JPWO2013168335A1 - 端子装置 - Google Patents
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Abstract
ケースの外面に開口した解除穴から露出し、ケースの内側へ押し込まれたときに、ケースの電線挿入穴に挿入された電線に対する抜け止めを解除する解除釦を備える。解除釦において解除穴から露出する一面は、長方形の長辺に複数個の係合凹部が設けられた形状を有し、解除穴の内周面には、係合凹部に係入する係合凸部が設けられている。解除穴が単純な長方形状とされる場合に比べ、解除釦のがたつきが抑えられる。
Description
本発明は、端子装置に関するものである。
従来から、電線挿入穴を有するケースと、ケースに収納され電線挿入穴から挿入された電線が接続される導電ブロックとを備え、電線挿入穴に電線を挿入するだけで導電ブロックにより電線の抜け止めが達成される、いわゆる速結端子構造を有する端子装置が提供されている(例えば、日本国特許公開2010−165568号公報参照)。
すなわち、上記の導電ブロックは、電線の外周面に接触する接触部と、電線を接触部に押し付けるとともに電線に食い込んで抜け止め(鎖錠)する鎖錠部とを有する。接触部と鎖錠部とは、1部品に構成される場合と別部品に構成される場合との両方が存在する。
また、上記の端子装置は、上記の鎖錠を解除するための解除釦を備える。解除釦は、ケースの外面に開口した解除穴への進入量を変化させるようにケースに対して変位可能に保持され、ケースの内側へ押し込まれたときに鎖錠部を押圧して接触部から離すように弾性変形させることで上記の鎖錠を解除する。
上記の解除釦は、解除穴の内周面によりガイドされる。しかしながら、解除釦にがたつきが発生した場合、解除穴の内周面と解除釦との間の摩擦力が増大することにより、解除釦の操作に必要な押力が増大し、操作性が悪くなる。
そこで、本発明の目的は、解除釦のがたつきが抑えられる端子装置を提供することにある。
本発明の端子装置は、電線挿入穴を有するケースと、前記ケースに収納され前記電線挿入穴から挿入された電線が接続される導電ブロックとを備え、前記導電ブロックは、前記電線の外周面に接触する接触部と、前記電線を前記接触部に押し付けるとともに前記電線に食い込んで抜け止めする鎖錠部とを有し、前記ケースの外面に開口した解除穴への進入量を変化させるように前記ケースに対して変位可能に保持され前記ケースの内側へ押し込まれたときに前記鎖錠部を押圧して弾性変形させることで前記抜け止めを解除する解除釦を備え、前記解除釦において前記解除穴から露出する一面は、長方形の長辺に複数個の係合凹部が設けられた形状を有し、前記解除穴の内周面には、前記係合凹部に係入する係合凸部が設けられていて、人の指による前記解除釦の押操作では前記抜け止めの解除が不可能となるように、前記係合凸部の配置及び寸法形状が決定されていることを特徴とする。
上記の端子装置において、プラスドライバーによる押操作では前記抜け止めの解除が可能となるように、前記係合凸部の配置及び寸法形状が決定されていることが望ましい。
上記の端子装置において、前記解除釦の中央部分は、前記解除釦が前記解除穴に押し込まれる方向に沿って視て十字形状に形成されていることが望ましい。
上記の端子装置において、前記解除釦の前記解除穴から露出する前記一面には、プラスドライバーの先端部が係入する操作凹部が形成され、前記操作凹部は、前記解除釦が前記解除穴に押し込まれる方向に沿って視て十字形状に形成され、前記解除釦の前記中央部分に対して互いの十字形状の交差点を一致させて、さらに互いの十字形状の長手方向を沿わせて配置されていることが望ましい。
本発明によれば、解除釦の変位や傾きは、解除釦の側面が解除穴の内周面に当接したときだけでなく、係合凸部が係合凹部の内周面に当接したときにも止められるので、解除穴が単純な長方形状とされる場合に比べ、解除釦のがたつきが抑えられる。
