " マーク 1 2 dの位置に固定されて最大深度が 5 5 mを 越えたことを記憶する。
第 8図は本発明の第 2の実施例としての水深計測機能付指針 時計の平面図である。
この実施例が第 3図に示した第 1の実施例と外観上異なるの は、 文字板 1 2の深度目盛の表示の仕方である。 すなわち、 文 字板 1 2の周辺部 1 2 aには 3 0分位置までは 1分単位、 3 0 分位置から 5 5分位置までは倍数目盛が刻まれている。 すなわ ち第 8図の実施例における水深計の表示単位は 1分目盛当りの 表示が 0 m〜3 O mまでは 1 m、 3 O m〜 80 mまでは 2 mと なり、 さらに、 3 0 π!〜 80 mまでは 1分目盛間に小目盛を設 けて 1 m単位で読めるようにした表示方法である。 さらに深度 計が読み取り易いように 3 m、 6 m、 9 m位置などに相当する 分の表示目盛位置には数値が刻まれている。
第 9図は第 2の実施例の水深計測モードにおける動作を示す
フローチヤ一卜である。
まず前記機能モード切換ボタンである押しボタン 20を操作 して水深計測モードを指定 ( S— 1 ) する。 水深計測モードが 指定されると、 マイコン部 32は水圧測定回路 3 1を O N状態 にし、 水深測定を開始 (S— 2 ) する。 この水深測定はマイコ ン部 32が一定時間ごとに行ない、 水圧センサ 30からのセン サー信号を AZD変換回路 3 1 bにより AZD変換した水深情 報 P sを入力して水深値を演算し、 水深値が 3 Omより大きい か小さいかの水深判断を行ない (S— 3) 、 大きいときは 30 m以上の水深値を表示する位置まで運針するための水深運針パ ルスの符号とパルス数を算出する (S— 4) 。 またステップ
( S - 3 ) で 30 mより小さいと判断された時は 30 m以下の 水深値を表示する位置まで運針するための水深運針パルスの符 号とパルス数を算出 (S - 5) し、 水深駆動用モータ作動状態
( S - 6 ) へ進み、 ステップ ( S— 4) 又はステップ (F— 5 ) で算出した水深運針パルスの符号とパルス数をモータ 35 に出力する。 この結果モータ 35は水深運針パルスの符号とパ ルス数によって正回転又は逆回転され、 水深表示を行なう (S - 7) ことにより 1回の測定動作が終了する。 以下同様の動作 に従って水深測定が繰り返される。
第 1 0図は本発明の第 3の実施例としての水深計測機能付指 針表示時計の外観図である。
この実施例は水深をフィート単位で表示するもので、 そのた めに、 文字板 1 2の深度目盛がフィート単位で表示されている 点を除けばすべて第 3図に示した時計の外観と同じであり、 同
じ部分には同じ参照数字を付して示した。
この実施例においては、 文字板 1 2の周辺部 1 2 aに 5分位 置ごとに 2 0フィ一ト単位数値の目盛が 2 2 0フィートまで付 され、 目盛数値の間に 1 0フィート単位に相当するマークを黒 丸で付している。 また後述する水深深度針 1 6の表示はモー夕 により 1 フィート単位で運針する。 文字板 1 2における水深の 表示は、 1 2時位置 ( 0フィート目盛位置) から 5 5分目盛位 置 ( 2 2 0 フ ィ ー ト 目盛位置) までが表示領域となってい る。
この実施例において、 フィ一卜表示を行なうためのセンサ信 号の処理回路および処理は第 6図に示した第 1の実施例におけ る処理と同じであるので説明は省略する。
第 1 1図は第 1 0に示した第 3の実施例を変形したもので、 水深をメートル単位とフィート単位の両方で表示するものであ り、 そのために文字板の深度目盛がメ一トル単位とフィート単 位の両方で表示されている。
この実施例においては文字板 4 0にはメータ目盛部である メ一トル単位表示部 4 O aおよびフィート目盛部であるフィ一 ト単位表示部 4 0 bの両表示が施され、 5分位置ごとにフィ一 ト単位表示部 4 O bには 2 0フィー卜単位数値の目盛が 1 8 0 フ ィ ー ト (メー トルでは約 5 5 mに相当) まで付されてい る。
