JPWO2005100478A1 - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル及び導電性炭素系フィラーを含む導電用樹脂組成物であって、導電性炭素系フィラーの少ない添加量で優れた導電性を達成し、流動性に優れ、更に表面光沢に優れる樹脂組成物、及び該樹脂組成物から形成された成形体を提供する。

Description

本発明は、導電性に優れた樹脂組成物、ポリアミド及びポリフェニレンエーテルを含む樹脂組成物用のマスターバッチ、及び該樹脂組成物から形成された成形体に関する。
ポリフェニレンエーテルは機械的性質・電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性に優れるため幅広い用途で使用されている。しかし、ポリフェニレンエーテルは単独では成形加工性に劣っている。これを改良するためにポリアミドを配合する技術が提案され、現在では非常に多種多様な用途に使用される材料となっている。最近になって、ポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイに導電性を付与し、静電塗装可能な自動車の外装材(フェンダー・ドアパネル等)への用途展開が急速に進んでいる。
自動車の外装材料へ要求される特性としては、静電塗装可能なレベルの導電性・衝撃強度・耐熱性・流動性等、種々の特性が挙げられる。静電塗装用途に関する要求レベルとしては、例えば、特許文献1(特許文献2、特許文献3に対応)には、アイゾッド衝撃強度は15kJ/mより大きいことが好ましく、体積固有抵抗値が10Ω・cmより小さいことが好ましいとの例示がある。
ポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイへ導電性を付与する技術としては、例えば、特許文献4に、カーボンブラックを配合することにより、表面抵抗値を低下させることができるとの記載がある。その他、特許文献5(特許文献6、特許文献7に対応)には、相溶化されたポリアミド−ポリフェニレンエーテルベース樹脂に導電性カーボンブラックを配合する樹脂組成物及びその製法が開示されている。特許文献8、特許文献9、特許文献10には、ポリフェニレンエーテル、エチレン性不飽和構造単位を持つ衝撃改良材、相溶化剤、2種以上のポリアミド及び導電性カーボンブラックまたはカーボンフィブリルを含み、体積抵抗値やアイゾッド衝撃強度等が特定範囲内の樹脂組成物が開示されている。更には、特許文献11には、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、特定量の相溶化剤、特定量の導電性カーボンブラックまたはカーボンフィブリルを含み、体積抵抗率が100kΩ・cm未満の樹脂組成物が開示されている。特許文献12、特許文献13には、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、タルク、カーボンフィブリルを含む樹脂組成物が開示されている。特許文献14に、ポリアミドとカーボンフィブリルを、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、衝撃改良材を含む第1混合物へ供給することによって形成された樹脂組成物が開示されている。特許文献15に、L/Dが特定値以下より小さい押出機を用いて、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、カーボンブラックコンセントレートを含む樹脂組成物を得るための製法が開示されている。特許文献16に、ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリアミド、導電性フィラーを含む樹脂組成物等の開示がある。
また、特許文献17(特許文献18に対応)には、有機ポリマーマトリックスに、導電性充填材とともに有機イオン種を更に添加して導電性を向上させる技術も開示されている。その他、特許文献19に、導電用炭素系フィラーをポリフェニレンエーテル中に存在させる技術、特許文献20(特許文献21に対応)に、2種の熱可塑性樹脂が海−島構造を呈する樹脂組成物の海相に導電性カーボンブラック、島相に導電性カーボンブラックまたは中空炭素フィブリルを存在させる技術等も開示されている。
しかし、これらの技術では、静電塗装可能な程の導電性を付与するためには、カーボンブラックなどの導電性フィラーを多量に配合する必要があり、結果的に流動性が低下するという問題点が従来から指摘されていた。
更に最近の傾向として、自動車外装部品の大型化や形状の複雑化に伴い、更なる高流動化が求められるようになってきている。しかし、従来の技術で得られる組成物では、この要求を満足する高い流動性と導電性を両立させることは困難となっているのが実情であった。
また、ポリアミドは吸水性であるという特徴があることから、ポリアミド−ポリフェニレンエーテルアロイからなる成形体は、吸水により寸法が変化する。そのため、吸水率、及び吸水による寸法変化を効果的に抑制する技術が求められていた。
特開平8−48869号公報 米国特許5741846号明細書 米国特許5977240号明細書 特開平2−201811号公報 特開平8−48869号公報 米国特許5741846号明細書 米国特許5977240号明細書 米国特許5843340号明細書 米国特許6171523号明細書 米国特許6352654号明細書 米国特許6221283号明細書 米国特許6469093号明細書 米国公開特許2002/0183435号明細書 米国特許6486255号明細書 米国公開特許2002/0149006号明細書 米国公開特許2003/0092824号明細書 特表2004−513216号明細書 米国特許6599446号明細書 国際公開第01/81473号パンフレット 特開2003−96317号公報 米国2003−130405号明細書
本発明の目的は、上述した従来技術では達成し得なかった、高い流動性と優れた導電性を両立する組成物を提供することである。本発明の更なる目的は、導電性炭素系フィラーの添加量を大幅に削減しつつ優れた導電性を達成し、流動性に優れ、更には表面光沢、低吸水性にも優れる樹脂組成物、及び該樹脂組成物から形成された成形体を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル及び導電性炭素系フィラーを含む樹脂組成物が、これら特性に優れた樹脂組成物及び成形体を得るために有効であることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明はポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル及び導電性炭素系フィラーを含む樹脂組成物、及びその成形体に関する。
本発明の構成は以下の通りである。
(1).ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル及び導電性炭素系フィラーを含む、樹脂組成物。
(2).ポリアミドが連続相を形成し、ポリフェニレンエーテル及びポリエステルが非連続相を形成してなる、(1)に記載の樹脂組成物。
(3).ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる1種以上である、(1)に記載の樹脂組成物。
(4).ポリエステルの配合量が、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計量100質量部に対し、0.1〜25質量部である、(1)に記載の樹脂組成物。
(5).ポリエステルの配合量が、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計量100質量部に対し、1〜15質量部である、(4)に記載の樹脂組成物。
(6).導電性炭素系フィラーの量が、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及びポリエステルの合計100質量部に対して、0.1〜3質量部である、(1)に記載の樹脂組成物。
(7).導電性炭素系フィラーの平均一次粒子径または平均繊維径が1μm未満である、(1)に記載の樹脂組成物。
(8).導電性炭素系フィラーが、導電性カーボンブラック及びカーボンフィブリルからなる群から選ばれる1種以上である、(1)に記載の樹脂組成物。
(9).導電性炭素系フィラーの少なくとも一部が、ポリエステル相及び/又はポリエステル相とポリアミド相の界面に存在する、(1)に記載の樹脂組成物。
(10).導電性炭素系フィラーが、ポリエステル及びポリアミドからなる群から選ばれる1種以上に予め配合されたマスターバッチの形態で添加されてなる、(1)に記載の樹脂組成物。
(11).ポリフェニレンエーテルが、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、(1)に記載の樹脂組成物。
(12).エラストマーを更に含む、(1)に記載の樹脂組成物。
(13).エラストマーが、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含むブロック共重合体の水素添加物である、(12)に記載の樹脂組成物。
(14).ポリアミド及びポリフェニレンエーテルを含む樹脂組成物用のマスターバッチであって、導電性炭素系フィラー及びポリエステルを含む、上記マスターバッチ。
