JPWO2011024935A1 - 永久磁石型同期電動機の異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
マイコン5に設けられた磁石温度異常検出部30が、両電動機1,2の回転子回転速度ωe、巻線電流Id,Iq、巻線インダクタンスLd,Lqがいずれも同じ値という条件の下で、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求め、この磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtが所定閾値Sh1を越える場合に、少なくともいずれかの電動機の永久磁石に温度異常が発生していると判断する。
Description
本発明は、電動車両用の電動機として用いられる永久磁石型同期電動機の磁石温度の異常を検出する異常検出装置に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両用の電動機としては、トルク密度が高く、小型・高出力化が比較的容易な永久磁石型同期電動機が多く用いられている。電動車両用の電動機として用いられる永久磁石型同期電動機は、出力を維持したまま小型化することで発熱密度が増大し、温度上昇しやすい傾向となる。永久磁石型同期電動機は、永久磁石の温度が所定温度以上になると不可逆減磁を起こして出力が大幅に低下してしまうので、これを避けるために永久磁石の温度を監視することが求められる。しかしながら、永久磁石は回転子側に設置されており、温度センサで直接測温することが困難である。そのため、他の情報から永久磁石の温度を推定する方法が検討されている。
その一つとして、例えば特許文献1には、巻線温度と磁石温度との関係をマップ化しておき、巻線温度センサの検出値を見て磁石温度を推定するという技術が記載されている。
特許文献1に記載された技術により永久磁石型同期電動機の磁石温度を高精度に推定するには、固定子側に設けられた巻線の温度と、回転子側に設けられた永久磁石の温度が常に一対一で対応していることが条件となる。ここで、巻線の温度が上昇する主な要因としては、巻線電流に起因する銅損が挙げられる。一方、永久磁石の温度が上昇する主な要因としては、回転子内の磁束密度の大きさと周波数に起因する回転子鉄損が挙げられる。これら銅損と回転子鉄損との関係は、一定の回転子回転速度で且つ一定のトルク指令値のもとでは一対一の関係がある程度確保されるが、回転子の回転速度やトルク指令値が常に変化する電動車両用の電動機としての用途では、銅損と回転子鉄損との関係が刻々と変化することになる。このため、電動車両用の電動機として用いる永久磁石型同期電動機においては、特許文献1に記載された技術により磁石温度を推定することは難しく、磁石温度の異常を精度良く検出することが困難であるとの問題があった。
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みて創案されたものであって、電動車両用の電動機として用いられる永久磁石型同期電動機の磁石温度の異常を高精度に検出することができる異常検出装置を提供することを目的としている。
本発明の第1態様による永久磁石型同期電動機の異常検出装置は、複数の永久磁石型同期電動機と、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する電流指令値を算出する電流指令値算出部と、前記電流指令値算出部により各々算出された前記電流指令値に基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値を各々算出するq軸電圧指令値算出部と、前記q軸電圧指令値算出部により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値と他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値との差分を用いて、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定する磁石温度異常判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2態様による永久磁石型同期電動機の異常検出方法は、複数の永久磁石型同期電動機に対する電流指令値を算出する作動と、電流指令値算出作動により各々算出された前記電流指令値に基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値を各々算出する作動と、前記q軸電圧指令値算出作動により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値と他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値との差分を用いて、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定する作動と、を備えることを特徴とする。
本発明の第3態様による永久磁石型同期電動手段の異常検出手段は、複数の永久磁石型同期電動手段と、前記複数の永久磁石型同期電動手段に対する電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、前記電流指令値算出手段により各々算出された前記電流指令値に基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動手段に対するq軸電圧指令値を各々算出するq軸電圧指令値算出手段と、前記q軸電圧指令値算出手段により算出された前記複数の永久磁石型同期電動手段に対する前記q軸電圧指令値のうち、1つの永久磁石型同期電動手段に対するq軸電圧指令値と他のいずれか1つの永久磁石型同期電動手段に対するq軸電圧指令値との差分を用いて、前記永久磁石型同期電動手段の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定する磁石温度異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値の差分を用いてこれら永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定するようにしている。従って、各永久磁石型同期電動機の永久磁石の温度を温度センサなどで直接計測することなく、電動車両用の電動機として用いられる永久磁石型同期電動機における磁石温度の異常を精度良く検出することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した電動車両の駆動制御システム100を示す構成図である。この駆動制御システム100は、電動車両の左右二輪を独立して駆動するための2つの永久磁石型同期電動機1,2と、これら2つの永久磁石型同期電動機1,2を駆動制御するインバータ装置3と、電力供給源となるバッテリ4とを備える。
図1は、本発明を適用した電動車両の駆動制御システム100を示す構成図である。この駆動制御システム100は、電動車両の左右二輪を独立して駆動するための2つの永久磁石型同期電動機1,2と、これら2つの永久磁石型同期電動機1,2を駆動制御するインバータ装置3と、電力供給源となるバッテリ4とを備える。
2つの永久磁石型同期電動機1,2のうち、電動車両の左側駆動輪を回転させる第1電動機1には、バッテリ4からの直流電力がインバータ装置3の第1電力変換部11にて交流電力に変換されて供給される。第1電力変換部11は、IGBTなどのスイッチング素子のオン/オフがPWM制御されることにより、バッテリ4からの直流電力を所望の交流電力に変換して第1電動機1に供給する。第1電動機1は、この第1電力変換部11からの交流電力により所望のトルクを発生して電動車両の左側駆動輪を回転させる。第1電動機1の回転子回転速度Wlは、速度センサ12によって検出される。また、第1電動機1の巻線温度Tclは、巻線に設置された温度センサ13によって検出される。これら速度センサ12の検出値(回転子回転速度Wl)や温度センサ13の検出値(巻線温度Tcl)は、それぞれインバータ装置3が内蔵するマイコン5に入力される。
一方、電動車両の右側駆動輪を回転させる第2電動機2には、バッテリ4からの直流電力がインバータ装置3の第2電力変換部21にて交流電力に変換されて供給される。第2電力変換部21は、IGBTなどのスイッチング素子のオン/オフがPWM制御されることにより、バッテリ4からの直流電力を所望の交流電力に変換して第2電動機2に供給する。第2電動機2は、この第2電力変換部21からの交流電力により所望のトルクを発生して電動車両の右側駆動輪を回転させる。第2電動機2の回転子回転速度Wrは、速度センサ22によって検出される。また、第2電動機2の巻線温度Tcrは、巻線に設置された温度センサ23によって検出される。これら速度センサ22の検出値(回転子回転速度Wr)や温度センサ23の検出値(巻線温度Tcr)は、それぞれインバータ装置3が内蔵するマイコン5に入力される。
