以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、半導体ウェハのフォトリソグラフィ工程における欠陥判定システムを組み入れた製造装置(基板処理システム)の全体構成を示している。フォトリソグラフィ工程は、レジスト塗布を行うコータ、パターンの焼付け(露光)を行うステッパ、現像を行うデベロッパの各製造装置における処理工程からなり、回路パターンをレジストに転写する工程である。図1において、フォトリソグラフィ工程の製造装置として、コータ装置2、ステッパ装置3、デベロッパ装置4が設けられている。各々の製造装置は、各装置を制御するためのコータ装置制御部2A、ステッパ装置制御部3A、デベロッパ装置制御部4Aを有しており、装置の状態管理や外部との情報の受け渡し等の動作を行っている。
一方、本発明の一実施形態である欠陥判定システム1は基板検査装置6と基板検査結果管理部7で構成されている。基板検査装置6は図示しない被検査対象の基板が投入されたところで欠陥の抽出を行い、その際に生成される欠陥情報を出力する。基板検査結果管理部7は基板検査装置6から欠陥情報等を受け取り、各基板に対する欠陥情報等の検査結果を管理する機能を有すると共に、1つの基板に関する欠陥情報、および同一のロットで管理されている複数の基板に関する欠陥情報から欠陥の周期性を推定することで製造装置の異常を判定する機能を有し、その結果を出力する。各製造装置と欠陥判定システム1内の各部の動作は、製造工程管理部5によって管理されている。製造工程管理部5は、各装置の動作を管理すると共に、異なる装置間の情報の受け渡しを行う機能を有し、製造工程全体を統率している。
図2は基板検査装置6の構成を示している。本実施形態では基板の検査方式としてマクロ検査を用いている。マクロ検査では、基板の主面に対して傾きを持った状態で照明光を当て、その反射光を1次元のラインセンサで受光することで画像情報(画像データ)を得る。具体的にはステージ等のような基板搬送系または撮像系を「相対的に」移動させながら、ラインセンサから逐次取得される画像情報を並べて2次元の「画像情報」を生成する。そして、2次元の画像情報に対して欠陥抽出等の検査を行う。なお、ラインセンサの代わりに2次元の撮像装置を用いてもよい。
まず、製造工程管理部5から出力された制御情報aaを装置制御部11が受け取る。装置制御部11は、基板検査装置6の内部制御を行うものである。制御情報aaは、検査対象の基板が装置に投入される旨の情報を含んでいる。装置制御部11は、制御情報aaに基づいて、照明系制御部13、撮像センサ制御部14、およびステージ制御部17に対して、基板投入のための準備を行うように指示を出す。装置制御部11は、照明系制御部13とは照明制御情報cc、撮像センサ制御部14とは撮像センサ制御情報dd、ステージ制御部17とはステージ制御情報eeといった双方向の情報を取り扱うことで各部の動作を制御する。各制御部は検査の準備を行い、「検査準備完了」の旨を示す情報を装置制御部11に送る。
検査準備が完了した後、装置制御部11は、画像情報取得のための処理を行うように照明系制御部13、撮像センサ制御部14、およびステージ制御部17に指示を出す。具体的には、照明系制御部13が、照明部15に対して照明情報ffを出力することによって、照明光量等を指定して基板に照明光を当てるようにする。また、ステージ制御部17が、検査ステージ18に対してステージ駆動情報hhを出力することによって、検査対象の基板が搭載された検査ステージ18を、撮像センサ16の各センサの配列方向である1次元方向に対して垂直方向に駆動する。
ステージ駆動情報hhには駆動時の初速度や、加速度、到達速度等が含まれる。そして、撮像センサ制御部14は、1ライン分の画像情報を撮像センサ16から取得するため、撮像情報ggによって撮像センサ16に対して撮像を指示する。撮像情報ggには撮像時の露光時間や、ゲイン、ライン転送のタイミング等が含まれる。
撮像センサ16によって取得された1ライン分の画像情報は、ライン画像情報jjとして画像取込部19に送られる。画像取込部19は、各ラインの画像情報を組み合わせて、検査基板に関する2次元の画像情報を生成する。また、画像取込部19は、ライン画像情報jjに対して、明るさを補正するシェーディング補正や、幾何学的な歪みを補正するディストーション補正といった撮像系の補正に関する画像処理も行う。
画像情報の取得が行われる一方で、基板検査装置6は、「検査に必要な情報」として、現在の検査対象に関する情報、例えば製造工程や品種といった検査対象情報bbを製造工程管理部5から受け取り、製造工程/品種情報取得部12に入力する。製造工程/品種情報取得部12は、検査対象情報bbを、以降の欠陥抽出等において活用できる情報に変換する処理、例えば品種に関する情報から半導体ウェハの設計情報(ウェハのチップやショットの大きさ、間隔、縦/横方向の配置位置等)に変換する処理を行う。
画像取込部19によって生成された2次元の画像情報は2次元画像情報kkとして画像記憶部20に送られる。画像記憶部20には2次元画像情報kkと共に、製造工程/品種情報取得部12によって生成されて出力される検査用製造工程/品種情報mmが入力される。画像記憶部20は、これら両者を関連付けた状態で記憶する。画像情報等の記憶が完了すると、画像記憶部20は、画像記憶制御情報nnとして「画像情報取得完了」の旨を示す情報を装置制御部11に送る。装置制御部11はその情報を受け取ると、照明系制御部13、撮像センサ制御部14、およびステージ制御部17に対して、画像取得完了を示す制御情報を出力し、画像取得のための動作を完了させる。
続いて、取得された画像に対する検査が行われる。装置制御部11は、「画像検査開始」の旨を示す情報を画像記憶制御情報nnとして画像記憶部20に送る。画像記憶部20はその情報を受けて、検査に必要な製造工程や品種の情報(検査用製造工程/品種情報mm)を2次元画像情報kkに付加した検査用画像情報ppを出力する。検査用画像情報ppは欠陥抽出部21に入力され、欠陥抽出部21によって欠陥抽出処理が行われる。
欠陥抽出処理は公知の方法であり、例えば事前に参照用画像を用意して検査画像と参照画像を比較する処理(この場合、参照用画像は画像記憶部20によって記憶され、検査用製造工程/品種情報mmの内容に該当する参照用画像が検査用画像情報ppに付加される)、または製造工程/品種情報取得部12によって生成されるウェハの設計情報を含む検査用製造工程/品種情報mmに基づいて、ある周期で隣り合うパターン同士を比較する処理等が行われる。欠陥抽出処理の結果は欠陥抽出結果情報qq(欠陥情報)として出力される。欠陥抽出結果情報qqには、欠陥が存在する場合の欠陥の量(欠陥個数や密度)に関する情報や、単一欠陥の特徴を表す欠陥の質に関する情報、すなわち、欠陥の画像上位置、重心位置、欠陥の形状に関する情報である面積・フェレ径(欠陥の外接矩形の幅/高さ)・周囲長(欠陥の輪郭線の長さ)・真円度(形状の複雑さを円と比較して表される数値)・非等軸度・主軸角(モーメント)、欠陥の輝度に関する情報である平均輝度・最大および最小輝度・分散(または標準偏差)・ヒストグラムから算出可能な輝度の中央値・最頻値、欠陥の色に関する情報であるRGB毎の輝度・色相・彩度・その他の表色系の色値等が含まれる。
欠陥抽出部21から出力された上記の欠陥抽出結果情報qqは欠陥分類部22に入力される。欠陥分類部22は、検査用画像情報ppと欠陥抽出結果情報qqを用いて、欠陥がどのようなものかといった分類処理を行う。この分類処理は、欠陥分類ルール記憶部23によって記憶されている分類ルール情報rrを読み出して、参照している欠陥に関して各ルールの適合度を算出し、適合度が最大となる分類ルールを適用するというものである。分類ルール情報rrは、例えば「キズ」という分類を表す特徴として、欠陥情報に含まれる面積、フェレ径を用い、面積が小さい、かつフェレ径が細長い(一方の径の長さが他方に対して長い)場合に「キズ」であるという内容を数値化したものである。欠陥の面積が小さいほど、かつフェレ径が細長いほど、「キズ」の適合度は大きくなる。
分類ルール情報rrは、このような分類を識別するために、欠陥情報の特徴量がどの程度であるのかを示すものである。欠陥分類については上記のような方法だけにとどまらず、例えば特開2003−168114号公報に開示されている内容(分類処理の内部において、ある欠陥に対して分類種別が確定したものを欠陥情報から除外して分類精度を向上させる方法であり、ファジイ推論を用いて分類ルールを適用している)等のようなものを利用してもよい。
欠陥分類部22は分類結果を受けて、検査用画像情報ppに含まれるウェハの設計情報や欠陥抽出結果情報qqと共に、分類内容とその適合度(分類内容は1つだけでなく複数あってもよい)を示す分類結果情報ssを生成し、出力する。また、欠陥分類ルール記憶部23は、欠陥分類部22による欠陥分類の結果に応じて分類ルールを更新する必要が生じた場合に、図示しないオペレータからの外部情報に基づいて分類ルールを更新することが可能であり、新たに更新する内容(分類内容とその適合度)を欠陥分類部22から欠陥分類ルール記憶部23に分類ルール情報rrとして送ることを可能とする。
分類結果情報ssはチップ/ウェハ単位欠陥判定部24に入力される。チップ/ウェハ単位欠陥判定部24は、分類結果情報ssが持つ分類内容と適合度、およびウェハの設計情報に基づいて、チップ単位およびウェハ単位で、検査基板がOKかNGかを判定する処理(合否判定処理)を行う。具体的には、分類内容と適合度から「チップとして機能するか否か」をチップ単位でOKまたはNGと判定し、チップ単位のOK/NG判定の結果からウェハ単位のOK/NG判定を行うといった流れで処理を行う。チップ単位およびウェハ単位の判定結果はチップ/ウェハ単位判定情報ttとして出力される。
検査用画像情報pp、欠陥抽出結果情報qq、分類結果情報ss、およびチップ/ウェハ単位判定情報ttは検査情報統合部25に入力される。検査情報統合部25は、ある1つの欠陥に関係する情報を1つにまとめて管理できるように情報の統合を行う。例えば図3に示すように、ロットID、基板ID、欠陥番号(抽出された順番で各欠陥に付与されるインデックス)、欠陥情報(画像上の位置、画素単位の面積)、分類内容とその適合度(100が最大)、チップ単位およびウェハ単位の判定結果(OK/NG)を一行の情報としてまとめ、さらに画像情報は基板IDとリンクさせる、ウェハ設計情報等の製造工程/品種に関する情報はロットIDとリンクさせる等というように情報をまとめる。
