JPWO2016153052A1 - フォトマスクの製造方法および検査装置 - Google Patents

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Abstract

フォトマスク(10)の製造方法は、フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程前に、製造途中のフォトマスク(18)上の異物検査を行う中間検査工程を含む。

Description

本発明は、フォトマスク上の異物検査を行う中間検査工程を含むフォトマスクの製造方法に関する。また、本発明は、フォトマスク上の異物検査を行う検査装置に関する。
従来、フォトリソグラフィー技術を用いた、半導体集積回路(LSI)、プリント配線板(PWB)、液晶表示パネル(LCD)等の製造に、フォトマスク(レチクル)が用いられている。このフォトマスクは、一般に次のような製造工程を経て製造される。まず、ガラス等からなる透明基材上にクロム等からなる金属膜(遮光膜)を形成し、さらにこの金属膜上に感光性のレジストを塗布する。次に、レジスト膜への電子ビームやレーザービーム等の照射によりマスクパターンを描画し、このレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして金属膜をエッチング等によりパターニングして、パターニングされた金属膜からなるマスクパターン(遮光パターン)を形成する。最後に、レジストパターンを除去してフォトマスクを得る。
このようにして製造されたフォトマスクは、マスクパターンの欠陥の有無について最終検査(パターン検査)が行われ、この最終検査でマスクパターンに欠陥がないと判断されたものだけが、実際にフォトマスクとして使用される。ところが、最終検査でマスクパターンの欠陥が発見されても、フォトマスクの製造のための各工程のうちのどの工程に問題が生じているのかを知ることは困難であった。
フォトマスクの製造のための各工程のうちのどの工程に問題が生じているのかを知るためには、現像工程後やエッチング工程後等、フォトマスクの製造工程の途中で欠陥検査を行うことが考えられる。しかし、LSI等の配線の微細化によりフォトマスクのマスクパターンも微細化され、欠陥検査装置において検査時に照射する電磁波は、短波長化および高出力化している。製造途中のフォトマスク、とりわけレジストが塗布された状態のフォトマスク、に短波長および高出力の電磁波を照射すると、電磁波が照射されたレジストからアウトガスが放出される。アウトガスは、有機材料等から放出される様々なガスであり、このアウトガスが検査装置に付着することにより、とりわけ検査装置の光学系の性能を低下させる。
この問題を解決するために、JP2012−208185Aでは、フォトマスクを載置して開口部からフォトマスクの検査面を露出させるマスク固定用ホルダー、検査光を透過させる透光性保護部材、および、透光性保護部材をマスク固定用ホルダーに対して保持する枠状の支持体で筐体を形成し、この筐体によりフォトマスクの検査面を覆う密閉空間を形成している。そして、短波長および高出力の検査光を透光性保護部材を透過させてフォトマスクに照射し、検査光の照射により密閉空間に放出されたアウトガスを、密閉空間内に不活性ガスを供給することにより、排出している。
また、JP2009−134095Aには、ブランクスの欠陥とフォトマスクの欠陥との一致判定処理を行うことで、ブランクスの欠陥とフォトマスクに発生した欠陥の要因分析を行い、フォトマスクの品質向上とフォトマスクの工程収率アップに寄与することが記載されている。
JP2012−208185Aに開示された技術では、上述のマスク固定用ホルダー、透光性保護部材および枠状の支持体の他にも不活性ガスを供給する機構やアウトガスを排出する機構が不可欠である。したがって、検査装置の構造が複雑になり且つ検査装置が大型化する。また、レジストパターン検査のために、短波長および高出力の検査光を照射し得る高性能な光学系を必要とするため、検査装置のコストが高くなる。
ところで、本件発明者らが、マスクパターンに欠陥を生じる原因について鋭意検討を行ったところ、マスクパターンに欠陥を生じる原因の多くは、フォトマスクの製造のための各工程のいずれかにおいて、フォトマスクに塵埃等の異物が付着することであることが知見された。したがって、マスクパターンにおける欠陥の発生原因を特定するためには、フォトマスク製造のための各工程のうちのどの工程で異物が付着したかを特定することが有効である。
また、製造途中でフォトマスクに異物が付着したままその後の工程を行ったことにより欠陥が生じたフォトマスクは、製品とすることができず廃棄することとなる。すなわち、製造途中で異物が付着したフォトマスクに、その後の工程を行っても、製造されたフォトマスクに欠陥が生じれば、当該工程は無駄な工程となり得る。したがって、製造途中で異物が付着したフォトマスクに、その後の無駄な工程を行うことなく、異物の除去または当該フォトマスクの廃棄を行うためにも、フォトマスク製造のための各工程のうちのどの工程で異物が付着したかを特定することが有効である。
また、JP2009−134095Aに開示された技術では、ブランクスの欠陥とフォトマスクの欠陥との一致判定と分析のみを行っており、フォトマスクの欠陥の原因等については限定的にしか分析できなかった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、検査装置の複雑化、大型化を抑制しながら、フォトマスク製造のための各工程のうちのどの工程で問題が生じているのかを迅速に特定し得るフォトマスクの製造方法および検査装置を提供すること、ならびに、製造途中で異物が付着したフォトマスクに対するその後の無駄となり得る工程を省略することが可能となるフォトマスクの製造方法および検査装置を提供すること、を第1の目的とする。
また、本発明は、フォトマスクの欠陥の原因となりうる異物の発生状況を素早く特定し、フォトマスクの製造環境を改善することで品質を向上できるフォトマスクの製造方法および検査装置を提供することを第2の目的とする。
本発明によるフォトマスクの製造方法は、
フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程前に、製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う中間検査工程を含む。
本発明によるフォトマスクの製造方法において、
フォトマスク製造のための各工程のうちの前記最終工程後に、フォトマスクの遮光パターンの良否を確認する最終検査工程をさらに含んでもよい。
本発明によるフォトマスクの製造方法において、
前記中間検査工程で用いる中間検査装置は、前記最終検査工程で用いる最終検査装置よりも低い分解能を有してもよい。
本発明によるフォトマスクの製造方法において、
前記中間検査工程で異物が存在すると判断された製造途中のフォトマスク上の異物を除去する異物除去工程をさらに有してもよい。
本発明によるフォトマスクの製造方法において、
前記異物除去工程後に、前記異物が除去された製造途中のフォトマスクの欠陥を確認する欠陥確認工程をさらに有してもよい。
本発明によるフォトマスクの製造方法において、
前記欠陥確認工程において、欠陥なしと判定された製造途中のフォトマスク、および、欠陥はあるが当該欠陥が修正可能と判断された製造途中のフォトマスク、をフォトマスクの製造工程に戻してもよい。
本発明によるフォトマスクの製造方法において、
情報処理装置が、
フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれかである第1の工程の後に製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第1の中間検査工程で得られた検査結果と、
ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造のための各工程のうちの前記第1の工程以外のいずれかである第2の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第2の中間検査工程で得られた検査結果、および、製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果、のうちの少なくともいずれかと、
を有する検査結果データを用いて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行ってもよい。
本発明による検査装置は、
フォトマスク上の異物検査を行う検査装置であって、
前記検査装置は、フォトマスクを撮像する撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画像を処理する画像処理装置と、前記画像処理装置で処理された画像を表示する表示装置とを備え、
前記画像処理装置は、前記撮像装置で撮像された第1のフォトマスク画像からフォトマスク上に存在する異物の座標を取得し、
前記撮像装置は、前記座標に基づいて前記フォトマスクを撮像し、第2のフォトマスク画像を取得し、
前記表示装置は、前記第2のフォトマスク画像を表示する。
本発明による検査装置において、
前記撮像装置は、前記フォトマスクを下面側から撮像してもよい。
本発明による検査装置において、
前記撮像装置は、前記第1のフォトマスク画像を撮像する第1の撮像装置と、前記第2のフォトマスク画像を撮像する第2の撮像装置と、を有してもよい。
本発明によれば、検査装置の複雑化、大型化を抑制しながら、フォトマスクの製造工程中のどの工程で問題が生じているのかを迅速に特定することができる。また、本発明によれば、製造途中で異物が付着したフォトマスクに対するその後の無駄となり得る工程を省略することが可能となる。
また、本発明によれば、フォトマスクの欠陥の原因となりうる異物の発生状況を素早く特定し、フォトマスクの製造環境を改善することで品質を向上できるフォトマスクの製造方法および検査装置を提供することができる。