本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に記述する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および添付図面に関連して一層良く理解されるものである。
本実施形態に係る端子装置を示す斜視図である。
本実施形態に係る端子装置を示す分解斜視図である。
本実施形態に係る端子装置の解除釦がプラスドライバーによって押操作された状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る端子装置を示す一部破断した斜視図である。
本実施形態に係る端子装置を示す断面図である。
本実施形態に係る端子装置において押釦が試験指によって押操作された状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る端子装置において押釦が試験指によって押操作された状態を示す平面図である。
図7のA−A断面での断面図である。
図7のB−B断面での断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る端子装置は、図1〜図3に示すように、3個の電線挿入穴11を有するケース1と、それぞれケース1に収納され電線挿入穴11から挿入された電線6(図3参照)が接続される3個の導電ブロック2(図2参照)とを備える。導電ブロック2間は互いに絶縁されている。
ケース1は、図1に示すように、略矩形箱状に形成されており、第1の面110と、第1の面110に対して略垂直な第2の面120と、を有する。各電線挿入穴11は、ケース1の第1の面110側に設けられている。なお、以下の説明では、図3に示すように、電線6が電線挿入穴11に挿入される方向を後方向(第1の方向)として規定し、電線挿入穴11から抜かれる方向を前方向(前記第1の方向と逆方向)として規定する。従って、本実施形態に係る端子装置の前後方向とは、前記第1の方向に平行な方向であり、第1の面110はケース1の前面側に配置されている。また、以下の説明では、図3に示すように、プラスドライバー71等によって後述する解除釦5が解除穴13に押し込まれる方向を下方向(第2の方向)として規定し、プラスドライバー71が解除釦5から引き離される方向を上方向(前記第2の方向と逆方向)として規定する。従って、本実施形態に係る端子装置の上下方向は、前記第2の方向に平行な方向であり、解除釦5が変位する方向と一致し、第2の面120はケース1の上面側に配置されている。そして、前記第1及び第2の方向の何れにも垂直な方向を本実施形態に係る端子装置の幅方向(左右方向)として規定する。
上記の電線挿入穴11は、導電ブロック2に一対一に対応して設けられ、ケース1の第1の面110(前面)を正面から視たときに左右に3個並んで開口しており、電線6は前方から後方へ挿入される。各電線挿入穴11の開口の形状はそれぞれ左右に並ぶ2個の円形状を組み合わせた形状となっており、各電線挿入穴11にはそれぞれ2本ずつの電線6を左右に並べて挿入可能となっている。互いに同じ電線挿入穴11に挿入された電線6同士は、導電ブロック2を介して互いに電気的に接続される。3個の導電ブロック2のうち、左端の導電ブロック2は例えば電圧側極として用いられ、中央の導電ブロック2は例えば接地側極として用いられ、右端の導電ブロック2は例えば接地極として用いられる。
ケース1は、下面が開口し各導電ブロック2がそれぞれ収納される収納凹部30を有したカバー3と、カバー3の下側に結合して収納凹部30を閉塞するベース4とを備える。カバー3とベース4とはそれぞれ例えば合成樹脂のような絶縁材料からなる。ベース4の前面には、図2に示すように、3個の係合凸部41が左右に並べて前方に突設されている。また、カバー3の前面側の下端部において、上記の係合凸部41に対応する3箇所には、それぞれ貫通穴である係合穴31が設けられている。すなわち、上記の各係合凸部41がそれぞれ係合穴31に係入することで、ベース4はカバー3に結合している。