また、第1電力変換部11から第1電動機1への供給電流は電流センサ14により検出され、第2電力変換部21から第2電動機2への供給電流は電流センサ24により検出される。これら電流センサ14,24の検出値もマイコン5に入力される。さらに、マイコン5には、バッテリ4の直流電圧Vdcも入力される。
マイコン5は、インバータ装置3の第1電力変換部11及び第2電力変換部21をPWM制御するための制御部であり、電流指令変換部6と、第1電動機1に対応する第1ベクトル制御部15及び第1PWM制御部16と、第2電動機2に対応する第2ベクトル制御部25及び第2PWM制御部26とを備える。
電流指令変換部6は、車両制御部50からのトルク指令τ*をd軸電流指令値Idl*,Idr*とq軸電流指令値Iql*,Iqr*に変換する。この電流指令変換部6で生成された電流指令値Idl*,Iql*は第1ベクトル制御部15に入力され、電流指令値Idr*,Iqr*は第2ベクトル制御部25に入力される。
第1ベクトル制御部15は、電流センサ14の検出値を3相→2相変換部17にて3相→2相変換し、2相に変換した電流検出値と電流指令変換部6からの電流指令値Idl*,Iql*とに基づいて、電流制御部18にてd軸電圧指令値Vdl*とq軸電圧指令値Vql*を演算する。そして、これら電圧指令値Vdl*,Vql*を2相→3相変換部19にて2相→3相変換して、第1PWM制御部16に出力する。
第1PWM制御部16は、第1ベクトル制御部15からの3相電圧指令値と、バッテリ4の直流電圧Vdcとに基づいて、第1電力変換部11のスイッチング素子を駆動するPWM波形を生成し、第1電力変換部11に供給する。これにより、第1電力変換部11がPWM制御され、第1電動機1がトルク指令値τ*に応じたトルクを発生する。
第2ベクトル制御部25は、第1ベクトル制御部15と同様に、電流センサ24の検出値を3相→2相変換部27にて3相→2相変換し、2相に変換した電流検出値と電流指令変換部6からの電流指令値Idr*,Iqr*とに基づいて、電流制御部28にてd軸電圧指令値Vdr*とq軸電圧指令値Vqr*を演算する。そして、これら電圧指令値Vdr*,Vqr*を2相→3相変換部29にて2相→3相変換して、第2PWM制御部26に出力する。
第2PWM制御部26は、第1PWM制御部16と同様に、第2ベクトル制御部25からの3相電圧指令値と、バッテリ4の直流電圧Vdcとに基づいて、第2電力変換部21のスイッチング素子を駆動するPWM波形を生成し、第2電力変換部21に供給する。これにより、第2電力変換部21がPWM制御され、第2電動機2がトルク指令値τ*に応じたトルクを発生する。
本第1実施形態の電動車両の駆動制御システム100では、以上のインバータ装置3が内蔵するマイコン5に、第1電動機1に対するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対するq軸電圧指令値Vqr*とを用いて、第1電動機1と第2電動機2の少なくとも一方に生じた磁石温度の異常を検出する磁石温度異常検出部30の機能が設けられている。つまり、本第1実施形態では、このマイコン5の一機能として本発明の異常検出装置が実現されている。以下、このマイコン5の磁石温度異常検出部30による異常検出処理について、さらに詳しく説明する。
第1電動機1のq軸電圧Vqlは、下記式(1)のように表される。
Vql=ωel・Ldl・Idl+Rl・Iql+p・Lql・Iql+ωel・Φml ・・・(1)
ただし、ωelは第1電動機1の回転子回転速度(電気角)、Ldlは第1電動機1のd軸インダクタンス、Idlは第1電動機1のd軸電流、Rlは第1電動機1の巻線抵抗、Lqlは第1電動機1のq軸インダクタンス、Iqlは第1電動機1のq軸電流、Φmlは第1電動機1の鎖交磁束、pは微分演算子(p=d/dt)である。
ただし、ωelは第1電動機1の回転子回転速度(電気角)、Ldlは第1電動機1のd軸インダクタンス、Idlは第1電動機1のd軸電流、Rlは第1電動機1の巻線抵抗、Lqlは第1電動機1のq軸インダクタンス、Iqlは第1電動機1のq軸電流、Φmlは第1電動機1の鎖交磁束、pは微分演算子(p=d/dt)である。
また、同様に、第2電動機2のq軸電圧Vqrは、上記式(1)のサフィックス「l」を「r」に変えた下記式(2)で表される。
Vqr=ωer・Ldr・Idr+Rr・Iqr+p・Lqr・Iqr+ωer・Φmr ・・・(2)
ただし、ωerは第2電動機2の回転子回転速度(電気角)、Ldrは第2電動機2のd軸インダクタンス、Idrは第2電動機2のd軸電流、Rrは第2電動機2の巻線抵抗、Lqrは第2電動機2のq軸インダクタンス、Iqrは第2電動機2のq軸電流、Φmrは第2電動機2の鎖交磁束、pは微分演算子(p=d/dt)である。
ただし、ωerは第2電動機2の回転子回転速度(電気角)、Ldrは第2電動機2のd軸インダクタンス、Idrは第2電動機2のd軸電流、Rrは第2電動機2の巻線抵抗、Lqrは第2電動機2のq軸インダクタンス、Iqrは第2電動機2のq軸電流、Φmrは第2電動機2の鎖交磁束、pは微分演算子(p=d/dt)である。
ここで、両電動機1,2において、対応する回転子回転速度ωe(即ち、ωelとωer)、対応する巻線電流Id,Iq(即ち、IdlとIdr、IqlとIqr)、対応する巻線インダクタンスLd,Lq(即ち、LdlとLdr、LqlとLqr)がそれぞれ同じ値という条件の下で、両電動機1,2のq軸電圧VqlとVqrの差Vql−Vqrをとると、上記の式(1)と式(2)とから、下記式(3)が得られる。
Vql−Vqr=(Rl−Rr)Iql+ωel(Φml−Φmr) ・・・(3)
この式(3)のうち、巻線抵抗Rl,Rrは両電動機1,2の巻線温度にそれぞれ依存して変化するが、第1モータ1の巻線温度Tclは温度センサ13により検出され、第2モータ2の巻線温度Tcrは温度センサ23により検出されているので、これら温度センサ13,23の検出値(巻線温度Tcl,Tcr)から巻線抵抗Rr,Rlを推定することが可能である。また、第1モータ1への供給電流は電流センサ14により検出され、回転子回転速度Wlは速度センサ12により検出されているので、これら電流センサ14の検出値(第1モータ1への供給電流)と速度センサ12の検出値(回転子回転速度Wl)とから、q軸電流Iqlと回転子回転速度(電気角)ωelについても検知可能である。したがって、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrから、上記式(3)の右辺第2項のΦml−Φmr、つまり両電動機1,2の鎖交磁束の差を求めることができる。なお、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrは、第1ベクトル制御部15の電流制御部18にて算出されるq軸電圧指令値Vql*と、第2ベクトル制御部25の電流制御部28にて算出されるq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をとればよい。
この式(3)のうち、巻線抵抗Rl,Rrは両電動機1,2の巻線温度にそれぞれ依存して変化するが、第1モータ1の巻線温度Tclは温度センサ13により検出され、第2モータ2の巻線温度Tcrは温度センサ23により検出されているので、これら温度センサ13,23の検出値(巻線温度Tcl,Tcr)から巻線抵抗Rr,Rlを推定することが可能である。また、第1モータ1への供給電流は電流センサ14により検出され、回転子回転速度Wlは速度センサ12により検出されているので、これら電流センサ14の検出値(第1モータ1への供給電流)と速度センサ12の検出値(回転子回転速度Wl)とから、q軸電流Iqlと回転子回転速度(電気角)ωelについても検知可能である。したがって、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrから、上記式(3)の右辺第2項のΦml−Φmr、つまり両電動機1,2の鎖交磁束の差を求めることができる。なお、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrは、第1ベクトル制御部15の電流制御部18にて算出されるq軸電圧指令値Vql*と、第2ベクトル制御部25の電流制御部28にて算出されるq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をとればよい。