図1は、本発明による第1の実施形態を説明するための図であって、フォトマスクの製造方法における各工程を示す図である。 図2は、フォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 図3は、フォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 図4は、フォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 図5は、フォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 図6は、フォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 図7は、フォトマスクの製造方法の一例を説明するための図である。 図8は、フォトマスクの検査システムの一例を概略的に示す平面図である。 図9は、図8の検査システムを示す側面図である。 図10は、検査システムに含まれる中間検査装置を示す平面図である。 図11は、図10の中間検査装置を示す側面図である。 図12は、中間検査装置の具体的構成の一例を示す図である。 図13は、図12の中間検査装置を用いた異物検出方法の一例を説明するための図である。 図14は、中間検査工程の一例を示すフローチャートである。 図15は、中間検査工程に続いて行われる異物除去工程および欠陥確認工程の一例を示すフローチャートである。 図16は、本発明による第2の実施形態を説明するための図であって、フォトマスクの検査システムの一例を概略的に示す図である。 図17は、図16のフォトマスクの検査システムに含まれる情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。 図18は、図16のフォトマスクの検査システムで取得された検査結果データの一例を示す図である。 図19は、情報処理装置の処理を示すフローチャートである。 図20は、情報処理装置による照合結果を示す図である。 図21は、図16のフォトマスクの検査システムで取得された検査結果データの他の例を示す図である。 図22は、図21の検査結果データの情報処理装置による照合結果を表示する方法の一例を示す図である。 図23は、中間検査装置の具体的構成の一変形例を示す図である。 図24は、中間検査装置の具体的構成の他の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「板(基板)」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板(基板)」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「透明基板」は、「透明シート」や「透明フィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施形態)
図1〜図15は、本発明による第1の実施形態を説明するための図である。このうち図1は、フォトマスク製造のための各工程および各検査工程を示す図であり、図2〜図7は、フォトマスク製造のための各工程を順に説明する図である。
フォトマスクは、主に、半導体集積回路(LSI)、プリント配線板(PWB)、液晶表示パネル(LCD)等の製造において、フォトリソグラフィー技術を用いたパターン形成工程で使用される。フォトマスクは、少なくとも特定波長域の光を遮光することができる材料を用いて形成された板状部材を含んでいる。この板状部材は、パターン形成工程で形成されるべきパターンに対応したパターンで、開口や薄肉化された部位を形成されている。なお、半導体集積回路の製造に用いられるフォトマスクは、レチクルとも呼ばれる。
フォトマスクは、その遮光領域の性質、遮光層の形成方法、使用方法等から種々のものに分類され得る。例えば、遮光領域の性質によって、遮光パターンが形成され光を遮蔽する遮光領域と、遮光領域以外の光を透過させる光透過領域とを有するバイナリマスクや、光を遮蔽する遮光領域と、光を半透過させる半透過領域と、光を透過させる光透過領域とを有するハーフトーンマスク等に分類され得る。また、遮光層の形成方法によって、クロム等の金属からなる膜をエッチングすることにより遮光パターンを形成するハードマスクや、ハロゲン化銀の微粒子を分散させた感光性材料に光を照射して析出した金属銀により遮光パターンを形成するエマルジョンマスク等に分類され得る。さらに、フォトマスク使用方法によって、露光される対象に密着させて使用されるコンタクト露光用のフォトマスク、露光される対象から離間配置されて使用されるプロキシミティ露光用のフォトマスク、フォトマスクと露光される対象との間にレンズや鏡等の光学装置が配置されフォトマスクを透過した光が当該光学装置を介して露光される対象に投影されるプロジェクション露光用のフォトマスク等に分類され得る。そして、本実施の形態のフォトマスクの製造方法は、いずれのフォトマスクの製造にも適用可能である。
以下に説明する本実施の形態においては、フォトマスクの製造方法の例として、主に、クロム等の金属からなる膜をエッチングすることにより遮光パターンが形成され、遮光領域と光透過領域とを有するようになるバイナリマスクの製造方法について述べる。
このフォトマスク製造のための各工程の一例として、バイナリマスクの製造のための各工程の例を図1に示す。図示された例では、フォトマスク製造工程は、ブランクス準備工程S1、レジスト層形成工程S2、レジストパターン描画工程S3、現像工程S4、遮光膜エッチング工程S5、および、レジスト層除去工程S6、の各工程を含んでいる。また、フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程後、とりわけ図示された例ではレジスト層除去工程S6の後、フォトマスクのマスクパターンの良否を確認する最終検査が行われる(最終検査工程S40)。
図1に示された例では、フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程前に、製造途中のフォトマスク上の異物の有無を確認する中間検査工程S10を含んでいる。とりわけ図示された例では、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)のうちのレジスト層除去工程S6(最終工程)の前における各工程の間で、中間検査工程S10が少なくとも1回行われる。中間検査工程S10は、フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれの工程間で行われてもよい。また、中間検査工程S10を複数回行ってもよい。この中間検査工程S10の詳細については後述する。
次に、図2〜図7を参照して、フォトマスク製造のための各工程について説明する。
(ブランクス準備工程S1)
まず、マスクブランクス(単にブランクスとも呼ぶ)11を準備する。マスクブランクス11は、フォトマスクを製造するための元材となる積層体であり、図2に示した例では、透明基板12上に後に遮光パターン14をなすようになる遮光層13が積層されている。透明基板12は、遮光層13(遮光パターン14)を支持する機能を有する。透明基板12の材料は、光透過性を有するものであれば特に限られないが、例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等のガラス材料を好適に用いることができる。また、遮光層13としては、クロム、モリブデンシリサイド(MoSi)等の金属層を用いることができる。さらに、遮光層13は単層で形成されたものに限られず、クロム層の片面または両面に酸化クロム層を設けたもののように、複数層で形成されたものであってもよい。透明基板12上に遮光層13を形成する方法も特に限られないが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、めっき法等の液相成長法、またはこれらの2以上を組み合わせた方法を採用することができる。
(レジスト層形成工程S2)
次に、図3に示されているように、マスクブランクス11の遮光層13の透明基板12と反対の側に、レジスト層15を形成する。このレジスト層15は、例えば、公知のポジ型またはネガ型のフォトレジスト材料を、スピンコート法等によりマスクブランクス11の遮光層13上に塗布し、フォトレジスト材料中に含まれる有機溶剤を加熱等により除去することにより形成することができる。ここで、ポジ型のフォトレジスト材料とは、現像工程において、露光された領域に存在する材料が除去され、露光されていない領域に存在する材料が残存するようになるフォトレジスト材料である。また、ネガ型のフォトレジスト材料とは、現像工程において、露光された領域に存在する材料が残存し、露光されていない領域に存在する材料が除去されるようになるフォトレジスト材料である。
(レジストパターン描画工程S3)
レジスト層15の形成後、レジスト層15に、後にレジストパターン16を形成するようになるパターンを描画する。具体的には、図4に示されているように、フォトレジスト材料を含有するレジスト層15に、所望のパターンに沿ってレーザ光を照射するレーザ描画や電子線を照射するEB描画等により、レジスト層15のレーザ光、電子線等が照射された領域を露光させる。図4〜図7では、レジスト層15をなすフォトレジスト材料がポジ型の材料である例を示している。レジスト層15をなすフォトレジスト材料がポジ型の材料である場合、現像工程において除去したい領域にレーザ光、電子線等を照射し露光させる。また、レジスト層15をなすフォトレジスト材料がネガ型の材料である場合、現像工程において残存させたい領域にレーザ光、電子線等を照射し露光させる。
(現像工程S4)
次に、図5に示されているように、レジスト層15を現像してレジストパターン16を形成する。例えば、スプレー法、浸漬法、パドル法等の公知の方法により、有機溶剤や有機アルカリ水溶液等の現像液をレジスト層15に接触させ、レジスト層15の露光された領域または露光されていない領域に存在するレジスト層15を、溶解・除去する。図5に示された例では、レジスト層15の露光された領域に存在するレジスト層15が、溶解・除去されている。その後、純水等のリンス液ですすぐ。
さらに、現像工程S4でレジスト層15に吸収された現像液の一部を除去し、膨潤したレジストパターン16を収縮させるための加熱工程を設けてもよい。また、現像後のレジスト材料の残渣の除去や後続の遮光膜エッチング工程S5におけるエッチング液の濡れ性の向上等を目的として、デスカム処理を行ってもよい。
(遮光膜エッチング工程S5)
次に、図6に示されているように、レジストパターン16をマスクとして、レジストパターン16から露出した遮光層13をエッチング(腐食)除去し、レジストパターン16に覆われ残留した遮光層13から遮光パターン14を形成する。エッチング方法は特に限られないが、例えば、浸漬法、スプレー法、スピン法等を用いたウェットエッチング法や、反応性ガスや反応性イオン等を用いたドライエッチング法を採用することができる。ウェットエッチング法に用いるエッチング液としては、遮光層13としてクロムからなる層を用いた場合、例えば、硝酸第2セリウムアンモニウム、過塩素酸および純水からなるエッチング液を用いることができる。
(レジスト層除去工程S6)
