JPWO2020080190A1 - 熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法 - Google Patents
熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
〔態様1〕
オートクレーブを用いて複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が一体化された熱可塑性液晶ポリマー構造体を製造する方法であって、
複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が重ね合わせられた予備積層体をバギングフィルムで被覆し、前記バギングフィルムの端部をシールする封入工程と、
前記バギングフィルム内部の排気を行い、予備加熱温度である第1温度まで昇温を行う昇温工程と、
前記第1温度を起点として、オートクレーブの内圧を2.8MPa以下(ゲージ圧)(好ましくは2.5MPa以下(ゲージ圧)、さらに好ましくは2MPa以下(ゲージ圧))の所望の圧力へ昇圧するとともに、熱圧着温度である第2温度へ昇温する熱圧着工程と、
を少なくとも備える熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法。
〔態様2〕
態様1に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、予備積層体の中で最も融点の低い熱可塑性液晶ポリマー要素の融点をMLとした場合、第1温度が(ML−150)℃〜(ML−50)℃(好ましくは(ML−130)℃〜(ML−70)℃、または150〜250℃、好ましくは180〜230℃)程度の範囲である、製造方法。
〔態様3〕
態様1または2に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第1温度での保持時間が1〜120分間(好ましくは3〜60分間)程度である、製造方法。
〔態様4〕
態様1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第1温度への昇温速度が、1〜10℃/min(好ましくは2〜8℃/min)である、製造方法。
〔態様5〕
態様1〜4のいずれか一態様に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、予備積層体の中で最も融点の高い熱可塑性液晶ポリマー要素の融点をMHとした場合、第2温度が、(MH−30)℃〜(MH+10)℃(好ましくは(MH−10)℃〜(MH+5)℃)程度の範囲である、製造方法。
〔態様6〕
態様1〜5のいずれか一態様に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第2温度での保持時間が15〜60分間(好ましくは20〜50分間、さらに好ましくは20〜40分間)程度である、製造方法。
〔態様7〕
態様1〜6のいずれか一態様に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第2温度への昇温速度は、2〜20℃/min(好ましくは3〜15℃/min、より好ましくは4〜10℃/min)である、製造方法。
〔態様8〕
態様1〜7のいずれか一態様に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、昇温工程に先立って、脱気乾燥工程が行われる、製造方法。
〔態様9〕
態様8に記載の製造方法であって、脱気乾燥工程後の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの水分率が380ppm以下(300ppm以下、または200ppm以下)である、製造方法。
〔態様10〕
態様8または9に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第1温度での保持時間が1〜20分間(好ましくは2〜15分間、より好ましくは2〜10分間)程度である、製造方法。
〔態様11〕
態様1〜10のいずれか一態様に記載の製造方法であって、昇温工程後の予備加熱対象の熱可塑性液晶ポリマー要素の水分率が380ppm以下(300ppm以下、または200ppm以下)である、製造方法。
熱可塑性液晶ポリマー構造体は、複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が一体化された構造体である。複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造は、2以上であればよく、所望の形状に応じて、求められる数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が適宜用いられる。熱可塑性液晶ポリマー副構造の数の上限は特に設定されないが、1000程度であってもよい。熱可塑性液晶ポリマー副構造は、少なくとも熱可塑性液晶ポリマーを含んでいる。
熱可塑性液晶ポリマーは、溶融成形できる液晶性ポリマー(または光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマー)で構成され、この熱可塑性液晶ポリマーは、溶融成形できる液晶性ポリマーであれば特にその化学的構成については特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性液晶ポリエステル、又はこれにアミド結合が導入された熱可塑性液晶ポリエステルアミドなどを挙げることができる。