この実施例に示すごとく一般のダイバーが潜水を行なうため の深度としては 5 0〜6 O m程度が必要であり、 この深度を時 計文字板に刻まれた 6 0等分の時刻目盛に付してメー トルと
フィ一卜の 2種類の目盛を割り付けつけることを考えると、 メ —トル目盛は 5分単位ごとに 5 m ( 1 目盛 l m ) の数字を設け ることで 5 5 mまでの表示が可能となり、 またダイバーズゥォ ッチ特有の 5分単位の夜光マークを利用して 5 mごとの区切り のよい深度を知ることができる。
—方、 フィー ト目盛も夜光マークのある 5分単位のマーク を利用すればよいことは当然であるが、 メートルと同じ深度 を 5分単位のマークに割り付けよう とすると、 5メートルは 1 8 . 0フィートなのでマークに設ける数字が 1 8 . 0のごと く中途半端な数字となり、 フィート目盛を利用するダイバーに とって読み取りにくいものとなる。 そこで本実施例では 5分単 位のマークに割り付けるフィ一卜の数字として 5メートルにで きるだけ近似し且つ区切りのよい数字を選択して 2 0フィート ( 4 . 0 m ) としている。
この結果、 5分単位のマークに対応するメ一トルとフィート との深度は異なる値となるが、 どちらの目盛を使用する場合で も夜光マークに対する数字がわかりやすい値となる。
さらに、 本実施例においては水深を指示する深度針として メートル表示用深度針 1 6 aとフィート表示用深度針 1 6わと を設けることによ り 2種類の単位を同時に読み取れるように なっており、 第 1 1図に示すごとく 2つの深度針 1 6 aと 1 6 bは異なる指示位置となっているが、 常に同じ水深値を表示し ている。 上記のごとく時計の時刻目盛を兼用し、 ダイバーに必 要な水深値をメートルとフィー卜の 2種類の目盛を読み取り易 い数字で表現しょう とした場合、 5分単位のマークに 5 mと
2 0フィートを割り付けて、 約 5 5メートルの表示範囲とする か、 1 0 mと 4 0フィートを割り付けて 1 1 0メートルの表示 範囲とするのが望ましく、 時刻の 5分単位に対するメ一トル目 盛の数字は 5の整数倍がよく、 フィート目盛の数字は 2 0の整 数倍がよい。 水深計測の基本構成および動作は第 9図に示した 実施例と同じであり、 メートル表示用深度針 1 6 aとフィート 表示用深度針 1 6 bは各々別のモータで運針される。
本実施例においては、 メートル表示用深度針 1 6 aとフィ一 ト表示用深度針 1 6 bは別々のモータで運針する構成とした 力 本発明はこれに限定されるものではない。 距離を表示する メー トルとフィー トは一定の関数関係があるため 1 つの駆動 モータを用い、 メートル表示用深度針 1 6 aとフィー ト表示用 深度針 1 6 bを一定の減速比で輪列を介して結合することによ りメートル単位とフィ一ト単位の水深を同時に表示することも 可能である。
この実施例においても、 フィ一ト表示およびメートル表示を 行なうためのセンサ信号の処理回路および処理は第 6図および 第 7図に示した実施例における処理と同じであるので説明は省 略する。
以上説明したように、 本発明によれば、 指針式電子時計の文 字板をデータ表示領域とモ一ド表示領域とに分けて指針で指示 することによってデータ表示とモード表示とが非常に見易くな り、 モード表示のための専用の表示針が不要となる。 さらに、 時計の文字板の 1 2時の位置から時計回りの方向に見て前半の 大部分をデータ表示に使い後半の一部をモ一ド表示に使うよう
にしたので、 充分に広いデータ表示領域が得られるとともに、 必要なモード数に応じた見易いモード表示が可能になった。
さらに本発明によれば、 データ表示領域を非線形表示にする ことによって全体のデータ表示領域を広げることができるとと もに必要な部分での表示分解能を高めることができる。
さらに、 本発明によれば、 時刻目盛と機能目盛を兼用するこ とにより文字板の目盛が非常に読み易くなり、 特に複数の読み 取り単位 (たとえばメートル単位とフィート単位) を有する場 合でも各目盛を時刻目盛と兼用させることにより、 表示したい 機能の数に対して目盛を複雑にせずにすむという効果がある。