JPWO2009025328A1 - アスコルビン酸誘導体又はその塩、その製造方法、及び化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
R1は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、R6−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、R10−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、ここで
R3及びR4は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
R5及びR6は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基であり、
R7及びR8は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
R9及びR10は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。
但し、R1がH又は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又はベンジル基のとき、R2は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及びベンジル基のいずれでもない。]
アスコルビン酸と、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、又はスチレンオキサイドとを反応させる際には、R1が、R5−CH(CH2OH)−であるものとR6−CH(OH)−CH2−であるものとの混合物、R2が、R9−CH(CH2OH)−であるものとR10−CH(OH)−CH2−であるものとの混合物が生じる場合もある。
R1は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R6−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R10−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であるものが生じやすい。
R1は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、R6−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、R10−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩である。ここで、R3〜R10は、請求項1に記載の発明についてした定義と同じ意味を表す。
グリセリルとは、HOCH2−CH(OH)−CH2−又はHOCH2−CH(CH2OH)−を示し、
アルキルグリセリル基とは、R−O−CH2−CH(OH)CH2−又はR−O−CH2−CH(CH2OH)−(Rはアルキル基を示す。)を示し、
アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、
アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、
ヒドロキシアルキル基とは、R−CH2−CH(OH)−又はR−CH(OH)−CH2−(Rはアルキル基を示す。)を示し、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基、ヒドロキシベヘニル基を挙げることができる。
3−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば3−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
3−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、3−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、3−O−クロチルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ビニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−イソブテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−オクテニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−デセニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、及び、3−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−メチルグリセリルアスコルビン酸、2−O−エイコシルグリセリルアスコルビン酸、
2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、例えば、2−O−アリルグリセリルアスコルビン酸、2−O−ドデセニルグリセリルアスコルビン酸、
及び、2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(3)2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、
2,3−ジ−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(4)3−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(5)2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(6)2,3−ジ−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(8)3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシルアルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(9)3−O−グリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(10)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸(但し、3−アルキルと2−アルキルは異なっている。)、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、
(12)3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−アルキルグリセリル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(13)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルアスコルビン酸、
(14)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−アルケニルグリセリルアスコルビン酸、
(15)3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシアルキルアスコルビン酸、3−O−ヒドロキシアルキル−2−O−ヒドロキシフェニルエチルアスコルビン酸、
(16)3−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、2−O−ヒドロキシシクロヘキシルアスコルビン酸、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸、2−O−グリセリル−3−O−ベンジルアスコルビン酸。
R1は、H、又は、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、R6−CH(OH)−CH2−、もしくはヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、H、又は、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、R10−CH(OH)−CH2−、もしくはヒドロキシシクロヘキシル基である(但し、R1及びR2の少なくとも一方はHではない。)ことを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩である。ここで、R3、R4、R5及びR6は、請求項1に記載の発明についてした定義と同じ意味を表す。この態様のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、後述の本発明の製造方法により容易に製造できる。又、R1又はR2がHの場合は、塩にすることができる。塩にすることにより、化粧料中での安定性が向上する等、化粧料への適用性が向上する場合がある。