(15).ポリアミドを更に含む、(14)に記載のマスターバッチ。
(16).(1)に記載の樹脂組成物から形成された射出成形体。
本発明は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル及び導電性炭素系フィラーを配合することで、より少ない導電性炭素系フィラー添加量で優れた導電性を発現することができ、流動性に優れ、かつ表面光沢、低吸水性に優れる樹脂組成物、及び該樹脂組成物から形成された成形体を提供することができる。
次に本発明で使用することのできる各成分について詳しく述べる。
本発明で使用することのできるポリアミドの種類としては、ポリマー中のくり返し構造単位中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用することができる。一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンが挙げられる。具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられる。具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはεカプロラクタム、エナントラクタム、ωラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
本発明において、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸としては、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類はいずれも使用することができる。また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
本発明に用いるポリアミド樹脂の重合方法は特に限定されず、溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合、および、これらを組み合わせた方法のいずれでもよい。これらの中では、溶融重合がより好ましく用いられる。
特に本発明で有用に用いることのできるポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン),6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられる。複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類も使用することができる。好ましいポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6、及びそれらの混合物であり、最も好ましくはポリアミド6、ポリアミド6,6、又はそれらの混合物である。
本発明の樹脂組成物に使用可能なポリアミドとしてはいずれの粘度数であっても構わない。好ましい粘度範囲としては、ISO307に従い96%硫酸中で測定した粘度数が90〜130ml/gの範囲である。より好ましくは100〜125ml/gの範囲である。
本発明においては異なる粘度数を持つポリアミドの混合物であっても使用可能である。例えば、粘度数150ml/gのポリアミドと粘度数80ml/gのポリアミドの混合物、粘度数120ml/gのポリアミドと粘度数115ml/gのポリアミドの混合物等が挙げられる。粘度数の異なるポリアミドの混合物の中で特に好ましい混合形態は、各々のポリアミドが粘度数90〜130ml/gの範囲内にあり、かつ粘度数の異なるポリアミドの混合物である。これら混合物の粘度数は、混合する質量比で96%硫酸に溶解して、ISO307に従い粘度数を測定することで確認することができる。
ポリアミドは末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有している。これらの好ましい比はアミノ基/カルボキシル基当量比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
また、末端のアミノ基の濃度としては少なくとも1×10mol/g以上であることが好ましい。更に好ましくは1×10mol/g以上、4×10mol/g以下である。末端のカルボキシル基の濃度としては少なくとも9×10mol/g以上であることが好ましい。更に好ましくは9×10mol/g以上、13×10mol/g以下である。
これらポリアミド樹脂の末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いることができる。例えばポリアミド樹脂の重合時に所定の末端濃度となるようにジアミン化合物、モノアミン化合物、ジカルボン酸化合物、モノカルボン酸化合物などから選ばれる1種以上を添加する方法が挙げられる。
また、本発明においては、ポリアミド樹脂の耐熱安定性を向上させる目的で公知となっている特開平1−163262号公報に記載されているような金属系安定剤も、問題なく使用することができる。
これら金属系安定剤の中で特に好ましく使用することのできるものとしては、CuI、CuCl 、酢酸銅、ステアリン酸セリウム等が挙げられる。また、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等に代表されるアルキル金属のハロゲン化塩も好適に使用することができる。これらは、もちろん併用添加しても構わない。
金属系安定剤及び/又はアルキル金属のハロゲン化塩の好ましい配合量は、合計量としてポリアミド樹脂の100質量部に対して、0.001〜1質量部である。
また、本発明においては、上述した金属系安定剤の他に、公知の有機安定剤も問題なく使用することができる。有機安定剤の例としては、イルガノックス1098等に代表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤;イルガフォス168等に代表されるリン系加工熱安定剤;HP−136に代表されるラクトン系加工熱安定剤;イオウ系耐熱安定剤;ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。これら有機安定剤の中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、もしくはその併用がより好ましい。
これら有機安定剤の好ましい配合量は、ポリアミド樹脂の100質量部に対して、0.001〜1質量部である。
さらに、上記の他にポリアミドに添加することが可能な公知の添加剤等もポリアミド100質量部に対して10質量部未満の量で添加してもかまわない。
本発明で使用できるポリフェニレンエーテルとは、式(1)の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。

〔式中、Oは酸素原子、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
本発明のポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されてあるような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。ポリフェニレンエーテルとして2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を使用する場合の各単量体ユニットの比率は、ポリフェニレンエーテル共重合体全量を100質量%としたときに、約80〜約90質量%の2,6−ジメチルフェノールと、約10〜約20質量%の2,3,6−トリメチルフェノールからなる共重合体が特に好ましい。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。
本発明で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではない。例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書、同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報、特公昭52−17880号公報及び同63−152628号公報等に記載された製造方法等が挙げられる。
本発明で使用することのできるポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c:濃度0.5g/dl、クロロホルム溶液中、30℃で測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
本発明においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても構わない。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
