JPWO2014103665A1 - 絶縁ワイヤ、電気機器および絶縁ワイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらのような従来の発泡電線では耐傷性の点において劣り、絶縁ワイヤとしての性能を満足できるものではない。
さらに上記の優れた性能の絶縁ワイヤを用いた電気機器を提供することを課題とする。
(1)導体と、前記導体の外周面上に直接または間接的に被覆された、気泡を有する熱硬化性樹脂を含む発泡絶縁層と、前記発泡絶縁層の外側に結晶性樹脂の場合は融点が240℃以上である熱可塑性樹脂、または、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度が240℃以上である熱可塑性樹脂を含む外側絶縁層とを有することを特徴とする絶縁ワイヤ。
(2)前記熱可塑性樹脂は、25℃での貯蔵弾性率が1GPa以上であることを特徴とする(1)に記載の絶縁ワイヤ。
(3)前記発泡絶縁層と前記外側絶縁層との厚さの比(発泡絶縁層/外側絶縁層)が5/95〜95/5であることを特徴とする(1)または(2)に記載の絶縁ワイヤ。
(4)前記熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂であり、かつ融点が270℃以上である熱可塑性樹脂を含んでいることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の絶縁ワイヤ。
(5)モーターコイルに用いられる(1)〜(4)のいずれかに記載の絶縁ワイヤ。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の絶縁ワイヤの製造方法であって、導体の外周面に直接または間接的に発泡絶縁層を形成するワニスを塗布し、焼き付ける過程で発泡させて発泡絶縁層を形成する工程と、発泡絶縁層の外周面に外側絶縁層を形成する熱可塑性樹脂組成物を押出成形して外側絶縁層を形成する工程とを有する絶縁ワイヤの製造方法。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の絶縁ワイヤを用いた電気機器。
また、本発明において、「ガラス転移温度」および「融点」は、熱可塑性樹脂が複数のガラス転移温度または融点を有する場合は最も低いガラス転移温度または融点をいう。
さらに、本発明において、「間接的に被覆」とは発泡絶縁層が他の層を介して導体を被覆していることを意味し、「間接的に塗布」とはワニスが他の層を介して導体上に塗布されることを意味する。ここで、他の層としては、たとえば、発泡絶縁層以外の、気泡をもたない内側絶縁層または密着層(接着層)などが挙げられる。
図1(b)に断面図を示した本発明の絶縁ワイヤの別の実施態様は、導体1として断面が矩形のものを用いたもので、それ以外は基本的に図1(a)に示す絶縁ワイヤと同様である。この実施態様は、導体1の断面が矩形であるので、熱硬化性樹脂からなる発泡絶縁層2および熱可塑性樹脂からなる外側絶縁層3も断面が矩形である。
図2(b)に示した本発明の絶縁ワイヤのさらにまた別の実施態様では、発泡絶縁層2を厚さ方向に2つの層に分割する内部絶縁層26を有する以外は図2(a)に示す絶縁ワイヤと同様である。すなわち、この実施態様では、導体1上に、内側絶縁層25、発泡絶縁層2、内部絶縁層26、発泡絶縁層2および外側絶縁層3がこの順で積層形成されている。
本発明において、「内側絶縁層」は、気泡を有していないこと以外は発泡絶縁層と基本的に同様であり、「内部絶縁層」は形成される位置が異なること以外は内側絶縁層と基本的に同様である。
図3(b)に示した本発明の絶縁ワイヤの別の実施態様では、気泡を有する熱硬化性樹脂からなる発泡絶縁層2と外側絶縁層3との間に密着層35を介装した以外は図2(b)に示す絶縁ワイヤと同様である。
以上の各図において同符号は同じものを意味し、説明を繰り返さない。
また、内部絶縁層26は、発泡絶縁層2の内部に、後述する発泡絶縁層2を形成する熱硬化性樹脂で気泡をもたない状態に形成される層である。
この発明において、内側絶縁層25および内部絶縁層26は所望により形成される。
より好ましくは、耐溶剤性に優れるポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)である。本発明において絶縁被膜としては熱硬化性樹脂を用いるが、後述のポリアミドイミド樹脂などが好ましく用いられる。
なお、使用する樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリイミドとしては、例えば、Uイミド(ユニチカ社製、商品名)、U−ワニス(宇部興産社製、商品名)、HCIシリーズ(日立化成社、商品名)、オーラム(三井化学社製、商品名)などを使用することができる。