遮光膜エッチング工程S5の後、遮光パターン14上に残留しているレジストパターン16を、有機溶剤や酸による溶解処理やアッシング処理等により除去(剥離)する。これにより、図7に示したように、遮光パターン14を有するフォトマスク10が製造される。なお、図1〜図7で説明したフォトマスクの製造方法においては、このレジスト層除去工程S6が、フォトマスクを製造するための最終工程となっている。
次に、図8〜図11を参照して、フォトマスクの検査システムについて説明する。図8は、フォトマスクの検査システムの一例を概略的に示す平面図であり、図9は、検査システムを示す側面図であり、図10は、検査システムに含まれる中間検査装置を示す平面図であり、図11は、中間検査装置を示す側面図である。
図8は、フォトマスクの検査システム20の平面構成を示す図である。図8に示す検査システム20は、クリーンルーム内に配置され、SMIF(Standard Mechanical Interface)ケース投入部21、ロボット室22、検査室23等を有する。図9は、検査システム20のロボット室22と検査室23を示す図である。
SMIFケース投入部21は、検査対象である製造途中のフォトマスク18を収納した輸送用のSMIFポッド(不図示)を配置するためのスペースである。SMIFポッド内には、1または複数のフォトマスク18が収納される。
ロボット室22は開口部22aを介して検査室23と通じている。ロボット室22には、フォトマスク18を搬送するためのロボット24が配置される。ロボット24は、SMIFケース投入部21からSMIFポッドを受け取って内部のフォトマスク18を1枚取り出し、被検査面が下を向いた状態で検査室23に搬送し、後述する中間検査装置30のホルダー35に配置する。またロボット24は、検査後のフォトマスク18をホルダー35から取り出してロボット室22に搬送し、SMIFポッドに収納する。
ロボット室22の天井にはFFU25(送風部)が設けられ、これにより清浄なエアーがダウンフロー(下方への気流)として送出される。また除電を行うため、ロボット室22の上部の壁際にはイオナイザー26が設けられる。
検査室23では、除振台28の上に中間検査装置30が配置される。中間検査装置30はフォトマスク18を撮影し、この撮影画像を元にフォトマスク18の検査を行う。
検査室23の天井には、ロボット室22と同様にFFU25(送風部)が設けられ、これにより清浄なエアーがダウンフロー(下方への気流)として送出される。検査室23の側面には開口部23aが設けられており、この開口部23aから検査室23外への排気が行われる。また、検査室23の開口部23a側の壁際には、天井から下方に延びる整流板27が設けられる。図の例では整流板27の下端が検査室23の開口部23a側の壁面に接しているが、壁面から離れていてもよい。
検査室23にも、ロボット室22と同様にイオナイザー26が設けられている。図9に示された例では、イオナイザー26は、開口部22a側の壁際および整流板27の上部のFFU25側に設けられている。
中間検査装置30は、Xステージ31、Yステージ32、θステージ33、撮像装置34、ホルダー35、クランプ36、後述の光源42,52、ハーフミラー装置53等を有する。図9〜図11では、光源42,52およびハーフミラー装置53の図示は省略している。
Xステージ31、Yステージ32、θステージ33は、フォトマスク18の撮影位置を定めるための移動ステージであり、本実施形態では後述するホルダー35の位置を移動させる。これらのステージはXステージ31、Yステージ32、θステージ33の順に上に重ねて配置される。θステージ33は、図示しない駆動部により平面内で回転するものである。
撮像装置34は、フォトマスク18の撮影を行うカメラを有している。撮像装置34は、例えば、Xステージ31、Yステージ32、θステージ33において撮像装置34に対応する位置に設けられた孔を介して、直接除振台28に固定されるようにすることができる。
ホルダー35は、上記した移動ステージ(Xステージ31、Yステージ32、θステージ33)の上方に設けられる。ホルダー35はフォトマスク18を三方向から囲む板状の部材からなり、フォトマスク18の側辺を保持する。ホルダー35の内側には、フォトマスク18の三辺をそれぞれ保持するための、ホルダー35から突出した爪37が設けられている。フォトマスク18の残りの一辺は、クランプ36に取付けられた爪38によって保持される。なお、ホルダー35の内側とは、フォトマスク18に近い側をいうものとする。また本実施形態ではフォトマスク18の被検査面が下を向いた状態でホルダー35に配置される。
ホルダー35は脚部39によってθステージ33上で支持される。図10に示された例では、ホルダー35の角部を支持するように4本の脚部39が設けられている。
中間検査装置30についてさらに詳細に説明する。図12および図13を参照して、中間検査装置30の具体的構成の一例について説明する。
図12に示された例では、中間検査装置30は、フォトマスク18を撮像する撮像装置34と、撮像装置34で撮像された画像を処理する画像処理装置45と、画像処理装置45で処理された画像を表示する表示装置46とを備えている。図示された例では、中間検査装置30は、ホルダー35、第1の光源42、第2の光源52、ハーフミラー装置53をさらに備えている。
ホルダー35は、製造途中のフォトマスク18を載置可能に設けられ、上述の移動ステージ(Xステージ31、Yステージ32、θステージ33)により移動可能とされている。図示された例では、ホルダー35は、撮像装置34の上方に設けられている。フォトマスク18は、その被検査面がホルダー35の下方に設置された撮像装置34と対面するようにして、すなわち被検査面が下方を向くようにして、ホルダー35(爪37,38)に載置される。また、フォトマスク18における検査されるべき領域は、ホルダー35から露出している。
撮像装置34は、例えばCCDカメラ等で構成され、ホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18を撮像(撮影)可能に設けられている。好ましくは、撮像装置34は、暗視野および明視野の両方において撮像可能なカメラで構成される。図示された例では、撮像装置34は、上方の映像が撮像可能になるようにしてすなわち上方を向くようにしてホルダー35の下方に設置され、ホルダー35に載置されたフォトマスク18を、その下面側から撮像することができるようになっている。なお、撮像装置34は、撮像倍率が変更可能に構成されており、とりわけ後述の第1のフォトマスク画像を撮像する際と、第2のフォトマスク画像を撮像する際とで、撮像倍率が変更可能とされている。
第1の光源42は、ホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18の被検査面にレーザ光等の照明光を照射可能に設けられている。とりわけ図12および図13に示された例では、第1の光源42は、フォトマスク18の板面に沿った方向およびフォトマスク18の板面への法線方向に対して傾斜した方向から、とりわけフォトマスク18の板面への法線方向に対して大きく傾斜した方向から、フォトマスク18の表面に照明光を照射可能に設けられている。図示された例では、撮像装置34の光軸の周りに、複数の第1の光源42が設けられている。一例として、撮像装置34の光軸の周りに互いに等角度を有して、4つまたは8つの第1の光源42が設けられていてもよい。
図13に示された例では、第1の光源42から出射したレーザ光等の照明光は、フォトマスク18の板面に沿った方向およびフォトマスク18の板面への法線方向に対して傾斜した方向からフォトマスク18の被検査面に入射する。フォトマスク18の被検査面のうち異物19等に起因する凹凸面が存在しない箇所へ入射した照明光は、当該箇所で鏡面反射(正反射)する。とりわけ、フォトマスク18の被検査面への入射角と等しい反射角で鏡面反射する。したがって、この鏡面反射による反射光は撮像装置34には入射しない。一方、フォトマスク18の被検査面に異物19等に起因する凹凸面が存在する場合、この凹凸面に照射された照明光は当該凹凸面により乱反射する。そして、乱反射した光の一部は撮像装置34に入射する。撮像装置34は、暗視野でフォトマスク18の撮像を行う。なお、例えばホルダー35をフォトマスク18の板面と平行な面内で2次元的に移動させながら撮像装置34による撮影を行うことで、フォトマスク18の全体または一部の検査画像を得ることができる。
第2の光源52は、ハーフミラー装置53を介してホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18の被検査面(下面)に照明光を照射可能に設けられている。ハーフミラー装置53のハーフミラー54は、第2の光源52から照射された照明光を反射してその光路を曲げ、照明光をフォトマスク18へ向ける。また、ハーフミラー54は、フォトマスク18から撮像装置34へ向けて出射した光を透過させ、これにより撮像装置34によるフォトマスク18の撮像が可能となっている。図12に示された例では、第2の光源52から照射されハーフミラー54で反射した照明光の中心軸と撮像装置34の光軸が平行になっている。とりわけ図示された例では、第2の光源52から照射されハーフミラー54で反射した照明光の中心軸と撮像装置34の光軸が一致している。すなわち、第2の光源52およびハーフミラー装置53は、いわゆる同軸照明装置を構成している。なお、ハーフミラー装置53のハーフミラー54は、移動可能に構成されており、これにより撮像装置34の光軸上から退避するように移動することができる。
画像処理装置45は、撮像装置34で撮像されたフォトマスク18の画像を処理する装置であり、例えばコンピュータ等で構成されている。本実施形態の画像処理装置45は、撮像装置45で撮像された第1のフォトマスク画像からフォトマスク18上に存在する可能性のある異物候補の座標を取得するように構成されている。また、画像処理装置45は、異物候補の座標に基づいて、当該フォトマスク18を再度撮像するよう、撮像装置34に指示する。さらに、画像処理装置45は、撮像装置34で撮像された当該フォトマスク18の画像(第2のフォトマスク画像)を受け取り、第2のフォトマスク画像を表示装置46へ送る。
表示装置46は、画像処理装置45から受け取った画像を表示する。表示装置46は、例えば、CRTモニタ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成される。表示された画像は、異物候補の位置に異物19が存在しているか否かを確認するために、オペレータ等により観察される。表示装置46は、表示された画像の拡大・縮小、表示の明るさやコントラストの調整等が可能に構成されてもよい。なお、画像処理装置45または表示装置46に、オペレータ等からの入力を受け付ける、ボタン、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置が設けられていてもよい。