各電動機1,2の鎖交磁束Φml,Φmrは、各々の電動機1,2が備える永久磁石の磁石磁束に比例する。また、各電動機1,2の磁石磁束は、図2に示すように、磁石温度が高温になるほど低下する傾向を有する。温度上昇に対する磁石磁束の低下は非線形であり、磁石温度が高温になるほど低下代が大きくなる。
図3は、第1電動機1の磁石温度と第2電動機2の磁石温度にある一定の温度差ΔTがある場合の両電動機1,2の磁石磁束の差を、両電動機1,2の永久磁石が比較的低温の場合と比較的高温の場合とで対比して示した図である。なお、図3(a)は両電動機1,2の永久磁石が比較的低温の場合の磁石磁束の差ΔψLを示し、図3(b)は両電動機1,2の永久磁石が比較的高温の場合の磁石磁束の差ΔψHを示している。
図3から分かるように、磁石温度が高温になるほど磁石磁束の低下代が大きくなるため、両電動機1,2の温度差ΔTが等しい場合であっても磁石磁束の差は|ΔψL|<|ΔψH|となる。ここで、各電動機1,2の磁石磁束と鎖交磁束は比例関係にあるので、上記式(3)の鎖交磁束の差Φml−Φmrも、各電動機1,2の磁石温度が高温になるにつれて、その絶対値が増加することになる。したがって、鎖交磁束の差Φml−Φmrの絶対値の時間変化の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを観測することによって、この値が所定閾値よりも大きくなった場合に、第1電動機1と第2電動機2のうちで少なくともq軸電圧指令値(Vql*,Vqr*)が低い方の電動機の永久磁石が高温になっていると判断することができる。そして、磁石温度が高温と判断した場合にトルク指令値τ*を低下させるなどの対応を図る。永久磁石の温度上昇によって不可逆減磁を起こして電動機の大幅な出力低下を招くといった事態を、上記対応によって未然に回避することが可能となる。
本第1実施形態の駆動制御システム100では、以上の処理をマイコン5に設けた磁石温度異常検出部30にて実施するようにしている。磁石温度異常検出部30が実施する処理のフローチャートを図4に示す。この図4のフローチャートで示す異常検出処理は、所定周期ごと(例えば1秒ごと)にマイコン5の割り込み処理として実施される。
<ステップS101>
図4のフローがスタートすると、磁石温度異常検出部30は、まずステップS101において、第1電動機1に対応する電流指令値Idl*,Iql*と第2電動機2に対応する電流指令値Idr*,Iqr*がそれぞれ等しいか否かを判定する。
図4のフローがスタートすると、磁石温度異常検出部30は、まずステップS101において、第1電動機1に対応する電流指令値Idl*,Iql*と第2電動機2に対応する電流指令値Idr*,Iqr*がそれぞれ等しいか否かを判定する。
<ステップS102>
そして、両電動機1,2に対応する電流指令値(即ち、Idl*とIdr*、Iql*とIqr*)がそれぞれ等しければ、次のステップS102において、第1電動機1の回転子回転速度Wlと第2電動機2の回転子回転速度Wrが等しいか否かを判定する。
そして、両電動機1,2に対応する電流指令値(即ち、Idl*とIdr*、Iql*とIqr*)がそれぞれ等しければ、次のステップS102において、第1電動機1の回転子回転速度Wlと第2電動機2の回転子回転速度Wrが等しいか否かを判定する。
<ステップS103>
両電動機1,2の回転子回転速度Wl,Wrが等しければ、次に、ステップS103において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求める。
両電動機1,2の回転子回転速度Wl,Wrが等しければ、次に、ステップS103において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求める。
<ステップS104>
そして、ステップS104において、前回の処理周期までに求めた過去の磁束差と今回の処理周期で求めた磁束差とから、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求める。
そして、ステップS104において、前回の処理周期までに求めた過去の磁束差と今回の処理周期で求めた磁束差とから、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求める。
<ステップS105>
そして、ステップS105において、ステップS104で求めた磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtの値が予め設定した所定閾値Sh1を越えるか否かを判定する。なお、第1電動機1及び第2電動機2の永久磁石の磁石温度と磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtとの関係は、両電動機1,2の性能等に応じて決まるものであるため、実機を用いた実験等を事前に行って、所定閾値Sh1として最適な値を求めておけばよい。
そして、ステップS105において、ステップS104で求めた磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtの値が予め設定した所定閾値Sh1を越えるか否かを判定する。なお、第1電動機1及び第2電動機2の永久磁石の磁石温度と磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtとの関係は、両電動機1,2の性能等に応じて決まるものであるため、実機を用いた実験等を事前に行って、所定閾値Sh1として最適な値を求めておけばよい。
<ステップS106>
このステップS105の判定の結果、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtが所定閾値Sh1を越えると判断した場合には、ステップS106において、第1電動機1と第2電動機2のうち少なくともいずれかの永久磁石に温度異常が発生していると判断し、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための処理を行う。
このステップS105の判定の結果、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtが所定閾値Sh1を越えると判断した場合には、ステップS106において、第1電動機1と第2電動機2のうち少なくともいずれかの永久磁石に温度異常が発生していると判断し、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための処理を行う。
なお、上記のステップS101、ステップS102、ステップS105のいずれかでNOと判定した場合は、今回の処理周期での異常検出処理を終了し、次の処理周期での異常検出処理が開始されるまで待機する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本第1実施形態の電動車両の駆動制御システム100では、両電動機1,2において、対応する回転子回転速度ωe(即ち、ωelとωer)、対応する巻線電流Id,Iq(即ち、IdlとIdr、IqlとIqr)、対応する巻線インダクタンスLd,Lq(即ち、LdlとLdr、LqlとLqr)がそれぞれ同じ値という条件の下で、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求め、この磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtが所定閾値Sh1を越える場合に、少なくともいずれかの電動機1,2の永久磁石に温度異常が発生していると判断するようにしている。したがって、この駆動制御システム100によれば、例えば電動車両が直進している場合のように左右輪が同一のトルク、同一の回転速度となっている際に、永久磁石の温度異常を高精度に検出することができる。その際、各電動機1,2の永久磁石の温度を温度センサなどで直接計測する必要は無い。