発泡絶縁層2の厚さに制限はないが、5〜200μmが好ましく、10〜200μmが実際的であり、より好ましい。
この効果をさらに高めるために、外側絶縁層3に使用される熱可塑性樹脂として、非晶性樹脂である場合には240℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂、または、結晶性樹脂である場合には240℃以上の融点を有する熱可塑性樹脂を用いる。
熱可塑性樹脂の融点またはガラス転移温度は、好ましくは250℃以上であり、上限は特に限定されないが、例えば、450℃である。
また、発泡絶縁層2と外側絶縁層3の厚さの比は、適切であるのがよい。すなわち、発泡絶縁層2が厚いほど比誘電率が低下し、部分放電開始電圧を上昇させることが可能である。一方で、耐摩耗性が低下することがある。強度および可とう性などの機械特性を上昇させたい場合には外側絶縁層3を厚く設計すれば良い。発泡絶縁層2と外側絶縁層3のとの厚さの比(発泡絶縁層2/外側絶縁層3)が5/95〜95/5であれば、強度および放電開始電圧が高くなるという特長を発現することを見出した。特に機械特性が求められる場合には5/95〜60/40が好ましい。
本発明において「気泡をもたない」とは完全に気泡のない状態に加えて、本発明の目的を損なわない程度に気泡が存在する状態をも包含する。たとえば、本発明の目的を損なわない程度として、外側絶縁層3の断面において、断面の全面積に対する気泡の合計面積の割合が20%以下であることが挙げられる。
ここで、焼き付けは、溶剤の揮発および熱硬化性樹脂の硬化が可能であれば特に限定されず、たとえば、熱風炉または電気炉などで500〜600℃に加熱する方法が挙げられる。
密着層35は、発泡絶縁層2上に、外側絶縁層3を形成する非晶性熱可塑性樹脂と同様の非晶性熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた塗料を塗布し、溶剤を蒸発させることによって、形成できる。
このように、本発明によれば、絶縁ワイヤを備えた、電気機器、特にHVおよびEVの駆動モーターを提供できる。なお、本発明の絶縁ワイヤがモーターコイルに用いられる場合にはモーターコイル用絶縁ワイヤとも称する。
図2(a)に示す絶縁ワイヤを下記のようにして作成した。
まず、発泡絶縁層2を形成するのに用いる発泡ポリアミドイミドワニスを以下のように作製した。2L容セパラブルフラスコにHI−406シリーズ(樹脂成分32質量%のNMP溶液、NMPの沸点202℃)(商品名、日立化成社製)1000gを入れ、この溶液に気泡形成剤としてトリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)100gとジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点256℃)150gを添加することにより得た。また、内側絶縁層25を形成するのに用いる内側絶縁層25形成用ポリアミドイミドワニスはHI−406シリーズ(樹脂成分32質量%のNMP溶液)を用いた。この樹脂1000gに溶剤としてNMPを用いて30%樹脂溶液として用いた。
各ワニスはディップコーティングにより塗布し、ダイスによって塗布量を調節した。具体的には、1.0mmφの銅導体1に調製した内側絶縁層25形成用ポリアミドイミドワニスを塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて厚さ4μmの内側絶縁層25を形成した。次いで、内側絶縁層25上に調製した発泡ポリアミドイミドワニスを塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて厚さ19μmの発泡絶縁層2を形成した。このようにして内側絶縁層25および発泡絶縁層2が形成された成型体(下引き線ということもある。)を得た。次いで、この下引き線に対して、PPS樹脂(DIC社製FZ−2100、融点275℃、貯蔵弾性率1.6GPa)をダイス温度320℃、樹脂圧30MPaで33μmの厚さとなるように押出機により被覆して、実施例1の絶縁ワイヤを製造した。
図1(a)に示す絶縁ワイヤを次のようにして作成した。1.0mmφの銅導体1の外周面に実施例1で調製した発泡ポリアミドイミドワニスを直接塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて厚さ70μmの発泡絶縁層2が形成された成型体(下引き線)を得た。次いで、この下引き線に対して、TPI樹脂(三井化学社製PL450C、融点388℃、貯蔵弾性率1.9GPa)をダイス温度380℃、樹脂圧30MPaで8μmの厚さとなるように押出機により被覆し、実施例2の絶縁ワイヤを製造した。