次に、以上に説明した中間検査装置30を用いた本実施形態のフォトマスクの製造方法について以下に詳述する。
本実施形態のフォトマスクの製造方法は、フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程前に、製造途中のフォトマスク上の異物の有無を確認する中間検査工程S10を含んでいる。とりわけ図1に示された例では、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)のうちのレジスト層除去工程S6(最終工程)の前における各工程の間で、中間検査工程S10が少なくとも1回行われる。図14を参照して、中間検査工程S10について、以下に説明する。図14は、中間検査工程S10の流れを示すフローチャートである。
図14に示された例では、中間検査工程S10は、自動検査工程S20および目視検査工程S21の2段階で行われる。
まず、画像処理装置45を用いて、製造途中のフォトマスク18上の異物候補の有無が自動的に判断される(自動検査工程S20)。まず、撮像装置34により第1のフォトマスク画像が取得される。第1のフォトマスク画像を取得する際には、光源として第1の光源42が使用される。このとき、ハーフミラー装置53のハーフミラー54は、撮像装置34の光軸上から退避させる。図13を参照して説明したように、フォトマスク18の被検査面に異物19等に起因する凹凸面が存在する場合、第1の光源42から出射してフォトマスク18の被検査面に入射したレーザ光等の照明光は、当該凹凸面により乱反射する。そして、乱反射した光の一部は撮像装置34に入射する。撮像装置34は、暗視野でフォトマスク18の撮像を行う。なお、本実施形態では、撮像装置34における第1のフォトマスク画像を取得する際の撮像倍率は、後述の第2のフォトマスク画像を取得する際の撮像倍率よりも相対的に小さくなるように設定される。
なお、従来方式のブランクス検査や欠陥検査では、膜種の反射率、透過率等の違いにより、各工程ごとに検査条件を設定する必要がある。一方、本実施形態の中間検査装置30は、異物19等に起因する凹凸面による照明光の乱反射を検知するように構成されているため、膜種の反射率、透過率等の影響を受けにくい。したがって、各工程ごとに検査条件を設定する必要はなく、一部またはすべての工程の検査条件を共通化することも可能である。例えば、図1に示された各中間検査工程S10では、それぞれ同一の中間検査装置30を用いることができる。また、図1に示された各中間検査工程S10の一部またはすべての工程において、検査条件を共通化することもできる。
画像処理装置45は、撮像装置34で撮像されたフォトマスク18の画像(第1のフォトマスク画像)を受け取り、この画像を処理する。画像処理は特に限られないが、例えば、撮像装置34から受け取った画像を所定の閾値により2値化して解析してもよい。その後、画像処理装置45は、画像処理された第1のフォトマスク画像に含まれる、異物19に起因する凹凸面である可能性のあるデータ、すなわち異物候補のデータが存在するか否かを判断する。
第1のフォトマスク画像に異物候補のデータが存在しない場合、すなわち自動検査工程S20で当該フォトマスク18上に異物候補がないと判断された場合、製造途中のフォトマスク18は、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)における次工程に送られる。
一方、第1のフォトマスク画像に異物候補のデータが存在する場合、すなわち自動検査工程S20で当該フォトマスク18上に異物候補があると判断された場合、この異物候補のフォトマスク18上の座標(X座標、Y座標)を特定し、得られた座標のデータをリスト化する。なお、このデータには、異物候補の大きさについてのデータを含んでいてもよい。異物候補の座標が取得されると、次に、画像処理装置45は、このリスト内の座標のデータに基づいて、当該フォトマスク18上の各異物候補の位置を含む領域を撮像するよう、撮像装置34に指示する。
撮像装置34は、画像処理装置45からの指示に基づいて、各異物候補の位置を含む領域を撮像する。これにより第2のフォトマスク画像が取得される。第2のフォトマスク画像を取得する際には、光源として第2の光源52が使用される。このとき、ハーフミラー装置53のハーフミラー54は、撮像装置34の光軸上に位置させる。第2の光源52から出射した照明光は、ハーフミラー装置53のハーフミラー54で反射してフォトマスク18へ向かい、フォトマスク18の被検査面を照明する。被検査面で反射した光は、ハーフミラー装置53のハーフミラー54を透過して撮像装置34へ入射する。このとき撮像装置34は、フォトマスク18の検査領域を第1のフォトマスク画像を取得する際の撮像倍率よりも大きい撮像倍率で撮像する。すなわち、第2のフォトマスク画像は、第1のフォトマスク画像よりも拡大されて撮像される。
画像処理装置45は、撮像装置34で撮像された第2のフォトマスク画像を受け取り、必要に応じて画像処理を行い、第2のフォトマスク画像を表示装置46へ送る。
表示装置46は、第2のフォトマスク画像を表示する。オペレータ等は、表示装置46に表示された第2のフォトマスク画像を観察し、異物候補の位置に実際に異物19が存在しているか否かを目視により確認する(目視検査工程S21)。この目視検査工程S21で異物なしと判断された場合、当該フォトマスク18は、オペレータ等による入力装置への入力等により、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)における次工程に送られる。一方、目視検査工程S21で異物ありと判断された場合は、図14のAへ進み、オペレータ等による入力装置への入力等により、後述の異物除去工程S30を行う。
コンピュータの画像処理等による自動検査では、不良品を良品と判定してしまう(例えば、異物が存在するのに異物なしと判定してしまう)「見逃し」を防止する観点から判定基準を厳しく設定すると、良品を不良品と判定してしまう(例えば、異物が存在しないのに異物ありと判定してしまう)「見過ぎ」が生じ得る。この「見過ぎ」の発生は製品歩留まりの低下の原因となる。一方、図14に示された例では、自動検査工程S20で異物候補ありと判断された場合に、フォトマスク18上の異物19の有無をオペレータが目視により確認し、オペレータが異物なしと判断した場合、すなわち自動検査工程S20で見過ぎが生じていた場合、当該フォトマスク18は、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)における次工程に送られる。したがって、異物19の見逃しを防止しつつ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
ところで、マスクブランクス11にはパターンが形成されていないため、ブランクス準備工程S1後からレジストパターン描画工程S3後まで(現像工程S4の前まで)の中間検査工程S10では、例えばマスクブランクス11の中心を座標原点として用いる。一方、現像工程S4以降の中間検査工程S10においては、作製途中のフォトマスク18上に形成された特定のパターンを座標原点として用いることができる。このとき、特定パターンでなく、フォトマスク18の中心などを座標原点として用いると、中間検査装置の座標位置出し精度などの絶対座標精度が誤差に含まれ得る。これに対して、中間検査工程S10においてフォトマスク18上に形成された特定のパターンを座標原点とすることで、誤差を相対座標精度とすることができ、誤差範囲を小さくすることが可能になる。これにより、後述の検査結果データの照合の際の一致精度を向上させることができる。また、複数の中間検査工程S10間では、共通の特定のパターンを座標原点として用いることにより、検査結果データの照合の際の一致精度のさらなる向上を図ることができる。
次に、図15を参照して、中間検査工程S10に続いて行われ得る異物除去工程S30、異物検査工程S31および欠陥確認工程S32について説明する。図15は、異物除去工程S30、異物検査工程S31および欠陥確認工程S32の流れを示すフローチャートである。
図15に示された例では、製造途中のフォトマスク18が中間検査工程S10で異物ありと判断された場合、とりわけ図14に示された例において目視検査工程S21でオペレータの目視により異物ありと判断された場合、当該異物を除去するための異物除去工程S30を行う。異物除去工程S30では、例えば、純水等を用いて、フォトマスク18を洗浄し異物除去できる。また、マイクロマニュピレーターなどの装置を用い、マイクロマニュピレーターに備えられた針により異物を物理的に除去するようにしても良い。これにより、純水等による洗浄では除去しきれなかった異物も除去することができる。
異物除去工程S30の後、当該フォトマスク18上の異物の有無を確認する異物検査工程S31が行われる。異物検査工程S31は、例えば、上述の中間検査工程S10における、自動検査工程S20または目視検査工程S21と同様の方法、あるいは、自動検査工程S20および目視検査工程S21の組み合わせにより行うことができる。また、中間検査工程S10で用いた中間検査装置30を用いて異物検査工程S31を行うこともできる。
異物検査工程S31で、フォトマスク18上に異物ありと判断された場合、当該フォトマスク18について再度異物除去工程S30を行う。これを異物検査工程S31で異物なしと判断されるまで繰り返す。または、異物除去工程S30を所定の回数繰り返しても異物検査工程S31で異物ありと判断される場合には、当該フォトマスク18を取り除くようにしてもよい。
異物検査工程S31で、フォトマスク18上に異物なしと判断された場合、当該フォトマスク18の欠陥を確認する欠陥確認工程S32を行う。欠陥確認工程S32は、例えば、上述の中間検査工程S10における目視検査工程S21と同様の方法により行うことができる。また、中間検査工程S10で用いた中間検査装置30を用いて欠陥確認工程S32を行うこともできる。好ましくは、異物検査工程S31に引き続いて、すなわち異物検査工程S31と連続して欠陥確認工程S32を行うことができる。この欠陥確認工程S32では、フォトマスク18について、例えば、欠陥なし、修正可能な欠陥あり、修正不可能な欠陥あり、のいずれに該当するかが判定される。ここで、修正可能な欠陥とは、例えば、その後のフォトマスク製造工程において除去される部位への欠陥を例示することができ、修正不可能な欠陥とは、例えば、形成されるべき部位の欠損等を例示することができる。