から選ばれる少なくとも一種の芳香族ヒドロキシカルボン酸と、少なくとも一種の芳香族ジオールと、少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸との繰り返し単位を含む共重合体が好ましい。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムに対して、導体層(信号層、電源層、グラウンド層などの導電性がある層、例えば、導体パターン、導体箔、導体膜などで形成された層)を形成する場合は、公知又は慣用の方法により導体層と熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの一体化工程を行うことができる。この一体化工程により、導体層を一方の面に有する熱可塑性液晶ポリマーフィルムを作製してもよく、導体層を双方の面に有する熱可塑性液晶ポリマーフィルムを作製してもよい。
例えば、熱可塑性液晶ポリマーフィルムに対して金属箔などを熱圧着することにより、片面金属張積層体または両面金属張積層体とし、必要に応じてさらにエッチングすることなどにより、必要な導体層の形状を形成してもよい。
必要に応じて、後述する昇温工程に先立って、熱可塑性液晶ポリマー副構造は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムに存在するエアーや水分を除去するための脱気乾燥工程へ供せられてもよい。脱気乾燥工程は、熱可塑性液晶ポリマー副構造が重ね合わされた予備積層体を形成するのに先立って、個々の熱可塑性液晶ポリマー副構造およびこれらの組み合わせに対して行われてもよいし、予備積層体に対して行われてもよいし、双方が行われてもよい。脱気乾燥工程を行うことにより、熱可塑性液晶ポリマー構造体の一体性をより強固なものとすることができる。また、昇温工程や熱圧着工程にかかる時間を短くすることが可能となる。
脱気乾燥工程により、熱可塑性液晶ポリマー副構造の熱接着性を向上することができ、熱可塑性液晶ポリマー副構造の層間接着性を向上することができる。
また、脱気乾燥工程に要する時間は、例えば、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの水分率が、所定の範囲(例えば、380ppm以下、300ppm以下、または200ppm以下)になる時点を見計らって適宜設定してもよい。
具体的には、例えば、脱気乾燥工程が、80℃〜300℃の範囲で所定の時間加熱して、脱気乾燥を行う第一の脱気乾燥工程と、真空度1500Pa以下で、さらに所定の時間脱気乾燥を行う第二の脱気乾燥工程とを備えていてもよい。これらの脱気乾燥工程を行う際には、上述した条件を適宜組み合わせて行うことができる。
本発明では、熱可塑性液晶ポリマー副構造を複数積層した予備積層体に対し、オートクレーブを用いてこれらを熱圧着することにより一体化された熱可塑性液晶ポリマー構造体を製造することができる。
前記製造方法は、複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が重ね合わせられた予備積層体をバギングフィルムで被覆し、前記バギングフィルムの端部をシールする封入工程と、前記バギングフィルム内部の排気を行い、予備加熱温度である第1温度まで昇温を行う昇温工程と、前記第1温度を起点として、オートクレーブの内圧を2.8MPa以下(ゲージ圧)の所望の圧力へ昇圧するとともに、熱圧着温度である第2温度へ昇温する熱圧着工程と、を少なくとも備えている。
封入工程では、複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が重ね合わせられた予備積層体を準備し、前記予備積層体をバギングフィルムで被覆した後(好ましくは包まれた後)、前記バギングフィルムの端部をシールする。前記予備積層体の積層構造は、用途などに応じて適宜決定される。
昇温工程では、前記バギングフィルム内部の排気を行い、予備加熱温度である第1温度まで昇温が行われる。バギングフィルム内部の排気機構は、排気ができる限り特に限定されないが、例えば、バギングフィルムの端部をシールした後、バギングフィルム内部の排気を行う。昇温は、バギングフィルムの排気の前に行われても、排気と重なっていても、排気の後に行われても、いずれであってもよい。
熱圧着工程では、前記第1温度を起点として、オートクレーブの内圧を2.8MPa以下(ゲージ圧)の所望の圧力へ昇圧するとともに、熱圧着温度である第2温度へ昇温して、予備積層体の層間における熱圧着が行われる。
が可能であるが、例えば、15〜60分間程度行われてもよく、好ましくは20〜50分間程度、さらに好ましくは20〜40分間程度行われてもよい。
得られた熱可塑性液晶ポリマー構造体は、熱可塑性液晶ポリマー副構造の一体性に優れつつ、製造過程において構造体を構成する熱可塑性液晶ポリマー分子が過度に流動することに由来する樹脂フローの発生を抑制し得る。
なお、積層の際の熱圧着時において熱可塑性液晶ポリマー要素の熱膨張係数が調整されない場合、熱可塑性液晶ポリマー要素(または熱可塑性液晶ポリマー層)の熱膨張係数は、熱可塑性液晶ポリマー構造体を構成する各熱可塑性液晶ポリマー副構造で用いられた熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数と同じと判断してもよい。
(I)複数のL
(II)複数のCL
(III)複数のCLC
(IV)一または複数のLおよび一または複数のCL
(V)一または複数のLおよび一または複数のCLC
(VI)一または複数のL、一または複数のCL、および一または複数のCLC、ならびに
(VII)一または複数のCLおよび一または複数のCLC。