また、両電動機1,2において、対応する回転子回転速度ωe(即ち、ωelとωer)、対応する巻線電流Id,Iq(即ち、IdlとIdr、IqlとIqr)、対応する巻線インダクタンスLd,Lq(即ち、LdlとLdr、LqlとLqr)がそれぞれ異なる場合であっても、巻線インダクタンスLd,Lq(即ち、LdlとLdr、LqlとLqr)の値が分かれば、上記の式(1)及び式(2)より、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrから、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求めることができる。ここで、巻線インダクタンスLd,Lqはd軸電流Idl,Idrやq軸電流Iql,Iqrに依存性があるため、d軸電流Idl,Idr及びq軸電流Iql,Iqrと巻線インダクタンスLd,Lqとの関係を示すマップを事前の実験等により作成して記憶させておくようにすれば、上述した例と同様に、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求めて、この磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtと所定閾値Sh1との比較により、電動機1,2の永久磁石の温度異常を判定することが可能である。以上のように、本第1実施形態の電動車両の駆動制御システム100では、d軸電流Idl,Idr及びq軸電流Iql,Iqrと巻線インダクタンスLd,Lqとの関係を示すマップを記憶させておくことで、例えば電動車両の旋回時など、左右輪のトルクや回転速度が異なる場合であっても、永久磁石の温度異常を高精度に検出することができる。その際、各電動機1,2の永久磁石の温度を温度センサなどで直接計測する必要は無い。
また、本第1実施形態の電動車両の駆動制御システム100では、両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求め、この磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを所定閾値Sh1と比較することで、電動機1,2の永久磁石の温度異常を判定するようにしているので、電動機1,2のいずれか一方の永久磁石のみに温度異常が発生した場合だけでなく、双方の電動機1,2の永久磁石に同時に温度異常が発生した場合にも、その異常を検出することが可能である。
なお、電動車両が直進している場合のように、両電動機1,2において、対応する回転子回転速度ωe(即ち、ωelとωer)、対応する巻線電流Id,Iq(即ち、IdlとIdr、IqlとIqr)、対応する巻線インダクタンスLd,Lq(即ち、LdlとLdr、LqlとLqr)がそれぞれ同じ値という条件の下で電動機1,2の永久磁石の温度異常の判定を行う場合には、上記の式(3)から分かるように、両電動機1,2のq軸電圧Vql,Vqrの差分Vql−Vqrと両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrとが比例に近い関係で表される。したがって、この場合には、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求めることなく、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*の時間変化、つまり、両電動機1,2のq軸電圧Vql,Vqrの差分Vql−Vqrの時間変化の変化率d(|Vql−Vqr|)/dtを求め、このq軸電圧差の変化率d(|Vql−Vqr|)/dtが所定閾値Sh2を越える場合に、少なくともいずれかの電動機1,2の永久磁石に温度異常が発生していると判断するようにしてもよい。このように、両電動機1,2のq軸電圧差の変化率d(|Vql−Vqr|)/dtと所定閾値Sh2との比較により電動機1,2の永久磁石の温度異常を判定するようにした場合には、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを所定閾値Sh1と比較して判定する場合と比べて判定の精度は若干劣るものの、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求める演算が不要となる分、演算負荷の低減を図ることが可能となる。なお、第1電動機1及び第2電動機2の永久磁石の磁石温度とq軸電圧差の変化率d(|Vql−Vqr|)/dtとの関係は、両電動機1,2の性能等に応じて決まるものであるため、実機を用いた実験等を事前に行って、所定閾値Sh2として最適な値を求めておけばよい。
また、以上の例では、両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtと所定閾値Sh1との比較、或いは、両電動機1,2のq軸電圧差の変化率d(|Vql−Vqr|)/dtと所定閾値Sh2との比較により、電動機1,2の永久磁石の温度異常を判定するようにしている。しかしながら、各値の時間変化の変化率を求めることなく、両電動機1,2の鎖交磁束の差分Φml−Φmrの値そのものを所定閾値Sh3と比較する、或いは、両電動機1,2のq軸電圧の差分Vql−Vqrの値そのものを所定閾値Sh4と比較することで、電動機1,2の永久磁石の温度異常を判定することも可能である。ただし、この場合の判定は、2つの電動機1,2のいずれか一方のみの温度が上昇して両電動機1,2の温度差が大きくなっている状況を判定するものとなる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、第1実施形態と同様にインバータ装置3が内蔵するマイコン5の一機能として本発明の異常検出装置が実現されており、制御構成は図1に示した第1実施形態と同様であるが、マイコン5に設けた磁石温度異常検出部30での処理が第1実施形態とは若干異なっている。すなわち、第1実施形態では、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrを用いて磁石温度の異常を検出するようにしていたが、本第2実施形態では、両電動機1,2のq軸電圧の差分Vql−Vqrに加えてq軸電圧の比Vqr/Vqlも演算し、q軸電圧の差分Vql−Vqrとq軸電圧の比Vqr/Vqlの双方を用いて電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出するようにしている。以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、第1実施形態と同様にインバータ装置3が内蔵するマイコン5の一機能として本発明の異常検出装置が実現されており、制御構成は図1に示した第1実施形態と同様であるが、マイコン5に設けた磁石温度異常検出部30での処理が第1実施形態とは若干異なっている。すなわち、第1実施形態では、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrを用いて磁石温度の異常を検出するようにしていたが、本第2実施形態では、両電動機1,2のq軸電圧の差分Vql−Vqrに加えてq軸電圧の比Vqr/Vqlも演算し、q軸電圧の差分Vql−Vqrとq軸電圧の比Vqr/Vqlの双方を用いて電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出するようにしている。以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記の式(1)と式(2)とから、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrの比Vqr/Vqlをとると、下記式(4)が得られる。
Vqr/Vql=(ωer・Ldr・Idr+Rr・Iqr+p・Lqr・Iqr+ωer・Φmr)/(ωel・Ldl・Idl+Rl・Iql+p・Lql・Iql+ωel・Φml) ・・・(4)
ここで、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0という条件の下では、式(4)は下記の式(5)のように簡略化することができる。
ここで、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0という条件の下では、式(4)は下記の式(5)のように簡略化することができる。
Vqr/Vql=(ωer・Φmr)/(ωel・Φml) ・・・(5)
ここで、第1電動機1の永久磁石のみが温度上昇した場合には、第1電動機1の鎖交磁束Φmlが減少するため上記式(5)の分母が小さくなり、上記式(5)の値は1よりも大きくなる。一方、第2電動機2の永久磁石のみが温度上昇した場合には、第2電動機2の鎖交磁束Φmrが減少するため上記式(5)の分子が小さくなり、上記式(5)の値は1よりも小さくなる。したがって、上記式(5)の値が1よりも大きいか小さいかで、電動機1,2のうちのどちらの永久磁石の温度が高いかが分かり、第1電動機1の永久磁石の温度が高い場合は、式(5)の値が所定閾値よりも大きければ第1電動機1の永久磁石に温度異常が発生していると判断でき、第2電動機2の永久磁石の温度が高い場合は、式(5)の値が所定閾値を下回れば第2電動機2の永久磁石に温度異常が発生していると判断できる。