また、ケース1は、例えば下面に設けられた凸部15,16(図8参照)を、本実施形態の端子装置が取り付けられる図示しない取付面に設けられた凹部(図示せず)に嵌め込むことで、下面を取付面に当接させて取付面に対して固定される。上記の取付面は上向きの面であり、本実施形態の使用状態での上下方向は、本説明中での上下方向と一致する。
さらに、ケース1の後面には、図2に示すように、各導電ブロック2に対応して2個ずつ計6個の第2電線挿入穴12が、左右に並べて設けられている。第2電線挿入穴12は、前面側の電線挿入穴(以下、「第1電線挿入穴」と呼ぶ。)11に挿入される電線(以下、「第1電線」と呼ぶ。)6よりも径が細い第2電線(図示せず)が挿入されるものである。
各導電ブロック2は、それぞれ、金属板に打ち抜き加工と曲げ加工とが施されてなり、第1電線挿入穴11から挿入された第1電線6が接続される第1電線接続部21と、第2電線挿入穴12から挿入された第2電線が接続される第2電線接続部22とを有する。すなわち、本実施形態は、ケース1の前方から前記第1の方向に沿って第1電線挿入穴11に挿入された第1電線6と、ケース1の後方から前記第1の方向と逆方向に沿って第2電線挿入穴12に挿入された第2電線とを、導電ブロック2を介して電気的に接続するものである。第1電線6は例えば電源側に接続され、第2電線は例えば負荷側に接続される。
各第2電線接続部22は、図2に示すように、第2接触部221と、2つの第2鎖錠部222を備えた直立部220と、を有する。第2接触部221は、板状に形成されて厚さ方向をケース1の上下方向に向けて配置される。第2電線が挿入されたときには第2接触部221の上面が前記第2電線の外周面に接触する。直立部220は、板状に形成されて第2接触部221の後端部から上方へ直角に延びるように配置される。そして、直立部220の各第2鎖錠部222は、第2電線が挿入されたときには第2電線の外周面に上方から弾接することで第2電線を第2接触部221に押し付けるように構成されている。第2鎖錠部222は、第2電線挿入穴12に一対一に対応して導電ブロック2毎に2個ずつ設けられている。詳しく説明すると、第2鎖錠部222は、細長の板状に形成され、第1の端部(上端)222aが直立部220に一体的に固定されており、第1の端部222aを支点として屈曲されて、第2の端部(下端)222bが直立部220よりも前方に配置されている。言い換えれば、第2鎖錠部222は、前記屈曲により先端である下端に向かって前側(つまりケース1の後面側から視て第2電線挿入穴12の奥側)へ傾斜している。第2鎖錠部222が弾性変形していない状態(つまり、第2電線が挿入されていない図2の状態)での第2鎖錠部222の第2の端部222bと第2接触部221との距離は第2電線の外径よりも小さくされている。すなわち、第2電線挿入穴12に第2電線が挿入されると、第2鎖錠部222の第2の端部222bが第2電線に食い込むことで第2電線に対する抜け止め(つまり鎖錠)がなされ、また、第2鎖錠部222のばね力によって第2電線が第2接触部221に押し付けられる。
各第1電線接続部21は、図2に示すように、支持部210と、左右1組の第1接触部211,211(接触部)と、左右1組の第1鎖錠部212,212(鎖錠部)とを有する。支持部210は、板状の金属部材によって形成され、左右1組の第1接触部211,211と左右1組の第1鎖錠部212,212を支持するために上下方向に立直して設けられている。
左右1組の第1接触部211,211は、支持部210の上端と一体的に形成されており、ケース1の前方から視て円弧状になるように曲げられることによって左右対称に形成される。各第1接触部211の下面における曲率半径は、挿入される第1電線6の半径と略等しくなるように設定されている。第1電線6が挿入されたときには第1接触部211の下面が第1電線6の外周面の上側に接触する。