ここで、L:熱可塑性液晶ポリマー層単独、CL:導体層を一方の面に有する熱可塑性液晶ポリマー層、およびCLC:導体層を双方の面に有する熱可塑性液晶ポリマー層を意味する。これらの中で、L,CL,およびLCLを重ね合わせる順序や向きは、用途に応じて適宜設定することが可能である。
薄手用途の場合、例えば、熱可塑性液晶ポリマー構造体の厚みは、30μm以上、50μm以上、100μm以上であってもよい。厚みの上限は適宜設定することが可能であるが、例えば、150μm以下であってもよい。
厚手用途の場合、例えば、熱可塑性液晶ポリマー構造体は、150μmを超えていてもよく、250μm以上、350μm以上、450μm以上、または550μm以上であってもよい。厚みの上限は適宜設定することが可能であるが、例えば、5mm以下であってもよい。
特に、本発明では、厚手用途に用いられる場合でも、熱圧着により構造を一体化でき、隣接する副構造間の接着強度を高めることができて好ましい。
例えば、本発明の熱可塑性液晶ポリマー構造体は、電気・電子分野や、事務機器・精密機器分野などにおいて用いられる部品として有効に用いることができ、例えば、多層回路基板(特にミリ波レーダ用基板)、パワーモジュールなどとして有用に用いることができる。
TAインスツルメント製 DSC Q2000を用いて、サンプル5mgについて、室温から毎分20℃の速度でサンプルを重合した温度まで昇温を行い、その温度で2分保持し、毎分20℃の速度で25℃まで冷却を行い、25℃で2分保持し、再び毎分20℃の速度で昇温した際の、吸熱ピーク温度を融点とした。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数は熱機械分析装置((株)島津製作所製 TMA-60)を用いて、幅5mm、長さ20mmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムの両端に1gの引張荷重をかけ、室温から5℃/分の速度で200℃まで昇温した後、20℃/分の速度で30℃まで冷却し、再び5℃/分の速度で昇温した時の30℃と150℃の間の長さの変化に基づいて算出した。
熱可塑性液晶ポリマー構造体における熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は代表値として、表面および裏面のそれぞれについて、最外層の熱可塑性液晶ポリマー層を剥離し、得られた二層をそれぞれ熱可塑性液晶ポリマーフィルムとみなした。そして、上述のように熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数の測定と同様の方法で、それぞれの層の測定を行った。熱可塑性液晶ポリマー構造体における熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数の公差については、得られた二層のそれぞれの熱膨張係数について、一方を最大値、もう一方を最小値として、その差を熱可塑性液晶ポリマー要素の熱膨張係数の公差とした。
JIS C5016−1994に準拠して、毎分50mmの速度で、隣接する熱可塑性液晶ポリマーフィルム間において、一方を、他方に対し90°の方向に引きはがしながら、引っ張り試験機((株)イマダ製 デジタルフォースゲージZTS−500N)により、引きはがし強さを測定し、得られた値を接着強度とした。熱圧着性の判断は、隣接する熱可塑性液晶ポリマー副構造同士が剥がれない実用上問題のない接着強度の下限値が0.4N/mmであることを確認した上で、隣接する熱可塑性液晶ポリマー副構造間の接着強度が0.4N/mm以上である場合を接着性良好とし、合格の範囲内であると判断した。
なお、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの一方向(MD方向)と、それに対する直交方向(TD方向)について、それぞれ、両側から引きはがすことにより、MD順方向(またはMD進行方向)、MD逆方向(またはMD非進行方向)、TD順方向(またはTD右方向)、TD逆方向(またはTD左方向)の4方向について接着強度を測定し、その平均値を熱可塑性液晶ポリマーフィルム間の接着強度の代表値とした。
また、接着強度はランダムに選択した当接する二層を引きはがし、その強度により評価した。
熱可塑性液晶ポリマー構造体から、マイクロ波共振導波管中に挿入できる程度に切片を切り出し、サンプルとした。なお、熱可塑性液晶ポリマー構造体がそのまま挿入可能な場合は、切片を切り出さずにサンプルとした。
マイクロ波分子配向度測定機において、サンプルを、マイクロ波の進行方向にサンプル面が垂直になるように、マイクロ波共振導波管中に挿入し、該サンプルを透過したマイクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)を測定する。そして、この測定値に基づいて、次式により、m値(屈折率と称する)を算出する。
m=(Zo/Δz)X[1−νmax/νo]
ここで、Zoは装置定数、Δzは物体の平均厚、νmaxはマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイクロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度を与える振動数である。
樹脂フローの有無は積層後の熱可塑性液晶ポリマー構造体の端面で、熱圧着前のカット寸法と比較して、端面において3mm以上の幅に渡り、1.5mm以上の広がりを有する樹脂の流出を確認したものを樹脂フロー「あり」として、不良と判断した。