式(I)中のR1が、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、もしくはR6−CH(OH)−CH2−であり、R3、R4、R5、R6及びR2がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR3、R4、R5、R6及びR2の炭素数の合計が4以下のもの、
式(I)中のR2が、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH2−であり、R7、R8、R9、R10及びR1がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR7、R8、R9、R10及びR1の炭素数の合計が4以下のもの、ならびに
式(I)中のR1が、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、もしくはR6−CH(OH)−CH2−であり、R2が、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH2−であり、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10の炭素数の合計が4以下のもの(請求項9)は、特に優れた保湿効果を与えるので、この観点から、化粧料の成分として好適に用いられる。即ち、化粧料の保湿性向上方法として、このアスコルビン酸誘導体又はその塩を化粧料成分中に配合する方法を挙げることができる。
グリシドール、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、ヘプタデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、ノナデシルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、イソブテニルグリシジルエーテル、クロチルグリシジルエーテル、オクテニルグリシジルエーテル、デセニルグリシジルエーテル、ドデセニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルが例示される。
式(III)で表されるエポキシアルケンとしては、イソプロピレンオキシラン、ブテンオキシラン、ペンテンオキシラン、ヘキセンオキシラン、ヘプテンオキシラン、オクテンオキシラン、ノネンオキシラン、デセンオキシラン、ウンデセンオキシラン、ドデセンオキシラン、トリデセンオキシラン、テトラデセンオキシラン、ペンタデセンオキシラン、ヘキサデセンオキシラン、ヘプタデセンオキシラン、オクタデセンオキシラン、ノナデセンオキシランが例示される。
前記アスコルビン酸誘導体又はその塩であって、アスコルビン酸構造の2位がHであるものを製造する場合は、酸性条件下、特にpH2〜6が、
前記アスコルビン酸誘導体又はその塩であって、アスコルビン酸構造の3位がHであるものを製造する場合は、アルカリ性条件下、特にpH8〜11が、好ましい。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(300g)、炭酸水素ナトリウム(42.9g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(126g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣457gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリルアスコルビン酸(296g)を得た。
実施例1と同様な方法により得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸1gを、水に溶解し、炭酸水素ナトリウム336mgを加え30分攪拌を行った後、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリルアスコルビン酸ナトリウム塩1.07gを得た。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(10.0g)、炭酸水素ナトリウム(9.54g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(8.41g)を加えた。加温して60℃として5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣19.0gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=6/4/1で溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.21g)を得た。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.4g)を加え、室温で30分攪拌し、グリシドール(42.0g)を加えた。加温して50℃とし5時間攪拌を行った。その後、グリシドール(57.5g)を加え80℃に加温し4時間攪拌を行った後、減圧下に濃縮した。得られた残渣232gをアルミナカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=6/4/1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2,3−ジグリセリルアスコルビン酸(23.0g)を得た。
アルゴン雰囲気下、水に、アスコルビン酸(1.00g)、炭酸水素ナトリウム(0.14g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(0.42g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。反応後水を加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、粗生成物0.99gを得た。得られた粗生成物を、HPLCにより、COSMOSIL 5C18−MS−II Waters(20mm×250mm)のカラムを用いて、100%水、流速9.9ml/minで分取し、3−O−(1’,3’−ジヒドロキシ−2’−プロピル)アスコルビン酸のピーク(8分、52mg)を分離精製した。
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(100g)、炭酸水素ナトリウム(14.3g)、を加え、室温で30分攪拌し、ブチルグリシジルエーテル(73.8g)を加えた。80℃に加温し12時間攪拌を行った。その後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣96.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(74.2g)を得た。
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(50.0g)をDMF(150mL)中で攪拌し、エチルグリシジルエーテル(34.7g)を加えた後、80℃に加温し18時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮して得られた残渣102gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−エチルグリセリルアスコルビン酸(39.6g)を得た。
アルゴン雰囲気下、L−アスコルビン酸(100g)に、炭酸水素ナトリウム(14.3g)及びDMSO200mlを加え、さらにオクチルグリシジルエーテル(127g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣150gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(36g)を得た。
オクチルグリシジルエーテルをセチルグリシジルエーテルに変えた以外は実施例8と同様にして3−O−ヘキサデシルグリセリルアスコルビン酸(7.31g)を得た。(シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した残渣量:107.2g)
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(5.00g)にDMF30mlを加え、さらに1,2−エポキシへキサン(3.45g)を加えた。80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた残渣7.56gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシヘキシル)アスコルビン酸(1.93g)を得た。