なお、統合される情報は、図3に示されるものだけというわけではなく、他の欠陥情報を付加してもよい。まとめられた情報(図3に示される情報だけでなく、画像情報や製造工程/品種に関する情報を含む)は統合検査情報wwとして基板検査結果管理部7に送られる。また、検査情報統合部25は、統合検査情報wwを出力した際に、1枚の基板検査が完了した旨を示す基板検査完了情報uuを製造工程管理部5に送る。
次に、図4を参照し、基板検査装置6による処理の流れを説明する。まず、装置制御部11の指示(検査準備指示)により、照明系、撮像センサ、およびステージを検査可能な状態にする処理が行われる(ステップS11)。照明系、撮像センサ、およびステージが夫々検査準備完了(検査可能な状態)となった通知を各部から受けると、装置制御部11は、被検査対象となる検査基板を検査ステージ18に配置し、検査ステージ18を平面方向(撮像センサ16の各センサの配列方向である1次元方向に対して垂直な方向)に駆動させながら、撮像センサ16から検査画像情報を取得する処理を行う(ステップS12)。
検査基板であるウェハ全体の撮像が完了した(画像取込部19に撮像センサからの画像情報が送られた)ことを受けると、装置制御部11は、検査画像情報kkと検査用製造工程/品種情報mmを関連付けて画像記憶部20に記憶させる処理を行う(ステップS13)。画像情報が記憶された後、装置制御部11は画像記憶部20から記憶済みの情報を読み出し、欠陥抽出部21に欠陥抽出処理を行わせる(ステップS14)。
欠陥抽出処理で欠陥が抽出された(欠陥抽出結果情報qqに欠陥が存在する旨が記録されている)場合には、欠陥分類部22は、分類ルール情報rrを利用した欠陥分類処理を行う(ステップS15)。続いて、チップ/ウェハ単位欠陥判定部24は、欠陥分類部22によって生成された分類結果情報ssおよび欠陥抽出結果情報qqに基づいて、チップ単位/ウェハ単位の欠陥判定(OK/NG)を行う(ステップS16)。
欠陥判定処理が終わると、検査情報統合部25は、検査用画像情報pp(製造工程/品種情報を含む)、欠陥抽出結果情報qq、分類結果情報ss、およびチップ/ウェハ単位判定情報ttを、図3に示すようなフォーマットに則って統合する(ステップS17)。検査情報統合部25は、統合した情報(統合検査情報ww)を基板検査結果管理部7へ送信すると同時に、基板検査完了情報uuを製造工程管理部5に送信する(ステップS18)。1枚の基板に対して上記の処理を繰り返し行うこととなる。
次に、図5を参照し、基板検査結果管理部7の構成を説明する。製造工程管理部5は基板検査装置6からの基板検査完了の情報を受けると、最新の検査結果に対して欠陥の周期性があるか否かを調べる旨の指示を示す周期性推定指示情報aaaを基板検査結果管理部7へ出力する。周期性推定指示情報aaaは基板検査結果管理部7内の基板検査結果管理制御部31に入力される。基板検査結果管理制御部31は、周期性推定指示情報aaaが入力される直前に行われた検査の結果を用いた周期性推定処理を行うべく、基板検査結果管理制御情報bbbを生成する。
基板検査結果管理制御情報bbbは単一対象内欠陥周期推定部32に入力される。単一対象内欠陥周期推定部32は基板検査結果管理制御情報bbbを受けて、1つの画像情報から生成された統合検査情報wwを基板検査装置6から入力し、後述する方法により欠陥の周期性(同一の被検査対象において繰り返し発生している欠陥の周期性)を推定する。推定結果は単一基板内周期性推定情報dddとして出力される。単一対象内欠陥周期推定部32は、同時に周期性推定に関する情報を統合検査情報wwに付加した単一基板検査情報cccを出力する。
単一基板内周期性推定情報dddは製造工程異常判定部35に送られる。単一基板内周期性推定情報dddに「周期性あり」という情報が含まれる場合、製造工程異常判定部35は、製造工程に異常があることを示す情報を生成し、製造工程異常情報hhhとして基板検査結果管理制御部31へ出力する。この製造工程異常情報hhhは、さらに製造工程情報jjjとして基板検査結果管理制御部31から製造工程管理部5に送られる。ここで、製造工程異常情報hhhは、1つの基板で周期的に発生する製造工程の異常を示すものであり、本実施形態では、例えばショット単位で行われるステッパ工程に関して異常があるという内容を示す。
単一基板検査情報cccは検査情報記憶部33に入力される。検査情報記憶部33は各検査基板単位で単一基板検査情報cccを記憶すると同時に、各情報の項目をキーとした並べ替えを可能とする構成をとっている。ここまでは1つの検査基板に対する処理として実行される。
1ロット分の検査が完了した場合には、以下のような処理が行われる。製造工程管理部5は、1ロット分の検査の完了を確認した際に、1ロット分の欠陥情報に関する周期性を推定する指示を示す周期性推定指示情報aaaを出力する。基板検査結果管理制御部31は1ロットの周期性推定に関する周期性推定指示情報aaaを受けて、周期性推定の処理を行う指示を示す基板検査結果管理制御情報bbbを検査情報記憶部33および複数対象内欠陥周期推定部34に出力する。
検査情報記憶部33は、1ロットの周期性推定の指示を示す基板検査結果管理制御情報bbbを受けて、記憶している単一基板検査情報cccを統合したロット基板検査情報eeeを生成し、出力する。また、複数対象内欠陥周期推定部34は、基板検査結果管理制御情報bbbを受けて、ロット基板検査情報eeeを使用して、後述する方法によりロット単位(複数の検査基板間)の欠陥の周期性を推定する。推定結果は複数基板内周期性推定情報gggとして出力される。同時に複数対象内欠陥周期推定部34は、ロットの周期性推定処理完了を示すロット周期性推定完了情報fffを基板検査結果管理制御部31に渡す。
製造工程異常判定部35は、複数基板内周期性推定情報gggを受けて、単一基板のときと同様に、複数基板内周期性推定情報gggに「周期性あり」という情報が含まれる場合、製造工程に異常があることを示す情報を生成し、製造工程異常情報hhhとして基板検査結果管理制御部31に送る。基板検査結果管理制御部31は、製造工程異常情報hhhを受けて、製造工程情報jjjを製造工程管理部5に送る。ここで、製造工程異常情報hhhは、複数の基板で周期的に発生する製造工程を示すものであり、例えばコータ工程におけるレジスト塗布の異常やデベロッパ工程における現像不良異常があるという内容を示す。
次に、図6を参照し、基板検査結果管理部7による処理の流れを説明する。図6(a)中のステップS21〜S23は1つの検査基板に対する周期性の推定を示すものであり、図6(b)中のステップS24〜S28は1ロット(複数の基板)に対する周期性の推定を示すものである。1つの検査基板に対する周期性の推定は次のように行われる。基板検査装置6で生成された統合検査情報wwを元に、単一対象内欠陥周期推定部32はショット単位で欠陥の周期性を推定し、単一基板内周期性推定情報dddを製造工程異常判定部35へ出力すると共に、単一基板検査情報cccを検査情報記憶部33へ出力する(ステップS21)。
単一基板内周期性推定情報dddを受けて、製造工程異常判定部35は、ウェハ内の周期性を見る目的で、ショット単位で欠陥の周期性が見られるか否かを調べる(ステップS22)。ステップS22で“Yes”であった場合、ショット単位で欠陥の周期性が見られたことにより、製造工程異常判定部35は、ショットに関する製造工程に「異常あり」という判定結果を出す。そして、製造工程異常判定部35は、基板検査結果管理制御部31経由で製造工程管理部5に「製造工程異常あり」という内容の製造工程情報jjjを通知する(ステップS23)。ステップS22で“No”であった場合、およびステップS23を完了したところで1つの検査基板に対する周期性の推定処理は終了する。
1ロット(複数の基板)に対する周期性の推定は次のように行われる。1ロット分の基板検査完了を受けて、検査情報記憶部33は、基板検査結果管理制御部31からの指示に従い、ロット基板検査情報eeeを複数対象内欠陥周期推定部34へ出力する(ステップS24)。続いて、入力されたロット基板検査情報eeeを元に、複数対象内欠陥周期推定部34は、1ロット(複数の検査基板間)での欠陥の周期性を推定し、複数基板内周期性推定情報gggを製造工程異常判定部35へ出力すると共に、ロット周期性推定完了情報fffを基板検査結果管理制御部31へ出力する(ステップS25)。複数基板内周期性推定情報gggを受けて、製造工程異常判定部35は、ロット内で欠陥の周期性が見られるか否かを調べる(ステップS26)。周期性が見られる場合は“Yes”としてステップS27に、周期性が見られない場合は“No”としてステップS28に、夫々制御を移す。
ステップS26で“Yes”であった場合、ロット内で欠陥の周期性が見られたことにより、製造工程異常判定部35は製造工程に「異常あり」という判定結果を出す。そして、製造工程異常判定部35は、基板検査結果管理制御部31経由で製造工程管理部5に「製造工程異常あり」という内容の製造工程情報jjjを通知する(ステップS27)。一方、ステップS26で“No”であった場合、製造工程異常判定部35は、ロット内で欠陥の周期性は見られないと判断して、基板検査結果管理制御部31経由で製造工程管理部5に「製造工程異常なし」という内容の製造工程情報jjjを通知する(ステップS28)。
次に、本実施形態による欠陥の周期性の推定方法を説明する。図7は、本実施形態で利用する基板(半導体ウェハ)の構成を示している。画像記憶部20で記憶される画像情報は、ウェハ基板41aが撮像されたウェハ基板画像41である。本実施形態で取り上げるウェハ基板41aは、3×3のショット領域によって構成され、さらに1ショット領域(例えば図中のショット領域42)は2×2のチップによって構成される。1チップ(例えば図中のチップ43)は主に5個のパターン領域(例えば図中のパターン領域43a〜43e)からなる。なお、ウェハ基板41aでは、左上端、右上端、左下端、および右下端のチップに関しては、ウェハから外れるためパターンが転写されていないものとする。