また、本発明で使用できるポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下、100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法;(2)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法;(3)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられる。これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び、(2)の方法が好ましい。
次に、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する、少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合と、カルボン酸基又は酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の、1個または2個のカルボキシル基がエステルになっているものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基を同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式C2n−3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式C2n−5OH、C2n−7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5質量部である。ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.001〜1質量部である。また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5質量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3質量%である。該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または変性化合物の重合体が残存していても構わない。
また、ポリフェニレンエーテルの安定化の為に公知となっている各種安定剤も好適に使用することができる。安定剤の例としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の金属系安定剤、ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤である。これらの好ましい配合量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して5質量部未満である。更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の他の添加剤等もポリフェニレンエーテル100質量部に対して10質量部未満の量で添加しても構わない。
本発明において、公知のポリアミドとポリフェニレンエーテルの相溶化剤を添加することが可能である。相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。この相互作用は化学的(たとえばグラフト化)であっても、または物理的(たとえば分散相の表面特性の変化)であってもよい。いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す。
本発明において使用することのできる相溶化剤の例は、WO01/81473号明細書中に詳細に記載されている。これら公知の相溶化剤はすべて使用可能であり、併用使用も可能である。これら、種々の相溶化剤の中でも、特に好適な相溶化剤の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、クエン酸が挙げられる。
本発明における相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100質量部に対して0.01〜10質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部、最も好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明におけるポリアミドとポリフェニレンエーテルの配合比(質量比)に特に制限はないが、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルが30/70〜80/20が好ましく、より好ましくは40/60〜75/25、さらに好ましくは45/55〜70/30である。
本発明で使用することができるポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物等の誘導体と、グリコール又は二価フェノールとを縮合させて得られる熱可塑性ポリエステルが挙げられる。
このポリエステルの製造に適するジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸類;テレフタル酸、イソフタル酸、p,p−ジカルボキシジフェニルスルホン、p−カルボキシフェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキシ酪酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;又はこれらのカルボン酸の混合物が挙げられる。
また、ポリエステルの製造に適するグリコールの具体例としては、炭素数2〜12の直鎖アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブテングリコール、1,6−ヘキセングリコール、1,12−ドデカメチレングリコール等の脂肪族グリコール類;p−キシリレングリコール等の芳香族グリコール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール類が挙げられる。二価フェノールとしては、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン又はこれらの化合物のアルキル置換誘導体が挙げられる。
ポリエステルの他の例としては、ラクトンの開環重合により得られるポリエステルも挙げられる。例えば、ポリピバロラクトン、ポリ(ε−カプロラクトン)等である。更には、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコール等に代表される、ポリアルキレングリコール類をソフトセグメントとして含むポリエステル−ポリエーテル類のように、異種のセグメントを含んでいるポリエステルも使用することができる。
また、ポリエステルの更にその他の例としては、溶融状態で液晶を形成するポリマーとしてのポリエステルがある。これらの区分に入るポリエステルとしては、イーストマンコダック社のX7G、ダートコ社のXyday(ザイダー)、住友化学社のエコノール、セラニーズ社のベクトラ等が代表的な商品である。
以上、挙げた種々のポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリナフタレンテレフタレート(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)、液晶性ポリエステル類、及びそれらの混合物が本発明に好適なポリエステルである。とりわけ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリトリメチレンテレフタレートからなる群から選ばれる1種以上がより好適であり、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートがもっとも好適である。
また、これらポリエステルは、本発明の樹脂組成物の効果の1つである吸水率を抑えるためには、イオン性官能基を含まない方が好ましい。
本発明で使用することができるポリエステルの極限粘度(IV:濃度0.5g/100ml、フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶液中、20℃で測定)は、0.5〜1.2dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.0dl/gであり、さらに好ましくは0.6〜0.9dl/gである。また、極限粘度の異なる2種類以上のポリエステルを混合しても構わない。樹脂組成物の衝撃特性を低下させないために、極限粘度は0.5dl/g以上であることが好ましく、0.6dl/g以上であることがより好ましい。樹脂組成物の流動性を低下させないために、極限粘度は1.2dl/g以下であることが好ましく、1.0dl/g以下であることがより好ましい。
また、本発明で使用することができるポリエステルとしては、市場から回収されたポリエステルであっても構わない。特に、ポリエチレンテレフタレートについては、回収されたPETボトルから再生されたものを含んでいても構わない。市場から回収されたものを使用することで環境負荷を低減することができる。