ここで、第1電動機1の永久磁石のみが温度上昇した場合には、第1電動機1の鎖交磁束Φmlが減少するため上記式(5)の分母が小さくなり、上記式(5)の値は1よりも大きくなる。一方、第2電動機2の永久磁石のみが温度上昇した場合には、第2電動機2の鎖交磁束Φmrが減少するため上記式(5)の分子が小さくなり、上記式(5)の値は1よりも小さくなる。したがって、上記式(5)の値が1よりも大きいか小さいかで、電動機1,2のうちのどちらの永久磁石の温度が高いかが分かり、第1電動機1の永久磁石の温度が高い場合は、式(5)の値が所定閾値よりも大きければ第1電動機1の永久磁石に温度異常が発生していると判断でき、第2電動機2の永久磁石の温度が高い場合は、式(5)の値が所定閾値を下回れば第2電動機2の永久磁石に温度異常が発生していると判断できる。
そこで、本第2実施形態の電動車両の駆動制御システム100では、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となるタイミングで、マイコン5に設けた磁石温度異常検出部30が、第1ベクトル制御部15の電流制御部18にて算出されるq軸電圧指令値Vql*と、第2ベクトル制御部25の電流制御部28にて算出されるq軸電圧指令値Vqr*とを用いて、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを演算する。そして、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも大きければその値が予め定めた所定閾値Sh5を越えている場合に、第1電動機1の永久磁石に温度異常が発生していると判断し、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも小さければその値が予め定めた所定閾値Sh6未満の場合に、第2電動機2の永久磁石に温度異常が発生していると判断する。そして、いずれかの電動機1,2の永久磁石に温度異常が発生していると判断した場合は、第1実施形態と同様に、トルク指令値τ*を低下させるなどの対応を図ることで、永久磁石の温度上昇によって不可逆減磁を起こして電動機の大幅な出力低下を招くといった事態を未然に回避する。
ただし、以上のような両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを用いた演算では、特に分母側の値が微小であると演算誤差が大きくなり、判定精度が劣化する。そこで、両電動機1,2のq軸電圧の値に対する下限値(後述の「Vq_L」)を定めておき、磁石温度異常検出部30は、両電動機1,2のq軸電圧指令値Vql*,Vqr*がともに下限値(後述の「Vq_L」)以上の場合に限って両電動機1,2のq軸電圧の比を用いた永久磁石の温度異常の判定を行い、少なくともいずれかの電動機1,2のq軸電圧指令値Vql*,Vqr*が下限値(後述の「Vq_L」)未満の場合には、第1実施形態で説明したように、両電動機1,2のq軸電圧の差分Vql−Vqrを用いて永久磁石の温度異常の判定を行う。
図5は、本第2実施形態の電動車両の駆動制御システム100において、マイコン5に設けた磁石温度異常検出部30にて実施される処理の流れを示すフローチャートである。この図5のフローチャートで示す異常検出処理は、所定周期ごと(例えば1秒ごと)にマイコン5の割り込み処理として実施される。
<ステップS201>
図5のフローがスタートすると、磁石温度異常検出部30は、まずステップS201において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との双方が下限値Vq_L以上となっているか否かを判定する。そして、q軸電圧指令値Vql*,Vqr*の双方が下限値Vq_L以上であればステップS202に進み、少なくともいずれか一方が下限値Vq_L未満であればステップS209に進む。
図5のフローがスタートすると、磁石温度異常検出部30は、まずステップS201において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との双方が下限値Vq_L以上となっているか否かを判定する。そして、q軸電圧指令値Vql*,Vqr*の双方が下限値Vq_L以上であればステップS202に進み、少なくともいずれか一方が下限値Vq_L未満であればステップS209に進む。
<ステップS202>
ステップS202では、第1電動機1に対応する電流指令値Idl*,Iql*と第2電動機2に対応する電流指令値Idr*,Iqr*がともに0となっているか否かを判定する。
ステップS202では、第1電動機1に対応する電流指令値Idl*,Iql*と第2電動機2に対応する電流指令値Idr*,Iqr*がともに0となっているか否かを判定する。
<ステップS203>
そして、両電動機1,2に対する電流指令値(Idl*,Iql*;Idr*,Iqr*)がともに0となっていれば、次のステップS203において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*とから、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを算出する。
そして、両電動機1,2に対する電流指令値(Idl*,Iql*;Idr*,Iqr*)がともに0となっていれば、次のステップS203において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*とから、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを算出する。
<ステップS204>
次に、ステップS204において、ステップS203で算出した両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも大きいか否かを判定する。
次に、ステップS204において、ステップS203で算出した両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも大きいか否かを判定する。
<ステップS205>
そして、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも大きい場合は、ステップS205において、ステップS203で算出した両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が予め定めた所定閾値Sh5を越えるか否かを判定する。
そして、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも大きい場合は、ステップS205において、ステップS203で算出した両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が予め定めた所定閾値Sh5を越えるか否かを判定する。
<ステップS206>
そして、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が閾値Sh5を越える場合は、ステップS206において、第1電動機1の永久磁石に温度異常が発生していると判断して、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための処理を行う。
そして、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が閾値Sh5を越える場合は、ステップS206において、第1電動機1の永久磁石に温度異常が発生していると判断して、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための処理を行う。
<ステップS207>
一方、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも小さい場合は、ステップS207において、ステップS203で算出した両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が予め定めた所定閾値Sh6未満となっているか否かを判定する。
一方、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が1よりも小さい場合は、ステップS207において、ステップS203で算出した両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が予め定めた所定閾値Sh6未満となっているか否かを判定する。