カールフィッシャー法(カールフィッシャー滴定の原理を利用し、水分を溶媒に吸収させ電位差の変化により水分を測定する方法)に基づき、微量水分測定装置((株)三菱ケミカルアナリテック製 カールフィッシャーVA−100)を用いて、7.0〜1.5gの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを幅3mm、長さ10mmにカットして試料ポートに投入し、以下の条件で測定して得られた値を熱可塑性液晶ポリマーフィルムの水分率とした。
・加熱温度:300℃
・N2パージ圧:0.2MPa
・測定準備(自動)
Purge 1分
Preheat 2分 試料ボード空焼き
Cooling 4分 試料ボード冷却
・測定
滴定セル内溜め込み時間(N2で水分を送り出す時間):15分
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、融点310℃、熱膨張係数18ppm/℃、厚さ18μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製 ベクスター(登録商標))を用い、3枚の副構造を重ね合わせて予備積層体とし、この予備積層体をオートクレーブ((株)芦田製作所製 AC−1200×2100)を用いて、熱圧着を行った。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで18ppm/℃であった。さらに、中央に存在する熱可塑性液晶ポリマー要素についても熱膨張係数を測定したところ、その熱膨張係数は18ppm/℃であった。
また熱可塑性液晶ポリマー構造体のSORは1.02であった。
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、実施例1の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に対して導体パターンを形成したものを用いる以外は、実施例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで18ppm/℃であった。
なお、導体パターンは、銅箔CF−H9A−DS−HD2−12(福田金属箔粉工業(株)製)を使い、真空バッチプレス(北川精機(株)製 商品名:VH2−1600)を用いて290℃、2MPa(ゲージ圧)で積層した後、エッチングにより銅箔パターンを形成した。
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、融点310℃、厚さ100μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを6枚用いるとともに、加熱温度を310℃とする以外は、実施例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで20ppm/℃であった。
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、実施例3の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの片面に対して導体パターンを形成したものを用いる以外は、実施例3と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで20ppm/℃であった。
なお、導体パターンは、銅箔CF−H9A−DS−HD2−12(福田金属箔粉工業(株)製)を使い、真空バッチプレス(北川精機(株)製 商品名:VH2−1600)を用いて290℃、2MPa(ゲージ圧)で積層した後、エッチングにより銅箔パターンを形成した。
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、融点310℃、厚さ100μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを12枚用いる以外は、実施例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで18ppm/℃であった。
熱圧着時の圧力を1MPa(ゲージ圧)とする以外は、実施例5と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで18ppm/℃であった。
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、融点310℃、厚さ100μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを100枚用いる以外は、実施例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで18ppm/℃であった。
熱可塑性液晶ポリマー副構造として、熱膨張係数が互いに異なる融点310℃、厚さ100μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを2枚用いる以外は、実施例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。それぞれの熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数は、10ppm/℃、30ppm/℃であった。
積層された構造体は温度変化により、形状が変わる、いわゆるバイメタル的な特徴を有していた。すなわち、得られた積層体は、積層直後に反りが存在し、この反りは熱プレスで一旦機械的に平坦に成型しても、温度変化により、再度低熱膨張率側に曲がることにより形状が変わる特徴を有していた。