図8は、図7のウェハ基板を検査した際に生成された画像で欠陥が抽出された様子を示している。検査ウェハ基板41bにおいて8個の欠陥が抽出されている。そのときの欠陥情報は、欠陥情報リスト45aや45bに示される内容(欠陥番号に関連してショット番号、チップ番号、欠陥重心位置、面積、フェレ径(X方向、Y方向)、周囲長、真円度が提示されている)である。中央のショット領域42で発生している欠陥に対して詳細に見ると、この欠陥は、チップ43のようにパターン領域43a、43d、および43eに跨っている黒欠陥である。ウェハ画像41を見て気がつく点は、ショット単位で区切って見ると、常にショットの同じ位置にほぼ同じ大きさの欠陥が存在することである。このことを踏まえ、1つの基板ではショット単位で欠陥の周期性を調べるようにする。
周期性を調べる方法として、本実施形態では統計的仮説検定の手法を利用する。具体的には、2つの欠陥情報の差、または1つの欠陥情報と、基準となる情報との差が平均0、標準偏差1の正規分布N(0,1)に従うものとして、これらの和がχ2分布に従うという仮説の元に検定を行う。検定の対象となるデータがこの検定で棄却される場合は2つの欠陥情報に差がある、または1つの欠陥情報が基準に対して差を持つということになり、周期性はないと推定される。また、棄却されない場合は2つの欠陥情報に差がない、または1つの欠陥情報が基準に対して差を持たないということになり、周期性はあると推定される。これは、2つの欠陥情報の差がない(または1つの欠陥情報と基準との差がない)=2つの欠陥情報の間(または1つの欠陥情報と基準との間)には何らかの関係が存在するという内容に基づくものである。
図9にχ2分布の例として、自由度が1、5、10のときの分布のグラフを示し、図10には自由度が10のときの検定のモデルを示す。各グラフとも、横軸は評価する値(X値)を示し、縦軸はχ2分布の値を示している。X値は、本実施形態で言うところの「欠陥情報の差の和」を表している。また、自由度は、検定に用いる欠陥情報の数によって決まるものであり、検定に用いる欠陥情報の数をnとすると、自由度は(n-1)となる。
図9に示すように、自由度が大きくなるにつれ、横軸に関するグラフの「山」の位置が右側にずれる(山の位置に対応するX値が大きくなる)ようになる。また、図10に示すように、片側検定で棄却率を5%としたときのX値の値は約18.3である。したがって、評価されるX値、すなわち欠陥情報の差の和が棄却率5%のX値よりも大きければ欠陥情報の間には周期性がない、逆にX値よりも小さければ欠陥情報の間に周期性があるという推定結果を出すことになる。
以下、具体的なχ2検定(カイ二乗検定)方法を示す。ここでは、図8のケースに対して、検査の区画であるショット単位での欠陥の周期性を推定する場合を説明する。欠陥の重心位置に関して、ショット領域で見たときの欠陥の重心位置を算出する。画像全体の座標系で見たときのn番目の欠陥が含まれるショット領域の基準座標値(ショット左下をショット領域の基準座標原点とする)を(XSn, YSn)とし、n番目の欠陥の重心位置を(XCn, YCn)とすると、ショット領域の座標系における欠陥の重心位置(XC-Sn, YC-Sn)は次のようになる。
XC-Sn = XCn − XSn
YC-Sn = YCn − YSn ・・・(Eq-1)
ここで、欠陥情報の差として、n番目の欠陥とm番目の欠陥との差を考えるとき、検定に用いる評価値の1つとして、ショットから見た(相対的な)欠陥重心位置の差(△Xc(n,m), △Yc(n,m))を次式のように定義する(差は絶対差として表すものとする)。
△Xc(n,m) = |XC-Sn − XC-Sm|
△Yc(n,m) = |YC-Sn − YC-Sm|・・・(Eq-2)
同様にn番目の欠陥面積Sn、フェレ径(FXn, FYn)とm番目の欠陥面積Sm、フェレ径(FXm, FYm)から、両者の欠陥の面積の差△S(n,m)、フェレ径の差(△FX(n,m), △FY(n,m))を次式のように定義する。
△S(n,m) = |Sn − Sm|・・・(Eq-3)
△FX(n,m) = |FXn − FXm|
△FY(n,m) = |FYn − FYm| ・・・(Eq-4)
ここまで求められた欠陥情報の差(式(Eq-2)〜(Eq-4))を加算した結果である検定のための評価値△Dif(n, m)を次式にて定義する。
△Dif(n, m) = △Xc(n,m)+△Yc(n,m)+△S(n,m)+△FX(n,m)+△FY(n,m)・・・(Eq-5)
5個の欠陥情報の差に関して、式(Eq-5)のように評価値を定義したので、これを自由度5-1=4のχ2検定にかけることで、検定すなわちn番目の欠陥とm番目の欠陥の周期性推定が行われる。評価値△Dif(n, m)が棄却域のX値よりも大きいか小さいかで周期性の有無を判定することになる。この方法では、評価値△Dif(n, m)を定義する際の欠陥情報の差の個数によって、周期性を判定する閾値(棄却域のX値)が動的に変化するため、欠陥情報の数に対して適応的な周期性の推定が可能になる。
上記の例では、2つの欠陥情報の差だけから検定を行う方法を示したが、検定方法はさらに変形させることができる。実際には別の欠陥情報(例えば周囲長、欠陥分類結果に付随する適合度)を追加してもよい。さらに、複数の欠陥情報に関して適用してもよく、例えば図8のケースでは、全ての欠陥から任意の2個の欠陥を取り出し、両者の差を上記の方法で算出することで、8個から2個の組合せ=28通りの差の情報が算出されるので、これらを評価値として定義することで、別の自由度のχ2分布に関する検定を行うことができる。
この場合、全欠陥に対して周期性の有無を推定することになる。また、欠陥情報の差が正規分布N(0,1)に従わない場合には、正規分布N(0,1)に従うように欠陥情報を正規化することで対応できる。さらに、上記の例では、異なる欠陥情報を1つの評価値として定義するようにしたが、欠陥情報別に検定の評価値を定義する(欠陥位置、面積、フェレ径夫々に対して評価値を定義する)ようにしてもよいし、これらに優先順位をつける、例えば欠陥位置を第一候補としてχ2検定を行い、棄却された場合は欠陥面積を第二候補、フェレ径を第三候補としてχ2検定を行う等のようにしてもよい。
なお、図8に見られるケースにおける欠陥抽出の方法として、例えば参照用画像に対しても図8のようなショット周期の欠陥が見られる場合では、実際の欠陥抽出処理において欠陥が抽出されない可能がある。一方、チップ単位による比較(隣接との比較や、検査画像情報自身からチップ領域の平均(平均チップ)を算出して比較する等)では、ショット内で欠陥を有するチップと欠陥を持たないチップに分かれるため、たとえ新しい品種の基板であっても欠陥を抽出することが可能である。
図8を参照して、1つの検査基板画像に関する欠陥の周期性有無の推定方法を説明したが、1ロット(複数の検査基板画像間)に関する欠陥の周期性有無の推定を行う場合も同様の方法をとることができる。図11および図12には1ロット(25枚のウェハ)の検査における検査ウェハ画像、およびウェハ画像から抽出された欠陥情報を示す。
図11では、右上に黒欠陥52b,53a,55a,56b、左下に薄欠陥52a,54a,56aがそれぞれ存在しているが、検査ウェハによっては両方が存在する、どちらか一方が存在する、両方とも存在しないといった様子が伺える。このとき、基板単体だけでは周期性は当然判断できないし、1ロット全ての欠陥情報をそのまま利用して周期性の推定を行っても周期性は見られないと思われる。しかし、図11では、右上の黒欠陥はウェハ1枚おきに見られる、左下の薄欠陥はウェハ2枚おきに見られるといったことが予想される。これらは、同じロットであっても製造装置がウェハ間で異なっていることに起因している。
そこで、本実施形態では図12の欠陥情報リストにある欠陥情報を活用した上でロット内の周期性を推定する。具体的には、図3に示されるフォーマットの欠陥情報に対して、あるキー項目を基準に欠陥情報のソートを行う。そして、ソートされた欠陥情報に関して、キー項目を元にクラスタリング(幾つかのグループに分割する処理)を行い、グループ化された欠陥情報に関して、図8を参照して説明したχ2検定により周期性の有無を推定する。
例えば、図12において欠陥の重心位置をキー項目として欠陥情報のソートとクラスタリングを行うと、リスト57bの欠陥(欠陥52b)とリスト57cの欠陥(欠陥53a)が1つのグループ(黒欠陥のグループ:グループ1)に、リスト57aの欠陥(欠陥52a)とリスト57dの欠陥(欠陥54a)が別のグループ(薄欠陥のグループ:グループ2)に、それぞれ分けられる。そして、各グループに関して周期性の有無の推定を、図8を参照して説明したχ2検定(グループに属する欠陥情報の差の和)により行うようにする。
ここで、欠陥に周期性があると推定されたグループに対して、基板番号に関する周期性があるかどうかを調べるようにする。これは、前述したように、製造装置がウェハ間で異なることがあるため、共通の製造装置で欠陥が発生しているか否かを推定するために行う。ここでは周期性を「ウェハの順番(何枚目)が等差数列に従っている」ものとして考える。すなわち周期性は次の式を満足するものとなる。ここでaは初項、dは公差、a(n)は一般項を表す。
a(n) = a+(n-1)×d =d×n + (a-d)・・・(Eq-6)
図11および図12のケースにおいて考えると、グループ1の欠陥はウェハ1枚目、3枚目、5枚目、…、25枚目と1枚おきに発生していることから、式(Eq-6)を適用すると、公差d=2、初項と公差の差a-d=−1となり、一般項a(n)=2×n−1となる。すなわちグループ1では、奇数番目のウェハに対して欠陥の周期性が見られると推定できる。また、グループ2の欠陥はウェハ1枚目、4枚目、…、25枚目と2枚おきに発生していることから、式(Eq-6)を適用すると、公差d=3、初項と公差の差a-d=−2となり、一般項a(n)=3×n−2となる。グループ2に関しても、ウェハ3枚ごとに欠陥の周期性が見られると推定できる。このことから、全てのウェハに出ているとは限らない欠陥に対しても周期性を推定することができる。