<ステップS208>
両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が閾値Sh6未満となっている場合は、ステップS208において、第2電動機2の永久磁石に温度異常が発生していると判断して、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための処理を行う。
両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlの値が閾値Sh6未満となっている場合は、ステップS208において、第2電動機2の永久磁石に温度異常が発生していると判断して、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための処理を行う。
なお、上記の閾値Sh5,Sh6としては、実機を用いた実験等を事前に行って最適な値を求めておけばよい。上記のステップS202、ステップS205、ステップS207のいずれかでNOと判定した場合は、今回の処理周期での異常検出処理を終了し、次の処理周期での異常検出処理が開始されるまで待機する。
また、上記のステップS201の判定で、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*のいずれか若しくは双方が下限値Vq_L未満となっていると判定してステップS209に進んだ場合、ステップS209以降の処理で、上述した第1実施形態と同様に、両電動機1,2のq軸電圧の差分Vql−Vqrを用いて永久磁石の温度異常の判定を行う。
<ステップS209>
すなわち、まずステップS209において、第1電動機1に対応する電流指令値Idl*,Iql*と第2電動機2に対応する電流指令値Idr*,Iqr*がそれぞれ等しいか否かを判定する。
すなわち、まずステップS209において、第1電動機1に対応する電流指令値Idl*,Iql*と第2電動機2に対応する電流指令値Idr*,Iqr*がそれぞれ等しいか否かを判定する。
<ステップS210>
そして、両電動機1,2に対応する電流指令値(即ち、Idl*とIdr*、Iql*とIqr*)がそれぞれ等しければ、次のステップS210において、第1電動機1の回転子回転速度Wlと第2電動機2の回転子回転速度Wrが等しいか否かを判定する。
そして、両電動機1,2に対応する電流指令値(即ち、Idl*とIdr*、Iql*とIqr*)がそれぞれ等しければ、次のステップS210において、第1電動機1の回転子回転速度Wlと第2電動機2の回転子回転速度Wrが等しいか否かを判定する。
<ステップS211>
両電動機1,2の回転子回転速度Wl,Wrが等しければ、次に、ステップS211において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求める。
両電動機1,2の回転子回転速度Wl,Wrが等しければ、次に、ステップS211において、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*との差分Vql*−Vqr*をもとに、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrを求める。
<ステップS212>
そして、ステップS212において、前回の処理周期までに求めた過去の磁束差と今回の処理周期で求めた磁束差とから、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求める。
そして、ステップS212において、前回の処理周期までに求めた過去の磁束差と今回の処理周期で求めた磁束差とから、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求める。
<ステップS213>
そして、ステップS213において、ステップS212で求めた磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtの値が予め設定した所定閾値Sh1を越えるか否かを判定する。
そして、ステップS213において、ステップS212で求めた磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtの値が予め設定した所定閾値Sh1を越えるか否かを判定する。
<ステップS214>
そして、ステップS213の判定の結果、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtが所定閾値Sh1を越えると判断した場合には、ステップS214において、第1電動機1と第2電動機2のうち少なくともいずれかの永久磁石に温度異常が発生していると判断し、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための対応を実施する。
そして、ステップS213の判定の結果、磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtが所定閾値Sh1を越えると判断した場合には、ステップS214において、第1電動機1と第2電動機2のうち少なくともいずれかの永久磁石に温度異常が発生していると判断し、例えばトルク指令値τ*を下方修正する等、永久磁石が不可逆減磁とならないための対応を実施する。
なお、上記のステップS209、ステップS210、ステップS213のいずれかでNOと判定した場合は、今回の処理周期での異常検出処理を終了し、次の処理周期での異常検出処理が開始されるまで待機する。
なお、以上の図5のフローチャートで示した例では、q軸電圧指令値Vql*,Vqr*の少なくともいずれかが下限値Vq_L未満の場合に、これらの差分Vql*−Vqr*をもとに両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを求め、この磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtと閾値Sh1との比較により電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出するようにしている(S213)。しかしながら、両電動機1,2の磁束差の変化率d(|Φml−Φmr|)/dtを閾値Sh1と比較するのではなく、第1実施形態で説明したように、両電動機1,2のq軸電圧差の変化率d(|Vql−Vqr|)/dtを閾値Sh2と比較する、或いは、両電動機1,2の鎖交磁束の差分Φml−Φmrの値そのものを閾値Sh3と比較する、或いは、両電動機1,2のq軸電圧の差分Vql−Vqrの値そのものを閾値Sh4と比較することで、電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出するようにしてもよい。
以上、具体的な例を挙げながら説明したように、本第2実施形態の電動車両の駆動制御システム100は、第1電動機1に対応するq軸電圧指令値Vql*と第2電動機2に対応するq軸電圧指令値Vqr*の双方が下限値Vq_L以上の場合には、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0という条件の下で、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを用いて電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出し、q軸電圧指令値Vql*,Vqr*の少なくともいずれかが下限値Vq_L未満の場合には、これらq軸電圧指令値Vql*,Vqr*の差分Vql*−Vqr*を用いて電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出するようにしている。したがって、本第2実施形態の駆動制御システム100によれば、第1実施形態の駆動制御システム100と同様に、両電動機1,2の温度差が大きくなっている状況を判定する。従って、本第2実施形態の駆動制御システム100によれば、各電動機1,2の永久磁石の温度を温度センサなどで直接計測することなく、永久磁石の温度異常を高精度に検出することができる。