欠陥確認工程S32で、当該フォトマスク18が、欠陥なしと判定された場合、および、修正可能な欠陥ありと判定された場合、当該フォトマスク18は、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)における次工程に送られる。当該フォトマスク18が、修正可能な欠陥ありと判定された場合は、その後の工程のいずれかにおいて当該欠陥の修正を行うための特別な処理を実施してもよい。一方、欠陥確認工程S32で、当該フォトマスク18が、修正不可能な欠陥ありと判定された場合は、当該フォトマスク18を除去する。除去されたフォトマスク18は、廃棄することもできるし、フォトマスク18のブランクス11上に形成されたレジスト層15を剥離して、当該ブランクス11をブランクス準備工程S1に戻すこともできる。
フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程の後、フォトマスク10の遮光パターン14の良否を確認する最終検査工程S40が行われる。とりわけ図1に示された例では、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)のうちのレジスト層除去工程S6の後に、形成された遮光パターン14の良否を確認する最終検査工程S40が行われる。
最終検査工程S40では、例えば、遮光パターン14の寸法、位置の不良、遮光パターン14における断線、短絡、黒点、白点の発生等の不良が遮光パターン14に生じているか否かを確認する。最終検査工程S40における検査方法は特に限られず、公知の方法がいずれも採用できる。例えば、フォトマスク10に、可視光、紫外光(UV)等のレーザ光を照射し、フォトマスク10の遮光パターン14で反射した反射光、または、フォトマスク10の遮光パターン14が形成されていない箇所を透過した透過光、を撮像装置で撮像し、反射光による反射画像または透過光による透過画像を画像処理または目視することにより、フォトマスク10の遮光パターン14の良否を確認することができる。
最終検査工程S40で用いられる最終検査装置は、LSI等の配線の微細化によりフォトマスクの遮光パターンも微細化されていることから、比較的高い分解能を有する。一方、中間検査工程S10で検出されるべき異物19は、LSI等の配線の幅、高さ、ピッチ等の寸法(例えば、数十〜数百nm)に比べて十分に大きな寸法(例えば、数μm)を有している。例えば、中間検査工程S10で検出されるべき異物19は、LSI等の配線の幅、高さ、ピッチ等の寸法に比べて100倍程度の寸法を有している。これにより、中間検査工程S10で要求される光学系の性能(分解能)と最終検査工程S40で要求される光学系の性能(分解能)とは、大きく異なる。本実施形態では、中間検査工程S10で用いられる中間検査装置30の撮像装置34として、最終検査工程S40で用いられる最終検査装置の撮像装置の分解能に比べて低い分解能を有する撮像装置を用いることができる。
このように、中間検査工程S10で用いる中間検査装置30が、最終検査工程S40で用いる最終検査装置よりも低い分解能を有する場合、中間検査装置30として安価な検査装置を用いることができ、中間検査装置30の低コスト化を図ることができる。
以上に説明した本実施形態のフォトマスクの製造方法は、フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程前に、製造途中のフォトマスク18上の異物検査を行う中間検査工程S10を含んでいる。
このようなフォトマスクの製造方法によれば、フォトマスクの製造工程中のどの工程で問題が生じているのかを迅速に特定することができる。また、フォトマスクの製造途中で、修正不可能な欠陥が生じているフォトマスク18を発見することができる。これにより、当該フォトマスク18を、その後の工程を行うことなく、すなわち無駄になる工程を行うことなく、製造工程から除去することができる。とりわけ、遮光膜エッチング工程S5を行う前に除去されたフォトマスク18は、フォトマスク18のブランクス11上に形成されたレジスト層15を剥離して、当該ブランクス11をブランクス準備工程S1に戻すことが可能であり、これにより、廃棄するフォトマスク18を減少させ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、本実施形態のフォトマスク上の異物検査を行うための検査装置30は、フォトマスク18を撮像する撮像装置34と、撮像装置34で撮像された画像を処理する画像処理装置45と、画像処理装置45で処理された画像を表示する表示装置46とを備え、画像処理装置45は、撮像装置34で撮像された第1のフォトマスク画像からフォトマスク18上に存在する可能性のある異物候補の座標を取得し、撮像装置34は、前記座標に基づいてフォトマスク18を撮像し、第2のフォトマスク画像を取得し、表示装置46は、第2のフォトマスク画像を表示する。
このような検査装置30によれば、画像処理装置45によりフォトマスク18上に異物候補が発見されたときに、撮像装置34が異物候補のさらなる画像(第2のフォトマスク画像)を取得し、第2のフォトマスク画像を表示装置46で表示することができる。これにより、第2のフォトマスク画像をオペレータが目視で確認し、オペレータが異物なしと判断した場合には、当該フォトマスク18を、フォトマスク製造のための各工程における次工程に送ることができる。したがって、異物19の見逃しを防止しつつ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、図16〜図22を参照して、本発明による第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、情報処理装置70が、フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれかである第1の工程の後に製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第1の中間検査工程で得られた検査結果と、ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造のための各工程のうちの前記第1の工程以外のいずれかである第2の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第2の中間検査工程で得られた検査結果、および、製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果、のうちの少なくともいずれかと、を有する検査結果データを用いて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行う。
以下、本実施形態で用いられる検査システム60、検査システム60による検査方法、および、この検査方法を含むフォトマスクの製造方法について説明していく。
(1.検査システム60)
図16は本発明の実施形態に係る検査システム60を示す図である。図16に示すように、検査システム60は情報処理装置(画像処理装置)70、検査装置(検査装置)65a〜65h等を備える。
図17は情報処理装置70のハードウェア構成を示す図である。図17に示すように、情報処理装置70は、例えば制御部71、記憶部72、入力部73、表示部(表示装置)74、通信部75等をバス76により接続して構成されたコンピュータなどにより実現できる。但しこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
制御部71は、CPU、ROM、RAMなどから構成される。CPUは、記憶部72、ROMなどの記録媒体に格納された情報処理装置70の処理に係るプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行する。ROMは不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOSなどのプログラム、データなどを恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部72、ROMなどからロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部71が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
記憶部72は例えばハードディスクドライブであり、制御部71が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。これらのプログラムやデータは、制御部71により必要に応じて読み出され、RAMに移して実行される。本実施形態では、後述する検査結果データのデータベースが記憶部72に保持される。
入力部73はデータの入力を行い、例えばキーボード、マウスなどのポインティングデバイス、テンキーなどの入力装置を有する。表示部74は、液晶パネルなどのディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示機能を実現するための論理回路(ビデオアダプタ等)を有する。通信部75は、ネットワーク等を介した通信を媒介する通信インタフェースであり、他の装置との間で通信を行う。バス76は、各部間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
検査装置65a〜65hは、ブランクス(マスクブランクス)、および、製造段階のフォトマスク(製造途中のフォトマスク)の検査を行うものである。本実施形態では、検査装置65aによりブランクスの欠陥検査を行い、ブランクス表面のキズ、凹凸、異物等を含む各種の欠陥を検出する。また検査装置65b〜65hによりフォトマスク製造時の各プロセス工程(フォトマスク製造のための各工程)の後の製造段階のフォトマスクの異物検査を行う。これにより、製造段階のフォトマスク上の異物が検出される。なお、検査システム60は、この他にも、製造後のフォトマスク80の欠陥検査(最終検査)を行う最終検査装置を有している。最終検査装置では、フォトマスクのパターンの欠落、短絡、異物の付着等を含む各種の欠陥の検出が行われる。
検査装置65a〜65hは、異物や欠陥を検出でき、その座標が特定できるものであれば特に問わないが、例えば検査装置65b〜65hとしては、検査対象物の検査領域の周囲から検査光を照射し、検査領域上の異物から散乱反射した検査光の一部を検査領域上方のカメラで受光することで検査領域の撮影を行い、撮影画像に基づき異物の検出を行うものを用いることができる。例えば、図13を参照して説明した検査装置30と同様の装置を用いることができる。この場合、検査対象物のパターンに関わらず高精度に異物を検出できる。