図2(a)に示す絶縁ワイヤを下記のようにして作成した。
まず、発泡絶縁層2を形成するのに用いる発泡ポリイミドワニスを以下のように作製した。2L容セパラブルフラスコに、Uイミド(樹脂成分25質量%のNMP溶液)(ユニチカ社製、商品名)1000gを入れ、溶剤としてNMP(沸点202℃)75g、DMAC(沸点165℃)150gおよびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点275℃)200gを添加することにより得た。内側絶縁層25を形成するのに用いる内側絶縁層25形成用ポリイミドワニスはUイミドを用い、その樹脂1000gに溶剤としてDMAC250gを加えて調製した。
1.0mmφの銅導体1の外周面に内側絶縁層25形成用ポリイミドワニスを塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて厚さ4μmの内側絶縁層25を形成した。次いで、内側絶縁層25上に調製した発泡ポリイミドワニスを塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて厚さ60μmの発泡絶縁層2を形成した。このようにして内側絶縁層25および発泡絶縁層2が形成された成型体(下引き線)を得た。次いで、この引き線に対して、PEEK樹脂(ビクトレックス社製、商品名:PEEK450G、融点340℃、貯蔵弾性率3.8GPa)をダイス温度420℃、樹脂圧30MPaで30μmの厚さとなるように押出機により被覆し、実施例3の絶縁ワイヤを製造した。
図2(a)に示す絶縁ワイヤを下記のようにして作成した。まず、発泡絶縁層2を形成するのに用いる発泡ポリエステルイミドワニス(第1表中、PEsI)を以下のように作製した。2L容セパラブルフラスコに、ポリエステルイミドワニス(Neoheat8600A;東特塗料社製商品名)1000gを入れ、溶剤としてNMP(沸点202℃)75g、DMAC(沸点165℃)50gおよびトリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)200gを添加することにより得た。内側絶縁層25を形成するのに用いる内側絶縁層25形成用ポリエステルイミドワニスはNeoheat8600Aを用い、その樹脂1000gに溶剤としてDMAC250gを加えて調製した。
1.0mmφの銅導体1の外周面に内側絶縁層25形成用ポリエステルイミドワニスを塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて厚さ3μmの内側絶縁層25を形成した。次いで、内側絶縁層25上に調製した発泡ポリエステルイミドワニスを塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて膜厚5μmの発泡絶縁層2を形成した。このようにして内側絶縁層25および発泡絶縁層2が形成された成型体(下引き線)を得た。次いで、この引き線に対して、SPS樹脂(出光興産社製、ザレックS105、ガラス転移温度280℃、貯蔵弾性率2.2GPa)をダイス温度360℃、樹脂圧20MPaで90μmの厚さとなるように押出機により被覆し、実施例4の絶縁ワイヤを製造した。
図3(a)に示す絶縁ワイヤを次のようにして作成した。膜厚が異なること以外は実施例1と同様にして下引き線を作製した。次いで、下引き線の発泡絶縁層2上に、PPSU20g(レーデルR(商品名)、ソルベイ社製)をNMP100gに溶解させた液体を塗布し、発泡絶縁層2と同様にして炉温500℃で焼き付けして膜厚2μmの密着層35を形成した。このようにして密着層35を形成した下引き線上に、膜厚が異なること以外は実施例1と同様にしてPPS樹脂を80μmの厚さとなるように押出し成形して、実施例5の絶縁ワイヤを製造した。
発泡絶縁層2の膜厚を100μmに変更すると共に外側絶縁層3の膜厚を5μmに変更したこと以外は実施例2と同様にして実施例6の絶縁ワイヤを製造した。
発泡絶縁層2の膜厚を80μmに変更すると共に外側絶縁層3を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1の絶縁ワイヤを製造した。
1.0mmφの銅導体1の外周面にPAI樹脂(日立化成社製、HI−406シリーズ)を塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて、膜厚が19μmの、気泡を含まない絶縁層を形成した。次いで、実施例5と同様にして絶縁層上に密着層35を形成して下引き線を得た。次いで、膜厚が異なること以外は実施例1と同様にしてPPS樹脂を32μmの厚さとなるように押出し成形して、比較例2の絶縁ワイヤを製造した。