そして、各第1鎖錠部212は、第1電線6が挿入されたときに第1電線6の外周面に下方から弾接することで第1電線6を第1接触部211の下面に押し付けるように構成されている。詳しく説明すると、各第1鎖錠部212は、細長の板状に形成され、第1端(下端)212b側が支持部210の前側面の下部に一体的に固定されており、第1端212bを支点として屈曲されて、第2端(上端)212aが第1接触部211の下面より下側に配置されている。言い換えれば、第1鎖錠部212は、前記屈曲によって先端である上端に向かって後側(つまりケース1の前面側から視て第1電線挿入穴11の奥側)へ傾斜している。そして、左右1組の第1鎖錠部212,212は、ケース1の前方から視て左右対称に形成されている。第1鎖錠部212が弾性変形していない状態(つまり、第1電線6が挿入されていない図2の状態)での第1鎖錠部212の第2端212aと第1接触部211との距離は第1電線6の外径に対して十分に小さくされている。すなわち、第1電線挿入穴11に第1電線6が挿入されると、第1鎖錠部212が第1電線6に食い込むことで第1電線6に対する抜け止め(つまり鎖錠)がなされ、また、第1鎖錠部212のばね力によって第1電線6が第1接触部211に押し付けられる。
さらに、ケース1の上面(第2の面120側)において、開口した3個の解除穴13が設けられている。各解除穴13は、ケース1の上下方向に沿って内部に貫通している。但し、3個の解除穴13は、3個の導電ブロック2の第1電線接続部21とそれぞれ対向する位置に設けられている。また、各解除穴13内には、それぞれ1個ずつの解除釦5がケース1に対して上下に変位可能に保持されている。各解除釦5はそれぞれ例えば合成樹脂のような絶縁材料からなる。
詳しく説明すると、各解除釦5は、それぞれ、略矩形板状に形成されて上面が解除穴13内に露出して上方からの押力を受ける本体部51と、本体部51の左右両端部からそれぞれ下方に突設された1組の脚部52,52とを有する。つまり、各解除釦5は、前記第1の方向に沿って視たとき(つまり前方から視たとき)に略U字状に形成されている。
また、各導電ブロック2における左右1組の第1鎖錠部212,212は、図2に示すように、左右1組の第1接触部211,211よりも左右方向の外側において延長された操作片23を有する。つまり、右側の第1鎖錠部212は、右側の第1接触部211と接触しないように第2端212aの右端部から、右側の第1鎖錠部212の長手方向に沿って延長された操作片23を有し、左側の第1鎖錠部212も、左側の第1接触部211と接触しないように第2端212aの左端部から、左側の第1鎖錠部212の長手方向に沿って延長された操作片23を有する。各操作片23の先端部は上面を凸曲面とするように曲げられており、図4及び図5に示すように解除釦5の各脚部52はそれぞれ1個ずつの操作片23の先端部の上記凸曲面に当接する。すなわち、解除釦5が上方からの押力を受けて図5に矢印A1で示すようにケース1に対して下方(前記第2の方向)に変位すると、該解除釦5に対応する左右1組の第1鎖錠部212,212に設けられた2個の操作片23,23が同時に上方からの押力を受ける。その結果、左右1組の第1鎖錠部212,212の各々は、図5に矢印A2で示すように第2端212aが第1接触部211から離れる方向に弾性変形する。この弾性変形が所定の程度に達すると、第1電線6に対する鎖錠が解除され、第1電線6を第1電線挿入穴11から引き抜くことが可能となる。
このように、解除釦5は、ケース1の外面(第2の面120)に開口した解除穴13への進入量を変化させるようにケース1に対して変位可能に保持され、ケース1の内側(前記第2の方向)へ押し込まれたときに第1鎖錠部212,212を押圧して弾性変形させることで第1電線6に対する抜け止めを解除する。
また、解除釦5において、各脚部52の前後両面には、図5に示すように、それぞれ抜け止め凸部53が突設されており、この抜け止め凸部53が解除穴13の下側開口の周縁部に対して下方から当接することで、ケース1から上方への解除釦5の脱落は防止されている。