(2.フォトマスク製造時の各プロセス工程と検査結果データ300)
図16のAは、フォトマスク80として、半導体の製造時に用いる一般的なハーフトーンマスク(遮光膜をMoSi(モリブデンシリサイド)膜とするマスク)の製造工程を示したものである。
フォトマスク80の製造時には、(a)に示す、合成石英基板(透明基板)81上にMoSi膜82とCr(クロム)膜83の金属薄膜(遮光層)を順に成膜したブランクスに対し、まず(b)に示すようにレジスト(レジスト層)84を塗布する。レジスト84の塗布は、例えばスピンコートによって行われる。
その後、(c)に示すように、電子ビームやレーザービームを用いて、レジスト84にLSI(大規模集積回路)パターン(レジストパターン)を描画する。レジスト84がポジ型レジストの場合、描画箇所84aはゲル化するので、(d)に示すように現像を行うことにより、描画箇所84aのレジストを除去できる。
その後、(e)に示すように残ったレジスト84をマスクとしてCr膜83のエッチングを行い、(f)に示すようにレジスト84を剥膜する。次に(g)に示すようにCr膜83をマスクとしてMoSi膜82のエッチングを行うと、LSIパターンがMoSi膜82のエッチング部分として形成される。(h)に示すようにマスクとして用いたCr膜83を剥膜すると、LSIパターンを有するMoSi膜(遮光パターン)を有するフォトマスク80が製造される。なお、以上の工程の前後では、適宜、ブランクス、製造段階のフォトマスク、製造後のフォトマスク80の洗浄が行われる。
本実施形態では、検査装置65aによりブランクスの欠陥検査が行われ、検査装置65b〜65gにより(b)〜(h)の各プロセス工程の後の製造段階のフォトマスクの異物検査が行われる。最終的に製造されたフォトマスク80は、最終検査装置によって欠陥検査が行われる。検査装置65a〜65hおよび最終検査装置による検査結果は情報処理装置70に入力され、記憶部72のデータベースに検査結果データとして記録される。
図18は検査結果データ300の一例であり、製品識別情報である製品番号で示されるフォトマスク製品ごとに、ブランクスの欠陥検査の検査結果、および各プロセス工程の後の製造段階のフォトマスクについての異物検査の検査結果が記録される。また、製造されたフォトマスク80に対して欠陥検査を行った検査結果も同じく記録される。検査結果は異物や欠陥の座標を含み、本実施形態ではさらに異物や欠陥のサイズも併せて記録される。但し検査結果の内容はこれに限ることはない。例えばその他の情報も検査結果として併せて記録することができ、またブランクスの欠陥検査やレジスト塗布後等の異物検査を省略することも可能である。
(3.情報処理装置70の処理)
次に、情報処理装置70が行う処理について、図19を参照して説明する。図19は情報処理装置70の処理を示すフローチャートであり、図の各ステップは情報処理装置70の制御部71が実行する。
本実施形態では、まずユーザが、製品番号と、座標が一致するとみなす誤差範囲を入力する。情報処理装置70はこの入力を受付けて(S51)、製品番号に対応する検査結果データ300を取得し、異物や欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行う(S52)。
照合の方法は特に限定されないが、例えば、図18に示すような検査結果データ300のうち1つの検査結果を基準とし、その検査結果の座標から誤差範囲内にある座標を含む、別の検査時の検査結果があるかどうかを判定する。そのような検査結果が無い場合には、基準とした検査結果のみを照合結果として抽出し、そのような検査結果が有る場合には、当該検査結果と、基準とした検査結果とを合わせて照合結果として抽出する。以降、残りの検査結果について同様の処理を繰り返す。
基準とする検査結果も特に問わないが、例えば、製造後のフォトマスク80の欠陥検査の検査結果を基準としておくと、欠陥の座標から誤差範囲内にある異物の座標を含む、プロセス工程後等の検査結果が抽出されるので、異物の発生とマスクに発生した欠陥の対応を確実にとることができ、欠陥の原因となった異物の発生工程を特定することが容易になる。
図20(a)〜(c)は照合結果301の例であり、座標に基づく照合結果301として、1または複数の検査結果が抽出される。複数の検査結果が照合結果301として抽出される場合には、通常、それらの検査時は前後に連続している。
これらの照合結果301は表示部74等で表示され(S53)、ユーザは、ある工程で異物が付着しフォトマスクの欠陥の原因となった、あるいは、異物がある工程で付着しその後のいずれかの工程で除去された、というような異物の発生状況を素早く特定することができるようになる。
図20(a)に、照合結果301の一例が示されている。図示された例では、フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれかである第1の工程が、MoSi膜82のエッチング工程(工程g)であり、第1の中間検査工程が、検査装置65gで行われる異物検査であり、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程以外のいずれかである第2の工程が、Cr膜の剥膜工程(工程h)であり、第2の中間検査工程が、検査装置65hで行われる異物検査である。すなわち、図20(a)の照合結果301は、情報処理装置が、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程の後に製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第1の中間検査工程で得られた検査結果と、フォトマスク製造のための各工程のうちの第2の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第2の中間検査工程で得られた検査結果と、製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果と、を有する検査結果データを用いて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行った例である。図示された照合結果301では、MoSi膜82のエッチング工程で付着した異物が、Cr膜83の剥膜工程でも除去されず、製造後のフォトマスク80の欠陥の原因となったことが判る。
図20(b)に、照合結果301の他の例が示されている。図示された例では、フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれかである第1の工程が、レジスト84の現像工程(工程d)であり、第1の中間検査工程が、検査装置65dで行われる異物検査であり、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程以外のいずれかである第2の工程が、Cr膜のエッチング工程(工程e)であり、第2の中間検査工程が、検査装置65eで行われる異物検査である。すなわち、図20(b)の照合結果301は、情報処理装置が、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程の後に製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第1の中間検査工程で得られた検査結果と、フォトマスク製造のための各工程のうちの第2の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第2の中間検査工程で得られた検査結果と、を有する検査結果データを用いて、前記検査結果に含まれる異物の座標に基づく検査結果の照合を行った例である。図示された照合結果301では、レジスト84の現像工程で付着した異物が、次の工程(ここではCr膜83のエッチング工程)で除去されたことが判る。
図20(c)に、照合結果301のさらに他の例が示されている。図示された例では、フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれかである第1の工程が、レジスト84の現像工程(工程d)であり、第1の中間検査工程が、検査装置65dで行われる異物検査であり、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程以外のいずれかである第2の工程が、Cr膜のエッチング工程(工程e)であり、第2の中間検査工程が、検査装置65eで行われる異物検査であり、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程および第2の工程以外のいずれかである第3の工程が、レジスト84の剥膜工程(工程f)であり、第3の中間検査工程が、検査装置65fで行われる異物検査である。すなわち、図20(c)の照合結果301は、情報処理装置が、フォトマスク製造のための各工程のうちの第1の工程の後に製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第1の中間検査工程で得られた検査結果と、フォトマスク製造のための各工程のうちの第2の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第2の中間検査工程で得られた検査結果と、フォトマスク製造のための各工程のうちの第3の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第3の中間検査工程で得られた検査結果と、を有する検査結果データを用いて、前記検査結果に含まれる異物の座標に基づく検査結果の照合を行った例である。図示された照合結果301では、現像工程で付着した異物が、Cr膜83のエッチング工程では除去されなかったが、その次の工程(ここではレジスト84の剥膜工程)では除去されたことが判る。
検査結果データ300の具体的な記録方法および検査結果データ300の表示部74への具体的な表示方法等は特に限られず、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、各工程での検査結果を照合し、検査結果の座標が一致するとみなす所定の誤差範囲内の座標に存在する異物または欠陥をグループ化し、グループ化された異物または欠陥についてのデータを、列または行ごとにまとめて表示してもよい。このような表示の一例について、図21および図22を参照して説明する。