なお、図11および図12ではロット内での欠陥の変動については触れていないが、製造装置の異常が深刻な場合は、同一ロット内であっても欠陥の変動(時間が経つにつれて大きくなる、欠陥数が増加する、欠陥の明るさが変わる等)が発生する。この場合には、χ2検定の棄却率を大きく(棄却されにくいように)して、周期性があるという推定結果を出すようにする一方で、グループ内で時系列による欠陥情報の変化を調べるようにする。例えば面積であれば、時系列で単調増加か、単調減少か、どちらでもないかを調べ、もし単調増加や単調減少があれば、周期性の推定結果をそのまま採用し、どちらでもなければ周期性の推定結果を変更する。これにより、時間による欠陥情報の変化に対応した周期性の有無の推定が可能になる。
上述したように、本実施形態による欠陥判定システムは、単一の被検査対象および複数の被検査対象夫々において、個々の欠陥の特徴に関する欠陥情報(欠陥位置や面積等の欠陥特徴や欠陥分類結果、適合度)、画像情報、および被検査対象に関する情報(製造工程の情報や、検査領域の区画に関する情報)に基づいて欠陥の周期性を推定し、その推定結果から製造装置の不具合の有無を判定し、不具合が発生している場合にはその旨を通知できるようにしている。これによって、生産の早い段階で製造工程の異常を発見し、生産量低下を最小限に抑えて製造工程の歩留まりを改善することができる。
特に、被検査対象上に欠陥が1個しか発見されず、その欠陥が、複数の被検査対象で発生する致命的な欠陥であるような場合でも、本実施形態による欠陥判定システムは、その欠陥の元となる製造装置の不具合を検出することができる。また、単一の被検査対象にショットといった検査区画を設け、その検査区画の情報を周期性の推定に利用することによって、単一の被検査対象に関する精度の高い異常有無の判定を実現することができる。
また、本実施形態による欠陥判定システムは欠陥分類部を備えており、欠陥分類部から出力される欠陥分類結果の情報を欠陥情報に含めて、周期性の判定を行ってもよい。欠陥分類結果の情報の利用方法としては、例えば欠陥分類結果に基づいて欠陥が致命的なものであるか否かを判定し、欠陥が致命的なものである場合に周期性の判定を行えばよい。この例の場合には、製造工程の歩留まりに影響を及ぼす致命的な欠陥について周期性の推定を行うことによって、効率的かつ高精度に周期性の推定および製造工程の異常有無の判定を行うことができる。また、欠陥分類結果の情報を利用して製造工程の異常有無を判定することで、例えば何番目の製造工程に異常がある等といった具合で製造工程の異常をより明確に判定することができる。
また、欠陥情報に対して統計的な手法(検定)を用いて周期性の有無を推定することによって、欠陥情報の数や内容に応じて製造工程の異常有無の適切な判定を行うことができる。特に、質に関する欠陥情報は、欠陥の発生原因を特定しやすくする情報である(例えば、全てのチップで片ボケ欠陥があれば、その欠陥は露光機に起因する欠陥であると判定できる等)ので、周期性の推定を行う際に、欠陥位置、面積、フェレ径、欠陥分類結果といった質に関する欠陥情報を複合的に利用することで、製造工程の異常有無の判定精度を高め、異常の内容をより明確に示すことができる。
また、本実施形態による欠陥判定システムは検査領域の区画(ショット等)の単位で、被検査対象がOK(正常)かNG(異常)かの合否判定を行う。これによって、製造工程の異常有無の判定精度を高め、異常の内容をより明確にすることができる。さらに、周期性がある場合に、異常がある旨の判定結果を出力することによって、生産管理を行うシステムやオペレータ等に対して異常の発生を生産の早い段階で通知することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、第1の実施形態と異なる箇所のみを説明する。図13は、本実施形態による欠陥判定システムと製造装置の全体構成を示している。本実施形態では、コータ装置102、ステッパ装置103、デベロッパ装置104が夫々複数設けられている。また、製造工程管理部105からの指示によって基板の振り分けを行う振り分け部108A〜108Cが設けられている。製造工程管理部105は、複数の製造装置を区別するために、製造装置固有のID情報を保持している。
欠陥判定システム101は、検査基板の画像情報取得から一基板に関する欠陥の周期性推定までを行う単一基板判定機能付の基板検査装置106と、1ロット内(複数基板間)の欠陥の周期性推定を行う複数基板検査結果管理・判定部107とからなっている。このように構成することで、単一基板の欠陥周期性判定と複数基板の欠陥周期性判定を独立に処理することができ、例えば複数基板検査結果管理・判定部107を複数の基板検査装置106とリンクさせるといった構成が可能となる。
また、複数の製造装置を持つことで、例えば1台のコータ装置102が故障したことを製造工程管理部105が認識すると、コータ装置102の振り分け部108Aを制御して、故障しているコータ装置には基板をまわさないようにすることが可能である。これによって、一連の製造工程を停止させずに、故障に対応することが可能となる。結果として生産の効率を落とすことなく、かつ製造工程の異常に対しては早期の発見が可能となる。
図14は基板検査装置106の構成を示している。第1の実施形態と異なる点は、単一対象内欠陥周期推定部111と単一対象内製造工程異常判定部112が設けられていることである。また、本実施形態では製造装置固有のID情報を利用するため、製造工程や品種の情報を持つ検査対象情報bbが製造装置のID情報を保有しており、対象となる検査基板がどの製造装置で製造されたのかがわかるようになっている。製造装置のID情報は、検査用製造工程/品種情報mmおよび検査用画像情報ppにも含まれている。
検査情報統合部25から出力される統合検査情報wwは単一対象内欠陥周期推定部111に入力され、ここで第1の実施形態における単一対象内欠陥周期推定部32と同等の処理が行われる。単一対象内欠陥周期推定部111の処理が完了し、欠陥の周期性があると推定されると、単一基板内周期性推定情報dddが推定結果として出力される。単一基板内周期性推定情報dddには製造装置のID情報も含まれている。また欠陥の周期性の有無に関係なく、単一対象内欠陥周期推定部111は、周期性推定に関する情報を統合検査情報wwに付加した単一基板検査情報cccを出力する。
単一対象内製造工程異常判定部112は、単一基板内周期性推定情報dddによって欠陥の周期性があるとの推定結果を受け、製造工程に異常があることを示す情報を生成し、製造工程異常・検査完了情報kkkとして製造工程管理部105に送信する。このとき、単一基板内周期性推定情報dddに含まれる製造装置のID情報から、どの製造装置が異常を起こしているかがわかるため、製造工程異常・検査完了情報kkkには、異常を起こしていると思われる製造装置のID情報が付加されている。これにより、製造装置の異常を早期に発見することが可能となる。
次に、図15を参照し、基板検査装置106による処理の流れを説明する。なお、ステップS31〜S37の処理は図4のステップS11〜S17の処理と同等であるので、説明を省略する。ステップS37以降の処理は次のように行われる。ステップS37で統合された統合検査情報wwは単一対象内欠陥周期推定部111に送信される(ステップS38)。
続いて、単一対象内欠陥周期推定部111は、検査ウェハ1枚の統合検査情報wwに基づいて、第1の実施形態と同様にショット単位での欠陥の周期性を推定する(ステップS39)。単一対象内欠陥周期推定部111からの単一基板内周期性推定情報dddを受けて、単一対象内製造工程異常判定部112は、ウェハ内の周期性としてショット単位で欠陥の周期性が見られるか否かを調べ(ステップS40)、周期性が見られる場合は“Yes”としてステップS41に、周期性が見られない場合は“No”としてステップS42に夫々制御を移す。
ステップS40で“Yes”であった場合、ショット単位で欠陥の周期性が見られたことにより、単一対象内製造工程異常判定部112は、ショットに関する製造工程に「異常あり」という判定結果を出す。そして、単一対象内製造工程異常判定部112は、「製造工程異常あり」という内容の製造工程異常・検査完了情報kkkを製造工程管理部105に通知する(ステップS41)。
ステップS40で“No”であった場合、およびステップS41を完了したところで、単一対象内製造工程異常判定部112は、1つの検査基板に対する検査の完了を製造工程異常・検査完了情報kkkとして製造工程管理部105に送信する(ステップS42)。なお、ステップS41の処理が行われた場合は、製造工程異常・検査完了情報kkkには、異常を起こしていると思われる製造装置のID情報が含まれている。
次に、図16を参照し、複数基板検査結果管理・判定部107の構成を説明する。基板検査装置106から単一基板検査情報cccが出力され、検査情報記憶部33に入力される点以外の構成は、第1の実施形態による基板検査結果管理部7の構成(図5)と同様である。内部に関しては、検査情報記憶部33から出力されるロット基板検査情報eeeに製造装置のID情報が含まれている。また、複数対象内欠陥周期推定部34によって欠陥の周期性が見られると推定されたとき、出力される複数基板内周期性推定情報ggg(欠陥の周期性推定結果)、および製造工程異常判定部35から出力される製造工程異常情報hhhには、異常を起こしていると思われる製造装置のID情報が含まれるようになっている。
図17は、複数基板検査結果管理・判定部107による処理の流れを示している。ステップS51〜S55の処理は図6のステップS24〜S28の処理と同等である。
次に、製造装置のID情報を利用した欠陥の周期性の推定方法を説明する。製造装置のID情報を欠陥情報と関連付けることで、個々の製造装置に関する異常の有無を以下のように正確に判定することができる。図18は、本実施形態におけるロット基板検査情報eeeのフォーマットを示している。ロット基板検査情報eeeは、製造装置のID情報をキーとした並びとなっている。例えばデベロッパ装置に付随する製造装置ID"DEV_ABC01"に関して調べると、1つおきの基板ID"AAABBB01"、"AAABBB03"、"AAABBB05"の検査情報が、類似した欠陥位置、欠陥面積、欠陥フェレ径、分類情報(分類内容と適合度)を持っていることがわかる。