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(1.00g)に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール4mlとアセトニトリル12mlを加え、さらに1,2−エポキシシクロへキサン(1.42g)を加えた。70℃に加温し36時間攪拌した後、減圧下に濃縮して得られた残渣3.65gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、2種の溶出物を得た(先に溶出した溶出物:244mg、後に溶出した溶出物:217mg)。得られた各溶出物についての、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、13C−NMR測定、及び比旋光度の測定結果より、この2種は、互いに立体異性の関係にある2種の3−O−(2−ヒドキシシクロへキシル)アスコルビン酸であっていずれも下記構造式で表されるものであることが確認された。
先に溶出してきた異性体 +2.90 (c=2.06 inMeOH)
後に溶出してきた異性体 +25.4 (c=2.06 inMeOH)
アルゴン雰囲気下、L-アスコルビン酸(1.00g)に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール4mlとアセトニトリル10mlを加え、スチレンオキサイド(1.37g)を加えた。70℃に加温し48時間攪拌した後、減圧下に濃縮した。得られた残渣2.73gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、2種の溶出物を得た(先に溶出した溶出物:225mg、後に溶出した溶出物:228mg)。得られた各溶出物についての、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、13C−NMR、及び比旋光度の測定結果より、この2種は、互いに立体異性の関係にある2種の3−O−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)アスコルビン酸であっていずれも下記構造式で表されるものであることが確認された。
先に溶出してきた異性体 −26.8 (c=2.06 inMeOH)
後に溶出してきた異性体 +36.7 (c=1.96 inMeOH)
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(5.00g)、炭酸ナトリウム(6.02g)を加え室温で30分攪拌を行い、その後エチルグリシジルエーテル(8.69g)を加え80℃に加温し24時間攪拌した。その後、メタノールを加えろ過しろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣4.17gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2−O−エチルグリセリルアスコルビン酸(2.17g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(54.1g)をDMSO(200mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(18.5g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化オクチル(63.7g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をした。得られた残渣131gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−オクチルアスコルビン酸(48.0g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(5.10g)をDMSO(20mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(1.71g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化ヘキサデシル(9.42g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣13.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(4.09g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(1.42g)に、水、炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え、室温で30分間攪拌した後、臭化アリル(2.45g)を加え60℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮した後メタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.70gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(2.51g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(2.93g)に、水と炭酸水素ナトリウム(1.42g)を加え室温で30分間攪拌した後、臭化ベンジル(2.61g)を加え50℃に加温し2時間攪拌した。その後、減圧下に濃縮しメタノールに溶解した。得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残渣6.13gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=10/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ベンジルアスコルビン酸(2.47g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例7で得られた3−O−エチルグリセリルアスコルビン酸(3.03g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(0.92g)、臭化ブチル(1.79g)を加えた。100℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣2.16gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−エチルグリセリル−2−O−ブチルアスコルビン酸(0.89g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例6で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.06g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.84g)を加えた。さらに、臭化ブチル(2.06g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣3.52gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−ブチルアスコルビン酸(0.95g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例8で得られた3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸(5.17g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(1.20g)、臭化ヘキサデシル(5.22g)を加え、100℃に加温し3時間攪拌した。その後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣9.06gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−オクチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルアスコルビン酸(3.41g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例6で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(3.56g)に、水、炭酸水素ナトリウム(0.98g)を加え室温で30分間攪拌した。