図21は、図18を参照して説明した検査結果データ300の他の例であり、図18に示された例と同様に、製品識別情報である製品番号(製品番号002)で示されるフォトマスク製品について、ブランクスの欠陥検査の検査結果、および各プロセス工程の後の製造段階のフォトマスクについての異物検査の検査結果が記録されている。また、製造されたフォトマスク80に対して欠陥検査を行った検査結果も同じく記録されている。検査結果は異物や欠陥の座標を含み、さらに異物や欠陥のサイズも併せて記録されている。
図22は、図21の検査結果データ300の、情報処理装置70による照合結果を表示する方法の一例を示す図であり、図21の検査結果データ300の照合結果301の、情報処理装置70の表示部74上での表示例である。図22に示された例では、各工程での検査結果を照合し、検査結果の座標が一致するとみなす所定の誤差範囲内の座標に存在する異物または欠陥を、それぞれグループ1〜グループ3にグループ化し、同じグループ内の異物または欠陥についてのデータが同じ縦列に表示されるようにしている。
図22に示された表示例では、各グループの異物または欠陥について以下のように分析され得る。
(グループ1)
Cr膜エッチング後に検出された異物は、欠陥検査で検出されているので、レジスト現像後の異物検査からCr膜エッチング処理前に付着し、エッチング阻害を起こした。当該異物は、その後工程のレジスト剥膜で除去された。
(グループ2)
レジスト剥膜後に検出された異物は、レジスト剥膜処理中に付着し、MoSi膜エッチング後、Cr膜剥膜後にも除去されておらず、欠陥検査まで残留した。
(グループ3)
Cr膜エッチング後に検出された異物は、欠陥検査で検出されていないので、Cr膜エッチング処理後に付着し、レジスト剥膜後には除去された。
以上のように、図22に示された表示例によれば、情報処理装置70の表示部74に表示された照合結果を見るだけで、各異物または欠陥がどの工程で発生したのかを、迅速且つ容易に判定することができる。
また、各検査結果に異物等の撮影画像を紐付ける等しておくことで、異物の形状・材質等の情報から、プロセス工程での発塵部位や、プロセス工程で異物が除去されなかった要因(洗浄が不十分等)などを絞り込み、品質改善活動を行うこともできる。例えば、検査結果のサイズもしくは座標などの数値をクリックすると、当該サイズ、座標等に対応する撮影画像がポップアップ表示されるようにしても良い。
以上説明したように、本実施形態では、検査結果データ300から、異物や欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行うことで、フォトマスクの欠陥の原因となりうる異物について、異物がある工程で付着しフォトマスクの欠陥の原因となった、あるいは異物がある工程で付着しその後のいずれかの工程で除去された、というような発生状況を素早く特定することができ、フォトマスクの製造環境を改善することで品質を向上できる。また、ブランクスの検査結果と、プロセス工程後の検査結果との照合を行うことにより、ブランクス欠陥がフォトマスクの欠陥として残るのか否かを、フォトマスクの製造段階で素早く判断することが出来、フォトマスクの製造工期短縮につながる。
また、本実施形態では、照合時に、検査結果の座標が一致するとみなす誤差範囲を用いるので、多少の異物等の位置ずれも許容して異物の発生状況を特定することができる。
さらに、照合時に、製造後のフォトマスクの欠陥の座標から誤差範囲内にある異物の座標を含む検査結果を抽出することで、異物の発生とマスクに発生した欠陥の対応を確実にとることができ、欠陥の原因となった異物の発生工程を特定することが容易になる。
なお、照合処理は、予め設定された誤差範囲にて事前に情報処理装置70が行ってもよい。この場合、例えばS51で製品番号を入力し、製造後のフォトマスク80の欠陥検査の検査結果から欠陥の座標を一つ指定すれば、これに対応する照合結果301(例えば図20(a)参照)が表示される、といったことも可能である。同様に、いずれかのプロセス工程後の異物検査の検査結果から異物の座標を一つ指定し、これに対応する照合結果を表示することも可能である。
また、本実施形態では、検査結果データ300(図18および図21参照)が、ブランクスの欠陥検査の検査結果、フォトマスク製造時の各プロセス工程の後の製造段階のフォトマスクの異物検査の検査結果、製造後のフォトマスク80の欠陥検査の検査結果を有するが、検査結果データ300はこれに限らない。検査結果データ300は、これらの検査結果のうち、プロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果を少なくとも1つ含む、複数の検査結果を有していればよい。また、フォトマスクの構成あるいはフォトマスクの製造工程も前記したものに限ることはない。
以下、本実施形態の好適な例について付記する。
(付記1)
フォトマスク製造時のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果と、
ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造時の前記プロセス工程以外のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果、および製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果のうち少なくともいずれかと、
を有する検査結果データについて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行うことを特徴とする情報処理装置。
これにより、検査結果データから、異物や欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行うことで、フォトマスクの欠陥の原因となりうる異物について、ある工程で異物が付着しフォトマスクの欠陥の原因となった、あるいは異物がある工程で付着しその後のいずれかの工程で除去された、というような発生状況を素早く特定することができ、フォトマスクの製造環境を改善することで品質を向上できる。
(付記2)
検査結果の座標が一致するとみなす誤差範囲を用いて照合を行うことを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
これにより、多少の異物等の位置ずれも許容して異物の発生状況を特定することができる。
(付記3)
前記検査結果データは、前記製造後のフォトマスクの欠陥検査の検査結果を有し、
照合時に、前記製造後のフォトマスクの欠陥の座標から前記誤差範囲内にある異物の座標を含む検査結果を抽出することを特徴とする付記2記載の情報処理装置。
これにより、異物の発生とマスクに発生した欠陥の対応を確実にとることができ、欠陥の原因となった異物の発生工程を特定することが容易になる。
(付記4)
情報処理装置が、
フォトマスク製造時のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果と、
ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造時の前記プロセス工程以外のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果、および製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果のうち少なくともいずれかと、
を有する検査結果データについて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行うことを特徴とする情報処理方法。
(付記5)
コンピュータを、
フォトマスク製造時のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果と、
ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造時の前記プロセス工程以外のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果、および製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果のうち少なくともいずれかと、
を有する検査結果データについて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行う情報処理装置として機能させるためのプログラム。
(付記6)
コンピュータを、
フォトマスク製造時のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果と、
ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造時の前記プロセス工程以外のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行って得られた検査結果、および製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果のうち少なくともいずれかと、
を有する検査結果データについて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行う情報処理装置として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
(付記7)
フォトマスク製造時のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行う検査装置と、
ブランクスの欠陥検査を行う検査装置、フォトマスク製造時の前記プロセス工程以外のプロセス工程の後で製造段階のフォトマスクの異物検査を行う検査装置、および製造後のフォトマスクの欠陥検査を行う検査装置のうち少なくともいずれかと、
情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
検査装置によって得られた検査結果を有する検査結果データについて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行うことを特徴とする検査システム。
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図23に、中間検査装置30の一変形例を示す。図23に示された例では、中間検査装置30は、第1撮像部40と第2撮像部50とを有している。