また、特に本第2実施形態の駆動制御システム100では、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを用いて電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出することにより、バッテリ4の直流電圧Vdcの検出誤差の影響をキャンセルできるといった利点も得られる。すなわち、第1PWM制御部16や第2PWM制御部26で生成するPWM波形は、バッテリ4の直流電圧Vdcに対する電圧指令値の比に基づいて変調率を定めている。このため、バッテリ4の直流電圧Vdcに検出誤差が乗っていると、同じ変調率を得るための電圧指令値が変化してしまう。つまり、この場合、電圧指令値にはバッテリ4の直流電圧Vdcの検出誤差の影響が重畳されることになる。ここで、本第2実施形態の駆動制御システム100では、第1電動機1と第2電動機2の双方が1つのバッテリ4から電力を得ているので、両電動機1,2に対する電圧指令値には、同じだけの直流電圧Vdcの検出誤差の影響が重畳されていることになる。したがって、これら2つの電動機1,2に対する電圧指令値の比をとれば、直流電圧Vdcの検出誤差の影響をキャンセルすることができる。つまり、上記の式(5)の電圧比Vqr/Vqlには直流電圧Vdcの検出誤差の影響がキャンセルされている。バッテリ4の直流電圧Vdcに検出誤差が乗っている場合であっても、この値、即ち、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを用いて電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出することにより、永久磁石の温度異常を高精度に検出することが可能となる。
ところで、本第2実施形態のように、第1電動機1のq軸電圧Vqlと第2電動機2のq軸電圧Vqrとの差分Vql−Vqrと比Vqr/Vqlとを求める場合、上記の式(3)から両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrが求まり、式(5)から鎖交磁束の比Φmr/Φmlが求まるので、両電動機1,2の鎖交磁束の値Φml,Φmrそのものを算出することが可能となる。そして、両電動機1,2の鎖交磁束の値Φml,Φmrが分かれば、その値を反映させて各電動機1,2に対する電流指令値を算出することにより、トルク指令値τ*に対する実際の電動機1,2の出力トルクの追従性能を向上させることが可能となる。すなわち、各電動機1,2の磁石磁束が変化すると、一定の巻線電流を通電していても各電動機1,2が出力するトルクが変化してしまう。そこで、両電動機1,2の鎖交磁束の差Φml−Φmrと鎖交磁束の比Φmr/Φmlとから鎖交磁束の値Φml,Φmrそのものを算出し、算出した鎖交磁束の値Φml,Φmrを電流指令変換部6に入力する。そして、電流指令変換部6が、トルク指令値τ*と鎖交磁束の値Φml,Φmrとに基づいて電流指令値を決定することで、トルク指令値τ*に正確に追従したトルク出力が可能となる。なお、電流指令変換部6は、例えば、トルク指令値τ*及び磁石磁束とそれに対応するd軸電流指令値Idl*,Idr*及びq軸電流指令値Iql*,Iqr*との関係をマップ化して記憶しておくことにより、以上の処理を実現することができる。
また、両電動機1,2のq軸電圧Vql,Vqrの差分Vql−Vqrと比Vqr/Vqlとから両電動機1,2の鎖交磁束の値Φml,Φmrそのものを算出した場合には、この鎖交磁束の値Φml,Φmrそのものを所定閾値Sh7と比較することで、電動機1,2の永久磁石の温度異常をさらに高精度に検出することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態は、上述した第2実施形態と同様の手法により電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出することを前提とし、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となるタイミングを積極的に設けることにより、q軸電圧の比Vqr/Vqlを用いた判定を可能とするシーンを増加させるようにしたものである。以下では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態は、上述した第2実施形態と同様の手法により電動機1,2の永久磁石の温度異常を検出することを前提とし、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となるタイミングを積極的に設けることにより、q軸電圧の比Vqr/Vqlを用いた判定を可能とするシーンを増加させるようにしたものである。以下では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態で説明した上記式(5)のように、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0という条件の下では、上記式(4)の巻線抵抗Rや巻線インダクタンスLd,Lqの項を除去することができ、各電動機1,2のq軸電圧Vql,Vqrは磁石磁束(鎖交磁束)Φml,Φmrと比例の関係になる。したがって、磁石異常検出部30の処理に合わせて両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となれば、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを用いた磁石温度の異常判定が可能となるシーンが増えるが、通常は、電動車両の駆動トルクは運転者のアクセル操作量に応じて決定されるため、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となるタイミングが磁石温度異常検出部30の処理周期(例えば1秒)ごとに定期的に生じるようなことはない。
そこで、本第3実施形態の電動車両の駆動制御システム100では、マイコン5の電流指令変換部6が、図6に示すように、トルク指令値τ*に対して実際に両電動機1,2が出力するトルクτの時間平均値は一致させ(即ち、トルクτの時間平均値をトルク指令値τ*に追従させ)つつ、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となる期間T0が形成されるように、各電動機1,2に対する電流指令値Id*,Iq*(Idl*,Iql*;Idr*,Iqr*)を生成する。そして、両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となる期間T0を設ける周期ΔTperiodを例えば1秒毎とし、磁石温度異常検出部30による割り込み処理と同期させるようにする。これにより、磁石異常検出部30の処理に合わせて両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となるタイミングが生じ、両電動機1,2のq軸電圧の比Vqr/Vqlを用いて磁石温度の異常判定を行うことが可能なシーンを増加させることができる。
以上のように、本第3実施形態の電動車両の駆動制御システム100によれば、マイコン5の電流指令変換部6が、実際に両電動機1,2が出力するトルクτの時間平均値をトルク指令値τ*に追従させつつ両電動機1,2の巻線電流Id,Iq(Idl,Iql;Idr,Iqr)がともに0となる期間T0が形成されるように、各電動機1,2に対する電流指令値Id*,Iq*(Idl*,Iql*;Idr*,Iqr*)を生成するようにしているので、電動機1,2の出力トルクが不用意に変動するといった不都合を生じさせずに、上述した第2実施形態による効果を最大限に発揮させることができる。
以上、本発明の具体的な実施形態として第1乃至第3実施形態を説明したが、これらの各実施形態は本発明の一適用例を例示的に示したものであり、本発明の技術的範囲がこれらの実施形態として開示した内容に限定されることを意図するものではない。つまり、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、この開示から容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
日本国基礎出願である特願2009−198041号(日本国出願日:2009年8月28日)の全内容がここに援用され、誤訳や記載漏れから保護される。
本発明によれば、永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値の差分を用いてこれら永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定するようにしている。従って、各永久磁石型同期電動機の永久磁石の温度を温度センサなどで直接計測することなく、電動車両用の電動機として用いられる永久磁石型同期電動機における磁石温度の異常を精度良く検出することができる。