その後、臭化アリル(1.68g)を加え、60℃に加温し5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.53gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−アリルアスコルビン酸(3.00g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(5.27g)をDMSO(10mL)中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.53g)を加えた。さらに、ブチルグリシジルエーテル(4.10g)を加え80℃に加温し18時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.47gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(0.62g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例6と同様な方法で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(4.98g)をDMSO10mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.33g)を加えた。さらにグリシドール(1.46g)を加え80℃に加温し18時間攪拌した後、n−ブタノールで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし、得られた残渣6.23gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−グリセリルアスコルビン酸(1.23g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例6と同様な方法で得られた3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(5.31g)をDMSO10mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.44g)を加えた。さらにヘキサデシルグリシジルエーテル(4.82g)を加え80℃に加温し18時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣6.81gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ブチルグリセリル−2−O−ヘキサデシルグリシジルアスコルビン酸(0.91g)を得た。
アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸(100g)をDMF200mL中で攪拌し、ドデシルグリシジルエーテル(166g)を加えた後、80℃に加温し36時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣182gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ドデシルグリセリルアスコルビン酸(45.6g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例25で得られた3-O−ドデシルグリセリルアスコルビン酸(1.00g)をDMSO2mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.06g)を加えた。さらに、グリシジルオクチルエーテル(0.53g)を加え100℃に加温し22時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣1.33gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=50/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−ドデシル−2−O−オクチルグリセリセリルアスコルビン酸(0.17g)を得た。
アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸(14.2g)をDMF20mL中で攪拌し、1,2−エポキシデカン(15.1g)を加えた後、80℃に加温し24時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣26.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸(7.01g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例27で得られた3−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸(1.03g)をDMSO10mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.08g)を加えた。さらにブチルグリシジルエーテル(0.97g)を加え100℃に加温し8時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣1.12gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=30/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−(2−ヒドロキシデシル)−2−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸(0.27g)を得た。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(5.00g)をDMSO8mL中で攪拌し、炭酸水素ナトリウム(0.50g)を加えた。さらに、1,2−エポキシデカン(3.75g)を加え100℃に加温し10時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をし得られた残渣3.40gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−(2−ヒドロキシデシル)アスコルビン酸(0.41g)を得た。
* TlBr及びAs2Se3は、それぞれ、TlBr、As2Se3を用いた液膜法を、KBr、ATRは、それぞれ、KBr法、ATR法を表す。赤外吸収スペクトルの測定結果を示す以下の表においても同じである。
実施例1〜29における製造方法と同様な方法により、式(I)で表され、式(I)におけるR1及びR2が下記の表9〜15で示される化合物を製造した。得られた生成物については、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、及び/又は13C−NMR測定を行い、その測定結果より、構造が確認された。
美白効果の試験として、B16メラノーマ4A5細胞のテオフィリン誘発メラニン産生に対する作用の評価を、下記の手順により、本発明のアスコルビン酸誘導体について行った。同様な評価を、比較として、アスコルビン酸や、公知化合物であるアスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体についても行った。その結果を表38〜40に示す。
(2)10%ウシ胎児血清(Roshe Diagnostics社製)含有ダルベッコ変法イーグル培地(SIGMA社製、以下D−MEMと略記する。)にて24時間培養後、0.2mMテオフィリン、及び所定の濃度の試料を含有した10%ウシ胎児血清含有D−MEMに交換した。
(3)試料共存下で3日間培養後、アスピレーターを用いて培地を除去し、蒸留水を添加後超音波により細胞を破砕した。
(4)その後、タンパク量を、BCA protein assay kit(PIERCE社製)を用いて定量し、又、メラニンの生成量を、アルカリ可溶化法にて測定した。細胞破砕液に終濃度2Nとなるように水酸化ナトリウムを添加して加熱溶解(60℃、15分)後、マイクロプレートリーダーを用いて450nmの吸光度を測定した。メラニン量は、合成メラニン(SIGMA)を標準品として作成した検量線から算出した。タンパク量でメラニン量を除することにより単位タンパクあたりのメラニン量を算出した。
(5)メラニン生成抑制率は、次式から算出した。
メラニン生成抑制率(%)=[1−(A−B)/(C−B)]×100
[式中、Aは、試料添加時の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、Bは、normal群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)、Cはcontrol群の単位タンパクあたりのメラニン量(g/g)を示す。]