このことから、製造装置ID"DEV_ABC01"は、ロットID"AAABBB"内の奇数番目の基板に対して処理を行っていることがわかると同時に、各基板で見られる「デフォーカス」欠陥が、製造装置ID"DEV_ABC01"によるものであると推定することができる。他にコータ装置に付随する製造装置ID"COA_ABC01"に対しても、ロットID"AAABBB"内で3つおきに基板を処理しており、「ムラ」欠陥が製造装置ID"COA_ABC01"によるものであると推定することができる。
このようにすることで、欠陥情報や分類情報が同一の製造装置で類似している点を認識しやすくなる。また、製造装置のID情報別に欠陥情報や分類情報を利用して欠陥の周期性推定を行うことが可能となり、推定結果が即、製造装置の異常有無につながって、推定の処理時間を短縮することができる。
また、製造装置のID情報を利用して、以下のようにして欠陥の周期性を推定してもよい。複数対象内欠陥周期推定部34は、ロット基板検査情報eeeに含まれる任意の基板の欠陥情報と関連付けられた製造装置のID情報の出現数を製造装置毎にカウントし、その数を周期性の推定に利用する。例えば、より多くの基板の欠陥情報に関連付けられている製造装置のID情報をキーとして欠陥情報を抽出し、その欠陥情報を優先的に用いて欠陥の周期性を推定する。より多くの基板の欠陥情報に関連付けられているID情報を有する製造装置には異常がある可能性が高いので、上記の方法によって、このような製造装置の異常有無の判定を容易に行うことができる。
上述したように本実施形態では、製造装置を複数持つこと、欠陥判定システムが1枚のウェハに関する処理部と1ロット(複数のウェハ)に関する処理部とに分かれていること、欠陥の周期性の推定に製造装置のID情報を利用していることが第1の実施形態と異なる。このため、欠陥判定システムの構成を生産能力の向上に合わせて容易に変更することができる。また、欠陥の周期性が見られた場合に、製造装置のID情報によって、どの製造装置が異常を起こしているのかを簡単に推定することができる。さらに、異常を起こしている製造装置を停止させても、他の製造装置で製造を継続させることができる。これらの点から、生産効率や歩留まりの向上を図ることが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態では、第1および第2の実施形態と異なる箇所のみを説明する。図19は、本実施形態による欠陥判定システムと製造装置の全体構成を示している。第2の実施形態に対して、欠陥判定システム201Aが製造工程に(1つの製造工程管理部105の管理下で)複数設けられている。欠陥判定システム201Aは、検査用の基板画像を取得する基板検査画像取得装置206Aと、基板画像に対して欠陥抽出、分類、判定から周期性の推定にわたる一連の画像処理を行う基板検査処理部207Aとで構成されている。基板検査処理部207Aが、画像処理機能に特化することで、例えば1台の基板検査画像取得装置206Aに対して複数の基板検査処理部207Aを設けることが可能となっている。
図20は基板検査画像取得装置206Aの構成を示している。第2の実施形態と異なり、画像処理機能に関する処理部(欠陥抽出部、欠陥分類部、チップ/ウェハ単位欠陥判定部)が除かれている。装置制御部211は、画像記憶部20からの画像記憶制御情報nnとして「画像情報取得完了」を受け取ると、1枚の検査用画像情報取得が完了した旨を示す基板検査完了情報uuを製造工程管理部105に送る。
図21は基板検査処理部207Aの構成を示している。製造工程管理部105から出される周期性推定指示情報aaaが基板検査結果管理制御部231に入力されると、基板検査結果管理制御部231は基板検査結果管理制御情報bbbを欠陥抽出部221に送る。欠陥抽出部221は、基板検査結果管理制御情報bbbを「検査(画像処理)開始」と認識し、検査用画像情報ppの入力を受けて第1および第2の実施形態と同様の処理を行う。また、単一対象内欠陥周期推定部232は、検査情報統合部25から出力される統合検査情報wwを受けて、第1および第2の実施形態と同様の処理を行う(基板検査結果管理制御情報bbbの入力は関与しない)。
本実施形態では、欠陥判定システムを複数持つことによって、より効率的な生産(製造/検査)が可能となり、結果として製造工程の不具合発生を早期に発見することが可能となる。また、検査用の基板画像の取得部と画像処理部とを別々に構成することで、画像サイズが大きい(画素分解能が高い)場合の検査においても、画像処理部で欠陥抽出を行っている間に次の基板画像を取得することができるので、画像サイズの大きさによるタクトタイムの悪化を最小限に抑えた上で製造工程の不具合発生を早期に発見することが可能となる。
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図22は、フォトリソグラフィ工程中に配置される半導体製造装置(フォトリソ製造装置302;基板処理システム)の構成を示している。本実施形態によるフォトリソ製造装置302は、コータ/デベロッパ303と露光機304とを備えている。
コータ/デベロッパ303の投入口にはロードポート305〜307が設けられている。このロードポート305〜307はカセット317〜319を設置できるようになっている。カセット317〜319は、フォトリソグラフィ処理前の複数のウェハ301を収納していると共に、フォトリソグラフィ処理を終了したウェハ301を収納する役割も担っている。コータ/デベロッパ303内には、コータユニット308および309、デベロッパユニット312および313、検査ユニット314および315が設けられている。露光機304内には、露光ユニット310および311が設けられている。
コータ/デベロッパ303内には搬送ロボット316が設けられている。搬送ロボット316は、予め予約されたシーケンスに則り、処理前のウェハ301をカセットから取り出し、コータユニット、露光ユニット、現像ユニット、検査ユニットに順に搬送した後、処理が終了したウェハ301をカセットに収納する。このようにして、カセット内に収納された全てのウェハの処理が終了すると、図示しないカセット搬送装置によってカセットが他の工程の製造装置に運ばれると共に、次の処理前ウェハの入ったカセットがロードポートに設置される。この間、搬送ロボット316は、別のロードポートに設置されているカセット内のウェハ301を搬送し、処理をすることで、連続してウェハの処理を行うことができるようになっている。
露光機304内には、露光ユニット310および311での露光処理の制御を行う露光制御部322が設けられている。露光制御部322は露光処理のシーケンスを管理しており、通常は予め検査条件を設定したレシピに則り、フォトマスクの種類や露光量、露光位置等を露光ユニット310,311に設定して、内部に入れられたウェハに順次処理を実施させる。ただし、検査制御部320からの通知により、そのシーケンスを変更することが可能となっている。
コータ/デベロッパ303内には、フォトレジストの塗布および現像の処理を行うためのコータ・デベロッパ制御部321が設けられており、コータユニット308,309、デベロッパユニット312,313、ロードポート305〜307、および搬送ロボット316の制御を行っている。また、コータ・デベロッパ制御部321はコータ・デベロッパ・搬送処理のシーケンスを管理しており、通常は予め検査条件を設定したレシピに則り制御を行う。ただし、検査制御部320からの通知により、そのシーケンスを変更することが可能となっている。コータ/デベロッパ303内に設置された検査ユニット314および315は、検査制御部320によって制御されており、処理を終了したウェハ全面について欠陥の有無を自動判定し、ウェハに異常が発生しているか否かを検査する。通信部323は、フォトリソ製造装置302と工場のプロセス管理サーバとの間で通信を行うためのユニットである。
次に、図23を参照し、検査ユニット314および検査制御部320の詳細を説明する。図23において、被検査対象となる被検体400は、一次元方向に移動可能な検査ステージ406上に載置される。検査ステージ406は、装置駆動部408によって駆動される。照明部401には、照明用の光源および光学系が接続されている。この照明用の光源には、ハロゲンランプと熱線吸収フィルタとコンデンサレンズとを内部に備えたランプハウスが用いられ、照明用の光学系には、ランプハウスからの光束を収束させる収光レンズとファイバ束とが用いられる。この照明部401は、被検体400に対して入射角θo(可変)で被検体400を照明するものであり、その後段には、光束を収束させるシリンドリカルレンズ402と、不要な光束をカットするスリット403とが配置してある。
上記の照明部401に対向した位置には、撮像手段であるラインセンサカメラ405とフィルタ404が配置されており、照明された被検体400内の直線状の領域を結像することができる。検査ステージ406による被検体400の移動に同期してラインセンサカメラ405で撮像された画像は、撮像制御部409によって二次元画像に変換され、画像記憶部410に保存される。また、照明部401はシリンドリカルレンズ402およびスリット403と一体で、被検体400の表面に対する角度を変えることができるような構造となっており、異なる入射角で被検体400を照明することもできる。これらの一連の動作は、装置制御部407の指示に基づいて、装置駆動部408によって行われる。
また、装置制御部407の指示により動作する欠陥抽出部411は、被検体400の移動に同期して撮像された被検体画像を画像記憶部410から読み込み、良品部との差分をとることにより、塗布ムラや露光不良、現像異常、塵埃などの欠陥を抽出し、その形状、座標、大きさ等の情報を計測する。また、それらの結果を、検査条件に含まれている合格基準と照合して、被検査体400の良否を判定する機能を持っている。