ここで、本体部51は、上方から視て(前記第2の方向に沿って視て)、左右に長い長方形状の各長辺にそれぞれ2個ずつの係合凹部511が設けられた形状を有する。具体的に説明すると、本体部51は、長手方向がケース1の前記幅方向(前記第1及び第2の方向の何れにも垂直な方向)に一致するように配置されていて、本体部51の前側面には後方へ窪んだ2個の係合凹部511が形成され、後側面にも前方へ窪んだ2個の係合凹部511が形成されている。前記前側面の2個の係合凹部511は、前記幅方向において、前記後側面の2個の係合凹部511とそれぞれ同じ位置に設けられている。そして、前記前側面の前記幅方向の中央部には2個の係合凹部511の窪みにより凸部513が形成され、前記後側面の前記幅方向の中央部にも2個の係合凹部511の窪みにより凸部513が形成されている。その結果、本体部51の中央部分は、上方から視て(前記第2の方向に沿って視て)前後左右対称の十字形状に形成されている。
また、解除穴13の内周面には、それぞれ1個ずつの係合凹部511に係合する4個の係合凸部131が設けられている。具体的には、解除穴13の周縁は、上方から視て(前記第2の方向に沿って視て)本体部51の左右方向の寸法と前後方向の寸法とそれぞれ略同じ寸法を有した矩形状に形成される。さらに、本体部51の十字形状に形成された上記中央部分を受け入れるために、解除穴13の内周面における前周面には後方へ突出する2個の係合凸部131が形成され、後周面にも前方へ突出する2個の係合凸部131が形成されている。そして、4個の係合凸部131は、本体部51の4個の係合凹部511とそれぞれ一対一で係合するように配置されている。また、上下方向における4個の係合凸部131の寸法は、少なくとも解除釦5が解除穴13内で上下方向に沿って変位する距離と同じに設定されている。従って、解除釦5は、係合凸部131と係合凹部511との係合によって前後左右への変位や傾きが抑制されつつ、上下方向に沿って変位可能に保持されている。
そして、本実施形態の係合凸部131の配置及び寸法形状は、人の指で解除釦5が押操作された場合に解除釦5の変位量が、鎖錠が解除される程度に大きくなる前に係合凸部131が上記の指に当接して押操作が阻止されるように決定されている。言い換えると、人の指による解除釦5の押操作では鎖錠(抜け止め)の解除が不可能となるように設計されている。具体的には、図6〜図9に示すように、人の指を模した金属製の試験指70で解除穴13が押操作された場合、第1電線6に対する鎖錠が解除される前に、上記の試験指70に係合凸部131が当接し、それ以上の押操作が阻止されるように設計されている。
このように、本実施形態の解除穴13に設けられた4個の係合凸部131は、解除釦5の4個の係合凹部511との係合により解除釦5の前後左右への変位や傾きが抑制され、さらに第1電線6に対する鎖錠が解除される程度に人の指が解除穴13内へ進入して解除釦5を下方へ変位させるのを阻止する。この場合、係合凸部131の配置及び寸法形状は、第1電線6に対する鎖錠が解除される程度でなければ、人の指の進入により解除釦5が多少変位する程度であってもよい。また、ここで言う係合凸部131の配置及び寸法形状とは、例えば解除穴13の内側への突出量や、前記幅方向における寸法、前記幅方向における位置である。
なお、図3では上記の係合凹部511及び係合凸部131の図示は省略している。また、図6〜図8では、右端(図7での上端)の解除釦5の図示は省略している。上記の試験指70は、具体的には日本国経済産業省によって定められている「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈」の別表第四1(2)ハに掲げられたものである。