1.0mmφの銅導体1の外周面にPAI樹脂(日立化成社製、HI−406シリーズ)を塗布し、これを炉温500℃にて焼き付けて、膜厚が40μmの、気泡を含まない絶縁層を形成し、比較例3の絶縁ワイヤを製造した。
PPSに代えて熱可塑性エラストマー(TPE、東洋紡社製、P−150B(商品名、25℃の貯蔵弾性率:0.1GPa、融点:212℃)を用い、かつ厚さを変更したこと以外は実施例5と同様にして比較例4の絶縁ワイヤを製造した。
実施例および比較例における各層の厚さ、絶縁層の合計厚さ、発泡絶縁層2の発泡倍率、外側絶縁層3を形成する各熱可塑性樹脂の融点(第1表においてmpと表記する。)またはガラス転移温度(第1表においてTgと表記する。)を前記のようにして測定した。
また、発泡絶縁層2の平均気泡径は、発泡絶縁層2の厚み方向断面の走査電子顕微鏡(SEM)像において、20個の気泡を無作為に選び、画像寸法計測ソフト(三谷商事社製WinROOF)を用い、径測定モードにて平均の気泡径を算出し、得られた値を気泡径とした。
さらに、発泡絶縁層2と外側絶縁層3との厚さの比(発泡絶縁層2の厚さ/外側絶縁層3の厚さ)を算出した。
これら測定値および算出値を第1表に示した。
比誘電率は、製造した各絶縁ワイヤの静電容量を測定し、静電容量と発泡絶縁層2の厚さから算出した。静電容量の測定にはLCRハイテスタ(日置電機社製、型式3532−50)を用いた。測定温度を25℃とし、測定周波数を100Hzとして測定した。
実施例1〜6および比較例1〜4で製造した絶縁ワイヤそれぞれ2本をツイスト状に撚り合わせた試験片を作製し、2本の導体1間に正弦波50Hzの交流電圧を印加して、連続的に昇圧させながら放電電荷量が10pCのときの電圧(実効値)を測定した。測定温度は常温とした。部分放電開始電圧の測定には部分放電試験機(菊水電子工業製、KPD2050)を用いた。部分放電開始電圧は、850V以上であれば、部分放電が発生しにくく絶縁ワイヤの部分劣化を防止できる。
一方向摩耗試験はJIS C3216に準じて実施した。試験装置はNEMAスクレープテスター(東洋精機製作所社製)を用いた。この試験は直線状の試験片について連続的に増加する力が針に加わるようにし、その針で試験片の表面を擦っていくものである。針と導体の間で導通が生じたときの力を破壊力とした。
本発明では、破壊力が2500g以上であった場合を摩耗性が良好であるものとして「◎」、破壊力が1500g以上2500g未満で十分に使用可能なレベルのものを「○」、破壊力が1250g以上1500g未満となり、機械特性は製品としての許容レベル内にあって使用可能であるものを「△」、すぐに導通してしまい使用が難しいレベルの1250g未満の破壊力であった場合を「×」で示した。
本発明は、上述の通り、比誘電率の低下および部分放電開始電圧の向上と、機械強度の向上との両立を課題とするため、比誘電率が3.2未満で部分放電開始電圧が850V以上であり、かつ一方向摩耗性が「△」以上の判定を両立したものを合格として「○」で示した。
発泡絶縁層2を有していない比較例2は、比誘電率が高く部分放電開始電圧が低くかった。発泡絶縁層2および外側絶縁層3を有していない比較例3は、比誘電率が高く部分放電開始電圧が低く、一方で外側絶縁層3を有していないにもかかわらず、一方向摩耗性には優れていた。
このように、比較例1〜4の絶縁ワイヤは、いずれも、低比誘電率および高部分放電開始電圧と高機械強度とを両立できず、総合評価は不合格であった。
本発明の絶縁ワイヤは、これらに限定されず、内側絶縁層25および外側絶縁層3を有する種々の構成を採用でき、たとえば、図1(b)、図2(b)または図3(b)に示されるように矩形の導体1、内部絶縁層26などを採用可能である。
2 発泡絶縁層
3 外側絶縁層
25 内側絶縁層
26 内部絶縁層
35 密着層
(1)導体と、該導体の外周面上に間接的に被覆された、気泡を有する熱硬化性樹脂を含む発泡絶縁層と、該発泡絶縁層の外側に結晶性樹脂の場合は融点が240℃以上である熱可塑性樹脂、または、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度が240℃以上である熱可塑性樹脂を含む外側絶縁層とを有することを特徴とする絶縁ワイヤ。
(2)前記発泡絶縁層が、気泡を有さない絶縁層を介して前記導体上に被覆されていることを特徴とする(1)に記載の絶縁ワイヤ。
(3)前記気泡を有さない絶縁層が、前記発泡絶縁層に含有する熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする(2)に記載の絶縁ワイヤ。