Claims (15)
- 複数の永久磁石型同期電動機と、
前記複数の永久磁石型同期電動機に対する電流指令値を算出する電流指令値算出部と、
前記電流指令値算出部により各々算出された前記電流指令値に基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値を各々算出するq軸電圧指令値算出部と、
前記q軸電圧指令値算出部により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値と他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値との差分を用いて、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定する磁石温度異常判定部と、
を備えることを特徴とする永久磁石型同期電動機の異常検出装置。 - 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分が予め設定した所定閾値を越える場合に、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分の時間変化の変化率を算出し、前記変化率が予め設定した所定閾値を越える場合に、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機において、対応する回転子回転速度と対応する巻線電流と対応する巻線インダクタンスとがそれぞれ略等しいときに、前記磁石温度の前記異常の判定を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分と、前記永久磁石型同期電動機の回転子回転速度と、前記永久磁石型同期電動機の巻線電流とを用いて、前記永久磁石型同期電動機の鎖交磁束の差分を算出し、前記鎖交磁束の前記差分が予め設定した所定閾値を越える場合に、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分と、前記永久磁石型同期電動機の回転子回転速度と、前記永久磁石型同期電動機の巻線電流とを用いて、前記永久磁石型同期電動機の鎖交磁束の差分を算出するとともに、前記鎖交磁束の前記差分の時間変化の変化率を算出し、前記変化率が所定閾値を越える場合に、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機において、対応する前記回転子回転速度と対応する前記巻線電流と対応する巻線インダクタンスとがそれぞれ略等しいときに、前記磁石温度の前記異常の判定を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- d軸電流及びq軸電流と巻線インダクタンスとの関係を示すマップを記憶した記憶部をさらに備え、
前記磁石温度異常判定部は、前記電流指令値算出部により算出された前記電流指令値と前記記憶部に記憶されたマップとから前記複数の永久磁石型同期電動機の巻線インダクタンスを算出し、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分と、前記永久磁石型同期電動機の前記回転子回転速度と、前記永久磁石型同期電動機の前記巻線電流と、前記永久磁石型同期電動機の前記巻線インダクタンスとを用いて、前記永久磁石型同期電動機の前記鎖交磁束の前記差分を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。 - 前記磁石温度異常判定部は、前記q軸電圧指令値算出部により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分と比を用いて、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値の全てが予め設定した所定下限値以上の場合は、前記q軸電圧指令値算出部により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との比を用いて前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じているか否かを判定し、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値の少なくともいずれかが前記下限値未満の場合は、前記q軸電圧指令値算出部により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、前記1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値と前記他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値との前記差分を用いて前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに前記磁石温度の前記異常が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記磁石温度異常判定部は、前記複数の永久磁石型同期電動機の巻線電流がともにゼロとなるタイミングで、前記q軸電圧指令値の前記比を用いた前記磁石温度の前記異常の判定を行うことを特徴とする請求項9に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記電流指令値算出部は、前記複数の永久磁石型同期電動機が出力するトルクの時間平均値をトルク指令値に追従させつつ前記複数の永久磁石型同期電動機の前記巻線電流がともにゼロとなる前記タイミングが形成されるように、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記電流指令値を算出することを特徴とする請求項11に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。
- 前記q軸電圧指令値算出部により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値の前記差分と前記比とに基づいて、前記各永久磁石型同期電動機それぞれの鎖交磁束の値を算出する鎖交磁束算出部をさらに備え、
前記電流指令値算出部は、前記複数の永久磁石型同期電動機に対するトルク指令値と、前記複数の永久磁石型同期電動機の前記鎖交磁束の前記値とに基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記電流指令値を算出することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の永久磁石型同期電動機の異常検出装置。 - 複数の永久磁石型同期電動機に対する電流指令値を算出する作動と、
電流指令値算出作動により各々算出された前記電流指令値に基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値を各々算出する作動と、
前記q軸電圧指令値算出作動により算出された前記複数の永久磁石型同期電動機に対する前記q軸電圧指令値のうち、1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値と他のいずれか1つの永久磁石型同期電動機に対するq軸電圧指令値との差分を用いて、前記永久磁石型同期電動機の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定する作動と、
を備えることを特徴とする永久磁石型同期電動機の異常検出方法。 - 複数の永久磁石型同期電動手段と、
前記複数の永久磁石型同期電動手段に対する電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、
前記電流指令値算出手段により各々算出された前記電流指令値に基づいて、前記複数の永久磁石型同期電動手段に対するq軸電圧指令値を各々算出するq軸電圧指令値算出手段と、
前記q軸電圧指令値算出手段により算出された前記複数の永久磁石型同期電動手段に対する前記q軸電圧指令値のうち、1つの永久磁石型同期電動手段に対するq軸電圧指令値と他のいずれか1つの永久磁石型同期電動手段に対するq軸電圧指令値との差分を用いて、前記永久磁石型同期電動手段の少なくともいずれかに磁石温度の異常が生じているか否かを判定する磁石温度異常判定手段と、
を備えることを特徴とする永久磁石型同期電動手段の異常検出手段。
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