本実施形態では、係合凸部131の配置及び寸法形状が上記のように設計されているので、人の指での操作で第1電線6に対する鎖錠が誤って解除されることがない。第1電線6に対する鎖錠の解除には、例えばマイナスドライバー(図示せず)や図3に示すプラスドライバー71といった治具を用いる必要がある。そこで、本実施形態における各解除釦5の本体部51の上面の中央部には、上記治具の先端部が係入する操作凹部512が設けられている。操作凹部512は、上方から視て(前記第2の方向に沿って視て)十字形状に形成されており、操作凹部512の前後方向に延びる凹部分は、前後方向に突出する2個の凸部513の上面に形成されている。つまり、操作凹部512は本体部51の上記中央部分に対して互いの十字形状の交差点を一致させて、さらに互いの十字形状の長手方向を沿わせて配置されている。 また、ケース1の上面において、各解除穴13の上端周縁部における前後両側の左右方向(すなわち解除穴13の長手方向)の中央部には、それぞれ下方(前記第2の方向)に窪んだ退避溝14が設けられている。言い換えれば、解除釦5が押操作されていない状態のとき、図1に示すように、各解除穴13の2個の退避溝14は、解除釦5の前後方向に突出する2個の凸部513とそれぞれ対向するように設けられている。従って、解除釦5が押操作される過程で治具(図3ではプラスドライバー71)が解除穴13の短手方向である前後方向に傾けられた場合でも、治具の先端近くの周縁部は退避溝14に入り込む形になるからケース1に当接しにくい。これにより、退避溝14が設けられない場合に比べ、治具によるケース1の破損が発生しにくい。
上記構成によれば、解除釦5の前後左右への変位や傾きは、解除釦5の側面が解除穴13の内周面に当接したときだけでなく、係合凹部511の内面に係合凸部131が当接したときにも止められるので、上方から視た解除釦5や解除穴13の形状が単純な長方形状とされる場合に比べ、解除釦5のがたつきが抑えられる。
また、人の指での解除釦5の押操作による鎖錠の解除を係合凸部131により防止しながらも、プラスドライバー71での解除釦5の押操作による鎖錠の解除が可能となっている。
なお、本発明は、上記のように電線同士を互いに接続する端子装置だけでなく、照明器具等の回路基板に実装されて該回路基板に電線を電気的に接続する端子装置にも適用可能である。
本発明を幾つかの好ましい実施形態によって記述したが、この発明の本来の精神および範囲、即ち請求の範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な修正および変形が可能である。
Claims (4)
- 電線挿入穴を有するケースと、前記ケースに収納され前記電線挿入穴から挿入された電線が接続される導電ブロックとを備え、
前記導電ブロックは、前記電線の外周面に接触する接触部と、前記電線を前記接触部に押し付けるとともに前記電線に食い込んで抜け止めする鎖錠部とを有し、
前記ケースの外面に開口した解除穴への進入量を変化させるように前記ケースに対して変位可能に保持され前記ケースの内側へ押し込まれたときに前記鎖錠部を押圧して弾性変形させることで前記抜け止めを解除する解除釦を備え、
前記解除釦において前記解除穴から露出する一面は、長方形の長辺に複数個の係合凹部が設けられた形状を有し、
前記解除穴の内周面には、前記係合凹部に係入する係合凸部が設けられていて、
人の指による前記解除釦の押操作では前記抜け止めの解除が不可能となるように、前記係合凸部の配置及び寸法形状が決定されていることを特徴とする端子装置。 - プラスドライバーによる押操作では前記抜け止めの解除が可能となるように、前記係合凸部の配置及び寸法形状が決定されていることを特徴とする請求項1記載の端子装置。
- 前記解除釦の中央部分は、前記解除釦が前記解除穴に押し込まれる方向に沿って視て十字形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の端子装置。
- 前記解除釦の前記解除穴から露出する前記一面には、プラスドライバーの先端部が係入する操作凹部が形成され、
前記操作凹部は、前記解除釦が前記解除穴に押し込まれる方向に沿って視て十字形状に形成され、前記解除釦の前記中央部分に対して互いの十字形状の交差点を一致させて、さらに互いの十字形状の長手方向を沿わせて配置されていることを特徴とする請求項3記載の端子装置。
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