同じく装置制御部407の指示により動作する欠陥分類部412は、欠陥抽出部411によって生成された情報に基づいて、抽出された欠陥の種類を特定・分類する。同じく装置制御部407の指示により動作する相関性検出部413は、処理を行ったユニットの情報をコータ・デベロッパ制御部321や露光制御部322から通信制御部414および装置制御部407経由で取得し、欠陥発生と処理ユニットとの関連性を評価する機能を持っている。これによって、欠陥の発生したウェハを処理したユニットがその後に処理したウェハでも連続して欠陥が発生していないか等を知ることができる。
前述した実施形態と同様に関連性の評価には、統計手法を用いたカイ二乗検定を使用している。前述したようにカイ二乗検定は、複数のグループの関連性を評価する統計手法であり、本実施形態では期待値からの差を用いて、カイ二乗分布から各グループの有意水準を評価する。図24のように、Aという尺度のカテゴリーを行に、Bという尺度のカテゴリーを列にとり、対応する結果Fを埋めた表があるとする。この表において、Aカテゴリーと全て同じ分布でBカテゴリーが発生すると仮定した場合、各行および各列それぞれの合計から、各セルの値として期待される値を求めることが可能である。この表の各セル( i ,j )に対応する期待度Gijは次式で表される。
Gij = (Sai ・Sbj) /S・・・(Eq-7)
このときのカイ二乗値は次式で表される。
このカイ二乗統計量は近似的に次式の自由度νのカイ二乗分布に従う。カイ二乗値と自由度の分布表は図25のようになる。
ν=(r−1)(s−1)・・・(Eq-9)
この表で、出現確率が0.05もしくは0.01以下となるカイ二乗値をとった場合に、尺度AとBとの間に関連性があると判断する。ただし、出現率に対する関連性の判断基準は任意に設定できるようになっている。相関性検出部413は、上記のような手法を用いて、各処理ユニット間に欠陥発生の関連性があるか否かを判断して、その結果を装置制御部407および通信制御部414に出力する機能を持っている。
通信制御部414は、コータ・デベロッパ制御部321、露光制御部322、および工場のプロセス管理サーバとの間で行う通信を制御する。表示部415は、装置制御部407からの指示に基づいて様々な情報を表示する。操作部416は、装置管理者が装置に対する指示等を入力するためのものである。
次に、本実施形態によるフォトリソ製造装置302の動作を説明する。まず、図示しない工場内のカセット搬送装置によって、カセットが他の工程の製造装置から運ばれ、ロードポート305にカセット317として設置される。その状況は、工場内の通信機能を使って、フォトリソ製造装置302の通信部323に通知される。通知された情報は、フォトリソ製造装置302内にある検査制御部320、コータ・デベロッパ制御部321、および露光制御部322に送られる。この情報には、処理するウェハの品名、工程名、ウェハのID等の情報が含まれており、この情報に基づいて各制御部は、処理条件の予め設定されているレシピを読み込み、シーケンスを制御する。
工場内の搬送装置は同様にしてカセット318、カセット319も順次ロードポート306および307に設置していく。コータ・デベロッパ制御部321は、カセットが設置されたロードポート305を動作させてカセットを開け、内部に収納されているウェハ301を取り出せる状態にする。続いて、最初に処理するウェハ301を搬送ロボット316がカセット317から取り出し、コータユニット308に搬送する。
続いて、コータ・デベロッパ制御部321は、予め設定されているレシピに基づいて、塗布液の種類や塗布量、回転速度、回転時間、温度、リンス量等をコータユニット308に設定し、ウェハ301にレジスト液を均一に塗布させる。この間に、搬送ロボット316によって、次に処理されるウェハがカセット317から取り出され、コータユニット309に搬送される。コータユニット309でも平行して処理が行われていく。
レジスト液の塗布が終了すると、搬送ロボット316はコータユニット308からウェハ301を取り出し、露光ユニット311にウェハ301を搬送する。また、コータ・デベロッパ制御部321は、露光ユニット311にウェハが搭載されたことを示す情報を露光制御部322に通知する。その後、搬送ロボット316によって、次に処理されるウェハがカセット318から取り出され、コータユニット308に搬送される。
露光制御部322は、ウェハ301が搭載されたことを示す情報をコータ・デベロッパ制御部321から受け取ると、予め設定されているレシピに基づいて、投影するフォトマスクの種類や露光量、フォーカス量、露光範囲、露光時間等を露光ユニット311に設定し、ウェハ301にフォトマスク像を投影させる。ウェハ301の指定された全領域に対して露光が終了すると、露光制御部322は、コータ・デベロッパ制御部321に対して露光終了の通知を送る。
コータ・デベロッパ制御部321が露光制御部322から露光終了の通知を受け取ると、搬送ロボット316は露光ユニット311からウェハ301を取り出し、デベロッパユニット313に搬送する。続いて、コータ・デベロッパ制御部321は、予め設定されているレシピに基づいて、ベーク温度、ベーク時間、現像液の種類や塗布量、現像時間等をデベロッパユニット313に設定し、ウェハ301のレジストを現像・除去させる。
現像が終了すると、搬送ロボット316はデベロッパユニット313からウェハ301を取り出し、検査ユニット314に搬送する。また、コータ・デベロッパ制御部321は、検査ユニット314にウェハが搭載されたことを示す情報を検査制御部320に通知する。検査制御部320は、予め設定されているレシピに基づいて、検査光学系の種類、光量値、検査領域、判定基準値等を検査ユニット314に設定し、ウェハ301の検査を実施する。
ウェハ301の指定された検査が終了すると、検査制御部320は、コータ・デベロッパ制御部321に対して検査終了の通知を出す。コータ・デベロッパ制御部321が検査制御部320から検査終了の通知を受け取ると、搬送ロボット316は検査ユニット314からウェハ301を取り出してカセット317に搬送し、指定された位置にウェハ301を収納する。
以上のようにして、カセット317の全てのウェハについて処理・検査が終了すると、フォトリソ製造装置302は、処理が終了したカセットのIDや、処理条件、検査の結果による収納ウェハの判定結果を通信部323経由で工場のプロセス管理サーバに通知する。これにより、工場内のカセット搬送装置によってカセット317が他の工程に運ばれ、ロードポート305には次に処理されるカセットが設置される。このとき、フォトリソ製造装置302が通知する検査結果の状況によっては、次の工程の処理を行わず、このフォトリソ製造装置302で塗布されたレジストを剥離し、再度やり直すこともある。
次に、装置に異常が発生した場合の動作を説明する。検査ユニット314にウェハが搭載されたことを示す情報を図23の通信制御部414がコータ・デベロッパ制御部321から受け取ると、その情報に基づいて装置制御部407は、内部に格納されているレシピの中から該当するレシピを選択し、そのレシピの内容に従って装置駆動部408および撮像制御部409を駆動する。装置駆動部408は、照明部401の光量を設定すると共にその入射角度を設定する。また、フィルタ404を駆動して、設定するフィルタを光路に入れて検査ステージ406を移動させる。これと同時に撮像制御部409は、ラインセンサカメラ405で生成されたウェハの画像を取り込み、その画像を画像記憶部410に保存する。
続いて、装置制御部407の指示に従って、欠陥抽出部411は、画像記憶部410に保存された画像から欠陥部を抽出し、その欠陥画像と共に欠陥座標、大きさ、形状、輝度変化量等を欠陥分類部412に出力する。欠陥分類部412は、欠陥抽出部の出力結果に基づいて、発生している欠陥の種類を特定する。各処理装置では特有の欠陥形状が発生し、欠陥分類部412は、欠陥の位置や形状および露光範囲との関連性などから、どのような欠陥が発生しているのかを推定する。続いて、相関性検出部413は、欠陥の発生した複数のウェハの情報から、処理ユニットと、発生した欠陥との相関性を検出する。
図26のように、カセットから取り出されたウェハを各処理ユニットAまたはBで処理する場合を考える。このシーケンスを行ったときの、検査ユニットによる各ウェハの判定結果が図27のようになったとする。SLOT05の判定結果がFailとなった時点701で各処理ユニットが処理済みのウェハ枚数を判定結果毎に記載すると図28のようになる。
図28に対して式(Eq-7)および式(Eq-8)を適用してカイ二乗値を求めると、全てのユニット、および検査ユニットを除いた処理ユニット全体に対してのカイ二乗値はそれ程大きな値を示していないが、露光ユニットに対する値は明らかに大きな値を示し、欠陥発生と露光ユニットとの間に関連性があることが判る。各ユニットのカイ二乗値は、各ユニットAとBに対して、PassとFailを組み合わせた場合の2×2の表を用いて、図28と同様に求めることができる。
欠陥発生と露光ユニットの間に関連性があるため、正常な露光ユニットだけで処理すれば、欠陥の発生を防止することができる。そこで、図28における最も欠陥発生率の大きな露光ユニットである露光ユニットA(例えば露光ユニット310)を停止し、SLOT08からは、図27の枠702が示すように、露光ユニットB(例えば露光ユニット311)で処理を続けることにより、ウェハの判定結果を全てPassとすることが可能になる。
次に、図29を参照し、上述した処理の流れを説明する。まず、コータユニット、露光ユニット、およびデベロッパユニットが順にウェハの処理を行う(ステップS61)。続いて、検査ユニットが検査を行う。検査結果が検査制御部320に通知され、検査制御部320では欠陥抽出部411が欠陥を抽出する(ステップS62)。装置制御部407は欠陥抽出部411からの欠陥抽出の結果を受け、ウェハに欠陥が存在したか否かを判定する(ステップS63)。