本発明の樹脂組成物におけるポリエステルの配合量としては、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対して、0.1〜25質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量部、さらに好ましくは1〜15質量部、もっとも好ましくは2.5〜15質量部である。樹脂組成物のIzod衝撃特性を低下させないためには、ポリエステルの配合量は25質量部以下であることが好ましい。更に樹脂組成物の低温での衝撃特性を低下させないために15質量部以下であることが好ましい。また、樹脂組成物の優れた導電性を発現するために、ポリエステルの配合量は0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましい。更に、樹脂組成物の吸水率を抑えるためには2.5質量部以上であることが好ましい。
次に、本発明において使用することができる導電性炭素系フィラーについて説明する。本発明で使用可能な導電性炭素系フィラーの具体例としては、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリル(CNTとも言う)、カーボンファイバー等が挙げられる。
本発明で使用できる導電性カーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上のものが好ましく、より好ましくはDBP吸油量が300ml/100g以上、更に好ましくは350ml/100g以上のカーボンブラックである。ここで言うDBP吸油量とは、ASTM D2414に定められた方法で測定した値である。
また、これら導電性カーボンブラックと通常のカーボンブラックを併用しても構わない。また、本発明で使用できる導電性カーボンブラックはBET表面積が200cm/g以上のものが好ましく、更には400cm/g以上のものがより好ましい。市販されているものを例示すると、ケッチェンブラックインターナショナルのケッチェンブラックECやケッチェンブラックEC−600JD等が挙げられる。
本発明で使用できるカーボンフィブリルの例としては、米国特許4663230号明細書、米国特許5165909号明細書、米国特許5171560号明細書、米国特許5578543号明細書、米国特許5589152号明細書、米国特許5650370号明細書、米国特許6235674号明細書等に記載されている繊維径が75nm未満で中空構造をした分岐の少ない炭素系繊維が挙げられる。また、1μm以下のピッチでらせんが一周するコイル状形状のものも含まれる。市販されているものとしては、ハイペリオンキャタリシスインターナショナル社から入手可能なカーボンフィブリル(BNフィブリル)等を挙げることができる。
本発明で使用できるカーボンファイバーとしては、ポリアクリロニトリル系カーボンファイバー、レーヨン系カーボンファイバー、リグニン系カーボンファイバー、ピッチ系カーボンファイバー等が挙げられる。これらを単独で使用しても構わないし、2種類以上を併用しても構わない。
本発明における導電性炭素系フィラーとしては、上述したような、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリル、カーボンファイバー等を併用してももちろん構わない。
本発明における導電性炭素系フィラーとしては、平均一次粒子径または平均繊維径が1μm未満のものが好ましい。上述したものの中では、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリル等が具体例として挙げられる。
本発明における平均一次粒子径とは、粒子状の導電性炭素系フィラーの場合に適用されるもので、少なくとも1.5〜2nmの分解能をもつ電子顕微鏡により数万倍の写真を撮影し、2,000個以上の粒子の直径を測定した平均値である。本発明における平均繊維径とは、繊維状の導電性炭素系フィラーの場合に適用されるもので、平均一次粒子径同様に電子顕微鏡により測定したものである。
本発明における導電性炭素系フィラーの好ましい添加量は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルの合計量100質量部に対して、0.1〜3質量部の範囲である。より好ましくは0.3〜3質量部、もっとも好ましくは0.3〜2質量部である。
これら導電性炭素系フィラーの添加方法に関して、特に制限はない。ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及びポリエステルの混合物中に、直接添加して溶融混練する方法;ポリエステル及びポリアミドから選ばれる1種類以上に予め配合したマスターバッチの形態で添加する方法等が挙げられる。中でも、マスターバッチの形態で添加することが好ましい。
導電性カーボンブラックのマスターバッチについては、導電性カーボンブラックを、ポリアミド中に予め配合したマスターバッチや、ポリエステル中に予め配合したマスターバッチ、さらにはポリアミドとポリエステルの混合物に予め配合したマスターバッチが好ましい。
これらマスターバッチ中の導電性カーボンブラックの量としては、マスターバッチを100質量%としたとき、導電性カーボンブラックの量が5〜25質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%、更に好ましくは8〜12質量%である。
また、カーボンフィブリルのマスターバッチについても同様で、ポリアミド、ポリエステル又はポリアミドとポリエステルの混合物中に配合するマスターバッチが好ましく使用できる。中でも、ポリアミド中にカーボンフィブリルを配合したマスターバッチとしては、ハイペリオンキャタリストインターナショナル社から入手可能なポリアミド66/カーボンフィブリルマスターバッチ(商品名:Polyamide66 with Fibril TM Nanotubes RMB4620−00:カーボンフィブリル量20%)が挙げられる。
これらマスターバッチ中のカーボンフィブリルの量としては、マスターバッチを100質量%としたとき、カーボンフィブリルの量が5〜25質量%であることが好ましく、より好ましくは8〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量%である。
これらマスターバッチの製造方法の例としては、上流側に1箇所と下流側に1箇所以上の供給口を有する二軸押出機を使用して、上流側よりポリアミド及び/またはポリエステルを供給し、下流側より導電性炭素系フィラーを添加して溶融混練する方法;上流側よりポリアミド及び/またはポリエステルの一部、下流側より残りのポリアミド及び/またはポリエステルと導電性炭素系フィラーを添加して溶融混練する方法;上流側よりポリアミド、下流側よりポリエステルと導電性炭素系フィラーを添加して溶融混練する方法;上流側よりポリエステル、下流側よりポリアミドと導電性炭素系フィラーを添加して溶融混練する方法;上流側に1箇所と下流側に2箇所以上の供給口を有する二軸押出機を使用して、上流側よりポリアミドまたはポリエステル、下流側第1供給口(下流側2箇所の供給口のうちの上流側)よりポリエステルまたはポリアミドを供給し、下流側第2供給口(下流側2箇所の供給口のうちの下流側)より導電性炭素系フィラーを添加して溶融混練する方法等が挙げられる。
また、これらマスターバッチを製造する際の加工機械の設定温度として特に制限はないが、240〜350℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは240〜300℃の範囲、更に好ましくは240〜280℃の範囲である。
本発明においては必要に応じ、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルの合計100質量部に対し、50質量部未満の量のエラストマーを含んでいても構わない。本発明で好適に使用できるエラストマーとしては、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含むブロック共重合体が挙げられる。
本発明の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該ブロックにおいて、少なくとも50質量%以上が芳香族ビニル化合物であるブロックを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」に関しても同様で、少なくとも50質量%以上が共役ジエン化合物であるブロックを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
この場合、例えば芳香族ビニル化合物ブロック中にランダムに少量の共役ジエン化合物もしくは他の化合物が結合されているブロックの場合であっても、該ブロックの50質量%が芳香族ビニル化合物より形成されていれば、芳香族ビニル化合物を主体とするブロック共重合体とみなす。また、共役ジエン化合物の場合においても同様である。
芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
ブロック共重合体の共役ジエン化合物ブロック部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、15〜40%が最も好ましい。
本発明におけるブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック[A]と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック[B]が、A−B型、A−B−A型及びA−B−A−B型からなる群から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体であることが好ましく、これらの混合物であっても構わない。これらの中でもA−B型、A−B−A型、又はこれらの混合物がより好ましく、A−B−A型がもっとも好ましい。