第1撮像部40は、第1の撮像装置45と、第1の光源42と、を有している。第1の撮像装置45は、例えばCCDカメラ等で構成され、ホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18を撮像(撮影)可能に設けられている。好ましくは、第1の撮像装置45は、暗視野で撮像可能な撮像装置である。図示された例では、第1の撮像装置45は、上方の映像が撮像可能になるようにしてすなわち上方を向くようにして設置され、ホルダー35に載置されたフォトマスク18を、その下面側から撮像することができるようになっている。第1の光源42は、図12および図13を参照して説明した上述の第1の光源42と同様に構成され、ホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18の被検査面にレーザ光等の照明光を照射可能に設けられている。
第2撮像部50は、第2の撮像装置55と、第2の光源52と、ハーフミラー54を有するハーフミラー装置53と、を有している。第2の撮像装置55は、例えばCCDカメラ等で構成され、ホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18を撮像(撮影)可能に設けられている。好ましくは、第2の撮像装置55は、明視野で撮像可能な撮像装置である。図示された例では、第2の撮像装置55は、上方の映像が撮像可能になるようにしてすなわち上方を向くようにして設置され、ホルダー35に載置されたフォトマスク18を、その下面側から撮像することができるようになっている。第2の光源52およびハーフミラー装置53は、図12および図13を参照して説明した上述の第2の光源52およびハーフミラー装置53と同様に構成され、ホルダー35上に載置された製造途中のフォトマスク18の被検査面に照明光を照射可能に設けられている。
中間検査装置30のホルダー35は、製造途中のフォトマスク18を載置可能に設けられ、図示しない駆動機構により第1撮像部40および第2撮像部50の間を移動可能に構成されている。
本変形例では、第1撮像部40および画像処理装置45を用いて自動検査工程S20が行われる。まず、第1撮像部40の第1の撮像装置45により第1のフォトマスク画像が取得される。第1のフォトマスク画像を取得する際には、光源として第1の光源42が使用される。第1の撮像装置45は、暗視野でフォトマスク18の撮像を行う。なお、本変形例では、第1の撮像装置45の撮像倍率は、第2の撮像装置55の撮像倍率よりも相対的に小さくなるように設定される。
画像処理装置45は、第1の撮像装置45で撮像されたフォトマスク18の画像(第1のフォトマスク画像)を受け取り、この画像を処理する。その後、画像処理装置45は、画像処理された第1のフォトマスク画像に含まれる、異物19に起因する凹凸面である可能性のあるデータ、すなわち異物候補のデータが存在するか否かを判断する。
第1のフォトマスク画像に異物候補のデータが存在しない場合、すなわち自動検査工程S20で当該フォトマスク18上に異物候補がないと判断された場合、製造途中のフォトマスク18は、フォトマスク製造のための各工程(S1〜S6)における次工程に送られる。
一方、第1のフォトマスク画像に異物候補のデータが存在する場合、すなわち自動検査工程S20で当該フォトマスク18上に異物候補があると判断された場合、この異物候補のフォトマスク18上の座標(X座標、Y座標)を特定し、得られた座標のデータをリスト化する。異物候補の座標が取得されると、次に、画像処理装置45は、このリスト内の座標のデータに基づいて、当該フォトマスク18上の各異物候補の位置を含む領域を撮像するよう、第2撮像部50の第2の撮像装置55に指示する。また、ホルダー35を、第2撮像部50の検査位置、すなわち、第2撮像部50の第2の撮像装置55の上方へ移動する。
第2の撮像装置55は、画像処理装置45からの指示に基づいて、各異物候補の位置を含む領域を撮像する。これにより第2のフォトマスク画像が取得される。第2のフォトマスク画像を取得する際には、光源として第2の光源52が使用される。第2の撮像装置55は、明視野でフォトマスク18の撮像を行う。なお、本変形例では、第2の撮像装置55の撮像倍率は、第1の撮像装置45の撮像倍率よりも相対的に大きくなるように設定されており、これにより、第2の撮像装置55は、フォトマスク18の検査領域を第1のフォトマスク画像を取得する際の撮像倍率よりも大きい撮像倍率で撮像する。すなわち、第2のフォトマスク画像は、第1のフォトマスク画像よりも拡大されて撮像される。
画像処理装置45は、第2の撮像装置55で撮像された第2のフォトマスク画像を受け取り、必要に応じて画像処理を行い、第2のフォトマスク画像を表示装置46へ送る。
表示装置46は、第2のフォトマスク画像を表示する。オペレータ等は、表示装置46に表示された第2のフォトマスク画像を観察し、異物候補の位置に実際に異物19が存在しているか否かを目視により確認する(目視検査工程S21)。
図24に、中間検査装置30の他の変形例を示す。図24に示された例は、図23を参照して説明した変形例の中間検査装置30の上下を反転したものである。
図24に示された例では、中間検査装置30は、製造途中のフォトマスク18を載置可能に設けられ、図示しない駆動機構により移動可能とされたステージ48を有している。製造途中のフォトマスク18は、被検査面が上側を向くようにして、ステージ48上に載置されている。なお、ステージ48には、フォトマスク18をステージ48に対して位置決めし固定する固定機構が設けられていてもよい。また、フォトマスク18はステージ48上に直接載置されてもよいし、フォトマスク18を保持したパレットをステージ48上に載置するようにしてもよい。
図示された例では、第1の撮像装置45は、下方の映像が撮像可能になるようにしてすなわち下方を向くようにして設置され、ステージ48に載置されたフォトマスク18を、その上面側から撮像することができるようになっている。また、第2の撮像装置55は、下方の映像が撮像可能になるようにしてすなわち下方を向くようにして設置され、ステージ48に載置されたフォトマスク18を、その上面側から撮像することができるようになっている。
図23または図24を参照して説明した各変形例においても、中間検査工程S10で用いられる中間検査装置30として、最終検査工程S40で用いられる最終検査装置の分解能に比べて低い分解能を有する検査装置を用いることができる。とりわけ、図23または図24に示した、第1撮像部40および第2撮像部50を有する中間検査装置30を用いる場合、第1の撮像装置45および第2の撮像装置55のうち相対的に高い分解能を有する撮像装置45,55が、最終検査装置の撮像装置の分解能に比べて低い分解能を有するものとすることができる。
他の変形例として、上述した実施の形態では、中間検査工程S10は、自動検査工程S20および目視検査工程S21の2段階で行われた。しかし、これに限られず、中間検査工程S10では、自動検査工程S20および目視検査工程S21のいずれか一方のみが行われるようにしてもよい。
他の変形例として、中間検査工程S10においてフォトマスク18上に異物ありと判断された場合に、異物除去工程S30に進むことなく、当該フォトマスク18を製造工程から除去するようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。

Claims (10)

  1. フォトマスクの製造方法であって、
    フォトマスク製造のための各工程のうちの最終工程前に、製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う中間検査工程を含む、フォトマスクの製造方法。
  2. フォトマスク製造のための各工程のうちの前記最終工程後に、フォトマスクの遮光パターンの良否を確認する最終検査工程をさらに含む、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  3. 前記中間検査工程で用いる中間検査装置は、前記最終検査工程で用いる最終検査装置よりも低い分解能を有する、請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 前記中間検査工程で異物が存在すると判断された製造途中のフォトマスク上の異物を除去する異物除去工程をさらに有する、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 前記異物除去工程後に、前記異物が除去された製造途中のフォトマスクの欠陥を確認する欠陥確認工程をさらに有する、請求項4に記載のフォトマスクの製造方法。
  6. 前記欠陥確認工程において、欠陥なしと判定された製造途中のフォトマスク、および、欠陥はあるが当該欠陥が修正可能と判断された製造途中のフォトマスク、をフォトマスクの製造工程に戻す、請求項5に記載のフォトマスクの製造方法。
  7. 情報処理装置が、
    フォトマスク製造のための各工程のうちのいずれかである第1の工程の後に製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第1の中間検査工程で得られた検査結果と、
    ブランクスの欠陥検査を行って得られた検査結果、フォトマスク製造のための各工程のうちの前記第1の工程以外のいずれかである第2の工程の後で製造途中のフォトマスク上の異物検査を行う第2の中間検査工程で得られた検査結果、および、製造後のフォトマスクの欠陥検査を行って得られた検査結果、のうちの少なくともいずれかと、
    を有する検査結果データを用いて、前記検査結果に含まれる異物または欠陥の座標に基づく検査結果の照合を行う、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  8. フォトマスク上の異物検査を行う検査装置であって、
    前記検査装置は、フォトマスクを撮像する撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画像を処理する画像処理装置と、前記画像処理装置で処理された画像を表示する表示装置とを備え、
    前記画像処理装置は、前記撮像装置で撮像された第1のフォトマスク画像からフォトマスク上に存在する可能性のある異物候補の座標を取得し、
    前記撮像装置は、前記座標に基づいて前記フォトマスクを撮像し、第2のフォトマスク画像を取得し、
    前記表示装置は、前記第2のフォトマスク画像を表示する、検査装置。
  9. 前記撮像装置は、前記フォトマスクを下面側から撮像する、請求項8に記載の検査装置。
  10. 前記撮像装置は、前記第1のフォトマスク画像を撮像する第1の撮像装置と、前記第2のフォトマスク画像を撮像する第2の撮像装置と、を有する、請求項8に記載の検査装置。
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