ウェハに欠陥がなければ、処理はステップS70に遷移する。また、欠陥が発生した場合には、欠陥分類部412は欠陥の種類を特定する(ステップS64)。続いて、相関性検出部413は相関性の検出処理を行い(ステップS65)、欠陥発生と処理ユニットとの間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS66)。相関性がなければ、処理はステップS69に遷移する。また、相関性がある場合は、前述した通り、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のあるユニットを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、その処理ユニットの停止依頼をコータ・デベロッパ制御部321および露光制御部322に通知して、それ以降のウェハを別のユニットで処理するシーケンスに変更する(ステップS67)。
この場合は、停止させたユニットと欠陥分類結果が、表示部415を介して装置管理者に通知される(ステップS68)。これにより、装置管理者は、欠陥分類結果の情報から装置の異常原因を推定し、修理を円滑に行うことができる。また、ウェハに欠陥が発生していることが、表示部415を介して通知される(ステップS69)。これによって、ウェハのどの部分に欠陥が発生したのか、また発生欠陥の大きさに応じて該当ウェハを再生処理するのか次工程に流すのかを判断するのに必要な情報が装置管理者に提供される。最後に、装置制御部407は、全てのウェハについて処理を行ったか否かを判断し(ステップS70)、未処理のウェハが残っている場合には、ステップS61に制御を移す。全てのウェハの処理が終了するまで、これらの処理が繰り返される。
このようにして、図26のシーケンスのまま全てのウェハを処理した場合、最終的には13枚の欠陥ウェハを製造してしまうことになるが、露光ユニットを停止して正常なユニットで処理することにより、欠陥ウェハを3枚に抑えながら、全てのウェハを処理することが可能となる。
上述したように、本実施形態による基板処理システムは、欠陥の発生と相関のあるユニットを特定し、そのユニットのみの稼動を停止してシーケンスから外す処理を行う。これによって、欠陥の発生を最低限に抑制すると同時に、残りのウェハについては正常に処理を実行することが可能となる。また、以降処理されるウェハについても同様に処理を進め、その間に欠陥と相関性のあるユニットを修理することにより、システムを停止することなく異常ユニットを修理することが可能となり、生産性を損なわずに保守を行うことができる。さらに、ユニット間の基板の流れを制御して製造処理を継続させることにより、欠陥による工場の生産量低下を最小限に抑えることが可能となり、安定した基板製造を行うことができる。
なお、本実施形態では相関性の評価のためにカイ二乗検定を使用しているが、これと同等の判断手法を用いても構わない。例えばサンプル数が少ない場合等では、期待値との差で判断することにより、計算を単純化し、処理速度を高速化することが可能である。また、カセット1個について評価を行うのではなく、継続処理される全てのウェハに対して評価を実施することで、サンプル数を増やすことができ、より信頼性の高い判断をすることが可能となる。
また、検査ユニットは単一種類の検査ユニットに限らず、複数の異なる検査方式や検査ユニットを使用することによって、相関性の評価精度を向上させても構わない。さらに、各製造装置が2個の処理ユニットを備えている場合について説明しているが、それ以上のユニットから構成されていても効果は同等である。
次に、本実施形態の変形例を説明する。本変形例では相関性評価として、処理ユニットと欠陥の相関性だけでなく、処理ユニット内で使用される部品等についても欠陥との相関性を評価する。また、各処理ユニットは、不良発生の可能性のある部位を複数装備することとし、各制御ユニットによってそれらの部位を自動的に交換できる仕組みとなっている。不良発生の可能性のある部位とは、例えば露光ユニットで使用するフォトマスクや、コータユニットおよびデベロッパユニットで使用する液体注入ノズル、レシピ等である。
つまり、露光制御部322は、処理をした露光ユニットのID情報に加えて、フォトマスクの種類、レシピの種類、露光量、フォーカス量、露光範囲、露光波長等の情報を検査制御部320に提供する。また、コータ・デベロッパ制御部321は、コータユニットおよびデベロッパユニットのID情報に加えて、ロードポートの種類、スロット番号、搬送シーケンス、レシピの種類、レジスト液の種類、使用ノズル、コータ回転時間、コータ回転速度、コータ温度、レジスト塗布量、現像液種類、現像液量、現像時間、現像温度等の情報を検査制御部320に提供する。検査制御部320の相関性検出部413はこれらの情報から欠陥ウェハとの相関性を求め、欠陥発生原因の部位を特定する。
以下、図30を参照し、本変形例でのフォトリソ製造装置302による処理の流れを説明する。まず、コータユニット、露光ユニット、およびデベロッパユニットが順にウェハの処理を行う(ステップS81)。続いて、検査ユニットが検査を行う。検査結果が検査制御部320に通知され、検査制御部320では欠陥抽出部411が欠陥を抽出する(ステップS82)。装置制御部407は欠陥抽出部411からの欠陥抽出の結果を受け、ウェハに欠陥が存在したか否かを判定する(ステップS83)。
ウェハに欠陥がなければ、処理はステップS100に遷移する。また、欠陥が発生した場合には、欠陥分類部412は欠陥の種類を特定する(ステップS84)。続いて、相関性検出部413は処理シーケンス、処理ユニット、フォトマスク、ノズル、レシピ、スロットと欠陥発生との相関性の検出処理を行う(ステップS85)。相関性検出部413は欠陥発生と処理シーケンスとの間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS86)。
相関性がある場合、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のある処理シーケンスを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、その処理シーケンスの使用を禁止し、別のルートを通るシーケンスに変更する(ステップS87)。
ステップS86で相関性がないと判定した場合、相関性検出部413は欠陥発生と処理ユニットとの間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS88)。相関性がある場合、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のあるユニットを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、その処理ユニットを停止させて使用を禁止する制御を行い、それ以降のウェハを別のユニットで処理するようにシーケンスを変更する(ステップS89)。
ステップS88で相関性がないと判定した場合、相関性検出部413は欠陥発生とフォトマスク(レチクル)との間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS90)。相関性がある場合、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のあるフォトマスクを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、そのフォトマスクの使用を禁止すると共に、そのフォトマスクを別のフォトマスクに交換するように露光制御部322に通知する。通知を受けた露光制御部322は、該当するフォトマスクを使用している露光ユニットにフォトマスクの交換を行わせる(ステップS91)。
ステップS90で相関性がないと判定した場合、相関性検出部413は欠陥発生と処理液注入用のノズルとの間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS92)。相関性がある場合、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のあるノズルを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、そのノズルの使用を禁止すると共に、そのノズルを別のノズルに交換するようにコータ・デベロッパ制御部321に通知する。通知を受けたコータ・デベロッパ制御部321は、該当するノズルを使用しているコータユニットまたはデベロッパユニットにノズルの交換を行わせる(ステップS93)。
ステップS92で相関性がないと判定した場合、相関性検出部413は欠陥発生と、コータ・デベロッパ制御部321および露光制御部322が使用しているレシピとの間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS94)。相関性がある場合、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のあるレシピを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、そのレシピの使用を禁止すると共に、そのレシピを、同等の製造が可能な別のレシピに変更するようにコータ・デベロッパ制御部321および露光制御部322に通知する。通知を受けたコータ・デベロッパ制御部321および露光制御部322はレシピの変更を行う(ステップS95)。
ステップS94で相関性がないと判定した場合、相関性検出部413は欠陥発生と、ウェハが収納されたカセット内のスロットとの間に相関性があるか否かを判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS96)。相関性がある場合、相関性検出部413は、欠陥発生に相関のあるスロットを特定し、その情報を装置制御部407に通知する。装置制御部407は、それ以降では該当スロットのウェハを検査対象から外して検査を実行する制御を行う。また、装置制御部407は、該当スロットへのウェハの搭載を禁止する依頼を工場内のシステムに通信で送り、他の装置等でウェハの入れ替えを実施してもらう(ステップS97)。
何らかの相関性があると判定され、ステップS87,S89,S91,S93,S95,S97のいずれかの処理が実行されると、表示部415は、装置制御部407の制御に従って、装置管理者に装置の異常を通知すると共に、ウェハの欠陥状況を通知するための表示を行う(ステップS98,S99)。また、いずれの相関性もないと判定された場合は、表示部415は、ウェハの欠陥状況を通知するための表示のみを行う(ステップS99)。