また、本発明で使用することのできる芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることがより好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合を0を越えて100%の範囲で制御したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は80%以上であり、最も好ましくは98%以上である。
これらブロック共重合体は水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体の混合物としても問題なく使用可能である。
また、これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、本発明の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−結合ビニル含有量もしくは1,2−結合ビニル含有量と3,4−結合ビニル含有量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの等混合して用いても構わない。
本発明に使用するブロック共重合体として、低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体との混合物であることが望ましい。具体的には、数平均分子量120,000未満の低分子量ブロック共重合体と、数平均分子量120,000以上の高分子量ブロック共重合体の混合物である。より好ましくは、数平均分子量120,000未満の低分子量ブロック共重合体と、数平均分子量170,000以上の高分子量ブロック共重合体の混合物である。
これら低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体の質量比は、低分子量ブロック共重合体/高分子量ブロック共重合体=95/5〜5/95であることが好ましい。より好ましくは90/10〜10/90である。
本発明でいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置[GPC SYSTEM21:昭和電工(株)製]を用いて、紫外分光検出器[UV−41:昭和電工(株)製]で測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量のことを指す。測定条件は次のとおりである。
(測定条件)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
カラム:サンプル側(K−G,K−800RL,K−800R)
リファレンス側(K−805L×2本)
流量:10ml/分
測定波長:254nm
圧力;15〜17kg/cm
この時、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0〜1.2の範囲内である。
また、本発明において、低分子量ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの含有量の好ましい範囲は、55質量%以上90質量%未満である。低分子量ブロック共重合体に、この範囲内の芳香族ビニル重合体ブロックを持つブロック共重合体を用いることにより、耐熱性を向上させることができるため、より好適に使用することができる。
更に、低分子量ブロック共重合体を、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55質量%以上90質量%未満の量で含有するブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20質量%以上55質量%未満の量で含有するブロック共重合体との混合物としても構わない。
また、本発明で使用するブロック共重合体は、全部又は一部が変性されたブロック共重合体であっても構わない。ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
又、ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基を有する、少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じものが使用できる。
該変性されたブロック共重合体の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下、ブロック共重合体の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法;(2)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下、ブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶液中で反応させる方法;(3)ラジカル開始剤の存在下又は非存在下、ブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられる。これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
本発明の樹脂組成物には無機充填材を添加しても構わない。本発明において使用できる無機充填材の例としては、ウォラストナイト、タルク、カオリン、ゾノトライト、酸化チタン、チタン酸カリウム、ガラス繊維、酸化亜鉛、硫化亜鉛等が挙げられる。中でもウォラストナイト、タルク、クレイ、酸化チタン、ガラス繊維、酸化亜鉛、硫化亜鉛が好ましく、より好ましくはウォラストナイト、タルクである。また、これらは混合して使用しても構わない。
本発明で使用することができるウォラストナイトは、珪酸カルシウムを成分とする天然鉱物を精製、粉砕及び分級したものである。また、人工的に合成したものも使用可能である。ウォラストナイトの大きさとしては、平均粒子径2〜9μm、アスペクト比5以上のものが好ましく、より好ましくは平均粒子径3〜7μm、アスペクト比5以上のもの、さらに好ましくは平均粒子径3〜7μm、アスペクト比8以上のものである。
また、ウォラストナイトは、平均粒子径2〜9μm、アスペクト比5以上のものと、平均粒子径2〜9μm、アスペクト比5未満のものを併用してもよい。好ましくは、平均粒子径3〜7μm、アスペクト比5以上のものと平均粒子径3〜7μm、アスペクト比5未満のものの併用、より好ましくは、平均粒子径3〜7μm、アスペクト比8以上のものと平均粒子径3〜7μm、アスペクト比5未満のものの併用である。これらアスペクト比の異なるものを併用する場合、アスペクト比の小さいものが、全ウォラストナイト100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
さらに、本発明のウォラストナイトは1000℃での加熱減量が1.5質量%以下のものが好ましい。
また、これらのウォラストナイトには、表面処理剤として、高級脂肪酸またはそのエステル、塩等の誘導体(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル等)や、カップリング剤(例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等)を必要により使用することができる。その使用量としてはウォラストナイトに対して0.05〜5質量%であることが好ましい。
これらウォラストナイトの好ましい量比は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルの合計100質量部に対して2〜80質量部である。より好ましくは2〜70質量部であり、さらに好ましくは5〜60質量部である。
本発明で使用することができるタルクは、珪酸マグネシウムを成分とする天然鉱物を精製、粉砕及び分級したものである。これらのタルクの大きさとしては、平均粒子径1〜20μmのものが好ましい。
また、これらのタルクには、表面処理剤として、高級脂肪酸またはそのエステル、塩等の誘導体(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル等)や、カップリング剤(例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等)を必要により使用することができる。その使用量としてはタルクに対して0.05〜5質量%であることが好ましい。これらタルクの好ましい量比は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルの合計100質量部に対して2〜80質量部である。より好ましくは2〜70質量部であり、さらに好ましくは5〜60質量部である。
また、本発明の樹脂組成物は、ポリアミドとポリエステルの相溶化剤及びポリエステルとポリフェニレンエーテルの相溶化剤から選ばれる1種以上を更に含んでも構わない。