熱圧着時の加熱温度を260℃とするとともに圧力を1MPa(ゲージ圧)とする以外は、実施例3と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで18ppm/℃であった。
熱可塑性液晶ポリマー副構造を、熱風オーブンを用いて200℃で60分間脱気乾燥を行い、水分率を100ppm以下とした後に予備積層体として用い、予備加熱における昇温速度を20℃/min、保持時間を5分間に変更した以外は、実施例3と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
代表値としての最外層の熱可塑性液晶ポリマー要素の面方向の熱膨張係数は、表面および裏面のそれぞれで20ppm/℃であった。
融点310℃、厚さ100μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを3枚重ね合わせ、真空バッチプレス(北川精機(株)製 商品名:VH2−1600)を用いて、真空4torr、260℃、4MPa(ゲージ圧)で30分間プレスした。
熱圧着時の温度を290℃とする以外は、比較例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
熱圧着時の温度を310℃、圧力を2MPa(ゲージ圧)とする以外は、比較例1と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
実施例4で用いた導体パターンが片面に形成された熱可塑性液晶ポリマーフィルムを6枚重ね合わせ、真空バッチプレス(北川精機(株)製 商品名:VH2−1600)を用いて、真空4torr、300℃、2MPa(ゲージ圧)で30分間プレスした。
融点310℃、厚さ100μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルムを3枚用いるとともに、熱圧着時に圧力を3MPa(ゲージ圧)とする以外は、実施例3と同様にして熱可塑性液晶ポリマー構造体を得た。
また、比較例5の結果を参酌すると、予備加熱を行わずにオートクレーブからの加熱加圧ガスにより高圧下で熱圧着した場合、分子の過度な流動により、樹脂フローが発生することが予測される。
2…通気性シート
3…トッププレート
4a,4b…離型材
5…予備積層体
6…キャリアプレート
7…バキュームノズル
8…バキュームシーラントテープ
9…オートクレーブ
Claims (11)
- オートクレーブを用いて複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が一体化された熱可塑性液晶ポリマー構造体を製造する方法であって、
複数の熱可塑性液晶ポリマー副構造が重ね合わせられた予備積層体をバギングフィルムで被覆し、前記バギングフィルムの端部をシールする封入工程と、
前記バギングフィルム内部の排気を行い、予備加熱温度である第1温度まで昇温を行う昇温工程と、
前記第1温度を起点として、オートクレーブの内圧を2.8MPa以下(ゲージ圧)の所望の圧力へ昇圧するとともに、熱圧着温度である第2温度へ昇温する熱圧着工程と、
を少なくとも備える熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法。 - 請求項1に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、予備積層体の中で最も融点の低い熱可塑性液晶ポリマー要素の融点をMLとした場合、第1温度が(ML−150)℃〜(ML−50)℃の範囲である、製造方法。
- 請求項1または2に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第1温度での保持時間が1〜120分間である、製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第1温度への昇温速度が、1〜10℃/minである、製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、予備積層体の中で最も融点の高い熱可塑性液晶ポリマー要素の融点をMHとした場合、第2温度が、(MH−30)℃〜(MH+10)℃の範囲である、製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第2温度での保持時間が15〜60分間である、製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第2温度への昇温速度は、2〜20℃/minである、製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、昇温工程に先立って、脱気乾燥工程が行われる、製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法であって、脱気乾燥工程後の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの水分率が380ppm以下である、製造方法。
- 請求項8または9に記載の熱可塑性液晶ポリマー構造体の製造方法であって、第1温度での保持時間が1〜20分間である、製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法であって、昇温工程後の予備加熱対象の熱可塑性液晶ポリマー要素の水分率が380ppm以下である、製造方法。
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