<20% :±
20−40% :+
40−70% :++
70−100%:+++
各種試験サンプルの2%水溶液を希水酸化ナトリウム水溶液でそれぞれpH7に調製し、50mLのスクリュー管に入れ密栓し、室温にて4週間保管し、HPLC測定(東ソー社製液体クロマトグラフィーを用いた。)を行いピーク面積より残存率を求めた。残存率、臭い及び着色度を下記の方法、基準に基づき評価し結果を表41に示す。
◎ : 90%以上
○ : 80%以上、90%未満
△ : 60%以上、80%未満
× : 20%以上、60%未満
××: 20%未満
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: ほとんど無臭。
2: 少し異臭が感じられる。
1: 強い異臭が感じられる。
この評価結果に基づき、下記の様に分類した。
○:10人の総合点が25以上
△:10人の総合点が16〜24
×:15以下
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 調製直後と比較しほとんど変化なし。
2: 調製直後と比較し着色する。
1: 調製直後と比較し強く着色。
この評価結果に基づき、下記の様に分類した。
○:10人の総合点が25以上
△:10人の総合点が16〜24
×:15以下
室温にて4週間保管する代わりに、50℃にて4週間保管した以外は試験例2と同様の試験を行った。その結果を表42に示す。
以下に示す試料を乾燥し、乾燥した試料を秤量瓶(直径3.6cm、蓋を除いた高さ1.8cm)の底に、約0.4g(この重量をW0とする。)、均一な厚さになるように伸ばした。秤量瓶に入った試料を、恒湿恒温器(ENVIROS KCL−1000,東京理化器械社製)内で25℃、65%RHの環境下、静置した。定期的に重量を測定し、充分に吸湿して重量増加が平衡に達するのを待った(約48時間)。その後、25℃、20%RHの環境下に移し(飽和CH3COOK水溶液を底部に満たした密閉容器内)24時間後の重量(この重量をW1とする。)から、次の式により、乾燥試料1gあたりの、保持している水分量を算出した。
(W1−W0)/W0
このようにして算出した水分量から下記の判定基準に基づき保湿効果を判定し、その結果を表43に示した。
2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸、2,3−ジ−O−フェニルグリセリルアスコルビン酸、及びグリセリン、の3化合物、並びに、
アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、2−O−グリセリルアスコルビン酸、3−O−グリセリルアスコルビン酸、3−O−ブチルグリセリルアスコルビン酸、及び3−O−オクチルグリセリルアスコルビン酸を希水酸化ナトリウム水溶液によりそれぞれpH7に調製し濃縮したもの、の6化合物。
◎:40mg以上
○:25mg以上40mg未満
△:10mg以上25mg未満
×:10mg未満
式(I)中のR2が、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−もしくはR8−O−CH2−CH(CH2OH)−であり、R1、R7及びR8がHもしくはアルキルであり、R1、R7及びR8の炭素数の合計が4以下のもの、並びに
式(I)中のR1が、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−もしくはR4−O−CH2−CH(CH2OH)−であり、R2が、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−もしくはR8−O−CH2−CH(CH2OH)−であり、かつR3、R4、R7及びR8がHもしくはアルキルであり、R3、R4、R7及びR8の炭素数の合計が4以下のものが、保湿効果の点で好ましいと考えることができる。
さらに、このアスコルビン酸誘導体の、R1、R2、R3、R4、R7又はR8のアルキルをアルケニルに置き換えたもの、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−もしくはR4−O−CH2−CH(CH2OH)−をR5−CH(CH2OH)−もしくはR6−CH(OH)−CH2−で置き換えたもの、又は/及び、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−もしくはR8−O−CH2−CH(CH2OH)−をR9−CH(CH2OH)−もしくはR10−CH(OH)−CH2−で置き換えたものも好ましい保湿効果を有すると予測することができる。
正常ヒト皮膚繊維芽細胞を、2.5×104cells/wellの細胞密度になるように10%(v/v)のウシ胎児血清(Roshe Diagnostics社製)含有D−MEMで調製後、96ウェルプレート上で24時間のプレインキュベージョンを行った。培地を除去した後、次に5%(v/v)ウシ胎児血清含有D−MEMで100μMの濃度に調製したサンプルを各ウェルに添加した後37℃、5%CO2下で48時間培養した。培養終了後、遊離コラーゲン量をSircol collagen assay kit(Biocolor社製)を用いて測定した。なお、測定はN=4で行った。
<100% :±
100−200%:+
200%< :++
各試料の濃度を100μM又は500μMとし、培養を2,4,7日間行った以外は、試験例5と同じ条件にて、遊離コラーゲンの測定を行った。なお、測定はN=4で行い、4つの試験例での、コラーゲン産生量をControl群と比較した値(Control群を100%としたときの%値)の平均及び標準誤差を、表46、47に示した。
表48に示す組成の(1)〜(5)の油相部の原料、および(6)〜(10)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、美白効果に優れたクリームを調製する。なお、表48以後の表中、配合量は重量部を表す。
表49に示す組成の(1)〜(9)の油相部の原料、および(10)〜(13)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、美白効果に優れた乳液を調製する。
表50に示す組成の(5)〜(10)の油相部の原料、および(1)〜(4)、(11)〜(12)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した。その後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、美白効果に優れた乳液を調製することができる。
表51に示す組成の(1)〜(2)の油相部の原料、および(3)〜(10)の水相部の原料をそれぞれ70℃に加温し溶解して、油相および水相をそれぞれ調製した後、水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却することにより、クリームを調製することができる。このクリームは、美白効果に優れた皮膚用化粧料として用いられる。
表52に示す組成の(1)〜(6)の原料を、よく攪拌しながら混合することにより化粧水を調製することができる。この化粧水は、2,3−ジ−O−グリセリルアスコルビン酸を7重量%含んでいるので、優れた保湿効果を有する。
表53に示す組成の(1)〜(6)の油相部を、および(7)〜(10)の水相部をそれぞれ70℃に加温溶解する。水相部に油相部を加え予備乳化を行い、ついでホモミキサーで乳化した後、よく攪拌しながら室温まで冷却してクリームを調製することができる。このクリームは、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を3重量%含んでいるので、優れたコラーゲン産生促進効果を有し、特にその効果の持続性に優れたものである。又、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸は、優れた美白効果を与えるので、このクリームは、美白効果に優れた皮膚用化粧料として用いることができる。
グリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させることにより、2位又は3位の中の残存している水酸基をエーテル化することができ、2位及び3位の両方のみが位置特異的にエーテル化された化合物が得られることも見出した。ここで、2位のエーテル化に用いるエポキシ化合物と、3位のエーテル化に用いるエポキシ化合物は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。この反応によれば、5位及び6位の水酸基を保護基で保護する工程が不要であるので、工程数が減少し反応も簡易なものとなる。従って、前記式(I)で表わされるアスコルビン酸誘導体等の、2位及び3位が位置特異的にエーテル化されたアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法として好ましい。