最後に、装置制御部407は、全てのウェハについて処理を行ったか否かを判断し(ステップS100)、未処理のウェハが残っている場合には、ステップS81に制御を移す。全てのウェハの処理が終了するまで、これらの処理が繰り返される。処理が完了すると、装置制御部407は、処理が終了したカセットのIDや処理条件、検査結果に基づいた収納ウェハの判定結果を工場のプロセス管理サーバに通知する。これにより、工場内のカセット搬送装置によってカセット317が他の工程へ運ばれ、ロードポート305には次に処理するカセットが設置される。このとき、フォトリソ製造装置302が通知する検査結果の状況によっては次の工程の処理は行わず、このフォトリソ製造装置302で塗布したレジストを剥離し、再度やり直すこともある。
以上のように、欠陥の発生と相関のある部位を特定し、シーケンスから外す、もしくは代替部品を使用することにより、欠陥の発生を最低限に抑制すると同時に、残りのウェハについては正常に処理を実行することが可能となる。また、以降処理されるウェハについても同様に処理を進め、その間に欠陥と相関性のあるユニットを修理することにより、システムを停止することなく異常ユニットを修理することが可能となり、生産性を損なわずに保守を行うことができる。また、部品の交換が必要となった場合も代替部品で処理を続けられるため、交換部品の納期や工場内の生産都合に合わせた修理が可能となる。もちろん、本変形例では処理ユニットが複数あることを前提としているが、単一のユニットであっても同様の効果を得ることが可能である。
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図31は、本実施形態による検査制御部320の構成を示している。第4の実施形態と比較して、欠陥分類に関する情報(第1の実施形態における分類ルール情報rrと同様)や、欠陥分類結果と処理ユニットとの相関性を示す確率データ等が保存されたデータベース部419が設けられている。
例えば、コータユニットでは、ウェハを回転させながらレジストを塗布する処理過程で、ウェハの回転半径方向に広がる欠陥が発生しやすい。図32(a)は、コータユニットで発生する欠陥を図示化したものである。レジストの塗布量が少ない場合は、欠陥1001のように、周辺まで十分に塗布液が行き渡らずに放射方向にムラが発生したり、欠陥1002のように、塗布表面の異物を先端として円周方向に尾を引いたムラが発生したりする。
露光ユニットでは、ウェハ上に形成するチップに合わせて露光を繰り返すために1回の露光範囲形状に類似した欠陥が発生しやすい。例えば、図32(b)の欠陥1003のように、露光範囲1区画全域が欠陥となったり、欠陥1004のように、区画の一部が欠陥となったりする。また、デベロッパユニットでは、現像液を一軸方向にスキャンさせながらかける場合には、現像液をかける方向に依存した欠陥が発生する。例えば図32(c)の欠陥1005のように、一軸方向に欠陥が発生する(欠陥1005の右上部分では現像が行われているが、左下に向かうほど現像が不足する)などの現象が起こる。
これらのように、処理ユニット毎に欠陥に特徴をもっていることを利用して、これらを構成する特徴量と、特徴量の数値に対する欠陥分類結果の適合度とが関連付けられた情報、および欠陥分類結果に対する処理ユニットの適合度の情報(例えば図32の欠陥1001や1002に対するコータユニットの適合度は高く、露光ユニットの適合度は低い)がデータベース部419に保存されている。特徴量の算出方法は、前述した特開2003−168114号公報に開示されている。
欠陥分類部417は、欠陥抽出部411によって検出された欠陥について、欠陥の特徴量となる欠陥の形状、縦横比、ウェハに対する位置、ウェハに対する方向性、ウェハ上に形成されるチップとの依存性等の情報を計測する。欠陥分類部417は、これらの計測情報と、データベース部419によって予め記憶されている経験則情報とに基づいて、特定の欠陥に対する適合度(分類確率)を計算する。また、相関性検出部418は、欠陥分類部417によって分類された欠陥の分類結果と、データベース部419によって予め記憶されている経験則情報とに基づいて、その欠陥を発生させている処理ユニットの確率(特定の処理ユニットについて、異常によりその処理ユニットがその欠陥を発生させている確率)を計算する。
以下、図33を参照し、本実施形態でのフォトリソ製造装置302による処理の流れを説明する。まず、コータユニット、露光ユニット、およびデベロッパユニットが順にウェハの処理を行う(ステップS111)。続いて、検査ユニットが検査を行う。検査結果が検査制御部320に通知され、検査制御部320では欠陥抽出部411が欠陥を抽出する(ステップS112)。装置制御部407は欠陥抽出部411からの欠陥抽出の結果を受け、ウェハに欠陥が存在したか否かを判定する(ステップS113)。
ウェハに欠陥がなければ、処理はステップS123に遷移する。また、欠陥が発生した場合、欠陥分類部417は欠陥分類処理を行い、特定の欠陥についての分類確率を算出する(ステップS114)。欠陥分類部417から欠陥分類結果が入力されると、相関性検出部418は分類確率と第1の閾値を比較し、分類確率が第1の閾値以上であるか否か(分類確率が非常に高いか否か)を判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS115)。分類確率が第1の閾値以上であった場合には、処理はステップS120に遷移する。
また、分類確率が第1の閾値未満であった場合には、相関性検出部418は相関性検出処理を行い、欠陥を発生した処理ユニットの確率を算出する(ステップS116)。続いて、相関性検出部418は処理ユニットの確率と第2の閾値を比較し、確率が第2の閾値以上であるか否か(欠陥と処理ユニットの間の相関性が非常に高いか否か)を判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS117)。確率が第2の閾値以上であった場合には、処理はステップS120に遷移する。
また、確率が第2の閾値未満であった場合には、相関性検出部418は処理ユニットの確率と第3の閾値(第2の閾値>第3の閾値)を比較し、確率が第3の閾値以上であるか否か(欠陥と処理ユニットの間の相関性が中程度であるか否か)を判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS118)。確率が第3の閾値未満であった場合には、処理はステップS122に遷移する。また、確率が第3の閾値以上であった場合には、相関性検出部418は分類確率と第4の閾値(第1の閾値>第4の閾値)を比較し、分類確率が第4の閾値以上であるか否か(分類確率が中程度であるか否か)を判定し、判定結果を装置制御部407に通知する(ステップS119)。
分類確率が第4の閾値未満であった場合には、処理はステップS120に遷移する。また、分類確率が第4の閾値以上であった場合には、装置制御部407は、相関性検出部418から通知された処理ユニットを停止させて使用を禁止する制御を行い、それ以降のウェハを別のユニットで処理するようにシーケンスを変更する(ステップS120)。
続いて、表示部415は、装置制御部407の制御に従って、装置管理者に装置の異常を通知すると共に、ウェハの欠陥状況を通知するための表示を行う(ステップS121,S122)。最後に、装置制御部407は、全てのウェハについて処理を行ったか否かを判断し(ステップS123)、未処理のウェハが残っている場合には、ステップS111に制御を移す。全てのウェハの処理が終了するまで、これらの処理が繰り返される。
なお、上記の例では、欠陥分類結果に対する処理ユニットの確率を使用しているが、処理ユニットの状態を監視する専用の検査ユニットによる測定および判断の結果に対する処理ユニットの確率を使用しても構わない。例えばコータユニットの後段に膜厚計を設置してレジストの膜厚の測定結果を得る。この測定結果から図32の欠陥1001等の形状を検出し、検出結果に基づいて処理ユニットの確率を算出すればよい。
また、露光ユニットの後段に線幅測定器を設置して、パターンの線幅で評価を行ったり、デベロッパユニットの後段に分光計を設置して、ベークによるレジスト特性変化を測定した結果から評価を行ったりする等の方法を用いてもよい。各処理ユニットの前段や後段に検査ユニットを設置することにより、その処理ユニットが欠陥の発生原因であった場合に、その処理ユニットの確率をより一層高めることが可能となる。また、これら複数の検査結果と相関性評価の結果から欠陥発生ユニットを特定しても構わない。
上述したように、本実施形態によれば、欠陥分類結果と相関性評価の両者の結果から処理ユニットの異常を検出することにより、判定の信頼度が向上すると共に、早期に異常ユニットを止めることが可能となる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、基板の検査方式をマクロ検査としていたが、マクロ検査に限定されることはなく、顕微鏡を使ったミクロ検査等にも適用することが可能である。
1,101,201A・・・欠陥判定システム、5,105・・・製造工程管理部、6,106・・・基板検査装置、7・・・基板検査結果管理部、11,211,407・・・装置制御部、21,221,411・・・欠陥抽出部、22,412,417・・・欠陥分類部、23・・・欠陥分類ルール記憶部、32,111,232・・・単一対象内欠陥周期推定部、34・・・複数対象内欠陥周期推定部、35・・・製造工程異常判定部、107・・・複数基板検査結果管理・判定部、112・・・単一対象内製造工程異常判定部、206A・・・基板検査画像取得装置、207A・・・基板検査処理部、302・・・フォトリソ製造装置、312,313・・・デベロッパユニット、314,315・・・検査ユニット、320・・・検査制御部、321・・・コータ・デベロッパ制御部、322・・・露光制御部、413,418・・・相関性検出部、419・・・データベース部