(4)前記外側絶縁層が、前記発泡絶縁層に接して被覆されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(5)前記熱可塑性樹脂は、25℃での貯蔵弾性率が1GPa以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(6)前記発泡絶縁層と前記外側絶縁層との厚さの比(発泡絶縁層/外側絶縁層)が5/95〜95/5であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(7)前記熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂であり、かつ融点が270℃以上である熱可塑性樹脂を含んでいることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(8)前記導体の断面形状が、円形であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(9)前記発泡層の厚さが、60〜200μmであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(10)前記絶縁ワイヤの部分放電開始電圧が、1190V以上であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(11)モーターコイルに用いられることを特徴とする(1)〜10のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
(12)絶縁ワイヤの製造方法であって、
前記絶縁ワイヤが、導体と、該導体の外周面上に直接または間接的に被覆された、気泡を有する熱硬化性樹脂を含む発泡絶縁層と、該発泡絶縁層の外側に結晶性樹脂の場合は融点が240℃以上である熱可塑性樹脂、または、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度が240℃以上である熱可塑性樹脂を含む外側絶縁層とを有する絶縁ワイヤであり、
導体の外周面に直接または間接的に発泡絶縁層を形成するワニスを塗布し、焼き付ける過程で発泡させて発泡絶縁層を形成する工程と、発泡絶縁層の外周面に外側絶縁層を形成する熱可塑性樹脂組成物を押出成形して外側絶縁層を形成する工程とを有する絶縁ワイヤの製造方法。
(13)前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤを用いた電気機器。
Claims (7)
- 導体と、前記導体の外周面上に直接または間接的に被覆された、気泡を有する熱硬化性樹脂を含む発泡絶縁層と、前記発泡絶縁層の外側に結晶性樹脂の場合は融点が240℃以上である熱可塑性樹脂、または、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度が240℃以上である熱可塑性樹脂を含む外側絶縁層とを有することを特徴とする絶縁ワイヤ。
- 前記熱可塑性樹脂は、25℃での貯蔵弾性率が1GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ワイヤ。
- 前記発泡絶縁層と前記外側絶縁層との厚さの比(発泡絶縁層/外側絶縁層)が5/95〜95/5であることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁ワイヤ。
- 前記熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂であり、かつ融点が270℃以上である熱可塑性樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
- モーターコイルに用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤの製造方法であって、
導体の外周面に直接または間接的に発泡絶縁層を形成するワニスを塗布し、焼き付ける過程で発泡させて発泡絶縁層を形成する工程と、発泡絶縁層の外周面に外側絶縁層を形成する熱可塑性樹脂組成物を押出成形して外側絶縁層を形成する工程とを有する絶縁ワイヤの製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁ワイヤを用いた電気機器。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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