ポリアミドとポリエステルの相溶化剤としては、例えば亜リン酸エステル化合物、亜リン酸金属塩及びリン酸金属塩等からなる群から選ばれる1種以上を挙げることができる。この中で、リン酸金属塩のみを用いた場合には、樹脂組成物の色調が悪化したり熱時剛性が低下したりする傾向にあるので注意が必要である。
ここでいう亜リン酸エステル化合物とは、下記一般式で示される。
(OR)P(OH)3−n
[ここで、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基などで置換された置換アルキル基を表し、nは1、2あるいは3を表す。また、(RO)基は、同じでも異なっていてもよい。Rとして、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基;フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、あるいはヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基、メトキシ基、エトキシ基などの置換基を有する芳香族基などを挙げることができる。]
好ましい亜リン酸エステル化合物としては、例えば亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリオクチル、亜リン酸トリブトキシエチル、亜リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルクレジル、亜リン酸トリクレジル、亜リン酸ビフェニル、亜リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、亜リン酸トリス(1,5−ジ−t−ブチルフェニル)、亜リン酸トリス(ジメチルフェニル)、亜リン酸トリス(イソプロピルフェニル)、亜リン酸オクチルジフェニル、またはこれらの混合物を挙げることができる。
亜リン酸エステル化合物の好ましい配合量は、ポリアミドとポリエステルの合計100質量部に対して、0.05〜10質量部である。より好ましくは0.1〜5質量部であり、最も好ましくは0.5〜2.5質量部である。
次に、ここでいう亜リン酸金属塩とは、亜リン酸又は次亜リン酸と、元素周期律表の1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13族元素あるいはスズ、鉛などとの金属塩である。なお、これら亜リン酸金属塩は、もちろん単独で用いても良いし2種以上組み合わせて用いても良い。これらの中でも好ましいのが次亜リン酸金属塩であり、最も好ましいのが次亜リン酸ナトリウム(NaHPO・HO)、次亜リン酸カルシウム(Ca(HPO)あるいはこれらの混合物である。
上記亜リン酸金属塩の含有量は、ポリアミドとポリエステルの合計100質量部に対して、0.05〜10質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部であり、最も好ましくは0.5〜2.5質量部である。
また、これらの相溶化剤それぞれの組成物中における存在状態には特に制限はない。例えば、亜リン酸エステルあるいは亜リン酸金属塩のままで存在しても良く、またリン酸エステルあるいはリン酸金属塩として存在しても良いし、これらが混在した状態であっても良い。また、亜リン酸エステル化合物あるいは亜リン酸金属塩が加水分解した状態、例えば亜リン酸、リン酸などの状態で存在しても構わない。
本発明におけるポリエステルとポリフェニレンエーテルの相溶化剤の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリル酸、メチルメタクリル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸といった炭素−炭素二重結合または三重結合とポリエステルと反応する官能基を同時に有する化合物;グリシジルメタクリレートとポリスチレンの共重合体、アクリル酸とポリスチレンの共重合体といったポリエステルと反応する官能基を有するスチレン系樹脂;及びイソシアネート系化合物;オキサゾリン環含有化合物;トリフェニルフォスフィンといったポリフェニレンエーテルとポリエステルの相溶化剤として公知のものはすべて使用可能である。
これらポリフェニレンエーテルとポリエステルの相溶化剤の好ましい量は、ポリフェニレンエーテルとポリエステルの合計100質量部に対して、0.1〜20質量部である。より好ましくは0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
これら相溶化剤の添加方法に特に制限はない。一例を挙げると、マスターバッチを製造する際に、ポリエステルもしくは導電性炭素系フィラーとともに添加する方法;樹脂組成物を製造する際に、ポリフェニレンエーテルとともに添加する方法;ポリエステルマスターバッチとともに樹脂組成物に添加する方法;もしくは、ポリアミドとともに樹脂組成物に添加する方法;樹脂組成物にその他の成分(無機フィラー等)を添加する際に、その他の成分とともに添加する方法等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物には、スチレン系熱可塑性樹脂をポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルの合計100質量部に対し、50質量部未満の量であれば配合しても構わない。本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂とは、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、更にグリシジルメタクリレート基を含有する共重合体を添加しても構わない。具体例としては、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリスチレン/エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
本発明では、上記した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。付加的成分の例を以下に挙げる。
無機充填材と樹脂との親和性を高めるための公知の密着改良剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分の具体的な添加量は、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルの合計量100質量部に対して、合計で100質量部を超えない範囲である。
本発明の樹脂組成物においては、ポリアミドが連続相を形成し、ポリフェニレンエーテル及びポリエステルが非連続相を形成していることが好ましい。ここでいう「非連続相」とは、連続相を形成しない相のことであって、その形状は、球状であっても、不定形(数珠状、紐状等)であっても構わない。また、それらの輪郭は滑らかであっても凹凸であっても構わない。これらモルフォロジーは例えば透過型顕微鏡等で確認することができる。代表例の透過型顕微鏡写真を図1に示す。ポリエステルが非連続相を形成することで、理由は定かではないが、本発明の樹脂組成物は優れた表面外観(表面光沢)を有するようになる。
また、本発明において、導電性炭素系フィラーは、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステルのいずれの相に存在しても構わないが、中でも、ポリエステル相及び/又はポリエステル相とポリアミド相の界面に少量でも存在していることが好ましい。ここでいう「ポリエステル相とポリアミド相の界面」とは、透過型電子顕微鏡を用いて観察した際のポリアミド相とポリエステル相の境界付近を指す。本発明の樹脂組成物においては、ポリエステル相及び/又はポリエステル相とポリアミド相の界面に少量でも導電性炭素系フィラーが存在することにより、導電性が飛躍的に向上する。ポリエステル相及び/又はポリエステル相とポリアミド相の界面に導電性炭素系フィラーが存在することは、透過型電子顕微鏡を用いて確認できる。例えば、樹脂組成物のペレットまたは成形品から、小片を切り取り、ウルトラミクロトームを使用して超薄切片を作成し、表面を塩化ルテニウム、四酸化オスミウム、リンタングステン酸等で染色し、透過型電子顕微鏡で、50,000倍程度で観察することで確認できる。
本発明の樹脂組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられる。中でも二軸押出機が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えたスクリュー直径25mm以上でL/Dが30以上の二軸押出機が好ましく、スクリュー直径45mm以上でL/Dが30以上の二軸押出機が最も好ましい。
この際の加工機械のシリンダー設定温度は特に限定されるものではなく、通常240〜360℃の中から好適な樹脂組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体として成形できる。