(0038)
そこで、本発明は、請求項10において、この好ましい製造方法、即ちアスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を、アスコルビン酸の5位及び6位の水酸基を保護せずに反応させる工程を有することを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法を提供する。
(0039)
前記エポキシ化合物としては、下記式(II)で表される化合物、下記式(III)で表される化合物、及び1,2−エポキシシクロヘキサンから選ばれるものを挙げることができる。これらの特定のエポキシ化合物を用いた場合は、位置特異的なエーテル化がより明白である。そこで、本発明は、この製造方法を請求項11として提供する。
(0040)
[化2]
[式中、R11は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基である。]
(0041)
[化3]
Claims (14)
- 下記の一般式(I)で表されることを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩。
R1は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、R6−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、R10−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、ここで
R3及びR4は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
R5及びR6は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基であり、
R7及びR8は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又はフェニル基であり、
R9及びR10は、H、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はフェニル基である。
但し、R1がH又は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基又はベンジル基のとき、R2は、H、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及びベンジル基のいずれでもない。] - 前記一般式(I)中の、
R1は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、R6−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、ベンジル基、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、R10−CH(OH)−CH2−、又はヒドロキシシクロヘキシル基である
ことを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体。 - 前記一般式(I)中の、
R1は、H、又は、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、R6−CH(OH)−CH2−もしくはヒドロキシシクロヘキシル基であり、
R2は、H、又は、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、R10−CH(OH)−CH2−、もしくはヒドロキシシクロヘキシル基である
ことを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。 - 前記一般式(I)中の、R1又はR2の一方がHO−CH2−CH(OH)−CH2−であり、R1又はR2の他方が炭素数4〜16のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
- 前記一般式(I)中の、R1又はR2の一方がRa−O−CH2−CH(OH)−CH2−であり(Raは、炭素数2〜20のアルキル基)、R1又はR2の他方が炭素数2〜20のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
- 前記一般式(I)中の、R1又はR2の一方がRb−CH(CH2OH)−(Rbは、炭素数6〜20のアルキル基)であり、R1又はR2の他方が炭素数4〜6のアルキル基もしくはRc−CH(CH2OH)−(Rcは、炭素数4〜6のアルキル基)であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
- 前記一般式(I)中の、R1又はR2の一方がRe−O−CH2−CH(OH)−CH2−であり(Reは、フェニル基)であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
- 前記一般式(I)中の、R1又はR2の一方がHO−CH2−CH(OH)−CH2−であり、R1又はR2の他方がRd−O−CH2−CH(OH)−CH2−(Rdは、炭素数10〜16のアルキル基)であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。
- R1が、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、もしくはR6−CH(OH)−CH2−であり、R3、R4、R5、R6及びR2がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR3、R4、R5、R6及びR2の炭素数の合計が4以下である、又は
R2が、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH2−であり、R7、R8、R9、R10及びR1がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR7、R8、R9、R10及びR1の炭素数の合計が4以下である、又は
R1が、R3−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R4−O−CH2−CH(CH2OH)−、R5−CH(CH2OH)−、もしくはR6−CH(OH)−CH2−であり、R2が、R7−O−CH2−CH(OH)−CH2−、R8−O−CH2−CH(CH2OH)−、R9−CH(CH2OH)−、もしくはR10−CH(OH)−CH2−であり、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10がH、アルキル又はアルケニルであり、かつR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10の炭素数の合計が4以下であることを特徴とする請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩。 - アスコルビン酸と、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレンオキサイド、エポキシアルカン、エポキシアルケン、スチレンオキサイド及び脂環式エポキシから選ばれるエポキシ化合物を反応させる工程を有することを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記エポキシ化合物が、式(II)で表され、かつR11が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物、又は式(III)で表され、かつR12が、H、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数2〜8のアルケニル基である化合物であり、かつ前記アスコルビン酸と、前記エポキシ化合物との反応が、水系溶媒中で行われることを特徴とする請求項11に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩の製造方法。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩を配合したことを特徴とする化粧料。
- 請求項9に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩を、5から20重量%配合したことを特徴とする化粧料。
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