これら各種部品としては、例えばリレーブロック材料等に代表されるオートバイ・自動車の電装部品、ICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット等の電気・電子部品、各種コンピューターおよびその周辺機器等のOA部品や機械部品、さらにはオートバイのカウルや、自動車のバンパー・フェンダー・ドアーパネル・各種モール・エンブレム・アウタードアハンドル・ドアミラーハウジング・ホイールキャップ・ルーフレール及びそのステイ材・スポイラー等に代表される外装部品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等に代表される内装部品等に好適に使用できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に示されたものに限定されるものではない。
(使用した原料)
(1)ポリアミド6,6(以下、PA66と略記)
商品名:レオナ1200−011(旭化成ケミカルズ社製)
(2)ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記)
(2−1)商品名:NEH−2050(ユニチカ社製)(以下、PET−1と略記)
極限粘度:IV=0.78(濃度0.5g/100ml、フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶液中、20℃で測定)
(2−2)商品名:MA−1340P(ユニチカ社製)(以下、PET−2と略記)
極限粘度:IV=0.57(濃度0.5g/100ml、フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶液中、20℃で測定)
(2−3)商品名:MA−2101M(ユニチカ社製)(以下、PET−3と略記)
極限粘度:IV=0.64(濃度0.5g/100ml、フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶液中、20℃で測定)
(2−4)商品名:MA−2103(ユニチカ社製)(以下、PET−4と略記)
極限粘度:IV=0.68(濃度0.5g/100ml、フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶液中、20℃で測定)
(2−5)商品名:MA−1344P(ユニチカ社製)(以下、PET−5と略記)
極限粘度:IV=0.71(濃度0.5g/100ml、フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶液中、20℃で測定)
(3)ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記)
商品名:ジュラネックス2002(ポリプラスチックス社製)
(4)ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記)
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
還元粘度:0.52dl/g、(濃度0.5g/dl、クロロホルム溶液中、30℃で測定)
(5)導電性炭素系フィラー
(5−1)導電性カーボンブラック(以下、KBと略記)
商品名:ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル社製)
DBP吸油量:495ml/100g(ASTM D2414に準拠して測定)
(5−2)カーボンフィブリル
ポリアミド66/カーボンフィブリルマスターバッチ(以下、PA/CNT−MBと略記)
商品名:Polyamide66 with Fibril TM Nanotubes RMB4620−00:カーボンフィブリル量20%(ハイぺリオン社製)
(6)水素添加ブロック共重合体
(6−1)商品名:クレイトンG1651(クレイトンポリマー社製)(以下、SEBS−1と略記)
(6−2)商品名:タフテックH1081(旭化成ケミカルズ社製)(以下、SEBS−2と略記)
(7)相溶化剤
無水マレイン酸(日本油脂社製)
(評価方法)
以下に、導電性(体積抵抗率)、表面光沢、流動性、Izod衝撃強度、吸水性の評価方法について述べる。
<体積抵抗率>
得られた樹脂組成物ペレットを、東芝IS−80EPN成形機(溶融樹脂温度290℃、金型温度を90℃に設定)を用いて、ダンベルバーとしてISO294の記載の如く成形し、アルミ防湿袋中にて23℃で48時間静置した。該試験片を用いて、長さ約70mmになるように予め破断箇所にカッターナイフで傷をつけた後、液体窒素中に20分間浸漬して冷却した後、破断した。これを1時間室温で放置した後に、この破断面に銀ペーストを塗布した。室温で30分間予備乾燥した後、更に80℃の熱風乾燥機中で20分間乾燥した。これを23℃、50RH%の恒温恒湿室に1時間放置して室温まで冷却した。その後、デジタル高抵抗/微少電流計[R8340A:アドバンテスト製]を用いて、250Vの印加電圧で両方の破断面間の体積抵抗を測定し、体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。測定は5個の異なる試験片に対して実施し、その加算平均を表に求めた。
<流動性(MFR)>
得られたペレットを水分約400ppmに調整し、ASTM D1238に従って、280℃、5.0kg荷重におけるMFR(g/10分)を測定した。
<表面光沢>
東芝IS−80EPN成形機(溶融樹脂温度290℃、金型温度を90℃に設定)を用いて、90×50×2.5mmの平板成形片を成形した。成形条件は射出速度700mm/秒、保圧40MPa、射出+保圧時間10秒、冷却時間15秒とした。得られた平板成形片に蛍光灯を映し、その鮮映性を目視で観察した。蛍光灯がはっきりと見えるものを表面光沢有りとし、蛍光灯がぼやけているものを表面光沢無しとした。
<吸水性>
90×50×2.5mmの平板成形片を40℃の温水中に750時間浸漬させたときの浸漬前後の質量変化を測定し、吸水率を下記のように算出した。尚、質量測定の際には表面に付着した水滴を乾いた布で拭き取った後測定した。
吸水率=ΔM/Mb×100(%)
※ΔM:Ma−Mb
Ma:温水浸漬後の質量
Mb:温水浸漬前の質量
<Izod衝撃強度>
ISO180/1Aに従って、23℃におけるノッチ付きIzod衝撃強度(kJ/m)を測定した。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口、6番目のバレルに下流側供給口を有し、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=52(バレル数:13)の二軸押出機[ZSK−25:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、シリンダー温度270℃設定下で、スクリュー回転数400rpm、吐出量10kg/hで、上流側供給口より90質量部のPA66を供給し、下流側供給口より10質量部のKBを供給して溶融混練し、ポリアミド/導電性カーボンブラックマスターバッチ(以下、PA/KB−MBと略記)を作製した。また、上記二軸押出機を用いて、上流側供給口から下流側供給口の手前までを320℃、下流側供給口からダイまでを280℃に設定し、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/hで、表1記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、水素添加ブロック共重合体、無水マレイン酸を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりPA66、PA/KB−MB、PETまたはPBTを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率、表面光沢、吸水性、Izod衝撃強度を評価した。各物性値を成分組成と共に表1に併記し、体積抵抗率とMFRの関係(実施例1〜2、比較例1〜3)を図2に示した(図中のグレイ部分はこれらの物性も好ましい範囲を示す)。また、実施例2の樹脂組成物について透過型顕微鏡観察を行った。その写真(ルテニウム蒸気染色およびリンタングステン酸浸漬染色)を図1に示した。図1よりPPEとPETがそれぞれ独立して非連続相を形成していることが確認できた
表1の結果から、PETまたはPBTを添加することにより、樹脂組成物の導電性を大幅に向上させることができ、表面光沢も優れることがわかる。
[実施例4]
実施例1と同じ二軸押出機を用いて、上流側供給口から下流側供給口の手前までを320℃、下流側供給口からダイまでを280℃に設定し、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/hで、表1記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、水素添加ブロック共重合体、無水マレイン酸を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりPA66、PET、PA/CNT−MBを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率、表面光沢、吸水性、Izod衝撃強度を評価した。各物性値を成分組成と共に表1に併記した。
[実施例5〜8]
成分組成を表2に記載したように変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率、表面光沢、吸水性、Izod衝撃強度を評価した。各物性値を成分組成と共に表2に併記した。
[実施例9]
成分組成を表3に記載したように変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率を評価した。各物性値を成分組成と共に表3に併記した。
[実施例10]
実施例1と同じ二軸押出機を用いて、シリンダー温度270℃設定下で、スクリュー回転数400rpm、吐出量10kg/hで、上流側供給口より90質量部のPETを供給し、下流側供給口より10質量部のKBを供給して溶融混練し、ポリエステル/導電性カーボンブラックマスターバッチ(以下、PET/KB−MBと略記)を作製した。また、上記二軸押出機を用いて、上流側供給口から下流側供給口の手前までを320℃、下流側供給口からダイまでを280℃に設定し、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/hで、表3記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、水素添加ブロック共重合体、無水マレイン酸を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりPA66、PA/KB−MB、PET/KB−MBを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率を評価した。各物性値を成分組成と共に表3に併記した。
[実施例11]
実施例1と同じ二軸押出機を用いて、シリンダー温度270℃設定下で、スクリュー回転数400rpm、吐出量10kg/hで、上流側供給口より50質量部のPETと40質量部のPA66を供給し、下流側供給口より10質量部のKBを供給して溶融混練し、ポリエステル/ポリアミド/導電性カーボンブラックマスターバッチ(以下、PET/PA/KB−MBと略記)を作製した。また、上記二軸押出機を用いて、上流側供給口から下流側供給口の手前までを320℃、下流側供給口からダイまでを280℃に設定し、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/hで、表3記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、水素添加ブロック共重合体、無水マレイン酸を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりPA66、PET/PA/KB−MBを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率を評価した。各物性値を成分組成と共に表3に併記した。
[実施例12〜13]
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口、6番目のバレルに下流側第1供給口、9番目のバレルに下流側第2供給口を有し、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=52(バレル数:13)の二軸押出機[ZSK−25:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、上流側供給口から下流側第1供給口の手前までを320℃、下流側第1供給口からダイまでを280℃に設定し、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/hで、表4記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、水素添加ブロック共重合体、無水マレイン酸を供給し溶融混練した後、下流側第1供給口よりPA66、PETを供給し、下流側第2供給口よりKBを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率を評価した。各物性値を成分組成と共に表4に併記した。
[実施例14〜17]
成分組成を表5に記載したように変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率を評価した。各物性値を成分組成と共に表5に併記した。
[実施例18]
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口、7番目のバレルに下流側供給口を有し、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=52(バレル数:13)の二軸押出機[TEM58SS:東芝機械社製]を用いて、上流側供給口から下流側供給口の手前までを320℃、下流側供給口からダイまでを280℃に設定し、スクリュー回転数500rpm、吐出量500kg/hで、表6記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、水素添加ブロック共重合体、無水マレイン酸を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりPA66、PA/KB−MB、PETを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物の流動性(MFR)、体積抵抗率、表面光沢、吸水性、Izod衝撃強度を評価した。各物性値を成分組成と共に表6に併記した。
本発明の導電性樹脂組成物、および該導電性樹脂組成物から形成された成形体は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができる。とりわけ、静電塗装可能な自動車外装部品、特に、自動車フェンダーに好適に使用できる。
実施例2の樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真(ルテニウム蒸気染色およびリンタングステン酸浸漬染色)である。 実施例1〜2および比較例1〜3の樹脂組成物について、体積抵抗率とMFRの関係を示したグラフである。

Claims (16)

  1. ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル及び導電性炭素系フィラーを含む、樹脂組成物。
  2. ポリアミドが連続相を形成し、ポリフェニレンエーテル及びポリエステルが非連続相を形成してなる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. ポリエステルの配合量が、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計量100質量部に対し、0.1〜25質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. ポリエステルの配合量が、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計量100質量部に対し、1〜15質量部である、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 導電性炭素系フィラーの量が、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル及びポリエステルの合計100質量部に対して、0.1〜3質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 導電性炭素系フィラーの平均一次粒子径または平均繊維径が1μm未満である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. 導電性炭素系フィラーが、導電性カーボンブラック及びカーボンフィブリルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 導電性炭素系フィラーの少なくとも一部が、ポリエステル相及び/又はポリエステル相とポリアミド相の界面に存在する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  10. 導電性炭素系フィラーが、ポリエステル及びポリアミドからなる群から選ばれる1種以上に予め配合されたマスターバッチの形態で添加されてなる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  11. ポリフェニレンエーテルが、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  12. エラストマーを更に含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  13. エラストマーが、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含むブロック共重合体の水素添加物である、請求項12に記載の樹脂組成物。
  14. ポリアミド及びポリフェニレンエーテルを含む樹脂組成物用のマスターバッチであって、導電性炭素系フィラー及びポリエステルを含む、上記マスターバッチ。
  15. ポリアミドを更に含む、請求項14に記載のマスターバッチ。
  16. 請求項1に記載の樹脂組成物から形成された射出成形体。
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